JP3648513B2 - 高速応答ヒータユニット、板状ヒータおよび板状ヒータ製造方法 - Google Patents

高速応答ヒータユニット、板状ヒータおよび板状ヒータ製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速応答ヒータユニット、板状ヒータおよび板状ヒータ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における本出願人の高速応答ヒータユニットは、次のような板状ヒータを備えていた。
ニクロム板のような板状ヒータ素材板をほぼ正方形とし、これに幅方向に沿って左右から交互に切れ目を入れる。
このようにすると、板状ヒータ素材板は幅方向に沿って順次折り返すことになり、幅狭となりつつ実質長が長くなる。
【0003】
このようにしてリボン状となった板状ヒータを碍子などで張架して角盆状のユニット板上に保持させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の高速応答ヒータユニットにおいては、次のような課題があった。
電流は幅方向にわたって均等に流れるのではなく、最短距離部分を流れようとするので、幅方向の縁部において折り返す部位では内周寄りの部分で沢山電流が流れ、外周よりの部分ではあまり電流が流れない。このため、偏って発熱してしまい、高度な温度制御を行うのには好ましくなかった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、均等な発熱を行わせて温度制御を好適に実現させることが可能な高速応答ヒータユニット、板状ヒータおよび板状ヒータ製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、板状ヒータ素材板をリボン状にしつつ平滑な折り返し部を介して連続させて実質長を長くした板状ヒータと、この板状ヒータを張架して支持する張架支持部材と、この張架支持部材を所定位置に保持するユニット板とを具備する高速応答ヒータユニットであって、上記張架支持部材は、上記ユニット板に貫通固定されるピンで貫通支持される、円柱状の上面に凹部を有する下側の碍子と、当該凹部に入り、その深さよりも長い凸部を円柱状の下面に有する上側の碍子とから成り、当該凸部周縁に形成される両碍子が当接しない空間で自由度を備えつつ板状ヒータの折り返し部を支持せしめ、上記板状ヒータの各折り返し部分には、当該折り返し部分を均一な抵抗値、或いは外回り側を低抵抗値とすることで電流の不均衡を是正する電流経路是正構造を有し、折り返し部分を均一な抵抗値とする上記電流経路是正構造は、当該板状ヒータにおけるリボン状部分の連続方向と略直交するとともに、当該折り返し部分にて折り返す各リボン状部分に導通する低抵抗の導電部材を折り返し部分全体、若しくは折り返し部分に接するリボン状部分に設けて成る一方、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、当該折り返し部分にて外回り側に導電路を形成して成る構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、本来であれば板状ヒータの各折り返し部分で電流の流れに偏りが生じるが、電流経路是正構造が折り返し部分を均一な抵抗値とする場合、低抵抗の導電部材が折り返し部分に備えられており、この導電部材は各リボン状部分に対してその連続方向と略直交しているので、折り返し部分に至る時点で最短路や最長路というような偏りが無くなる。また、当該折り返し部分では低抵抗であるので内回り部分と外回り部分での経路長の際は実質的に影響を及ぼさない。
一方、電流経路是正構造が、外回り側を低抵抗値とする場合、折り返しの外周側に導電路を形成しているので、外周側は導電経路の断面積が大きくなり、導電抵抗が小さくなる。従って、内側寄り部分だけに沢山の電流が流れて過度に加熱するということが無くなり、電流の不均衡を是正する。
このように、電流経路是正構造が折り返し部分で電流の不均衡を是正するため、かかる偏りが生じず、ひいては発熱の不均衡を低減させて高精度な加熱制御を行うことができる。
更に、上側の碍子の凸部の周縁には上側の碍子と下側の碍子とが当接しない空間が形成されるので、熱収縮する板状ヒータを自由度を持たせつつ支持することができる。
上記導電部材の具体的な構造の一例として、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分を均一な抵抗値とする電流経路是正構造は、別個の導電部材に板状ヒータ素材からなるリボン状部分を連結させる構成としてある。
