JP3646929B2 - 分塊圧延用鋳片及び分塊圧延方法 - Google Patents

分塊圧延用鋳片及び分塊圧延方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、継目無鋼管素材、棒鋼素材又は線材素材等として、普通鋼、含Cr鋼又は高Cr鋼等からなる鋼材(分塊圧延ビレット)を製造するに際して、分塊圧延疵が少なくなる鋳片及び該鋳片を用いた分塊圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分塊圧延に供する鋳片の縦横比に関しては、例えば、特開平5−7990号公報や特開平7−136702号公報において、製管時に発生する内面疵防止の為の縦横比が記載されている。また、特開平10−305301号公報には、ビレットの内質改善のため、縦横比及び鋳片からビレットまでの延伸比が記載されている。
【0003】
ここで、斯かる分塊圧延やビレット圧延における従来の検討は、いずれも連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブ等の鋳片が健全な矩形であることを前提としているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実操業における連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブは、鋳造時の冷却過程における凝固収縮に伴い、長辺中央部にくぼみがあるのが通常である。ここで、長辺中央部にくぼみがある場合、分塊圧延の際にドッグボーン形状となりやすく、それがビレットにまで残存し、所謂しわ疵が発生しやすいことが知られている。前述したように、従来は、連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブ等の鋳片が健全な矩形であることを前提として種々検討されているに過ぎず、実際の連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブの長片中央部にくぼみがある場合のしわ疵防止を目的とした鋳片形状及び分塊圧延方法の検討乃至開発はなされていなかった。
【0005】
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、分塊圧延時に生じるしわ疵を低減し得る鋳片及び当該鋳片を用いた分塊圧延方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明を案出するに至ったものである。すなわち、本発明は、鋳型縦横比及び分塊圧下比をパラメータとする所定の数式で規定されている長辺くぼみ比を有することを特徴とする分塊圧延用鋳片を提供するものである。
【0007】
ここで、長辺くぼみ比は鋳片の長辺のくぼみ量の2倍を短辺長さで除した値を、鋳型縦横比は鋳型長辺長さ/鋳型短辺長さを、分塊圧下比は分塊圧延前の鋳片の断面積/分塊圧延完了後の鋼片の断面積をそれぞれ意味する。
【0008】
前記長辺くぼみ比は、以下の式を満足するように構成される。
A≦−0.123×B+0.062×C+0.0422・・(1)
ここで、Aは長辺くぼみ比(但し、A=0を除く)を、Bは鋳型縦横比を、Cは分塊圧下比をそれぞれ意味する。
【0009】
また、本発明は、分塊圧延時に生じるしわ疵を更に低減するべく、前記鋳片を分塊圧延するに際し平均S×q及び長辺くぼみ比をパラメータとする所定の数式で規定される短辺圧下比に基づいて少なくとも1回鋳片の短辺圧下を実施することを特徴とする分塊圧延方法を提供するものである。
【0010】
ここで、前記平均S×qは、対象とする短辺圧下までになされた長辺圧下におけるS×qの平均値を意味する。ここで、S=2×Ld/(H0+2B0)、q=FH/F0であり、Ldは投影接触長さ(mm)、H0は圧下前の鋳片厚(mm)、B0は圧下前の鋳片幅(mm)、FHは排除面積(mm2)、F0は圧下前の鋳片断面積(mm2)をそれぞれ意味する。なお、本発明における短辺圧下は、数パスに分けて実施しても良い。
