JP3646552B2 - 成形金型装置 - Google Patents

成形金型装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3646552B2
JP3646552B2 JP04402899A JP4402899A JP3646552B2 JP 3646552 B2 JP3646552 B2 JP 3646552B2 JP 04402899 A JP04402899 A JP 04402899A JP 4402899 A JP4402899 A JP 4402899A JP 3646552 B2 JP3646552 B2 JP 3646552B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
gap
cavity
mold part
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04402899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000238103A (ja
Inventor
雅也 平田
豊 衣笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP04402899A priority Critical patent/JP3646552B2/ja
Publication of JP2000238103A publication Critical patent/JP2000238103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3646552B2 publication Critical patent/JP3646552B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に微細な凸凹形状を有した樹脂成形品を得る成形金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、キャビティ内表面に微細な凹凸形状を有する該キャビティ内に樹脂が充填されて、表面に前記微細な凹凸形状が転写形成された樹脂成形品を得る成形金型装置は知られている。この場合、金型温度を高温にした状態でキャビティ内に樹脂を充填することによって、キャビティ内表面の凹凸形状の転写性が向上され、樹脂成形品の高品質化が図られるものである。ここで、従来一般には、金型全体を加熱することが行われているが、成形サイクルが長くなって生産性が低下するという問題があった。
【0003】
又、樹脂成形品の表面に微細な凹凸形状が転写形成されるものではないが、キャビティ内表面の近傍を効率的に温度制御することができるものとして、特開平6−114885号公報に示される射出成形用金型が知られている。該射出成形用金型は、図13に示す如く、互いに対向して配置された可動側の型板3a及び固定側の型板3bと、その双方に入駒として設けられた互いに対向する型部4a、4bとを備え、前記両型部4a、4b間に形成されたキャビティ1内に樹脂を射出充填する射出成形用金型であって、前記キャビティ1を構成する複数の型部4a、4bの周囲に断熱部となる隙間6及び断熱材25を設け、これら型部4a、4bとこれらを支持する型板3a、3bとの間に断熱層5を形成して両者間を断熱化し、前記キャビティ1を構成する複数の型部4a、4bの金型温度を高精度な温度に維持制御できるように構成したものである。
【0004】
この場合、固定側の型板3bに設けられるスプルーブッシュ9内のスプルー10からランナー24を通して複数のキャビティ1内に溶融された高温の樹脂が射出充填され、該樹脂が冷却固化されて複数の樹脂成形品が得られる。この場合、前記断熱部となる隙間6及び断熱材25と断熱層5とによって、型部4a、4bでなるキャビティ1の部分とその他のキャビティ1以外の部分との間で断熱化が図られる。それ故に、各型部4a、4bに設けられた冷却孔内を循環される高精度な一定温度に制御された冷媒によって、キャビティ1内の樹脂から放熱された熱を速やかに除去することができ、金型温度を速やかに高精度な一定温度に均一化することができて、高精度な樹脂成形品を短縮した成形サイクルで得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平6−114885号公報に示される従来の技術においては、樹脂流動部となるランナー24の内表面、すなわち、固定側と可動側との間の金型分割面に剛性の低い断熱材25が現出するため、破損し易くて金型寿命が短くなるという問題があり、又、同断熱材25が存在するため、金型組立時の段取りが複雑化するという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術における問題を悉