JPH09149797A - 酵素、抗原又は抗体の定量方法及び酵素活性測定用の基質 - Google Patents

酵素、抗原又は抗体の定量方法及び酵素活性測定用の基質

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JPH09149797A
JPH09149797A JP31263695A JP31263695A JPH09149797A JP H09149797 A JPH09149797 A JP H09149797A JP 31263695 A JP31263695 A JP 31263695A JP 31263695 A JP31263695 A JP 31263695A JP H09149797 A JPH09149797 A JP H09149797A
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compound
enzyme
antigen
antibody
biphenyl
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JP31263695A
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English (en)
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Mamoru Kawaguchi
守 川口
Hisashi Takenaka
久師 竹中
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Sysmex International Reagents Co Ltd
Original Assignee
International Reagents Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出感度の高い酵素活性測定用の基質及びそ
れを用いた酵素、特にアルカリホスファターゼ、スルフ
ァターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、又は抗原もしく
は抗体の定量方法の提供。 【解決手段】 式 【化1】 (式中、Zは加水分解可能な基を示す)をその構造中に
有するビフェニル化合物を−OZ部位で加水分解して対
応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめる
酵素の存在下に、該ビフェニル化合物を加水分解して該
2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめ、該2−
ヒドロキシビフェニル化合物を検出する工程を有するこ
とを特徴とする前記酵素、又は抗原もしくは抗体の定量
方法、また前記構造を有するビフェニル化合物である酵
素活性測定用の基質である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビフェニル化合物
を加水分解して2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成
せしめる酵素、特にアルカリホスファターゼ、スルファ
ターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、又は抗原もしくは
抗体の定量方法、及び前記ビフェニル化合物である酵素
活性測定用の基質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、組織標本中の酵素、構造蛋白質、
微生物等の抗原性物質を、酵素で標識した抗体を用いて
検出する方法が、臨床検査等において一般に用いられて
いる。標識酵素としては、アルカリホスファターゼ、β
−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペ
ルオキシダーゼ等が用いられている。現在、例えばアル
カリホスファターゼ定量用の基質としては、アルカリホ
スファターゼの存在下に分解して蛍光物質となる4−メ
チルウンベリフェリルホスフェート(以下、MUPとい
う)が用いられている。しかしながら、MUP自身、蛍
光を発する物質であり、感度の高い検出が困難であると
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、臨床検査等にお
いて、さらに検出感度の高い基質の開発が望まれてい
る。
【0004】本発明の目的は、検出感度の高い酵素活性
測定用の基質及びそれを用いた酵素、特にアルカリホス
ファターゼ、スルファターゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、又は抗原もしくは抗体の定量方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を行った結果、蛍光物質であ
る2−ヒドロキシビフェニル化合物は、その水酸基が保
