JP3644148B2 - 電磁弁駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁の駆動装置に係るものであって、詳しくは、バッテリ電圧よりも高い電圧を蓄える高電圧充電用コンデンサを備え、電磁弁の開弁駆動初期に前記高電圧充電用コンデンサに蓄えられた高電圧を一気に放電すると共に、引き続きその放電によるピーク電流より電流値の小さいホールド電流によって当該電磁弁の開弁状態を維持するようにした電磁弁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の関連技術として、特開平2−191865号公報の「燃料噴射装置」が開示されている。同燃料噴射装置では、高圧燃料を蓄える蓄圧配管(コモンレール)内の圧力を制御すると共に、方向制御弁により高圧燃料の供給方向を切り換え、該高圧燃料によって駆動される燃料噴射弁の開弁時間を制御する。そして、燃料を内燃機関の負荷に応じた圧力で適量制御するようにしていた。また特に、上記装置では、前記方向制御弁に燃料の供給方向の切り換え過程で蓄圧配管を燃料系の低圧側に連通する流路を設け、畜圧配管内の燃料の圧力が制御目標圧より大きい場合には、方向制御弁を前記流路が連通する位置まで駆動して蓄圧配管と燃料系の低圧側とを連通させるようにしていた。具体的には、方向制御弁による燃料噴射の制御可能な最小時間(即ち、方向制御弁の切り換えから燃料噴射弁の燃料噴射開始に至る遅延時間)よりも短い通電パルスで、当該方向制御弁を切り換え制御していた。この場合、実際の燃料噴射は実施されないが、蓄圧配管内の燃料の一部が燃料系の低圧側に排出されることにより蓄圧配管内の燃料圧が降下する。その結果、フューエルカット等により燃料噴射弁の開弁動作が行われていない場合でも、燃料圧は速やかに制御目標圧に追従できることとなる。
【0003】
つまり、全負荷走行(アクセル開度=100%)から無負荷走行(アクセル開度=0%)へ移行した際には、燃料の制御目標圧が大きく下降するのに対し、フューエルカットの実行により蓄圧配管内の燃料は消費されず燃料圧は僅かなリ−クによって若干量下降するのみとなる。このため、その状態からアクセルペダルを踏み込むと、アクセル操作量により決定される燃料の制御目標圧より高い圧力の燃料が噴射されることとなり、結果として燃費や排気浄化性が低下したり、加速ショックや過剰なエンジン騒音が生じたりする。しかし、上記公報によれば、既述した諸問題が解消される旨が記載されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術では、以下に示す新たな問題が生ずる。即ち、近年の燃料噴射装置では、燃料噴射弁の高速駆動を実現すべく、車載用バッテリの出力電圧よりも高い電圧を蓄えることができるチャージコンデンサ(高電圧充電用コンデンサ)が多用されている。かかる場合、燃料噴射弁の駆動時に前記コンデンサに蓄えた電荷を一気に放電することにより、当該燃料噴射弁の安定した開弁応答性を確保すると共に、同コンデンサの電荷放電後は放電に伴い生じるコイルのピーク電流より低いホールド電流によって開弁状態を保持するようにしている。
【0005】
他方、こうした燃料噴射装置においては、既述したように制御可能な最小時間よりも短い通電パルスにて燃料噴射弁を駆動させると、前記コンデンサによる高圧電荷の放電途中に、即ち大電流が流れている最中に通電を遮断させなければならず、当該遮断時に過大なフライバックエネルギが発生するという事態を招く。これを図11を用いて説明する。
【0006】
