JP3645407B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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JP3645407B2 JP30543497A JP30543497A JP3645407B2 JP 3645407 B2 JP3645407 B2 JP 3645407B2 JP 30543497 A JP30543497 A JP 30543497A JP 30543497 A JP30543497 A JP 30543497A JP 3645407 B2 JP3645407 B2 JP 3645407B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料を噴出して燃焼させる燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に従来の液体燃料を噴出して燃焼させる燃焼装置の構成図を示す。1は液体燃料を気化してガス化するための気化部で、この気化部1で気化された燃料ガスは加圧されてノズル2より垂直方向に噴出し、その際に生じるエジェクター効果で吸引した一次空気とともに前記気化部1に一体形成された混合管3内に供給して、この混合管3内で燃料ガスと一次空気を混合し、混合管3の上部開口部より有天筒状のバーナ筒4に噴出する。噴出した混合ガスはバーナ筒4の天部で折り返し下向きに流れ、バーナ筒4の下方周壁に設けた多数の炎口5から噴出し、燃焼するようになっている。燃焼後は受熱部6を介して炎口5に形成した火炎から熱回収を行い、気化部1を高温に保つようにしてヒータ7への通電の一部あるいは全部を軽減するようにしている。
【0003】
図6はバーナ筒4の斜視図であり、このバーナ筒4には炎口ネット8が圧入して張接してあり、炎口5を覆っている。
【0004】
図5は炎口ネット8の斜視図であり、金属線を斜めに2方向から配して編み平板状に形成した金網を、接合部9で両端を溶接して円筒状に形成してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の燃焼装置は、燃焼可変巾を大きくとった場合、微弱燃焼などの発熱量が小さいときに炎口5に形成される火炎からの熱回収が十分にできず、熱回収のみで気化部1を高温に保つことが不可能となる。このためヒータ7への通電により気化部1を加熱することとなり消費電力が増大することになる。この問題を解消するためには炎口5と気化部1の距離を近づけ、熱伝達の効率を上げる必要があった。また、炎口ネット8は燃焼と停止の繰り返しによるヒートサイクル印加時においてもバーナ筒4に密着させる必要があり、バーナ筒4に圧入して張設してある。このため、炎口ネット8は図5に示すように、圧入しやすいように金属線を斜め2方向から編んで円周方向に伸びやすい構成としてあり、圧入時には炎口ネット8は円周方向に伸ばされ、垂直方向に縮むという特性をもっていた。また、炎口ネット8の接合部9も同様にヒートサイクル印加時に外れないようにする必要があり、溶接強度を高め確実に接合するようにしている。このため、炎口ネット8を圧入するとき、接合部9は円周方向、垂直方向で伸縮しないため、図6に示すように接合部9の垂直方向寸法8aは他の円周部の垂直方向寸法8bに比べて大きくなり、この部分で圧入寸法が規制されることになる。つまり、圧入時に接合部9の下端部9aがバーナ筒4のフランジ部10に当接するためそれ以上圧入することができず、他の円周部の下端部とフランジ部10の間に隙間10aが発生する。この隙間10aが大きいと、炎口5の位置をフランジ部10に接近させた場合、炎口5が炎口ネット8よりはみ出て、炎口5全体を炎口ネット8が十分に覆うことができなくなる。つまり、炎口5の位置は接続部9の垂直方向寸法9aで規制されることになり、炎口5と気化部1の距離を近づけて熱伝達効率を向上させるということが困難となり、微弱燃焼時にヒータ7の通電が必要となって、消費電力を低減しつつ燃焼可変巾を拡大するということができないという問題を有するものであった。
【0006】
また、炎口ネット8の圧入時に接合寸法の短い接合部9のみが部分的にバーナ筒4のフランジ部10に当接するため、変形してバーナ筒4と炎口ネット8の密着を阻害するという問題もあった。
【0007】