く解決するために発明されたもので、その課題は、キャビティ内表面の近傍のみを効率的に温度制御することができて、成形サイクルを延長することなく微細な凹凸形状の転写性が向上され、バリの発生も防止されて高品質外観の樹脂成形品を得ることができ、しかも、断熱材が劣化し難く、部品数は少なくて済み構造も簡単な成形金型装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の成形金型装置は、キャビティ内表面に微細な凹凸形状を有する該キャビティ内に樹脂が充填されて、表面に前記微細な凹凸形状が転写形成された樹脂成形品を得る成形金型装置であって、可動側の型板及び固定側の型板に設けられる両型部を対向させてキャビティを構成し、型部を温度調節可能なものとして該型部のキャビティ内表面とは反対側の外側面と型板との間に断熱層を形成すると共に、同型部の周囲に型板との間で隙間を形成し、加熱時には断熱層と隙間とにより型部のみを断熱化して加熱し、成形時には型板との間に断熱層が形成された型部の熱膨張により周囲の隙間が閉塞されて型部と型板とが接触するように成している
【0008】
したがって、この場合、高温成形時には型部の熱膨張によりその周囲の隙間が閉塞されるので、キャビティ内に充填された溶融状態の樹脂が同隙間に入り込むことはなく、バリの発生が防止され、その際、同型部からの放熱は断熱層により阻止されて断熱化が図られる。又、樹脂成形品を取り出す際には、型部が冷却されるよう温度調節され、該型部は縮小してその周囲に隙間が確保されるので、該隙間と断熱層とによって十分な断熱化が図られ、その際、キャビティ内の樹脂は固化状態で同隙間に入り込むこともなく、樹脂成形品を容易に取り出すことができる。
【0009】
このように、キャビティ内表面に位置する型部のみを効率的に温度制御することができるので、成形サイクルを延長することなく微細な凹凸形状の転写性が向上され、バリの発生も防止されて高品質外観の樹脂成形品を容易に得ることができる。しかも、断熱材が使用されるのは断熱層のみで、部品数が少なくて済み構造は簡単となり、又、同断熱層には溶融状態の樹脂が接触しないので、その劣化を防止することができて金型の高寿命化も図られる。
【0016】
本発明の請求項記載の成形金型装置は、上記請求項記載の成形金型装置において、隙間に連通する圧気手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
したがって、この場合は特に、型開き状態で圧気手段によってキャビティ内へと隙間を通じてエアを樹脂成形品に向けて吹き出すことができるので、これにより、該樹脂成形品の離型性は向上され、同樹脂成形品を更に容易に取り出すことができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1、2は、本発明の請求項に対応する一実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置は、キャビティ1内表面に微細な凹凸形状2を有する該キャビティ1内に樹脂が充填されて、表面に前記微細な凹凸形状2が転写形成された樹脂成形品を得るものである。この場合に、可動側の型板3a及び固定側の型板3bに設けられる両型部4a、4bを対向させてキャビティ1を構成し、型部4aを温度調節可能なものとして該型部4aのキャビティ1内表面とは反対側の外側面と型板3aとの間に断熱層5を形成すると共に、同型部4aの周囲に型板3aとの間で隙間6を形成し、該隙間6の寸法lを成形時に型部4aの熱膨張により閉塞されるように設定している。該実施形態の成形金型装置においては、可動側の型板3aに設けられる側の型部4aのキャビティ1内表面に微細な凹凸形状2を有しており、又、可動側の型板3aに設けられる型部4a側に断熱層5及び隙間6を形成している。
【0019】
溶融された成形用の樹脂は、スプルーブッシュ9内に形成されたスプルー10を通過してキャビティ1内に充填される。外観表面に微細な凸凹形状を有する樹脂成形品を製造するために、該凸凹形状を反転させた凹凸形状2が可動側の型部4aの内表面に形成されている。ここで、凹凸形状2は、固定側の型部4bに或いは可動側と固定側の両側の型部4a、4bに形成されても良いが、可動側の型部4aの内表面に形成されることが好ましい。凹凸形状2は、数μm〜数十μmピッチで凹凸が交互に連設されたプリズム形状となっているが、その他の微細な凹凸形状2であっても良い。このように、プリズム形状となる微細な凹凸形状2が転写された樹脂成形品を得る成形においては、転写性に優れたPMMA樹脂を成形用の樹脂として使用している。この場合、 230〜250 ℃まで加熱されたPMMA樹脂がキャビティ1内に充填される際、可動側の型部4aの内表面(凹凸形状2)はガラス転移点温度( 100〜120 ℃)以上に保たれている必要がある。又、変形なく樹脂成形品をキャビティ1内から取り出す際に、該樹脂成形品の温度は固化温度(70〜85℃)以下であることが必要である。
