JP3649589B2 - 液体加熱装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば食品の揚げ物機、茹麺機等の液体加熱装置に係わり、特に液槽内の液体を効率良く加熱し得る液体加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油槽内部に貯めた食用油によって食品を揚げる液体加熱装置としての揚げ物機は、例えば実開昭61−64837号公報に開示されている。この揚げ物機101は、図8に示すように、油槽102の底部103の一端側の下方に油槽102内のカス物を溜める溜め部104を突設形成すると共に、底部103の裏側にバーナ105からの熱を導く凹状の熱導路106を上方に突出して形成し、この熱導路106内に断面十字形状のフィン107を固定したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この揚げ物機101にあっては、フィン107を底部103に密着して固定することができず、十分な熱効率が得られないという問題点があった。すなわち、フィン107が長尺状の2枚の板体を断面十字形状に接合して形成され、これを底部103の凹状の熱導路106内に配設する構造であるため、フィン107を熱導路106の内面に直接固定することは作業上極めて困難となる。
【0004】
また、仮にフィン107を熱導路106の内面に直接固定したとしても、熱導路106の内面との接触面積は2枚の板体の板厚に相当する程度にしかならず良好な面接触状態が得られないし、直接固定した場合にはフィン107が熱膨脹して長手方向に反り、液槽102の底部103を変形される虞もある。したがって、フィン107の外周端を熱導路106の内面と所定の間隙を有して固定しなければならず、フィン107による伝熱面積を大きく設定することができずに、十分な熱効率を得ることが困難になる。
【0005】
また、フィン107自体が断面十字形状の複雑な形状であるため、その部品コストがアップすると共に、油槽102の底部103に凹状の熱導路106を形成する必要があるため、液槽102の製造コストがアップする等、揚げ物機101自体の構造が複雑化しかつ高価になり易いという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、請求項1記載の発明の目的は、液槽の底部裏側に燃焼ガス通路を効果的に形成して十分な熱効率が得られると共に、液槽底部の変形を確実に防止しかつ液槽底部の構成を簡略化させて加熱装置自体をより安価に形成し得る液体加熱装置を提供することにある。また、請求項2及び3記載の発明の目的は、請求項1の発明の目的に加え、液槽底部の構成をより一層簡略化し得る液体加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、液槽の底部下方に配置したバーナで液槽底部を加熱して液槽内の液体を加熱する液体加熱装置であって、前記液槽底部は、銅と略同一の線膨張係数のステンレス板と、該ステンレス板の裏面に並設固着された銅製の長尺状の通路形成部材とからなる底板ユニットを有すると共に、銅製の長尺状の通路形成部材を前記ステンレス板に面接触状態で固定することにより、液槽の底部裏側に燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする。
【0008】
このように構成することにより、液槽内に所定量貯められた液体は、液槽の底部のステンレス板裏面がバーナの燃焼で加熱されることによって昇温され、この時バーナの燃焼ガスは、ステンレス板裏面に固着した銅製の通路形成部材で形成される燃焼ガス通路内を長手方向に沿って流れる。通路形成部材は、熱伝導率の高い銅によって形成されると共に、液槽底部のステンレス板裏面に面接触状態で固着されるため、燃焼ガスの熱を効率良くステンレス板に伝熱することができて、液槽の熱効率が高められる。また、通路形成部材がステンレス板と略同一の線膨張係数を有することから、熱による液槽底部の変形が防止されると共に、通路形成部材をステンレス板裏面に直接固着するだけで燃焼ガス通路を形成できることから、液槽底部の構成が簡略化される。
【0009】
