JP3647586B2 - 部品検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板やハイブリット用基板およびMCA(Multi Chip Module )等の回路基板に搭載されている回路部品などの良否を検査可能な部品検査装置に関し、詳しくは、回路基板などに搭載されている能動素子を検査するのに適した部品検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、この種の能動素子の良否を検査可能に構成された部品検査装置として、図5に示す検査装置71が従来から知られている。この検査装置71は、回路部品の各々に電気的に予めそれぞれ接触させられているn本のピンプローブ3a,3b,3c,3d・・(以下、区別しないときは、「ピンプローブ3」という)と、複数のピンプローブ3,3,・・から選択された1組のピンプローブ3,3を介して定電流を出力する定電流源21と、選択された他の1組のピンプローブ3,3を介して定電圧を出力する定電圧源72と、定電圧が印加されているピンプローブ3,3間の電圧を測定する電圧計73と、定電圧源72から出力される定電圧に基づく電流を電流制限するための抵抗74と、定電圧源72の接続を制御するためのリレー75とを備えている。
【0003】
この検査装置71では、例えばホトカップラ23を検査する場合には、まず、同図に示すように、リレー75を作動させることにより、抵抗74および定電圧源72の直列回路を電圧計73に並列接続する。次いで、ホトカップラ23におけるホトダイオード24のアノード−カソード間にそれぞれ接触させられているピンプローブ3a,3bを選択して定電流源21に接続すると共に、ホトトランジスタ25のコレクタ−エミッタ間にそれぞれ接触させられているピンプローブ3c,3dを選択して電圧計73に接続する。次に、定電圧源72の定電圧を抵抗74を介してホトトランジスタ25のコレクタ−エミッタ間に印加する。
【0004】
次いで、定電流源21の電流値を所定の電流値I11に設定し、この時の電圧計73の指示値V11を読み取る。この際、指示値V11が、予め定めた所定の許容範囲内のときは、ホトダイオード24が導通することによってホトトランジスタ25が正常に作動し、これにより、抵抗74による電圧降下が生じているため、良品と判定する。一方、許容範囲内でないときには、ホトダイオード24またはホトトランジスタ25のいずれかが正常に作動していないため、不良品と判定する。
【0005】
また、受動素子である抵抗などを検査する場合には、まず、リレー75を作動停止させることにより、定電圧源72を電圧計73から切り離す。次いで、検査対象抵抗の両端にそれぞれ接触させられているピンプローブ3,3を選択して定電流源21に接続すると共に、装置内において定電流源21と電圧計73とを並列接続する。次に、定電流源21から検査対象抵抗に所定値の定電流I12を供給し、この時の電圧計73の指示値V12を読み取る。この際、指示値V12が、予め定めた所定の許容範囲内のときは、正規な抵抗値を有しているため、良品と判定する。一方、許容範囲内でないときには、正規な抵抗値を有していないため、不良品と判定する。このように、従来の検査装置71は、リレー75を制御することによって、能動素子を検査する際には、定電流源21、定電圧源72および電圧計73の3つを同時に使用し、受動素子を検査する際には、定電圧源72を電圧計73から切り離すことによって、定電流源21および電圧計73の2つを使用し、これにより、能動素子および受動素子の両者を1つの装置で検査することができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の検査装置71には以下の問題点がある。
第1に、今日においては、装置の小型・低価格競争が激化しており、小型・低価格化を達成することが早急な課題となっている。その一方、従来の検査装置71では、能動素子の検査を行うために、受動素子の検査の際には不要である定電圧源72、並びに定電圧源72の切替えを制御するためのリレー75および抵抗74を必要とするため、その分、装置の大型化および高価格化を招いているという問題点がある。
