JPS5912449Y2 - 軸封装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軸静止時にはフラッパーシールのリップ部を密
接させてハウジング内部液体の漏出を防止し、かつ軸回
転時にはパッキンの螺子溝により送り込まれる空気の圧
力によって液体の漏出を阻止できるようにした軸封装置
に関する。

従来よりこの種軸封装置として軸周面にリップ部を押圧
接触させることにより密封するリップ型のシールを使用
したものや、軸周面と接触する内周面に螺子を形設した
螺子溝付パッキンを用いたものがある。

しかしながら前者はリップ部が軸周面と常時押圧接触し
ているため軸の回転時にリップ部および軸周面に摩耗損
傷を生じ、このため長期使用が不可能であって高速回転
する軸の密封には不向きなものであった。

他方、後者は軸回転時には螺子溝の作用により軸封する
ことができるものの軸静止時にハウジング内部流体の漏
出を惹起するばがりか、螺子溝に塵粉等が侵入し目詰り
を生じシール性能が著しく不安定となる欠点を有してい
た。

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、ハウジングに
固着される外殻内にハウジング内部側からフラツパーシ
ールおよび螺子溝付パッキンを設けることにより軸静止
時にはフラッパーシールにより軸周・面を密接シールす
るとともに軸回転時には螺子溝付パッキンによりその圧
送空気で内部液体の漏出が阻止でき、かつ該軸回転時の
圧送空気の圧力で上記フラッパーシールのリップ部が軸
周面から隔離され、該リップ部の摩耗損傷を防止できる
ようにしたシール性および耐久性にすぐれる軸封装置を
提供することを目的とするものであり、また他の目的は
上記パッキンの外側にダストシールを設けて、これによ
りパッキンの螺子溝に塵粉等の侵入するのを阻止し、螺
子溝の目詰りを生じない安定したシール性能を維持でき
る軸封装置を提供することにある。

つぎに本考案を図示の実施例にもとづいて説明すると、
本考案軸封装置１は軸２が貫挿されたハウジング３の軸
孔に取着されるものであり、上下面のそれぞれに軸穴４
の形或された金属製の環状外殻５内にハウジング３内部
側よりフラツパーシール６、パッキン７およびダストシ
ール８のそれぞれが積層状に固設されている。

フラツパーシール６はゴム状弾性材により形或されたも
ので径方向基部６ａの内周端よりハウジング３内部側に
屈曲して軸方向部６ｂを設け、該軸方向部６ｂを軸２周
面に密接するリップ部６Ｃを屈曲形威した断面形状略Ｌ
字状の環状体に構或されており、上記リップ部６Ｃにお
ける軸２側面にはパッキン７からの送り込まれる空気の
受圧面積を大きくするためくびり６ｄが曲或されている
。

パッキン７はテフロン等の低摩擦材料で形或されたもの
で、その軸２周面と密接する内周面には軸２の回転時に
ハウジング３内部側へ空気を送り込むような方向に螺子
溝７ａが刻設されている。

ダストシール８はフエルトもしくは不織布等の通気性材
料により形或され、上記パッキン７の螺子溝７ａにより
軸２回転時にハウジング３外部から吸引される空気を通
過して塵粉等を浄化するものである。

前記外殻５は上記の部品を積層状にして挾着固定してお
り、この外殻５のハウジング３内部側面にはフラツパー
シール６の軸方向部６ｂの形状に合わせて曲威されたハ
ット状の突出壁５ａが設けられており、この突出壁５ａ
内面とフラツパーシール６の軸方向部６ｂとの間にフラ
ツパーシール６が空気の圧力を受けた時にそのリップ部
６Ｃ側が変形できるように間隙９が形或され、かつ該突
出壁５ａの基部に間隙９に連通ずる油抜き穴１１が複数
個穿設されている。

また上記外殻５の突出壁５ａと反対側はダストシ一ト８
に重ね合わせて環状のプレー｝５ｂが固着されており、
該プレート５ｂには外部空気導入用の通気孔１０が形設
されている。