また、隙間10aが大きいため、炎口5の下端部と炎口ネット8の下端部との距離8cが小さくなって、炎口5に形成される火炎の影響を大きく受け、炎口ネット8の温度が上昇し、劣化しやすく、ヒートサイクル印加による変形なども発生しやすくなるという問題も有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、ノズルより噴出した燃料と一次空気を混合する混合管と、この混合管を覆うように配設し、その下部周壁に前記混合ガスを噴出する多数の炎口を形成した有天筒状のバーナ筒と、このバーナ筒の炎口を覆う如くその周壁に張設した炎口ネットを備え、前記炎口ネットは斜めに配した金属線を互いに交差させながら編んで平板状にした金属を継ぎ合わせて円筒状にするとともに、円周状の適所から継ぎ目部までの巾寸法を上下対称に徐々に小さくし、前記バーナ筒に圧入張設したとき継ぎ目部と他の円周部の巾が略同一になるようにするとともに、炎口ネット下端部周囲とバーナ筒フランジ部の隙間及び炎口と炎口ネットの寸法関係が全周にわたり略均一となるようにしている。
【0009】
上記発明によれば、バーナ筒に炎口ネットを圧入して張設した場合、炎口ネットの継ぎ目部と他の円周部の巾が略同一になるように、予め継ぎ目部近傍の巾を徐々に小さくしてあるので、圧入後の炎口ネットとバーナ筒のフランジ部の隙間が全周にわたり略均一となり、炎口と炎口ネットを所定の寸法関係で確実に密着させることができ、炎口ネットの継ぎ目部寸法を炎口より大きく設定しておけば、気化部の熱回収を高める目的で炎口をフランジ部に近づけた場合でも炎口が炎口ネットからはみ出ることがなく、安定した燃焼を確保しつつ、炎口で形成する火炎の熱回収を効果的に行うことができ、気化部への熱伝達効率を向上して微弱燃焼時におけるヒータ通電による気化部の加熱をなくすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1の燃焼装置は、ノズルより噴出した燃料と一次空気を混合する混合管と、この混合管を覆うように配設し、その下部周壁に前記混合ガスを噴出する多数の炎口を形成した有天筒状のバーナ筒と、このバーナ筒の炎口を覆う如くその周壁に張設した炎口ネットを備え、前記炎口ネットは斜めに配した金属線を互いに交差させながら編んで平板状にした金属を継ぎ合わせて円筒状にするとともに、円周状の適所から継ぎ目部までの巾寸法を上下対称に徐々に小さくし、前記バーナ筒に圧入張設したとき継ぎ目部と他の円周部の巾が略同一になるようにするとともに、炎口ネット下端部周囲とバーナ筒フランジ部の隙間及び炎口と炎口ネットの寸法関係が全周にわたり略均一となるようにしている。
【0011】
そして、バーナ筒に炎口ネットを圧入して張設した場合、炎口ネットの継ぎ目部と他の円周部の巾が略同一になるように、予め継ぎ目部近傍の巾を徐々に小さくしてあるので、圧入後の炎口ネットとバーナ筒のフランジ部の隙間が全周にわたり略均一となり、炎口と炎口ネットを所定の寸法関係で確実に密着させることができ、炎口ネットの継ぎ目部寸法を炎口より大きく設定しておけば、気化部の熱回収を高める目的で炎口をフランジ部に近づけた場合でも炎口が炎口ネットからはみ出ることがなく、安定した燃焼を確保しつつ、炎口で形成する火炎の熱回収を効果的に行うことができ、気化部への熱伝達効率を向上して微弱燃焼時におけるヒータ通電による気化部の加熱をなくすることができる。
【0016】
また、請求項の燃焼装置は、炎口ネットはバーナ筒に圧入するときの拡管率に応じて巾寸法を変更する長さを設定するようにしている。
【0017】
そして、バーナ筒の大きさや圧入度合いを変更した場合でも圧入後の炎口ネットの巾を略均一に確保するようにして炎口と炎口ネットを所定の寸法関係で確実に密着させるようにしている。
【0018】
【実施例】
以下本発明の一実施例について添付図面に基づいて説明する。
【0019】
まず、図4を用いて本発明の燃焼装置を用いた温風暖房機の構成を説明すると、11は本体ケースで、その下方側部に液体燃料を保有するタンク12とそのタンク12上部に着脱自在なカートリッジタンク13が配設してある。14はタンク12の上面に取付けたポンプで、その上端から送油パイプ15を導出して燃焼装置16に燃料を供給するようになっている。17は燃焼装置16からの燃焼ガスを上方へ導く燃焼筒で、その背部に室内空気流を取入れ送出する送風機18が配設してある。19は上記燃焼筒17からの燃焼ガスと室内空気流を混合して温風にするダクトである。20は前記燃焼装置16の燃焼や送風機18を制御する制御部で、操作部から入力される運転条件信号に基づいてポンプ14や送風機18などを予め決められたシーケンスで制御するようになっている。
【0020】