第2に、例えば、受動素子と能動素子とが混在している回路基板上のすべての回路部品を検査する場合、回路部品の種類に応じてリレー75の切替え制御を行う必要があるため、その切替制御時間の積み重ねによって検査時間が長時間化しているという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、装置の小型化および低価格化並びに検査時間の短縮を図り得る部品検査装置を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載の部品検査装置は、等価入力回路に供給される制御電流が等価出力回路内を流れる出力回路側電流の電流値を制御する能動素子について検査可能な部品検査装置において、等価入力回路および等価出力回路に対し制御電流および出力回路側電流としての出力電流を供給可能な電流源と、電流源の出力電圧を測定する電圧測定部と、所定電流値の出力電流が電流源から等価入力回路および等価出力回路に供給された際に、電圧測定部によって測定された出力電圧が所定の基準電圧範囲内のときに能動素子を良品と判別する良否判別部と、良品の能動素子を作動させ、その作動時における電流源の出力電流に対する出力電圧に基づいて、基準電圧範囲を定めるための基準データを生成するデータ生成部とを備え、データ生成部は、出力電流の電流値を制御すると共に、その出力電流に対する出力電圧を電圧測定部から入力することにより、出力回路側電流が制御電流に対して線形に変化する領域内における、出力電流に対する出力電圧を基準データとして生成することを特徴とする。
【0009】
一般的に、電流源に接続されている負荷インピーダンスが低下すると、電流源の出力端における出力電圧は低下する。一方、電流源から出力させる所定電流値の出力電流として、例えば、能動素子が線形な動作領域内において作動するために最低限必要とされる制御電流よりも多目の電流にすることにより、良品の能動素子では、等価出力回路において出力回路側電流が流れようとするため、等価出力回路のインピーダンスが低下する。したがって、この場合における電流源の出力電圧は、所定電圧まで低下する。逆に、能動素子が不良品の場合には、同じ値の出力電流を供給したとしても、等価出力回路のインピーダンスが低下しないため、出力電圧は低下しない。このように、所定電流値の出力電流を電流源から出力させた際に、能動素子が作動することによって低下するであろう電流源の出力電圧範囲を基準電圧範囲として規定しておくことにより、その出力電圧に基づいて能動素子の良否を検査することが可能となる。
【0010】
また、基準電圧範囲を定める基準データは、検査対象能動素子のカタログなどに記載されているデータに基づいて演算により求めたり、部品検査装置とは別の装置を用いて実験値に基づいて生成したりしてもよい。一方、この部品検査装置では、検査時において実際に使用する電流源および電圧測定部を使用することにより、基準データ生成時における測定値と検査時における測定値との誤差を打ち消し合わせることが可能のため、別の装置を用いて基準データを生成したような場合と比較し、正確な検査を行うことができる。
【0011】
さらに、この部品検査装置では、データ生成部が、装置内に設けられている電流源の電流を制御して、同じく装置内に設けられている電圧測定部によって測定された電流源の出力電圧に基づいて基準データを自動的に生成する。このため、簡易かつ正確な基準データを生成することが可能となる。
【0012】
また、能動素子が作動している動作領域内における任意の出力電流に対する出力電圧を基準データとしてもよい。一方、この部品検査装置においては、出力回路側電流が制御電流に対して線形に変化する領域における、出力電流に対する出力電圧が基準データとして生成される。この結果、能動素子が作動を開始し始めた初期動作領域、および出力回路側電流が飽和した状態の飽和領域での出力電圧を基準データとすることを避けることができ、これにより、能動素子の正確な良否検査を行うことが可能となる。
【0013】
請求項2記載の部品検査装置は、請求項1記載の部品検査装置において、電流源は、定電流源であることを特徴とする。
【0014】
電流源は、定電圧源と電流制限用抵抗とを直列接続して構成してもよいが、出力電流を正確な値に設定するためには、電流値測定手段が必要になることがある。この部品検査装置では、定電流源の出力電流を設定することにより、基準データ生成の際および検査の際における出力電流の設定を、迅速かつ容易に、しかも正確に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、回路基板検査装置を例に挙げて、添付図面を参照しつつ、本発明に係る部品検査装置の好適な実施の形態について説明する。なお、従来の検査装置71と同一の構成要素については、同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0016】
