JP7105468B2 - 熱交換器及び給湯器 - Google Patents
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Description
この熱交換器では、特許文献1に開示されるように、フィンにおける伝熱管の貫通部分にバーリングを形成すると共に、バーリングの先端に、外側へ放射状に折り返される支持片を形成し、この支持片を隣接するフィンに当接させることでフィン同士の間隔を維持するようにしている。特許文献2には、支持片をバーリングの先端よりも前方へ長く突出させることで、フィンとバーリングとの間に伝熱管に沿った隙間が形成可能となっている。
フィンのバーリングは、フィン間の間隔よりも短い高さで立ち上げ形成されて、隣接するフィンとの間に、伝熱管を露出させ、伝熱管の外周に沿ってロウが流れる周方向の隙間を形成している一方、バーリングにおける立ち上げ形成方向の前端には、バーリングの径方向で隙間の外側を通って前方へ突出し、前端を隣接するフィンに当接させて間隔を保持させる支持片が、ロウ材差込孔の真下から外れ、且つ貫通孔の中心を通る上下方向の直線を中心とした線対称位置となるように、貫通孔の上半分側でバーリングの周方向に所定間隔をおいて複数折曲形成されていると共に、
各支持片は、バーリングの前端から前方へ行くに従ってバーリングの径方向外側へ広がるように傾斜する傾斜部と、その傾斜部の先端から径方向外側へフィンと平行に広がる当接部とからなり、各当接部が隣接するフィンに当接する状態で各傾斜部の径方向内側に、隙間がバーリングの全周に亘って連続形成されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、給湯器であって、バーナを有する燃焼室の上部に、請求項1に記載の熱交換器を備えてなることを特徴とする。
また、支持片を傾斜部と当接部とから形成したことで、フィンとバーリングとの隙間でのロウの流れを阻害することなくフィン間の間隔を維持する支持片を簡単に得ることができる。
さらに、支持片をバーリングの周方向に所定間隔をおいて複数形成しているので、フィンの間隔をより確実に確保することができる。
図1は、給湯器の一例を示す正面図、図2はフロントカバーを取り外した筐体の正面図である。
この給湯器1は、上面及び下面、左右の側面及び背面が囲まれて前面が開口する縦長箱状の筐体2と、その筐体2の前面を閉塞するフロントカバー3とを有し、フロントカバー3の上部に、排気フード9の前方に設けられた横長筒状の排気口10を突出させている。フロントカバー3の下部及び側部には吸気口4,4・・が設けられて、筐体2の背面の上下には、壁面等への取付用のブラケット5,5が取り付けられている。
筐体2内には、燃焼室6が設けられている。この燃焼室6は、筐体2内の上側に配置されて、複数本のバーナからなるバーナユニットを収容する四角筒状の下ケーシング7と、後述する熱交換器を収容する四角筒状の上ケーシング8とを組み付けてなり、上ケーシング8の上側に排気フード9が組み付けられている。燃焼室6の下部で筐体2の開口際には、電装基板を正面視四角形状の箱体に収容してなるコントローラ11が横向きに設置されている。
給湯伝熱管17は、上ケーシング8の前側下部で給水管12と接続されて後側へ蛇行状に配設された後、上側へ移行して前側へ蛇行状に配設され、上ケーシング8の前側上部で出湯管13と接続されて、フィン16と共に給湯熱交換器19を形成している。
風呂伝熱管18は、上ケーシング8の後側で風呂往き管14と接続され、上下に配設される給湯伝熱管17の間で前側へ蛇行状に配設されて、上ケーシング8の前側で風呂戻り管15と接続され、フィン16と共に風呂熱交換器20を形成している。すなわち、1つの燃焼室6内で給湯熱交換器19及び風呂熱交換器20が共通のバーナで加熱される一缶二水型となっている。
