JP3647773B2 - 広帯域増幅回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルビデオディスク(DVD)や、コンパクトディスク(CD)の再生装置等において、フォトダイオードからの信号電流を電流電圧変換する増幅回路などとして好適に実施される広帯域な増幅回路に関し、特にその静電気対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記の光ディスクや光磁気ディスクの中でも、現在のDVD−ROM市場においては、数社のピックアップメーカーが、16倍速の装置の開発を進めており、CD−R/RW市場においては、16〜24倍速の装置の開発が進んでいる。今後もディスクを媒体とするピックアップ市場は、ディスクの高密度化および短波長レーザの開発に伴って、さらに高速化の方向に進むとものと予想される。このため、基幹センサである受光増幅回路における電流電圧変換素子の一層の高速化が必要である。
【0003】
図7は、一般的な光ピックアップ用受光増幅回路1の電気的構成を示すブロック図である。この受光増幅回路1は、大略的に、フォトダイオード2と、それに接続される電流電圧変換増幅回路3と、前記電流電圧変換増幅回路3と同様に構成される基準電圧発生回路4と、それらの回路3,4からの電圧の差分を増幅する差動増幅回路5とを備えて構成されている。一方、前記フォトダイオード2は、たとえば図8で示すように、参照符A,B,C,D,E,Fで示す6分割で構成されており、フォトダイオードA,B,C,Dは、前記電流電圧変換増幅回路3、基準電圧発生回路4および差動増幅回路5から成る相互に同一構成の増幅回路6にそれぞれ接続される。
【0004】
ここで入射信号光P1;P2,P3は、フォトダイオードA,B,C,Dの分割線の中心およびフォトダイオードE,Fの3箇所にそれぞれ照射される。したがって、フォトダイオードA,B,C,Dにおいては、1/4分割された信号光量が各フォトダイオードA,B,C,Dの信号成分となり、各フォトダイオードA,B,C,Dに対応した電流電圧変換増幅回路3および差動増幅回路5によって、電流−電圧変換増幅される。同様にフォトダイオードE,Fについても、各フォトダイオードE,Fに対応した電流電圧変換増幅回路3および差動増幅回路5によって電流−電圧変換増幅されるけれども、このフォトダイオードE,Fに入射する信号光P2,P3およびそれに接続される電流電圧変換増幅回路3は低速であるので、以降はフォトダイオードA,B,C,D、特にフォトダイオードAに関する構成について説明する。
【0005】
図9は従来の電流電圧変換増幅回路3の一例を示す電気回路図であり、図10は差動増幅回路5の一例を示す電気回路図である。フォトダイオードAに照射された前記信号光P1によるフォトダイオードAからの信号電流Ipdは、電流電圧変換増幅回路3において電圧変換され、さらに後段の差動増幅回路5において増幅され、出力電極9に信号電圧Voを得る。
【0006】
前記電流電圧変換増幅回路3は、前記信号電流Ipdを電流電圧変換するNPN型のトランジスタQ1および定電流発生用の抵抗R1と、トランジスタQ1のエミッタ電圧を増幅する定電流源F1およびNPN型のトランジスタQ2とで構成される入力回路7と、前記トランジスタQ2のコレクタ電圧を増幅して、出力電圧Vpを導出するNPN型のトランジスタQ3および定電流源F2と、前記出力電圧Vpを前記トランジスタQ1のベースに与える帰還抵抗をR2とで構成される出力回路8とを備えて構成される。
【0007】
前記差動増幅回路5は、差動対を構成するNPN型のトランジスタQ4,Q5と、前記電流電圧変換増幅回路3からの出力電圧Vpおよび前記基準電圧発生回路4からの基準電圧Vrefを前記トランジスタQ4,Q5のベースにそれぞれ与える入力抵抗R3,R4と、前記トランジスタQ4のベースに外部基準電源から供給される直流の基準電圧Vsを与える抵抗R5と、前記トランジスタQ5のベースを出力端子9に接続する抵抗R6とを備えて構成される。R3=R4であり、R5=R6である。
【0008】
一方、無信号光時における出力端子9の電圧Vodは、前記基準電圧Vsおよび該差動増幅回路5内の素子の不整合によって発生するオフセット電圧Voffによって、
Vod=Vs+Voff …(1)
のように表される。
【0009】
これに対して、電流電圧変換増幅回路3のゲイン抵抗をR2、差動増幅回路5の増幅率をR5/R3とすると、前記信号電流Ipd入力時の出力電圧Vonは、
Von=Ipd×R2×R5/R3+Vs+Voff …(2)
となり、この信号光が入射した時における前記基準電圧Vsとの差△Vonは、
△Von=Ipd×R2×R5/R3+Voff …(3)
となる。
【0010】
受光増幅回路1では前記差△Vonを信号電圧として出力しており、該受光増幅回路1内の素子不整合によって生じる前記オフセット電圧Voffが大きい場合、信号光による信号電圧△Vonも誤差を生じることになる。