【0020】
上記温度変化の一例として、樹脂を充填する前に可動側の型部4aの温度を70℃から120 ℃まで加熱し、又、樹脂成形品を取り出す前に同型部4aの温度を 120℃から70℃まで冷却することができる。このような温度変化で成形を行う場合、微細な凹凸形状2を有する可動側の型部4aの全長寸法Lが 500mm程度であるものに対しては、隙間6の寸法lを常温状態(25℃)で 0.4〜0.5mm の設計値とすることによって、冷却時(70℃)に、図1に示す如く、寸法lが 0.2〜0.3mm で断熱作用をなす隙間6を確保することができ、同型部4aのみを断熱化して効率良く加熱することが可能となる。又、加熱時( 120℃)には、図2に示す如く、可動側の型部4aのみの熱膨張によって前記隙間6が確実に閉塞され、樹脂をキャビティ1内に充填してもバリは発生しない。ここでは、型部4aが線膨張係数の大きい材料、例えば、黄銅、アルミニウム、亜鉛合金等で形成されており、それ故に、前記の如く、大きな隙間6を確保することができている。
【0021】
なお、可動側の型部4aには温度調節用の複数の通孔11が形成されており、該通孔11に冷却用媒体となる油等の液体が流されたり、同通孔11内にヒータが挿通埋設される等して、同型部4aは冷却或いは加熱により温度調節がなされる。又、断熱層5及び隙間6は、凹凸形状2を有しない固定側の型部4b側に或いは可動側と固定側の両型部4a、4b側に形成されても良いが、可動側の型部4a側に形成されることが好ましい。又、図中、12は可動側の取付板、13はスペーサブロックで、該スペーサブロック13によって同取付板12と可動側の型板3aとの間に形成されるスペース内に突出板14が収容設置されており、又、15は固定側の取付板で、該取付板15の中程に前記スプルーブッシュ9が埋設固定され、該スプルーブッシュ9内に形成されたスプルー10の注入側開口部分にロケートリング16が取着固定されている。
【0022】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、加熱されて高温となる成形時に、型部4aのみの熱膨張によりその周囲の隙間6が閉塞されるので、キャビティ1内に注入充填された溶融状態の樹脂が同隙間6に入り込むことはなく、バリの発生が防止される。しかも、その際、加熱される型部4aからの放熱は断熱層5により阻止されるので、同型部4aと型板3aとの間で断熱化が図られる。又、樹脂成形品を取り出す際には、型部4aが冷却されるように温度調節され、該型部4aは縮小してその周囲に隙間6が確保されるので、該隙間6と断熱層5とによって十分な断熱化が図られる。しかも、その際、キャビティ1内の樹脂は固化状態にあるので、隙間6が開放されていてもこれに入り込むことはなく、樹脂成形品を容易に取り出すことができる。
【0023】
このように、キャビティ1内表面に位置する型部4aのみを効率的に加熱或いは冷却して温度制御することができるので、成形サイクルを延長することなく微細な凹凸形状2の転写性が向上され、バリの発生も防止されて高品質外観の樹脂成形品を容易に得ることができる。しかも、断熱材が使用されるのは断熱層5のみで、部品数が少なくて済み構造は簡単となり、又、同断熱層5には溶融状態の樹脂が接触しないので、その劣化を防止することができて金型の高寿命化も図られる。
【0024】
又、該実施形態の成形金型装置においては、内表面に微細な凹凸形状2を有する型部4aが断熱層5と隙間6とによって有効且つ十分に断熱化されるので、同凹凸形状2の転写性は極めて良好となる。しかも、可動側の型部4aに微細な凹凸形状2が存在し、固定側の型部4bに設けられるスプルー10から樹脂を注入充填することができるので、該樹脂注入による残跡が樹脂成形品の同凹凸形状2が転写形成された表面には現出しない。それ故に、高品質外観の樹脂成形品を確実に得ることができる。
【0025】
図3は、本発明の請求項に対応する別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、隙間6に連通する吸気手段7を備えている。吸気手段7は真空ポンプであり、排気管17を介して隙間6と連通されている。排気管17は可動側の型板3aと接続されており、該排気管17には開閉バルブ18が設けられている。ここで、吸気手段7は、隙間6が形成される側であれば、凹凸形状2を有しない固定側の型部4b側に或いは可動側と固定側の両型部4a、4b側に形成されても良い。
【0026】
この場合の製造方法は、次の (1)〜(5) の成形工程となる。
(1)型閉じ、型部4aの加熱
(2)キャビティ1内への樹脂充填
(3)型部4aの冷却
(4)型開き
(5)樹脂成形品の取り出し
