JP3646654B2 - 楽音制御指示装置及び楽音制御指示方法並びに記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種効果等の楽音制御の開始又は終了を指示する楽音制御指示装置及び楽音制御指示方法並びに記憶媒体に関し、特に異なる機能での楽音制御の開始指示又は終了指示を少ない操作子で簡単に行うことができるようにした楽音制御指示装置及び楽音制御指示方法並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミキサーやサンプラーあるいは電子楽器等に組み込まれ、入力された楽音に対して、例えばエコー、リバーブ、コーラス、フランジャーなどの各種の効果(つまりエフェクト)を付与する効果付与装置(エフェクターとも呼ぶ)が知られている。効果付与装置においては、効果付与機能をオン状態にすることによって、ディストーションやフェイザーなど音を歪ませたりあるいは位相を変えたりするなどの処理を楽音などの電気信号に対して加え、楽音の持つ音響的特性を変化させる制御を加えることができるようになっている。こうした楽音に対する各種効果の付与動作の開始指示又は終了指示は、例えば操作部として用意された楽音制御指示装置によって実行されている。楽音制御指示装置において、例えば効果のオン(つまり、効果を付与する)と効果のオフ(つまり、効果を付与しない)とを切り替える方式としては、「トグル方式」と「アンラッチ方式」の2つの方式が公知である。「トグル方式」は所定のスイッチを押すたびに効果のオン/オフが交互に切り替わり、オン操作することによって開始された効果がオフ操作されるまで保持される。したがって、「トグル方式」は長い時間続けて同じ効果を付与するのに適した方式である。一方、「アンラッチ方式」は所定のスイッチを押している間だけ効果がオン(あるいは効果がオフ)になり、該所定のスイッチを押すのをやめると効果がオフ(あるいは効果がオン)になる。したがって、「アンラッチ方式」は短い時間間隔で一時的な効果を付与するのに適した方式である。従来の効果付与装置においては、こうした「トグル方式」による効果付与を行う機能を持つスイッチ又は「アンラッチ方式」による効果付与を行う機能を持つスイッチのいずれか一方のスイッチを具えた楽音制御指示装置によって、楽音制御の開始指示又は終了指示が実現されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような効果付与装置において実際に楽音に対して効果を付与する場合、継続的に効果を付与する、あるいは短い楽音区間に対してのみ部分的に効果を付与する、といったように「トグル方式」による効果付与機能と「アンラッチ方式」による効果付与機能とを適宜に使い分けることが多い。しかし、従来の楽音制御指示装置においては、「トグル方式」による効果付与を行う機能を持つスイッチを用いて「アンラッチ方式」による効果付与を行う場合には効果オフを行うためにわざわざ該スイッチを操作しなければならず操作が複雑であり操作性が悪い、という問題点があった。一方、「アンラッチ方式」による効果付与を行う機能を持つスイッチを用いて「トグル方式」による効果付与を行う場合には、効果オンの状態を継続するために該スイッチを押し続けていなければならず面倒である、という問題点があった。こうした問題点を解決するための方法としては、「トグル方式」又は「アンラッチ方式」による効果付与を行う機能を持った専用のスイッチをそれぞれ別々に設けたり、あるいは「トグル方式」又は「アンラッチ方式」専用のスイッチをそれぞれ別々に設ける代わりに、「トグル方式」と「アンラッチ方式」の機能を併せ持った特殊な構造のスイッチを設けるようにし、こうしたスイッチの操作に応じて効果のオン/オフを行うようにすることが考えられる。しかし、「トグル方式」と「アンラッチ方式」とで別々に専用スイッチを設けたり、あるいは両方式の機能を併せ持った特殊な構造の専用スイッチを設けたりすると、コストが非常に高いものとなる。また、そうした専用スイッチは、効果付与機能以外に別の機能を割り当てることのできる汎用的なスイッチとして使うことができずに不都合である、といった新たな問題点が生じていた。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、各種の制御指示を行うために共通に用いられる操作子の操作有無に応じて、所定の操作子のオン操作又はオフ操作と楽音制御の開始指示又は終了指示との対応関係を変更することにより、異なる機能での楽音制御の開始指示又は終了指示を少ない操作子で簡単に行うことができるようにした楽音制御指示装置及び楽音制御指示方法並びに記憶媒体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る楽音制御指示装置は、各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示のためにオン操作又はオフ操作される第1の操作子と、各種の制御指示を行うために共通に用いられる第2の操作子と、前記第2の操作子の操作有無に応じて、前記第1の操作子によるオン操作又はオフ操作と、楽音制御の開始指示又は終了指示との対応関係を変更する制御手段とを具える。
【0006】
本発明によると、第2の操作子の操作有無(つまりオン操作又はオフ操作)に応じて、第1の操作子による楽音制御の開始指示又は終了指示方法を異なる方法間で入れ替えることができるようになる。前記第1の操作子は、各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示のためにオン操作又はオフ操作されるものである。前記第2の操作子は、各種の制御指示を行うために共通に用いられるものである。そして、制御手段は、前記第2の操作子のオン操作又はオフ操作といった操作有無に従い、前記第1の操作子によるオン操作又はオフ操作と、楽音制御の開始指示又は終了指示との対応関係を変更する。このように、各種制御指示を行うために共通に用いられる第2の操作子を用いて、第1の操作子による楽音制御の開始指示又は終了指示の機能を変更することができることから、異なる方法での楽音制御の開始指示及び終了指示を行う専用のスイッチを各方法に応じてそれぞれ設けなくても、前記第2の操作子を操作するだけで前記第1の操作子を異なる方法を行うことのできるスイッチとして使用することができるようになる。
【0007】
本発明の好ましい実施例として、前記制御手段は、前記第2の操作子のオン操作又はオフ操作に応じて前記第1の操作子による楽音制御の指示形態を、前記第1の操作子のオン操作又はオフ操作のいずれか一方の操作のみに応じて楽音制御の開始指示又は終了指示を行う第1の指示形態と、前記第1の操作子のオン操作及びオフ操作の両操作毎に応じて楽音制御の開始指示又は終了指示を行う第2の指示形態との間で切り替えることを特徴とする。このようにすると、前記第1の操作子による楽音制御の開始指示又は終了指示方法を、継続的な楽音制御を行う方法と一時的な楽音制御を行う方法との間で入れ替えて使用することができるようになり便利である。