【0008】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、折り返し部分を形作る導電部材が単独で存在し、これに対してリボン状部材を接続する。すなわち、直進路を形成するリボン状部材を折り返し部材で連結しつつ所定方向に折り返している。また、導電部材の他の一例として、請求項3にかかる発明は、上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分を均一な抵抗値とする電流経路是正構造は、板状ヒータ素材における折り返し部分に導電部材を重ね合わせて張り付ける構成としてある。
【0009】
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、折り返し部分についても板状ヒータ素材板で形成するとしてもこれに低抵抗の導電部材を重ね合わせて張り付けると実質的に電流経路は導電部材だけとなり、板状ヒータ素材板での発熱の不均衡は生じなくなる。さらに、請求項4にかかる発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高速応答ヒータユニットにおいて、導電部材はリボン状部分における長さ方向の屈曲形状と一致する屈曲形状とした構成としてある。
【0010】
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、リボン状部分を屈曲させることがあり、折り返し部分にまで至っている場合には、この屈曲形状に合わせて導電部材を屈曲させておくことにより、両者の間に隙間が生じないし、薄板からなるリボン状部分自体を同屈曲形状に保持せしめることも容易になる。さらに、請求項5にかかる発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高速応答ヒータユニットにおいて、上記張架支持部材は、板状ヒータの折り返し部に設けられた上記導電部材を支持する構成としてある。
【0011】
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、板状ヒータを張架支持部材で支持するにあたり、この板状ヒータの折り返し部に設けられた導電部材を支持する。導電部材自体は低抵抗であって通電したときに発熱することもないので、張架支持するに際して張架支持部材を直接に高温にさらすこともなくなる。
折り返し部分にて外回り側に導電路を形成して成る、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、内周側から外周側に向けて電流経路が長くなっていくのと反比例して厚みが増すようにしておいても不均衡を是正する効果が生じる。このような導電路の一例として、請求項6にかかる発明は、上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、折り返し部分にて外方側へ行くほど厚みが厚くなるように形成した導電路を張り付ける構成としてある。
【0012】
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、外方側では電流経路が長くなる反面、厚みが増え、電流路自体の抵抗値は内側の電流経路とさして変わらなくすることができる。
また、厚みの変化具合を調整すれば外回りであっても内回りであっても概ね均等に電流を流すようにすることも可能となる。しかしながら、必ずしも均一な抵抗値とすることが絶対的な要件ではないので、構成を簡易にすることも可能である。こうした導電路の他の一例として、請求項7にかかる発明は、上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、折り返し部分にて外周り側だけに導電路を張り付ける構成としてある。
【0013】
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、外回り側での抵抗値は半分に下がるので、電流経路の是正に貢献する。一方、かかる高速応答ヒータユニットについて、簡易かつ有効に製造することができる場合にはその製造方法としても発明が成立する。その一例として、請求項8にかかる発明は、板状ヒータ素材板をリボン状にしつつ折り返し部を介して連続させて実質長を長くし、この板状ヒータを、所定位置にユニット板で保持された張架支持部材で張架して支持する高速応答ヒータユニット製造方法であって、上記張架支持部材には、上記ユニット板に貫通固定されるピンで貫通支持される下側の円柱状の碍子の上面に形成した凹部に、上側の円柱状の碍子の当該凹部深さよりも長い凸部を入れて、当該凸部周縁に両碍子が当接しない空間を形成して、当該空間内に自由度を備えつつ板状ヒータの折り返し部を支持すると同時に、上記板状ヒータの各折り返し部分には、当該板状ヒータにおけるリボン状部分の連続方向と略直交するとともに、当該折り返し部分にて折り返す各リボン状部分に導通する低抵抗の導電部材を折り返し部分全体、若しくは折り返し部分に接するリボン状部分に設けて折り返し部分を均一な抵抗値にするか、或いは、当該折り返し部分にて外回り側に導電路を形成して折り返し部分の外回り側を低抵抗値とすることで電流の不均衡を是正する電流経路是正構造を形成して製造する構成としてある。
