JP3644634B2 - ループ状ソーセージの自動移載・搬送装置 - Google Patents

ループ状ソーセージの自動移載・搬送装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ループ状ソーセージの自動移載・搬送装置、より詳しくは、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージを自動的に懸垂棒に移載・懸吊させ、ループ状ソーセージが懸吊された懸垂棒を、次工程の所定の箇所まで自動的に搬送することができるループ状ソーセージの自動移載・搬送装置やループ状ソーセージの自動移載・搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソーセージの製造は、一般に、ソーセージ生地を天然腸ケーシング内に押し出し、一定量充填すると共に、捻りによって連鎖状ソーセージを形成する充填工程、連鎖状ソーセージを一定数のループにして懸垂棒に引っかける懸吊工程、懸垂棒を燻煙処理用台車にハンギングする載置工程、ループ状のソーセージを台車ごと燻煙処理する燻煙工程及び燻煙後の連鎖状ソーセージを1個ずつ切り離す切断工程からなり、上記懸吊工程としては、従来、ルーパ装置等によって一旦フック等にループ状に吊した後に懸垂棒に受け渡す方法と、直接懸垂棒に懸吊する方法がよく知られている。しかし、ルーパ装置等によって一旦フック等にループ状に吊した後に懸垂棒に受け渡す方法は、フック等に懸吊されたループ群の中に懸垂棒を挿入した後、懸垂棒を移動することになるが、特に天然腸を用いたソーセージは懸吊された懸垂棒の左右のソーセージ同士が接触しやすいことから、懸垂棒の挿入が困難であり、またソーセージ同士を充分に離してやらないまま懸垂棒を挿入しようとすると、懸垂棒の端部でソーセージを傷つける恐れがあった。
【0003】
このルーパ装置等によって一旦フック等にループ状に吊した後に懸垂棒に受け渡す方法の改良方法として、特公平7−57158号公報には、連鎖状の一連のソーセージをフック等にループ状に懸吊し、竿の後端が上記懸吊されたソーセージの先頭ループに臨む位置に配されるように、該ソーセージの先頭ループの前方に、竿を竿支持手段によって着脱自在に支持し、受渡し手段によって、上記ソーセージの先頭ループから該ループの竿の後部に受渡し、竿の後部に懸吊した上記ループを移送手段によって竿上を滑らせながら該竿の前端に向けて移動せしめるソーセージの竿への受渡し方法が記載されている。
【0004】
また、直接懸垂棒に懸吊する方法としては、本願出願人が開発した特公平7−79606号公報及び特開平9−74989号公報記載の技術が知られている。そして、特公平7−79606号公報には、第1及び第2の駆動装置と、該第1及び第2の駆動装置の制御装置と、送り出されるウインナーソーセージをガイドしながら、自重により落下させ、所定個数毎にウインナーソーセージを保持し、該ウインナーソーセージの落下方向に対して横方向に前記第1の駆動装置の駆動により移動させる可動シュータと、前記横方向に交わる方向に延設され、前記ウインナーソーセージの移動によりウインナーソーセージの繋ぎ部に掛り合う可動支持棒と、更に、送り出されるウインナーソーセージが前記可動シュータにより所定個数ガイドされて落下すると、該落下して吊り下げられたウインナーソ−セージが一旦前記可動指示棒へループ状に掛けられ、該可動支持棒が該可動支持棒の軸方向へ前記第2の駆動装置の駆動により後退することによって、該可動支持棒から掛け換えられる該可動支持棒の配置方向と略同じ方向に配置される熱処理用竿とを具備することを特徴とするウインナーソーセージの竿掛け装置が記載されている。
【00005】
その他、特開昭59−91833号公報や米国特許第3,533,495号明細書には、形成されたループ群を自動的に竿に受け渡す装置が開示されている。特開昭59−91833号公報では、ループ状ソーセージを竿へ受渡す際に、先ず懸吊装置であるスクリューシャフトの真下まで竿をスライドさせ、竿への受渡しが開始されるものであり、また、米国特許第3,533,495号明細書では、コンベアフックに懸吊されたループ群の中に自動的に竿を挿入し、その後、竿を自動的にスライドさせながら竿の前端側の位置から1ループづつ竿に受け渡したり、あるいは竿を自動的に持ち上げることにより、一括受渡しを行っている。また、特開平9−74989号公報には、連鎖状ソーセージを懸垂竿側に送る送りローラーと、該送りローラー内のソーセージの有無を見るための光電センサーと、該送りローラーを縦横2軸方向に回転運動させる2つの直動ユニットと、懸垂竿にぶつからないように該送りローラーを前後に移動させる機構と、該光電センサーからの信号に基づきそれぞれの運動を制御する制御機構よりなることを特徴とするソーセージの竿掛け装置が記載されている。
【0006】
本発明者らは、上記従来のループ状のソーセージを調製する方法や装置における問題を解決するため、懸吊工程における、ループ状に懸吊された連鎖状ソーセージの末端処理等の作業性に優れ、懸吊に際しての天然腸ケーシングの破裂や密着が少なく、懸吊部材当たりに懸吊するループ数及び/又はリンク数を自動的に一定範囲に調整することができ、ひいてはトータル工程の高速化を図ることができる、ループ状ソーセージの調製方法及びループ状ソーセージの調製装置を特開平2000−139331号公報に開示した。このループ状ソーセージの調製方法及び装置は大量生産に適しており、きわめて完成度の高いものといえる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
天然腸ケーシングは、規格が不揃いな上に、破れやすい、捻り戻りしやすい、互いに密着しやすいなどの人工ケーシングにはない、取り扱い上特有のデリケートな性状を有している。このようなデリケートな性状を有している天然腸ケーシングを用いた連鎖状ソーセージを懸垂棒にループ状に懸吊する場合に、ルーパ装置等によって一旦懸吊装置にループ状に吊した後に懸吊棒に受け渡す前記特公平7−57158号公報記載の方法では、充填装置から排出される連鎖状ソーセージを回転させながらループを形成するルーパ装置を介してフックに掛け、これを懸吊棒の後端に掛け替えて、さらに移送手段で懸吊棒全体へ懸吊する必要があり、この方法を天然腸ケーシングを用いたソーセージの製造に用いると、ルーパの勢いで腸詰めが破裂しやすいなど天然腸ケーシングのもつ特有の性状に対処できないという問題の他に、一旦懸吊装置に連鎖状のリンクをループ状に吊したときに、連鎖状ソーセージ同士が密着して、懸吊棒にうまく明け渡しができないという欠点があった。
【0008】