このような一連の工程は、上記図1、2に示した実施形態と同様であるが、この場合、前記工程(1) において、開閉バルブ18が開けられ隙間6からキャビティ1内の真空排気(キャビティ1内の真空度は10 0〜10-2Torr)が行われる。前記工程(2) では、隙間6が閉塞されており、前記工程 (3)〜(5) では、隙間6が開放され開閉バルブ18は閉じられている。
【0027】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、特に、前記工程(1) の型閉じ状態で吸気手段7によってキャビティ1内から隙間6を通じてエアを吸引排気することができるので、これにより、樹脂が同キャビティ1内にその内表面の微細な凹凸形状2に正確に沿うよう確実に充填され、該凹凸形状2の転写性は更に向上され、より高品質外観の樹脂成形品を得ることができる。なお、それ以外は、上記図1、2に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。又、この場合、型部4aは線膨張係数の大きい材料で形成されているので大きな隙間6が確保され、真空排気時の抵抗は低減されている。
【0028】
図4、5は、本発明の請求項1、2に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、隙間6に連通する圧気手段8を備えている。圧気手段8はコンプレッサーであり、給気管19を介して隙間6と連通されている。給気管19は可動側の型板3aと接続されており、該給気管19には開閉バルブ18が設けられている。ここで、圧気手段8は、樹脂成形品Aとの間で隙間6が形成される側であれば、凹凸形状2を有しない固定側の型部4b側に或いは可動側と固定側の両型部4a、4b側に形成されても良い。
【0029】
この場合の製造方法は、上記図3に示した実施形態についての説明におけると同様で、 (1)型閉じ、型部4aの加熱、 (2)キャビティ1内への樹脂充填、 (3)型部4aの冷却、 (4)型開き、 (5)樹脂成形品Aの取り出し、という一連の成形工程となる。この場合、前記工程 (1)〜(4) においては、開閉バルブ18が閉じられており、キャビティ1内にエアは供給流入されない。前記工程(4) の型開き後、前記工程(5) において、図5に示す如く、開閉バルブ18が開けられ隙間6から型開き状態のキャビティ1内にある樹脂成形品Aに向けてエアが吹き出され(エア圧は 2〜5kg/cm2 )、この状態で、同樹脂成形品Aは離型されて取り出される。
【0030】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、特に、型開き後の前記工程(5) で圧気手段8によってキャビティ1内へと隙間6を通じてエアを樹脂成形品Aに向けて吹き出すことができるので、これにより、該樹脂成形品Aの離型性は向上され、同樹脂成形品Aを更に容易に取り出すことができるようになる。なお、それ以外は、上記図1、2に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
【0031】
図6、7は、本発明の請求項1、2に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、隙間6に連通する排気手段7及び圧気手段8を備えている。この場合、上記図3に示した実施形態における構成と、上記図4、5に示した実施形態における構成と、を併せ持っており、各構成は上記実施形態と同様であるが、各排気手段7及び圧気手段8と隙間6とは分岐管20で連通接続されており、該分岐管20の分岐部位に切替バルブ21が設けられている点でのみ、上記実施形態とは構成が相違している。
【0032】
この場合の製造方法は、上記図3に示した実施形態についての説明におけると同様で、 (1)型閉じ、型部4aの加熱、 (2)キャビティ1内への樹脂充填、 (3)型部4aの冷却、 (4)型開き、 (5)樹脂成形品Aの取り出し、という一連の成形工程となる。この場合、前記工程(1) において、切替バルブ21が排気手段7側に開けられ隙間6からキャビティ1内の真空排気が行われる。前記工程(2) では、隙間6が閉塞されており、前記工程 (3)〜(4) では、隙間6が開放され切替バルブ21は閉じられている。前記工程(4) の型開き後、前記工程(5) において、図7に示す如く、切替バルブ21が圧気手段8側に開けられ隙間6から型開き状態のキャビティ1内にある樹脂成形品Aに向けてエアが吹き出され、この状態で、同樹脂成形品Aは離型されて取り出される。なお、真空排気時の真空度及びエア吹き出し時のエア圧等の条件は、上記図3及び図4、5に示した実施形態におけると同様である。又、この場合にも、型部4aは線膨張係数の大きい材料で形成されているので大きな隙間6が確保され、真空排気時の抵抗は低減されている。