すなわち、上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、発熱の偏りを低減させると同時に、熱収縮する板状ヒータを自由度を持たせつつ支持する製造方法となる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、折り返し部分を均一な抵抗値とする場合には、リボン状部材と導電部材とが電気的に接続し、この低抵抗の導電部材を介して電流が流れる方向が変化させることになるので、実質的にどの部分を電流が流れても発熱の偏りが生じない。
一方、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする場合には、折り返し部分での電流抵抗に偏りが生じない。よって、折り返し部において予測しない発熱の偏りが生じることがなく、高精度な加熱制御を実現することが可能な高速応答ヒータユニットを提供することができる。また、請求項2にかかる発明によれば、折り返し部分に板状ヒータ素材板を使用せず、無駄な板状ヒータ素材板を必要としない。
【0015】
更に、請求項3にかかる発明によれば、折り返し部分に導電部材を張り合わせるだけであるので、既存のものに対しても容易に適用可能である。更に、請求項4にかかる発明によれば、導電部材と板状ヒータの屈曲形状とを一致させて密着度合いをよくできるし、板状ヒータの屈曲形状を保持する効果もある。更に、請求項5にかかる発明によれば、張架支持部材が板状ヒータ素材の発熱部分を支持することが無く、直接に高温にさらさないようにすることができる。
【0016】
更に、請求項6及び請求項7にかかる発明によれば、折り返し部分での電流抵抗に偏りが生じず、さらにこれを容易に実現できる。更に、請求項8にかかる発明によれば、同様の効果を奏する高速応答ヒータユニットを簡易に製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる高速応答ヒータユニットを平面図により示している。
同図において、高速応答ヒータユニット10は、概略八角形の角盆状のユニット板20と、このユニット板20上に適宜配設された張架支持部材30と、この張架支持部材30にて張架支持される板状ヒータ40とを備えている。
【0021】
ユニット板20は所定形状にプレス切断した平板の周縁を屈曲して立設させることにより、外周形状が八角形で浅目の皿状の形状としてある。多数の高速応答ヒータユニット10を縦横に並べて面状にすると、ちょうど切り欠いた四角形の角部同士が集まって四角形の隙間が生じる。この隙間から被加熱部材の反射熱を計測し、温度制御をする。従って、別の温度制御を実施するような場合など、特に八角形の浅皿形状とする必要はない。また、ユニット板20上には断熱性および絶縁性を有する反射板21が載置されている。
【0022】
張架支持部材30には電極を兼ねる第一の支持部材31と電極以外の第二の支持部材32とがある。これらの拡大斜視図を図2に示している。
第一の支持部材31は上記ユニット板20における相対向する二つの角部に形成された矩形の穴22を貫通して支持されている。ユニット板20の上面である表面には碍子31aが配置され、裏面にはマイカの絶縁板31bが配置され、上記穴22を貫通するボルト31cにてこれらを貫通しつつ締付けて固定している。碍子31a上には板状ヒータ40と載置する電極金具31dが配置され、この電極金具31dとナット31eとの間に同板状ヒータ40の端部を挟み込んで固定しつつ電極へ導通させている。
【0023】
絶縁板31bの側には磁器製の外筒31fやワッシャ31gやナット31hなどが配置され、ナット31hにて各部品を締結固定している。また、同ナット31hにて図示しない電源ケーブルを締結し、外部から給電可能としている。
この第一の支持部材31は、いわゆる板状ヒータ40の支持機能と電源供給機能とを併せ持つが、これらの単独の機能に分けて形成する等、適宜変形可能である。
【0024】
第二の支持部材32は、ユニット板20の裏面から貫通して固定されたスタッドピン32aに対して二つの円柱状の碍子32b,32cを貫通支持せしめて形成されている。ここで図3に示すように、下側の碍子32bにおける上面中央には凹部32b1があり、上側の碍子32cにはこの凹部32b1に入り込みつつその深さよりも長めにした凸部32c1が形成されている。スタッドピン32aに対して碍子32b,32cを挿通せしめ、スタッドピン32aの上端に形成した止め部32a1に固定用のワッシャ32dをはめ込むと、碍子32b,32cが固定される。このとき、凸部32c1の周縁には碍子32b,32cが当接しない空間が形成され、この部分で板状ヒータ40を支持する。