また、本願出願人が開発した特公平7−79606号公報及び特開平9−74989号公報記載の直接懸吊棒に懸吊する方法は、いずれも天然腸ケーシングを用いたソーセージの製造に向けられたもので、ループを形成し懸垂棒に懸けるということを主眼においた装置であるが、前記の天然腸ケーシングの特有の性状から生じる処理業務がネックとなり、近年の高速化が進んだ充填工程に比べて懸吊工程における処理が追いつかないため、ソーセージ製造のトータル工程の高速化を図ることができないという問題があった。
【0009】
近年、充填機の性能が向上し、連鎖状ソーセージを形成する生産能力が著しく高まっている。そして、ソーセージ製造のトータル工程の高速化を図るためには、この生産能力が高まった充填機の性能に合わせて、天然腸ケーシングを用いるソーセージのループ化工程、ループ状ソーセージの懸垂棒への移載・懸吊工程、懸垂棒に懸吊されたループ状ソーセージの搬送工程を大幅に自動化するなど生産工程の効率化が要望されている。本発明の課題は、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージを、自動的に懸垂棒に移載・懸吊させ、ループ状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を燻煙処理用台車等に自動的にハンギングすることができるループ状ソーセージの自動移載・搬送装置やループ状ソーセージの自動移載・搬送方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
天然腸ケーシングは、元々長さと太さが不均一であるうえ、パンクしたり切れたりする上に、ループ状に釣支した場合、ソーセージ同士が接触し、スモークむらを生じやすいという問題があったが、本発明者らは、連鎖状ソーセージをループ状とする前に波状に仮掛けする工程、すなわち波状に保持する仮掛け工程において、始めからループ状とすることなく波状に仮掛けすると、連鎖状単位のソーセージの前後末端処理等の作業性を著しく向上することができるという利点を最大限利用するために、仮掛けしている状態でのループ化、すなわちフック等に釣支されている状態の連鎖状ソーセージを自動的にループ化し、該ループ化した連鎖状ソーセージに懸垂棒を挿通すると、該懸垂棒に懸吊したループ状ソーセージを容易に得られることを見い出している(特願2001−135624)。かかる自動的にループ化した連鎖状ソーセージに懸垂棒を自動的に挿通し、このループ化した連鎖状ソーセージ内に挿通された懸垂棒の2箇所を保持し、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に安定的に移載・懸吊させることができ、このループ状ソーセージが移載・懸吊された状態の懸垂棒を水平方向に移動することにより、燻煙処理用台車等にループ状ソーセージが懸吊された懸垂棒を自動的にハンギングすることができることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に移載・懸吊させることができるループ状ソーセージの自動移載・搬送装置であって、懸垂棒をほぼ水平状態で拘持することができる固定ハンドを有するハンド部と該ハンド部を上下方向に移動させることができるハンド昇降部が設けられている移載・懸吊手段と、該移載・懸吊手段を水平方向に移動することができる水平方向移動手段とを備えていることを特徴とするループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項1)や、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージが、ソーセージ生地をケーシングに充填するソーセージ充填手段と、該ソーセージ充填手段より送り出される連鎖状ソーセージを波状に仮掛けする仮掛け手段と、波状の連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を、波の進行方向鉛直面から少しずらしてループ状の連鎖状ソーセージを形成するループ化手段により形成されることを特徴とする請求項1記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項2)、仮掛け手段が、波状に仮掛けした連鎖状ソーセージを移送することができる移送手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項3)や、移載・懸吊手段が、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に、懸垂棒を挿通することができる懸垂棒挿通手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項4)に関する。
【0012】
また本発明は、ハンド部が、端部に懸垂棒の掴持部を有する伸縮ハンドを進退自在に備え、伸縮ハンドとは反対側の端部が前記固定ハンドに回動可能に支持されている可動ハンドを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項5)や、懸垂棒の掴持部位を自動的に検出することができる掴持部位自動検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項6)や、水平方向移動手段が、移載・懸吊手段を水平方向に回転移動することができる水平回動アームを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項7)や、移載・懸吊手段と水平方向移動手段とが、共にロボットに搭載されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項8)や、ソーセージが、天然腸ケーシングのソーセージであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置(請求項9)に関する。
【0013】
