JP3647988B2 - くり抜き外壁パネルの成形方法 - Google Patents
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本発明は、窓取付用のくり抜き孔が穿孔された外壁パネルの成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、外壁パネルを窓周りに施工する場合、外壁パネルの表面と窓の表面とが面一となるように施工されるが、最近では、この外壁パネルの厚み分だけ窓を奥まった位置に施工してパネルの厚みを見せることで、パネルの厚みを強調して建物全体を重厚な感じに仕上げることが行われている。
【0003】
このように、窓周りに外壁パネルを施工する場合、図5に示すように、窓aの上下と両側との四箇所をそれぞれ外壁パネルb、c、d、eで取り囲むようにして施工される。しかし、この場合、一つの窓aに対して四枚の外壁パネルb、c、d、eを施工しなければならないので、施工作業が煩わしくなってしまう。
【0004】
そこで、従来より、パネルの中央部に、表面から裏面に貫通する窓取り付け用のくり抜き孔をあからじめ穿孔した外壁パネルが提案されている。また、この外壁パネルをキャスティング成形によって形成し、その表面に深みのある凹凸模様を形成することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のくり抜き孔の穿孔された外壁パネルは、脱型の都合から表面にしか凹凸模様が形成できなかったので、パネルの厚み分だけ奥まった位置に窓を施工すると、表面の深みのある凹凸模様に対してくり抜き孔の内周面が平滑となってしまい、凹凸模様が途切れてしまう。したがって、パネルの厚みを見せることによって得られる重厚感とパネル表面の深みのある凹凸模様とを上手く融合した状態に仕上げることができないといった不都合を生じることとなる。
【0006】
また、図5に示すように、窓aの周りを四枚の外壁パネルb、c、d、eによって施工する場合、これら外壁パネルb、c、d、eの窓aを取り巻く端面f、g、h、iに凹凸模様が形成されたものを用いることが考えられるが、四枚の外壁パネルb、c、d、eが必要となり、生産性、施工性が悪くなるといった不都合を生じることとなる。
【0007】
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、パネルの厚みによる重厚感とパネル表面の深みのある凹凸模様とを上手く融合した状態に仕上げることができるくり抜き外壁パネルの成形方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のくり抜き外壁パネルの成形方法は、パネルの凹凸模様が形成された本体に、くり抜き孔に相当する四角錐台状に形成された開口成形部が突出され、開口成形部の脱型時に支障を来さない範囲でこの開口成形部にもパネルの凹凸模様が形成されてなる型マットを、成形型に敷き、この成形型にコンクリート材料を流し込んで養生硬化後、脱型するキャスティング成形によって、平板状に形成し、その表面に凹凸模様を形成するとともに、中央部に、表面から裏面にかけて若干縮径するテーパ状に貫通する窓取付用のくり抜き孔を穿孔し、このくり抜き孔の内周面にパネルの表面の凹凸模様と同じ凹凸模様を形成することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1および図2はくり抜き外壁パネル1の全体構成の概略を示し、図3は同くり抜き外壁パネル1の施工状態を示している。
【0011】
すなわち、このくり抜き外壁パネル1は、その中央部に、窓2を取り付けるためのくり抜き孔10が穿孔され、表面11とくり抜き孔10の内周面12とに凹凸模様が形成されている。
【0012】
このくり抜き外壁パネル1は、図4に示すように、型マット31を敷いた成形型3内にコンクリート材料1aを流し込んで養生硬化後、脱型することによってキャスティング成形される。この際、型マット31は、パネルの凹凸模様が形成された本体31aに、くり抜き孔10に相当する開口成形部31bが突出されている。この開口成形部31bは、脱型が容易に行えるように、若干のテーパ状とした四角錐台状に形成されている。また、このように開口成形部31bを四角錐台状に形成しているので、この開口成形部31bの脱型時に支障を来さない範囲で、この開口成形部31bにもパネルの凹凸模様が形成されている。したがって、このようにして成形されたくり抜き外壁パネル1は、表面11とくり抜き孔10の内周面12との双方に凹凸模様を形成することができる。
【0013】
