JP3644655B2 - 導電性弾性部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性弾性部材に関し、さらに詳しくは、電気抵抗の位置ばらつきが少ない上、電気抵抗の印加電圧依存性が小さいとともに、連続通電の際の電気抵抗の変動幅及び環境変化による電気抵抗の変動が小さく、電子写真プロセスにおける中抵抗弾性ローラ等として好適な導電性弾性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機,静電記録装置等の電子写真プロセスにおいては、一般にまず、光導電性物質〔例えばZnO,CdS,Se,OPC(有機半導体),α−Siなど〕を用いた感光体の表面を一様に帯電させ、これに光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成し、さらにトナーの付着(現像)、紙などの転写材(記録媒体)へのトナー画像の転写により、複写を行う方法がとられている。
このような電子写真プロセスにおいては、最近、転写材やトナーなどに対する導電性弾性部材として、中抵抗弾性ローラが注目され、例えば転写ローラや現像ローラなどに用いられている。この中抵抗弾性ローラは、通常基材として、ゴム,ポリウレタンなどの高分子エラストマーや高分子フォームが用いられている。
【0003】
上記用途に供される中抵抗弾性ローラに対しては、所定の電気抵抗値を有するのみならず、電気抵抗の位置ばらつきが少なく、かつ電気抵抗の印加電圧依存性が小さい上、連続して通電した際の電気抵抗の変動幅及び温度や湿度などの環境変化による電気抵抗の変動が小さいことが要求される。したがって、このような要求を満たすために、これまで、種々の材料が検討されてきたが、いずれも充分に満足しうるものではなかった。
例えば、導電性材料として、カーボンブラックなどを混入する場合、電子写真プロセスに必要な1MΩ〜100GΩといった中抵抗領域において、抵抗値を一定にしにくいという問題があり、また、金属や金属酸化物の粉末やウィスカー及び/又はカーボンブラックなどのフィラーを混入することにより、所定の抵抗値に調整した高分子エラストマーや高分子フォーム等は、電気抵抗の位置ばらつきが大きく、かつ電気抵抗の印加電圧依存性が大きいという問題があった。そこで、このような問題を解決するために、過塩素酸リチウム,過塩素酸ナトリウム,過塩素酸カルシウムなどの塩のようなイオン導電性物質を混入することにより、中抵抗領域において、一定の抵抗を有するローラの製造が試みられている。しかしながら、このようなローラにおいては、例えば温度32.5℃、湿度85%のような高温高湿環境下での抵抗と、温度15℃,湿度10%のような低温低湿環境下での抵抗との差が大きい上、通電状態で長時間運転すると抵抗が漸次増大していき、電子写真用途に供した場合に、画像不良を引き起こすなど、好ましくない事態を招来する。ここで、この抵抗増大に関するメカニズムについては、必ずしも明らかではないが、導電性を発現させるために添加している過塩素酸リチウム,過塩素酸ナトリウム,過塩素酸カルシウムなどの塩の解離・分極が起こり、電流が流れにくくなるために、抵抗が上昇するものと考えられる。
【0004】
また、本発明者らは、先に基材として、トリレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネート,粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを原料とするポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーを用い、これに、イオン導電性物質として第四級アンモニウム塩を添加することにより、体積固有抵抗値が10MΩ・cm〜1000GΩ・cmの範囲にあり、かつ長時間通電しても抵抗が安定であるポリウレタン材料を見出した(特開平7−113050号公報)。しかしながら、この材料は、温度15℃,湿度10%における電気抵抗と温度32.5℃,湿度85%における電気抵抗との差が大きく、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、体積固有抵抗値が、所望する中抵抗領域、通常は10MΩ・cm〜1000GΩ・cmの範囲にあり、かつ電気抵抗の位置ばらつきが少ない上、電気抵抗の印加電圧依存性が小さいと共に、連続通電の際の電気抵抗の変動幅及び温度や湿度などの環境変化による電気抵抗の変動が小さい導電性材料を用いた各種の導電性弾性部材を提供すること、特にこのような材料を用いた電子写真プロセスにおける中抵抗弾性ローラとして好適な導電性弾性部材を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する導電性弾性部材を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定のポリイソシアネート成分を用いて得られたポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーと、第四級アンモニウム塩からなる導電性付与剤とを含有する導電性材料を用いることにより、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、(A)ポリイソシアネート成分として、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートを用いて得られたポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーと、(B)第四級アンモニウム塩からなる導電性付与剤とを含有する導電性材料を用いたことを特徴とする導電性弾性部材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性弾性部材に用いられる導電性材料において、(A)成分のポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート成分として、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物(水添MDI)やヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を用いて得られたものである。