JP3648763B2 - ウミホタルルシフェリン誘導体および糖加水分解酵素の定量方法 - Google Patents

ウミホタルルシフェリン誘導体および糖加水分解酵素の定量方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規かつ有用なウミホタルルシフェリン誘導体、その中間体、これらの製造方法、およびウミホタルルシフェリン誘導体を発光基質として用いた糖加水分解酵素の定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗原抗体反応に基づくイムノアッセイの分野において、ラジオイムノアッセイに代わる分析手段として化学発光酵素イムノアッセイが注目されている。化学発光酵素イムノアッセイは、酵素が化学結合している抗体または抗原を用いて、基質となる化学発光物質を定量することによって、その抗体または抗原の量を測定する方法である。
【0003】
化学発光酵素イムノアッセイに用いられ、酵素反応により発光する基質(発光基質)としては、ルミノール誘導体、シュウ酸エステル、アダマンチルジオキセタン誘導体などが知られている。これらの中でアダマンチルジオキセタン誘導体はβ−D−ガラクトシダーゼの基質として利用され、発光量を測定することによりβ−D−ガラクトシダーゼ量を定量することができる(特開平2−180893号)。
しかしながら、アダマンチルジオキセタン誘導体は分子内に過酸化物構造を有しているので、光および熱による分解や、金属との反応によるレドックス分解を引き起こし易く、このため定量分析の誤差を招きやすいという問題点がある。
【0004】
ところで、これまでに知られているウミホタルルシフェリン誘導体は、一重項酸素、スパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル等の活性酸素と選択的に反応して発光することから、これら活性酸素の微量定量に有効であることが知られている。しかしながらβ−D−ガラクトシダーゼなどの糖加水分解酵素の基質として用いても発光しない。また本発明のウミホタルルシフェリン誘導体と類似した構造を有するセレンテラジングルクロニドが知られている(Chem. Latt. 417-8(1987))が、この化合物はグルクロニダーゼという特殊な酵素でのみ発光するため、β−D−ガラクトシダーゼなどの糖加水分解酵素の定量に利用することはできない。
このため発光を利用して、糖加水分解酵素を高精度で定量することができる発光基質の開発が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、糖加水分解酵素に対する基質として利用して発光させることができ、糖加水分解酵素の定量に利用することができる新規かつ有用なウミホタルルシフェリン誘導体、およびその中間体を提供することである。
本発明の他の目的は、上記ウミホタルルシフェリン誘導体を簡単に効率よく製造することができるウミホタルルシフェリン誘導体の製造方法、および中間体の製造方法を提案することである。
本発明の別の目的は、上記ウミホタルルシフェリン誘導体を利用して、高い精度で酵素量を定量することができる糖加水分解酵素の定量方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のウミホタルルシフェリン誘導体、その中間体、これらの製造方法、およびウミホタルルシフェリン誘導体を発光基質として用いた糖加水分解酵素の定量方法である。
(1)下記一般式(1)で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体。
【化11】
Figure 0003648763
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。)
(2)下記一般式(2)で表わされるウミホタルルシフェリン中間体。
【化12】
Figure 0003648763
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。R4は炭素数1〜7のアシル基を示す。)
(3)一般式(3)
【化13】
Figure 0003648763
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。)
で表わされるイミダゾピラジン誘導体と、一般式(4)
【化14】
Figure 0003648763
(式中、Xはハロゲン原子、R4は炭素数1〜7のアシル基を示す。)
で表わされる糖誘導体とを、トルフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させて、前記一般式(2)
で表わされるウミホタルルシフェリン中間体を製造した後、アルカリ存在下に加溶媒分解することを特徴とする前記一般式(1)で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体の製造方法。
(4)前記一般式(3)で表わされるイミダゾピラジン誘導体と、前記一般式(4)で表わされる糖誘導体とを、トリフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させることを特徴とする前記一般式(2)で表わされるウミホタルルシフェリン中間体の製造方法。
(5)糖加水分解酵素によりウミホタルルシフェリン誘導体が分解されることによって発光する発光量を測定することにより糖加水分解酵素の酵素量を定量する方法であって、ウミホタルルシフェリン誘導体として前記一般式(1)で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体を使用することを特徴とする糖加水分解酵素の定量方法。