さらに本発明は、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、固定ハンドにより拘持されている懸垂棒の端部と、可動ハンドにより掴持されている懸垂棒の掴持部位の2点で保持し、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に自動的に移載・懸吊させ、次いで、ループ状の連鎖状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を水平方向に移動することを特徴とするループ状ソーセージの自動移載・搬送方法(請求項10)や、懸垂棒の掴持部位を自動的に検出することを特徴とする請求項10記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法(請求項11)や、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、固定ハンドにより懸垂棒の端部を拘持し、懸垂棒を水平状態又は懸垂棒の他端を水平より少し持ち上げた状態に維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に自動的に移載・懸吊させ、次いで、ループ状の連鎖状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を水平方向に移動することを特徴とするループ状ソーセージの自動移載・搬送方法(請求項12)や、ソーセージが、天然腸ケーシングのソーセージであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法(請求項13)に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置としては、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒をほぼ水平状態で拘持することができる固定ハンドを有するハンド部と該ハンド部を上下方向に移動させることができるハンド昇降部が設けられている移載・懸吊手段と、該移載・懸吊手段を水平方向に移動することができる水平方向移動手段とを備え、懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に移載・懸吊させることができる装置であれば特に制限されるものではなく、上記ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージの形成方法としては公知の方法を含め特に制限されないが、前記本発明者らにより開発された方法(特願2001−135624)、すなわち、ソーセージ生地をケーシングに充填するソーセージ充填手段と、該ソーセージ充填工程により得られる連鎖状ソーセージを波状に仮掛けする仮掛け手段と、該仮掛け工程により得られる波状となった連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を、波の進行方向鉛直面から少しずらしてループ状の連鎖状ソーセージを形成するループ化手段により形成する方法が、確実に連鎖状ソーセージをループ化しうる点で好ましい。
【0015】
上記ソーセージ充填手段としては、ソーセージ生地を天然腸等のケーシングに一定量ずつ充填して連鎖状ソーセージを順次排出する充填装置であればどのようなものでもよく、例えば前記特公平7−79606号公報及び特開平9−74989号公報記載の充填装置を例示することができる。そして、充填装置の排出口にルーパー機構は必要とされないが、この充填装置にソーセージの個数をカウントできるカウンタ機構を設けることが好ましい。かかるカウンタ機構としては、充填装置のピストンに取り付けた検出センサーや、充填装置から排出されたソーセージを検出する光電センサー等の検出センサーを例示することができる。このカウンタ機構を設けることにより、充填部から送り出されるソーセージの個数に関する情報が制御手段に入力され、このカウンタ機構からの情報に基づき仮掛け手段、特に移送手段におけるフックの移動するタイミングを制御することができ、その結果懸垂棒に所望のループ数及び/又はリンク数のソーセージを懸吊することが可能となる。
【0016】
上記仮掛け手段としては、波状に仮掛けした連鎖状ソーセージを移送することができる移送手段を備えている仮掛け手段を用いることが好ましい。かかる移送手段を備えた仮掛け手段としては、波状に仮掛けした連鎖状ソーセージを移送することができるフック、支持棒等を有し、これらフック、支持棒等を移送することができるコンベア等であればどのようなものでもよく、間欠的に移動することができる無端コンベアベルトに連鎖状ソーセージを波状に保持することができるフックが多数設けられたフックコンベアを具体的に例示することができる。かかるフックコンベアは、充填機の連鎖状ソーセージの排出口に並設することが好ましく、また、カウンタ機構からの情報に基づく制御手段におけるプログラムを、このフックコンベアにおけるフックが、フック間のリンク数が所定の数、例えばリンク数3,5,6,…6,6,5,3個となるように順次連鎖状ソーセージを釣支しながら間欠移動することができるように、設定しておくことが好ましい。このように制御することにより、ループを構成するリンク数を所定のリンク数とすることができる。
【0017】
また、仮掛け手段には、1つの懸垂棒に一定範囲のループ数及び/又はリンク数のソーセージを懸吊することができるように、カウンタ機構からの連鎖状ソーセージの個数に関する情報に基づき、自動的に切断部位を指示する切断ユニットを備えることが好ましい。この切断ユニットとしては、例えば天然腸ケーシングが長すぎてその中程で、懸垂棒当たりに懸吊する予定のループ数及び/又はリンク数になったときに、該ケーシングの切断すべき部位に位置するソーセージを釣支しているフックの上方に自動的に移行し、移行後は間欠的に移動するフックと同期して移動し、移動しながら切断用フックに支承された連鎖状ソーセージの繋ぎ部を自動的に熱溶断することができるものが望ましい。
【0018】
かかる切断ユニットにおける連鎖状ソーセージの繋ぎ部を熱溶断する切断装置は、切断用フックに支承されているソーセージ間の繋ぎ部に熱風を吹き付け該繋ぎ部を切断することができる熱風吹き出し口を有している。この熱風によるソーセージ間の繋ぎ部の熱溶断は瞬時に行うことができないので、上記のように仮掛け用のフックの移動と同期させながら切断装置を移動させ、移動中に切断することになる。仮掛け用のフックから切断用フックへの掛け替えは自動的に行うことも人手により行うこともできるが、切断されると、連鎖状のソーセージが自重で落下して元の波状に戻る。また、例えば500℃の熱風により切断する場合、ソーセージの切断側端部も熱風により加熱され約300℃となる結果、該ソーセージの切断側端部のソーセージ生地が熱により幾分硬化し、そのため熱溶断部位での捻り戻しがなく、切断箇所における末端処理をしなくてもよい。また、この切断ユニットには必要に応じて切断装置を複数個設けることができる。
【0019】
天然腸ケーシングは、元々長さと太さが不均一であるうえ、パンクしたり切れたりすることから、仮掛け工程においては、天然腸ケーシングの始端や終端のソーセージの末端処理や、パンクしたり切れたりしたソーセージの末端処理など、どうしても手作業による処理操作が欠かせない。しかし、従来のようにループを形成した後で手作業で処理する場合、作業の平準化が難しく、懸吊工程のラインをストップさせなければならない事態が頻繁に生じていたが、本発明におけるように仮掛け工程を設けることにより、従来方法に比べ少なくなった手作業による処理操作をこの工程に集約化することができ、作業の平準化が図られ、ループ状ソーセージの調製ラインをストップさせる事態がなくなり、全体の生産性向上に大きく寄与することができる。