上記水添加MDIは、通常のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の水素添加物(ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート)であってもよく、また粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)の水素添加物であってもよい。これらのポリイソシアネート成分は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよく、また、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、他の公知のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。ここで、他の公知のポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート,MDI,クルードMDI,イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0008】
本発明に用いる(A)成分であるポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーは、上述の如くポリイソシアネート成分として、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物(水添MDI)やヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を用いればよく、製造に際してそれ以外の条件は特に制限はない。また、ポリウレタンフォームとしては、軟質のもの、硬質のもののいずれを使用することもできるが、好ましくは軟質のものである。また、その性状は特に制限はなく、各種の状況に応じて適宜選定すればよい。
ここで、ポリオール成分としては、例えば(1)エチレングリコール;ジエチレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;プロピレングリコールなどのジオールやトリメチロールエタン,トリメチロールプロパンなどのトリオールとアジピン酸,グルタル酸,コハク酸,セバシン酸,ピメリン酸,スベリン酸などのジカルボン酸とから得られる縮合系ポリエステルポリオール、(2)γ−ブチロラクトン,δ−バレロラクトン,ε−カプロラクトンなどのラクトン類を、エチレングリコール;ジエチレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;プロピレングリコールなどのジオールやトリメチロールエタン,トリメチロールプロパンなどのトリオールの存在下に開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール、(3)ポリエーテルポリオールの末端を、γ−ブチロラクトン,δ−バレロラクトン,ε−カプロラクトンなどのラクトン類で変性したエステル変性ポリオール、(4)エチレングリコール,プロピレングリコール,グリセリンなどの多価アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させて得られるポリエーテルポリオール、(5)テトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールのようなポリエーテルなどが挙げられる。これらのポリオール成分としては一分子中に官能基2〜4個を有する数平均分子量200〜5000のものが好適である。これらのポリオール成分は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】
一方、鎖延長剤としては、例えばエチレングリコール;プロピレングリコール;1,4−ブタンジオールなどの短鎖ジオールや、エチレンジアミン,テトラメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミンなどの短鎖ジアミンなどが挙げられる。これらの鎖延長剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマーには、架橋型ポリウレタンも含まれる。ポリウレタンの架橋としては、アロファネート架橋やビューレット架橋など、種々の架橋方法が知られており、いずれの方法によることができる。
本発明の導電性弾性部材に用いられる導電性材料においては、(B)成分の導電性付与剤として、第四級アンモニウム塩が用いられる。この第四級アンモニウム塩としては、各種のものが使用できるが、例えば一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル基,炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基、R2 ,R3 及びR4 は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xn-はn価の陰イオンを示す。なお、nは1〜6の整数である。)
で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(I)において、R1 のうち炭素数1〜30のアルキル基は直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよく、その例としてはメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,ドデシル基,テトラデシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基,エイコシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基,シクロドデシル基などが挙げられる。また炭素数6〜30のアリール基としては、例えばフェニル基,ナフチル基などが挙げられ、炭素数7〜30のアラルキル基としては、例えばベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基などが挙げられる。なお、上記アリール基及びアラルキル基は、炭素環上に低級アルキル基,低級アルコキシ基,ハロゲンなどの適当な不活性基が導入されていてもよい。