次に上記燃焼装置16の構成を図3を用いて説明すると、21は略リング状のバーナ受け座で気化部31に一体形成してある。22は前記ポンプ14から気化部31に燃料を供給する送油パイプであり、23は上記気化部31内に設けた気化素子で、前記送油パイプ22から供給された燃料の気化効率を上げるためのものである。24は気化部31の温度を検出するサーミスタなどの温度検出手段であり、この入力に基づく制御部20からの出力によってヒータ37が制御されるようになっている。
【0021】
混合管33はノズル32の上方に位置する如くバーナ受け座21に載置した無底筒状になっており、上部が若干大径になる上向きテーパー状に形成してある。この混合管33は入口部がスロート形状に形成されていて、前記ノズル32と対向しており、ノズル32から噴出された燃料ガスとその燃料ガスの噴出によるエジェクター効果で吸引する一次空気とを混合させるようになっている。
【0022】
有天筒状のバーナ筒34は前記混合管33を覆う如くバーナ受け座21に重ねて覆着しており、その上部はテーパ形状としてあり、下部周壁は多数の縦長の炎孔35を設けている。25は炎孔35の外周部を囲む如くバーナ受け座21に取り付けた上向きテーパー状のバーナリング、受熱部36はバーナ受け座21に一体形成してある。
【0023】
図2はバーナ筒34の斜視図であり、このバーナ筒34の外周には炎口ネット26が圧入して張設してあり、炎口35を覆っている。図1はこの炎口ネット26の斜視図である。前記炎口ネット26は金属線を斜めに2方向から配して編み、平板状に形成した金網を、接合部27で両端をスポット溶接して円筒状に形成してある。
【0024】
ここで、前記炎口ネット26は金属線を斜めに2方向から配して編んでいるために、圧入時には円周方向に伸ばされ、垂直方向に縮むという特性をもっている。しかし、炎口ネット26の接合部27は外れないように充分に溶接してあるため、円周方向にも伸びず、また垂直方向にも縮まないので、バーナ筒34に炎口ネット26を圧入して張設した場合に、図2に示すように炎口ネット26の溶接部27の巾26aと他の円周部の巾26bがほぼ同一となるように、予め、溶接部27を中心に所定の範囲28において、他の円周部の巾26dから接合部27の巾26cになるように徐々に小さくして形成してある。従って、炎口ネット26とバーナ筒34のフランジ部40のすきま40aは全周にわたりほぼ同一となる。また、前記所定の範囲28における炎口ネット26の形状変更は両端部において対称に行うようにしているため、炎口ネット26の上端部も均一に張設されることになる。また、炎口ネット26の圧入寸法を炎口ネット26の下端部がバーナ筒34のフランジ部40に略当接するようにして、隙間40aがない状態にすることで炎口35をバーナ筒34の下方に配設するようにしている。
【0025】
また、炎口ネット26の圧入時の拡管率に応じて、形状変更をする範囲28を調節することで、どのような条件においても炎口ネット26の巾を略均一に張設するようにしている。
【0026】
上記構成において、カートリッジタンク13から一定油面を保つようにタンク12に供給されている液体燃料はポンプ14によってタンク12から吸い上げられ、送油パイプ15を介して燃焼装置16の気化部31に送られる。送られた燃料はヒータ37で所定温度以上に保たれた気化部31内で気化し、高圧の燃料ガスとなってノズル32から噴出され、その際エジェクター効果により一次空気を吸引しながら気化部31の下流側に設けた混合管33内で混合されてバーナ筒34内に供給され、炎孔35から噴出して燃焼される。そして生じた燃焼ガスは燃焼筒17の上方へ流れてダクト19内で送風機18からの室内空気流と混合され、温風として放出され暖房に利用される。そして、制御部20は操作部で設定された条件に基づいて、ヒータ7、ポンプ14、送風機18などを予め決められたシーケンスで制御して、運転の開始、停止、また燃焼量の可変等の運転制御をする。
【0027】
次に、燃焼装置16における燃焼動作の詳細について説明すると、ノズル部32より噴出された燃料ガスは、エジェクタ効果により一次空気を吸引しながら気化部31の下流側に設けた混合管33内へ流れ込んでここで混合され、混合管33の上開口部からバーナ筒34内に放出されて混合管33外周を折り返し流れ、バーナ筒34の下方周壁に設けた多数の炎孔35から均一に噴出するようになる。そしてこの火炎はその外周に位置するように設けたバーナリング25によって上方向きになるようその火炎形成方向を制御され、リフトのない安定した燃焼を行うようになる。
【0028】
また、受熱部36はバーナ筒34の炎孔35に形成される火炎で加熱され、この火炎からの熱回収作用によって、気化部31の温度を一定温度以上に保つようになり、ヒータ37への通電の一部或いは全部を軽減することが可能となる。