また、コントローラ11に外部で接続された給湯リモコン又は風呂リモコンの自動スイッチを押すと、コントローラ11は、バーナユニットを燃焼させると共に、出湯管13と風呂戻り管15とを接続する落とし込み管を介して、給湯熱交換器19で熱交換された湯を浴槽に供給する。浴槽の湯は、図示しないポンプにより、風呂戻り管15から風呂熱交換器20に送られて、中段の風呂伝熱管18を通って同じバーナの燃焼排気と熱交換されて風呂往き管14に流れ、浴槽に戻って循環しながら追い焚きされる。
まず、フィン16には、各段の直管部21が貫通する貫通孔25,25・・が、上下方向に連通した格好で形成されており、各貫通孔25の内周縁には、前側へ向けてバーリング26が立ち上げ形成されている。このバーリング26は、上段の貫通孔25A(以下、各段で区別する際には、上段を25A、中段を25B、下段を25Cと符号を付して表記する。バーリング26も同じ)では、下部を除く内周縁全体にバーリング26Aが、中段の貫通孔25Bでは、上下を除く左右の内周縁にバーリング26Bが、下段の貫通孔25Cでは、上部を除く内周縁全体にバーリング26Cがそれぞれ部分的に形成されて、上段及び中段のバーリング26A,26Bには、左右に2つの支持片27,27が、下段のバーリング26Cには、左右及び下部に3つの支持片27,27・・が、それぞれ外側へ折曲形成されている。
また、上段の貫通孔25Aの上側には、バーリング26Aの根元部分に掛けて形成されて下端が貫通孔25Aと連通する左右一対のロウ材差込孔30,30が形成されている。同様に、上段及び中段の貫通孔25A,25Bの間で左右に、中段及び下段の貫通孔25B,25Cの間で左右にも、小径のロウ材差込孔31,31がそれぞれ形成されている。
このうち下側の切欠部37は、上ケーシング8に接触する上端が、上下方向で下段の貫通孔25Cの上端と下端との間(ここを貫通する直管部21の上限と下端との間)に位置するように形成されている。
このとき、ロウは、フィン16と隣接するフィン16のバーリング26との間の溝状の隙間S内を、径方向外側の支持片27に阻害されることなく全周に亘って流れるので、ロウが各伝熱管17,18の直管部21と貫通孔25との間に流れ込んで各直管部21はムラなくフィン16に溶接される。従って、必要な強度でロウ付けされ、フィン16と各伝熱管17,18との間の伝熱効率も確保できる。
よって、給湯運転等でバーナの燃焼排気が通過する際、各フィン16の両端では、熱交換前の燃焼排気が最初にフィン16の下端に接触して吸熱するため、フィン16の下端が高温となるが、ここでは上ケーシング8とロウ付けされていないため、その上側のロウ付け部分38への熱の影響は小さい。フィン16での吸熱は、先に下段の給湯伝熱管17の直管部21に下端から伝わるため、当該直管部21の下端より上側でフィン16を固定するロウ付け部分38には、直管部21による吸熱後の比較的低温の熱が伝わる。従って、燃焼排気からの吸熱作用による温度変化は小さくて済み、ロウ付け部分38にクラックが生じるおそれは低減される。
このように、上記形態の熱交換器(給湯熱交換器19及び風呂熱交換器20)及び給湯器1によれば、フィン16のバーリング26が、フィン16間の間隔Pよりも短い高さで立ち上げ形成されて、隣接するフィン16との間に、各伝熱管17,18の外周に沿ってロウが流れる周方向の隙間Sを形成している一方、バーリング26における立ち上げ形成方向の前端には、バーリング26の径方向で隙間Sの外側を通って前方へ突出し、前端を隣接するフィン16に当接させて間隔Pを保持させる支持片27が折曲形成されているので、フィン16とバーリング26との隙間Sでのロウの流動性が確保でき、フィンチューブ式においてフィン16と各伝熱管17,18とを強固にロウ付け固定できる。よって、強度及び伝熱効率の向上が期待できる。