【0020】
また、天然腸ケーシングのソーセージの場合は、始端や終端の数個のリンクが特に捻り戻りを起こしやすい。この捻り戻りを防止するために試行錯誤を繰り返した結果、連鎖状ソーセージの末端のループを構成するリンク数をその他のループを構成するリンク数より少なくすることにより改善できる。例えば、1ループを構成するリンク数を6個とする場合、連鎖状単位のソーセージの両末端のループを構成するリンク数を4個にすることによって捻り戻りを改善できることがわかった。この場合、フックコンベアにおけるフック間に釣支するリンク数を3,5,6,6・・・6,6,5,3となるように制御しておく。このフック間に釣支するリンク数の制御は、前記のように、フックコンベアの間欠移動を自動制御することによって行うことができる。そして、始端の3個のリンクの1番目を次の5個のリンクの2番目と3番目の間に引っ掛けると、4個のリンクで最初のループが構成され、そこにリンクが1つ垂れ下がる形状となる。終端も同様にして、4個のリンクで最後のループが構成され、そこにリンクが1つ垂れ下がる形状となる。この一連の連鎖状ソーセージを懸垂棒に懸吊させた場合、最初と最後に4個のリンクで構成されるそれぞれ1つの輪と、その間に各6個のリンクで構成される螺旋状のループが懸垂棒に懸吊されることになる。このような処理を行うことにより、リンクの自由度を奪い、リンクの捻り戻りを防止することができる。また、かかる捻り戻り防止操作は移送工程において実施するのが効率的である。
【0021】
上記仮掛け手段により得られる波状となった連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を、波の進行方向鉛直面から少しずらしてループ状の連鎖状ソーセージを形成することができるループ化手段としては、フック本体とフック本体の片側上部に軸支された揺動アームからなり、波形の山の部分でフック本体に支承されている連鎖状ソーセージの片側を、前記揺動アームが所定のループ形成位置まで揺動することにより揺動アームの下部を連鎖状ソーセージに接触させながら、波状の連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を、波の進行方向鉛直面から少しずれるように持ち上げて、連鎖状ソーセージをフック本体と揺動アームで支承してループを形成することができるループ形成フックを具体的に例示することができる。
【0022】
かかるフック本体と揺動アームからなる各ループ形成フックを用いて、上記のように、波状の連鎖状ソーセージにループを形成するには、ピストンロッドの進退により揺動アームの上部を揺動させ、揺動アームの下部を前記所定のループ形成位置まで揺動させることができるピストンシリンダ機構を有する制御機構付き駆動装置を用いることもできるが、一連のループ形成フックに沿って配設され、ループ形成フックの移送に伴い、揺動アームを漸次揺動させていき、所定の位置から揺動アームの揺動幅を所定の幅で一定にすることができるカム機構を好適に用いることができる。かかるカム機構を用いることにより、移送されてきたループ形成フックの揺動アームは、その下部を連鎖状ソーセージに接触させながら所定のループ形成位置まで漸次揺動し、波形の山の部分でフック本体に支承されている連鎖状ソーセージの片側を、波状の連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を波の進行方向鉛直面から少しずれるように持ち上げて、連鎖状ソーセージがフック本体と揺動アームで支承され、その結果ループが形成される。
【0023】
次に、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に懸垂棒を挿通するには、連鎖状ソーセージのループ内に懸垂棒を相対的に挿入することができればよく、形成されたループ内に懸垂棒を挿通するやり方と、固定されている懸垂棒にループ化工程で形成されたループ状の連鎖状ソーセージが、懸垂棒が芯となるように導入するやり方がある。形成されたループ内に懸垂棒を挿通するやり方としては、移載・懸吊手段におけるハンド部の固定ハンドに設けられた懸垂棒挿通手段により、ループ内、例えばフックの下方や、フックの連鎖状ソーセージの支承面をガイドとして懸垂棒をほぼ水平状態で挿通する方法があり、この方法に用いられる懸垂棒挿通手段としては、懸垂棒保持筒と該保持筒内の懸垂棒をループ内に進出させることができる流体圧シリンダ等からなる懸垂棒押出し手段とを備えたものを例示することができる。また、懸垂棒を固定しておくやり方としては、移載・懸吊手段におけるハンド部の固定ハンドにほぼ水平状態で拘持され、待機状態にある懸垂棒が芯となるように、ループ化工程で形成されたループ状ソーセージのループが順次送り込まれるようにしておく方法を例示することができる。また、懸垂棒の端部は、ソーセージを傷つけることがないように丸く面取りをしておくことが好ましい。
【0024】
ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒は、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、例えば、前記ループ化手段におけるフック本体と揺動アームによって妨害されない斜め上方の開放方向に懸垂棒を移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に移載・懸吊させることになるが、ループ状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に移載・懸吊させる方法は、片持ち方法と両持ち方法に大別できる。本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法は、これら片持ち方法と両持ち方法により規定されている。すなわち、片持ち方法による本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法は、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、固定ハンドにより懸垂棒の端部を拘持し、懸垂棒を水平状態又は懸垂棒の他端を水平より少し持ち上げた状態に維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に自動的に移載・懸吊させ、次いで、ループ状の連鎖状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を水平方向に移動することを特徴とし、両持ち方法による本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法は、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、固定ハンドにより拘持されている懸垂棒の端部と、可動ハンドにより掴持されている懸垂棒の掴持部位の2点で保持し、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に自動的に移載・懸吊させ、次いで、ループ状の連鎖状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を水平方向に移動することを特徴とする。上記懸垂棒の掴持部位は、ループ状ソーセージを傷つけることがないように、ループ状ソーセージ同士の間の隙間が選ばれる。