【0007】
一般式(1)において、R1またはR2で示される基の具体的なものとしては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基、ペリレニル基等の炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基等の炭素数7〜19のアリールアルキル基があげられる。R1とR2とは同一でも異なっていてもよい。
【0008】
一般式(1)で表わされる本発明のウミホタルルシフェリン誘導体を後述の糖加水分解酵素の発光基質として利用する場合は、R1またはR2は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基またはフェネチル基であるのが好ましい。
【0009】
一般式(1)においてR3で示される基の具体的なものとしては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等の直鎖状または分岐鎖状の炭素炭1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基があげられる。これらの基がベンゼン環に結合する位置はどこの位置でもよく、またその数(nの数)は0〜5である。
【0010】
一般式(1)で表わされる本発明のウミホタルルシフェリン誘導体を後述の糖加水分解酵素の発光基質として利用する場合は、R3はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基またはt−ブトキシ基であって、ベンゼン環の4位に1個、2および4位に2個、または2、4および6位に3個結合しているのが好ましい。
【0011】
一般式(2)におけるR4のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基などの炭素数1〜7のアシル基があげられる。一般式(2)におけるR1、R2、R3およびnは前記と同じものを示す。
【0012】
一般式(1)で表わされる本発明のウミホタルルシフェリン誘導体は、一般式(3)で表わされるイミダゾピラジン誘導体と、一般式(4)で表わされる糖誘導体とを、トリフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させて一般式(2)で表わされるウミホタルルシフェリン中間体(以下、単に中間体という場合がある)を製造した後、この中間体をアルカリ存在下に加溶媒分解することにより製造できる。
【0013】
一般式(3)におけるR1、R2、R3およびnは前記と同じものを示す。
一般式(4)におけるXで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等があげられる。R4は前記と同じものを示すが、アセチル基またはベンゾイル基が好ましい。
一般式(4)で表わされる糖誘導体の糖骨格としては、α−D−ガラクトピラノース、β−D−ガラクトピラノース、α−D−グルコピラノースおよびβ−D−グルコピラノースがあげられる。
【0014】
一般式(3)のイミダゾピラジン誘導体と一般式(4)の糖誘導体との仕込み割合は、イミダゾピラジン誘導体:糖誘導体のモル比で1:0.1〜1:100、好ましくは1:1〜1:10とするのが望ましい。このモル比が0.1未満の場合には生成する中間体の収率が低下する傾向にあり、一方100を超えると反応終了後に未反応の糖誘導体が残存し、目的とする生成物の単離が困難となるので好ましくない。
【0015】
トリフルオロメタンスルホン酸銀の使用量は、糖誘導体:トリフルオロメタンスルホン酸銀の仕込みモル比で1:0.1〜1:100、好ましくは1:1〜1:20とするのが望ましい。またリン酸二ナトリウム塩の使用量は、イミダゾピラジン誘導体:リン酸二ナトリウム塩の仕込みモル比で1:0.1〜1:100、好ましくは1:1〜1:50とするのが望ましい。なお、トリフルオロメタンスルホン酸銀は触媒として、またリン酸二ナトリウム塩はイミダゾピラジン誘導体の活性を上げるために用いられる。
【0016】
反応溶媒としては、反応条件下で不活性であり、かつ生成した中間体からの分離が容易なものであるならばどのような溶媒でも使用できる。このような溶媒としては、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドあるいはこれらの混合溶媒などが適当である。使用する溶媒の量は特に限定されないが、出発物質の総重量あたり1〜1000倍量であることが好ましい。また反応をさらに円滑に進めるために、脱水溶媒を用いることが好ましい。さらに反応系から水分を除去するために、反応条件下で不活性な吸湿剤、例えばモレキュラーシーブなどを反応系内に存在させることが好ましい。吸湿剤の仕込み量としては、出発物質の総重量あたり1〜1000倍量とするのが好ましい。
【0017】
反応温度は、通常−20〜+150℃、好ましくは−10〜+100℃とするのが望ましい。反応は減圧または加圧下に行うこともできるが、常圧で行うのが好ましい。反応時間は、通常30分間〜20時間の範囲で行うことができるが、実用的には1〜10時間になるように条件を設定するのが望ましい。また反応は不活性ガス雰囲気下に行うのが好ましい。
【0018】
このようにして反応を行うことにより、一般式(2)で表わされる中間体が得られる。この中間体から最終目的物である一般式(1)のウミホタルルシフェリン誘導体を得るには、反応液からクロマトグラフィーなどの方法により中間体を単離した後、得られた中間体をアルカリ存在下に加溶媒分解して脱保護基化することにより得ることができる。溶媒としては、水;メタノール、エタノール等の低級アルコール;これらの混合液などが使用できる。