護されることによって非蛍光物質となることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、以下の通りである。 (1) 式
【0007】
【化9】
【0008】(式中、Zは加水分解可能な基を示す)を
その構造中に有するビフェニル化合物を−OZ部位で加
水分解して対応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を
生成せしめる酵素の存在下に、該ビフェニル化合物を加
水分解して該2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せ
しめ、該2−ヒドロキシビフェニル化合物を検出する工
程を有することを特徴とする前記酵素の定量方法。 (2) ビフェニル化合物が
【0009】
【化10】
【0010】をその構造中に有するものである (1)記載
の酵素の定量方法。 (3) 酵素がアルカリホスファターゼである (1)記載の酵
素の定量方法。 (4) 式
【0011】
【化11】
【0012】(式中、Zは加水分解可能な基を示す)を
その構造中に有するビフェニル化合物を−OZ部位で加
水分解して対応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を
生成せしめる酵素で標識した抗体を抗原と反応させて、
抗原−抗体複合体を形成させ、該複合体に結合した前記
酵素の存在下に、該ビフェニル化合物を加水分解して該
2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめ、該2−
ヒドロキシビフェニル化合物を検出する工程を有するこ
とを特徴とする抗原の定量方法。 (5) ビフェニル化合物が
【0013】
【化12】
【0014】をその構造中に有するものである (4)記載
の抗原の定量方法。 (6) 酵素がアルカリホスファターゼである (4)記載の抗
原の定量方法。 (7) 式
【0015】
【化13】
【0016】(式中、Zは加水分解可能な基を示す)を
その構造中に有するビフェニル化合物を−OZ部位で加
水分解して対応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を
生成せしめる酵素で標識した抗原を抗体と反応させて、
抗原−抗体複合体を形成させ、該複合体に結合した前記
酵素の存在下に、該ビフェニル化合物を加水分解して該
2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめ、該2−
ヒドロキシビフェニル化合物を検出する工程を有するこ
とを特徴とする抗体の定量方法。 (8) ビフェニル化合物が
【0017】
【化14】
【0018】をその構造中に有するものである (7)記載
の抗体の定量方法。 (9) 酵素がアルカリホスファターゼである (7)記載の抗
体の定量方法。 (10)式
【0019】
【化15】
【0020】(式中、Zは加水分解可能な基を示す)を
その構造中に有するビフェニル化合物からなる酵素活性
測定用の基質。 (11)ビフェニル化合物が
【0021】
【化16】
【0022】をその構造中に有するものである(10)記載
の酵素活性測定用の基質。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるビフェニル化
合物とは、
【0024】
【化17】
【0025】(式中、Zは加水分解可能な基を示す)を
その構造中に有することを特徴とする。ここで、加水分
解可能な基とは、−OZから−OHへと加水分解され得
るものであれば特に限定されないが、特定の酵素の存在
下で加水分解されて−OZから−OHとなり得るものが
好ましい。このような基を有する化合物及びそれを加水
分解する酵素の組合せとしては、例えばリン酸エステル
に対してアルカリホスファターゼ及び酸性ホスファター
ゼ、β−D−グルコシドに対してβ−D−グルコシダー
ゼ、α−D−グルコシドに対してα−D−グルコシダー
ゼ、β−D−ガラクトシドに対してβ−D−ガラクトシ
ダーゼ、α−D−ガラクトシドに対してα−D−ガラク
トシダーゼ、硫酸エステルに対してスルファターゼ、酢
酸エステルに対してエラスターゼ、1−ホスホ−2,3
−ジアシルグリセリドに対してホスホリパーゼ、β−D
−キシロイドに対してβ−D−キシロシダーゼ、β−D
−フコシドに対してβ−D−フコシダーゼ等が挙げられ
る。
【0026】さらに該ビフェニル化合物は、そのビフェ
ニル環上に1個又は複数個の置換基を有していてもよ
い。該置換基は特に限定されないが、2−ヒドロキシビ
フェニル化合物の蛍光強度を著しく低下させないものが
好ましい。具体的には、フェニル、ピリジル、メチル、
エチル、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、トリフ
ルオロメチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒ
ドロキシ、アミノ、アセトアミド、アセチル、アセトキ
シ、ベンゾイル、メトキシカルボニルアミノ、エトキシ
カルボニルアミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメ
チルアミノ、アミドカルボニルジエチルアミノ、メトキ
シカルボニルメチルアミノ、ジメチルアミノカルボニ
ル、メトキシカルボニル、メチレンジオキシ、フェノキ
シ、シアノ、イミダゾリル、カルボキシ、トリメチルア
ンモニウム、ホルミル、トリメチルシリルオキシ、ジメ
チルアミノスルホニル、メチルスルホニル、ベンゼンス
ルホニル等が挙げられる。
【0027】本発明に用いられるビフェニル化合物とし
て、具体的には、次に示す酵素に対してそれぞれ以下の
ものが例示される。アルカリホスファターゼに対して
は、2,2’−ジヒドロキシビフェニル モノ(ジハイ
ドロジェンホスフェート)、o−フェニルフェノール
ジハイドロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ−5−
メトキシカルボニルメチルアミノビフェニル ジハイド
ロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ−5−ジメチル
アミノビフェニル ジハイドロジェンホスフェート、2
−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニルアミノビフェニ
ル ジハイドロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ−
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニル ジハイ
ドロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ−5−アセト
アミドビフェニル ジハイドロジェンホスフェート、2
−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシビフェニル
ジハイドロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ−3−
フルオロビフェニル ジハイドロジェンホスフェート、
2−ヒドロキシ−5−ジメチルアミノカルボニルビフェ
ニル ジハイドロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ
−3−フェニルビフェニル ジハイドロジェンホスフェ
ート、2−ヒドロキシ−2’−クロロビフェニル ジハ
イドロジェンホスフェート、2−ヒドロキシ−4’−ブ
ロモビフェニル ジハイドロジェンホスフェート、2−
ヒドロキシ−5−フェニルビフェニル ジハイドロジェ
ンホスフェート、2−ヒドロキシ−3−フェニル−5−
アセトアミドビフェニル ジハイドロジェンホスフェー
ト、2−ヒドロキシ−4,4’−ビス(アセトアミド)
ビフェニル ジハイドロジェンホスフェート等が例示さ
れる。β−D−ガラクトシダーゼに対しては、2−フェ
ニルフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、2−
(2’−クロロフェニル)フェニル−β−D−ガラクト
ピラノシド、2−フェニル−4−ジメチルアミノカルボ
ニルフェニル−β−D−ガラクトピラノシド等が例示さ
れる。スルファターゼに対しては、2−フェニルフェニ
ル硫酸、2−(2’−クロロフェニル)フェニル硫酸、
2−フェニル−4−ジメチルアミノカルボニルフェニル
硫酸、2,4−ジフェニル硫酸等が挙げられる。
【0028】本発明に用いられるビフェニル化合物は、
例えば以下に示す方法によって合成できる。
【0029】自体既知の方法で製造された2−ヒドロキ
シビフェニル化合物の水酸基に対して、例えばオキシ
塩化リンを反応させた後、アルカリ処理することにより
リン酸エステルを、三酸化いおうトリメチルアミン錯
塩を反応させることにより硫酸エステルを、α−D−
アセトブロムガラクトースを反応させた後、ナトリウム
メトキシド処理することによりβ−D−ガラクトシドを
それぞれ製造することができる。
【0030】本発明の定量方法は、例えば次のようにし
て実施される。
【0031】本発明に用いられるビフェニル化合物は、
前記のような酵素の存在下、−OZ部位で加水分解し、
対応する2−ヒドロキシビフェニル化合物となる。2−
ヒドロキシビフェニル化合物は、該酵素の量に対して1
次関数的に生成する。ここで、該ビフェニル化合物は非
蛍光物質であるが、これを加水分解することによって波
長250〜400nmの光により励起され、波長350
〜500nmの蛍光を発する蛍光物質である2−ヒドロ
キシビフェニル化合物となる。
【0032】本発明に用いられるビフェニル化合物の加
水分解反応は、通常行われる、対象となる酵素の至適条
件下で行われる。
【0033】即ち、各種既知量の該酵素の存在下に、上
記ビフェニル化合物を加水分解させて、2−ヒドロキシ
ビフェニル化合物を生成せしめる。該2−ヒドロキシビ
フェニル化合物を検出する工程として、蛍光光度計を用
いてその蛍光強度より2−ヒドロキシビフェニル化合物
量を測定する。これら酵素量とその蛍光強度より検量線
を作成し、該検量線を用いて未知量の酵素の定量を行う