【0008】
本発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る楽音制御指示装置を内蔵した電子楽器のハード構成全体の一実施例を示すハード構成ブロック図である。この実施例では説明を理解しやすくするために、楽音制御指示装置(この実施例ではパネル操作子5A)からの指示に従って各種効果等を付与することのできる電子楽器を例に説明する。
この実施の形態においては、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータの制御の下に各種の処理が実行されるようになっている。この実施の形態では、1つのCPU1によって各種処理等を行う電子楽器を例に説明する。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、通信バス1D(例えば、データ及びアドレスバスなど)を介してリードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3、サンプリング回路4、検出回路5、表示回路6、音源回路7、効果回路8、外部記憶装置9、MIDIインタフェース(I/F)10および通信インタフェース(I/F)11がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割り込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。すなわち、タイマ1Aは時間間隔を計数したり、所定の演奏データに従って楽音を再生する際に用いる演奏テンポを設定したりするためのテンポクロックパルスを発生する。このテンポクロックパルスの周波数は、パネル操作子5Aの中の例えばテンポ設定スイッチ等によって調整される。このようなタイマ1AからのテンポクロックパルスはCPU1に対して処理タイミング命令として与えられたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与えられる。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。各種処理としては、例えば所定のスイッチの操作に伴って効果のオン/オフ(つまり、効果を付与する/しない)を行う「オンイベント割込処理」や「オフイベント割込処理」などの割込処理がある。こうした割込処理については、適宜の箇所で説明する。
なお、楽音制御指示装置は図1に示すようなパネル操作子5A等の専用の装置に限られず、例えばパソコンなどの汎用装置あるいはマルチメディア機器等であってもよく、本発明に従う所定のソフトウエア又はハードウエアを用いることによって効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示を行うことのできるように構成した装置であればどのようなものであってもよい。
【0011】
ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される各種プログラムや各種データ等を格納するものである。RAM3は、演奏データに従う楽音を再生する際に用いる楽音再生情報やCPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。
【0012】
サンプリング回路4は楽音信号を所定の周期(例えば、44.1kHz)でサンプリング処理するための回路であり、サンプリング処理された楽音信号はディジタルサンプル信号としてRAM3内の所定領域に記憶される。このサンプリング処理は従来の公知の方法を用いればよいことから、ここでの説明は省略することにする。
【0013】
複数のスイッチ等から構成されるパネル操作子5A(つまり楽音制御指示装置)は各種のパラメータを指定するスイッチ、あるいは楽音再生時における効果のオン/オフの開始指示又は終了指示を行うための「EFFECT ON/OFF(エフェクトオン/オフ)」スイッチ及び「SHIFT(シフト)」スイッチなどの各種の操作子を含む。これらのスイッチについての詳しい説明は、後述する。なお、上記したようなスイッチ以外にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボードなどの各種操作子を含んでいてよいことは言うまでもない。検出回路5はパネル操作子5Aの各操作子の操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。表示回路6は演奏データに含まれる一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音高情報や運指情報等の各種情報を、例えば楽譜表示やピアノロール表示などの所定の表示形式で液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに表示するのは勿論のこと、楽音再生に関する各種情報あるいはCPU1の制御状態などをディスプレイ6Aに表示する。
【0014】
ここで、該電子楽器の楽音再生時における効果のオン/オフの開始指示又は終了指示を行う「EFFECT ON/OFF(エフェクトオン/オフ)」スイッチ及び「SHIFT(シフト)」スイッチについて、図2を用いて説明する。図2は、「EFFECT ON/OFF(エフェクトオン/オフ)」スイッチや「SHIFT(シフト)」スイッチの具体例を示す図である。上述したように、パネル操作子5Aには「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1や「SHIFT」スイッチSW2以外にも所定の機能を実現するための各種のスイッチが複数存在するが、ここでは図示しない。