同図11(a),(b)に示すように、通電パルスが立ち上げられると、高電圧充電用コンデンサに蓄えられていた電荷が一気に放電され、当該電圧が急降下する。またそれに伴ない、通電パルスの立ち上がり当初には電磁弁の電磁コイルに通電電流のピーク電流Pが流れる。かかる場合、通電パルスが比較的長い、図11(a)の場合には、通電期間内において通電電流が所定の小電流(ホールド電流H)にまで低下しており、通電遮断時に発生するフライバックエネルギは十分に小さい。これに対して、通電パルスが短い、図11(b)の場合には、通電遮断時に通電電流が十分に低下していない状態で通電が遮断されることになり、その時に発生するフライバックエネルギはかなり大きなものになってしまう。この場合、フライバックエネルギが燃料噴射弁を駆動するためのトランジスタの最大定格を超え、当該トランジスタが破損するおそれがあった。また、トランジスタの破損を防止するべく諸部品の高性能化を図ることも可能であるが、こうした対策では気筒毎に駆動トランジスタが必要なこともあり、構成部品の大型化や高コスト化を招くという問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、過大なフライバックエネルギの発生を抑制し、ひいては構成の簡素化を実現することができる電磁弁駆動装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電磁弁駆動装置ではその前提として、バッテリ電圧よりも高い電圧を蓄える高電圧充電用コンデンサを備え、電磁弁の開弁駆動初期に前記高電圧充電用コンデンサに蓄えられた高電圧を一気に放電すると共に、引き続きその放電によるピーク電流より電流値の小さいホールド電流によって当該電磁弁の開弁状態を維持するように構成している。なお、コンデンサ放電後に電磁弁の通電電流を所定のホールド電流に維持する構成としては、前記通電電流を監視しつつその電流値を保持する、定電流回路を用いることが一般に知られている。
【0009】
そして、請求項1に記載の発明ではその特徴として、コンデンサ放電後に発生するピーク電流がホールド電流付近にまで低下しないような短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される条件下であるか否かを判定し(判定手段)、当該短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される場合、前記高電圧充電用コンデンサに充電される電圧値を低下させるようにしている(充電電圧調整手段)。
【0010】
上記構成によれば、電磁弁への通電遮断時において比較的大きな通電電流が瞬断されるような事態が回避でき、過大なフライバックエネルギの発生を抑制することができる。また、特別に高性能トランジスタを必要とせずとも当該トランジスタの破損等を招くこともなく、構成の簡素化を実現することができるという優れた効果が得られる。因みに、通電遮断時の電流値が所定値まで低下しないような短い通電パルスとは、コンデンサ放電後に発生するピーク電流がホールド電流付近にまで低下しないような通電パルスのことを意味する。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、高圧燃料を蓄える蓄圧配管内の圧力を制御すると共に、前記電磁弁としての方向制御弁により高圧燃料の供給方向を切り換えて該高圧燃料によって駆動される燃料噴射弁の開弁時間を制御し、前記燃料の供給方向の切り換え過程で前記蓄圧配管を燃料系の低圧側に連通可能とした燃料噴射装置に適用されるものであって、前記判定手段は、前記方向制御弁の切り換えから前記燃料噴射弁における燃料噴射の開始に至る遅延時間未満の通電パルスで、前記方向制御弁が切り換え駆動される旨を判定するようにしている。
【0012】
要するに、上記構成の燃料噴射装置では、方向制御弁の切り換えから燃料噴射弁における燃料噴射の開始に至る遅延時間未満の通電パルスで、方向制御弁を切り換え駆動するため、全負荷運転から無負荷運転への過渡時等においても燃料圧を制御目標圧に追従させることができるという効果が得られる反面、短い通電パルスで通電が遮断されるために過大なフライバックエネルギが発生するという問題を招く。因みに、方向制御弁の切り換えから燃料噴射弁における燃料噴射の開始に至る遅延時間とは、図5のグラフに示すΔt1〜Δt2の範囲内における通電パルス幅がそれに相当する。しかし、本発明の構成によれば、上記のような短い通電パルスで方向制御弁が駆動される旨が識別され、その際に高電圧充電用コンデンサの充電電圧が低い値に変更されるため、フライバックエネルギが許容域の低レベルにまで抑制される。
