JP3645929B2 - リザーバのシール構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、リザーバ本体の開口部と該開口部に着脱自在に装着されるキャップとの間に、中央部にスリットを形成した弾性板材の周縁部を挟持し、リザーバ本体の内部をスリット及びキャップに形成した連通孔を介して大気に連通させるリザーバのシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるリザーバのシール構造は、特開平3−243454号公報により既に知られている。このリザーバのシール構造によれば、通常は弾性板材自身の弾性でスリットが閉塞しているため、リザーバに収容された作動油が外部に漏れることが防止され、リザーバの内圧が大気圧に対して増加又は減少すると、弾性板材の変形によりスリットが開いてリザーバの内部を大気に連通させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来のものは、車両の振動等により弾性板材が上下に撓むとスリットが開いてしまい、そのスリットから作動油が外部に漏出する虞があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両の振動等で弾性板材のスリットが開かないようにして作動油の漏れを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、リザーバ本体の開口部と該開口部に着脱自在に装着されるキャップとの間にゴム製の弾性板材の周縁部を挟持すると共に、その弾性板材の中央部に、通常は閉塞しているがリザーバ本体の内圧が大気圧に対して増減するとその差圧により開放するスリットを形成し、リザーバ本体の内部を、スリットとキャップの外周部に形成した大気連通路とを介して大気に連通させるリザーバのシール構造において、弾性板材の上面にスリットを囲繞するように環状リブを突設し、弾性板材を上下に撓み難くしてスリットの不要な開放を防止すべく、環状リブをキャップの下面に弾性的に当接させて弾性板材に下向きの予荷重を与え、その環状リブとキャップ間には、エアーが通過し得るエアー通路を形成したことを特徴とする。
【0006】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、弾性板材の上面に環状リブから半径方向外側に延びる複数本の放射状リブを突設したことを特徴とする。
【0007】
【作 用】
請求項1の構成によれば、環状リブをキャップの下面に弾性的に当接させることによりゴム製の弾性板材に下向きの予荷重が与えられるため、振動等により弾性板材が上下に撓み難くなってスリットの不要な開放が防止される。また、微量の作動油がスリットを通過しても、その作動油は環状リブの内側に捕捉されてキャップの外側に漏れることが防止される。
【0008】
請求項2の構成によれば、環状リブ及び放射状リブによって弾性板材の剛性が向上するため、振動による弾性板材の撓みを一層効果的に防止することができる。
【0009】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1〜図3は本発明の第1実施例を示すもので、図1はリザーバを一体に備えたマスタシリンダの全体側面図、図2は図1の要部拡大図、図3は弾性板材の全体斜視図である。
【0011】
図1に示すように、車両用ブレーキ装置のマスタシリンダMcの上部に一体に設けられたリザーバRは、カップ状に形成されて内部に作動油を収容するリザーバ本体1と、リザーバ本体1の上面開口部11 に着脱自在に螺合するキャップ2と、前記開口部11 及びキャップ2に周縁部を挟持され、リザーバ本体1からの作動油の漏れを防止しながらリザーバ本体1の内部を大気に連通させて呼吸作用を行わしめる弾性板材3と、作動油の油面のレベルを検出する周知の油面検出手段4とから構成される。
【0012】
図2及び図3から明らかなように、概略円形に形成されたゴム製の弾性板材3は、リザーバ本体1の開口部11 とキャップ2とによって挟持される環状のシール部31 を備える。キャップ2の下面と弾性板材3との間のシール性を高めるべく、シール部31 の上面に2本のシール突起32 ,33 が環状に形成されるとともに、弾性板材3をリザーバ本体1の開口部11 に対して位置決めすべく、シール部31 の下面に位置決め突起34 (図2参照)が環状に形成される。
【0013】
弾性板材3の中央部には、上下に貫通する線状のスリット35 が形成される。スリット35 は通常は閉塞しており、リザーバ本体1の内圧が大気圧に対して増加又は減少すると、その差圧により開放してエアーの通過を許容する。
【0014】
弾性板材3の上面には、前記スリット35 を囲繞するように環状リブ36 が上向きに突設される。環状リブ36 と内側のシール突起32 とが、相互に90°の角度を以て放射状に延びる4本の放射状リブ37 …により接続される。環状リブ36 の上面に上向きに突設した4個の予荷重付与突起38 …がキャップ2の下面に当接しており、これにより弾性板材3の中央部が下向きに押圧されて所定の予荷重が与えられるとともに、環状リブ36 とキャップ2との間にエアーが通過し得るエアー通路5(図2参照)が形成される。
【0015】
キャップ2の下面と弾性板材3の上面との間に形成される空間6を大気に連通させるべく、キャップ2の外周部の内面に刻設した溝21 によりリザーバ本体1外面との間に大気連通路7が形成される。
【0016】
而して、リザーバ本体1の内圧が大気圧に対して増加又は減少すると、弾性板材3の中央部に形成したスリット35 が開いてリザーバ本体1の内部がスリット35 、エアー通路5、空間6及び大気連通路7を介して大気に連通し、リザーバRの呼吸作用が支障なく行われる。
【0017】