図2から理解できるように、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1と「SHIFT」スイッチSW2とは互いに近傍の位置に配置されて(この実施例においては、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1の下段に「SHIFT」スイッチSW2を配置した例を示した)、ユーザが適宜に両スイッチを簡単かつ同時にオン/オフ操作することができるようになっている。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2を押しながら「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を操作することができるし、反対に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押しながら「SHIFT」スイッチSW2を操作することも可能となっている。「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2は、押し下げられたとしても常に押し下げられた位置から元の位置(つまり、押し下げられる前の位置)へと復帰する復帰式のスイッチである。詳しくは後述するが、本実施例において、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1は「SHIFT」スイッチSW2が押されていない場合には「トグル方式」の効果付与スイッチとしての機能を持ち、「SHIFT」スイッチSW2が押されている場合には「アンラッチ方式」の効果付与スイッチとしての機能を持つスイッチとなる。また、この実施例では「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1の近くにLED(L1)を配置してなり、該LED(L1)は効果オンされている状態にある場合に点灯され、効果オフされている状態にある場合に消灯される。すなわち、ユーザはこのLED(L1)の点灯状態により、該電子楽器が現在効果オン状態なのか、効果オフ状態なのかを一見して認識することができるようになっている。
【0015】
図1に戻って、音源回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、通信バス1D(例えば、データ及びアドレスバスなど)を経由して与えられた演奏データを入力し、この演奏データに基づいて楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号は、アンプやスピーカなどを含むサウンドシステム8Aを介して発音される。また、効果回路8は前記音源回路7から発生された楽音信号に対して各種効果を与える。該効果回路8は、パネル操作子5Aに含まれる楽音再生時における効果のオン/オフを指定するための操作子(上述した「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2等)の操作に従って、入力された楽音信号に対して各種効果を付与する。こうした一連の動作を概念的に示すと、図3に示すようになる。図3は、パネル操作子5Aによる効果回路8の効果付与動作を説明するための機能ブロック図である。この図3に示すように、パネル操作子5Aに設けられた「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2の操作態様にしたがって、効果回路8では音源回路7から送られてきた楽音信号に対して所定の効果を付与し、効果を付与した楽音信号をサウンドシステム8A(アンプやスピーカなど)を介して発音する。すなわち、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2により効果付与が指示されていない場合には、音源回路7から送られてきた楽音信号は効果回路8を介さずにサウンドシステム8Aにそのまま送られて発音される。一方、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2により効果付与が指示されている場合には、音源回路7から送られてきた楽音信号は効果回路8を介して効果が付与されてサウンドシステム8Aに送られ発音される。
【0016】
なお、音源回路7における楽音信号発生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出す波形メモリ読み出し方式、又は上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用してもよい。すなわち、音源回路7の方式は、波形メモリ方式、FM方式、物理モデル方式、高調波合成方式、フォルマント合成方式、VCO+VCF+VCAのアナログシンセサイザ方式、アナログシミュレーション方式等、どのような方式であってもよい。また、専用のハードウエアを用いて音源回路7を構成するものに限らず、DSPとマイクロプログラム、あるいはCPUとソフトウエアを用いて音源回路7を構成するようにしてもよい。さらに、1つの回路を時分割で使用することによって複数の発音チャンネルを形成するようなものでもよいし、1つの発音チャンネルが1つの回路で形成されるようなものであってもよい。
【0017】
図1に戻り、外部記憶装置9は、楽音再生時に用いる各種音楽条件などのパラメータ、楽音再生対象としての演奏データ、CPU1が実行する各種プログラムの制御に関するデータ等を記憶するものである。前記ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それを前記RAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置9はハードディスク(HD)に限られず、フロッピィーディスク(FD)、コンパクトディスク(CD−ROM・CD−RAM)、光磁気ディスク(MO)、ZIPディスク、あるいはDVD(Digital Versatile Diskの略)等の着脱自在な様々な形態の外部記録媒体を利用する記憶装置であってもよい。あるいは、半導体メモリなどであってもよい。
【0018】
MIDIインタフェース(I/F)10は、他のMIDI機器10A等からMIDI規格の楽音情報(つまり、MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力したり、あるいは当該電子楽器からMIDI規格の楽音情報(MIDIデータ)を他のMIDI機器10A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器10Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、弦楽器型、管楽器型、打楽器型、ミブリ型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。通信インタフェース11(I/F)は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワーク11Bに接続されており、該通信ネットワーク11Bを介して、サーバコンピュータ11Aと接続され、当該サーバコンピュータ11Aから制御プログラムや各種データを電子楽器側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置9(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合、または記憶されている制御プログラムや各種データをバージョンアップする場合などに、サーバコンピュータ11Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。クライアントとなる電子楽器は、通信インターフェース(I/F)11及び通信ネットワーク11Bを介してサーバコンピュータ11Aへと制御プログラムや各種データのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータ11Aは、このコマンドを受け、要求された制御プログラムやデータを、通信ネットワーク11Bを介して本電子楽器へと配信し、本電子楽器が通信インタフェース(I/F)11を介して、これら制御プログラムや各種データを受信して外部記憶装置9(例えば、ハードディスク)等に蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
