JP3645111B2 - 孔版印刷方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版原紙とトナーを用いて被印刷体上に印刷を施す孔版印刷方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トナーを画像形成材料として用いる孔版印刷方法としては、静電孔版印刷が知られている。この方法では、穿孔画像が形成された孔版原紙の上にトナーを置き、孔版原紙の下面側に用紙を置き、トナーと用紙の間に高電圧をかける。トナーは帯電して孔版原紙の穿孔画像を通過して用紙に転移し、用紙の表面に画像を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記静電孔版印刷は、液状のインキを用いた孔版印刷に比べて、裏写り等の問題がないという利点があるが、高電圧回路のような複雑で高価な装置を必要とするという問題があった。また、湿度が高い時などはトナーの粒子が凝集して大きくなり、静電力では移動しにくくなるとともに、孔版原紙の穿孔画像を通過しにくくなって、その結果得られる画質に問題が生じることがあった。また、トナーが被着するのは用紙の表面であり、こすると画像が消えやすいという問題もあった。
【0004】
本発明は、構造が簡単であり、条件に係わらず画質が良好で耐久性のある画像が形成できる孔版印刷方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された孔版印刷方法は、穿孔画像が形成された孔版原紙の一方の面にトナー(2)を供給し、前記孔版原紙の他方の面に、所定の透気度を有する被印刷体(印刷用紙P)の一方の面を重ねて設置し、前記被印刷体の他方の面に吸引力を作用させることにより、前記トナーが大気圧により穿孔画像を通過して前記被印刷体に付着することを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載された孔版印刷方法は、請求項1記載の孔版印刷方法において、前記トナー(2)が前記被印刷体(印刷用紙P)の前記一方の面から内部に入り込むように吸引を行い、その後に前記被印刷体を加熱することによって前記トナーを被印刷体に定着させることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載された孔版印刷方法は、請求項1記載の孔版印刷方法において、前記孔版原紙の一方の面に供給された前記トナー(2)に静電力を与えてクラスタ状態とすることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載された孔版印刷装置は、穿孔画像が形成され、一方の面にはトナー(2)が供給され、他方の面には所定の透気度を有する被印刷体(印刷用紙P)の一方の面が接触する孔版原紙(41,52)と、前記トナーが大気圧により穿孔画像を通過して前記被印刷体に付着するように、前記被印刷体の他方の面に吸引力を作用させる吸引手段(7,35,45,60)とを有している。
【0009】
請求項5に記載された孔版印刷装置は、請求項4記載の孔版印刷装置において、自身の中心軸線の回りに回転駆動されるトナー通過性の周壁(1b,30b)を有し、前記周壁の外周面には前記孔版原紙が巻装され、前記周壁の内周面には前記トナー(2)が設けられる印刷ドラム(1,30)と、前記印刷ドラムの近傍に設けられ、前記印刷ドラムに同期して駆動されて前記印刷ドラムとの間に前記被印刷体を挟んで搬送する搬送手段(6,回転ローラ36)とをさらに有している。そして、前記吸引手段(7,35)が前記搬送手段に設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載された孔版印刷装置は、請求項4記載の孔版印刷装置において、一方の面に前記孔版原紙(41)を平面状に保持し、内部に前記トナー(2)を収納する収納体(枠状台紙42)と、前記収納体の他方の面に設けられて前記トナーを密閉するシート材(トナー不透過性フィルム43)とをさらに有している。そして、前記吸引手段(45)が、前記被印刷体の他方の面に沿って移動可能とされていることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載された孔版印刷装置は、請求項4記載の孔版印刷装置において、開口部(51a)に前記孔版原紙(52)を平面状に保持し、内部に前記トナー(2)を収納し、外気が流入する弁(54)を備えた剛性の収納体(51)と、前記トナーが帯電してクラスタとなるように前記収納体に静電位を加える静電位付与手段(55)とをさらに有することを特徴としている。