【0011】
一方、ピックアップ用受光増幅回路1において、前記信号電圧△Vonは、データ信号とフォーカス信号として使用される。前記各フォトダイオードA,B,C,Dからの信号電流Ipdを前記増幅回路6によって電流電圧変換増幅した前記信号電圧△Vonを出力電圧信号Va,Vb,Vc,Vdとすると、
データ信号=Va+Vb+Vc+Vd …(4)
フォーカス信号1=Va+Vc−(Vb+Vd) …(5)
フオーカス信号2=Va−Vc …(6)
フォーカス信号3=Vb−Vd …(7)
で表され、上記演算処理は受光増幅回路1の後段に設けられる外部接続ICの演算処理回路で行われる。ここで、データ信号とは、前記CD−ROMやDVD等の記録媒体に記録された音楽、映像、プログラム情報などの信号を意味する。また、フォーカス信号とは、前記記録媒体に照射されるレーザ光の焦点を調整するための信号であり、前記式5,6,7の各フオーカス信号電圧がゼロになるように調整することでフオーカス調整が行われる。
【0012】
したがって、無信号時における前記式5,6,7は極力ゼロである必要があり、受光増幅回路1の後段に接続される前記演算処理回路との整合性を得るためには、無信号時の各フォトダイオードA,B,C,Dに対応する増幅回路6の出力電圧をそれぞれVad,Vbd,Vcd,Vddとする場合、以下に示される関係が求められる。
【0013】
Vad=Vbd=Vcd=Vdd=Vs …(8)
すなわち、前記オフセット電圧Voffの低減が重要な特性項目となる。
【0014】
前記のオフセット電圧Voffの低減は、差動増幅回路5のもう一方の入力部に電流電圧変換増幅回路3と同一回路構成を有する基準電圧発生回路4を接続することで実現しており、電流電圧変換増幅回路3と基準電圧発生回路4との素子整合性が得られている場合、差動増幅回路5の出力端子9では、Voff=0となる。
【0015】
図11には、従来の基準電圧発生回路4の一例を示す。基準電圧発生回路4は、前述の電流電圧変換増幅回路3と同様に構成され、NPN型のトランジスタQ6および抵抗R7と、トランジスタQ6のエミッタ電圧を増幅する定電流源F3およびNPN型のトランジスタQ7と、前記トランジスタQ7のコレクタ電圧を増幅して、前記基準電圧Vrefを導出するNPN型のトランジスタQ8および定電流源F4と、前記基準電圧Vrefを前記トランジスタQ6のベースに与える帰還抵抗R8とを備えて構成され、トランジスタQ6のベースには前記信号電流Ipdは与えられない。
【0016】
ここで、トランジスタQ1,Q2,Q6,Q7のベース−エミッタ間電圧をVBE1,VBE2,VBE6,VBE7、トランジスタQ1,Q6のベース電流をIB1,IB6とするとき、フォトダイオード2への光信号が無信号状態において、
Vp=VBE1+VBE2+R2×IB1 …(9)
Vref=VBE6+VBE7+R8×IB6 …(10)
となる。前述のように電流電圧変換増幅回路3と基準電圧発生回路4とは同一回路構成であるので、素子間の整合性が保たれている場合、つまり、
VBE1=VBE2=VBE6=VBE7 …(11)
R2=R8 …(12)
IB1=IB6 …(13)
において、Vp=Vrefとなり、後段の差動増幅回路5の2つの入力には、同一の電圧が印加され、該差動増幅回路5の出力端子9では、オフセット電圧Voffは発生しない。このため、オフセット電圧Voffの発生を抑制するためには、これらの電流電圧変換増幅回路3と基準電圧発生回路4との回路素子の直流特性の整合性が重要であり、中でもトランジスタQ1,Q2,Q6,Q7のベース−エミッタ間電圧VBE1,VBE2,VBE6,VBEの整合性が重要であることが理解される。
【0017】
また、受光増幅回路1のもう1つの重要な特性項目として、増幅回路6の広帯域化が挙げられるが、従来では、製造プロセスの改良による素子縮小化と、図7に示すように、増幅回路6の構成を電流電圧変換回路3と差動増幅回路5とから成る2段の負帰還の増幅回路構成とし、ゲイン抵抗を低減することで該増幅回路6の広帯域化を図っている。
【0018】
さらにまた、前記広帯域化、特に高域での特性安定化を目的として、従来回路においては、電流電圧変換増幅回路3におけるVcc電極およびGND電極への配線を、図9で示すように、入力回路7と出力回路8とでそれぞれ分離独立配線としている。前記分離独立配線は、チップ内のワイヤーボンディングパッドからトランジスタの電極までの配線を分離したり、チップ内のトランジスタの電極に接続される配線とワイヤーボンディングパッドとを分離することで実現される。
【0019】
図12に、電流電圧変換増幅回路3の出力回路8と入力回路7とのVcc,GND電極配線を共通化(非分離)した場合の配線ブロック図を示す。このように電源電極配線を共通化した場合、ボンディングワイヤなどの電源配線のインダクタンス成分L1,L2の影響で、出力回路8から入力回路7への帰還ループが発生する。
【0020】