【0012】
また、R2 ,R3 及びR4 で表される炭素数1〜6のアルキル基は直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよく、その例としてはメチル基,エチル基.プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などが挙げられる。R2 ,R3 及びR4 はたがいに同一であってよく、異なっていてもよい。
さらに、Xn-としては、例えばF- ,Cl- ,Br- ,I- のハロゲンイオン、NO3 - ,CO3 2-,SO4 2- ,ClO4 - ,BF4 - などの無機酸イオン、酢酸基(CH3 COO- ),安息香酸基,マロン酸基,リンゴ酸基,コハク酸基,マレイン酸基,フマル酸基,フタル酸基,イソフタル酸基,テレフタル酸基,トリメリット酸基,トリメシン酸基,トリカルバリン酸基などの有機酸イオン、その他、CH3 OSO3 - ,C2 H5 OSO3 - ,p−トルエンスルホン酸基などの含硫黄有機酸イオンなどが挙げられる。
前記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムクロリド,ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド),ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド,オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(例えばステアリルトリメチルアンモニウムクロリド),変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート,過塩素酸テトラエチルアンモニウム,過塩素酸テトラブチルアンモニウム,ホウフッ化テトラエチルアンモニウム,ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、さらにはテトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム),ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム),変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウムとマロン酸基,リンゴ酸基,コハク酸基,マレイン酸基,フマル酸基,フタル酸基,イソフタル酸基,テレフタル酸基,トリメリット酸基,トリメシン酸基,トリカルバリン酸基などの多官能酸基との塩などが挙げられる。
【0013】
これらの第四級アンモニウム塩の中で、良好な電気抵抗の環境安定性及び連続通電時の抵抗安定性などが得られる点から、第四級アンモニウムと多官能酸基との塩が好ましい。
この第四級アンモニウム塩は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、特に制限はなく、各種の状況に応じて適宜選定すればよいが、例えば得られる導電性材料の体積固有抵抗値が中抵抗領域、特に印加電圧1000Vで10MΩ・cm〜1000GΩ・cm程度になるようにするには、前記(A)成分のポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマー100重量部に対し、0.001〜5重量部が好ましく、特に0.01〜0.5重量部の範囲がより好ましい。
この第四級アンモニウム塩を前記(A)成分のポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーに配合する方法については、特に制限はないが、(A)成分のポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマーの製造時に、反応系に添加するのが有利である。この際、第四級アンモニウム塩の形で添加してもよく、また第四級アンモニウムヒドロキシドと多官能酸とを別々に添加してもよい。第四級アンモニウム塩や第四級アンモニウムヒドロキシドの形で添加する場合には、エーテル,アルコール,エステル,ラクトン,カーボネートなどの溶剤に溶解して添加するのが好ましい。
【0014】
また、導電性付与剤として、この(B)成分の第四級アンモニウム塩とともに、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、従来用いられている過塩素酸ナトリウム,過塩素酸カリウム,過塩素酸カルシウムなどの無機塩や、カーボンブラック,金属粉,金属酸化物粉などの導電性フィラーを併用してもよい。
次に、本発明に用いられる導電性材料の製造方法については、特に制限はなく、また常法によればよいが、その一例を示せば次の通りである。
まず、前記のポリイソシアネート成分,ポリオール成分,鎖延長剤,第四級アンモニウム塩及び所望により用いられる他の導電性付与剤,触媒,補強剤,着色剤,整泡剤などを均質に混合したのち、加熱して反応硬化させることにより、ポリウレタンエラストマー中に導電性付与剤を含有してなる導電性材料が得られる。また、ポリオール成分をポリイソシアネート成分で予めイソシアネート化しておき、このものと、鎖延長剤,第四級アンモニウム塩及び所望により用いられる他の導電性付与剤,触媒,補強剤,着色剤,整泡剤などを均質に混合したのち、加熱して反応硬化させてもよい。
【0015】