【0033】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、上記図3及び図4、5に示した実施形態におけると同様の作用効果が共に奏されるもので、すなわち、キャビティ1内表面の微細な凹凸形状2の転写性が更に向上されてより高品質外観の樹脂成形品Aを得ることができると共に、樹脂成形品Aの離型性が向上されてこれを更に容易に取り出すことができるようになる。なお、それ以外は、上記図1、2に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
【0034】
図8は、本発明の請求項1、2に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、型部4aが分割型で構成されると共に、隙間6に連通する圧気手段8を備えている。この場合、分割型で構成される型部4aの各分割部位に、周囲の隙間6に連通する複数の分割隙間6aが形成される。
【0035】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、型開き後、圧気手段8によってキャビティ1内へと隙間6を通じてエアを樹脂成形品Aに向けて吹き出す際、該隙間6から複数の分割隙間6aへとエアは分岐して流れるので、同樹脂成形品Aの全面に対してエアが吹き出される。それ故に、樹脂成形品Aの離型性が更に向上され、又、エア及びガスの排気コンダクタンスも低減される。なお、それ以外は、上記図4、5に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
【0036】
図9は、本発明の請求項に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、可動側の型部4aに、冷却用媒体の油を流すための管路となる通孔11と加熱用のカートリッジヒータ22とが、交互に配置並設されており、これ等によって同型部4aは冷却或いは加熱により温度調節がなされる。この場合、加熱用媒体としてカートリッジヒータ22を用いているが、該加熱用媒体としては、ペルチェ素子、或いは、通孔11内に流される油、加圧水、エア等が用いられても良く、加熱可能な媒体であれば特に限定せずに用いられる。又、冷却用媒体として通孔11内に流される油を用いているが、該冷却用媒体としては、通孔11内に流される水、エア、或いは、ペルチェ素子等が用いられても良く、冷却可能な媒体であれば特に限定せずに用いられる。又、冷却用媒体及び加熱用媒体となる構成は、凹凸形状2を有しない固定側の型部4b側に或いは可動側と固定側の両型部4a、4b側に形成されても良いが、可動側の型部4a側に形成されることが好ましい。
【0037】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、型部4aに冷却用媒体及び加熱用媒体となる両構成が備わっているので、成形工程に連動して冷却用媒体と加熱用媒体とを作動させることによって、同型部4aのみの加熱及び冷却による温度制御が効率的に行われ、成形サイクルは確実に短縮化される。なお、それ以外は、上記図1、2に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
【0038】
図10は、本発明の請求項に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、可動側の型部4aが鋳込みヒータで構成されている。鋳込みヒータとは、アルミニウム等の鋳物中に電熱ヒータを埋め込んだものであり、加熱設計の自由度が高いものである。この場合、型部4aに形成される複数の通孔11には冷却用媒体となる油が流されるものであるが、該冷却用媒体としては、通孔11内に流される水、エア、或いは、ペルチェ素子等が用いられても良く、冷却可能な媒体であれば特に限定せずに用いられる。又、鋳込みヒータとなる構成は、凹凸形状2を有しない固定側の型部4b側に或いは可動側と固定側の両型部4a、4b側に形成されても良いが、可動側の型部4a側に形成されることが好ましい。
【0039】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、型部4aが鋳込みヒータで構成されているので、該型部4aの均一加熱性により加熱効率は向上し、冷却設計の自由度も向上される。なお、それ以外は、上記図1、2に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
【0040】
図11、12は、本発明の請求項に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の成形金型装置においては、可動側の型部4aに温度検出センサ23が設けられて、該型部4aの温度検出が可能な構造となっている。温度検出センサ23としては、熱電対センサ、赤外線温度センサ等が用いられ、その数は特に限定されない。又、温度検出センサ23は、凹凸形状2を有しない固定側の型部4b側に或いは可動側と固定側の両型部4a、4b側に設けられても良いが、可動側の型部4a側に設けられることが好ましい。