【0019】
なお、MIDIインタフェース(I/F)10は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェース10を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース10として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、他のMIDI機器10AはMIDIイベントデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、音楽情報に関するデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず、他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース10と他のMIDI機器10Aはそれにあった構成とする。
【0020】
ここで、該電子楽器で用いられる演奏データについて簡単に説明する。演奏データは所定の楽音を再生するために用いられるデータであり、従来から知られているSMF(Standard MIDI Fileの略)等の所定のファイル形式で記録された複数パート構成のデータである。こうした演奏データは既知であることから詳しい説明を省略するが、例えば演奏データは楽音の再生内容を表わす情報であり、各パート(例えば、メロディパート、伴奏パート、リズムパート)毎の、演奏タイミングデータと演奏イベントの組みを演奏進行順に記憶する。演奏タイミングデータは発音や消音などの楽音を再生するための演奏イベントを処理すべき時間(すなわち、タイミング)を表わすデータであり、MIDIクロックに準じたクロック数で表すことのできるデータである。該演奏タイミングデータは、演奏イベントの発生タイミングを曲の先頭や各小節の先頭からの絶対時間(つまり、絶対的なクロック数)、あるいは1つ前の演奏イベントからの相対時間(つまり、相対的なクロック数)で示したデータである。演奏イベントは、発音や消音などの楽曲を再生するための各種イベントの内容を表わすデータである。こうした演奏イベントの内容にはキーオン、キーオフ、テンポ変更、音色変更などがあり、これらの演奏イベントを基にして楽音再生が行われる。
【0021】
図1に示した電子楽器においては、例えばROM2やRAM3あるいは外部記憶装置9等からユーザの選択に従って読み出した演奏データに基づいて楽音再生を行う際に、ユーザによる「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2の操作態様に従い、「トグル方式」あるいは「アンラッチ方式」いずれかの方式によって楽音信号に対する効果付与を行う。楽音信号に対する効果付与動作を「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2の操作態様に従って異なる方式で行う効果付与処理は、電子楽器のCPU1が効果付与を実現する所定のプログラム(ソフトウエア)を実行することにより実施される。そこで、図1に示したCPU1で実行する効果付与処理について、図4及び図5を用いて説明する。
【0022】
まず、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオンされた際に実行する「オンイベント割込処理」について、図4を用いて説明する。図4は、上述した電子楽器のCPU1で実行される「オンイベント割込処理」の一実施例を示すフローチャートである。この「オンイベント割込処理」は、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオンされる(例えば、ユーザが「EFFECTON/OFF」スイッチSW1を押し下げる)度にスタートする処理である。ステップS1では、当該電子楽器において「SHIFT」スイッチSW2が押下中であるか否かを判定する。すなわち、該電子楽器に設けられた「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオン操作された際に、同時に「SHIFT」スイッチSW2がユーザによって操作されて押し下げられた状態となっているか否かを判定する。「SHIFT」スイッチSW2が押下中である場合には(ステップS1のYES)、「EFFECTフラグ」に「1」を設定する(ステップS2)。一方、「SHIFT」スイッチSW2が押下中でない場合には(ステップS1のNO)、EFFECT状態を反転する(ステップS6)。つまり、現在の「EFFECTフラグ」に「1」が設定されているならば「0」を新たに設定し、現在の「EFFECTフラグ」に「0」が設定されているならば「1」を新たに設定する。この「EFFECTフラグ」は該電子楽器において現在効果のオン状態にあるかオフ状態にあるかを表すために設定されるフラグであって、該「EFFECTフラグ」が「1」に設定されている場合には効果がオン状態にあることを表し、該「EFFECTフラグ」が「0」に設定されている場合には効果がオフ状態にあることを表す。そこで、ステップS3では「EFFECTフラグ」が「1」に設置されているか否かを判定する。「EFECTフラグ」が「1」に設定されている場合には(ステップS3のYES)、効果をオン状態としてLED(L1)を点灯する(ステップS7及びステップS8)。一方、「EFFECTフラグ」が「1」に設定されていない場合には(ステップS3のNO)、効果をオフ状態としてLED(L1)を消灯する(ステップS4及びステップS5)。
【0023】
次に、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオフされた際に実行する「オフイベント割込処理」について、図5を用いて説明する。図5は、上述した電子楽器のCPU1で実行される「オフイベント割込処理」の一実施例を示すフローチャートである。この「オフイベント割込処理」は、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオフされる(例えば、ユーザが「EFFECTON/OFF」スイッチSW1の押し下げをやめる)度にスタートする処理である。
