JP3645728B2 - 感光体ドラム素管の乾燥設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電写真複写機やプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に装備される感光体ドラムの製造工程における感光体ドラム素管の洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記の感光体ドラムは、例えば次のようにして製造されている。即ち、アルミニュームパイプや表面にアルマイト処理を施したパイプを素管にして、この素管内外面の異物除去ならびに脱脂のための洗浄が行われる。
【0003】
そして、素管表面の水切りが不十分であると、感光体ドラムの感光塗膜に外観不良が発生することから、この素管をフリーフローラインに溜め置いて乾燥し、十分に乾燥した素管を感光液の塗布設備に供給して、ここで素管を吊り下げ保持して感光液槽に浸し、素管表面に感光液の塗膜を形成する。
【0004】
次いで、素管の吊り下げ下端側のインロー嵌合部における感光塗膜を除去して後に、素管を乾燥設備に送り込んで、例えばエアを循環させて感光塗膜を乾燥するのであり、これによって一応は感光体ドラムの製造を完了するのであるが、工程的には最終的に、この感光体ドラムを外観検査設備に送り込んで、感光塗膜を露光する外観検査が行われるのであり、この露光に際しても、感光体ドラムが高温状態であると、感光塗膜の電気特性が劣化することから、この感光体ドラムをフリーフローラインに溜め置いて冷却するのであって、上記の露光による外観検査をパスした良品のみの感光体ドラムが製品として出荷されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の製造工程では、洗浄後の素管をフリーフローラインに溜め置いて、素管表面の水切りを自然乾燥に頼ることから、フリーフローライン設置のために広いスペースを必要とし、かつ、自然乾燥を待つ間に異物が素管表面に付着すると、これが外観不良に繋がることから、乾燥ゾーンのクリーン度を高く維持する必要もあった。
【0006】
また、感光塗膜の形成に際して、素管の温度とこれを浸す感光液の温度とに大きな差があると、膜厚ムラが発生することから、素管温度が低い場合には、感光液の塗布設備に供給する際に、改めて素管を加熱するなど、素管の温度管理も必要としたのである。
【0007】
本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、上記の不都合を合理的に解決できるようにした感光体ドラム素管の乾燥設備を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的手段は次の通りである。即ち、本発明による感光体ドラム素管の乾燥設備は、水洗いによる洗浄設備と感光液の塗布設備とにわたって、感光体ドラム素管の移送ラインを配置し、この移送ラインに、洗浄後の感光体ドラム素管を加熱乾燥して後に感光液の液温付近に冷却する、ヒーターとクーラーとを備えると共に、温度制御のためのセンサーが配置された乾燥冷却室を配設した点に特徴がある。
【0009】
上記の構成によれば、感光体ドラム素管を水洗い後に直ちに、温度制御された乾燥冷却室で、加熱乾燥し且つ冷却して、タイムラグのない状態で感光体ドラム素管を感光液の塗布設備に供給できるので、フリーフローラインが不要になる上に、異物の付着による外観不良の問題も生じなくなり、加えて、感光塗膜の膜厚ムラも生じなくなり、全体として歩留りの向上が達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は感光体ドラム1を示し、図2は感光体ドラム1の製造設備2を示すもので、感光体ドラム1は、例えばアルミニュームパイプを感光体ドラム素管3にして、この素管3の外表面に感光塗膜4を形成して成る。
【0011】
感光体ドラム1の製造設備2を示す図2において、図中の5は素管表面の異物除去ならびに脱脂のための素管洗浄設備で、素管投入装置6から導入された素管3は、洗浄室7にて脱脂洗浄処理が行われる。
【0012】
そして、洗浄装置内部には、1本あるいは複数本(この実施の形態では並べて2本)の素管3を立ち姿勢で保持する素管保持治具が設けられており、また、洗浄室7内には、洗浄待機部に搬入された並べて2本の素管3を、その上端側を吊り下げ保持して洗浄装置内部の素管保持治具に順次、立ち姿勢にして預け渡す移送ラインが設けられている。尚、素管3の取り出しを完了したパレットは、搬入出装置によって受渡しポジションAに戻される。
【0013】
8は洗浄後の素管3を乾燥するための素管乾燥設備で、図3に示すように、それぞれ断熱構造の乾燥室9と冷却室10とを順次、前記洗浄室7に連ねて設置すると共に、この乾燥ならびに冷却室9,10内に、洗浄後の素管3を並べて2本、立ち姿勢に保持する素管保持治具21を配設し、かつ、それぞれ加熱乾燥用のエアと冷却用のエアとを素管3の上方から下方に向けて供給するエア循環装置11,12を備えている。
【0014】
上記の加熱乾燥用エアの循環装置11は、乾燥室9を幅方向で二分するように内板13を設けて、乾燥室側壁と内板13とによって素管3の設置空間を形成し、この空間と連結してヒーターユニット14を設置すると共に、素管設置空間の上部にHEPAフイルター15を設置し、かつ、前記ヒーターユニット14を通して加熱されたエアを、フイルター15を介してブロア16により、素管3に対して上方から下方に循環供給させるように構成している。
【0015】
冷却用エアの循環装置12は、構成的には、加熱乾燥用エアの循環装置11と同じであって、上記のヒーターユニット14に代えてクーラー(仮想線で示している。)17を備える点と、循環エアの温度を制御するための小容量のヒーター(図示を省略)を備える点で異なるだけで、素管3に対して冷却エアを上方から下方に循環供給させるように構成されている。
【0016】