【0041】
したがって、該実施形態の成形金型装置においては、図12(上の線グラフ)に示す如く、温度検出センサ23による型部温度計測値が成形用の樹脂のガラス転移温度に達した時に、キャビティ1内に同樹脂を充填し、型部温度計測値が同樹脂の固化温度に達した時に、型開きを行うことができる。又、図12(下の線グラフ)に示す如く、温度検出センサ23による型部温度計測値が成形用の樹脂のガラス転移温度に達する所定時間前に、型部4aの冷却を開始し、型部温度計測値が同樹脂の固化温度に達する所定時間前に、同型部4aの加熱を開始することができる。このような成形製造方法とすることで、キャビティ1内表面の微細な凹凸形状2の転写性が更に向上され、樹脂成形品の離型性も向上される。なお、それ以外は、上記図1、2に示した実施形態と同様に構成されており、同上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
【0042】
【発明の効果】
上述の如く、本発明の請求項1記載の成形金型装置においては、キャビティ内表面に位置する型部のみを効率的に温度制御することができるので、成形サイクルを延長することなく微細な凹凸形状の転写性が向上され、バリの発生も防止されて高品質外観の樹脂成形品を容易に得ることができ、しかも、断熱材に係る部品数が少なくて済み構造は簡単となり、又、断熱層の劣化を防止することができて金型の高寿命化も図られる。
【0046】
又、本発明の請求項記載の成形金型装置においては、特に、型開き状態でキャビティ内へと隙間を通じてエアを樹脂成形品に向けて吹き出すことにより、該樹脂成形品の離型性が向上されてこれを更に容易に取り出すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図2】同実施形態である成形金型装置の別工程における状態を示す断面図。
【図3】別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図4】更に別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図5】同実施形態である成形金型装置の別工程における状態を示す断面図。
【図6】更に別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図7】同実施形態である成形金型装置の別工程における状態を示す断面図。
【図8】更に別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図9】更に別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図10】更に別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図11】更に別の実施形態である成形金型装置を示す断面図。
【図12】同実施形態である成形金型装置の動作状態を示す線グラフ。
【図13】従来例である成形金型装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 キャビティ
2 凹凸形状
3a 可動側の型板
3b 固定側の型板
4a 可動側の型部
4b 固定側の型部
5 断熱層
6 隙間
7 吸気手段
8 圧気手段

Claims (2)

  1. キャビティ内表面に微細な凹凸形状を有する該キャビティ内に樹脂が充填されて、表面に前記微細な凹凸形状が転写形成された樹脂成形品を得る成形金型装置であって、可動側の型板及び固定側の型板に設けられる両型部を対向させてキャビティを構成し、型部を温度調節可能なものとして該型部のキャビティ内表面とは反対側の外側面と型板との間に断熱層を形成すると共に、同型部の周囲に型板との間で隙間を形成し、加熱時には断熱層と隙間とにより型部のみを断熱化して加熱し、成形時には型板との間に断熱層が形成された型部の熱膨張により周囲の隙間が閉塞されて型部と型板とが接触するように成した成形金型装置。
  2. 隙間に連通する圧気手段を備えたことを特徴とする請求項記載の成形金型装置。
JP04402899A 1999-02-23 1999-02-23 成形金型装置 Expired - Lifetime JP3646552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04402899A JP3646552B2 (ja) 1999-02-23 1999-02-23 成形金型装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04402899A JP3646552B2 (ja) 1999-02-23 1999-02-23 成形金型装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000238103A JP2000238103A (ja) 2000-09-05