更に、液槽底部が、銅と略同一の線膨張係数のステンレス板と、該ステンレス板の裏面に並設固着された銅製の長尺状の通路形成部材とからなる底板ユニットを有することにより、予めステンレス板に通路形成部材を固着して底板ユニットを形成し、これを液槽の周壁部下部に固着するだけで液槽を製造でき、その製造が容易となって加熱装置自体がより安価に形成される。また、ステンレス板と通路形成部材が略同一の線膨張係数を有することから、底板ユニットの製造時の熱によるステンレス板等の反り、すなわち液槽底部の変形等がより確実に防止される。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、通路形成部材が、角筒形状に形成されて幅方向に連設されることによって、燃焼ガス通路が形成されることを特徴とし、請求項3記載の発明は、通路形成部材が、断面略コ字状に形成されて幅方向に連設されることによって、燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする。このように構成することにより、角筒形状の通路形成部材や断面略コ字状の通路形成部材の一側面をステンレス板に面接触状態で並設固着するだけで、液槽底部に燃焼ガス通路を形成することができ、液槽底部の構成の一層の簡略化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係わる液体加熱装置の一実施例を示し、図1がその平面図、図2が図1のA−A線矢視断面図、図3が図1のB−B線矢視断面図、図4が底板ニットの一部破断した斜視図である。
【0012】
図1〜図3において、液体加熱装置1は、下部に脚3が設けられ例えばステンレス板で形成された略直方体形状の筐体2を有し、この筐体2内には液槽4が配置されると共に、この液槽4の前方側(図1において下方側)下部にはガスバーナ5が配置されている。液槽4は、上面に開口4aを有する略直方体形状に形成されて、その底部4bには加熱面を形成する底板ユニット6が一体的に配置されている。
【0013】
この底板ユニット6は、図4に示すように、液槽4の底部4bの大きさと略同一の大きさを有するステンレス板7と、このステンレス板7の裏面に固着された複数本(図では7本)の銅製の通路形成部材としての角パイプ8とで構成されている。ステンレス板7は、純銅と略同一の線膨張係数を有する例えば18Cr.8Niのステンレス材で形成されている。また、角パイプ8は純銅で形成され、ステンレス板7の前部7aを除く裏面に、例えば炉中ロー付け(もしくは高周波溶接)されることによって上面側の側壁部8aが連設状態で固着され、この角パイプ8の孔によって燃焼ガス通路9が形成されている。
【0014】
そして、底板ユニット6は、ステンレス板7の外周縁端が、液槽4の周壁部4cの下端にアルゴン溶接等によって固定されることによって、液槽4の底部4bに水平状態で配置されている。この液槽4は、例えば上下が開口した断面長方形状の周壁部材を形成し、この周壁部材の下端開口部に予め製造された底板ユニット6を溶接固定することによって製造される。
【0015】
前記液槽4の下部に配置されるガスバーナ5は、ブンゼン式ガスバーナで形成され、図3に示すように、そのヘッドに多数の炎口を有すると共にガス弁10が接続されている。そして、このガスバーナ5は、液槽4の底部4bの底板ユニット6の前方下部で、ヘッドの炎口がステンレス板7の前部7a下方に位置する如く配置されている。なお、このガスバーナ5の炎の先端と底板ユニット6のステンレス板7裏面との設置間隔は、例えば略100mm程度になるように設定されている。
【0016】
また、筐体2のガスバーナ5より後方側で角パイプ8の前端部8bと筐体2の底壁2a間には、遮蔽板11が垂直状態で配設され、角パイプ8の後端部8cと筐体2の後壁2b間には遮蔽板12が水平状態で配設されている。この遮蔽板12によって燃焼ガス通路9内の燃焼ガスが、液槽4の後方側の周壁部4c部分に垂直状態で設けられた排気ダクト13に排気される。排気ダクト13は、その上端が液槽4の上面より上方に突出する状態で配設され、上端面には排気孔14が多数形成されている。
【0017】
さらに、筐体2には、液槽4内の液体Wを底部4b(底板ユニット6)の適宜位置に設けた排出孔(図示せず)から外部に排液し得る排液バルブ15が設けられ、また、筐体2の前壁2cには、図1に示すように、前記ガスバーナ5を作動制御するための電源ブレーカや温度設定器等からなる操作盤15が設けられている。
【0018】
次に、上記液体加熱装置1の動作を図3等に基づいて説明する。先ず、液槽4内に水や食用油等の液体Wを所定量貯め、操作盤15で設定温度等を設定すると共に、ガス弁10を開きガスバーナ5の混合管内にガスと空気を供給してガスバーナ5を燃焼させる。ガスバーナ5が燃焼するとその炎が上方に向けて吐出し、この炎による燃焼ガスが、排気ダクト13を介して外気に連通している各角パイプ8内(燃焼ガス通路9内)を、上流側(角パイプ8の前端部8b側)から下流側(角パイプ8の後端部8c側)に向かって矢印イの如く流れる。
【0019】
そして、各角パイプ8内を流れる燃焼ガスは、断面ロ字状の角パイプ8の4つの側壁部内面に接触しながら流れて、角パイプ8の温度が高められる。この時、角パイプ8の一つの側壁部8aが、底板ユニット6のステンレス板7の裏面に面接触状態で直接固着されているため、角パイプ8の4つの側壁部からなる各面が、燃焼ガスの熱を直接受けてステンレス板7に伝熱する伝熱面を形成することになる。
【0020】