【0025】
後述するように発熱する板状ヒータ40は、その性質上若干収縮するため、このように第二の支持部材32にて自由度を持たせつつ支持する必要がある。従って、かかる自由度を備える限り、適宜変形可能であることはいうまでもない。
板状ヒータ40は平板の薄いニクロム板を左右から交互に切れ目を入れて葛折り状とし、実質長を稼ぐ形状となっている。その両端は端部側から切れ目を入れてU字型とし、上述したように第一の支持部材31のボルト31cをくわえ込みつつ電極金具31dとナット31eとで締結固定できるようにしてある。ここで、同端部にはその切り込み形状と一致する補強板41をスポット溶接で張り合わせて固定してある。
【0026】
一方、板状ヒータ40の端部から端部へと至る間には直線形状のリボン状部分42と180度方向を折り返す折り返し部43が連続している。図4及び図5はこの折り返し部43の近辺を拡大して示している。
この例では、折り返し部43から二つのリボン状部分42,42へ至る部分と同形状の導電部材50を備えている。この導電部材50はニクロム板よりも十分に低抵抗な素材で構成され、リボン状部分42,42と接する部分ではその長さ方向と略直角な形状になっている。すなわち、折り返し部43にて180度折り返す板状ヒータ40の代わりにU字型に形成される導電部材50が配設され、各リボン状部分42,42は実質的に低抵抗の部材を介して導通されることになる。また、リボン状部分42,42にて電流経路の長短が生じないように、導電部材50がリボン状部分42,42と接する部位は当該リボン状部分42,42の長さ方向と直角になるようにしている。
【0027】
従って、電流は抵抗値の高い素材で形成されている折り返し部43を流れることなくほぼ導電部材50を流れ、この折り返し部43にて不均衡な発熱をさせることはない。なお、この場合の導電部材50は補強部材としても機能し、第二の支持部材32は当該導電部材50が貼付された部位を支持している。
本実施形態においては、導電部材50と折り返し部43とをスポット溶接で接続しているが、金属同士を接続させるための他の公知の方法も適宜使用可能である。例えば、図6(A)に示すように、単に帯板を折り返しただけの導電部材51を用意してリボン状部分42,42をくわえ込み、同図(B)に示すようにプレスでかしめ固定させる。リボン状部分42,42はわずかに山形に屈曲させてあるので、この断面形状に合致させるようにしてプレスすると、より密着性を向上させることができる。
【0028】
また、折り返し部43自体を無くし、導電部材52で連結する構成とすることもできる。図7及び図8はその一例を示している。
同図に示すものでは、図4及び図5に示す折り返し部43を切除し、短冊状としたリボン状部分42,42を直に導電部材52へ接続している。むろん、このようにすれば折り返し部分が低抵抗の導電部材52だけとなるので電流は100%この導電部材52を流れ、その際に折り返すものであっても電流経路の長短による発熱は殆ど生じず、問題とならない。
【0029】
この場合も、図6に示すものと同様にスポット溶接を使用しないで構成することもできる。図9(A),(B)はその一例を示しており、導電部材53におけるリボン状部分42と接続すべき部分にて幅方向外側に帯板片53a,53aを延設せしめて形成し、これを内側上面に折り返しておく。そして、リボン状部分42,42を隙間に挿入し、先ほどと同様にプレスしてかしめ固定する。
このような導電部材は実質的に低抵抗であればよく、高抵抗素材であっても板厚を厚くして低抵抗としてもよい。図10はこの一例を示しており、折り返し部43で板状ヒータ素材の板厚を厚くした低抵抗部位を形成することにより、導電部材54を形成している。図11はこのような板状ヒータ40を比較的容易に製造する手法を示しており、素材の段階で板厚の熱い部分を連続的に形成しておき、この部分に折り返し部43が該当するようにプレス位置を指定して切断する。
【0030】
一方、電流経路を是正するためには、折り返し部が必ずしも均一な抵抗値としなければならないわけでもない。すなわち、外回り側の抵抗値を下げるだけでも電流経路を是正する効果はある。図12(A),(B)はその一例を示している。
同図に示すものでは、折り返し部43にて外方側へ行くほど厚みが厚くなるように形成した板状ヒータ素材からなる電流路60を張り合わせてある。このようにすると、外方側では電流経路が長くなる反面、厚みが増え、電流路自体の抵抗値は内側の電流経路とさして変わらなくすることができる。また、厚みの変化具合を調整すれば外回りであっても内回りであっても概ね均等に電流を流すようにすることも可能となる。
【0031】