そこで、Vcc電極配線およびGND電極配線による帰還ループの伝達関数をそれぞれfvcc,fgndとすると、これらの電源電極配線を共通化した場合の帰還伝達関数fは、これらfvcc,fgndと帰還抵抗R2との並列関数、すなわち、
f=fvcc×fgnd×R2
/(fgnd×R2+fvcc×R2+fvcc×fgnd)…(14)
となり、電流電圧変換増幅回路3が理想的な場合は、電源からの帰還はなく、fvcc=fgnd=∞となるけれども、そうでない場合は設計段階で意図していない帰還ループが発生し、高域の特性が不安定になる場合がある。よって、従来回路においては、上記のように出力回路8と入力回路7との電源電極配線の分離を行っている。図9に示す電流電圧変換増幅回路3のような具体的な回路においては、ダーリントン接続されたNPNトランジスタQ1,Q2および定電流源F1のVcc電極配線およびGND電極配線を出力回路8とは分離配線とし、その配線形状は配線のインピーダンス成分を低減するために、6μm程度の太く、極力短い配線としている。これに対して、通常信号伝達系の配線は最小寸法幅を使用しており、たとえば3μmである。
【0021】
この点、基準発生回路4においては、前記オフセット電圧Voffを打消すための直流電圧のみが必要であり、電源電極配線の分離は必要としない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成される受光増幅回路1では、電流電圧変換増幅回路3において、前述した入力回路7と出力回路8との電源電極配線の分離によって、高速帯域での特性の安定化は得られている。しかしながら、図11に示す基準電圧発生回路4のように電源電極配線が非分離である場合は、配線長が長くなり、配線奇生抵抗、配線奇生容量および配線に接続される多くのトランジスタや抵抗の奇生成分によって、トランジスタQ6,Q7に印加される静電気が抑制されることになり、静電気破壊の耐圧の低下が起こりにくいのに対して、図9に示す電流電圧変換増幅回路3では、電極配線が前述した形状で他の回路部を介さず、直接電源電極から配線されるので、入力回路7のトランジスタQ1,Q2および定電流源F1の静電気耐圧の低下が間題となる。
【0023】
前記静電気は、デバイスを組込むための装置や人体から発生し、前記デバイスの出力ピンから侵入して、チップ内のワイヤーボンディングパッドを経由して、該パッドとメタルで接続されたトランジスタの各電極などに印加されて破壊を引起こす。前述のように同一の配線に多くの素子が接続される程、静電気は分散され、破壊は抑制される。
【0024】
ここで、静電気による破壊プロセスの一例を図13に示す。図13は、典型的なNPN型のトランジスタの断面図であり、参照符α1,α2,α3で示す3箇所のP−N半導体接合を有する。一般的に静電気破壊は、P−N接合に逆方向電圧が印加されたとき、その逆方向電圧がP−N接合の逆耐圧よりも高いときに接合が破壊し、それによって流れる電流が接合の一部に集中し、熱で溶解して接合が短絡することで発生する。
【0025】
図13に示すNPN型のトランジスタでは、コレクタに静電気が印加された場合、点α1のベース−エミッタ間のP−N接合が破壊され、図中の矢印方向に電流が流れる。このようにエミッタ−ベース間のP−N接合は、コレクタ−ベース間のP−N接合より接合面積が小さいために電流集中が起こり易く、破壊され易い。よって、ベース−エミッタ間の静電気破壊を抑制するためには、ベース−エミッタ間の接合面積を大きくしたり、出力端子にファントムトランジスタや抵抗を付加する方法が一般的に用いられる。また、増幅回路の広帯域化のためのプロセス改善に伴い、回路素子の高集積化が進んでおり、前記NPN型のトランジスタの一般的静電気破壊プロセスで説明した点α1以外のPN接合の静電気破壊も問題となっている。前記ファントムトランジスタとは、出力端子(ワイヤーボンディングパッド)と、VccおよびGND電源との間に主に接続され、出力端子に静電気電圧が入力された場合のみ動作し、静電気による過渡電流のトランジスタ回路への流入を抑制するものである。
【0026】
具体的な回路において、上記の静電気対策方法を以下に説明する。図14は、差動増幅回路5における静電気対策方法を説明するための図であり、その出力段の一例を示す等価回路図である。一般的に高速回路では、出力トランジスタQ11,Q12から出力電極9への配線が最小幅最短で配線されるので、該出力トランジスタQ11,Q12は静電気の印加によって破壊され易くなる。図14はプッシュプル構成の出力回路であり、トランジスタQ11,Q12のエミッタ結合部10と前記出力電極9との間で、出力電極9近傍に静電気対策用抵抗R11を設けることで静電気耐圧の改善を実現している。
【0027】
前記静電気対策用抵抗R11の効果を以下に説明する。静電気対策手段として静電気対策用抵抗R11を付加した場合、出力トランジスタQ11,Q12のエミッタ−ベース間寄生容量をそれぞれCJEN,CJEP、配線寄生抵抗をRpa、配線寄生容量をCpa、出力信号電圧Voに印加された静電気入力電圧をViとすると、前記トランジスタQ11,Q12のエミッタ結合部10の電圧VOSは、