この角パイプ8内を直接流れる燃焼ガスの熱によって各角パイプ8の温度が高められ、この時、角パイプ8が熱伝導率の極めて高い(ステンレス材に対して23倍以上)銅板によって形成されていることから、燃焼ガスの熱が各角パイプ8を介して底板ユニット6のステンレス板7に素早く伝熱される。これにより、底板ユニット6のステンレス板7の温度が効率的に高められて、液槽4内の液体Wに対流が生成されつつ、液体Wが所定の温度に昇温される。そして、角パイプ8内を流れた燃焼ガスは、排気ダクト13内を矢印ロの如く流れて、排気孔14から矢印ハの如く外部に排気される。
【0021】
このように、上記実施例の液体加熱装置1にあっては、液槽4の底部4b裏側に、その長手方向に沿って銅製の複数本の角パイプ8の並設状態で固着しているため、各角パイプ8の孔によって燃焼ガス通路9を形成することができて、ガスバーナ5の燃焼による燃焼ガスを各角パイプ8内に流すことができると共に、角パイプ8自体が熱伝導率の高い銅製で形成されているため、角パイプ8自体における伝熱効率を高めることができて、燃焼ガスの熱を底板ユニット6のステンレス板7に効率良く伝熱することができる。
【0022】
特に、角パイプ8の平面状の側壁部8aを底板ユニット6のステンレス板7の裏面にロー付け等によって面接触状態で固着しているため、この角パイプ8によって熱効率の一層の向上が図れる。その結果、液槽4内の液体Wを極めて短い時間で所定温度まで加熱することができて、例えば液体加熱装置1を食品の揚げ物機として使用すれば、効率良い揚げ作業を行うことが可能になる。
【0023】
また、液槽4の底板ユニット6の角パイプ8とステンレス板7が略同一の線膨張係数を有しているため、角パイプ8とステンレス板7とをロー付けする際、及びガスバーナ5による加熱の際に、その熱によって両者を略同程度膨張させることができると共に、複数本の角パイプ8が並設方向に密着した状態で固着されているため、底板ユニット6の断面係数を高めることができ、結果として、底板ユニット6(液槽4の底部4b)の反り等の変形を確実に防止することができる。
【0024】
さらに、角パイプ8の側壁部8aを底板ユニット5のステンレス板7の裏面に固着するだけで、燃焼ガス通路9を形成することができるため、液槽4の底部4bに従来のような凹状の熱導路の加工を施す必要もなくなり、液槽4の底部4bの構成を簡略化することができると共に、ステンレス板7の裏面に固着される角パイプ8自体に一種のフィンの機能を持たせることができるため、従来のような複雑な形状のフィンの使用も不要になる。
【0025】
また、ステンレス板7に角パイプ8が予め炉中ロー付け固着された底板ユニット6を、周壁部4cの下端開口部に溶接固定することによって液槽4を製造することができるため、角パイプ8の固着作業を自動的に行うことができる等、液槽4の製造を容易に行うことができる。これらのことから、底板ユニット6や加熱装置1自体の製造コストの低減が図れ、安価な液体加熱装置1を得ることが可能になる。
【0026】
図5及び図6は、本発明に係わる液体加熱装置の通路形成部材のそれぞれ他の実施例の断面図を示している。なお、上記実施例と同一部位には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下の各実施例においても同様である。先ず、図5に示す通路形成部材17は、銅板を断面コ字状に折り曲げ加工することによって形成し、この通路形成部材17の一方の側壁部17bをステンレス板7に面接触状態で、かつ両側壁部17b、17cの端面を並設される通路形成部材17の底壁部17aに密着させて固着したものである。
【0027】
この通路形成部材17においても、隣り合う通路形成部材17間で燃焼ガス通路18を形成することができ、上記実施例と同様の作用効果が得られる他に、通路形成部材17の形状がより簡略化されると共に、通路形成部材17にフィンの機能をより持たせることができるという作用効果が得られる。なお、この実施例の場合、並設方向の一端に位置する通路形成部材17の凹部は開放されており、燃焼ガス通路18を形成しないが、例えば図5の二点鎖線で示すように、銅製の板体17dを固着すれば、この通路形成部材17にも燃焼ガス通路18を形成することもできる。
【0028】
また、図6に示す通路形成部材19は、断面コ字状の開口した側壁部19b、19c端部に折曲部19dをそれぞれ設けて断面略コ字状に形成し、この通路形成部材19の折曲部19dを並設される通路形成部材19の底壁部19aに密着させ、一対の側壁部19b、19cのうち一方の側壁部19bをステンレス板7に面接触状態で固着したものである。この通路形成部材19においても、隣り合う通路形成部材19によって燃焼ガス通路20が形成され、図5に示す通路形成部材17と略同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