【0011】
前記短辺圧下比は、以下の式を満足するように構成される。
短辺圧下比≧−(平均S×q)+1.92×A+0.1・・(2)
ここで、Aは長辺くぼみ比(但し、A=0を除く)を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0013】
本発明者らは、本発明を案出するに際し、まず、分塊圧延時のしわ疵発生に及ぼす鋳片(連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブ)の形状の影響を検討した。ここで、図1に示すように、実際の連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブは、完全な矩形ではなく、長辺中央部に少なからずくぼみを伴うのが通常である。一方、鋳型縦横比の大きいブルーム又はスラブを分塊圧延すると、圧下浸透が不十分で長辺中央部よりもその外方の幅広がりが大きく、ドッグボーン形状(ダブルバレリング)となる。ここで、図2に示すように、前述した長辺中央部のくぼみが深い場合には、ドックボーン形状が顕著になり、長辺中央部のくぼみが起因となって、分塊圧延した後にビレットにしわ疵として残存することになる。そこで、分塊圧延時に発生するしわ疵を問題とならないレベル(例えば、しわ疵の深さが1mm以下)に抑制し得るための限界くぼみ深さ(限界長辺くぼみ比)を検討した。
【0014】
具体的には、前述した限界長辺くぼみ比を明らかにするべく、鋳片形状、すなわち、長辺長さ、短辺長さ及び長辺と短辺の比(実際には、鋳型の縦長、横長及び縦横比で代用)、分塊圧延後のビレット径、分塊圧下比(=鋳片の断面積/分塊圧延ビレットの断面積)等が限界長辺くぼみ比に及ぼす影響を検討した。
【0015】
図3は、鋳型縦横比が限界長辺くぼみ比に及ぼす影響を示すグラフであり、図3の(a)は分塊圧下比が5.9、(b)は分塊圧下比が4.2の場合をそれぞれ示すものである。図3に示すように、鋳型縦横比(=鋳型偏平比)が大きいほど、限界長辺くぼみ比(しわ疵の深さが1mm以下となる長辺くぼみ比の境界値)が小さくなることが分かった。換言すれば、同程度の長辺くぼみ比であっても、鋳型縦横比が大きくなるほど、分塊圧延の際に問題となるしわ疵が発生しやすいと言える。
【0016】
ここで、同程度の長辺くぼみ比であっても、鋳型縦横比が大きいほど、分塊圧延時のしわ疵発生が顕著である理由は、鋳型縦横比が大きいほど、分塊圧延の際の長辺圧下時に圧下浸透が悪く、長辺中央部とその外方の幅広がりの差異が大きくなり、ドッグボーン形状になり易いためであると考えられる。
【0017】
図4は、分塊圧下比が限界長辺くぼみ比に及ぼす影響を示すグラフであり、図4の(a)は鋳型縦横比が1.3、(b)は鋳型縦横比が2.1、(c)は鋳型縦横比が2.4、(d)は鋳型縦横比が2.8の場合をそれぞれ示すものである。図4に示すように、分塊圧下比(=鋳片の断面積/分塊圧延ビレットの断面積)が小さくなるほど、限界長辺くぼみ比が小さくなることが分かった。換言すれば、同程度の長辺くぼみ比であっても、分塊圧下比が小さいほど、分塊圧延の際に問題となるしわ疵が発生し易い傾向であると言える。
【0018】
ここで、同程度の長辺くぼみ比であっても、分塊圧下比が小さいほど、分塊圧延時のしわ疵発生が顕著である理由は、図5に示すように、くぼみが同程度である場合、短辺圧下時に十分な圧下量(又は分塊圧下比)があれば、圧下後にドッグボーン形状は解消され、しわ疵の原因となる長辺くぼみが無くなるためであると考えられる。
【0019】
