JPS6145008Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は容易に蓋体の一部のみを開口し得る食
品の容器蓋に関するものであり、尚詳しくはガス
を含まない液体又は固形物等の如く容器に圧力が
加わらない食品の容器に使用する蓋体であつて、
蓋体の一部分のみを容易に開封し得る部分開口容
器蓋を容易且つ安価に製造し得る様にした容易開
封蓋体である。

［従来の技術］ 従来、液体等の食品容器の蓋体では、部分開口
し得るものとしては金属製の蓋体にスコアーと称
する破断線で囲んだ開口部分を形成した容易開封
蓋体（例えば特公昭42−4.510号）が有つた。

この容易開封蓋体は開口部分にプルタブを付設
し、以て該プルタブを引き起こすことによりスコ
アーに初期破断を与え、以後プルタブを上方に引
き上げつつスコアーに沿つて破断を進行させ、開
口部分を除去する部分開口が行なわれる蓋体であ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 前述の様なプルタブを付設した部分開口容器蓋
は開封用具を要することなく、必要面積のみを部
分開口し得る故利用価値が高く、今日数多く用い
られているも、一般に材質が金属であり加工が困
難にして、材料費と併せて製造コストが高くなる
欠点があつた。

又、ガス飲料の如き内容物を充填する容器の場
合は兎も角、ジユース等の液体、固形物を充填す
る場合には必要以上の強度を有し無駄が多い欠点
があつた。

尚、密封容器の蓋体として合成樹脂製の積層フ
イルムを用いて容器を被蓋する簡易蓋体や紙質製
簡易蓋体もあるも、この様な蓋体では蓋体の一部
分のみを開口し得る様にすることは困難であつ
た。

［問題を解決するための手段］ 本考案は蓋体１０の紙質製天板１１に切込線１
５によつて開口部分１７を区画し、該切込線１５
に近接して開口部分１７に透通孔２０を形成し、
該天板１１の裏面において該切込線１５相当位置
を薄肉部２５とし、開口部周縁１８の切込線１５
内側に開口部周縁補強内側環状突体２３を、又、
天板端部１２の前記切込線１５外側に天板端面補
強外側環状突体２４を設け、該開口部周縁補強内
側環状突体２３と天板端面補強外側環状突体２４
とを前記薄肉部２５で一体とすると共に前記開口
部周縁補強内側環状突体２３と天板１１上面の開
封引手２２とを前記透通孔２０を通じて一体とす
ることにより、開封引手２２、開口部周縁補強内
側環状突体２３、天板端面補強外側環状突体２
４、薄肉部２５の合成樹脂部分を一体として紙質
製天板１１に付設した構造を特徴とする天板１１
に切込線１５を具えた容易開封蓋体である。

［作 用］ 本考案は紙質製天板１１に切込線１５をもつて
開口部分１７を区画する故、紙質製天板１１に容
易に部分開口部分１７を形成することができ、こ
の切込線１５位置は天板１１裏面において合成樹
脂製の薄肉部２５が設けられる故、密封性を害す
ることがない。

又、この薄肉部２５は開口部周縁補強内側環状
突体２３と天板端面補強外側環状突体２４に挟ま
れ強度が低く、且つ、該薄肉部２５上方の紙質製
天板１１に切込線１５が設けられている故、該切
込線１５部分は容易に破断し得るものであり、該
切込線１５内方の開口部分１７周縁裏面における
開口部周縁補強内側環状突体２３は透通孔２０を
経て天板１１上面の開封引手２２と一体とされて
いる故、該開封引手２２を引き上げることにより
開口部周縁補強内側環状突体２３を引き上げ、薄
肉部２５及び切込線１５を破断し、以て容易に切
込線１５で囲まれた開口部分１７を開封除去し得
ることになる。

更に、この蓋体１０は開封引手２２、開口部周
縁補強内側環状突体２３、天板端面補強外側環状
突体２４等の合成樹脂部分が一体である故、切込
線１５及び透通孔２０を設けた紙質製天板１１を
金型に挿入して射出成形することにより容易に製
造し得る。