図7は、本発明に係わる液体加熱装置の液槽の他の実施例を示す要部断面図である。この実施例の液槽4の特徴は、底部4bを水平状態ではなく、ガスバーナ5側が低く反ガスバーナ5側が高くなる如く所定角度傾斜させた点にある。この実施例の液槽4によれば、上記実施例の作用効果以外に、傾斜した底板ユニット6に沿って燃焼ガスを流すことができるドラフト効果が得られ、各角パイプ8の燃焼ガス通路9内に燃焼ガスをより効率的に流すことができるという作用効果が得られる。ところで、このように液槽4の底部4bにドラフト効果が得られる傾斜部を設ける場合は、図7の実施例に限らず、例えば図3に二点鎖線で示すように、底板ユニット6のステンレス板7の前部7aを所定角度傾斜させるように構成することもできる。
【0030】
なお、本発明に係わる液体加熱装置の通路形成部材や液槽の構成は、上記した各実施例のそれぞれに限定されるものでもなく、例えば各通路形成部材と各駅層とを適宜に組み合わせることもできるし、特定の液槽に各通路形成部材を組み合わせ使用することもできる。
【0031】
さらに、上記実施例においては、液槽の底部が平坦な場合について説明したが、例えば底部の通路形成部材が固着されていない部分でガスバーナの近傍に、下方に窪んだ形状のガスバーナの熱の影響を直接受けない低温槽を形成しても良い。この低温槽を設けることにより、液槽内のカス物等を低温槽内に収容(沈殿)させることができて、その除去作業(液槽内の清掃作業)が容易に行えると共に、カス物の滞留による液槽内の液体の汚れを防止することができる。
【0032】
また、上記実施例においては、液槽を平面視長方形状に形成したが、正方形状に形成しても良いし、上記実施例における液槽の構造、通路形成部材の数及び長さ、底板ユニットの周壁部への溶接構造及びステンレス板と通路形成部材の板厚関係等も一例であって、各発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、燃焼ガス通路を形成し得る通路形成部材が、熱伝導率の高い銅製で形成されると共に略同一の線膨張係数を有するステンレス板裏面に面接触状態で固着されているため、燃焼ガスの熱を通路形成部材を介して効率良くステンレス板に伝熱することができて、液槽の熱効率が高められると共に、熱膨張に伴う液槽底部の反り等の変形を防止することができる。また、通路形成部材をステンレス板裏面に直接固着するだけで燃焼ガス通路を形成できるため、液槽底部の構成が簡略化され安価な液体加熱装置を得ることができる。
【0034】
また、予め形成された底板ユニットを底部に固着するだけで液槽を製造することができるため、液槽の製造を容易に行うことができて、加熱装置自体をより安価に形成することができると共に、ステンレス板と通路形成部材が略同一の線膨張係数を有するため、熱によるステンレス板等の反り、すなわち液槽底部の変形等をより確実に防止することができる。
【0035】
また、請求項2及び3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、角筒形状の通路形成部材や断面略コ字状の通路形成部材の一側面をステンレス板に面接触状態で並設固着するだけで、液槽底部に燃焼ガス通路を形成することができ、液槽底部の構成の簡略化を図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる液体加熱装置の一実施例を示す平面図
【図2】同図1のA−A線矢視断面図
【図3】同図1のB−B線矢視断面図
【図4】同底板ユニットの一部破断した斜視図
【図5】同通路形成部材の他の実施例を示す断面図
【図6】同通路形成部材のさらに他の実施例を示す断面図
【図7】本発明に係わる液体加熱装置の液槽の他の実施例を示す要部概略断面図
【図8】従来の液体加熱装置の概略側面図
【符号の説明】
1・・・・・・・液体加熱装置
4・・・・・・・液槽
4a・・・・・・開口
4b・・・・・・底部
4c・・・・・・周壁部
5・・・・・・・ガスバーナ
6・・・・・・・底板ユニット
7・・・・・・・ステンレス板
8・・・・・・・角パイプ(通路形成部材)
8a・・・・・・側壁部
8b・・・・・・前端部
8c・・・・・・後端部
9・・・・・・・燃焼ガス通路
12・・・・・・排気ダクト
17、19・・・通路形成部材
18、20・・・燃焼ガス通路