また、加熱して反応硬化させる際に、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタンフォーム中に導電性付与剤を含有してなる導電性材料が得られる。発泡方法については特に制限はなく、発泡剤を用いる方法、機械的な攪拌により気泡を混入する方法など、いずれの方法も用いることができる。なお発泡倍率は、適宜定めればよく、特に制限はない。
なお、このポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーは、耐熱性,耐薬品性,機械強度などを向上させる目的で、所望により架橋することもできる。
【0016】
このようにして得られる導電性材料は、製造の際の条件により所望の体積固有抵抗値を有するものとなり、特に印加電圧1000Vにおける体積固有抵抗値が、通常10MΩ・cm〜1000GΩ・cmの範囲にあって、電気抵抗の位置ばらつきが少ない。しかも、電気抵抗の印加電圧依存性が小さいと同時に、連続通電の際の電気抵抗の変動幅及び温度や湿度などの環境変化による電気抵抗の変動が小さい。
本発明の導電性弾性部材は、中抵抗領域、特に1MΩ〜100GΩの中抵抗領域で安定な抵抗値を示し、電子写真用導電性部材、具体的には電子写真装置における転写ローラ,現像ローラなどとして好適に用いられる。
本発明の導電性弾性部材を製造する方法は特に制限なく、種々の公知の方法によればよい。例えば鉄にメッキを施したもの又はステンレス鋼などの芯金を前記導電性材料で被覆し、用途によりさらにその外側を導電性,半導電性,絶縁性塗料により塗装することによって、1MΩ〜100GΩの中抵抗領域で安定な抵抗値を示す本発明の導電性部材が得られる。なお、本発明の導電性部材の形状は特に限定されず、用途に応じて定めればよいが、例えばローラ状,プレート状,四角ブロック状,球状,ブラシ状などが挙げられるが、通常はローラ状あるいはプレート状である。
【0017】
次に、本発明の導電性弾性部材を電子写真複写機の転写ローラとして用いた例について説明する。
図1は、本発明の導電性弾性部材を用いた電子写真複写機の転写装置の一例を示す説明図であって、芯金(図示せず)を具備した本発明の導電性弾性部材からなる導電性ローラ(転写ローラ)1を、感光体ドラムなどのトナー像担持体2に紙などの転写材4を介して当接させ、該導電性ローラ1とトナー像担持体2との間に、電源3により電圧を印加し、トナー像担持体と導電性ローラ間に電界を発生させることによって、トナー像担持体2上のトナーを転写材4に転写するものである。
本発明の導電性弾性部材を複写機などの電子写真装置に組み込む場合は、静電画像現像部,トナーなどの現像剤転写部などに応用される。
【0018】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシド(プロピレンオキシド:エチレンオキシドモル比=88:12)を付加させて得られた数平均分子量3500,一分子中の官能基数3のポリエーテルポリオール100重量部,水添MDI30.6重量部,1,4−ブタンジオール6.0重量部,反応性シリコーン系界面活性剤4.0重量部,ジブチルチンジラウレート0.2重量部及び変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート〔H(CH2)4-20C2 H5 N(CH3)2 C2 H5 OSO3 ,分子量466〜550〕0.15重量部をミキサーで混合し、この混合物を用いて、直径6mmの金属製シャフトを中心に配設した直径16.5mm,長さ215mmのポリウレタンフォーム(発泡倍率1.7倍)転写ローラを作製した。なお、この転写ローラにおける導電性材料の体積固有抵抗値は、印加電圧1000Vで4.02×109 Ω・cmであった。
【0019】
次いで、この転写ローラを厚さ5mmアルミニウム板上に載せ、ローラの両端をそれぞれ500gの力で圧接しながら、印加電圧1000Vの場合の芯金と抵抗測定器の銅板との間の電気抵抗を測定した。測定時の温度,湿度と電気抵抗の関係を次に示す。
さらに、上記転写ローラを図1に示す画像形成装置(電子写真複写機)の転写装置に組み込み、温度15℃,湿度10%の環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。また、温度32.5℃,湿度85%の環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。
次に、転写装置の感光体をアルミニウム素管に変更し、温度20℃,湿度50%の環境下において、1000Vの電圧を印加したまま、150時間連続して回転させたのち、上記と同様の方法により抵抗を測定した。その結果、電気抵抗は温度20℃,湿度50%で8.75×108 Ω、温度32.5℃,湿度85%で3.72×107 Ω、温度15℃,湿度10%で1.30×1010Ωであった。
この転写ローラを前記と同様に転写装置に組み込み、温度15℃,湿度10%の環境下でグレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したとろ、良好な画像が得られた。
【0020】
実施例2
グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシド(プロピレンオキシド:エチレンオキシドモル比=88:12)を付加させて得られた数平均分子量3500,一分子中の官能基数3のポリエーテルポリオール100重量部,HDI19.5重量部,1,4−ブタンジオール6.0重量部,反応性シリコーン系界面活性剤4.0重量部,ジブチルチンジラウレート0.1重量部及び変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート0.15重量部をミキサーで混合し、この混合物を用いて、直径6mmの金属製シャフトを中心に配設した直径16.5mm,長さ215mmのポリウレタンフォーム(発泡倍率1.4倍)転写ローラを作製した。なお、この転写ローラにおける導電性材料の体積固有抵抗値は、印加電圧1000Vで6.03×108 Ω・cmであった。
次いで、この転写ローラを厚さ5mmのアルミニウム板上に載せ、ローラの両端をそれぞれ500gの力で圧接しながら、印加電圧1000Vの場合の芯金と抵抗測定器の銅板との間の電気抵抗を測定した。測定時の温度,湿度と電気抵抗の関係を次に示す。