しかしながら、必ずしも均一な抵抗値とすることが絶対的な要件ではないので、構成を簡易にすることも可能である。
図13(A),(B)は構成を簡易にした一例を示している。
この例では、外周り側だけにほぼ同厚みの板状ヒータ素材からなる電流路61を張り合わせてある。これだけでも外回り側での抵抗値は半分に下がるので、電流経路の是正に貢献する。
さらに、図14(A),(B)は図13(A),(B)に示すものに改良を加えた例を示しており、裏側には折り返し部43における中央部分から最外回り部分までに板状ヒータ素材からなる第一の電流路62を張り合わせ、表側にはほぼ最外回り側部分に板状ヒータ素材からなる第二の電流路63を張り合わせている。
この例では、中央部分で板状ヒータ素材の厚みが二倍になり、外側部分で板状ヒータ素材の厚みが三倍になる。従って、抵抗値はこれに反比例し、電流経路の不均衡を是正することができる。この場合、表面と裏面から張り合わせる構造を採用しているので、強度を増すメリットもある。
【0032】
以上の例では、板状ヒータ40の形状として、リボン状部分42が折り返し部43にて180度折り返されるものとして説明しているが、電流経路における抵抗の不均衡を是正するのは必ずしも180度折り返す場合に限られるものではない。
図15は板状ヒータ40の変形例を示すものであり、直線のリボン状部分44を備えつつ、90度の折り返し部45によって渦巻き状の形状としてある。この場合、折り返し部45には上述したような各種の導電部材や電流路を配設することが可能であり、これにより外回り側の抵抗を下げて電流経路を是正することができる。
【0033】
このように、板状ヒータ素材板からなるリボン状部分42,44を折り返し部43,45にて折り返して連続させ、実質長を長くした板状ヒータ40を備える高速応答ヒータユニット10において、各折り返し部43,45には、当該折り返し部43,45で電流の不均衡を是正するために、抵抗値を調整して電流経路を是正する構造として、導電部材50〜54や、電流路60〜63を配設したため、折り返し部43,45で内回り部分だけに電流が集中して流れる不均衡状態を解消させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる高速応答ヒータユニットの平面図である。
【図2】高速応答ヒータユニットの分解斜視図である。
【図3】張架支持部材の断面図である。
【図4】高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の分解斜視図である。
【図5】同高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の斜視図である。
【図6】変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の分解斜視図と斜視図である。
【図7】他の変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の分解斜視図である。
【図8】同高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の斜視図である。
【図9】変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の分解斜視図と斜視図である。
【図10】変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の斜視図である。
【図11】同変形例にかかる高速応答ヒータユニットの製造過程を示す斜視図である。
【図12】変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の断面図と斜視図である。
【図13】変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の断面図と斜視図である。
【図14】変形例にかかる高速応答ヒータユニットにおける折り返し部の断面図と斜視図である。
【図15】変形例にかかる高速応答ヒータユニットの平面図である。
【符号の説明】
10…高速応答ヒータユニット
20…ユニット板
21…反射板
22…穴
30…張架支持部材
31…第一の支持部材
31a…碍子
31b…絶縁板
31c…ボルト
31d…電極金具
31e…ナット
31f…外筒
31g…ワッシャ
31h…ナット
32…第二の支持部材
32a…スタッドピン
32a1…止め部
32b…碍子
32b1…凹部
32c…碍子
32c1…凸部
32d…ワッシャ
40…板状ヒータ
41…補強板
42…リボン状部分
43…折り返し部
44…リボン状部分
45…折り返し部
50〜54…導電部材
53a…帯板片
60〜63…電流路

Claims (8)

  1. 板状ヒータ素材板をリボン状にしつつ折り返し部を介して連続させて実質長を長くした板状ヒータと、