上記呼吸作用が行われていないとき、弾性板材3のスリット35 は閉塞しており、リザーバ本体1に収容した作動油が弾性板材3の上面に漏れることはない。路面からの振動がリザーバRに入力されると、弾性板材3が上下に振動し、或いは波立った作動油が弾性板材3の下面に衝突するため、スリット35 が開いて作動油の漏れが発生する可能性がある。しかしながら、弾性板材3は環状リブ36 及び放射状リブ37 …により剛性が高められており、しかもキャップ2の下面と予荷重付与突起38 …との当接により下向きの予荷重が与えられているため、弾性板材3の振動や不要な変形による作動油の漏出が確実に防止される。
【0018】
また、微量の作動油がスリット35 を通過しても、その作動油は環状リブ36 の内側に捕捉されるため、空間6及びエアー通路7を経てリザーバRの外部に達することはない。そして、次にスリット35 が開いたときに、その作動油はスリット35 を通ってリザーバ本体1内に戻ることができる。
【0019】
次に、図4及び図5に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0020】
第2実施例の弾性板材3は、環状リブ36 の上面が放射状リブ37 …の上面よりも高くなっており、その代わりに第1実施例における予荷重付与突起38 …は設けられていない。また、環状リブ36 の内外を連通させるエアー通路5が、キャップ2の下面に半径方向に刻設した溝22 により形成される。
【0021】
而して、この第2実施例によれば、環状リブ36 の上面がキャップ2の下面に当接することにより、弾性板材3が下方に押し下げされて予荷重が加えられる。これにより、弾性板材3が振動や不要な変形を起こし難くなり、スリット35 からの作動油の漏出が防止される。しかも、キャップ2の下面に刻設した溝22 によって形成されるエアー通路5で環状リブ36 の内外が連通するので、リザーバRの呼吸作用に支障を来すことがない。
【0022】
次に、図6に基づいて本発明の第3実施例を説明する。
【0023】
第3実施例の弾性板材3の環状リブ36 は、第2実施例のものと同様に高く形成されており、その上面がキャップ2の下面に当接することにより弾性板材3に予荷重が与えられる。このとき、第2実施例においてキャップ2の下面に形成した溝22 は不要であり、環状リブ36 を横断するように形成された4個の切欠き39 …によりエアー通路が形成される。
【0024】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0025】
例えば、本発明のシール構造はブレーキ装置以外の任意の油圧機器のリザーバに対して適用することが可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載された発明によれば、リザーバ本体の開口部とキャップとの間にゴム製の弾性板材の周縁部を挟持すると共に、その弾性板材の中央部に、通常は閉塞しているがリザーバ本体の内圧が大気圧に対して増減するとその差圧により開放するスリットを形成し、リザーバ本体の内部を、スリットとキャップの外周部に形成した大気連通路とを介して大気に連通させるリザーバのシール構造において、弾性板材の上面にスリットを囲繞するように環状リブを突設し、この環状リブをキャップの下面に弾性的に当接させて弾性板材に下向きの予荷重を与えているので、振動等により弾性板材が上下に撓み難くなり、これによりスリットの不要な開放を防止して作動油の漏れを防止することができる。また、万一微量の作動油がスリットを通過しても、その作動油は環状リブの内側に捕捉されてキャップの外側に漏れることがない。更に、環状リブとキャップ間にエアーが通過し得るエアー通路を形成したので、リザーバ本体の内部を大気に連通させて呼吸作用を支障なく行わせることができる。
【0027】
また請求項2に記載された発明によれば、弾性板材の上面に環状リブから半径方向外側に延びる複数本の放射状リブを突設したので、弾性板材の剛性を向上させて振動による撓みを一層効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リザーバを一体に備えたマスタシリンダの全体側面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】弾性板材の全体斜視図
【図4】第2実施例に係る、前記図2に対応する図
【図5】第2実施例に係る、前記図3に対応する図
【図6】第3実施例に係る、前記図3に対応する図
【符号の説明】
1 リザーバ本体
11 開口部
2 キャップ
3 弾性板材
35 スリット
36 環状リブ
37 放射状リブ
5 エアー通路
7 大気連通路
Claims (2)
- リザーバ本体(1)の開口部(11 )と該開口部(11 )に着脱自在に装着されるキャップ(2)との間にゴム製の弾性板材(3)の周縁部を挟持すると共に、その弾性板材(3)の中央部に、通常は閉塞しているがリザーバ本体(1)の内圧が大気圧に対して増減するとその差圧により開放するスリット(3 5 )を形成し、リザーバ本体(1)の内部を、スリット(35 )とキャップ(2)の外周部に形成した大気連通路(7)とを介して大気に連通させるリザーバのシール構造において、
弾性板材(3)の上面にスリット(35 )を囲繞するように環状リブ(36 )を突設し、弾性板材(3)を上下に撓み難くしてスリット(3 5 )の不要な開放を防止すべく、環状リブ(36 )をキャップ(2)の下面に弾性的に当接させて弾性板材(3)に下向きの予荷重を与え、その環状リブ(36 )とキャップ(2)間には、エアーが通過し得るエアー通路(5)を形成したことを特徴とするリザーバのシール構造。 - 弾性板材(3)の上面に環状リブ(36 )から半径方向外側に延びる複数本の放射状リブ(37 )を突設したことを特徴とする、請求項1記載のリザーバのシール構造。
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