JP3647232B2 - 体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用クッション - Google Patents

体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用クッション Download PDF

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    • A47C31/006Use of three-dimensional fabrics

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用のクッションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
褥瘡(床ずれ)の防止は、入院看者やねたきり老人等の比較的長期間、床に就いている者に多く発生し、これを防止することが本人のみならず看護者の長年の願いとなっている。この褥瘡防止の目的のために、布団やマットレスやシーツを改良したり、クッションを体と床との間に入れたりしているが、未だ充分な解決が見られていない。
【0003】
この褥瘡は、体と床との接触箇所が変化しにくく、接触部分が圧迫されて血行が悪くなることにより生ずるものである。また、体と床との間の通気性が悪いと、身体からの熱を蓄積して、暑く、ムレると言った不快感は勿論、褥瘡の発生や促進の原因ともなる。そのために、クッションを体と床との間に挟むことは、クッションの持つ体圧分散性より、接触部分の圧迫を防止する観点からは好ましいが、ウレタン等のクッション材は、通気性に劣るという欠点がある。また、ウレタン等のクッション材は、柔らかく、柔軟性があるものの、体圧によって押しつけられてしまうと、体圧分散性が低下してまう。他方、ソバ殻やパイプ材を袋に入れた枕状のクッション材は、通気性は高いものの、体圧分散効果に欠けると言った問題がある。さらに、衛生面の観点からは、簡単に洗濯することができ、すぐに乾かすことができると言った洗濯性並びに乾燥性の良好さも求められるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記の問題点を解決するもので、適度な体圧分散効果を有すると共に、高い通気性によって、使用者に不快感を与えずに、有効に褥瘡を防止することができるようにした体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用クッションを提供せんとするものである。本願の第2の発明は、上記の目的に加えて、使用者への肌当たり良好性と、比較的長時間、接触部分が変化しない場合でも、体圧分散性が大きく低下しない体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用クッションを提供することを目的とする。本願の第3の発明は、上記の目的に加えて、伸縮の方向性を持つことによって、比較的しなやかに伸縮して良好な体圧分散効果を上げることのできる体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用クッションを提供することを目的とする。本願の第4の発明は、上記の目的に加えて、比較的しなやかに伸縮して良好な体圧分散効果を上げることのできると共に、全体としては伸縮の方向性が強く現れない体圧分散効果を有する積層された立体編地及び褥瘡防止用クッションを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本願の第1の発明は、表裏2層の編地1,2と、この2層の編地1,2を連結する複数の連結糸31より構成された立体編地3が複数枚積層されてなる積層された立体編地において、積層される各立体編地3の表裏少なくとも何れか一方がメッシュ状の編地1,2とされ、そのメッシュ状の編地1の編目の少なくとも30%から連結糸31が他方の編地2に向けて延びているものであり、少なくとも1つの立体編地3は、表裏2層の編地1,2を連結する連結糸31の半数以上が一定方向に湾曲している方向性を備えた立体編地3であり、当該立体編地3が複数枚積層されてなることを特徴とする体圧分散効果を有する積層された立体編地を提供することにより、上記の課題を解決する。