図1に示す回路基板検査装置1は、回路基板2の一方の面に形成され互いに分離独立しているn本の回路パターンP,P・・にそれぞれ接触させるためのn本のピンプローブ3,3,・・を備えている。各ピンプローブ3は、その先端部が上方に向くように、その基部が図外の基板支持台に固着されることにより、回路基板2を支持可能に構成されている。また、各ピンプローブ3の基部には、ケーブル4が接続されており、これらのケーブル4は、後述する切替部17に接続されている。
【0017】
次に、回路基板検査装置1の電気的な構成およびその機能について、同図を参照して説明する。
【0018】
回路基板検査装置1は、本発明における良否判別部およびデータ生成部に相当するCPU11、メモリ12、キーボード13およびCRT14を備えている。なお、これらは、実際には、パーソナルコンピュータで構成されており、同図では、機能的な構成を示している。CPU11は、後述するA/D変換部16によって生成されるディジタルデータDDに基づいて受動素子の抵抗値、静電容量およびインダクタンスの測定や、能動素子の特性の検査を行うことにより、回路基板2の良否を判定する。メモリ12は、各ピンプローブ3に接触する回路パターンPのパターン番号、その回路パターンPに接続される受動素子や能動素子などの回路部品Bについての検査用の基準データ(本発明における基準電圧範囲などに相当する)や部品番号、各回路パターンP,P相互間の抵抗値、および各回路パターンPや回路部品Bのそれぞれの位置、平面形状などを記憶する。この場合、これらの情報は、回路基板2の検査に先立って予めキーボード13や図外のマウスから入力される。CRT14は、メモリ12に記憶されている各回路パターンPや回路部品Bの配置図、および検査結果などを、CPU11の制御下で映し出す。
【0019】
また、回路基板検査装置1は、計測ボード15、A/D変換部16および切替部17を備えている。計測ボード15は、図4(a)の測定系概略図に示すように、本発明における電流源と定電流源に相当する定電流源21、および本発明における電圧測定部に相当する電圧測定回路22を内蔵している。計測ボード15では、CPU11から出力される測定制御信号S11に従い、切替部17を介してピンプローブ3に定電流源21の定電流Io(本発明における出力電流に相当する)を出力する。一方、電圧測定回路22は、ピンプローブ3および切替部17を介して入力される定電流源21の出力電圧Voの電圧値を測定する。A/D変換部16は、計測ボード15の電圧測定回路22によって測定された測定値をディジタルデータDDに変換する。この場合、A/D変換部16は、順次入力される個々の測定値について変換を完了した都度、CPU11に対して変換終了信号S12を出力する。一方、CPU11は、変換終了信号S12が出力される毎に、A/D変換部16にラッチされているディジタルデータDDを読み取りに行く。切替部17は、CPU11から出力される切替制御信号S13に従って選択したピンプローブ3,3・・と、定電流源21の出力端子、電圧測定回路22の入力端子、並びに定電流源21および電圧測定回路22のグランドGとを互いに接続する。
【0020】
次に、回路基板検装置1における回路基板2の検査、特に、能動素子の検査について、図2〜4を参照して説明する。
【0021】
最初に、回路基板2の検査に先立ち、回路基板2から基準データを生成するためのデータ吸収処理が行われる。この処理では、図2に示すように、まず、良品の回路基板2をピンプローブ3,3・・上にセットする(ステップ31)。次いで、回路基板2の回路パターンP,P・・にピンプローブ3,3・・をそれぞれ接触させた状態で、CPU11が、切替制御信号S13を出力することにより、切替部17が、2対のピンプローブ3,3,3,3を選択する。この場合、切替部17は、例えば、ホトカップラ23から基準データを吸収するときには、図4(a)に示すように、ホトカップラ23の等価入力回路であるホトダイオード24のアノードおよびカソードにそれぞれ接触させられている1対のピンプローブ3a,3bと、ホトトランジスタ25の等価出力回路であるコレクタおよびエミッタにそれぞれ接触させられている1対のピンプローブ3c,3dを選択する。次いで、切替部17は、ピンプローブ3a,3cを定電流源21の出力端子および電圧測定回路22の入力端子に共通接続し、ピンプローブ3b,3dを定電流源21および電圧測定回路22のグランドGに共通接続する。次に、定電流源21の開放電圧をセットする(ステップ32)。この場合、開放電圧は、ホトダイオード24のアノード−カソード間定格電圧およびホトトランジスタ25のコレクタ−エミッタ間定格電圧以下の電圧(例えば、2V)に設定される。