【0019】
アルカリとしてはアンモニア、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、グアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンなどが使用できる。アルカリの使用量は、反応液中の濃度が0.001〜5N、好ましくは0.01〜1Nとなる量で使用するのが望ましい。
加溶媒分解は−50〜+100℃、好ましくは0〜+80℃で、0.1〜24時間、好ましくは0.1〜10時間行うのが望ましい。
【0020】
反応終了後は、クロマトグラフィー、再結晶等の通常の手段により精製することができる。
このようにして得られた一般式(1)で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体は、α−D−ガラクトシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼまたはβ−D−グルコシダーゼの糖加水分解酵素の基質として使用して発光させることができ、これらの糖加水分解酵素の定量試薬として利用することができる。糖加水分解酵素としては、抗体または抗原に化学的に結合している酵素を用いることもでき、この場合は化学発光酵素イムノアッセイ用の定量試薬として利用できる。
【0021】
糖加水分解酵素の定量は、反応媒体中で一般式(1)のウミホタルルシフェリン誘導体と糖加水分解酵素とを接触させ、このとき発光する発光量を測定し、予め作成した検量線を基に定量することができる。
ウミホタルルシフェリン誘導体の使用量は、測定試料中に存在する糖加水分解酵素1モルに対して、通常1〜1018モル、好ましくは103〜1015モルとするのが望ましい。
【0022】
反応媒体としては、通常pH4〜10、好ましくは定量する糖加水分解酵素の活性が高く維持されるpH値を有する水溶液または緩衝液などが使用できる。このような水溶液または緩衝液としては、例えば酢酸、炭酸、リン酸、ホウ酸水溶液;酢酸ナトリウム緩衝液、トリスアミノヒドロキシメタン緩衝液、コハク酸緩衝液、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパンカルボン酸緩衝液、モノフタル酸カリウム緩衝液、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液、リン酸カリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム緩衝液、イミダゾール緩衝液等をあげることができ、使用に際しては単独もしくは混合物として用いることができる。
【0023】
反応を行う際の温度は、通常0〜70℃、好ましくは15〜60℃の範囲であることが望ましい。この温度範囲以外では、酵素の活性が低下するので好ましくない。
このようにして反応させることによって、糖加水分解酵素の作用によりウミホタルルシフェリンが分解されて発光する。発光量は市販の光電子増倍管を備えた化学発光測定器などを用いることにより容易に行うことができる。
【0024】
このような本発明の糖加水分解酵素の定量方法は、基質として化学的に安定な前記ウミホタルルシフェリン誘導体を使用しているので、分析誤差を生じることなく、高い精度で酵素量を定量することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明のウミホタルルシフェリン誘導体は新規であり、糖加水分解酵素の発光基質として有用である。本発明のウミホタルルシフェリン中間体は新規であり、上記のウミホタルルシフェリン誘導体の中間体として有用である。
本発明のウミホタルルシフェリン誘導体の製造方法は、一般式(3)で表わされるイミダゾピラジン誘導体および一般式(4)で表わされる糖誘導体を出発物質として用い、これらをトリフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させた後、得られた中間体を加溶媒分解するようにしたので、上記ウミホタルルシフェリン誘導体を簡単に効率よく製造することができる。
また本発明のウミホタルルシフェリン誘導体の中間体の製造方法も、一般式(3)で表わされるイミダゾピラジン誘導体および一般式(4)で表わされる糖誘導体を出発物質として用い、これらをトリフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させるようにしたので、上記ウミホタルルシフェリン誘導体の中間体を簡単に効率よく製造することができる。
本発明の糖加水分解酵素の定量方法は、基質として上記ウミホタルルシフェリン誘導体を使用しているので、高い精度で定量することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1−1
6−(4−メトキシフェニル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3−オン(一般式(3)のR1はメチル基、R2は水素原子、R3はメトキシ基、nは1)0.1g(0.35mmol)とリン酸二ナトリウム1.1g(7.75mmol)との混合物中に、アセトニトリル5mlおよびベンゼン9mlを加えた後、モレキュラーシーブ4Aを2.6g加え、室温で1時間攪拌した。続いて2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド(一般式(4)のXは臭素原子、R4はアセチル基)0.18g(0.45mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸銀0.37g(1.43mmol)を加えて、窒素雰囲気下に室温で2時間攪拌し、6−(4−メトキシフェニル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3−オンと2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミドとを反応させた。