【0013】
請求項3に記載の発明では、前記高電圧充電用コンデンサの充電電圧を所定のしきい値電圧と比較する比較手段を備え、充電電圧調整手段は、前記比較手段により比較されるしきい値電圧を通常時に用いる高電圧しきい値から低電圧しきい値に変更する。上記構成によれば、しきい値電圧の調整処理が容易に実現できる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、前記判定手段により前記コンデンサ放電後に発生するピーク電流がホールド電流付近にまで低下しないような短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される旨が判定された場合、前記高電圧充電用コンデンサの充電を禁止する。つまり、電磁弁の駆動に際しては、その応答性を確保するために高電圧充電用コンデンサの充電電圧を用いるのが好ましいが、同コンデンサの充電電圧を使用しなくとも例えば定電流回路により供給される通電電流(ホールド電流)により駆動できる。そのため、同コンデンサの充電電圧の放電後の通電遮断時に過大なフライバックエネルギが生じるおそれのある場合、即ち、通電遮断時の電流値が所定値(ホールド電流)以下に低下しないような場合には、前記コンデンサの充電を禁止して過大なフライバックエネルギの発生を抑制する。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、多気筒ディーゼル機関の燃料噴射装置を具体化したものであり、図3はその燃料噴射装置について1気筒分の燃料噴射弁及び配管系を中心に示す概略構成図である。
【0016】
この燃料噴射装置の燃料供給機構として大きくは、燃料タンク41から流路43を介して燃料を汲み上げる燃料ポンプ45と、燃料ポンプ45から流路47を通じて供給した燃料を蓄圧する蓄圧配管(コモンレール)49と、この蓄圧配管49からの燃料の供給方向を切り替える方向制御弁としての三方電磁弁51と、該三方電磁弁51により開閉制御され、前記蓄圧配管49より供給される燃料を各気筒に噴射する燃料噴射弁1とを備える。また、本機構において、蓄圧配管49と三方電磁弁51との間は流路55にて連通され、三方電磁弁51と燃料タンク41との間は流路57にて連通されている。
【0017】
次に、燃料噴射弁1の詳細な構成について説明する。図3に示すように、燃料噴射弁1の弁ケーシング2内には、弁体摺動孔3及び燃料溜り室5が形成され、ケーシング2の先端には上記燃料溜り室5に連通するノズル孔7が形成されている。燃料溜り室5には流路53を介して前記蓄圧配管49より高圧燃料が供給されるようになっている。
【0018】
上記弁体摺動孔3には、ノズルニードル9の大径部11が摺動自在に嵌挿されている。このノズルニードル9の大径部11の上部には連結部13が、同じく下部には小径部15及び弁体部17が一体形成され、この弁体部17によりノズル孔7が開閉されるようになっている。
【0019】
上記ノズルニードル9の連結部13の上端には、フランジ19、ピストンピン21及びピストン23が一体的に連結されている。上記フランジ19とハウジング25との間には、圧縮コイルばね27が配設されており、この圧縮コイルばね27のばね力によりノズルニードル9が常時閉弁方向(図の下方向)に付勢されている。
【0020】
上記ピストン23は、ハウジング25に設けられたシリンダ29内に摺動自在に嵌挿されており、シリンダ29と共に作動室31を形成している。作動室31の上部に設けた高圧燃料の流出入口33には、オリフィス35を有するプレート体37が当接され、該プレート体37はピストン23の上端面で支持されたばね体39の付勢力により押圧されている。
【0021】