［実施例］ 本考案の実施例は、第１図に示す如く、紙質製
円形蓋体１０の天板１１に円弧１３と弦１４とよ
りなる半円弧状の開口部分１７を不連続な又は連
続した切込線１５をもつて区画すると共に、第４
図に示すように前記切込線１５に接して天板１１
の開口部分１７に透通孔２０を設ける。そして前
記透通孔２０に合成樹脂製の連続部分２１を形成
することにより、第１図及び第４図に示す如く該
連続部分２１の上部を天板１１上面に設ける開封
引手２２と一体とし、該連続部分２１の下部を開
口部分１７裏面において切込線１５に沿つて接合
した開口部周縁補強内側環状突体２３と一体と
し、以て天板１１の上面に設ける開封引手２２と
開口部周縁補強内側環状突体２３とを接続させ
る。更に、前記開口部周縁補強内側環状突体２３
から切込線１５の下面へ延びる薄肉部２５を介し
て、切込線１５に近接し天板１１裏面に接合した
天板端面補強外側環状突体２４をも一体に形成す
るものとする。

斯くして、天板１１上面に設ける開封引手２
２、開口部分１７裏面に設ける開口部周縁補強内
側環状突体２３、天板１１裏面に設ける天板端面
補強外側環状突体２４、及び薄肉部２５の合成樹
脂製の部分を一体に形成する。尚、第２図に示す
様に天板１１の全外周に沿つて容器本体の口縁に
応じた円形の被蓋ガイド２７を設けるものとし、
開口部分１７外側縁における天板端面補強外側環
状突体２４が蓋体１０の裏面周縁における被蓋ガ
イド２７の一部となるように天板端面補強外側環
状突体２４の一部を共用して被蓋ガイド２７を天
板端面補強外側環状突体２４と一体に成形するこ
とが好ましい。これは合成樹脂製の部分を一体と
することを維持しつつ被蓋ガイド２７を設けるこ
とにより該被蓋ガイド２７によつて蓋体１０を容
器本体に取り付ける際の取り付けを容易とするこ
とができるからである。

尚、切込線１５は連続の場合と不連続な場合が
あり、又切込線１５に代えてミシン目切取線とす
る場合もある。

［考案の効果］ この様に本考案は紙質製天板１１に開封引手２
２、開口部周縁補強内側環状突体２３、天板端面
補強外側環状突体２４等を形成する一体の合成樹
脂部分を付設するのみである故、蓋体１０の製造
が容易にして、合成樹脂の使用量を節約して安価
に量産することが可能な部分開口形の容易開封蓋
体１０であり、紙質製天板１１に切込線１５を設
けても裏面に薄肉部２５を形成している故、開封
迄の密封性を確保し、又、開封引手２２を設けて
いる故、該開封引手２２を持ち上げることにより
切込線１５位置の薄肉部２５を容易に破断し得て
蓋体１０の所要部分のみを容易に開口除去し得る
蓋体１０である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る蓋体の平面図、第２図は
第１図の−断面図、第３図は第２図のとし
て示す部分の拡大図にして、第４図は第２図の
として示す部分の拡大図。 １０……蓋体、１１……天板、１２……端部、
１３……円弧、１４……弦、１５……切込線、１
７……開口部、１８……開口部周縁、２０……透
通孔、２１……連続部分、２２……開封引手、２
３……開口部周縁補強内側環状突体、２４……天
板端面補強外側環状突体、２５……薄肉部、２７
……被蓋ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体の紙質製天板に切込線によつて開口部分を
   区画し、該切込線に近接して開口部分に透通孔を
   形成し、該天板の裏面において該切込線相当位置
   を薄肉部とし、開口部周縁の切込線内側に開口部
   周縁補強内側環状突体を、又、天板端部の前記切
   込線外側に天板端面補強外側環状突体を設け、該
   開口部周縁補強内側環状突体と天板端面補強外側
   環状突体とを前記薄肉部で一体とすると共に前記
   開口部周縁補強内側環状突体と天板上面の開封引
   手とを前記透通孔を通じて一体とすることによ
   り、開封引手、開口部周縁補強内側環状突体、天
   板端面補強外側環状突体、薄肉部の合成樹脂部分
   を一体として紙質製天板に付設した構造を特徴と
   する切込線を具えた容易開封蓋体。