VOS=1/(1+ω(CJEN+CJEP+Cpa)
×(R11+Rpa))×Vi …(15)
となり、出力トランジスタQ11,Q12の奇生容量CJEN,CJEPと静電気対策用抵抗R11および配線寄生素子とによってローパスフィルタを形成することで、出力トランジスタQ11,Q12のエミッタ−ベース間に加わる静電気電圧を低下させ、静電破壊を抑制することが可能となる。
【0028】
製品ベースでは、静電気耐圧200V以上であれば問題はないが、実績のある静電気対策用抵抗値およびローパスフィルタの極周波数を以下に示す。R11=50Ω、CJEN=30fF、CJEP=33fF、Rpa=2Ω(3μm幅、200μm長、30mΩ/□)およびCpa=34fF(3μm幅、200μm長、0.056fF/□)とした場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数fは、
f=1/(2π×(CJEN+CJEP+Cpa)×(R11+Rpa))
=31GHz …(16)
である。製造プロセスによっても異なるけれども、上記周波数を以下で説明する、静電気対策手法の基準とする。前記出力電極9およびエミッタ結合部10での静電気波形を図15に示す。図15において、実線は出力電極9の静電気波形を示し、破線はエミッタ結合部10での静電気波形を示し、出力電極9側からの静電気がエミッタ結合部10では抑制されている。
【0029】
このようにして、出力端子(エミッタ結合部10)と出力電極9(ワイヤーボンディングパッド)との間に静電気対策素子(R11)を設け、前記出力端子に印加される静電気を抑制することができる。図14の差動増幅回路5では、プロセス上、出力トランジスタQ11,Q12のエミッタ電極が該出力トランジスタQ11,Q12の3つの電極の中で最小で、静電破壊され易いので、静電気対策が行われている。また、この出力トランジスタQ11,Q12の静電破壊を抑制する方法として、前記静電気対策素子(R11)を設ける以外に、該出力トランジスタQ11,Q12をそれぞれ複数個の素子を並列に接続して構成し、前記エミッタ電極の面積を大きくし、静電気電流を分散する手法も用いられている。
【0030】
ところが、トランジスタの微細化に伴い、前記エミッタ電極以外にも対策が必要となり、コレクタ電極、すなわちVccやGNDなどの電源電極からの静電気対策も必要となっている。また、前述のように広帯域安定化のために、出力回路8と、入力回路7とで電源電極配線を分離し、入力回路7のトランジスタQ1,Q2は他の素子から独立した構成であり、前記電源電極からの静電気で破壊され易く、しかも信号入力部のトランジスタは、信号増幅用のトランジスタであり、特性上、電極面積を大きくするための前述のような並列素子構成を採用することができないという問題がある。
【0031】
本発明の目的は、広帯域化のために入力段のトランジスタにデバイス内の他の回路素子とは独立した電源電極配線を有する広帯域増幅回路において、静電気破壊を抑制することができる広帯域増幅回路を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明の広帯域増幅回路は、フォトダイオードからの信号電流が入力され、広帯域化のために入力段のトランジスタにデバイス内の他の回路素子とは独立した電源電極配線を有する広帯域増幅回路において、前記電源電極配線に直結されるトランジスタの電極に関して、静電気対策手段を備えており、上記信号電流が入力されるトランジスタの一電極が、上記静電気対策手段たる静電気対策用抵抗を介して上記電源電極配線に直結されていることを特徴とする。また、上記信号電流が入力されるトランジスタはベース電極に上記信号電流が入力されるNPN型の電流電圧変換用トランジスタであり、該電流電圧変換用トランジスタのコレクタ電極は、上記静電気対策用抵抗を介して V cc電極配線に直結されていても良い。また、上記電流電圧変換用トランジスタのエミッタ電極と、ベース電極にて接続するNPN型の電圧増幅用トランジスタのエミッタ電極が、上記静電気対策手段たる静電気対策用抵抗を介してGND電極配線に直結されていても良い。また、上記電圧増幅用トランジスタのコレクタ電極と、コレクタ電極にて接続するバーティカルPNPトランジスタのエピ電極が、上記静電気対策手段たる静電気対策用抵抗を介してVcc電極配線に直結されていても良い。
【0033】
上記の構成によれば、フォトダイオードからの信号電流を電流電圧変換する増幅回路などとして好適に実施され、入力段のトランジスタにデバイス内の他の回路素子とは独立した最短距離の電源電極配線を設けることで、該電源電極配線を介する前記他の回路素子からの帰還ループの形成を抑え、高域での特性を安定化させることで広帯域化した広帯域増幅回路において、ベース電極、コレクタ電極、エミッタ電極、シリコンエピ電極等のトランジスタの各電極の内、電源電極配線に、インピーダンス素子を介在することなく、直結される電極に関して、静電気対策手段を設ける。