ステップS11では、当該電子楽器において「SHIFT」スイッチSW2が押下中であるか否かを判定する。「SHIFT」スイッチSW2が押下中である場合には(ステップS11のYES)、「EFFECTフラグ」に「0」を設定する(ステップS12)。一方、「SHIFT」スイッチSW2が押下中でない場合には(ステップS11のNO)、「EFFECTフラグ」に設定した現在の状態を保持する(ステップS16)。つまり、現在の「EFFECTフラグ」に「1」が設定されているならば「1」をそのまま保持するし、現在の「EFFECTフラグ」に「0」が設定されているならば「0」をそのまま保持する。すなわち、「EFFECTフラグ」の設定値を変更しない。ステップS13では「EFFECTフラグ」が「0」に設定されているか否かを判定する。「EFFECTフラグ」が「0」に設定されていない場合には(ステップS13のNO)、効果をオン状態としてLED(L1)を点灯する(ステップS14及びステップS15)。一方、「EFECTフラグ」が「0」に設定されている場合には(ステップS13のYES)、効果をオフ状態としてLED(L1)を消灯する(ステップS17及びステップS18)。
【0024】
上述した「オンイベント割込処理」と「オフイベント割込処理」(図4及び図5参照)とを「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1のオン/オフ操作に従って実行することによって、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を継続的な効果付与を行う「トグル方式」のスイッチと一時的な効果付与を行う「アンラッチ方式」のスイッチとのいずれかのスイッチとして使用することができるようになる。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられた状態(つまりオン状態)である場合に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオン操作されると、効果をオン状態にして効果付与を開始する(図4のステップS1のYES、ステップS2、ステップS3のYES、ステップS7、ステップS8参照)。そして、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられた状態である場合に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオフ操作された場合には、効果をオフ状態にして効果付与を停止する(図5のステップS11のYES、ステップS12、ステップS13のYES、ステップS17、ステップS18参照)。このように、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられた状態である場合には、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオン操作されると効果付与を開始し、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオフ操作されると効果付与を停止する。こうした「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1のオン/オフ操作に追従して効果のオン/オフ動作が行われるスイッチは、一時的な効果付与を行う「アンラッチ方式」での効果付与を行うスイッチである。
【0025】
一方、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられていない状態(つまりオフ状態)である場合に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオン操作されると、効果のオン/オフ状態が反転される(図4のステップS1のNO、ステップS6参照)。そして、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられていない状態である場合に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオフ操作された場合には、現在の効果のオン/オフ状態を保持する(図5のステップS11のNO、ステップS16参照)。このように、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられていない状態である場合には、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオフ操作されても現在の効果のオン/オフ状態が保持され、新たに「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1がオン操作されたときに現在の効果のオン状態/オフ状態を反転する。つまり、新たに「EFFECTON/OFF」スイッチSW1がオン操作されるまで、効果付与を行っている状態と効果付与を行っていない状態のいずれかの状態が保持される。このような「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1のオン操作のみに追従して効果のオン/オフ動作が行われるスイッチは、継続的な効果付与を行う「トグル方式」での効果付与を行うスイッチである。
【0026】
以上のように「SHIFT」スイッチSW2のオン/オフ状態によって、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を継続的な効果付与を行う「トグル方式」での効果付与を行うスイッチと一時的な効果付与を行う「アンラッチ方式」での効果付与を行うスイッチとに切り替えて使用することができるようになる。
【0027】
ここで、上述した「オンイベント割込処理」及び「オフイベント割込処理」に従って行われる効果のオン/オフについて、具体例を用いてその動作を各々説明する。図6は、「SHIFT」スイッチSW2及び「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1のオン/オフ操作に従って行われる効果のオン/オフの動作例を示したタイミングチャートである。この図では、上から順に「SHIFT」スイッチSW2のオン/オフ操作のタイミング、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1のオン/オフ操作のタイミング、効果のオン(つまり効果付与する)/効果のオフ(つまり効果付与しない)動作のタイミング、LED(L1)のオン(つまり点灯)/LED(L2)のオフ(つまり消灯)動作のタイミングをそれぞれ表すタイミングチャートである。なお、図6では説明を理解しやすくするために、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1の所定のオン/オフ操作のタイミングに対しA〜Gまでのアルファベットを付している。