ことができる。
【0034】また、抗原の定量は次のようにして行うこ
とができる。先ず、自体既知の方法を用いて、前記のよ
うな酵素で標識した抗体を抗原と反応させて抗原−抗体
複合体を形成させる。次いで、該複合体に結合した該酵
素の存在下に、上記のようにビフェニル化合物を加水分
解させて、2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せし
める。既知量の抗原を用い、前記と同様にして作成した
検量線を用いて、該2−ヒドロキシビフェニル化合物か
らの蛍光強度より、当該酵素を定量、即ち抗原を定量す
ることができる。同様にして、酵素で標識した抗原を用
い、抗体の定量を行うことができる。
【0035】本発明の酵素活性測定用の基質は、上記し
たようなビフェニル化合物からなる。該ビフェニル化合
物は、酵素、特にアルカリホスファターゼ、スルファタ
ーゼ、β−D−ガラクトシダーゼの定量、及びそれを利
用した抗原又は抗体の定量に有用である。
【0036】
【実施例】以下、製造例、実施例を挙げて、本発明を更
に具体的に説明する。
【0037】製造例1 2,2’−ジヒドロキシビフェニル モノ(ジハイドロ
ジェンホスフェート)・ジアンモニウム塩の製造 (1)2,2’−ジヒドロキシビフェニル モノ(ジベ
ンジルホスフェート)2,2’−ジヒドロキシビフェニ
ル(50mmol,9.3g)を無水アセトニトリル
(200ml)に溶解し、溶液を500ml丸底フラス
コに入れた。四塩化炭素(250mmol,24ml)
を加え、氷上でN,N−ジイソプロピルエチルアミン
(100mmol,17.5ml)をゆっくり加えた
後、N,N−ジメチルアミノピリジン(5mmol,
0.6g)を一度に加えた。次いで、ジベンジルホスフ
ァイト(77.5mmol,16ml)を内部温度が上
昇しないよう徐々に加えた。窒素気流下、氷上で3時間
攪拌した。反応終了後、溶液を濃縮し、0.1N塩酸
(50ml)を加え、酢酸エチル(200ml×2)で
抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して
黄色油状化合物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製することにより表題化合物19.8g(4
4.4mmol,収率88.8%)を得た。1 H−NMR(60MHz,CDCl3 )δ:4.73
(s,2H),4.85(s,2H),7.25(m,
8H) IR(KBr):3267,1257cm-1
【0038】(2)2,2’−ジヒドロキシビフェニル
モノ(ジハイドロジェンホスフェート)・ジアンモニ
ウム塩 上記(1)で得られた2,2’−ジヒドロキシビフェニ
ル モノ(ジベンジルホスフェート)(22.5mmo
l,10g)をテトラヒドロフラン−メタノール(1:
1)溶液(100ml)に溶解し、200ml丸底フラ
スコに入れた。10%パラジウム−炭素(1g)を加
え、容器内を減圧にし、水素ガスを導入し、室温常圧下
で3時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、濾液を
濃縮した。28%アンモニア水(50ml)を加え、更
に濃縮し、得られた残渣を逆相クロマトグラフィー(リ
クロプレップRP−18,メルク製)で精製することに
より表題化合物5.3g(17.6mmol,収率7
8.2%)を得た。 IR(KBr):3142,1275cm-1 融点:176〜177℃ FAB−MS:M+ 267
【0039】製造例2 o−フェニルフェノール ジハイドロジェンホスフェー
トの製造 o−フェニルフェノール(10mmol,1.7g)を
トルエン(30ml)に溶解し、100mlナスフラス
コに入れた。ピリジン(12mmol,950mg)、
オキシ塩化リン(12mmol,1.84g)を冷却下
に加え、3時間還流した。反応終了後、エバポレーター
で溶媒を留去し、トルエン(15ml)、1N−NaO
H(15ml)を加え、1時間還流した。反応終了後、
エバポレーターで溶媒を留去し、残渣を1N−HClと
酢酸エチルで分液した。有機層を濃縮後、28%アンモ
ニア水を加え、更に濃縮乾固し、残渣をアセトンで洗浄
し、濾過することにより表題化合物1.74g(7mm
ol,収率70%)を得た。 IR(KBr):3026,1479,1095cm-1 融点:138〜145℃ FAB−MS:M+ 251
【0040】製造例3 2−ヒドロキシ−2’−メトキシビフェニルの製造 2,2’−ジヒドロキシビフェニル(53.7mmo
l,10g)をアセトニトリル(100ml)に溶解
し、300ml丸底フラスコに入れた。これに、4N−
NaOH(15ml)とヨウ化メチル(7.7g)を加
え、1時間還流した。反応終了後、溶液を濃縮し、10
%炭酸ナトリウムと酢酸エチルで分液した。酢酸エチル
層を乾燥し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製することにより表題化合物3.8g(1
9mmol,収率35.4%)を得た。1 H−NMR(60MHz,DMSO−d6 )δ:3.