以上に説明したように、本発明者らは、分塊圧延の際に問題となるしわ疵が発生する限界となる長辺くぼみ比は、鋳型縦横比及び分塊圧下比が大きな因子であることを見出し、斯かる両因子に基づいて規定した長辺くぼみ比を有する鋳片であればしわ疵を抑制し得ることに想到した。さらに、これら2つの因子を分離して評価するべく、限界長辺くぼみ比を鋳型縦横比及び分塊圧下比で多重回帰し、分塊圧延時のしわ疵発生を抑制するための鋳片形状を定量化した。その結果、鋳片(連続鋳造ブルーム又は連続鋳造スラブ)の長辺くぼみ比A、鋳型縦横比B、及び分塊圧下比Cが、下記(1)式を満足する場合に、分塊圧延時のしわ疵発生を抑制可能であることを見出した。
A≦−0.123×B+0.062×C+0.0422・・(1)
【0020】
なお、(1)式において、前述のように、鋳型縦横比Bが大きい程しわ疵が発生し易い(限界長辺くぼみ比は小さくなる)ことから、鋳型縦横比Bの係数の符号は負となり、分塊圧下比Cの値が大きい程しわ疵発生を抑制し得る(限界長辺くぼみ比は大きくなる)ことから、分塊圧下比Cの係数の符号は正となる。
【0021】
図6に、600mm厚×280mm幅の垂直CC(垂直連続鋳造機)で鋳造されたブルームにおける長辺中央部の幅とエッジ部の幅の測定結果を示す。図6に示すように、他の品質要求項目が許す限りにおいて、適切な鋳込速度Vcを選定することにより、長辺中央部の幅とエッジ部の幅との差を制御可能、つまり長辺くぼみ比を制御可能である。従って、前記(1)式を満足するような長辺くぼみ比を有する鋳片を鋳込速度Vcを制御することにより製造可能であると言える。
【0022】
次に、本発明者らは、分塊圧延時に生じるしわ疵を更に低減するべく、前記(1)式を満足する長辺くぼみ比を有する鋳片を分塊圧延するに際し、好適な分塊圧延方法を検討した。以下、これについて説明する。
【0023】
一般に、S×qは、孔型圧延における幅広がりとの相関があることが良く知られている(例えば、塑性加工技術シリーズ8「棒線・形・管圧延」第45頁)。ここで、S=2×Ld/(H0+2B0)、q=FH/F0であり、Ldは投影接触長さ(mm)、H0は圧下前の鋳片厚(mm)、B0は圧下前の鋳片幅(mm)、FHは排除面積(mm2)、F0は圧下前の鋳片断面積(mm2)をそれぞれ意味する。
【0024】
本発明者らは、斯かるS×qと幅広がりとの関係を実際に試験して確認した。図7は、2重逆転式分塊圧延機を使用し、ボックス孔型にて種々のサイズ・圧下量で鋳片の長辺圧下を実施した結果を示す。図7に示すように、パラメータであるS×qが大きくなる程、鋳片の長辺中央部・エッジ部共に幅広がりを増し、幅広がり係数β−1は大きくなる。しかし、S×qが大きくなるにつれ、圧下浸透が増し、中央部及びエッジ部の幅広がりの差が小さくなる(β−1の差が小さくなり)ため、長辺のくぼみは小さくなることが分かった。従って、長辺圧下時のS×qを大きく設定する方が、鋳片のドッグボーン形状が抑制され、しわ疵抑制に効果的であると言える。
【0025】
次に、本発明者らは、長辺くぼみに対する短辺圧下の影響を試験した。図8は、斯かる試験結果を示す。図8に示すように、圧下後の長辺くぼみを低減乃至除去するためには、圧下前の長辺くぼみ量が大きい程(図8の例では圧下前のくぼみ量18mmの方)、大きな短辺圧下量が必要であることが分かる。なお、短辺圧下後に長辺くぼみが残存すると、分塊圧延後にもドッグボーン形状が残存し、しわ疵発生の原因となる。
【0026】
以上の知見に基づき、本発明者らは、600mm厚×280mm幅、及び660mm厚×280mm幅の鋳片を、2重逆転式分塊圧延機を使用し、種々のパススケジュール下で分塊圧延を行った後、分塊圧延機又は連続式鋼片圧延機を使用して鋼片(ビレット)に圧延する試験を行い、短辺圧下比と、長辺くぼみ比及び前記短辺圧下を行ったパス以前における長辺圧下の際の平均S×q(S×qの平均値)との関係を検討した。
【0027】
表1は、上記試験における圧延パススケジュールの例を示す。
【表1】
Figure 0003646929