図4は三方電磁弁51の詳細な構成を示す断面図である。同図(a)に示すように、三方電磁弁51の弁本体61には摺動孔63が形成されており、同摺動孔63内には第1弁体65が摺動可能に配設されている。この第1弁体65は、スプリング67の付勢力により第1弁座69に着座し、ソレノイド71を励磁することにより図の上方向に摺動して第1弁座69から離間するように構成されている。さらに、弁本体61には、前記摺動孔63に連通し、蓄圧配管49より高圧燃料を吸入するための吸入孔73と、同じく摺動孔63に連通し、燃料タンク41へ燃料を排出するための排出孔75と、前記第1弁座69を介して燃料噴射弁1の流出入口33に連通する第1接続孔77とが形成されている。
【0022】
一方、第1弁体65には、第2弁体81を摺動可能に嵌挿するための摺動孔79と摺動孔79に連通する圧力室85とが形成されている。圧力室85の内壁には、前記第2弁体81を着座させるための第2弁座83が形成されている。また、第1弁体65には、圧力室85と供給孔73とを連通する連通孔87と、第2弁体81及び第2弁座83の間隙を介して当該圧力室85と第1接続孔77とを連通する第2接続孔89とが穿設されている。
【0023】
この三方電磁弁51の動作を説明すると、図4(a)に示すように、ソレノイド71が励磁されていないときにはスプリング67の付勢力により第1弁体65が第1弁座69に着座して、第1接続孔77と排出孔75とが遮断されている。このとき、供給孔73及び連通孔87を介して圧力室85に高圧燃料が吸入されるため、その作用圧力により第2弁体81が図の上方に押し上げられ、第2弁体81と第2弁座83とが離間される。そして、第2弁体81の上端が規制部91に当接するまで当該弁体81が移動する。これにより、連通孔87、圧力室85及び第2接続孔89を介して供給孔73と第1接続孔77とが連通され、前記燃料噴射弁1の作動室31に高圧燃料が供給される。かかる場合には、燃料噴射弁1のノズルニードル9が押し下げされることとなり、燃料噴射が停止状態で保持される。
【0024】
これに対して、同図(b)に示すように、ソレノイド71が励磁されるとこのソレノイド71はスプリング67の付勢力に抗して第1弁体65を引き上げ、第1弁体65と第1弁座69とが離間される。このとき、第1弁体65が移動して、第2弁体81が第2弁座83に着座する。これにより、供給孔73と第1接続孔77との間が遮断される。また、第1接続孔77と排出孔75とが連通され、前記燃料噴射弁1の作動室31から燃料が排出される。この結果、燃料噴射弁1に流路53(図3参照)を介して供給される高圧燃料によりノズルニードル9が開弁方向に移動されて、燃料噴射が実行される。即ち、燃料溜り室5内の燃料の圧力により生じる開弁方向の力が、作動室31内の燃料の圧力により生じる閉弁方向の力とばね27等による付勢力との総和を上回った時、ノズルニードル9が開弁方向に移動する。
【0025】
因みに、本実施の形態では、図3に示すオリフィス35により燃料の移動は制限されているので、三方電磁弁51を切り換えるべくソレノイド71を通電してから、開弁方向への力が閉弁方向への力を上回ってノズルニードル9が上方に移動を開始するまでに、約0.4msecの遅延時間を要する。また、その後のノズルニードル9の移動速度は、図3に示す燃料噴射弁1の作動室31から排出される燃料の移動速度に依存する。この結果、本実施の形態における燃料噴射弁1では、開弁初期の高圧燃料の過剰な噴射が抑制され、三方電磁弁51への通電時間(ひいては開弁時間)と燃料噴射量との対応関係等が良好になっている。ここで、図5は、三方電磁弁51の通電パルス幅TQに対応する燃料噴射特性について、燃料圧をパラメータとして示すグラフである。同図の横軸は三方電磁弁51の通電パルス幅TQを表し、縦軸は燃料噴射量を表す。同図によれば、100,80,60,40MPaのいずれの燃料圧であっても、三方電磁弁51のソレノイド71を通電してからΔt2(約0.4msec)経過後に燃料の噴射が開始されるのが分かる。