70(s,3H),7.10(m,8H) IR(KBr):3390,1480,1232cm-1
【0041】製造例4 2−メトキシビフェニルの製造 2−ヒドロキシビフェニル(58.8mmol,10
g)をアセトニトリル(100ml)に溶解し、300
ml丸底フラスコに入れた。これに4N−NaOH(1
5ml)とヨウ化メチル(7.7g)を加え、1時間還
流した。反応終了後、溶液を濃縮し、10%炭酸ナトリ
ウムと酢酸エチルで分液した。酢酸エチル層を乾燥し、
濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製することにより表題化合物3.57g(19.4mm
ol,収率33%)を得た。 IR(KBr):3026,1483,1259cm-1 1 H−NMR(60MHz,CDCl3 )δ:3.8
(s,3H),7.4(m,9H)
【0042】製造例5 2−ヒドロキシ−3−フェニルビフェニル ジハイドロ
ジェンホスフェートの製造 2,6−ジフェニルフェノール(10mmol,2.4
g)をトルエン(30ml)に溶解し、100mlナス
フラスコに入れた。ピリジン(12mmol,950m
g)、オキシ塩化リン(12mmol,1.84g)を
冷却下に加え、一昼夜還流した。反応終了後、エバポレ
ーターで溶媒を留去し、トルエン(15ml)、1N−
NaOH(15ml)を加え、1時間還流した。エバポ
レーターで溶媒を留去し、残渣を1N−HClと酢酸エ
チルで分液した。有機層を濃縮後、28%アンモニア水
を加え、更に濃縮乾固し、残渣をクロロホルムで洗浄
し、濾過することにより表題化合物1.33g(4.2
mmol,収率42%)を得た。 IR(KBr):3032,1417,1086cm-1 融点:143〜145℃ FAB−MS:M+ 317
【0043】製造例6 2−ヒドロキシ−2’−クロロビフェニル ジハイドロ
ジェンホスフェートの製造 2−(2−クロロフェニル)フェノール(10mmo
l,2.05g)をトルエン(30ml)に溶解し、1
00mlナスフラスコに入れた。ピリジン(12mmo
l,950mg)、オキシ塩化リン(12mmol,
1.84g)を冷却下に加え、3時間還流した。反応終
了後、エバポレーターで溶媒を留去し、トルエン(15
ml)、1N−NaOH(15ml)を加え、1時間還
流した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を留去し、
残渣を1N−HClと酢酸エチルで分液した。有機層を
濃縮後、28%アンモニア水を加え、更に濃縮乾固し、
残渣をアセトンで洗浄し、濾過することにより表題化合
物1.82g(6.4mmol,収率64%)を得た。 IR(KBr):3061,1479,1076cm-1 融点:104〜106℃ FAB−MS:M+ 285.6
【0044】実施例1:励起波長及び蛍光波長 製造例1の化合物、製造例1の化合物の分解生成物、製
造例3の化合物及び製造例3の化合物の分解生成物は、
0.1Mグリシン−NaOH緩衝液(pH9.5)を用
いて1.5μMとなるように溶解して基質液とした。製
造例2の化合物、製造例2の化合物の分解生成物、製造
例4の化合物及び製造例4の化合物の分解生成物は、
0.1N−NaOHを用いて4.7μMとなるように溶
解して基質液とした。製造例5の化合物及び製造例5の
化合物の分解生成物は、0.1N−NaOHを用いて
2.5μMとなるように溶解して基質液とした。製造例
6の化合物及び製造例6の化合物の分解生成物は、0.