一般に、分塊パススケジュールは、鋳片の長辺圧下と短辺圧下の繰り返しで構成されておリ、長辺圧下時に長辺中央部よりもその外方の方が幅広がりが大きいため、得られる鋼片はドッグボーン形状となる。斯かる長辺圧下時の長辺中央部幅広がりを平均S×qで代表し、以後のパスの短辺圧下比との関係、並びに、鋳片の長辺くぼみ比と前記短辺圧下比との関係を、鋼片圧延後に発生したしわ疵の深さで整理しながら調査・検討した。なお、表1に示す圧延パススケジュール例では、例えば、パス例▲1▼のNo1ミル9パス目の短辺圧下比と、それ以前の長辺圧下の平均S×qとの関係を検討した。また、パス例▲2▼では、6パス目の短辺圧下比とそれ以前の長辺圧下の平均S×qとの関係を検討した。なお、パス例▲3▼の7、8パス目のように、対象とする短辺圧下を2パスに分割しても良い。
【0028】
図9は、所定の長辺くぼみ比を有する複数の鋳片について、表1に示した圧延パススケジュールで分塊圧延を実施した場合の、短辺圧下比とそれ以前の長辺圧下時の平均S×qとの関係を示すグラフである。ここで、図9(a)は長辺くぼみ比が0.04、(b)は長辺くぼみ比が0.09の場合をそれぞれ示すものである。図9に示すように、長辺圧下時の平均S×qが大きくなるほど、圧下浸透が増し、長辺中央部の幅広がりが大きくなって、その外方における幅広がりとの差が小さくなる。これにより、ドッグボーン形状が緩和され、短辺圧下比が小さくても問題となるしわ疵の発生は少なくなることが分かった。
【0029】
また、図10は、表1に示した圧延パススケジュールで分塊圧延を実施した場合の、短辺圧下比と長辺くぼみ比との関係を示すグラフである。ここで、図10(a)は平均S×qが0.10の場合、(b)は平均S×qが0.08の場合をそれぞれ示すものである。図10に示すように、長辺圧下時の平均S×qが一定である場合、鋳片の長辺くぼみ比が大きい程、短辺圧下比を大きくする必要があることが分かった。
【0030】
以上に説明したように、本発明者らは、鋳片を分塊圧延するに際し、鋳片の短辺圧下を、平均S×q及び長辺くぼみ比をパラメータとする数式で規定される短辺圧下比に基づいて実施すれば、しわ疵を抑制し得ることに想到した。さらに、斯かる平均S×q、長辺くぼみ比及び短辺圧下比の関係を分離し定量化するべく、多重回帰を実施し、下記(2)式を満足するパススケジュールで圧延すれば、しわ疵を抑制可能であることを見出した。
短辺圧下比≧−(平均S×q)+1.92×A+0.1・・(2)
ここで、Aは長辺くぼみ比を意味する。
但し、斯かる短辺圧下は、数パスに分けても良い。
【0031】
なお、(2)式において、前述のように、平均S×qを大きくした場合、長辺中央部の幅広がりが期待できることから、短辺圧下比が小さくてもしわ疵を軽減することが可能であるため、平均S×qの係数の符号は負となる。また、長辺くぼみ比が大きい場合、長辺くぼみを除去するべく、より大きな短辺圧下が必要となるため、長辺くぼみ比の係数の符号は正となる。
【0032】
以上に説明した、本実施形態に係る鋳片及び該鋳片を用いた分塊圧延方法は、普通鋼、含Cr鋼又は高Cr鋼等からなる鋼材(分塊圧延ビレット)を製造するに際して利用可能である。
【0033】
ここで、高Cr鋼としては、例えば、JIS規格のSTFA25、STPA27、SUS405TP、SUS410TB、SUS430TB、SUS420J1、SUS420J2、SUS444TB、SUS304(L)、SUS316(L)、SUS347、SUS329J2(L)、SUS310、また、ASTM規格のA789、A790、B622、B677、B464、B163、B622、A249、B444、B622、さらにはインコネル及びこれらに相当する合金鋼が該当する。
【0034】
また、普通鋼としては、例えば、JIS規格のSTKM11A、STKM13A、STKM17A、若しくは、ASTM規格のA106−Bが該当する。
【0035】
さらに、含Cr鋼(Cr=0.1〜9.0(%))としては、例えば、JIS規格のSCM435、SCM420TK、若しくは、ASTM規格のSTPA21、A335−P1、A335−P5、A335−P9が該当する。
【0036】
【実施例】