【0034】
したがって、電極が電源電極に直接接続されることになる入力段のトランジスタの静電気耐圧を向上することができる。
【0035】
また、本発明の広帯域増幅回路は、フォトダイオードからの信号電流が入力され、広帯域化のために入力段のトランジスタにデバイス内の他の回路素子とは独立した電源電極配線を有する広帯域増幅回路において、前記電源電極配線に直結されるトランジスタの電極に関して、静電気対策手段を備えており、上記信号電流が入力されるトランジスタの一電極と前記電源電極配線との間に、上記静電気対策手段として、2層構造を有する金属配線を備えることを特徴としている。また、本広帯域増幅回路は、上記信号電流が入力されるトランジスタがベース電極に上記信号電流が入力されるNPN型の電流電圧変換用トランジスタであり、該電流電圧変換用トランジスタのコレクタ電極とVcc電極配線との間に2層構造を有する金属配線を備えても良い。また、本広帯域増幅回路は、上記電流電圧変換用トランジスタのエミッタ電極と、ベース電極にて接続するNPN型の電圧増幅用トランジスタを有しており、該電圧増幅用トランジスタのエミッタ電極とGND電極配線との間に2層構造を有する金属配線を備えても良い。また、本広帯域増幅回路は、上記電圧増幅用トランジスタのコレクタ電極と、コレクタ電極にて接続するバーティカルPNPトランジスタを有しており、該バーティカルPNPトランジスタのエピ電極とVcc電極配線との間に2層構造を有する金属配線を備えても良い。また、上記2層構造を有する金属配線においては、2層目の配線幅が、本来の電源電極配線である1層目の配線幅より広いことが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、金属配線−シリコンエピ間には、奇生容量が存在し、さらに配線金属には奇生抵抗が存在するので、1層目の本来の電源電極配線の上部に2層目の金属配線(被覆金属層)を設けることで、前記奇生抵抗を増大させることなく、すなわち前記入力段のトランジスタの直流特性を損なうこと無く、また損失を増大させることなく、奇生容量だけで、該奇生容量および前記奇生抵抗から成るローパスフィルタの時定数の調整を行うことができる。
【0037】
したがって、電源電極配線に前記被覆金属層を設けるだけで、特別な素子を用いることなく、入力段のトランジスタの静電気耐圧を向上することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1〜図3ならびに前記図9および図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0039】
図1は、本発明の実施の一形態の入力回路21の電気回路図である。この入力回路21は、前述の図7で示す光ピックアップ用受光増幅回路1における図9で示す電流電圧変換増幅回路3において入力回路7に代えて用いられ、入力回路7に対応する構成には、同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この入力回路21では、前述のようにデバイス内の他の回路素子である前記出力回路8とは独立し、最短直接配線した電源電極配線を設けることで、該電源電極配線を介する前記図12で示すような出力回路8からの帰還ループの形成を抑え、高域での特性を安定化させることで広帯域化するようにした構成において、Vcc電極配線に直結されるトランジスタQ1のコレクタ電極およびトランジスタQ21のエピ電極22ならびにGND電極配線に直結されるトランジスタQ2のエミッタ電極に関して、その近傍に、静電気対策用抵抗Z1,Z2,Z3をそれぞれ介在することである。
【0040】
すなわち、ベース電極に与えられるフォトダイオード2からの信号電流Ipdを電流電圧変換するNPN型のトランジスタQ1において、エミッタ電極は前記定電流用の抵抗R1を介して前記GND電極配線に接続されるので、該トランジスタQ1において前記Vcc電極配線に唯一直接に接続されるコレクタ電極は、その近傍に設けられる前記静電気対策用抵抗Z1を介して前記Vcc電極配線に接続される。また、前記定電流源F1を構成するバーティカルPNPトランジスタQ21と抵抗R21との直列回路において、トランジスタQ21のエミッタ電極は前記抵抗R21を介して前記Vcc電極配線に接続され、コレクタ電極は前記トランジスタQ2のコレクタ電極とともに前記出力回路8のトランジスタQ3のベース電極に接続され、ベース電極は図示しない基準電流を作成する素子などに接続されるので、該トランジスタQ21において前記Vcc電極配線に唯一直接に接続される前記エピ電極22は、その近傍に設けられる前記静電気対策用抵抗Z2を介して前記Vcc電極配線に接続される。さらにまた、電圧増幅用の前記NPN型のトランジスタQ2のベース電極は前記トランジスタQ1のエミッタ電極に接続され、コレクタ電極は前述のようにトランジスタQ21のコレクタ電極に接続されるので、該トランジスタQ2において前記GND電極配線に唯一直接に接続されるエミッタ電極は、その近傍に設けられる前記静電気対策用抵抗Z3を介して前記GND電極配線に接続される。