【0012】
本発明の孔版印刷装置で使用されるトナーとは、色材の粒子に樹脂を被覆した画像形成材料を意味する。色材としては、カーボン粒子のような黒色顔料でもよいし、その他の色彩の顔料でもよい。顔料及び樹脂の材質は問わない。
【0013】
一方の面に多量のトナーが保持された孔版原紙の他方の面に、通気性を有する被印刷体の一方の面を接触させる。吸引手段を用い、被印刷体の他方の面から吸引する。トナーは大気圧で孔版原紙の穿孔画像を通過し、被印刷体へ移動してそこに付着する。このとき、トナーには大気圧で吸引される方向にのみ力が加えられるので、トナーが周囲に広がり漏れるなどのおそれがない。また、微視的に見ると、孔版原紙から被印刷体に付着する際、トナーは被印刷体の厚み方向に力を受けている。このため、鮮明な印刷画像が得られる。より強い吸引力を作用させれば、トナーは被印刷体の内部に確実に固定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の孔版印刷装置の第1実施形態を示す断面図である。
印刷ドラム1は、多数の微細な孔を有するトナー通過性の周壁1bを備えている。印刷ドラム1は中心軸1aを中心として図中矢印方向に回転駆動される。印刷ドラム1の周壁1bに沿って略環状の空間が形成されている。この空間には印刷用のトナー2が充填されている。
【0015】
印刷ドラム1の周壁1bには、穿孔画像が形成された孔版原紙が巻き付けられている。この孔版原紙の端部は着版手段3のクランプ板3aに係止される。この印刷ドラム1は装置に対して着脱自在であり、トナー2の色変更時や補充時に装置から取り外される。
【0016】
印刷ドラム1の下方には所定間隔をおいて被印刷体(印刷用紙)Pの吸引搬送手段5が設けられている。この吸引搬送手段5は、搬送手段6と吸引手段7で構成されている。
【0017】
搬送手段6は一対の搬送ローラ6a間に搬送ベルト6bが掛け渡されてなる。搬送ベルト6bには多数の孔が形成されている。搬送ベルト6b下面には吸引手段7が設けられる。
【0018】
吸引手段7は、印刷用紙Pを搬送するために機能する搬送吸引部と、トナーを印刷用紙Pに付着させるための吸引力を提供するための印刷吸引部とで構成される。
【0019】
搬送吸引部は、吸引ポンプ8により搬送ベルト6bの上部の搬送面を吸引する。吸引ポンプ8の吸引力は、印刷用紙Pを搬送ベルト6bに吸着させて搬送させる程度の比較的低い吸引力である。
【0020】
印刷吸引部は、印刷ドラム1の対向位置に開孔部9aが形成された吸引ダクト9を有する。この開孔部9aは、印刷ドラム1の中心軸1aに沿って形成されたスリットである。吸引ダクト9には吸引ポンプ10が接続されている。吸引ポンプ10の吸引力は、印刷用紙P及び孔版原紙を介して印刷ドラム1内部のトナー2を吸引できる程度の比較的高い吸引力である。
【0021】
吸引ポンプ8,10はピストン式のポンプである。しかし、印刷ドラム1の回転及び吸引ポンプ8,10の作動を手動で行えるようにしてもよい。この他、吸引ポンプ8,10としては、バイモルフポンプやファンモータを用いてもよい。
【0022】
この吸引搬送手段5は、図示しない昇降機構により全体が印刷ドラム1方向に昇降自在であり、印刷用紙Pの搬送に同期して上昇し、印刷用紙Pを印刷ドラム1に押圧する。また、搬送後に下降して着版手段3との干渉を避ける。
【0023】
給紙ローラ手段11は、給紙台上の印刷用紙Pを印刷ドラム1方向に給紙搬送する。ヒートローラ13は、トナーの画像が形成された印刷用紙Pを挟持して搬送する間に加熱する。加熱されたトナーは印刷用紙に定着する。排紙台12には、ヒートローラ13から送りだされた定着後の印刷用紙Pが排紙積載される。
【0024】
上記印刷用紙Pは、紙等の多孔質材料からなり、所定の透気度を有している。印刷用紙Pの透気度(t)は、JIS P 8117−1980に規定された図2に示すガーレー式デンソメータを用いて測定される。