    この板状ヒータを張架して支持する張架支持部材と、
    この張架支持部材を所定位置に保持するユニット板とを具備する高速応答ヒータユニットであって、
    上記張架支持部材は、上記ユニット板に貫通固定されるピンで貫通支持される、円柱状の上面に凹部を有する下側の碍子と、当該凹部に入り、その深さよりも長い凸部を円柱状の下面に有する上側の碍子とから成り、当該凸部周縁に形成される両碍子が当接しない空間で自由度を備えつつ板状ヒータの折り返し部を支持せしめ、
    上記板状ヒータの各折り返し部分には、当該折り返し部分を均一な抵抗値、或いは外回り側を低抵抗値とすることで電流の不均衡を是正する電流経路是正構造を有し、
    折り返し部分を均一な抵抗値とする上記電流経路是正構造は、当該板状ヒータにおけるリボン状部分の連続方向と略直交するとともに、当該折り返し部分にて折り返す各リボン状部分に導通する低抵抗の導電部材を折り返し部分全体、若しくは折り返し部分に接するリボン状部分に設けて成る一方、
    折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、当該折り返し部分にて外回り側に導電路を形成して成ることを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  2. 上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分を均一な抵抗値とする電流経路是正構造は、別個の導電部材に板状ヒータ素材からなるリボン状部分を連結させることを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  3. 上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分を均一な抵抗値とする電流経路是正構造は、板状ヒータ素材における折り返し部分に導電部材を重ね合わせて張り付けることを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  4. 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高速応答ヒータユニットにおいて、導電部材はリボン状部分における長さ方向の屈曲形状と一致する屈曲形状としたことを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  5. 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高速応答ヒータユニットにおいて、上記張架支持部材は、板状ヒータの折り返し部に設けられた上記導電部材を支持することを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  6. 上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、折り返し部分にて外方側へ行くほど厚みが厚くなるように形成した導電路を張り付けることを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  7. 上記請求項1に記載の高速応答ヒータユニットにおいて、折り返し部分の外回り側を低抵抗値とする上記電流経路是正構造は、折り返し部分にて外周り側だけに導電路を張り付けることを特徴とする高速応答ヒータユニット。
  8. 板状ヒータ素材板をリボン状にしつつ折り返し部を介して連続させて実質長を長くし、
    この板状ヒータを、所定位置にユニット板で保持された張架支持部材で張架して支持する高速応答ヒータユニット製造方法であって、
    上記張架支持部材には、上記ユニット板に貫通固定されるピンで貫通支持される下側の円柱状の碍子の上面に形成した凹部に、上側の円柱状の碍子の当該凹部深さよりも長い凸部を入れて、当該凸部周縁に両碍子が当接しない空間を形成して、当該空間内に自由度を備えつつ板状ヒータの折り返し部を支持すると同時に、
    上記板状ヒータの各折り返し部分には、当該板状ヒータにおけるリボン状部分の連続方向と略直交するとともに、
    当該折り返し部分にて折り返す各リボン状部分に導通する低抵抗の導電部材を折り返し部分全体、若しくは折り返し部分に接するリボン状部分に設けて折り返し部分を均一な抵抗値にするか、
    或いは、当該折り返し部分にて外回り側に導電路を形成して折り返し部分の外回り側を低抵抗値とすることで電流の不均衡を是正する電流経路是正構造を形成して製造することを特徴とする高速応答ヒータユニット製造方法。
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