1N−NaOHを用いて0.55μMとなるように溶解
して基質液とした。上記各基質液の蛍光スペクトルを、
蛍光光度計(島津製作所製,RF−510)(バンド
巾:10nm)を用いて測定した。その励起及び蛍光波
長スペクトルを図1〜6に示す。以上のように、本発明
のビフェニル化合物である製造例1〜6の化合物は蛍光
を発しないが、これらの加水分解生成物は図のような波
長スペクトルを有する蛍光物質であった。
【0045】実施例2:アルカリホスファターゼ濃度と
蛍光強度 製造例1の化合物を0.3mMとなるように、1mM−
MgCl2 及び0.1mM−ZnCl2 を含む0.1M
グリシン緩衝液(pH9.5)で溶解し、基質液とし
た。基質液(1.5ml)を蛍光測定用石英セル(10
×10mm)に入れ、1〜13amolの牛小腸由来の
アルカリホスファターゼを含む酵素液20μlを入れ、
室温で反応させた。酵素液を加えてから、3分後から1
分間の蛍光強度変化(反応速度)を蛍光光度計(島津製
作所製,RF−510)(励起波長317nm、蛍光波
長397nm)を用いて測定した。製造例1の化合物を
用いた場合のアルカリホスファターゼ量と反応速度の関
係を図7に示す。
【0046】実施例3:アルカリホスファターゼ濃度と
蛍光強度 基質液として1mMの製造例2及び製造例6の化合物、
1Mジエタノールアミン−HCl緩衝液(pH9.
9)、1mM−MgCl2 、0.1mM−ZnCl 2
用いた。また、酵素液として、0.2〜1000amo
lの牛小腸由来のアルカリホスファターゼを含む0.1
M−Gly−NaOH緩衝液(pH9.5)、1mM−
MgCl2 、0.1mM−ZnCl2 、200mg/1
BSA(20μl)を用いた。基質液300μlに各濃
度の酵素液20μlを加え、それぞれ37℃×9分間保
持した。その後、0.1N−NaOH(1ml)で反応
を停止し、蛍光光度計(島津製作所製,RF−510)
を用い、相対蛍光強度をそれぞれ至適波長で測定した
(製造例2の化合物:励起波長319nm、蛍光波長4
19nm、製造例6の化合物:励起波長324nm、蛍
光波長423nm)。製造例2及び製造例6の化合物を
用いた場合のアルカリホスファターゼ量と相対蛍光強度
の関係を図8〜9に示す。
【0047】実験例4:CEA(がん胎児性抗原)濃度
と蛍光強度 抗CEAヤギIgGを感作したポリスチレン製試験管
(12×75mm,ヌンク社製,マキシソープチュー
ブ)に、0.5%牛血清アルブミンを含む0.1Mリン
酸緩衝液(pH7.0)0.3ml及びCEA標準液
(0.2ng/ml〜50ng/ml)20μlを加
え、室温で1時間保持した。0.1%トリトンX100
を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で2回洗浄
後、牛小腸由来アルカリホスファターゼを標識した。抗
CEAヤギIgG(10mU/ml)を0.3ml加
え、室温で1時間保持した。0.1%トリトンX100
を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で4回洗浄
後、1mMの製造例2の化合物、1mM−MgCl2
び0.1mM−ZnCl2 を含む1Mジエタノールアミ
ン緩衝液(pH9.9)0.3mlを加え、37℃で5
分間保持した。その後、0.1N−NaOH(1ml)
で反応を停止し、蛍光光度計(島津製作所製,RF−5
10)を用いて、相対蛍光強度を励起波長319nm、
蛍光波長419nmで測定した。CEA濃度と相対蛍光
強度の関係を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の定量方法は、ビ
フェニル化合物を加水分解して2−ヒドロキシビフェニ
ル化合物を生成せしめる酵素、特にアルカリホスファタ
ーゼ、スルファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、或
いは抗原又は抗体の定量に有用であり、また該ビフェニ
ル化合物は検出感度の高い酵素活性測定用の基質として
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1の化合物及びその加水分解生成物を用
いた場合の励起及び蛍光波長スペクトルを示す図であ
る。
【図2】製造例2の化合物及びその加水分解生成物を用
いた場合の励起及び蛍光波長スペクトルを示す図であ
る。
【図3】製造例3の化合物及びその加水分解生成物を用
いた場合の励起及び蛍光波長スペクトルを示す図であ
る。
【図4】製造例4の化合物及びその加水分解生成物を用
いた場合の励起及び蛍光波長スペクトルを示す図であ
る。
【図5】製造例5の化合物及びその加水分解生成物を用
いた場合の励起及び蛍光波長スペクトルを示す図であ
る。
【図6】製造例6の化合物及びその加水分解生成物を用
いた場合の励起及び蛍光波長スペクトルを示す図であ
る。
【図7】製造例1の化合物を用いた場合のアルカリホス
ファターゼ量と反応速度の関係を示す図である。
