JP3648573B2 - カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の溶解方法 - Google Patents

カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の溶解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(以下「CMC−Na」という)の溶解方法に関し、詳しくは、溶解時間を短縮させることのできるCMC−Naの溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CMC−Naは水に対する分散性が悪く、水中へ投入した時にママコ(継粉)になり易い。このため、水に溶解しようとする際には、充分強力な撹拌を行ないながら少量ずつ添加することが必要であった。
【0003】
しかしながら、溶解させるまでに相当時間が必要となるため、従来より下記の▲1▼〜▲4▼のCMC−Na即溶方法が提案され報告されている。
【0004】
▲1▼溶解性を増す為に加熱する方法。
▲2▼エタノール、グリセリン等のCMC−Na不溶性溶媒を少量用いてCMC−Naを分散させた後、水に溶解する方法。
▲3▼ママコの発生を防止して溶解時間を短縮することを狙い、CMC−Naをグリオキサールで処理する方法。
▲4▼ママコ発生を防止する別の方法として、CMC−Naを熱処理することにより水分散性を向上させる方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した▲1▼の方法は、CMC−Naの粘度低下を招き、好ましくなかった。
【0006】
▲2▼の方法は、使用するCMC−Na水溶液中のエタノール、グリセリンなどが障害(邪魔)になることがあり、除去工程が別途必要で大変煩わしかった。
【0007】
▲3▼の方法は非常に手間がかかり、かつ媒質である水のpHをアルカリ性にしなければ完全な溶解は望めなかった。これに加え、グリオキサール自体、食品添加物として好ましくなく、用途の制限を余儀なくされた。
【0008】
▲4▼の方法は、遊離のカルボキシル基の加熱処理によってエステル結合を生成させることを特徴としているが、このため、水溶液のpHが酸性側になりやすく、食品添加物基準の定めるpH6.0〜8.5に適合させるためには、例えばpH調製など煩雑な操作を必要とした。
【0009】
上述したように、従来の溶解方法はいずれも、CMC−Naの即溶性を確保する代償として、煩雑な操作、及び用途的制限を余儀なくされた。
【0010】
なお、通常は粉末形状を呈するCMC−Naを、顆粒状(グラニュータイプ。1.1μm〜188μm(16〜80))に仕上げ、これを水中に投入する方法がある。
【0011】
この方法は、ママコを作らず、ゆるやかな撹拌で溶解できるという点では優れているが、当然のことながら粉末状品を顆粒状品に仕上げる時の繁雑な製造操作が必要であるばかりか、それほど溶解時間を短縮させるには至らなかった。
【0012】
[発明の目的]
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、CMC−Naの溶解時間を簡便に短縮させることのできる方法を提供するところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のCMC−Naの溶解方法は、2%(重量%、以下同様)水溶液の25℃における粘度が5mpa・s以下である低粘度CMC−Naの水溶液を予め調製し、この水溶液中で、CMC−Naを溶解することを特徴とする方法である。
【0014】
請求項2のように、前記予め調製した低粘度水溶液の濃度が0.1〜2%であることが好適である。
【0015】
[手段を構成する要件]
本発明は、次のような点に着目してなされたものである。すなわち、CMC−Naを水に溶解する時、水に対する分散性が悪いことによってママコの生成を許し、このママコの生成が溶解時間を延ばしている。従って、ママコの生成を抑えることが、CMC−Naの即溶性につながる。ママコ生成防止法として、媒体とする水に前もって粘度が出にくい低粘度CMC−Naを溶解しておき、CMC−Naを水に投入した時のママコ生成を抑えることが即溶性につながる。
【0016】
予め調製しておく低粘度水溶液のためのCMC−Naは、25℃における無水物2%水溶液の粘度が5mpa・s以下(BM型粘度計、60rpm)のものが良い。
【0017】