【0006】
本願の第2の発明は、上記の第1の発明に係る体圧分散効果を有する積層された立体編地において、異なる方向性を備えた立体編地3が複数組み合わされて積層されていることを特徴とするものを提供する。
【0007】
本願の第3の発明は、上記の第1又は第2の発明に係る体圧分散効果を有する積層された立体編地において、上記の立体編地3が、太い連結糸を用いた太連結立体編地3aと、細い連結糸を用いた細連結立体編地3bとの少なくとも2種類から構成され、太連結立体編地3aが細連結立体編地3bよりも内面側に配位されたことを特徴とするものを提供する。
【0008】
本願の第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明に係る体圧分散効果を有する積層された立体編地により構成されたクッション本体4を備えたことを特徴とする褥瘡防止用クッションを提供する。
【0009】
本願発明において、「メッシュ状編地」とは、メッシュ編地、マーキゼット編地等の複数の開口部を有する編地を意味するものである。より具体的には、図1や図2に例示したように、複数の開口部を有する編地1,2を表裏何れか少なくとも一方の面に備えた立体編地3を用いることによって、立体編地3内に空間を確保して、その空間を介して立体編地3に通気性を付与するものである。特に、表裏両方の面に、メッシュ状編地を用いることによって、通気性はさらに向上するものである。表裏の編地1,2は、同一の組織の編地としてもよいが、異なる組織を有するメッシュ状編地で形成してもよい。
【0010】
連結糸31は、メッシュ状の編地1の編目の少なくとも30%から他方の編地2に向けて延びていものである。この連結糸31は、表裏の編地1,2の間に介在することによって、編地1,2間に間隔を形成すると共に、この連結糸31が弾性を持って変形することによって、編地1,2間の間隔を小さくして収縮するものである。ここで言う弾性とは、人の荷重によって変形することができ、荷重がなくなると元の形状に復帰することができる程度の弾性を言う。そして、適度の弾性を保つために、連結糸31は、メッシュ状の編地1,2の編目の30%以上必要とする。連結糸31の本数が編地1,2の編目の数の個数の30%に満たない場合には、充分な伸縮弾性が維持されないおそれがある。比較的固いクッションを得るには、より多くの連結糸31を必要とするため、各編目から少なくとも1本の連結糸31を出すようにし、連結糸31の本数が編目の本数と等しいか、それより多い本数とすることも望ましい。このように、比較的密に連結糸31を配位する場合には、モノフィラメントを連結糸31として採用することが望ましい。連結糸31は、表裏2層の編地1,2中に、ループ状の編目を形成してもよく、或いは、表裏2層の編目にタック組織で引っ掛けられたものであってもよい。
【0011】
連結糸31は、表裏の編地1,2間を実質的に垂直に延びて、表裏の編地1,2を連結する。即ち、図3(A)に示すように、表の編地1,2から連結糸31が出る点と、裏の編地1,2から連結糸31が出る点とを結ぶ線分(仮想線x1)が、編地1,2平面と実質的に直交するものとなっている。但し、編地1,2間隔を保持することができる限り、連結糸31を傾斜して配位してもよい。即ち、図3(B)に示すように、表の編地1,2から連結糸31が出る点と、裏の編地1,2から連結糸31が出る点とを結ぶ線分(仮想線x2)が、編地1,2平面に対して傾斜しているものでもよい。また、図3(A)や図3(B)に示すように、表の編地1,2から連結糸31が出る点と、裏の編地1,2から連結糸31が出る点とを結ぶ各線分(仮想線x1,x1)(仮想線x2,x2)が、互いに平行であってもよいが、各線分が平行ではなくともよく、さらには、図3(C)に示すように、X状に交差しているものであってもよい。
【0012】