また、支持片27を、バーリング26の周方向に所定間隔をおいて複数形成しているので、フィン16の間隔Pをより確実に確保することができる。
また、バーリングの形状も、隣接するフィンとの間に隙間を形成するものであれば、貫通孔の配置や上下の段数等によっては周方向に断続する形態を変えることは可能である。逆に貫通孔の全周にバーリングが連続形成されていてもよい。
さらに、上ケーシング内での給湯伝熱管と風呂伝熱管との配設形態も、上下の配置や段数、各段の直管部の数等を変えることは可能である。
このように、上記形態の熱交換器(給湯熱交換器19及び風呂熱交換器20)及び給湯器1によれば、各フィン16の両端縁におけるロウ付け部分38の下限位置Aが、給湯伝熱管17における最下段の貫通部分(貫通孔25Cを貫通する直管部21)の上端と下端との間(図5の範囲H内)に設定されていることで、ロウ付け部分38に温度差が生じにくくなる。よって、クラックの発生を抑制しつつ、フィン16を上ケーシング8内へ強固にロウ付け固定することができる。
また、各フィン16の両端縁におけるロウ付け部分38及び切欠部37には、折り返し部35が折曲形成されていることで、ロウ付け部分38の下側領域に温度差が生じにくくなる。よって、ロウ付け部分38の下限位置Aを下段の直管部21の下端近くに設定してロウ付け部分38を下方に長く延ばし、強度を上げることも可能となる。
また、切欠部の形状は上記形態に限らず、ケーシングの内面に対する傾斜角度を大きくしたり、傾斜状でなく四角形状に切り欠いたりする等、適宜変更して差し支えない。切欠部をなくしてロウ付けされないフィンの下端側縁をケーシングの内面に当接させることもできる。
さらに、折り返し部は、上記形態のようにフィンの両側縁の上下端まで設けず、ロウ付け部分と下側の切欠部のみに折り返し部を設けたり、下側の切欠部に設けずにその上側のロウ付け部分にのみ折り返し部を設けたり等、変更しても差し支えない。逆に上下端の全長に折り返し部を設けてもよいし、折り返し部を省略してもよい。
Claims (2)
- 上下方向に立設されて 厚み方向に所定間隔をおいて配設され、周縁にバーリングを立ち上げ形成した複数の貫通孔を有すると共に、各前記貫通孔の上方にロウ材差込孔をそれぞれ形成した複数の板状のフィンと、各前記貫通孔を貫通して前記フィンにロウ付け固定される伝熱管とを含む熱交換器であって、
前記フィンの前記バーリングは、前記フィン間の間隔よりも短い高さで立ち上げ形成されて、隣接する前記フィンとの間に、前記伝熱管を露出させ、前記伝熱管の外周に沿ってロウが流れる周方向の隙間を形成している一方、
前記バーリングにおける立ち上げ形成方向の前端には、前記バーリングの径方向で前記隙間の外側を通って前方へ突出し、前端を隣接する前記フィンに当接させて前記間隔を保持させる支持片が、前記ロウ材差込孔の真下から外れ、且つ前記貫通孔の中心を通る上下方向の直線を中心とした線対称位置となるように、前記貫通孔の上半分側で前記バーリングの周方向に所定間隔をおいて複数折曲形成されていると共に、
各前記支持片は、前記バーリングの前端から前方へ行くに従って前記バーリングの径方向外側へ広がるように傾斜する傾斜部と、その傾斜部の先端から前記径方向外側へ前記フィンと平行に広がる当接部とからなり、各前記当接部が前記隣接するフィンに当接する状態で各前記傾斜部の前記径方向内側に、前記隙間が前記バーリングの全周に亘って連続形成されていることを特徴とする熱交換器。 - バーナを有する燃焼室の上部に、請求項1に記載の熱交換器を備えてなる給湯器。
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