【0022】
次に、オペレータによってデータの吸収回数と増加電流値(例えば、0.1mA)とがセットされると(ステップ33)、CPU11は、吸収回数をカウント値nとして内部のカウンタにセットすると共に、増加電流値をメモリ12に記憶させる。この場合、吸収回数は、CPU11によって行われる定電流源21の出力電圧Voの測定回数を意味し、増加電流値は、1回の測定が実行された後に次の測定の際において定電流源21の定電流Ioを段階的に増加させる電流値を意味する。次に、初期電流(例えば、1mA)を定電流源21から出力させ(ステップ34)、その際の定電流源21の出力電圧Voの電圧値(つまりホトトランジスタ25のコレクタ−エミッタ間電圧)を電圧測定回路22に測定させる。次いで、A/D変換部16が、電圧測定回路22によって測定された出力電圧Voの電圧値をディジタルデータDDに変換し、CPU11が、変換したディジタルデータを入力することによって出力電圧Voの電圧値を読み取る(ステップ35)。次に、CPU11は、読取値が開放電圧よりも低下したか否かを判別する(ステップ36)。低下したと判別したときには、その時における定電流Ioの電流値I1と、出力電圧Voの電圧値V1とをデータとして吸収する(ステップ37)。一方、低下していないと判別したとき、およびデータを吸収したときには、カウンタのカウント値が値nに達しているか否かを判別し(ステップ38)、達していないと判別したときには、カウンタをカウントアップすると共に定電流源21の定電流Ioを増加電流値分だけ増加させる(ステップ39)。
【0023】
次いで、定電流Ioを増加させたときの電流値における定電流源21の出力電圧Voの電圧値を読み取り(ステップ35)、上記したステップ36〜38を繰り返す。ステップ38においてカウント値が値nに達したと判別したときには、検査用データの作成処理を実行する(ステップ40)。この検査用データの作成処理では、CPU11は、まず、読取値が開放電圧よりも低下したとき(つまりホトトランジスタ25が作動したとき)の定電流源21の出力電圧Voの電圧値から、ホトトランジスタ25に流れる電流(本発明における出力回路側電流に相当する)が飽和した状態における出力電圧Voの電圧値までの電圧範囲を求める。次いで、その電圧範囲のうち、ホトトランジスタ25に流れる電流がホトダイオード24に流れる制御電流に対してほぼ線形に変化する領域内における、定電流Ioの電流値Imと、そのときの定電流源21の出力電圧Voの電圧値Vmとを基準データとしてメモリ12に記憶させる。なお、ホトトランジスタ25を流れる電流が線形に変化している領域にあるか否かは、定電流源21の出力電圧Voの電圧値を監視することにより判定することができる。具体的には、定電流Ioを増加したときに出力電圧Voの電圧値が低下しているときには、ホトトランジスタ25を流れる電流が線形に変化していると判別し、定電流Ioを増加しても出力電圧Voの電圧値が低下しなくなったときには、ホトトランジスタ25が飽和状態で動作していると判別する。
【0024】
なお、データ吸収処理においては、ホトカップラ23についてのデータ吸収以外にも、回路パターンP,P間の抵抗値なども測定されてメモリ12に記憶される。また、このデータ吸収処理は複数の良品回路基板2について行い、吸収したデータの平均値を基準データとしてもよい。このようにすることによって、回路基板2に搭載されている回路部品Bのばらつきに対処することができる。さらに、上記したデータ吸収処理のステップ35において、定電流源21の出力電圧Voの電圧値が低下しないときには、開放電圧を変化させて、再度データ吸収処理を行うようにしてもよい。
【0025】
次に、検査対象の回路基板2を実際に検査する検査処理について、図3を参照して説明する。
【0026】
最初に、オペレータによって、許容できる出力電圧Voの電圧範囲がセットされる(ステップ51)。具体的には、このステップ51では、オペレータによって、基準データとしてメモリ12に記憶されている出力電圧Voの電圧値Vmに対して、許容できる範囲(例えば、±20%)が指定される。これにより、CPU11は、0.8×Vm〜1.2×Vmまでの基準電圧範囲を演算し、演算した基準電圧範囲をメモり12に記憶させる。次いで、定電流源21の開放電圧を、データ吸収処理においてセットされた開放電圧と等しい電圧値にセットする(ステップ52)。次に、検査対象である同種の回路基板2がピンプローブ3,3・・上にセットされると(ステップ53)、CPU11は、定電流源21の定電流Ioを、基準データとしての電流値Imにセットする(ステップ54)。そして、CPU11は、この時に電圧測定回路22によって測定された出力電圧Voの電圧値VCEmを読み取る(ステップ55)。