濃度には特に限定はないが0.1〜2%の水溶液を使用することが好ましい。2%を超える場合には、溶解後の粘度が高くなる、すなわち、溶解しようとするCMC−Naの溶解後の粘度が前もって溶解してある低粘度CMC−Naの影響で高くなる等の現象が出る可能性があり、0.1%未満では、本発明の作用効果が小さくなる可能性がある。なお、さらに好ましい範囲は0.5〜1.0%である。
【0018】
本発明で使用し得るCMC−Na(溶解しようとするCNC−Na)としては一般的に、無水物1%水溶液の粘度が5〜20,000mpa・sのものが挙げられる。また、用途により異なるが0.2〜20%で溶解される。エーテル化度は0.4〜2.5とほぼ全範囲に効果がある。
【0019】
上記CMC−Naは、市販されているセロゲンF−5A(第一工業製薬(株)製)を使用することもできる。このセロゲンF−5Aは、溶解しようとするCMC−Naと同じCMC−Naであること、セロゲンF−5Aは食品添加物、香粧品原料基準、飼料添加物、日局方の公的基準に適合していることなどから用途面からはどのようにも本法を採用することができる。
【0020】
【作用】
CMC−Naの即溶化は、低粘度CMC−Na水溶液に粉末を投入することで可能となるわけであるが、これを理論的に説明することはできない。
【0021】
おそらく、共存している低粘度CMC−Na水溶液における水に溶解したCMC−Na分子と、これから溶解しようとするCMC−Naの分子との活性基同士が何らかの相互作用を表し、これにより親水性が瞬間的に低下するためママコが生成し難くなり、全体として水に対する即溶性に結びつくためと考えられる。
【0022】
【実施例】
実施例1〜50および比較例1〜9([表1]〜[表4]参照)
▲1▼低粘度CMC−Na水溶液の調製
2,000mlビーカーに2,000mlの純水を採り、低粘度CMC−Na(第一工業製薬(株)製:セロゲンF−5A)を[表1]〜[表4]に記載した濃度となるように添加してスリーワンモーターを用いて溶解した。
なお、使用したCMC−Naの無水物2%水溶液の粘度は、3.9mpa・s(BM型粘度計・60rpm、25℃)である。
【0023】
▲2▼溶解時間の測定
500mlビーカーに、上記▲1▼で得られた低粘度CMC−Na水溶液を400ml採り、スリーワンモーターで50mmφの4枚羽根プロペラ1000rpmで撹拌した。
これにCMC−Naを、ビーカー壁及び撹拌棒に付着しないように投入し、ママコがなくなり完全に溶解するまでの所要時間を測定した。
【0024】
▲3▼粘度の比較
上記▲2▼で完全溶解させた水溶液をBM型粘度計回転数60rpmで25℃条件で粘度を測定した。
【0025】
なお、上記▲2▼での溶解CMC−Naは含水量を補正する為、無水物に換算して投入している。
例えば、水分=8.0%のCMC−Naを溶解しようとする時のCMC−Na量は次のようになる。すなわち、
2%濃度液を作成する場合のCMC−Na量は、
g(98−8)/2=400から、g=8.9(グラム)となり、
10%濃度液を作成する場合のCMC−Na量は、
g(90−8)/10=400から、g=48.8(グラム)となる。
【0026】
【表1】
Figure 0003648573
【0027】
【表2】
Figure 0003648573
【0028】
【表3】
Figure 0003648573
【0029】
【表4】
Figure 0003648573
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の溶解方法によれば、CMC−Naの溶解時間を簡便に短縮させることができる。
【0031】
請求項2記載の溶解方法によれば、溶解しようとするCMC−Naの溶解後の粘度を、前もって溶解した低粘度CMC−Na水溶液に影響を及ぼされず、低く抑えることができる。

Claims (2)

  1. 2%水溶液の25℃における粘度が5mpa・s以下である低粘度カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の水溶液を予め調製し、この水溶液中で、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を溶解することを特徴とするカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の溶解方法。
  2. 請求項1に記載のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の溶解方法において、予め調製した低粘度水溶液の濃度が0.1〜2%であることを特徴とする溶解方法。
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