【0041】
一方、図2は前記NPN型のトランジスタQ1,Q2の断面構造を示す図であり、図3は前記PNP型のトランジスタQ21の断面構造を示す図である。したがって、先ずトランジスタQ1のコレクタ電極に関しては、そのコレクタ−ベース間のPN接合による奇生容量CJCNおよびコレクタ−シリコン基板間のPN接合による奇生容量CJSNと前記静電気対策用抵抗Z1とによって、ローパスフィルタLPF1が形成されることになる。
【0042】
同様に、トランジスタQ2のエミッタ電極に関しては、そのエミッタ−ベース間のPN接合による奇生容量CJENと前記静電気対策用抵抗Z3とによって、ローパスフィルタLPF2が形成されることになる。また、トランジスタQ21のエピ電極22に関しては、素子分離のためのN型エピタキシャル層−シリコン基板間の接合による奇生容量CJepiと前記静電気対策用抵抗Z2とによって、ローパスフィルタLPF3が形成されることになる。
【0043】
さらにまた、前記Vcc電極配線に関しては、その金属配線の奇生抵抗Rvと、金属配線−シリコン基板間の奇生容量CvとによってローパスフィルタLPF4が形成され、前記GND電極配線に関しては、その配線の奇生抵抗Rgと奇生容量CgとによってローパスフィルタLPF5が形成される。
【0044】
たとえば、CJSN=180fF、CJCN=38fF、CJEN=30fF、CJSP=200fF、CJCP=57fF、CJEP=33fF、CJepi=300fFである。また、たとえばVcc電極配線およびGND電極配線の単位面積当りの抵抗ρr=30mΩ/□、容量ρc=0.056fF/□とし、Vcc電極−トランジスタQ1のコレクタ間の配線長L=1000μm、配線幅W=6μmとすると、
Rv=Rg=30×1000/6=5Ω …(17)
Cv=Cg=0.056x1000x6=336fF …(18)
となる。
【0045】
したがって、奇生抵抗Rvおよび奇生容量Cvから成るVcc電極配線側のローパスフィルタLPF4ならびに奇生抵抗Rgおよび奇生容量Cgから成るGND電極配線側のローパスフィルタLPF5のカットオフ周波数fは、
f=1/(2×π×5Ω×336fF)=95GHz …(19)
となり、高周波での極を持つので、印加された静電気電圧の抑制効果は小さい。
【0046】
したがって、配線奇生素子によるローパスフィルタLPF4,LPF5を無視して、先ず前記静電対策用抵抗Z1とトランジスタQ1の接合容量CJSN、CJCNとから成るローパスフィルタLPF1において、従来例で説明したカットオフ周波数が31GHz以下になるよう設定すると、
31GHz=1/(2×π×Z1×(CJSN+CJCN)) …(20)
から、Z1=24Ωとなり、静電気対策用抵抗Z1の抵抗値を24Ω以上にすることで、トランジスタQ1のコレクタ電極への静電気電圧の印加量を抑制することが可能となる。
【0047】
同様に、前記静電対策用抵抗Z3とトランジスタQ2の接合容量CJENとから成るローパスフィルタLPF2において、カットオフ周波数が31GHz以下になるよう設定すると、
31GHz=1/(2×π×Z3×CJEN) …(21)
から、Z3=171Ωとなり、静電気対策用抵抗Z3の抵抗値を171Ω以上にすることで、トランジスタQ2のエミッタ電極への静電気電圧の印加量を抑制することが可能となる。
【0048】
さらにまた、前記静電気対策用抵抗Z2とトランジスタQ21のエピ電極22−シリコン基板間の奇生容量CJepiとから成るローパスフィルタLPF3において、カットオフ周波数が31GHz以下になるよう設定すると、
31GHz=1/(2×π×Z2×CJepi) …(22)
から、Z2=17Ωとなり、静電気対策用抵抗Z2の抵抗値を17Ω以上にすることで、トランジスタQ21のエピ電極22への静電気電圧の印加量を抑制することが可能となる。
【0049】
このように広帯域化のためにデバイス内の出力回路8とは独立した最短距離の電源電極配線を有する入力回路21において、ベース電極、コレクタ電極、エミッタ電極、シリコンエピ電極等のトランジスタの各電極の内、電源電極配線に、インピーダンス素子を介在することなく、直結される電極に関して、静電気対策手段を設けるので、電極が電源電極に直接接続されることになる入力段のトランジスタの静電気耐圧を向上することができる。
【0050】