【0026】
以上のように、この三方電磁弁51は、ソレノイド71の励磁に応じて図4(a)及び(b)の2位置に切り替えられるが、この際、当該2位置の中間状態として、同図(c)に示す状態が存在する。即ち、図4(c)では、蓄圧配管49側の供給孔73が、連通孔87、第2接続孔89及び第1接続孔77を介して、有意の時間、燃料系の低圧側である燃料タンク41側の排出孔75と連通する。換言すれば、同図(c)では、蓄圧配管49と燃料系の低圧側とを連通する流路が形成されることとなる。
【0027】
以上の動作を前記図5のグラフを用いて更に説明すれば、三方電磁弁51への通電パルス幅TQがΔt1(約0.2msec)未満の領域は、燃料噴射弁1は全く作動しないため無噴射の領域であり、また、三方電磁弁51も切換作動しないため、蓄圧配管49内の圧力が保持される領域となっている。また、三方電磁弁51への通電パルス幅TQがΔt1〜Δt2(約0.2〜0.4msec)の領域では、三方電磁弁51を介して流路55,57が連通され、蓄圧配管49と燃料系の低圧側(燃料タンク41側)とが連通する。つまり、Δt1〜Δt2の領域は、燃料が低圧側へ排出され蓄圧配管49内の圧力が降下する領域となっている。しかし、この領域は、燃料噴射弁1による燃料噴射がまだ開始されない、いわゆる遅延時間の領域である。一方、三方電磁弁51の通電パルス幅TQがΔt2を超えると燃料噴射が開始され、図5の特性に従って通電パルス幅TQの長さが長くなるにつれ燃料噴射量が増大する。
【0028】
ここで、三方電磁弁51への通電パルス幅TQがΔt1〜Δt2の領域では、三方電磁弁51の動作開始に伴い燃料圧が低下するものの、実際には燃料噴射弁1による燃料噴射が実施されないため、こうした短い通電パルスを出力することを「空打ち」と言うこととする。
【0029】
一方、図3に示すように、本実施の形態の燃料噴射装置は、以上説明した燃料噴射弁1及び燃料供給機構の制御機構として、燃料ポンプ45を駆動するためのポンプ制御装置95と、蓄圧配管49に設けられ、同配管49内に蓄圧された燃料圧を検出するための圧力センサ97と、ポンプ制御装置95や三方電磁弁51を制御する電子制御装置(ECU)100とを備える。
【0030】
図1及び図2に、車載用ディーゼル機関にあって、燃料噴射制御システムとして一般に採用されているECU100、並びに該ECU100に内蔵されるドライバの構成をそれぞれ示す。
【0031】
まず、ECU100は、図2に示すように、各種センサやスイッチを通じて入力される信号を取り込むためのバッファ101及び102と、それら取り込まれる信号に基づいて燃料噴射量や噴射時期等を演算するマイクロコンピュータ103と、該演算された内容に基づいて三方電磁弁51を駆動するドライバ104と、そしてバッテリ電圧に基づきこれらマイクロコンピュータ103やドライバ104に対して所定の給電を行う電源回路105とを具える構成となっている。
【0032】
なおここで、何れも図示は割愛しているものの、上記センサ類やスイッチ類としては、
・当該機関の回転速度を検出するためのセンサ、
・同機関の気筒判別を行うためのセンサ、
・同機関の吸気圧を検出するためのセンサ、
・同機関の吸気温を検出するためのセンサ、
・同機関の冷却水温を検出するためのセンサ、
・当該車両のアクセル操作量を検出するためのセンサ、
・機関の始動の有無や各種運転状態を示すスイッチ、
等々がある。
【0033】
また、上記マイクロコンピュータ103は、同図2に併せ示すように、CPU(中央演算処理装置)をはじめ、主にプログラムメモリとして用いられるROMやデータメモリとして用いられるRAM、更にはアナログ信号をディジタル変換するためのA/D変換器等を内蔵して構成されるものであり、基本的には、
(1)上記各種センサによる検出信号やスイッチの状態を直接、若しくはA/D変換器を介してRAMに取り込みつつ、ROMに格納されている制御プログラムに従って、その都度の燃料噴射量や噴射時期等を演算する、