【0028】
まず、「SHIFT」スイッチSW2がオフ状態、すなわち操作者が「SHIFT」スイッチSW2を押し下げていない状態で行われる効果のオン/オフ動作について説明する。「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられていない場合に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押し下げると(A)、該押下操作に従って効果付与が開始される。効果付与が開始されると同時に、LED(L1)がオン、つまりLED(L1)が点灯されてユーザに対して効果オン状態であることを知らせる。そして、この状態で「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を離しても(B)、効果オンの状態は持続される。再度、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押し下げると(C)、該押下操作に従って効果付与が停止される。効果付与が停止されると、LED(L1)はオフ、つまりLED(L1)が消灯されてユーザに対して効果オフ状態であることを知らせる。
このように、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられていない場合に、効果をオン状態からオフ状態(あるいはオフ状態からオン状態)にするためには、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押し下げる操作を2回行わなければならない。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2がオフ状態である場合には、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1の押下操作に従って効果がオン/オフされる。つまり、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1は「トグル方式」のスイッチとなる。
【0029】
次に、「SHIFT」スイッチSW2がオン状態、すなわち操作者が「SHIFT」スイッチSW2を押し下げている状態で行われる効果のオン/オフ動作について説明する。「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられている場合に「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押し下げると(D)、該押下操作に従って効果付与が開始される。効果付与が開始されると同時に、LED(L1)がオン、つまりLED(L1)が点灯されてユーザに対して効果オン状態であることを知らせる。そして、この状態で「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を離すと(E)、該操作に従って効果付与が停止される。効果付与が停止されると、LED(L1)がオフ、つまりLED(L1)が消灯されてユーザに対して効果オフ状態であることを知らせる。再度、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押すと(F)、該押下操作に従って効果付与が開始されてLED(L1)が点灯される。この状態で「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を離すと(G)、該操作に従って効果付与が停止されてLED(L1)が消灯される。
このように、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられている場合に、効果をオン状態からオフ状態(あるいはオフ状態からオン状態)にするためには、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を押し下げた状態から離すだけでよい。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2がオン状態である場合には、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1が押し下げられると効果のオン状態になり、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1が離されると効果のオフ状態になる。つまり、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1は「アンラッチ方式」のスイッチとなる。
【0030】
以上、説明したように、「SHIFT」スイッチSW2を押し下げている/押し下げていないという2つの操作態様によって「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を「アンラッチ方式」と「トグル方式」のスイッチとして使用することができるように切り替えることができるようになる。すると、特殊な構造のスイッチを用いなくても「アンラッチ方式」と「トグル方式」による効果付与を行うことができるようになることから、該電子楽器のコストが上がらないで済む。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2は従来他の機能に対して使用していたものを流用することができ、効果付与方法の切り替えの目的のために新しいスイッチを付加するわけではないので、「トグル方式」のスイッチの他に「アンラッチ方式」のスイッチを新しく付加したり、あるいはそれらの機能を併せ持つ特殊なスイッチを付加するよりもコスト的に安く作ることができる。また、「SHIFT」スイッチSW2が押し下げられている間だけ「アンラッチ方式」による効果付与動作を行うことから、ユーザは「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を「アンラッチ方式」と「トグル方式」のどちらの機能で使用しているかを直感的に認識することができる。さらに、効果がオン状態にあるときにはLED(L1)を点灯、オフ状態にあるときにはLED(L1)を消灯するようにしたことから、現在の効果のオン/オフ状態は「トグル方式」又は「アンラッチ方式」のいずれの場合においても目視で確認でき、操作者の操作性がよくなる、という利点もある。
【0031】
なお、「SHIFT」スイッチSW2を押し下げている場合に、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1を「トグル方式」のスイッチとして動作するようにしてもよい。
なお、上述の実施例では、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1及び「SHIFT」スイッチSW2を復帰式の具体的なスイッチとしたがこれに限らず、例えばディスプレイ6A上に表示されたタッチ式の擬似的なスイッチであってもよい。