ただし、前記説明のとおり、前記図11で示される基準電圧発生回路4はオフセット電圧の抑制を目的とした電圧参照回路であり、直流電圧特性のみが問題となることから、高域での特性安定性は不要であり、電流電圧変換増幅回路3のように、前記出力回路8と入力回路7との電源電極配線の分離は行っておらず、静電耐圧の低下は発生しないけれども、この入力回路21のように前記静電気対策用抵抗Z1〜Z3を設ける場合、受光増幅回路1において重要特性項目であるオフセット電圧が悪化するので、該基準電圧発生回路4は、電源電極配線を共用にするだけで、この入力回路21と整合性を得るために、同一形状、同一配置に前記静電気対策用抵抗Z1〜Z3が設けられ、回路素子は同一の配列構成とされる。
【0051】
本発明の実施の他の形態について、図4〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0052】
図4は、本発明の実施の他の形態の入力回路31の電気回路図である。この入力回路31において、前述の入力回路21に対応する構成には、同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。前述の入力回路21は、各トランジスタQ1,Q2,Q21の接合容量CJCN,CJSN;CJEN;CJepiと静電気対策用抵抗Z1,Z2,Z3とによって形成したローパスフィルタLPF1,LPF2,LPF3によって静電気耐圧の向上を図っているのに対して、注目すべきは、この入力回路31では、前記式19で示すように静電気耐圧の向上に寄与していなかったローパスフィルタLPF4,LPF5に対して、前記Vcc電極配線の奇生容量Cvを増加することで、該奇生容量Cvと奇生抵抗Rvとによって形成されるローパスフィルタLPF4aのカットオフ周波数を低くし、前記GND電極配線の奇生容量Cgを増加することで、該奇生容量Cgと奇生抵抗Rgとによって形成されるローパスフィルタLPF5aのカットオフ周波数を低くし、静電気耐圧の向上を図るようにしたことである。
【0053】
このため、前記Vcc電極配線およびGND電極配線は、図5で示すように、2層構造を有する金属配線S1,S2から形成される。図5はその金属配線S1,S2の断面図であり、図6はその金属配線S1,S2の部分をチップ表面側から見た正面図である。絶縁層B1,B2間に金属配線S1が形成され、絶縁層B2に対して金属配線S1とは反対側のチップ表面に金属配線S2が形成される。金属配線S1は、たとえば前述のようにρr=30mΩ/□、ρc=0.056fF/□で、L=1000μm、W=6μmである。したがって、Rv=Rg=5Ω、金属配線S1−シリコン基板間の容量Cv1,Cg1は、Cv1=Cg1=336fFとなっている。
【0054】
ここで、
Rv,Rg=ρr×L/W …(23)
Cv1,Cg1=ρc×L×W …(24)
f=Rv×Cv1,Rg×Cg1=ρr×ρc×L2 …(25)
で表すことができるから、配線の奇生容量によるカットオフ周波数fは配線幅Wに依存せず、配線長Lの変更によって調整する必要がある。
【0055】
しかしながら、Vcc電極配線およびGND電極配線は電源供給のための配線であり、前述したように配線長Lを長くした場合、上記式23から、奇生抵抗Rv,Rgが増加することになり、金属配線形成時のエッチングばらつきによる該奇生抵抗Rv,Rgのばらつきが入力回路31内のトランジスタQ1,Q2,Q21の直流特性に大きく影響を与えるようになり、好ましくない。また、電流電圧変換回路3と基準電圧発生回路4とで、静電気対策用抵抗Z1〜Z3の整合性を得られる配置とすることは可能であるけれども、配線の奇生抵抗Rv,Rgは隣接配置でもばらつきは大きく、整合性は得難い。これによってもまた、配線の奇生抵抗Rv,Rgは極力低減する必要がある。
【0056】
このため、直流電源安定化のためには、前記奇生抵抗Rv,Rgをむやみに増加することはできないので、この入力回路31では、金属配線S1はそのままとし、すなわち金属配線S1−シリコン基板間の寄生容量Cv1,Cg1および前記奇生抵抗Rv,Rgはそのままとし、金属配線S1,S2間で新たに寄生容量Cv2,Cg2を作成するようにする。
【0057】
したがって、
Figure 0003647773
から、Cv2=Cg2=691fFとなる。したがって、寄生容量Cv2,Cg2を691fF以上とすることで、入力回路31における各トランジスタQ1,Q2,Q21の直流特性を損なうこと無しに、静電気電圧の印加量を抑制することが可能となる。
【0058】
前記寄生容量Cv2,Cg2は、1層目の金属配線S1を充分な幅で被覆する2層目の金属配線S2との間の奇生容量であり、2層目の配線幅を1層目より充分広くすることで、2層目の配線幅ばらつきによる寄生容量Cv2,Cg2のばらつきの影響は小さくなる。この金属配線S2は、絶縁層B2内のトランジスタや抵抗素子等を被覆するように配置することが可能チップスペースの増大を招くことはない。
【0059】
また、生産プロセス上、シリコン基板−1層目の金属配線S1間の絶縁層B1は、1層目の金属配線S1−2層目の金属配線S2間の絶縁層B2に対して厚く、約2倍程度になる。このため、寄生容量Cv1,Cg1と寄生容量Cv2,Cg2との関係は、
Cv2,Cg2≒Cv1,Cg1×2 …(27)