連結糸31が延びる形状は、図3(A)や図3(B)に示すように、弓状に湾曲しているものであってもよく、或いは、図示はしないが、直線状であってもよい。また、図3(C)に示すように、不定形状であってもよい。さらに、直線状の連結糸31と、弓状に湾曲した連結糸31と、不定形に湾曲した連結糸31との少なくとも2種類を組み合わせるようにしてもよい。弓状に湾曲させる場合、表裏2層の編地1,2を連結する複数の連結糸31の半数以上が実質的に一定方向に湾曲させることが望ましい。例えば、図3(A)の例では、連結糸31は、表裏の編地1,2間を実質的に垂直に延びており、各連結糸31が同じ方向に揃って弓状に湾曲しているため、上下方向(表裏の方向)に力fが加わった場合、連結糸31が弓状に湾曲の度合いを高めるように揃って湾曲し、表裏の編地1,2間がスムーズに収縮する。図3(B)の例では、連結糸31が傾斜して配位されており、且つ、各連結糸31が同じ方向に揃って弓状に湾曲しているため、上下方向(表裏の方向)に力fが加わった場合、連結糸31が傾斜している方向に傾斜角度を強めるようになると共に、連結糸31が弓状に湾曲の度合いを高めるように揃って湾曲し、表裏の編地1,2間がよりスムーズに収縮する。各立体編地3における連結糸31は、全てを一定方向に揃って弓状に湾曲させてもよいが、少なくとも50%の連結糸31を一定方向に揃って弓状に湾曲させることによって、表裏の編地1,2間がスムーズに収縮する。このように、少なくとも50%の連結糸31を一定方向に揃って弓状に湾曲させることによって、収縮する際には、表又は裏の編地1,2が一定方向にスライドするようにして収縮する。このように、方向性を持って収縮することによって、編地1,2に無理な力が加わらず、スムーズに収縮することができる。
【0013】
連結糸31の太さは、適度な弾性や反発性を得るために、単糸デニールが15〜2000デニールのものが好ましく、50〜300デニールのものがより好ましい。この立体編地3は、2列針床を有する編地1,2(経編地或いは緯編地)であって、例えば、ダブルラッセル機やダブル丸編機によって製造することができる。使用する繊維の素材は、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトル等の合成繊維や再生繊維、さらにはウール、木綿等の天然繊維等、いずれであってもよく特に限定はされない。立体編地3をこのようにして構成するすることにより、厚さが好ましくは2〜35mm、目付が好ましくは50g/m2〜2.5kg/m2である立体編地3が得られる。
【0014】
上記のような立体編地3を適当な形状に裁断して、複数枚重ね合わせることによって、本願発明のクッション本体4が構成される。重ね合わせた立体編地3は、互いに縫製や接着や熱溶着等で一体化してもよいが、接合しなくとも、図4に示すように、クッション本体4を袋状のカバー5内に収納して一つのクッションを構成することによって、重ね合わせ状態を維持できればよい。カバーの材質としては、メッシュ状の編地1,2や薄手のニットや木綿織布等の通気性の高いものを採用することが望ましい。重ね合わせる枚数は、必要とされるクッション本体4の厚みと使用する立体編地3の厚みとの関係で適宜変更でき、例えば、少ない場合には、上記の35mm厚の立体編地3を2枚重ねて70mm厚のクッション本体4を構成してもよい。多い場合には、2mmの立体編地3を100枚重ねて200mm厚のクッション本体4を構成してもよい。
【0015】
重ね合わせる立体編地3の種類は、単一のものであってもよいが、複数種類のものを組み合わせて用いることにより、クッションの弾性や伸縮性を調整できる。また、図3(A)や図3(B)に示すような、弓状に湾曲した連結糸31を用いて、収縮の際に方向性を生じるようにしたものを複数枚重ねる際、その方向を各立体編地3間において異にするようにしておくことも望ましい。即ち、異なる方向性を備えた立体編地3が複数組み合わされて積層することによって、各立体編地3は方向性を持ってスムーズに収縮するが、クッション全体では方向性を低減したものとすることができる。尚、全ての立体編地3の方向性を異ならしめる必要はなく、一部の立体編地3の方向性を異ならしめることによって、クッション全体の方向性を低減させることができる。勿論、方向性の無いものと有るものとを組み合わせてもよい。各編地については、抗菌加工や防臭加工等の品質を高める加工を施しておいてもよい。その場合には、クッションの表面に位置する編地のみに各種の加工を施してもよく、全体にこれらの加工を施しておいてもよい。また、これらの加工は、編地完成後に行ってもよいが、糸の段階で行っておいてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示すが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。