W・・・・・・・液体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば食品の揚げ物機、茹麺機等の液体加熱装置に係わり、特に液槽内の液体を効率良く加熱し得る液体加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油槽内部に貯めた食用油によって食品を揚げる液体加熱装置としての揚げ物機は、例えば実開昭61−64837号公報に開示されている。この揚げ物機101は、図8に示すように、油槽102の底部103の一端側の下方に油槽102内のカス物を溜める溜め部104を突設形成すると共に、底部103の裏側にバーナ105からの熱を導く凹状の熱導路106を上方に突出して形成し、この熱導路106内に断面十字形状のフィン107を固定したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この揚げ物機101にあっては、フィン107を底部103に密着して固定することができず、十分な熱効率が得られないという問題点があった。すなわち、フィン107が長尺状の2枚の板体を断面十字形状に接合して形成され、これを底部103の凹状の熱導路106内に配設する構造であるため、フィン107を熱導路106の内面に直接固定することは作業上極めて困難となる。
【0004】
また、仮にフィン107を熱導路106の内面に直接固定したとしても、熱導路106の内面との接触面積は2枚の板体の板厚に相当する程度にしかならず良好な面接触状態が得られないし、直接固定した場合にはフィン107が熱膨脹して長手方向に反り、液槽102の底部103を変形される虞もある。したがって、フィン107の外周端を熱導路106の内面と所定の間隙を有して固定しなければならず、フィン107による伝熱面積を大きく設定することができずに、十分な熱効率を得ることが困難になる。
【0005】
また、フィン107自体が断面十字形状の複雑な形状であるため、その部品コストがアップすると共に、油槽102の底部103に凹状の熱導路106を形成する必要があるため、液槽102の製造コストがアップする等、揚げ物機101自体の構造が複雑化しかつ高価になり易いという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、請求項1記載の発明の目的は、液槽の底部裏側に燃焼ガス通路を効果的に形成して十分な熱効率が得られると共に、液槽底部の変形を確実に防止しかつ液槽底部の構成を簡略化させて加熱装置自体をより安価に形成し得る液体加熱装置を提供することにある。また、請求項2及び3記載の発明の目的は、請求項1の発明の目的に加え、液槽底部の構成をより一層簡略化し得る液体加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、液槽の底部下方に配置したバーナで液槽底部を加熱して液槽内の液体を加熱する液体加熱装置であって、前記液槽底部は、銅と略同一の線膨張係数のステンレス板と、該ステンレス板の裏面に並設固着された銅製の長尺状の通路形成部材とからなる底板ユニットを有すると共に、銅製の長尺状の通路形成部材を前記ステンレス板に面接触状態で固定することにより、液槽の底部裏側に燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする。
【0008】
このように構成することにより、液槽内に所定量貯められた液体は、液槽の底部のステンレス板裏面がバーナの燃焼で加熱されることによって昇温され、この時バーナの燃焼ガスは、ステンレス板裏面に固着した銅製の通路形成部材で形成される燃焼ガス通路内を長手方向に沿って流れる。通路形成部材は、熱伝導率の高い銅によって形成されると共に、液槽底部のステンレス板裏面に面接触状態で固着されるため、燃焼ガスの熱を効率良くステンレス板に伝熱することができて、液槽の熱効率が高められる。また、通路形成部材がステンレス板と略同一の線膨張係数を有することから、熱による液槽底部の変形が防止されると共に、通路形成部材をステンレス板裏面に直接固着するだけで燃焼ガス通路を形成できることから、液槽底部の構成が簡略化される。
【0009】
更に、液槽底部が、銅と略同一の線膨張係数のステンレス板と、該ステンレス板の裏面に並設固着された銅製の長尺状の通路形成部材とからなる底板ユニットを有することにより、予めステンレス板に通路形成部材を固着して底板ユニットを形成し、これを液槽の周壁部下部に固着するだけで液槽を製造でき、その製造が容易となって加熱装置自体がより安価に形成される。また、ステンレス板と通路形成部材が略同一の線膨張係数を有することから、底板ユニットの製造時の熱によるステンレス板等の反り、すなわち液槽底部の変形等がより確実に防止される。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、通路形成部材が、角筒形状に形成されて幅方向に連設されることによって、燃焼ガス通路が形成されることを特徴とし、請求項3記載の発明は、通路形成部材が、断面略コ字状に形成されて幅方向に連設されることによって、燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする。このように構成することにより、角筒形状の通路形成部材や断面略コ字状の通路形成部材の一側面をステンレス板に面接触状態で並設固着するだけで、液槽底部に燃焼ガス通路を形成することができ、液槽底部の構成の一層の簡略化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係わる液体加熱装置の一実施例を示し、図1がその平面図、図2が図1のA−A線矢視断面図、図3が図1のB−B線矢視断面図、図4が底板ニットの一部破断した斜視図である。