となり、前記式26で求めた値もこれを略満足している。
【0060】
【発明の効果】
本発明の広帯域増幅回路は、以上のように、入力段のトランジスタにデバイス内の他の回路素子とは独立した最短距離の電源電極配線を設けることで、該電源電極配線を介する前記他の回路素子からの帰還ループの形成を抑え、高域での特性を安定化させることで広帯域化した広帯域増幅回路において、ベース電極、コレクタ電極、エミッタ電極、シリコンエピ電極等のトランジスタの各電極の内、電源電極配線に、インピーダンス素子を介在することなく、直結される電極に関して、静電気対策手段を設ける。
【0061】
それゆえ、前記入力段のトランジスタの静電気耐圧を向上することができる。
【0062】
また、本発明の広帯域増幅回路は、以上のように、前記静電気対策手段を、2層構造を有する金属配線として、1層目の本来の電源電極配線の上部に2層目の金属配線を設けることで、奇生抵抗を増大させることなく、奇生容量および前記奇生抵抗から成るローパスフィルタの時定数の調整を行う。
【0063】
それゆえ、電源電極配線に前記被覆金属層を設けるだけで、特別な素子を用いることなく、入力段のトランジスタの静電気耐圧を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の広帯域増幅回路である光ピックアップ用受光増幅回路における電流電圧変換増幅回路内の入力回路の電気回路図である。
【図2】NPN型のトランジスタの断面構造を示す図である。
【図3】PNP型のトランジスタの断面構造を示す図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の入力回路の電気回路図である。
【図5】図4で示す入力回路における金属配線の断面図である。
【図6】前記金属配線の正面図である。
【図7】一般的な光ピックアップ用受光増幅回路の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】フォトダイオードの構成を示す図である。
【図9】図7で示す受光増幅回路における従来の電流電圧変換増幅回路の一例を示す電気回路図である。
【図10】図7で示す受光増幅回路における差動増幅回路の一例を示す電気回路図である。
【図11】図7で示す受光増幅回路における従来の基準電圧発生回路の一例を示す図である。
【図12】前記電流電圧変換増幅回路の出力回路と入力回路との電源電極配線を共通化した場合の配線ブロック図である。
【図13】典型的なNPN型のトランジスタにおける静電気による破壊プロセスの一例を説明するための断面図である。
【図14】差動増幅回路における静電気対策方法を説明するための図であり、出力段の一例を示す等価回路図である。
【図15】静電気波形を示す図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ用受光増幅回路
2 フォトダイオード
3 電流電圧変換増幅回路
4 基準電圧発生回路
5 差動増幅回路
6 増幅回路
8 出力回路(デバイス内の他の回路素子)
21,31 入力回路
22 エピ電極
A,B,C,D;E,F フォトダイオード
B1,B2 絶縁層
Cv,Cg 奇生容量
Cv1,Cg1;Cv2,Cg2 寄生容量
CJSN、CJCN,CJEN 接合容量
CJepi 奇生容量
Cpa 配線寄生容量
F1〜F4 定電流源
LPF1〜LPF3 ローパスフィルタ
LPF4,LPF5;LPF4a,LPF5a ローパスフィルタ
P1;P2,P3 入射信号光
Q1〜Q8,Q21 トランジスタ
Q11,Q12 出力トランジスタ
R1,R5,R6,R7,R21 抵抗
R2,R8 帰還抵抗
R3,R4 入力抵抗
R11 静電気対策用抵抗
Rv,Rg 奇生抵抗
Rpa 配線寄生抵抗
S1,S2 金属配線
Z1,Z2,Z3 静電気対策用抵抗(静電気対策手段)

Claims (1)

  1. フォトダイオードからの信号電流が入力され、広帯域化のために入力段のトランジスタにデバイス内の他の回路素子とは独立した電源電極配線を有する広帯域増幅回路において、
    上記信号電流が入力される入力用トランジスタ、並びに、該入力用トランジスタのエミッタ電圧を増幅する定電流源および電圧増幅用トランジスタを備え、
    上記入力用トランジスタのコレクタ電極が、そのコレクタ・ベース間のPN接合による寄生容量およびコレクタ・基板間のPN接合による寄生容量とともにローパスフィルタを構成する静電気対策用抵抗を介して電源電極配線に直結され、かつ、上記定電流源に用いられるバーティカルPNPトランジスタにおける素子分離のためのN型エピタキシャル層に電位を与えるエピ電極が、該N型エピタキシャル層・基板間の接合による寄生容量とともにローパスフィルタを構成する静電気対策用抵抗を介して電源電極配線に直結されていることを特徴とする広帯域増幅回路。
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