尚、乾燥室9では、素管3の洗浄水分除去のために、例えば100〜170℃の範囲で10〜60分間の乾燥を行うようにヒーターユニット14が温調制御され、冷却室10では、例えば100〜170℃の範囲で加熱された素管3を、後述する塗布設備18の貯留槽内の感光液の液温付近にまで冷却するように、クーラー17と図示を省略したヒーターとにより温調制御されるのであって、その温調制御のためのセンサーが乾燥冷却室9,10に配置されている。
【0017】
従って、上記構成の素管乾燥設備8によれば、感光体ドラム素管3を水洗い後に直ちに加熱乾燥し且つ冷却して、この素管3をタイムラグのない状態で感光液の塗布設備18に供給できるので、従来のように、洗浄後の素管を自然乾燥させるためのフリーフローラインが不要になり、しかも、異物の付着による外観不良の問題も生じなくなる上に、感光塗膜6の膜厚ムラも生じなくなることから、歩留りの向上が達成されるのである。
【0018】
上記感光液の塗布設備18は、感光液の貯留槽と洗浄装置とを備えており、マニピュレーター19を通して導入された素管3を吊り下げ保持して、これを貯留槽に浸し、素管3表面に感光液の塗膜4を形成すると共に、この素管3を洗浄装置に移送して、ここで素管3の吊り下げ下端側の感光塗膜4を除去する。
【0019】
図2に戻って、図中の20は、素管表面の感光塗膜4を乾燥するための乾燥設備であって、この乾燥設備20によって感光塗膜4の乾燥を終えることで、感光体ドラム1の製造を完了するのであるが、工程的には最終的に、感光塗膜4を露光する外観検査設備21に感光体ドラム1が送り込まれて、外観検査をパスした良品のみの感光体ドラム1が製品として出荷されるのである。
【0020】
上記の構成による感光体ドラム1の製造設備によれば、素管3は洗浄室7に搬入されて、異物除去ならびに脱脂の洗浄が行われ、次いで素管3は、乾燥設備8に搬入されて加熱乾燥の処理が成され、かつ、塗布液温付近にまで冷却されて、感光液の塗布設備18に搬入され、ここで感光液の貯留槽に浸されて、素管表面に感光塗膜6が形成されると共に、吊り下げ下端側の感光塗膜6が洗浄除去されるのである。
【0021】
そして、表面に感光塗膜4が形成された素管3ひいては感光体ドラム1は、乾燥設備20に搬入されて、素管表面の感光塗膜4が乾燥され、かつ、常温付近まで冷却されて、搬出ポジションBに取り出され、外観検査設備21に送り込まれて、外観検査が行われるのであって、外観検査をパスした良品のみの感光体ドラム1が製品として取り扱われるのである。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、水洗い後の感光体ドラム素管を、直ちに、温度制御された乾燥冷却室で、加熱乾燥し且つ冷却して、この感光体ドラム素管をタイムラグのない状態で感光液の塗布設備に供給できることから、従来の素管を自然乾燥させるためのフリーフローラインはもとより、それの設置スペースが不要になり、しかも、異物の付着による外観不良の問題も生じなくなる上に、感光塗膜の膜厚ムラも生じなくなることから、歩留りの向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 感光体ドラムの断面図である。
【図2】 感光体ドラムの製造設備の概略平面図である。
【図3】 冷却室の構成を兼ねて示す乾燥室の断面図である。
【符号の説明】
1…感光体ドラム、3…感光体ドラム素管、5…水洗いによる洗浄設備、9…乾燥室、10…冷却室、18…感光液の塗布設備。
Claims (1)
- 感光体ドラムの製造工程における感光体ドラム素管の乾燥設備であって、水洗いによる洗浄設備と感光液の塗布設備とにわたって、感光体ドラム素管の移送ラインを配置し、この移送ラインに、洗浄後の感光体ドラム素管を加熱乾燥して後に感光液の液温付近に冷却する、ヒーターとクーラーとを備えると共に、温度制御のためのセンサーが配置された乾燥冷却室を配設して成ることを特徴とする感光体ドラム素管の乾燥設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02260799A JP3645728B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 感光体ドラム素管の乾燥設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02260799A JP3645728B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 感光体ドラム素管の乾燥設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000221717A JP2000221717A (ja) | 2000-08-11 |
JP3645728B2 true JP3645728B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=12087540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02260799A Expired - Fee Related JP3645728B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 感光体ドラム素管の乾燥設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3645728B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105444547A (zh) * | 2015-12-29 | 2016-03-30 | 天津市天鹏建筑器材有限公司 | 一种建材烘干设备 |
-
1999
- 1999-01-29 JP JP02260799A patent/JP3645728B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN105444547A (zh) * | 2015-12-29 | 2016-03-30 | 天津市天鹏建筑器材有限公司 | 一种建材烘干设备 |
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