【図8】製造例2及び製造例6の化合物を用いた場合の
アルカリホスファターゼ量と相対蛍光強度の関係を示す
図である。
【図9】製造例2及び製造例6の化合物を用いた場合の
アルカリホスファターゼ量と相対蛍光強度の関係を示す
図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、Zは加水分解可能な基を示す)をその構造中に
    有するビフェニル化合物を−OZ部位で加水分解して対
    応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめる
    酵素の存在下に、該ビフェニル化合物を加水分解して該
    2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめ、該2−
    ヒドロキシビフェニル化合物を検出する工程を有するこ
    とを特徴とする前記酵素の定量方法。
  2. 【請求項2】 ビフェニル化合物が 【化2】 をその構造中に有するものである請求項1記載の酵素の
    定量方法。
  3. 【請求項3】 酵素がアルカリホスファターゼである請
    求項1記載の酵素の定量方法。
  4. 【請求項4】 式 【化3】 (式中、Zは加水分解可能な基を示す)をその構造中に
    有するビフェニル化合物を−OZ部位で加水分解して対
    応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめる
    酵素で標識した抗体を抗原と反応させて、抗原−抗体複
    合体を形成させ、該複合体に結合した前記酵素の存在下
    に、該ビフェニル化合物を加水分解して該2−ヒドロキ
    シビフェニル化合物を生成せしめ、該2−ヒドロキシビ
    フェニル化合物を検出する工程を有することを特徴とす
    る抗原の定量方法。
  5. 【請求項5】 ビフェニル化合物が 【化4】 をその構造中に有するものである請求項4記載の抗原の
    定量方法。
  6. 【請求項6】 酵素がアルカリホスファターゼである請
    求項4記載の抗原の定量方法。
  7. 【請求項7】 式 【化5】 (式中、Zは加水分解可能な基を示す)をその構造中に
    有するビフェニル化合物を−OZ部位で加水分解して対
    応する2−ヒドロキシビフェニル化合物を生成せしめる
    酵素で標識した抗原を抗体と反応させて、抗原−抗体複
    合体を形成させ、該複合体に結合した前記酵素の存在下
    に、該ビフェニル化合物を加水分解して該2−ヒドロキ
    シビフェニル化合物を生成せしめ、該2−ヒドロキシビ
    フェニル化合物を検出する工程を有することを特徴とす
    る抗体の定量方法。
  8. 【請求項8】 ビフェニル化合物が 【化6】 をその構造中に有するものである請求項7記載の抗体の
    定量方法。
  9. 【請求項9】 酵素がアルカリホスファターゼである請
    求項7記載の抗体の定量方法。
  10. 【請求項10】 式 【化7】 (式中、Zは加水分解可能な基を示す)をその構造中に
    有するビフェニル化合物からなる酵素活性測定用の基
    質。
  11. 【請求項11】 ビフェニル化合物が 【化8】 をその構造中に有するものである請求項10記載の酵素
    活性測定用の基質。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9981901B2 (en) 2007-06-08 2018-05-29 Fosun Orinove Pharmatech, Inc. IRE-1α inhibitors
US11498903B2 (en) 2017-08-17 2022-11-15 Bristol-Myers Squibb Company 2-(1,1′-biphenyl)-1H-benzodimidazole derivatives and related compounds as apelin and APJ agonists for treating cardiovascular diseases

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US9981901B2 (en) 2007-06-08 2018-05-29 Fosun Orinove Pharmatech, Inc. IRE-1α inhibitors
US11498903B2 (en) 2017-08-17 2022-11-15 Bristol-Myers Squibb Company 2-(1,1′-biphenyl)-1H-benzodimidazole derivatives and related compounds as apelin and APJ agonists for treating cardiovascular diseases

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