【0012】
図1〜図3において、液体加熱装置1は、下部に脚3が設けられ例えばステンレス板で形成された略直方体形状の筐体2を有し、この筐体2内には液槽4が配置されると共に、この液槽4の前方側(図1において下方側)下部にはガスバーナ5が配置されている。液槽4は、上面に開口4aを有する略直方体形状に形成されて、その底部4bには加熱面を形成する底板ユニット6が一体的に配置されている。
【0013】
この底板ユニット6は、図4に示すように、液槽4の底部4bの大きさと略同一の大きさを有するステンレス板7と、このステンレス板7の裏面に固着された複数本(図では7本)の銅製の通路形成部材としての角パイプ8とで構成されている。ステンレス板7は、純銅と略同一の線膨張係数を有する例えば18Cr.8Niのステンレス材で形成されている。また、角パイプ8は純銅で形成され、ステンレス板7の前部7aを除く裏面に、例えば炉中ロー付け(もしくは高周波溶接)されることによって上面側の側壁部8aが連設状態で固着され、この角パイプ8の孔によって燃焼ガス通路9が形成されている。
【0014】
そして、底板ユニット6は、ステンレス板7の外周縁端が、液槽4の周壁部4cの下端にアルゴン溶接等によって固定されることによって、液槽4の底部4bに水平状態で配置されている。この液槽4は、例えば上下が開口した断面長方形状の周壁部材を形成し、この周壁部材の下端開口部に予め製造された底板ユニット6を溶接固定することによって製造される。
【0015】
前記液槽4の下部に配置されるガスバーナ5は、ブンゼン式ガスバーナで形成され、図3に示すように、そのヘッドに多数の炎口を有すると共にガス弁10が接続されている。そして、このガスバーナ5は、液槽4の底部4bの底板ユニット6の前方下部で、ヘッドの炎口がステンレス板7の前部7a下方に位置する如く配置されている。なお、このガスバーナ5の炎の先端と底板ユニット6のステンレス板7裏面との設置間隔は、例えば略100mm程度になるように設定されている。
【0016】
また、筐体2のガスバーナ5より後方側で角パイプ8の前端部8bと筐体2の底壁2a間には、遮蔽板11が垂直状態で配設され、角パイプ8の後端部8cと筐体2の後壁2b間には遮蔽板12が水平状態で配設されている。この遮蔽板12によって燃焼ガス通路9内の燃焼ガスが、液槽4の後方側の周壁部4c部分に垂直状態で設けられた排気ダクト13に排気される。排気ダクト13は、その上端が液槽4の上面より上方に突出する状態で配設され、上端面には排気孔14が多数形成されている。
【0017】
さらに、筐体2には、液槽4内の液体Wを底部4b(底板ユニット6)の適宜位置に設けた排出孔(図示せず)から外部に排液し得る排液バルブ15が設けられ、また、筐体2の前壁2cには、図1に示すように、前記ガスバーナ5を作動制御するための電源ブレーカや温度設定器等からなる操作盤15が設けられている。
【0018】
次に、上記液体加熱装置1の動作を図3等に基づいて説明する。先ず、液槽4内に水や食用油等の液体Wを所定量貯め、操作盤15で設定温度等を設定すると共に、ガス弁10を開きガスバーナ5の混合管内にガスと空気を供給してガスバーナ5を燃焼させる。ガスバーナ5が燃焼するとその炎が上方に向けて吐出し、この炎による燃焼ガスが、排気ダクト13を介して外気に連通している各角パイプ8内(燃焼ガス通路9内)を、上流側(角パイプ8の前端部8b側)から下流側(角パイプ8の後端部8c側)に向かって矢印イの如く流れる。
【0019】
そして、各角パイプ8内を流れる燃焼ガスは、断面ロ字状の角パイプ8の4つの側壁部内面に接触しながら流れて、角パイプ8の温度が高められる。この時、角パイプ8の一つの側壁部8aが、底板ユニット6のステンレス板7の裏面に面接触状態で直接固着されているため、角パイプ8の4つの側壁部からなる各面が、燃焼ガスの熱を直接受けてステンレス板7に伝熱する伝熱面を形成することになる。
【0020】
この角パイプ8内を直接流れる燃焼ガスの熱によって各角パイプ8の温度が高められ、この時、角パイプ8が熱伝導率の極めて高い(ステンレス材に対して23倍以上)銅板によって形成されていることから、燃焼ガスの熱が各角パイプ8を介して底板ユニット6のステンレス板7に素早く伝熱される。これにより、底板ユニット6のステンレス板7の温度が効率的に高められて、液槽4内の液体Wに対流が生成されつつ、液体Wが所定の温度に昇温される。そして、角パイプ8内を流れた燃焼ガスは、排気ダクト13内を矢印ロの如く流れて、排気孔14から矢印ハの如く外部に排気される。