そのため、このくり抜き外壁パネル1は、パネル1の厚みの分だけ窓2を奥まった位置に施工してパネル1の厚みの部分、すなわち、くり抜き孔10の内周面12の部分を強調して建物全体に重厚感を持たせた状態に施工した場合であっても、このくり抜き孔10の内周面12の部分に凹凸模様が形成されるので、パネル1の表面11の深みのある凹凸模様を生かしつつ、重厚感のある仕上がりにすることができる。
【0014】
なお、本実施の形態では、くり抜き孔10の内周面12のうち、窓2の上辺に相当する部分の凹凸模様を外壁パネル1の表面11の凹凸模様と連続するように形成し、窓2の両側辺に相当する部分の凹凸模様を外壁パネル1の表面と関係の無い凹凸模様に形成しているが、このくり抜き孔10の内周面12の凹凸模様としては、このようなものに限定されるものではなく、例えば、内周面12の凹凸模様全体が外壁パネル1の表面11の凹凸模様と連続するようなものであっても良いし、内周面12の凹凸模様全体が外壁パネル1の表面11の凹凸模様と関係の無いものであっても良い。
【0015】
ただし、このくり抜き孔10の内周面12に形成される凹凸模様の深さは、外壁パネル1を成形する際の開口成形部31bのテーパ具合によって決まるので、この内周面12の傾斜を大きくした場合には、内周面12の凹凸模様の深さを表面11の凹凸模様の深さと同程度にすることができるし、この内周面12の傾斜を小さくした場合には、内周面12の凹凸模様の深さは表面11の凹凸模様の深さ程深くすることができないこととなる。
【0016】
また、くり抜き孔10の内周面12の凹凸模様は、窓2の上下辺および両側辺の四辺全体に形成しても良いし、本実施の形態に示す窓2のように、窓2の下辺に水切り部21が突設されるような場合には、この下辺の部分が隠されてしまうので、くり抜き孔10の内周面12のうち、窓2の上辺および両側辺の三辺にのみ凹凸模様を形成したものであっても良い。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によると、パネルの表面から裏面にかけて若干縮径するように、テーパ状に貫通する窓取付用のくり抜き孔を穿孔し、このくり抜き孔をテーパ状にしたことにより、キャスティング成形の脱型時に支障を来さない範囲でくり抜き孔の内周面に凹凸模様を形成することができることとなる。したがって、外壁パネルの厚み分だけ内側に奥まった位置に窓を取り付けた状態、すなわち、くり抜き孔の内周面を見せることにより、建物全体に重厚感を持たせた状態に施工した場合でも、このくり抜き孔の内周面に凹凸模様を形成し、外壁パネル表面の深みのある模様とマッチして高級感を得ることができるくり抜き外壁パネルを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】くり抜き外壁パネルの全体構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII-II 線断面図である。
【図3】くり抜き外壁パネルの施工状態を示す斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、くり抜き外壁パネルの成形状態を説明する工程図である。
【図5】従来の窓周りの外壁パネルの施工状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 くり抜き外壁パネル
10 くり抜き孔
11 表面
12 内周面
2 窓
Claims (1)
- パネルの凹凸模様が形成された本体に、くり抜き孔に相当する四角錐台状に形成された開口成形部が突出され、開口成形部の脱型時に支障を来さない範囲でこの開口成形部にもパネルの凹凸模様が形成されてなる型マットを、成形型に敷き、
この成形型にコンクリート材料を流し込んで養生硬化後、脱型するキャスティング成形によって、
平板状に形成し、その表面に凹凸模様を形成するとともに、中央部に、表面から裏面にかけて若干縮径するテーパ状に貫通する窓取付用のくり抜き孔を穿孔し、このくり抜き孔の内周面にパネルの表面の凹凸模様と同じ凹凸模様を形成することを特徴とするくり抜き外壁パネルの成形方法。
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JP24155596A Expired - Fee Related JP3647988B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | くり抜き外壁パネルの成形方法 |
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