【0025】
上記片持ち方法は、懸垂棒に懸吊されるループ状の連鎖状ソーセージの重量を、固定された懸垂棒の端部で支えることになることから、懸垂棒の長さが比較的短いときに適用され、懸垂棒に懸吊されるソーセージの重量が軽いときには懸垂棒を水平状態に維持したまま、懸垂棒に懸吊されるソーセージの重量が重いときには懸垂棒の他端を水平より少し持ち上げたほぼ水平状態に維持したまま、懸垂棒を斜め上方に移動させることが好ましく、また、両持ち方法は、懸垂棒に懸吊されるループ状の連鎖状ソーセージの重量を、固定ハンドにより拘持され固定された懸垂棒の端部と、可動ハンドにより掴持されている懸垂棒の掴持部位の2点で支えることになることから、懸垂棒に懸吊されるソーセージの軽重や懸垂棒の長短に関わらず幅広く適用することができ、懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動すればよい。
【0026】
本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置における移載・懸吊手段には、上記片持ち方法や両持ち方法の実施などのために、懸垂棒をほぼ水平状態で拘持することができる固定ハンドを有するハンド部と、該ハンド部を上下方向に移動させることができるハンド昇降部が設けられている。特に、両持ち方法を実施するためには、前記ハンド部が、固定ハンドに加えて、端部に懸垂棒の掴持部を有する伸縮ハンドを進退自在に備え、伸縮ハンドとは反対側の端部が前記固定ハンドに回動可能に支持されている可動ハンドから構成されているものが好ましい。また、固定ハンドと可動ハンド間は位置決め用シリンダで連結し、固定ハンドと可動ハンドとがなす角度をコントロールできるようにしておくことが好ましい。
【0027】
懸垂棒の掴持部位は、掴持部位自動検出手段により自動的に検出することが好ましく、掴持部位自動検出手段より出力された情報に基づいて、上記伸縮ハンドがサーボモータ等により進退すると同時に、固定ハンドに支持されている可動ハンドが閉方向に回動し、伸縮ハンドの端部に設けられた懸垂棒の掴持部が、ループ状ソーセージが存在していない掴持部位に来るように構成されている。上記懸垂棒の掴持部位を自動的に検出することができる掴持部位自動検出手段としては、ループ状ソーセージに懸垂棒が挿通された状態を撮像し、ループ化した連鎖状ソーセージ間の掴持部位となりうる隙間を検出し、その情報を可動ハンドのサーボモータ等に出力しうるカメラを挙げることができる。また、連鎖状ソーセージ間の掴持部位となりうる隙間をあらかじめ作り、その情報を可動ハンドのサーボモータ等に出力しておくこともできる。この場合、前記ソーセージ充填手段におけるカウンタ機構からの連鎖状ソーセージの個数に関する情報に基づき、自動的に切断部位を指示する仮掛け手段に設けられた切断ユニットからの出力情報を利用することができる。
【0028】
また、移載・懸吊手段における上記ハンド昇降部としては、ハンド部を上下方向に移動させることができる昇降手段を有するものであればどのようなものでもよく、その駆動手段としてはサーボモータ等を例示することができる。例えば、可動ハンドに昇降ロッドを固着し、ハンド部を上下方向に移動させる場合であっても、懸垂棒が常時ほぼ水平を保つように構成しておくことが好ましい。
【0029】
本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置には、上述の移載・懸吊手段を水平方向に移動することができる水平方向移動手段が設けられている。かかる水平方向移動手段としては、移載・懸吊手段を水平方向に自動的に移動することができる機構を備えているものであればどのようなものでもよく、具体的には、移載・懸吊手段を水平方向に回転移動することができる水平回動アームや、移載・懸吊手段を搭載した状態で水平方向に自由に移動できるロボット等を例示することができる。前記ハンド昇降部により移載・懸吊手段を上方に移動させつつ、水平方向移動手段により移載・懸吊手段を水平方向に移動させることにより、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることができ、ハンド昇降部による移載・懸吊手段の上方への移動をストップさせた状態で、水平方向移動手段により移載・懸吊手段を水平方向に移動させることにより、ループ状の連鎖状ソーセージを懸吊した懸垂棒を、懸垂棒を載置することができる台車まで順次搬送することができ、台車の懸垂棒載置部位上方で水平方向の移動をストップし、前記ハンド昇降部により移載・懸吊手段を下方に移動させることにより、台車の懸垂棒載置部位にループ状の連鎖状ソーセージを懸吊した懸垂棒を載置することができる。以後、この台車ごと燻煙処理し、燻煙処理後の連鎖状ソーセージを個々のソーセージに切り離すことによってソーセージを製造することができる。
【0030】
以上、主として、天然腸ケーシングのソーセージを用いたループ状ソーセージの自動移載・搬送装置やループ状ソーセージの自動移載・搬送方法について述べてきたが、当然のことながら、本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置やループ状ソーセージの自動移載・搬送方法は人工ケーシングを用いる場合にも適用することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこの実施例によって限定されるものではない。