【0021】
このように、上記実施例の液体加熱装置1にあっては、液槽4の底部4b裏側に、その長手方向に沿って銅製の複数本の角パイプ8の並設状態で固着しているため、各角パイプ8の孔によって燃焼ガス通路9を形成することができて、ガスバーナ5の燃焼による燃焼ガスを各角パイプ8内に流すことができると共に、角パイプ8自体が熱伝導率の高い銅製で形成されているため、角パイプ8自体における伝熱効率を高めることができて、燃焼ガスの熱を底板ユニット6のステンレス板7に効率良く伝熱することができる。
【0022】
特に、角パイプ8の平面状の側壁部8aを底板ユニット6のステンレス板7の裏面にロー付け等によって面接触状態で固着しているため、この角パイプ8によって熱効率の一層の向上が図れる。その結果、液槽4内の液体Wを極めて短い時間で所定温度まで加熱することができて、例えば液体加熱装置1を食品の揚げ物機として使用すれば、効率良い揚げ作業を行うことが可能になる。
【0023】
また、液槽4の底板ユニット6の角パイプ8とステンレス板7が略同一の線膨張係数を有しているため、角パイプ8とステンレス板7とをロー付けする際、及びガスバーナ5による加熱の際に、その熱によって両者を略同程度膨張させることができると共に、複数本の角パイプ8が並設方向に密着した状態で固着されているため、底板ユニット6の断面係数を高めることができ、結果として、底板ユニット6(液槽4の底部4b)の反り等の変形を確実に防止することができる。
【0024】
さらに、角パイプ8の側壁部8aを底板ユニット5のステンレス板7の裏面に固着するだけで、燃焼ガス通路9を形成することができるため、液槽4の底部4bに従来のような凹状の熱導路の加工を施す必要もなくなり、液槽4の底部4bの構成を簡略化することができると共に、ステンレス板7の裏面に固着される角パイプ8自体に一種のフィンの機能を持たせることができるため、従来のような複雑な形状のフィンの使用も不要になる。
【0025】
また、ステンレス板7に角パイプ8が予め炉中ロー付け固着された底板ユニット6を、周壁部4cの下端開口部に溶接固定することによって液槽4を製造することができるため、角パイプ8の固着作業を自動的に行うことができる等、液槽4の製造を容易に行うことができる。これらのことから、底板ユニット6や加熱装置1自体の製造コストの低減が図れ、安価な液体加熱装置1を得ることが可能になる。
【0026】
図5及び図6は、本発明に係わる液体加熱装置の通路形成部材のそれぞれ他の実施例の断面図を示している。なお、上記実施例と同一部位には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下の各実施例においても同様である。先ず、図5に示す通路形成部材17は、銅板を断面コ字状に折り曲げ加工することによって形成し、この通路形成部材17の一方の側壁部17bをステンレス板7に面接触状態で、かつ両側壁部17b、17cの端面を並設される通路形成部材17の底壁部17aに密着させて固着したものである。
【0027】
この通路形成部材17においても、隣り合う通路形成部材17間で燃焼ガス通路18を形成することができ、上記実施例と同様の作用効果が得られる他に、通路形成部材17の形状がより簡略化されると共に、通路形成部材17にフィンの機能をより持たせることができるという作用効果が得られる。なお、この実施例の場合、並設方向の一端に位置する通路形成部材17の凹部は開放されており、燃焼ガス通路18を形成しないが、例えば図5の二点鎖線で示すように、銅製の板体17dを固着すれば、この通路形成部材17にも燃焼ガス通路18を形成することもできる。
【0028】
また、図6に示す通路形成部材19は、断面コ字状の開口した側壁部19b、19c端部に折曲部19dをそれぞれ設けて断面略コ字状に形成し、この通路形成部材19の折曲部19dを並設される通路形成部材19の底壁部19aに密着させ、一対の側壁部19b、19cのうち一方の側壁部19bをステンレス板7に面接触状態で固着したものである。この通路形成部材19においても、隣り合う通路形成部材19によって燃焼ガス通路20が形成され、図5に示す通路形成部材17と略同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
図7は、本発明に係わる液体加熱装置の液槽の他の実施例を示す要部断面図である。この実施例の液槽4の特徴は、底部4bを水平状態ではなく、ガスバーナ5側が低く反ガスバーナ5側が高くなる如く所定角度傾斜させた点にある。この実施例の液槽4によれば、上記実施例の作用効果以外に、傾斜した底板ユニット6に沿って燃焼ガスを流すことができるドラフト効果が得られ、各角パイプ8の燃焼ガス通路9内に燃焼ガスをより効率的に流すことができるという作用効果が得られる。ところで、このように液槽4の底部4bにドラフト効果が得られる傾斜部を設ける場合は、図7の実施例に限らず、例えば図3に二点鎖線で示すように、底板ユニット6のステンレス板7の前部7aを所定角度傾斜させるように構成することもできる。