【0025】
このガーレー式デンソメータ20は、一定量の空気が試験片の一定面積を通過するに要する時間を測定するものである。このデンソメータ20は、ベース23を有している。ベース23の下部には締付機構24が固定されている。締付機構24はねじによって上下に移動できる。締付機構24の上部にはガスケット25が設けられている。ベース23の上部には外筒21が固定されている。外筒21は同心円の二重筒構造になっている。即ち、外筒21の中央には通気筒26がある。外筒21の上端は開口しており、下端は閉じている。通気筒26の上端は開口しており、下端は外筒21の底面を貫通して開口している。外筒21と通気筒26の間にはスピンドル油が満たされている。内筒22は上端が閉止され、下端が開口している。この内筒22は、外筒21の上端から外筒21の内部に挿入されている。
【0026】
試験は次のように行う。試験片としての印刷用紙Pをガスケット25の上に載せ、締付機構24によって通気筒26の開口した下端に密着させる。それから、内筒22をしずかに外筒21内に挿入し、油中に浮かす。外筒21が沈むにつれて内部の空気は通気筒26を経て印刷用紙Pを通過して外に出る。観察者は、外筒22に設けられた目盛りを見ながら、100mlの空気通過時間(秒)を測定する。この空気通過時間(秒)が前記透気度(t)である。
【0027】
本発明で用いる印刷用紙Pは汎用のものであり、透気度tは9〜60(秒)のものが用いられる。より好ましい範囲は15〜40(秒)である。
【0028】
また、本例で使用するトナーは、静電複写機(PPC)に用いられているトナーでよい。但し、本例は、静電力を利用した印刷方法ではないので、トナー自体に細かい静電特性は要求されない。色材と熱溶融性の樹脂が単に混ざった状態でも使用可能である。
【0029】
次に、上記構成による装置の動作を説明する。
印刷ドラム1の周壁1bに製版済の孔版原紙を装着する。この印刷ドラム1を回転駆動させる。給紙手段11が印刷用紙Pを印刷ドラム1と吸引搬送手段5の間に給紙する。この印刷用紙Pは、吸引搬送手段5の吸引ポンプ8により搬送ベルト6bに吸着された状態で搬送される。
【0030】
次に、吸引搬送手段5が不図示の昇降機構により上昇する。印刷用紙Pは、吸引搬送手段5により印刷ドラム1に押しつけられる。この押圧力は印刷用紙Pが印刷ドラム1の孔版原紙に接する程度の低い力でよい。
【0031】
この状態で吸引搬送手段5の吸引ポンプ10が作動する。印刷ドラム1内のトナー2が大気圧で開孔部9a側に吸引される。このトナー2は孔版原紙の穿孔部分を通過し、印刷用紙Pに付着する。即ち、吸引ダクト9は、印刷用紙Pの裏面側から、印刷用紙Pと孔版原紙を挟んで印刷ドラム1内のトナー2を吸引する。
【0032】
吸引ダクト9の開孔部9aは、孔版原紙の印刷領域よりも小さく、印刷ドラム1の回転及び印刷用紙Pの搬送に伴って順次孔版原紙の穿孔画像に対応した印刷画像を印刷用紙P上に形成していく。印刷後の印刷用紙Pは、ヒートローラ13に挟まれて搬送される間に加熱される。印刷用紙Pに付着しているトナー2は、加熱によって溶融したのち固化し、印刷用紙Pに定着する。この印刷用紙Pは、排紙台12に順次排紙される。
【0033】
上記構成によれば、トナー2は大気圧により孔版原紙の穿孔部を通過して印刷用紙P上に付着するため、トナー2は大気圧で吸引される方向にのみ移動する。よって、トナー2は印刷用紙Pの面方向に広がって漏れるおそれがない。また、吸引力を適当にすれば、トナー2は印刷用紙Pの内部にまで入り込むので、得られた画像は崩れにくく、耐久性がよい。
【0034】
次に、図3は本発明の孔版印刷装置の第2実施形態を示す断面図である。同図において第1の実施形態と同一の構成部分には図1と同一の符号を附して説明を省略する。
【0035】
印刷ドラム30は、多数の微細な孔を有するトナー通過性の周壁30bを備えている。印刷ドラム30は図示しない自身の軸線を中心として図中矢印方向に回転駆動される。印刷ドラム30の周壁30bの内部には印刷用のトナー2がある。トナー2は、印刷ドラム30の底の部分に溜まっており、図示しない供給手段によって適宜補充される。印刷ドラム30の周壁30bの外周面には、穿孔画像が形成された孔版原紙が巻き付け装着され、この孔版原紙の端部は着版手段3のクランプ板3aに係止される。