【0029】
ここで、炎口ネット26とバーナ筒34のフランジ部40の隙間40aは全周にわたりほぼ同一で小さく形成されているため、炎口35が炎口ネット26からはみ出ないように、炎口35の下端と炎口ネット26の下端との距離26eを確保したまま、従来の燃焼装置よりも炎口35の位置をバーナ筒34のフランジ40に近づけることができる。従って炎口35と気化部31との距離を近づけることができるため、熱伝達の効率を上げることができ、微弱燃焼時の発熱量を小さくしても、気化部31の温度を一定温度以上に保つことができ、ヒータ37への通電の一部或いは全部を軽減することが可能となる。つまり、消費電力を少なくしつつ燃焼可変巾を広くとることができる。
【0030】
また、炎口ネット26の圧入時、炎口ネット26の接合部27の下端27aは他円周部よりも先にフランジ部40に接触することがないため、接合部27は変形しにくい構成となっている。従って、バーナ筒34に炎口ネット26を安定して密着させることができる。
【0031】
また、炎口35の下端と炎口ネット26の下端との距離26eを充分に確保することができるため、炎口35に形成される火炎が接触しない温度の低いバーナ筒34の下部周壁にかかる炎口ネット26の面積が増加し、炎口ネット26の温度が低下するため、炎口ネット26が劣化しにくく、ヒートサイクル時にも変形が発生しにくい構成となっている。
【0032】
また、炎口ネット26の両端の角29は90°ではなく鈍角となっているため、両端の角29付近の金属線は90°の時よりも長く保持され、角29から金属線が脱落しにくいようになっている。
【0033】
なお、上記実施例では液体燃料をガス化させる方式の燃焼装置で説明したが、これはガスを直接燃焼させる燃焼装置であってもよく、またその他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように請求項1の燃焼装置によれば、バーナ筒に炎口ネットを圧入して張設した場合、炎口ネットの継ぎ目部と他の円周部の巾が略同一になるように、予め継ぎ目部近傍の巾を徐々に小さくしてあるので、圧入後の炎口ネットとバーナ筒のフランジ部の隙間が全周にわたり略均一となり、炎口と炎口ネットを所定の寸法関係で確実に密着させることができ、炎口ネットの継ぎ目部寸法を炎口より大きく設定しておけば、気化部の熱回収を高める目的で炎口をフランジ部に近づけた場合でも炎口が炎口ネットからはみ出ることがなく、安定した燃焼を確保しつつ、炎口で形成する火炎の熱回収を効果的に行うことができ、気化部への熱伝達効率を向上して微弱燃焼時におけるヒータ通電による気化部の加熱をなくすることができる。
【0037】
また、請求項の燃焼装置によれば、バーナ筒の大きさや圧入度合いを変更した場合でも圧入後の炎口ネットの巾を略均一に確保するようにして炎口と炎口ネットを所定の寸法関係で確実に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の燃焼装置における炎口ネットの斜視図
【図2】同燃焼装置のバーナ筒の斜視図
【図3】同燃焼装置の断面図
【図4】同燃焼装置を用いた温風暖房機の要部断面図
【図5】同燃焼装置の炎口ネットの斜視図
【図6】同燃焼装置のバーナ筒の斜視図
【図7】従来の燃焼装置の断面図
【符号の説明】
26 炎口ネット
26c 炎口ネット接合部の巾
27 炎口ネットの接合部
31 気化部
33 混合管
34 バーナ筒
35 炎口
40 バーナ筒のフランジ部
40a 炎口ネットとフランジ部の隙間

Claims (2)

  1. ノズルより噴出した燃料と一次空気を混合する混合管と、この混合管を覆うように配設し、その下部周壁に前記混合ガスを噴出する多数の炎口を形成した有天筒状のバーナ筒と、このバーナ筒の炎口を覆う如くその周壁に張設した炎口ネットを備え、前記炎口ネットは斜めに配した金属線を互いに交差させながら編んで平板状にした金属を継ぎ合わせて円筒状にするとともに、円周状の適所から継ぎ目部までの巾寸法を上下対称に徐々に小さくし、前記バーナ筒に圧入張設したとき継ぎ目部と他の円周部の巾が略同一になるようにするとともに、炎口ネット下端部周囲とバーナ筒フランジ部の隙間及び炎口と炎口ネットの寸法関係が全周にわたり略均一となるようにしたことを特徴とする燃焼装置。
  2. 炎口ネットはバーナ筒に圧入するときの拡管率に応じて巾寸法を変更する長さを設定するようにした請求項1記載の燃焼装置。
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