図1は本発明のループ状ソーセージ形成装置の概略側面図であり、図2は仮掛け工程における波状に仮掛けされた連鎖状ソーセージがフックコンベアのループ形成フックに支承されて移送されている状態を示す概略斜視図であり、図3は図2の要部拡大図であり、図4は連鎖状ソーセージのソーセージ間の繋ぎ部を熱溶断する切断装置の概略斜視図であり、図5はループ化工程におけるループ形成フックの揺動アームの作動説明図であり、図6は移載・懸吊工程における連鎖状ソーセージのループに挿通した懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動する状態の斜視図であり、図7は移載・懸吊工程における連鎖状ソーセージのループに挿通した懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動する状態を順序を追って示す説明図であり、図8は移載・懸吊工程における固定ハンドと可動ハンドを備えたハンド部の動きを示す側面図であり、図9は図8における伸縮ハンドの端部に設けられた掴持部の拡大図であり、図10は移載・懸吊工程における伸縮ハンドの端部に設けられた掴持部による懸垂棒の掴持状態を示す側面模式図である。
【0032】
図1から図10において、Sはソーセージ、SLはソーセージ間の繋ぎ部、1はソーセージ充填手段、2は充填装置の排出口、3はカウンタ機構、4は充填装置、5は搬送コンベア、10は仮掛け手段、11は無端コンベアベルト、12はループ形成フック、13はフックコンベア、15はフック本体、16は揺動アーム、20は懸垂棒、30は切断ユニット、31は切断装置、32は熱溶断部位指示装置、33は固定ガイド棒、34はフックコンベア連動片、35は演算部、36は切断用フック、37は熱風吹き出し口、38はガード部、40は移載・懸吊手段、41はハンド部、42は固定ハンド、43は懸垂棒拘持部、44は可動ハンド、45は伸縮ハンド、46は懸垂棒掴持部、47は伸縮ハンド進退用サーボ系エアシリンダ、48は位置決め用シリンダ、50はハンド昇降ロッド、51はハンド昇降ロッド固着部位、60は水平方向移動手段、61は水平回動駆動本体、62は水平回動アーム、70は懸垂棒載置台、71は懸垂棒載置部位、80はカメラをそれぞれ示す。
【0033】
以下、天然腸ケーシングを用いた場合の本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置を図1から図10を参照しながら説明する。
図1に示される本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置は、ソーセージ充填手段1と仮掛け手段10とループ状ソーセージの移載・懸吊手段40と水平方向移動手段60とから構成されている。ソーセージ充填手段1には、ソーセージ生地を天然腸等のケーシングに一定量ずつ充填して連鎖状ソーセージSを順次送り出す排出口2と、送り出されるソーセージの個数をカウントするカウンタ機構3を有する充填装置4が設けられている。
【0034】
仮掛け手段10には、間欠的に移動することができる無端コンベアベルト11に連鎖状ソーセージを波状に保持することができるループ形成フック12が多数設けられているフックコンベア13が設けられている。図1における仮掛け工程には、作業者が効率よく作業することができる移送工程が設けられている。フックコンベア13は、充填装置4から送り出される所定量の連鎖状ソーセージSを間欠的に移動するループ形成フック12のフック本体15で順次釣支することができるように充填装置4の連鎖状ソーセージの排出口2に連接された搬送コンベアに並設されている。
【0035】
図2及び図3に示されるように、充填装置4から送り出された連鎖状ソーセージSは波状に仮掛けされた状態で移送される。この過程で、充填装置4に設けられたカウンタ機構3からの連鎖状ソーセージSの個数に関する情報に基づき、ループを作るために適正なリンク数のソーセージをループ形成フック12のフック本体15に仮掛けし、1つの懸垂棒に一定範囲のループ数及び/又はリンク数のソーセージSを懸吊するための切断ユニット30が、フックコンベア13の上方に配設されている。この切断ユニット30は、カウンタ機構3からの情報に基づき制御手段(図示せず)から送られてきた信号に基づき、連鎖状ソーセージSの繋ぎ部SLを熱溶断する切断装置31の駆動を制御することができるように、切断装置31、該切断装置が固着された熱溶断部位指示装置32、該熱溶断部位指示装置32の移動をガイドする2本の固定ガイド棒33、該熱溶断部位指示装置32及びその下部に設けられた進退自在のフックコンベア連動片34の動きを制御するための演算部35から構成されている。そして、図2には切断装置31等を2セット有する切断ユニット30が示されている。また、図4に示すように、切断装置31は、切断すべき連鎖状ソーセージの繋ぎ部SLを釣支する切断用フック36と、該切断用フック36に支持されているソーセージ間の繋ぎ部SLに熱風を吹き付け該繋ぎ部SLを切断することができる熱風吹き出し口37と、ガード部38とを備えている。
【0036】
波状に保持され移送されている連鎖状ソーセージSの両端部以外の中程で懸垂棒20当たりに懸吊する予定のリンク数になったとき、上記制御手段の指令に基づいて該連鎖状ソーセージSの切断すべき部位に位置するフックの上方に熱溶断部位指示装置32にガイドされて切断装置31が自動的に移行し、熱溶断部位指示装置32の下部に設けられたフックコンベア連動片34が下方に進出し、フックコンベア13のフック12間に挿入され、以後間欠的に移動するフック12と同期してこの切断装置31も移動する。このとき、図示していない指示ランプが点滅し作業者に切断処理を指示する。作業者により、仮掛け用のループ形成フック12から切断用フック36へ掛け替えられた連鎖状ソーセージSは、移送されながら切断用フック36に支承された連鎖状ソーセージの繋ぎ部SLで熱溶断され、これにより、懸吊枠当たり一定範囲のループ数及び/又はリンク数のソーセージSを懸吊することができる。
【0037】
図5にはループ化工程におけるループ形成フック12の揺動アーム16の作動状態が示されている。ループ形成フック12は、フック本体15とフック本体15の片側上部に軸支された揺動アーム16から構成されており、上記ループ化工程では、波状に仮掛けされ移送されてきた連鎖状ソーセージSが所定位置に達したとき、一連のループ形成フック12に沿って配設され、ループ形成フック12の移送に伴い、揺動アーム16を漸次揺動させていき、所定の位置から揺動アーム16の揺動幅を所定の幅で一定にすることができるカム機構(図示せず)が用いられる。このカム機構により、揺動アーム16の下部が連鎖状ソーセージに接触しながらループ形成位置まで揺動し、波形の山の部分でフック本体15に支承されている連鎖状ソーセージの片側(図5では手前側)が、波状の連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を、波の進行方向鉛直面から少しずれるように持ち上げて、連鎖状ソーセージSがフック本体15と揺動アーム16で支承されたループが形成される。揺動アーム16がループ形成位置まで揺動したループ形成フック12が所定数に達したところで、フックコンベア13による移送を一時的に停止し、所定数形成されたループに懸垂棒20が、あるいはループが懸垂棒20に挿通される。