【0036】
印刷ドラム30に対向配置された吸引手段35は、回転ローラ36と封止筒体37と吸引ポンプ38で構成される。吸引手段35は印刷用紙Pの搬送を補助しつつトナー2を吸引する。回転ローラ36は全体が通気性を有する多孔性の材質で構成され、回転軸36aを中心として図示しない駆動モータにより回転自在である。
【0037】
封止筒体37は、筒状に形成されて回転ローラ36を気密保持するもので、印刷ドラム30との対向位置にのみ開孔部37aが形成され、回転ローラ36が部分的に表出する構成となっている。この開孔部37aは印刷ドラム1の中心軸1aに沿って形成される。封止筒体37の内部は、吸引ポンプ38により所定の吸引力で吸引される。
【0038】
吸引手段35は、図示しない昇降機構により全体が昇降自在である。印刷用紙Pの搬送に同期して上昇し、印刷用紙Pを印刷ドラム30に押圧し、搬送後に下降して着版手段3との干渉を避ける。
【0039】
次に、上記構成による装置の動作を説明する。
印刷ドラム30の周壁30bに製版済の孔版原紙を装着する。印刷ドラム30が回転駆動し、給紙手段11は印刷用紙Pを印刷ドラム30と吸引手段35との間に給紙する。
【0040】
次に、吸引手段35が昇降機構により上昇する。印刷用紙Pは、吸引手段35によって印刷ドラム30に押しつけられ、回転ローラ36の回転により搬送される。この押圧力は印刷用紙Pが印刷ドラム30外周面30b上の孔版原紙に接する程度の低い力でよい。
【0041】
印刷ドラム30の内部の底に溜まっているトナー2は、大気圧で周壁30bを通過し、さらに孔版原紙の穿孔部分を通過し、印刷用紙Pに付着する。即ち、吸引ポンプ38は、印刷用紙Pの裏面側から、印刷用紙Pと孔版原紙を挟んで印刷ドラム1内のトナー2を吸引する。
【0042】
ここで、開孔部37aは、孔版原紙の印刷領域より小さく、印刷ドラム30の回転及び印刷用紙Pの搬送に伴って順次孔版原紙の穿孔画像に対応した印刷画像を印刷用紙P上に形成していく。
【0043】
トナー2で画像が形成された印刷用紙Pは、ヒートロール13を通過する。印刷用紙Pにトナーで形成された画像は、ヒートロール13の加熱により溶融した後に固化し、定着する。印刷用紙Pは排紙台12に順次排紙される。
【0044】
次に、図4(a)は、本発明の孔版印刷装置の第3実施形態を示す断面図である。本例は、製版後の孔版原紙組立体44と印刷用紙Pを平面状に重ねて載置した状態で印刷を行う方式である。
【0045】
図4(a)に示すように、孔版原紙組立体44は、孔版原紙41と、この孔版原紙41の周囲に設けられる所定厚さで枠状台紙42と、孔版原紙41の対向面に設けられたトナー不透過性フィルム43で構成されている。枠状台紙42はトナーの収納体として機能する。トナー不透過性フィルム43は、枠状台紙42内のトナーを密封するシートとして機能する。
【0046】
孔版原紙41は感熱製版等で所定の穿孔画像が形成され、トナー不透過性フィルム43との間には、トナー2が充填され、枠状台紙42によって内部に保持される。
【0047】
孔版原紙組立体44を基台上に載置する。孔版原紙組立体44の孔版原紙41と接するように、印刷用紙Pを重ねる。印刷用紙Pの上面側に、吸引手段45を設ける。吸引手段45は、開孔部46aを有する吸引ノズル46と、吸引ポンプ47で構成されている。開孔部46aは、図中矢印で示す吸引ノズル46の移動方向に直交して形成されたスリットである。その長さは孔版原紙組立体44の幅に対応する。そして、吸引ノズル46は、孔版原紙組立体44の長さ方向(図中矢印方向)に沿って図示しない移動手段により移動自在である。
【0048】
上記構成によれば、孔版原紙組立体44内部のトナー2は大気圧で吸引ノズル46の開孔部46a部分から吸引され、このトナー2は孔版原紙41の穿孔部分を通過し、印刷用紙Pに付着する。即ち、吸引ノズル46は、印刷用紙Pの上面側から、印刷用紙Pと孔版原紙を挟んでトナー2を吸引する。
【0049】
ここで、開孔部46aは、孔版原紙の印刷領域より小さく、吸引ノズル46の移動に伴って順次孔版原紙の穿孔画像に対応した印刷画像を印刷用紙Pの全体に形成していく。
【0050】