JP3646552B2 true JP3646552B2 (ja) 2005-05-11

Family

ID=12680200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04402899A Expired - Lifetime JP3646552B2 (ja) 1999-02-23 1999-02-23 成形金型装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3646552B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4493360B2 (ja) * 2004-02-10 2010-06-30 三菱樹脂株式会社 射出成形用金型構造
DE102005013974A1 (de) * 2005-03-26 2006-09-28 Krauss-Maffei Kunststofftechnik Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung mikro- bzw. nanostrukturierter Bauteile
JP2007152742A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Nippon A & L Kk 熱可塑性樹脂の射出成形方法および射出成形部品。
JP5250187B2 (ja) * 2006-05-31 2013-07-31 大宝工業株式会社 成形金型
JP2008105229A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Niles Co Ltd 樹脂製品の成形金型
JP4444980B2 (ja) * 2007-04-02 2010-03-31 株式会社日本製鋼所 成形体の成形用金型およびこれを用いる成形体の製造方法
JP5496649B2 (ja) * 2009-12-28 2014-05-21 株式会社富士精工 射出成形方法及び射出成形装置
CN113386305B (zh) * 2020-03-11 2023-03-10 华为技术有限公司 模具及加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000238103A (ja) 2000-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4848318B2 (ja) 成形金型の制御方法
JP3646552B2 (ja) 成形金型装置
JPS6378720A (ja) 成形金型
JPH06177190A (ja) 半導体装置の樹脂モールド方法及び樹脂モールド装置
JPS60174624A (ja) 成形用金型
JP2020040293A (ja) 射出成形品の製造方法、および金型構造
JP2008137275A (ja) 金型装置及び成形品の製造方法
JPH11291300A (ja) プラスチック射出成形用金型及びこの金型の製法並びにこの金型を用いる射出成形法
JP2562390B2 (ja) ブロー成形用断熱金型
JP2007008035A (ja) 成形金型装置
JPH11156908A (ja) 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法
JP2003112246A (ja) 金属合金射出成形用金型
JP2000000826A (ja) 成形金型
JP2013123900A (ja) 射出成形用金型
JP2002172625A (ja) 樹脂成形金型およびそれを用いて行う樹脂成形方法
JPS61121916A (ja) 成形用金型
JPS61290024A (ja) プラスチツクレンズ成形用金型
JPH08156028A (ja) 射出成形金型及び射出成形方法
JPH06218784A (ja) 射出成形装置
JP4072840B2 (ja) ブロー成形用金型
JP2511759Y2 (ja) 射出成形用金型
KR20110105134A (ko) 복수의 밴드케이블 성형용 금형
KR20060034771A (ko) 부분가열방식의 사출성형금형장치
JPH03133616A (ja) 射出成形用金型
JP3557270B2 (ja) 射出成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050131

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term