図5に示すクッションは、表面シート51と、裏面シート52との間にマチ部53を縫着して袋状にしたカバー5内に、立体編地を複数枚重ね合わせたクッション本体4を、封入したものである。表面シートと、裏面シートとは、夫々、メッシュ編地1,2によって構成され、マチ部は木綿織布によって構成されている。このクッション本体4を構成する複数の立体編地は、太い連結糸を用いた太連結立体編地3aと、細い連結糸を用いた細連結立体編地3bとの少なくとも2種類から構成されている。そして、太連結立体編地3aの表面側と裏面側に、夫々、細連結立体編地3bを配位している。このように、太連結立体編地3aを細連結立体編地3bの内側に配位したものである。これによって、表面側の細連結立体編地3bが比較的容易に収縮して、肌当たりを良好なものとすることができると共に、太連結立体編地3aが比較的容易に収縮せず、強い弾性を維持することによって、クッションに腰を与え、身体と長時間同じ接触状態を維持しても、そのクッションの弾性を失わないようにすることができたものである。
【0017】
次に、図6に他の実施の形態に係るクッションを示す。このクッションも、表面シート51と、裏面シート52との間にマチ部53を縫着して袋状にしたカバー5内に、立体編地3を複数枚重ね合わせたクッション本体4を、封入したものである。表面シートと、裏面シートとは、夫々、メッシュ編地1,2によって構成され、マチ部は木綿織布によって構成されている。このクッション本体4を構成する複数の立体編地3は、同種の立体編地3を複数枚重ね合わせたものである。各立体編地3の連結糸31の形状については、図3(B)に示すように、連結糸31が傾斜して配位されており、且つ、各連結糸31が同じ方向に揃って弓状に湾曲しているものを用い、収縮の際の方向性を、90度ずつ異なるようにして、各立体編地3を重ね合わせた。尚、先の実施の形態においても、図3(A)や図3(B)に示すように、各連結糸31が同じ方向に揃って弓状に湾曲しているものを用い、収縮の際の方向性を、90度ずつ異なるようにして、各立体編地3を重ね合わせることができる。また、表面シート51と、裏面シート52と、マチ部53に、抗菌加工を施しておいてもよく、また、表面シート51と、裏面シート52とにこれらの加工を施しておいてもよい。
【0018】
【実施例】
次に、本願発明の理解をさらに高めるために、その実施例を示すが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0019】
実施例1実施例1のクッションは、図1に示す立体編地3を基本形態としており、連結糸31が、一方のメッシュ状の編地1の全編目から他方のメッシュ状の編地2の全編目に向けて延びている。この際、連結糸31は、両メッシュ状の編地1,2の編目と同様の編目を形成して、表裏2層の編地を連結している。クッションの全体形状は、図5に示すクッションと同様とし、は、メッシュ編地の表面シート51と、メッシュ編地の裏面シート52との間にマチ部53を縫着して袋状にしたカバー5内に、立体編地を複数枚重ね合わせたクッション本体4を、封入したものである。立体編地は、表面側(図の上面側)から、細い連結糸を用いた細連結立体編地3bを2枚、太い連結糸を用いた太連結立体編地3aを4枚と、細い連結糸を用いた細連結立体編地3bを2枚の、合計6枚の立体編地を組み合わせた。
【0020】
太連結立体編地3aは、18ゲージの2列の針列を持ったダブルラッシェル機を用い、表裏2層の編地を形成する繊維糸条には300デニール48フィラメントのポリエステル繊維を使用し、また、連結糸には180デニールのポリアミドモノフィラメントを使用して、厚さ5mmの立体編地を製造した。細連結立体編地3bは、18ゲージの2列の針列を持ったダブルラッシェル機を用い、表裏2層の編地を形成する繊維糸条には300デニール48フィラメントのポリエステル繊維を使用し、また、連結糸には180デニールのポリアミドモノフィラメントを使用して、厚さ5mmの立体編地を製造した。連結糸31は、図3(A)に示すように、表裏の編地1,2間を実質的に垂直に延びており、各連結糸31が同じ方向に揃って弓状に湾曲している。そして、方向性を各立体編地間で、90度ずつ異なるように、配位した。この実施例では、太連結立体編地3aはフラジール法通気度が400cc/cm2 /s以上であり、細連結立体編地3bの場合もフラジール法通気度が400cc/cm2 /s以上であり、通気性が極めて良好であった。また、使用感は、表面が柔らかく全体が体にフィットする感じがあり、しかも腰があるため、収縮し過ぎずに、程度の弾性と形態を維持した。