(2)該演算結果に応じて、上記三方電磁弁51の駆動を制御するための信号をドライバ104に出力する、
といった処理を実行する。
【0034】
一方、こうしたマイクロコンピュータ103による制御のもとに三方電磁弁51を駆動するドライバ104は、図1に示す構成となっている。
以下、同図1に基づき、該ドライバ104としての構成並びに各部の機能について順次説明する。
【0035】
ドライバ104には、燃料噴射に用いられる、高電圧充電用コンデンサとしてのチャージコンデンサ110が設けられており、同コンデンサ110にチャージされた電荷が、上記マイクロコンピュータ103からの制御信号に基づき三方電磁弁51(ソレノイド71)を介して放電される。なお、上記マイクロコンピュータ103から該ドライバ104に加えられる制御信号としては、
・例えば25KHzの周波数で交番するチャージパルスCP、
・燃料噴射に対応した時期、並びに通電パルス幅を有する電磁弁通電パルスDP、そして、
・三方電磁弁51が空打ち動作されることを指示する空打ち要求信号BP、
がある。これら制御信号の印加態様は、同図1に併せ示す通りである。
【0036】
さてこのドライバ104において、ゲート回路111は、上記電磁弁通電パルスDPが加えられていないことを条件に上記チャージパルスCPをチャージ回路112に印加せしめる回路であり、チャージ回路112は、この印加されるチャージパルスCPに基づいて前記チャージコンデンサ110をチャージする回路である。
【0037】
因みに、このチャージ回路112においては、上記チャージパルスCPに基づくトランジスタ113のON/OFFに同期してチャージ用トランス117の1次側トランジスタ115がON/OFFすることにより、同チャージ用トランス117の2次側から、ダイオード118により整流された直流電圧が上記コンデンサ110のチャージ用電圧として出力されることとなる。なお、回路116は、上記トランジスタ115の保護回路である。
【0038】
また、同チャージ回路112において、上記チャージコンデンサ110に接続された分圧回路119は、同コンデンサ110によるチャージ電圧を検出するための回路である。分圧回路119の分圧出力、即ちコンデンサ110によるチャージ電圧は、チャージ完了判定回路120の比較器121において所定の電圧しきい値と比較される。詳しくは、比較器121の正側入力端子には前記分圧回路119の分圧出力が入力され、同比較器121の負側入力端子にはスイッチ回路122を介して通常時判定用の高電圧しきい値(本実施の形態では、110ボルト)を供給する第1のしきい値電源123、又は空打ち時判定用の低電圧しきい値(本実施の形態では、80ボルト)を供給する第2のしきい値電源124が択一的に接続されるようになっている。このスイッチ回路122の切り換え動作は、マイクロコンピュータ103より入力される空打ち要求信号BPに応じて行われる。
【0039】
そして、同コンデンサ110によるチャージ電圧がチャージ完了を示す該電圧しきい値(110ボルト、又は80ボルト)に達することで、同チャージ完了判定回路120の比較器121からチャージ回路112のトランジスタ114に対してこれをONとする論理Hレベル信号(チャージ完了判定信号)が印加され、該チャージ回路112による上述したチャージ動作が禁止される。
【0040】
また、ドライバ104において、通電制御回路125は、マイクロコンピュータ103から加えられる上記電磁弁通電パルスDPに基づき上記三方電磁弁51への通電を制御する回路である。定電流回路126は、これもマイクロコンピュータ103から加えられる上記電磁弁通電パルスDPに基づき、該パルスDPが印加されている間、上記三方電磁弁51に対して定電流(ホールド電流)を流す回路である。
【0041】
次に、本実施の形態における燃料噴射装置の作用を図6及び図7を用いて説明する。ここで、図6は、マイクロコンピュータ103により実行されるメインルーチン中で起動される空打ち制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0042】