【0021】
さらに、上記転写ローラを図1に示す転写装置に組み込み、温度15℃,湿度10%の環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。また、温度32.5℃,湿度85%の環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。
【0022】
次に、転写装置の感光体をアルミニウム素管に変更し、温度20℃,湿度50%の環境下において、1000Vの電圧を印加したまま、150時間連続して回転させたのち、上記と同様の方法により抵抗を測定した。その結果、電気抵抗は温度20℃,湿度50%で1.30×108 Ω、温度32.5℃,湿度85%で6.83×106 Ω、温度15℃,湿度10%で2.90×109 Ωであった。
この転写ローラを前記と同様に転写装置に組み込み、温度15℃,湿度10%の環境下でグレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。
【0023】
比較例1
グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシド(プロピレンオキシド:エチレンオキシドモル比=93:7)を付加させて得られた数平均分子量3000,一分子中の官能基数3のポリエーテルポリオール100重量部,トリレンジイソシアネート20.9重量部,1,4−ブタンジオール6.0重量部,反応性シリコーン系界面活性剤4.0重量部,ジブチルチンジラウレート0.1重量部及び変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート0.15重量部をミキサーで混合し、この混合物を用いて、直径6mmの金属製シャフトを中心に配設した直径16.5mm,長さ215mmのポリウレタンフォーム(発泡倍率1.9倍)転写ローラを作製した。なお、この転写ローラにおける導電性材料の体積固有抵抗値は、印加電圧1000Vで1.81×1010Ω・cmであった。
【0024】
次いで、この転写ローラを厚さ5mmのアルミニウム板上に載せ、ローラの両端をそれぞれ500gの力で圧接しながら、印加電圧1000Vの場合の芯金と抵抗測定器の銅板との間の電気抵抗を測定した。測定時の温度,湿度と電気抵抗の関係を次に示す。
さらに、上記転写ローラを図1に示す転写装置に組み込み、温度15℃,湿度10%の環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。また、温度32.5℃,湿度85%の環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を印刷したところ、良好な画像が得られた。
次に、転写装置の感光体をアルミニウム素管に変更し、温度20℃,湿度50%の環境下において、1000Vの電圧を印加したまま、150時間連続して回転させたのち、上記と同様の方法により抵抗を測定した。その結果、電気抵抗は温度20℃,湿度50%で3.71×109 Ω、温度32.5℃,湿度85%で1.11×108 Ω、温度15℃,湿度10%で1.93×1011Ωであった。
この転写ローラを前記と同様に転写装置に組み込み、温度15℃,湿度10%の環境下で黒ベタ画像を印刷したところ、白線が現れる画像不良状態となった。
【0025】
なお、電気抵抗の位置ばらつき及び電気抵抗の電圧依存性については、上述した実施例及び比較例では、いずれも下記の如くであった。
すなわち、温度,湿度が各々20℃,55%の環境で、測定電圧500Vで測定した電気抵抗が1000Vで測定した電気抵抗の1.1倍以下、温度,湿度各々15℃,10%の環境で、測定電圧500Vで測定した電気抵抗が1000Vで測定した電気抵抗の1.2倍以下であった。また、温度,湿度が各々15℃,10%の環境で、抵抗位置ばらつきを1cm幅の銅板で長手方向で等間隔に6点、周方向で90度毎に4点の合計24点評価した。その際の測定電圧は1000Vとした。抵抗がもっとも高い部分は、抵抗がもっとも低い部分の1.4倍であった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の導電性弾性部材は、電気抵抗の位置ばらつきが少ない上、電気抵抗の印加電圧依存性が小さく、しかも、連続通電の際の電気抵抗の変動幅及び温度や湿度などの環境変化による電気抵抗の変動が小さく、電子写真プロセスにおける中抵抗弾性ローラとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性弾性部材を用いた電子写真複写機の転写装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ
2 トナー像担持体(感光体)
3 電源
4 転写材(記録媒体)
Claims (3)
- (A)ポリイソシアネート成分として、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートを用いて得られたポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーと、(B)第四級アンモニウム塩として変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートからなる導電性付与剤とを含有し、かつ(A)成分100重量部当り(B)成分を0.01〜0.5重量部の範囲で含有するものである導電性材料を用いたことを特徴とする導電性弾性部材。
- (A)ポリウレタンフォーム又はポリウレタンエラストマーのポリオール成分として、ポリエステルポリオールを用いたものである請求項1記載の導電性弾性部材。
- 導電性弾性部材が、電子写真装置における転写ローラ又は現像ローラとして用いられる請求項1又は2記載の導電性弾性部材。
Priority Applications (2)
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