【0021】
実施例2実施例2のクッションは、全体を図6に示すクッションと同様に構成すると共に、図2に示す立体編地3を基本形態としており、連結糸31が、メッシュ状の編地1の編目から他方の編地2の編目に向けて延びている。この際、連結糸31は、表裏の編地1,2の編目と同様のループ編目を形成して、表裏2層の編地を連結している。表のメッシュ編地1は鎖編糸15aと挿入糸16bとによって構成され、裏の編地2は鎖編糸16aと挿入糸16bとによって構成されている。この実施例では、18ゲージの2列の針列を持ったダブルラッシェル機を用い、表の鎖編糸15a及び挿入糸15bに150デニール48フィラメントのポリエステル繊維を、裏の鎖編糸12a及び挿入糸11bに150デニール48フィラメントポリエステルを、さらに連結糸には180デニールのポリアミドモノフィラメントを使用して、厚さ5mmの立体編地を得た。各立体編地3は、図3(A)に示すように、表裏の編地1,2間を実質的に傾斜して延びており、各連結糸31が同じ方向に揃って弓状に湾曲している。そして、方向性を各立体編地間で、90度ずつ異なるように、配位した。この実施例でも、通気性が良好で、また、使用感は、全体に柔らかく体にフィットする感じがあるものが得られた。上記の何れの実施例の場合にも、収縮時に層が一定方向にずれると言ったような感じは受けなかった。
【0022】
実施例1,2は、上記の通りフラジール法通気度が400cc/cm2 /s以上で、通気性が極めて高いことは上記の通りであるが、さらに、上記の実施例1,2の洗濯後の乾燥の速さと、体圧分散性能を確認するため、保水率と、圧迫圧及び圧迫面積の試験を行ったので、その結果を下記に示す。
【0023】
まず、保水率の試験は、実施例と比較例1としての市販の綿シーツとを、各々充分水に浸し、これを5分間脱水機で脱水した後、各々の保水率の変化を測定したものであり、その結果を図7に示す。尚、実施例1と2は、差異が殆どないため、実施例としてグラフに示した。ここで、保水率(%)とは、含水重量と乾燥重量との差を、乾燥重量で割った値に100を乗じたものである。このグラフから明らかなように、実施例では、脱水完了時点で5%の含水率を示し、同時点で比較例の綿シーツに比べ10分の1の保水率であり、さらに乾燥時間も比較例の約2分の1であった。従って、洗濯機で丸洗いが可能で、速乾性に優れていることが明らかになった。このように、素早く洗濯乾燥することができるため、常に綺麗に洗濯された褥瘡防止用クッションとして使用できるものである。
【0024】
次に、体圧分散性能は、褥瘡防止に関して大きな関係を持つ性能である。図8のグラフは、臀部に実施例1の褥瘡防止用クッションを当て測定した結果と、比較例2として市販のベッドパッドを当てて測定した結果を示すもので、(A)は最大圧迫圧を、(B)は平均圧迫圧を、(C)は圧迫全面積の測定結果を示す。測定は、20名について行い、各測定項目について最大値を右端に、最小値を左端に、平均値を中央の黒丸にて示した。また、図9のグラフは、頭部に実施例1と実施例2の褥瘡防止用クッションを当て測定した結果と、比較例2として市販のベッドパッドを当てて測定した結果を示すもので、(A)は最大圧迫圧を、(B)は平均圧迫圧を、(C)は圧迫全面積の測定結果を示す。測定は、20名について行い、各測定項目について最大値を右端に、最小値を左端に、平均値を中央の黒丸にて示した。これらのグラフから明らかなように、各実施例の褥瘡防止用クッションは、比較例2に比して、最大圧迫圧及び平均圧迫圧共に低く、圧迫全面積は広いものとなっている。従って、実施例の褥瘡防止用クッションは、しかも、一点に大きな圧力が加わることを防止して、広い面積で体重を支えることができ、局部的な圧力集中を防止することによって、褥瘡防止を防止することができるものである。尚、各実施例の褥瘡防止用クッションを病院、老人ホームにてモニター試験したところ、通気性が良く蒸れにくく、褥瘡予防の効果があり、耐久性も良好であるとの結果を得た。