【0027】
反応終了後、セライトを敷いたガラスフィルターにより反応溶液を濾過した後、残渣をアセトニトリルおよびベンゼンで洗浄した。濾液および洗液の混合液から溶媒を留去し、次に塩化メチレン15mlおよび飽和炭酸水素ナトリウム−食塩水10mlを加えて攪拌した後、不溶物をガラスフィルターにより取り除いた。次に塩化メチレン層を分取した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶媒を留去後、得られた油状物をシリカゲルカラム(30%アセトン−ベンゼン)および中圧カラムクロマトグラフィーにより精製すると、中間体である6−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−3−(テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシルオキシ)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(一般式(2)のR1はメチル基、R2は水素原子、R3はメトキシ基、nは1、R4はアセチル基)が収量0.08g(0.14mmol)、収率39%で得られた。
【0028】
スペクトルデータは次の通りである。
MS(FAB:m/Z):586(M+H)+,256
Exact MS:586.1995
2832113の計算値:586.2037
IR(KBr:cm-1):
3450, 2970, 2940, 1745, 1605, 1560,
1495, 1370, 1245, 1225, 1060, 1035
1H−NMR(CDCl3/TMS:δ(ppm)):
1.73(3H, s, CH3CO), 2.05(3H, s, CH3CO),
2.21(3H, s, CH3CO), 2.27(3H, s, CH3CO),
2.47(3H, s, CH3), 3.88(3H, s, CH3O),
3.93(1H, dd, J=6.4, 5.9Hz),
4.11(1H, dd, J=11.4, 6.9Hz),
4.18(1H, dd, J=11.4, 5.9Hz),
4.89(1H, d, J=7.9Hz),
5.10(1H, dd, J=10.4, 3.5Hz),
5.45(1H, d, J=2.5Hz),
5.62(1H, dd, J=10.6, 8.2Hz),
7.02(2H, A2'X2', J=8.9Hz),
7.86(2H, A2'X2', J=8.9Hz),
8.34(1H, d, J=1.5Hz), 8.94(1H, d, J=1.5Hz)
【0029】
実施例1−2
実施例1−1で得られた中間体0.05g(0.09mmol)にメタノール3.5mlおよび濃アンモニア水1.8mlを加えた後、40℃で6時間30分攪拌して加溶媒分解した。白色沈澱を濾取し、メタノールから再結晶を行うと目的の3−(β−D−ガラクトピラノシルオキシ)−6−(4−メトキシフェニル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(一般式(1)のR1はメチル基、R2は水素原子、R3はメトキシ基、nは1)が収量0.03g(0.07mmol)、収率78%で得られた。
【0030】
スペクトルデータは次の通りである。
MS(FAB:m/Z):418(M+H)+
Exact MS:418.1555
202473の計算値:418.1614
IR(KBr:cm-1):
3450, 2930, 2880, 1605, 1565, 1490,
1405, 1240, 1090, 1080, 1010
IR(KBr:cm-1):
3450, 2975, 2950, 1745, 1605, 1555,
1495, 1365, 1225, 1075, 1035
1H−NMR(DMSO−d6/TMS:δ(ppm)):
2.41(3H, s, CH3), 3.3〜3.73(3H, m),
3.82(3H, s, CH3O), 4.59〜4.68(2H, m),
4.97(1H, d, J=5.4Hz),
5.78(1H, d, J=5.4Hz),
7.06(2H, A2'X2', J=8.9Hz),
7.95(2H, A2'X2', J=8.9Hz),
8.77(1H, d, J=1.5Hz), 8.94(1H, d, J=1.5Hz)
【0031】
実施例1−3
実施例1−1で用いた糖誘導体の代わりに2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド0.17g(0.41mmol)を用いた以外は、実施例1−1と同様に反応を行うと、β体のみが収量0.03g(0.05mmol)、収率16%で得られた。
【0032】
スペクトルデータは次の通りである。
MS(FAB:m/Z):586(M+H)+,256
Exact MS:586.2023
2832113の計算値:586.2037
IR(KBr:cm-1):
3450, 2975, 2950, 1745, 1605, 1555,
1495, 1365, 1225, 1075, 1035
1H−NMR(CDCl3/TMS:δ(ppm)):