なお図中１２はフラツパーシール６に一体的に焼付けら
れた補強座金であり、また上述のフラツパーシール６お
よびダストシール８はそれぞれ軸２に対し僅かな締代を
形設しておくことが好ましい。

上記構或になる軸封装置１は軸２の静止時においてはフ
ラツパーシール６のリップ部６Ｃがその弾性力により軸
２周面を密封してハウジング３の内部液体の漏出を阻止
する。

また軸２の回転時にはパッキン７の螺子溝７ａによりハ
ウジング３の？部空気が第２図中矢印で示すように外殻
５のプレー｝５ｂの通気孔１０から吸引されダストシー
ル８により浄化されて、ついでその空気は螺子溝７ａを
通過してフラツパーシール６側へ送り込まれる。

この空気の送り込みにより軸２周面からの液体の漏出が
阻止されるのであり、パッキン７からの圧送空気がフラ
ツパーシール６のくびり６ｄに衝き当ると該部位に淀み
ができ、このためフラツパーシール６のリップ部６Ｃ側
が外径方向へ変形し軸２周面から隔離する。

このとき間隙９内に貯溜されていた液体は突出壁５ａの
油抜き穴１１を通ってハウジング３内部側へ容易に押し
戻されるので、フラツパーシール６の外方への拡張変形
が該貯溜液体により阻止されることがない。

油抜き穴１１を設定する位置を軸２の姿勢が垂直あるい
は水平のいずれの場合においてももつとも低い位置に設
定することにより、間隙９内に貯溜する液体の上面をハ
ウジング３の内部側にある液体と同位に保って間隙９内
の貯溜液量を最少に保つごとくなすと好都合である。

以上説明したように本考案は軸封機能を軸の静止時には
フラツパーシールにより、また軸の回転時には螺子溝付
のパッキンにより送り込まれる空気の圧力によりそれぞ
れ効果的に行うことができ、かつ軸回転時にはパッキン
からの空気の圧力によりフラツパーシールが軸周面と非
接触状態に変形されることからフラツパーシールの摩耗
損傷が防止でき、しかもパッキンの外側にダストシール
が設けられているので、このダストシールにより吸引さ
れた外部空気中の塵粉等が完全に浄化されることからパ
ッキンの螺子溝の目詰りが防止でき、したがって従来の
軸封装置に比してシール性および耐久性を頗る向上させ
ることができる等実用的効果の極めて大きなものである
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は正断面図
、第２図は軸回転時の正断面図である。 １・・・・・・軸封装置、２・・・・・・軸、３・・・
・・・ハウジング、４・・・・・・軸穴、５・・・・・
・外殻、６・・・・・・フラツパーシール、６ａ・・・
・・・径方向基部、６ｂ・・・・・・軸方向部、６Ｃ・
・・・・・リップ部、６ｄ・・・・・・くびり、７・・
・・・・パッキン、７ａ・・・・・・螺子溝、８・・・
・・・ダストシール、９・・・・・・間隙、゛１０・・
・・・・通気孔、１１・・・・・・油抜き穴、１２・・
・・・・補強座金。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ハウジングに固着される環状外殻内に対軸摺動面
   に螺子溝を形威したパッキンを設け、該パッキンのハウ
   ジング内部側にフラツパーシールを内設し、該フラツパ
   ーシールに軸静止時に軸局面に密接し、軸回転時にはパ
   ッキンの螺子溝から送り込まれる空気の圧力を受けて軸
   局面から隔離変形するリップ部を周設するとともに該リ
   ップ部にパッキンより送り込まれる空気の流れが該リッ
   プ部において淀み点となるようにくびりを形設したこと
   を特徴とする軸封装置。
2. （２）外殻内におけるパッキンのハウジング外側に不織
   布等通気性材料により形或され、内側面が軸周面に密接
   するダストシールを設けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の軸封装置。 ．・（３）外殻のハウジン
   グ内部側面をフラツパーシールのリップ部側がパッキン
   から送り込まれる空気の圧力を受けて軸周面より隔離変
   形するための間隙を設けてハット状に突出形威し、該ハ
   ット状突出壁基部に油抜き用の穴を穿設したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の軸封装置。