【0030】
なお、本発明に係わる液体加熱装置の通路形成部材や液槽の構成は、上記した各実施例のそれぞれに限定されるものでもなく、例えば各通路形成部材と各駅層とを適宜に組み合わせることもできるし、特定の液槽に各通路形成部材を組み合わせ使用することもできる。
【0031】
さらに、上記実施例においては、液槽の底部が平坦な場合について説明したが、例えば底部の通路形成部材が固着されていない部分でガスバーナの近傍に、下方に窪んだ形状のガスバーナの熱の影響を直接受けない低温槽を形成しても良い。この低温槽を設けることにより、液槽内のカス物等を低温槽内に収容(沈殿)させることができて、その除去作業(液槽内の清掃作業)が容易に行えると共に、カス物の滞留による液槽内の液体の汚れを防止することができる。
【0032】
また、上記実施例においては、液槽を平面視長方形状に形成したが、正方形状に形成しても良いし、上記実施例における液槽の構造、通路形成部材の数及び長さ、底板ユニットの周壁部への溶接構造及びステンレス板と通路形成部材の板厚関係等も一例であって、各発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、燃焼ガス通路を形成し得る通路形成部材が、熱伝導率の高い銅製で形成されると共に略同一の線膨張係数を有するステンレス板裏面に面接触状態で固着されているため、燃焼ガスの熱を通路形成部材を介して効率良くステンレス板に伝熱することができて、液槽の熱効率が高められると共に、熱膨張に伴う液槽底部の反り等の変形を防止することができる。また、通路形成部材をステンレス板裏面に直接固着するだけで燃焼ガス通路を形成できるため、液槽底部の構成が簡略化され安価な液体加熱装置を得ることができる。
【0034】
また、予め形成された底板ユニットを底部に固着するだけで液槽を製造することができるため、液槽の製造を容易に行うことができて、加熱装置自体をより安価に形成することができると共に、ステンレス板と通路形成部材が略同一の線膨張係数を有するため、熱によるステンレス板等の反り、すなわち液槽底部の変形等をより確実に防止することができる。
【0035】
また、請求項2及び3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、角筒形状の通路形成部材や断面略コ字状の通路形成部材の一側面をステンレス板に面接触状態で並設固着するだけで、液槽底部に燃焼ガス通路を形成することができ、液槽底部の構成の簡略化を図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる液体加熱装置の一実施例を示す平面図
【図2】同図1のA−A線矢視断面図
【図3】同図1のB−B線矢視断面図
【図4】同底板ユニットの一部破断した斜視図
【図5】同通路形成部材の他の実施例を示す断面図
【図6】同通路形成部材のさらに他の実施例を示す断面図
【図7】本発明に係わる液体加熱装置の液槽の他の実施例を示す要部概略断面図
【図8】従来の液体加熱装置の概略側面図
【符号の説明】
1・・・・・・・液体加熱装置
4・・・・・・・液槽
4a・・・・・・開口
4b・・・・・・底部
4c・・・・・・周壁部
5・・・・・・・ガスバーナ
6・・・・・・・底板ユニット
7・・・・・・・ステンレス板
8・・・・・・・角パイプ(通路形成部材)
8a・・・・・・側壁部
8b・・・・・・前端部
8c・・・・・・後端部
9・・・・・・・燃焼ガス通路
12・・・・・・排気ダクト
17、19・・・通路形成部材
18、20・・・燃焼ガス通路
W・・・・・・・液体
Claims (3)
- 液槽の底部下方に配置したバーナで液槽底部を加熱して液槽内の液体を加熱する液体加熱装置であって、
前記液槽底部は、銅と略同一の線膨張係数のステンレス板と、該ステンレス板の裏面に並設固着された銅製の長尺状の通路形成部材とからなる底板ユニットを有すると共に、銅製の長尺状の通路形成部材を前記ステンレス板に面接触状態で固定することにより、液槽の底部裏側に燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする液体加熱装置。 - 前記通路形成部材は、角筒形状に形成されて幅方向に連設されることによって、前記燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする請求項1記載の液体加熱装置。
- 前記通路形成部材は、断面略コ字状に形成されて幅方向に連設されることによって、前記燃焼ガス通路が形成されることを特徴とする請求項1記載の液体加熱装置。
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