図4(b)に示すように、得られた印刷用紙Pを、トナー2の画像を上にして、加熱板15の上に置く。加熱板15の下面にはヒータ17がある。ヒータ17により印刷用紙Pを加熱してトナー2を溶融し、固化して印刷用紙Pに定着させる。本構成によっても、上記実施形態同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
図5は、前記実施形態で説明した吸引ノズル46と孔版原紙組立体44の部分拡大断面図である。同図を用いて吸引による印刷を説明する。
【0052】
孔版原紙41に開孔された穿孔部41a部分に吸引ノズル46の開孔部46aが移動して位置すると、吸引ノズル46は、印刷用紙Pを介して孔版原紙組立体44内に保持されているトナー2を吸引する。
【0053】
トナー2は大気圧により孔版原紙41の穿孔部41aを通過して印刷用紙P上に付着する。このように、トナー2は大気圧で吸引される方向にのみ移動するため、このトナー2が周囲に広がり漏れるおそれがない。また、孔版原紙41の穿孔部41aを通過して印刷用紙Pに付着する際のトナー2は、この印刷用紙Pの紙の厚み方向に移動する吸引力を受けている。従って、トナー2は印刷用紙Pの厚さ方向に力を受け、固定される。さらに、印刷用紙Pに付着したトナーは溶融と固化によって印刷用紙Pの繊維に強固に定着する。よって、本例で得られた画像は高い耐久性を有しており、容易に掠れることはない。
【0054】
この吸引ノズル46には圧力センサ48が設けられる。この圧力センサ48は吸引力を検出して制御部(不図示)に検出信号を出力する。制御部は、印刷に使用する印刷用紙Pの透気度(t)等に基づいて最適な吸引力を算出し、吸引ポンプ47を制御する。
【0055】
次に、図6は、本発明の第4実施形態を示す斜視図である。
本例の孔版印刷装置50は、剛性を有する箱型の収納体51を備えている。収納体51の下面には開口51aが設けられている。開口51aには穿孔画像が形成された孔版原紙52が張られている。詳細は図示しないが、孔版原紙52は収納体51に対して容易に着脱できるようになっている。収納体51の上面にはねじ式の蓋53がある。ここから収納体51の内部にトナー2をいれる。トナー2は収納体51内で孔版原紙52の上に堆積する。収納体51の上面には、外気が流入する弁54が設けられている。
【0056】
収納体51には静電位付与手段55が接続されている。静電位付与手段55は、収納体51内のトナー2を帯電させてクラスタとする。ここで、クラスタとは、複数のトナーの粒子が静電力によって固まった状態を意味する。
【0057】
孔版原紙52の下面には印刷用紙Pが接する。印刷用紙Pの下面には吸引手段60が接する。即ち、印刷用紙Pは孔版原紙52と吸引手段60によって挟まれる。本例の吸引手段60は、印刷用紙Pの印刷領域をカバーする大きさの吸引部61と、吸引部61に接続されたポンプ62を有している。
【0058】
本例の吸引手段60によれば、一回の吸引操作によって印刷用紙Pに画像を形成することができる。即ち、孔版原紙52と印刷用紙Pを介して吸引手段60によってトナー2が吸引される。外気は弁54を介して収納体51に入ることができる。よって、収納体51のトナー2には大気圧が加わる。トナー2は孔版原紙52の穿孔画像を通過し、印刷用紙Pに付着して画像を形成する。
【0059】
通常、静電力を用いて印刷するPPC等では、乾燥したトナーを利用するため、消費待機時のトナーの空気中への飛散が環境衛生上問題となっている。しかしながら、本例では静電力によりトナーを積極的にクラスタ化して飛散しにくくしているので、このような問題は生じない。トナーをクラスタ化してしまうと、印刷時に画質に悪影響が生じる可能性も考えられるが、本例では真空吸引という強力なトナー移動手段を用いているので問題が生じない。即ち、真空吸引により、トナー2のクラスタに孔版原紙52の穿孔画像を強制的に通過させるので、クラスタは破壊されて印刷用紙Pには微細な状態のトナーが付着する。
【0060】
本例では、トナー2をクラスタ化するために静電位付与手段55を設けたが、前記収納体51を絶縁材料で形成すれば、収納体51の内部にトナー2を入れて振るだけでトナーが帯電し、静電位付与手段55を設けた場合と同様の効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】