【0027】
次いで、CPU11は、電圧値VCEmが基準電圧範囲内であるか否かを判別する(ステップ56)。基準電圧範囲内であると判別したときは、良品コードをセットし(ステップ57)、許容電圧範囲内でないと判別したときには、不良品コードをセットする(ステップ58)。この後、他の回路部品Bについても検査し(ステップ59)、すべての回路部品Bについて検査を終了したときに検査結果をCRT14に表示する(ステップ60)。この場合、1つでも不良品コードがセットされているときには、不良基板の旨を表示し、不良品コードがセットされていないときには良品基板である旨を表示する。なお、CRT14に不良基板表示を行う場合に、CPU11は、その回路パターンPや回路部品Bの位置を併せて表示させることもできる。かかる場合には、作業者は、不良個所を容易に特定することができる。この後、CPU11は、検査すべき所定枚数の回路基板2を検査したか否かを判別し(ステップ61)、所定枚数の回路基板2の検査を終了していない判別したときは、次の検査対象の回路基板2がセットされると(ステップ53)、上記したステップ54〜60を繰り返す。一方、所定枚数の回路基板2を検査していると判別したときは、検査処理を終了する。
【0028】
なお、この回路基板検査装置1において検査できる能動素子はホトカップラ23に限らず、例えば、トランジスタやFETなどを検査することができる。この場合、図4(b)に示すように、トランジスタ26のベース、コレクタおよびエミッタにそれぞれ接触しているピンプローブ3a,3c,3dを選択した後、上記したデータ吸収処理および検査処理と同じようにして、データの吸収および検査を行うことができる。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る回路基板検査装置1によれば、定電流源21から所定電流値の出力電流Imを能動素子の等価入力回路(例えばホトダイオード24)および等価出力回路(例えばホトトランジスタ25)に供給し、その際に電圧測定回路22によって測定された定電流源21の出力電圧Voの電圧値が所定の基準電圧範囲内のときに能動素子を良品と判別することにより、従来の検査装置71における定電圧源72、抵抗74およびリレー74を不要にすることができ、これにより、装置の小型・低価格化を図ることができる。また、リレー75の切替制御を不要にすることができる結果、検査時間を短縮することができる。
【0030】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されない。例えば、本発明に係る部品検査装置は、回路基板2上に搭載された回路部品Bの検査に限らず、回路部品単体で検査する検査装置にも適用可能である。この場合、ピンプローブ3に代えて、クリップ型の接触子を用いることによって、定電流源21や電圧測定回路22を回路部品Bに接続することができる。
【0031】
また、本実施形態において説明したデータ吸収処理を行わずに、能動素子のデータシートなどから、定電流源21から出力される定電流が所定電流値のときにおける定電流源21の出力電圧Voの電圧値を計算によって求めた後に、作業者がキーボード13を用いてメモリ12に記憶させてもよい。ただし、本実施形態のようにCPU11が自動的に基準データを生成することにより、省力化を図ることができる。また、データ吸収処理において、検査処理時に実際に使用する定電流源21および電圧測定回路22を使用することにより、基準データとしての電流値Imおよび出力電圧の電圧値Vmと、検査処理時における設定値である電流値Imおよび測定値である電圧値VCEmとの誤差を打ち消し合わせることが可能のため、正確な検査を行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の部品検査装置によれば、例えば、所定電流値の出力電流を電流源から出力させた際に、能動素子が作動することによって低下するであろう電流源の電圧範囲を基準電圧範囲として規定しておくことにより、電流源の出力電圧に基づいて能動素子の良否を検査することができる。これにより、従来の検査装置71における定電圧源72などを不要にすることができる結果、装置の小型・低価格化を図ることができる。また、従来の検査装置71におけるリレー75の切替制御を不要にすることができるため、検査時間を短縮することができる。