【0025】
【発明の効果】
以上、本願の第1の発明は、適度な体圧分散効果を有すると共に、高い通気性によって、使用者に不快感を与えずに、有効に褥瘡を防止することができるようにし、しかも、伸縮の方向性を持つことによって、比較的しなやかに伸縮して良好な体圧分散効果を上げることのできる体圧分散効果を有する積層された立体編地を提供することができたものである。本願の第2の発明は、上記の第1の効果に加えて、全体としては伸縮の方向性が強く現れない体圧分散効果を有する積層された立体編地を提供することができたものである。本願の第3の発明は、上記の効果に加えて、使用者への肌当たり良好性と、比較的長時間、接触部分が変化しない場合でも、体圧分散性が大きく低下しない体圧分散効果を有する積層された立体編地を提供することができたものであり、本願の第4の発明は、これらの効果を発揮する褥瘡防止用クッションを提供し得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の褥瘡防止用クッションに用いる立体編地の模式図である。
【図2】本願発明の褥瘡防止用クッションに用いる他の立体編地の模式図である。
【図3】(A)は本願発明の褥瘡防止用クッションに用いる立体編地の断面を示す説明図であり、(B)は本願発明の褥瘡防止用クッションに用いる他の立体編地の断面を示す説明図であり、(C)は本願発明の褥瘡防止用クッションに用いるさらに他の立体編地の断面を示す説明図である。
【図4】本願発明の褥瘡防止用クッションの斜視図である。
【図5】本願発明の一の実施の形態に係る褥瘡防止用クッションの一部切欠斜視図である。
【図6】本願発明の他の実施の形態に係る褥瘡防止用クッションの一部切欠斜視図である。
【図7】保水率の測定結果を示すグラフである。
【図8】臀部における体圧分散性能を示すグラフであり、(A)は最大圧迫圧の測定結果を示すグラフ、(B)は平均圧迫圧の測定結果を示すグラフ、(C)は圧迫全面積の測定結果を示すグラフである。
【図9】頭部における体圧分散性能を示すグラフであり、(A)は最大圧迫圧の測定結果を示すグラフ、(B)は平均圧迫圧の測定結果を示すグラフ、(C)は圧迫全面積の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 表の編地
2 裏の編地
3 立体編地
3a 太連結立体編地
3b 細連結立体編地
4 クッション本体
31 連結糸

Claims (4)

  1. 表裏2層の編地(1,2)と、この2層の編地(1,2)を連結する複数の連結糸(31)より構成された立体編地(3)が複数枚積層されてなる積層された立体編地において、
    積層される各立体編地(3)の表裏少なくとも何れか一方がメッシュ状の編地(1,2)とされ、そのメッシュ状の編地1の編目の少なくとも30%から連結糸(31)が他方の編地(2)に向けて延びているものであり、
    少なくとも1つの立体編地(3)は、表裏2層の編地(1,2)を連結する連結糸(31)の半数以上が一定方向に湾曲している方向性を備えた立体編地(3)であり、
    当該立体編地(3)が複数枚積層されてなることを特徴とする体圧分散効果を有する積層された立体編地。
  2. 異なる方向性を備えた立体編地(3)が複数組み合わされて積層されていることを特徴とする請求項1記載の体圧分散効果を有する積層された立体編地。
  3. 上記の立体編地(3)が、太い連結糸を用いた太連結立体編地(3a)と、細い連結糸を用いた細連結立体編地(3b)との少なくとも2種類から構成され、太連結立体編地(3a)が細連結立体編地(3b)よりも内面側に配位されたことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の体圧分散効果を有する積層された立体編地。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載された体圧分散効果を有する積層された立体編地により構成されたクッション本体(4)を備えたことを特徴とする褥瘡防止用クッション。
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