【0032】
なお、上述した「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1以外のスイッチにおいても、「SHIFT」スイッチSW2の操作状態に応じて所定の機能を変更することができるようにしてもよい。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2を用いて機能変更することが可能なスイッチはエコー、リバーブ、コーラス、フランジャーなどの各種の効果付与機能(つまり効果付与の開始指示又は終了指示)を割り当てられた「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1に限定しなくてもよく、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1以外のスイッチのオンイベントまたはオフイベント発生時に、該スイッチに割り当てられた効果オン/オフ機能以外の所定の機能を実行するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、各種の効果付与機能を割り当てられた「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1以外にも、オクターブアップ(またはオクターブダウン)機能を割り当てた「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3の機能を「SHIFT」スイッチSW2を用いて変更することができるようにしてもよい。図7は、「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3の具体例を示す図である。
【0033】
図7から理解できるように、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1と同様に「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3は「SHIFT」スイッチSW2とは互いに近傍の位置に配置されて(この実施例においては、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1の右横に「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3を配置した例を示した)、ユーザが適宜に両スイッチを簡単かつ同時にオン/オフ操作することができる。すなわち、「SHIFT」スイッチSW2を押しながら「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3を操作することができるし、反対に「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3を押しながら「SHIFT」スイッチSW2を操作することも可能である。本実施例において、「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3は「SHIFT」スイッチSW2が押されていない場合には「トグル方式」のオクターブアップ(またはオクターブダウン)スイッチとしての機能を持ち、「SHIFT」スイッチSW2が押されている場合には「アンラッチ方式」のオクターブアップ(またはオクターブダウン)スイッチとしての機能を持つスイッチとなる。また、「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3の近くにLED(L1)を配置してなり、該LED(L1)はオクターブアップ(またはオクターブダウン)状態にある場合に点灯され、オクターブアップ(またはオクターブダウン)状態にない場合(つまり通常状態にある場合)に消灯される。このように、「SHIFT」スイッチSW2は複数のスイッチの機能を変更するために共通して用いられるスイッチである。
なお、上述した各実施例においては、複数のスイッチの機能を変更することが可能なスイッチを専用の「SHIFT」スイッチSW2として示したがこれに限らない。例えば、他の機能が割り当てられたスイッチが「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1や「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3などと組み合わされて操作されることで、「EFFECT ON/OFF」スイッチSW1や「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチSW3などの機能変更を行うための「SHIFT」スイッチSW2として機能するようにしてもよい。
【0034】
なお、該電子楽器で効果付与対象となる楽音信号を生成するために用いられる演奏データのフォーマットは、楽音イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』形式のもの、演奏イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した『イベント+相対時間』形式のものに限らず、他にも音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』形式のもの、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域に演奏イベントを記憶した『ベタ方式』形式のものなど、どのような形式のものでもよい。また、複数チャンネル分の演奏データが存在する場合は、複数のチャンネルのデータが混在した形式であってもよい。さらに、演奏データの処理方法は、設定されたテンポに応じて処理周期を変更する方法、処理周期は一定で自動演奏中のタイミングデータの値を設定されたテンポに応じて変更する方法、処理周期は一定で1回の処理において演奏データ中の演奏タイミングデータの計数の仕方をテンポに応じて変更する方法等、どのようなものであってもよい。また、メモリ上において、時系列の演奏データが連続する領域に記憶されていてもよいし、飛び飛びの領域に散在して記憶されている演奏データを、連続するデータとして別途管理するようにしてもよい。すなわち、時系列的に連続する演奏データとして管理することができればよく、メモリ上で連続して記憶されているか否かは問題ではない。
【0035】