前記(1)式を満足する長辺くぼみ比を有する鋳片を使用して分塊圧延を行った。表2は、斯かる分塊圧延により得られた鋼片(ビレット)のしわ疵を観察した結果を示す(比較例は(1)式を満足しない鋳片を使用した場合の結果を示す)。
【表2】
Figure 0003646929
表2に示すように、(1)式を満足する鋳片は、分塊圧延後のビレットにおけるしわ疵が全て深さ1mm以内であり、良好な鋼片が得られた。
【0037】
また、前記(1)式を満足する鋳片を使用して、(2)式を満足するパススケジュールで分塊圧延を行った。表3は、斯かる分塊圧延により得られた鋼片(ビレット)のしわ疵を観察した結果を示す(表3における比較例は(1)式又は(2)式の何れか一方を満足しない場合の結果を示す)。
【表3】
Figure 0003646929
表3に示すように、(1)式及び(2)式を満足する場合、分塊圧延後のビレットにおけるしわ疵は全て深さ0.5mm以内であり、より一層良好な鋼片が得られた。図11は、以上に述べた実施例を整理したものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、継目無鋼管素材、棒鋼素材又は線材素材等として、分塊圧延疵の少ない普通鋼、含Cr鋼又は高Cr鋼等からなる鋼材(分塊圧延ビレット)を製造することができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実際の鋳片の形状を示す概略構成図である。
【図2】 図2は、しわ疵の発生原因を示す説明図である。
【図3】 図3は、鋳型縦横比が限界長辺くぼみ比に及ぼす影響を示すグラフであり、(a)は分塊圧下比が5.9、(b)は分塊圧下比が4.2の場合をそれぞれ示すものである。
【図4】 図4は、分塊圧下比が限界長辺くぼみ比に及ぼす影響を示すグラフであり、(a)は鋳型縦横比が1.3、(b)は鋳型縦横比が2.1、(c)は鋳型縦横比が2.4、(d)は鋳型縦横比が2.8の場合をそれぞれ示す。
【図5】 図5は、短辺圧下量と残存する長辺くぼみとの関係を示す説明図であり、(a)は短辺圧下量不足の場合、(b)は短辺圧下量が十分な場合をそれぞれ示す。
【図6】 図6は、600mm厚×280mm幅の垂直CC(垂直連続鋳造機)で鋳造されたブルームにおける長辺中央部の幅とエッジ部の幅の測定結果を示す。
【図7】 図7は、2重逆転式分塊圧延機を使用し、ボックス孔型にて種々のサイズ・圧下量で鋳片の長辺圧下を実施した結果を示す。
【図8】 図8は、長辺くぼみに対する短辺圧下の影響を試験した結果を示す。
【図9】 図9は、所定の長辺くぼみ比を有する複数の鋳片について、所定の圧延パススケジュールで分塊圧延を実施した場合の、短辺圧下比とそれ以前の長辺圧下時の平均S×qとの関係を示すグラフである。
【図10】 図10は、所定の圧延パススケジュールで分塊圧延を実施した場合の、短辺圧下比と長辺くぼみ比との関係を示すグラフである。
【図11】 図11は、本発明の実施例により得られた結果を纏めた説明図である。

Claims (2)

  1. 鋳型縦横比及び分塊圧下比をパラメータとする下記の(1)式で規定されている長辺くぼみ比を有することを特徴とする分塊圧延用鋳片。
    A≦−0.123×B+0.062×C+0.0422・・(1)
    ここで、
    Aは長辺くぼみ比(但し、A=0を除く)を、Bは鋳型縦横比を、Cは分塊圧下比をそれぞれ意味する。
  2. 請求項1に記載の鋳片を分塊圧延するに際し、平均S×q及び長辺くぼみ比をパラメータとする下記の(2)式で規定される短辺圧下比に基づいて、少なくとも1回鋳片の短辺圧下を実施することを特徴とする分塊圧延方法。
    短辺圧下比≧−(平均S×q)+1.92×A+0.1・・(2)
    ここで、Aは長辺くぼみ比(但し、A=0を除く)を、平均S×qは対象とする短辺圧下までになされた長辺圧下におけるS×qの平均値を意味する。
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