本発明では、製版された孔版原紙と被印刷体とを重ね、孔版原紙の上にあるトナーを被印刷体側から吸引して被印刷体に転移させている。即ち、本発明によれば、大気圧のみでトナーを移動させているので、従来必要とされた高電圧の装置が必要なく、装置の構成が簡単になる。また、トナーには吸引方向にのみ力が働くので、トナーは被印刷体の面方向には広がりにくく、鮮明な印刷画像が得られる効果がある。そしてトナーは被印刷体の厚み方向に力を受けるので、画像として被印刷体に確実に定着することができる。即ち、耐久性が向上する。さらに、孔版原紙と被印刷体は重ねるだけでよく、これら間で圧力を加える必要がないため、装置の機械的強度を小さく設計でき、装置全体の簡素化と低コスト化が図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の孔版印刷装置の第1実施の形態を示す断面図。
【図2】印刷用紙の透過度を測定する試験器を示す図。
【図3】本発明の孔版印刷装置の第2実施形態を示す断面図。
【図4】本発明の孔版印刷装置の第3実施形態を示す断面図。
【図5】第3実施形態における吸引手段の部分拡大断面図。
【図6】本発明の孔版印刷装置の第4実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1,30 印刷ドラム
1b 印刷ドラムの周壁
2 トナー
6 搬送手段
7,35,45,60 吸引手段
13 加熱手段としてのヒートローラ
15 加熱手段としての加熱板
30b 印刷ドラムの周壁
36 搬送手段としての回転ローラ
41,52 孔版原紙
42 収納体としての枠状台紙
43 シート材としてのトナー不透過性フィルム
51 収納体
54 弁
55 静電位付与手段
P 被印刷体としての印刷用紙

Claims (7)

  1. 穿孔画像が形成された孔版原紙の一方の面にトナーを供給し、
    前記孔版原紙の他方の面に、所定の透気度を有する被印刷体の一方の面を重ねて設置し、
    前記被印刷体の他方の面に吸引力を作用させることにより、前記トナーが大気圧により穿孔画像を通過して前記被印刷体に付着することを特徴とする孔版印刷方法。
  2. 前記トナーが前記被印刷体の前記一方の面から内部に入り込むように吸引を行い、
    その後に前記被印刷体を加熱することによって前記トナーを被印刷体に定着させることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷方法。
  3. 前記孔版原紙の一方の面に供給された前記トナーに静電力を与えてクラスタ状態とすることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷方法。
  4. 穿孔画像が形成され、一方の面にはトナーが供給され、他方の面には所定の透気度を有する被印刷体の一方の面が接触する孔版原紙と、
    前記トナーが大気圧により穿孔画像を通過して前記被印刷体に付着するように、前記被印刷体の他方の面に吸引力を作用させる吸引手段と、
    を有する孔版印刷装置。
  5. 自身の中心軸線の回りに回転駆動されるトナー通過性の周壁を有し、前記周壁の外周面には前記孔版原紙が巻装され、前記周壁の内周面には前記トナーが設けられる印刷ドラムと、
    前記印刷ドラムの近傍に設けられ、前記印刷ドラムに同期して駆動されて前記印刷ドラムとの間に前記被印刷体を挟んで搬送する搬送手段とをさらに有し、
    前記吸引手段が前記搬送手段に設けられている請求項4記載の孔版印刷装置。
  6. 一方の面に前記孔版原紙を平面状に保持し、内部に前記トナーを収納する収納体と、
    前記収納体の他方の面に設けられて前記トナーを密閉するシート材とをさらに有し、
    前記吸引手段は、前記被印刷体の他方の面に沿って移動可能とされた請求項4記載の孔版印刷装置。
  7. 開口部に前記孔版原紙を平面状に保持し、内部に前記トナーを収納し、外気が流入する弁を備えた剛性の収納体と、
    前記トナーが帯電してクラスタとなるように前記収納体に静電位を加える静電位付与手段とをさらに有する請求項4記載の孔版印刷装置。
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