本実施例に係る楽音制御指示装置を電子楽器に適用した場合、電子楽器は鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。また、そのような場合に、音源装置、効果付与装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものにも同様に適用できることはいうまでもない。また、パソコンとアプリケーションソフトウエアという構成であってもよく、この場合処理プログラムを磁気ディスク、光ディスクあるいは半導体メモリ等の記憶メディアから供給したり、ネットワークを介して供給するものであってもよい。すなわち、本発明に係る楽音制御指示装置のハードウエアをコンピュータを用いて構成し、そこにおいて、楽音制御指示はコンピュータがこの発明に係る楽音制御指示処理を実現する所定のプログラム(ソフトウエア)を実行することにより実施するようにしてもよい。勿論、この楽音制御指示処理はコンピュータソフトウエアの形態に限らず、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)によって処理されるマイクロプログラムの形態でも実施可能であり、また、この種のプログラムの形態に限らず、ディスクリート回路又は集積回路若しくは大規模集積回路等を含んで構成された専用ハードウエア装置の形態で実施してもよい。また、本発明に係る楽音制御指示装置は電子楽器やパーソナルコンピュータの形態のものに限らず、カラオケ装置や電子ゲーム装置や自動演奏ピアノ等、あるいは携帯電話等の携帯型通信端末、あるいはその他のマルチメディア機器等、任意の製品応用形態をとっているものに適用してもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の操作子に対する操作態様に従って、「トグル方式」による楽音制御の開始指示又は終了指示機能と「アンラッチ方式」による楽音制御の開始指示又は終了指示機能とを切り替えることができるようにした。これにより、「トグル方式」と「アンラッチ方式」とで別々に専用の操作子を設けたり、あるいは両方式の機能を併せ持った特殊な構造の専用操作子を設けたりすることなく、前記2つの機能を実現することができることから、コストの安い楽音制御指示装置を提供することが可能になる、という効果が得られる。
また、機能を切り替えるために用いる所定の操作子は、楽音制御の開始指示又は終了指示機能以外に別の機能を割り当てられた既存の汎用的な操作子を用いて実現することができることから、こうした機能を切り替えるための操作子を新たに設ける必要がない、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る楽音制御指示装置を内蔵した電子楽器のハード構成全体の一実施例を示すハード構成ブロック図である。
【図2】 「EFFECT ON/OFF(エフェクトオン/オフ)」スイッチや「SFIFT(シフト)」スイッチの具体例を示す図である。
【図3】 パネル操作子による効果回路の効果付与動作を説明するための機能ブロック図である。
【図4】 図1に示す電子楽器のCPUで実行される「オンイベント割込処理」の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】 図1に示す電子楽器のCPUで実行される「オフイベント割込処理」の一実施例を示すフローチャートである。
【図6】 「SHIFT」スイッチ及び「EFFECT ON/OFF」スイッチのオン/オフ操作に従って行われる効果のオン/オフの動作例を示したタイミングチャートである。
【図7】 「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチの具体例を示す図である。
【符号の説明】
1…CPU、1A…タイマ、2…ROM、3…RAM、4…サンプリング回路、5…検出回路、5A…パネル操作子(スイッチ等)、6…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源回路、8…効果回路、8A…サウンドシステム、9…外部記憶装置、10…MIDIインタフェース、10A…MIDI機器、11…通信インタフェース、11A…サーバコンピュータ、11B…通信ネットワーク、1D…通信バス(データ及びアドレスバス)、SW1…「EFFECT ON/OFF」スイッチ、SW2…「SHIFT」スイッチ、SW3…「オクターブUP/DOWN ON/OFF」スイッチ、L1…LED
Claims (4)
- 各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示のためにオン操作又はオフ操作される第1の操作子と、
各種の制御指示を行うために共通に用いられる第2の操作子と、
前記第2の操作子の操作有無に応じて、前記第1の操作子によるオン操作又はオフ操作と、楽音制御の開始指示又は終了指示との対応関係を変更する制御手段と
を具える楽音制御指示装置。 - 前記制御手段は、前記第2の操作子のオン操作又はオフ操作に応じて前記第1の操作子による楽音制御の指示形態を、前記第1の操作子のオン操作又はオフ操作のいずれか一方の操作のみに応じて楽音制御の開始指示又は終了指示を行う第1の指示形態と、前記第1の操作子のオン操作及びオフ操作の両操作毎に応じて楽音制御の開始指示又は終了指示を行う第2の指示形態との間で切り替えることを特徴とする請求項1に記載の楽音制御指示装置。
- 各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示する楽音制御指示方法であって、
各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示のためにオン操作又はオフ操作される第1の操作子の操作状態を検知するステップと、
各種の制御指示を行うために共通に用いられる第2の操作子の操作状態を検知するステップと、
前記第2の操作子の操作有無に応じて、前記第1の操作子によるオン操作又はオフ操作と、楽音制御の開始指示又は終了指示との対応関係を変更するステップと、
楽音制御の開始指示又は終了指示のいずれかを、前記第1の操作子のオン操作又はオフ操作に応じて指示するステップと
を具えた楽音制御指示方法。 - 機械読取り可能な記憶媒体であって、各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示する楽音制御指示方法をプロセッサに実行させるためのプログラムを記憶してなり、前記楽音制御指示方法は、
各種効果等の楽音制御の開始指示又は終了指示のためにオン操作又はオフ操作される第1の操作子の操作状態を検知するステップと、
各種の制御指示を行うために共通に用いられる第2の操作子の操作状態を検知するステップと、
前記第2の操作子の操作有無に応じて、前記第1の操作子によるオン操作又はオフ操作と、楽音制御の開始指示又は終了指示との対応関係を変更するステップと、
楽音制御の開始指示又は終了指示のいずれかを、前記第1の操作子のオン操作又はオフ操作に応じて指示するステップと
を具備する。
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