【0038】
上記ループ化工程に続く懸垂棒挿通工程では、図6に示すようにフック本体12の連鎖状ソーセージSの支承面をガイドとして、ループ状となった連鎖状ソーセージSのループ内に懸垂棒20を挿通するか、あるいは図7に示すように移載・懸吊手段40におけるハンド部41の固定ハンド42の拘持部43にほぼ水平状態で拘持され、待機状態にある懸垂棒20が芯となるように、ループ化工程で形成されたループ状ソーセージSのループが順次送り込まれるようにしておくことにより、ループ状となった連鎖状ソーセージSのループが懸垂棒20に順次挿通されていく。図6及び図7にはループ状ソーセージSに挿通された懸垂棒20が、フック本体と揺動アームによって妨害されない開放方向である斜め上方にほぼ水平状態を維持したまま移動する状態が示されている。このように、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に移載・懸吊させることができる。
【0039】
図8に示されるように、本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置における移載・懸吊手段40には、懸垂棒20をほぼ水平状態で拘持することができる固定ハンド42を有するハンド部41と、該ハンド部を上下方向に移動させることができるハンド昇降ロッド50が設けられている。前記ハンド部41が、固定ハンド42に加えて、端部に懸垂棒20の掴持部46(図9)を有する伸縮ハンド45を進退自在に備え、伸縮ハンド45とは反対側の端部が前記固定ハンド42に回動可能に支持されている可動ハンド44から構成されている。また、固定ハンド42と可動ハンド44間は位置決め用シリンダ48で連結され、固定ハンド42と可動ハンド44とがなす角度を、位置決め用シリンダ48を伸縮することによりコントロールできるようになっている。そして、待機状態にある懸垂棒20にループ状ソーセージが送り込まれてくる間は、該ループ状ソーセージの送り込みが可動ハンド44により妨げられないように、可動ハンド44は固定ハンド42から約30度程度と開かれた状態にある(図8の一点鎖線)。ループ状ソーセージのループが懸垂棒20に挿入され終わった状態で、位置決め用シリンダ48が縮退し、伸縮ハンド45の端部の掴持部46が可動ハンド44と共に閉方向に回動して懸垂棒20を掴持するようになっている(図8の実線)。
【0040】
懸垂棒20の掴持部位は、ループ化工程に設けられたカメラ80からなる掴持部位自動検出手段より出力された情報に基づいて、伸縮ハンド45がサーボ系エアシリンダ47により進出すると同時に、上記のように、固定ハンド42に支持されている可動ハンド44が閉方向に回動し、伸縮ハンド45の端部に設けられた掴持部46が、図10に示されるように、ループ状ソーセージが存在していない掴持部位で懸垂棒20を掴持し、その後図7に示すように、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒20を2箇所で保持したほぼ水平状態を維持したまま、可動ハンド44に設けられたハンド昇降ロッド固着部位51に固着されているハンド昇降ロッド50によるハンド部41の上昇と水平方向移動手段60による水平回動との協動作用により、斜め上方に移動させることによって、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒20に移載・懸吊させるようになっている。
【0041】
本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置における上記水平方向移動手段60は、水平回動駆動本体61と、水平回動駆動本体61から互いに反対方向に延設され、ハンド昇降ロッド50を昇降しうる2本の水平回動アーム62を備えており、移載・懸吊手段を水平方向に自動的に移動することができるようになっている。前記のように、ハンド昇降ロッド50との協動により移載・懸吊手段40を上方に移動させつつ、水平方向移動手段60により移載・懸吊手段40を水平方向に移動させることにより、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒20を、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることができ、ハンド昇降ロッド50による移載・懸吊手段40の上方への移動をストップさせた状態で、水平方向移動手段60により移載・懸吊手段40を水平方向に移動させることにより、ループ状の連鎖状ソーセージを懸吊した懸垂棒20を、懸垂棒を載置することができる懸垂棒載置台70まで順次搬送することができ、懸垂棒載置台70の懸垂棒載置部位71上方で水平方向の移動をストップし、前記ハンド昇降部との協動により移載・懸吊手段を下降させ、懸垂棒載置台70の懸垂棒載置部位71で、固定ハンド42の懸垂棒拘持部43及び可動ハンド44の懸垂棒掴持部46を共に解放することにより、ループ状の連鎖状ソーセージを懸吊した懸垂棒20を載置することができる。以後、所定の場所で、固定ハンド42の懸垂棒拘持部43で次の懸垂棒20が自動的に拘持されるようになっている。
【0042】
【発明の効果】
本発明のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置によると、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージを、自動的に懸垂棒に移載・懸吊させ、ループ状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を燻煙処理用台車等に自動的にハンギングすることができる他、ループ状にする前に仮掛け手段が設けられているので、ループ状に懸吊された連鎖状ソーセージの末端処理等の作業性に優れ、懸吊に際しての天然腸ケーシングの破裂や密着が少なく、また懸垂棒当たりに懸吊するループ数及び/又はリンク数を自動的に一定範囲に調整することができ、簡便に所望のループ状ソーセージを調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のループ状ソーセージ形成装置の概略側面図である。
【図2】仮掛け工程における波状に仮掛けされた連鎖状ソーセージがフックコンベアのループ形成フックに支承されて移送されている状態を示す概略斜視図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】連鎖状ソーセージのソーセージ間の繋ぎ部を熱溶断する切断装置の概略斜視図である。