【0033】
また、この部品検査装置によれば、検査時において実際に使用する電流源および電圧測定部を使用することにより、基準データ生成時における測定値と検査時における測定値との誤差を打ち消し合わせることができ、これにより、別の装置を用いて基準データを生成したような場合と比較し、正確な検査を行うことができる。
【0034】
さらに、この部品検査装置によれば、データ生成部が、装置内に設けられている電流源の電流を制御して、同じく装置内に設けられている電圧測定部によって測定された電流源の出力電圧に基づいて基準データを自動的に生成することにより、簡易かつ正確な基準データを生成することができる。
【0035】
また、この部品検査装置によれば、出力回路側電流が制御電流に対して線形に変化する領域における、出力電流に対する出力電圧を基準データとして生成することによって、能動素子の正確な良否検査を行うことができる。
【0036】
また、請求項2記載の部品検査装置によれば、定電流源の出力電流を設定することにより、基準データ生成の際におよび検査の際における出力電流の設定を、迅速かつ容易に、しかも正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る回路基板検査装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る回路基板検査装置におけるデータ吸収処理のフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態に係る回路基板検査装置における検査処理のフローチャートである。
【図4】 (a)はホトカップラについてデータ吸収処理および検査処理を行う際の測定系の概略を示す測定系概略図であり、(b)はトランジスタについてデータ吸収処理および検査処理を行う際の測定系の概略を示す測定系概略図である。
【図5】 従来の検査装置における測定系の概略を示す測定系概略図である。
【符号の説明】
1 回路基板検査装置
11 CPU
15 計測ボード
21 定電流源
22 電圧測定回路
23 ホトカップラ
24 ホトダイオード
25 ホトトランジスタ
Claims (2)
- 等価入力回路に供給される制御電流が等価出力回路内を流れる出力回路側電流の電流値を制御する能動素子について検査可能な部品検査装置において、
前記等価入力回路および等価出力回路に対し前記制御電流および前記出力回路側電流としての出力電流を供給可能な電流源と、当該電流源の出力電圧を測定する電圧測定部と、所定電流値の前記出力電流が前記電流源から前記等価入力回路および前記等価出力回路に供給された際に、前記電圧測定部によって測定された前記出力電圧が所定の基準電圧範囲内のときに前記能動素子を良品と判別する良否判別部と、良品の前記能動素子を作動させ、その作動時における前記電流源の前記出力電流に対する前記出力電圧に基づいて、前記基準電圧範囲を定めるための基準データを生成するデータ生成部とを備え、前記データ生成部は、前記出力電流の電流値を制御すると共に、その出力電流に対する前記出力電圧を前記電圧測定部から入力することにより、前記出力回路側電流が前記制御電流に対して線形に変化する領域内における、前記出力電流に対する前記出力電圧を前記基準データとして生成することを特徴とする部品検査装置。 - 前記電流源は、定電流源であることを特徴とする請求項1記載の部品検査装置。
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CN103884942A (zh) * | 2014-03-31 | 2014-06-25 | 苏州热工研究院有限公司 | 一种光电耦合器的老化试验系统及方法 |
CN103884942B (zh) * | 2014-03-31 | 2016-08-31 | 苏州热工研究院有限公司 | 一种光电耦合器的老化试验系统及方法 |
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JPH10186003A (ja) | 1998-07-14 |
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