1.82(3H, s, CH3CO), 2.04(3H, s, CH3CO),
2.06(3H, s, CH3CO), 2.18(3H, s, CH3CO),
2.46(3H, s, CH3),
3.70(1H, ddd, J=9.6, 2.5, 2.0Hz),
3.87(3H, s, CH3O),
4.06(1H, dd, J=12.4, 2.0Hz),
4.24(1H, dd, J=12.6, 5.7Hz),
4.94(1H, d, J=7.9Hz),
5.19(1H, t, J=9.7Hz),
5.29(1H, t, J=9.4Hz),
5.42(1H, t, J=8.7, 7.9Hz),
6.99(2H, A2'X2', J=8.9Hz),
7.86(2H, A2'X2', J=8.9Hz),
8.33(1H, d, J=1.5Hz),
8.94(1H, broad s)
【0033】
実施例2−1
1mM MgCl2を含む0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)650μlに、1mM MgCl2を含む50mMリン酸緩衝液(pH7.3)で希釈されたβ−D−ガラクトシダーゼ水溶液25μlおよび実施例1−2で得られた100μM 3−(β−D−ガラクトピラノシルオキシ)−6−(4−メトキシフェニル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジンのジメチルスルホキシド溶液75μlを加え、40℃で20分間インキュベートした。反応溶液から500μlをサンプリングし、化学発光測定器(東北電子産業社製,CLD−100、商品名)により発光強度を10秒間測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003648763
【0035】
表1の結果から、酵素の量に応じた発光量が観察されたことがわかる。そして、log(酵素量,mol/test)とlog(発光量,counts/10s)との関係式は次式(5)
【数1】
Figure 0003648763
相関係数r=0.992
で表わされるので、発光量によりβ−D−ガラクトシダーゼを定量することができることがわかる。従って、実施例のウミホタルルシフェリン誘導体はβ−D−ガラクトシダーゼの化学発光基質として有用である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体。
    Figure 0003648763
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。)
  2. 下記一般式(2)で表わされるウミホタルルシフェリン中間体。
    Figure 0003648763
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。R4は炭素数1〜7のアシル基を示す。)
  3. 一般式(3)
    Figure 0003648763
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。)
    で表わされるイミダゾピラジン誘導体と、一般式(4)
    Figure 0003648763
    (式中、Xはハロゲン原子、R4は炭素数1〜7のアシル基を示す。)
    で表わされる糖誘導体とを、トルフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させて、一般式(2)
    Figure 0003648763
    (式中、R1〜R4およびnは上記と同じものを示す。)
    で表わされるウミホタルルシフェリン中間体を製造した後、アルカリ存在下に加溶媒分解することを特徴とする一般式(1)
    Figure 0003648763
    (式中、R1〜R3およびnは上記と同じものを示す。)
    で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体の製造方法。
  4. 一般式(3)
    Figure 0003648763
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。)
    で表わされるイミダゾピラジン誘導体と、一般式(4)
    Figure 0003648763
    (式中、Xはハロゲン原子、R4は炭素数1〜7のアシル基を示す。)
    で表わされる糖誘導体とを、トルフルオロメタンスルホン酸銀およびリン酸二ナトリウム塩の存在下に反応させることを特徴とする一般式(2)
    Figure 0003648763
    (式中、R1〜R4およびnは上記と同じものを示す。)
    で表わされるウミホタルルシフェリン中間体の製造方法。
  5. 糖加水分解酵素によりウミホタルルシフェリン誘導体が分解されることによって発光する発光量を測定することにより糖加水分解酵素の酵素量を定量する方法であって、ウミホタルルシフェリン誘導体として下記一般式(1)で表わされるウミホタルルシフェリン誘導体を使用することを特徴とする糖加水分解酵素の定量方法。
    Figure 0003648763
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜19のアリールアルキル基を示す。R3は炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜5の整数を示す。)
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