【図5】ループ化工程におけるループ形成フックの揺動アームの作動状態の説明図である。
【図6】移載・懸吊工程における連鎖状ソーセージのループに挿通した懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動する状態の斜視図である。
【図7】移載・懸吊工程における連鎖状ソーセージのループに挿通した懸垂棒をほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動する状態を順序を追って示す説明図である。
【図8】移載・懸吊工程における固定ハンドと可動ハンドを備えたハンド部の動きを示す側面図である。
【図9】図8における伸縮ハンドの端部に設けられた掴持部の拡大図である。
【図10】移載・懸吊工程における伸縮ハンドの端部に設けられた掴持部による懸垂棒の掴持状態を示す側面模式図である。
【符号の説明】
S ソーセージ
SL ソーセージ間の繋ぎ部
1 充填部
2 充填装置の排出口
3 カウンタ機構
4 充填装置
5 搬送コンベア
10 仮掛け手段
11 無端コンベアベルト
12 ループ形成フック
13 フックコンベア
15 仮掛け用フック本体
16 揺動アーム
20 懸垂棒
30 切断ユニット
31 切断装置
32 熱溶断部位指示装置
33 固定ガイド棒
34 フックコンベア連動片
35 演算部
36 切断用フック
37 熱風吹き出し口
38 ガード部
40 移載・懸吊手段
41 ハンド部
42 固定ハンド
43 懸垂棒拘持部
44 可動ハンド
45 伸縮ハンド
46 懸垂棒掴持部
47 伸縮ハンド進退用サーボ系エアシリンダ
48 位置決め用シリンダ
50 ハンド昇降ロッド
51 ハンド昇降ロッド固着部位
60 水平方向移動手段
61 水平回動駆動本体
62 水平回動アーム
70 懸垂棒載置台
71 懸垂棒載置部位
80 カメラ

Claims (13)

  1. ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に移載・懸吊させることができるループ状ソーセージの自動移載・搬送装置であって、懸垂棒をほぼ水平状態で拘持することができる固定ハンドを有するハンド部と該ハンド部を上下方向に移動させることができるハンド昇降部が設けられている移載・懸吊手段と、該移載・懸吊手段を水平方向に移動することができる水平方向移動手段とを備えていることを特徴とするループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  2. ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージが、ソーセージ生地をケーシングに充填するソーセージ充填手段と、該ソーセージ充填手段より送り出される連鎖状ソーセージを波状に仮掛けする仮掛け手段と、波状の連鎖状ソーセージにより形成される波の山の鉛直面を、波の進行方向鉛直面から少しずらしてループ状の連鎖状ソーセージを形成するループ化手段により形成されることを特徴とする請求項1記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  3. 仮掛け手段が、波状に仮掛けした連鎖状ソーセージを移送することができる移送手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  4. 移載・懸吊手段が、ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に、懸垂棒を挿通することができる懸垂棒挿通手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  5. ハンド部が、端部に懸垂棒の掴持部を有する伸縮ハンドを進退自在に備え、伸縮ハンドとは反対側の端部が前記固定ハンドに回動可能に支持されている可動ハンドを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  6. 懸垂棒の掴持部位を自動的に検出することができる掴持部位自動検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  7. 水平方向移動手段が、移載・懸吊手段を水平方向に回転移動することができる水平回動アームを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  8. 移載・懸吊手段と水平方向移動手段とが、共にロボットに搭載されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  9. ソーセージが、天然腸ケーシングのソーセージであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送装置。
  10. ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、固定ハンドにより拘持されている懸垂棒の端部と、可動ハンドにより掴持されている懸垂棒の掴持部位の2点で保持し、ほぼ水平状態を維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に自動的に移載・懸吊させ、次いで、ループ状の連鎖状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を水平方向に移動することを特徴とするループ状ソーセージの自動移載・搬送方法。
  11. 懸垂棒の掴持部位を自動的に検出することを特徴とする請求項10記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法。
  12. ループ状に釣支されている連鎖状ソーセージのループ内に挿通されている懸垂棒を、固定ハンドにより懸垂棒の端部を拘持し、懸垂棒を水平状態又は懸垂棒の他端を水平より少し持ち上げた状態に維持したまま斜め上方に移動させることにより、釣支されていたループ状の連鎖状ソーセージを釣支から解放して懸垂棒に自動的に移載・懸吊させ、次いで、ループ状の連鎖状ソーセージが懸吊されている懸垂棒を水平方向に移動することを特徴とするループ状ソーセージの自動移載・搬送方法。
  13. ソーセージが、天然腸ケーシングのソーセージであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか記載のループ状ソーセージの自動移載・搬送方法。
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