さて、図6のルーチンが開始されると、マイクロコンピュータ103は、先ずステップ200でフューエルカットの状態であるか否かをアクセル操作量検出センサの出力に基づいて判別する。このとき、フューエルカットの状態であると判別される場合としては、例えば全負荷状態(アクセル開度=100%)から無負荷状態(アクセル開度=0%)に移行した時であり、かかる場合には機関出力の低下のためにフューエルカットが実行される。
【0043】
フューエルカットの状態であると判別されれば、マイクロコンピュータ103は、続くステップ210で燃料圧Paが制御目標圧Pbより大きいか否かを判別する。フューエルカットの状態でないと判別された場合、或いはフューエルカットの状態であっても燃料圧Paが制御目標圧Pb以下であると判別された場合、マイクロコンピュータ103はこの処理を一旦終了する。これらの場合は燃料ポンプ45による燃料供給量の調節によって燃料圧Paを制御目標圧Pbに追従させることができるからである。
【0044】
フューエルカットの状態にあり、且つ燃料圧Paが制御目標圧Pbより大きいと判別された場合、マイクロコンピュータ103は、ステップ220で燃料ポンプ45の運転を停止する。つまり、燃料圧Paのそれ以上の上昇を防止する。続いて、マイクロコンピュータ103は、ステップ230で三方電磁弁51の開閉2位置の往復切替を行なうための電磁弁通電パルスDPを所定時間に設定する。2位置往復切替を行う所定時間とは、前記図5のΔt1〜Δt2(0.2〜0.4msec)の範囲内の時間であって、本実施の形態では0.3msecとする。つまり、当該時間は、燃料噴射の実施のために最低限必要な時間Δt2(0.4msec)以下の時間であり、前記所定時間の通電パルスDP出力時には、この2位置の往復切替時において燃料噴射が行われず、前記図4(c)に示すように、三方電磁弁51の供給孔73と排出孔75とが連通して蓄圧配管の高圧燃料の一部が燃料タンク41へ戻されることとなる。上記0.3msecの電磁弁通電パルスDPが空打ち時の通電信号に相当する。
【0045】
その後、マイクロコンピュータ103は、ステップ240で空打ち要求信号BPを出力する。こうした一連の処理は、燃料圧Paが制御目標圧Pbに対して略一致するまで繰り返し実施される。
【0046】
なお、本実施の形態においては、前記図6のステップ200,210が請求項記載の判定手段に相当し、同ステップ240及び図1に示すスイッチ回路122が請求項記載の充電電圧調整手段に相当する。また、請求項記載の比較手段は図1に示す比較器121により構成されている。
【0047】
図7は、前記ドライバ104による三方電磁弁51の駆動態様を示したタイムチャートであり、次に、同図7を併せ参照して、該システムによる燃料噴射制御態様を更に説明する。なお、図7において、時間t10以前は空打ち要求信号BPが論理Lレベルであって、時間t10以降、当該BPが論理Hレベルに操作されるようになっている。
【0048】
ドライバ104にあっては、図7(a)に示すチャージパルスCPに基づき、図7(c)に示す態様で、チャージコンデンサ110に対するチャージが行われる。
【0049】
そしていま、時間t10以前において、チャージ電圧が上記チャージ完了判定回路120に設定された高電圧しきい値(110ボルト)に達したとすると、同チャージ完了判定回路120からは、図7(b)に示す態様で、チャージ回路112のトランジスタ114に対しチャージ完了判定信号が出力される。このチャージ完了判定信号が出力されている間、チャージ回路112にあっては、そのチャージ動作が禁止される(チャージ電圧が110ボルトに保持される)。
【0050】
そしてその後、図7(e)に示す態様で上記電磁弁通電パルスDPが印加されることにより、チャージコンデンサ110にチャージされている電荷が上記三方電磁弁51(ソレノイド71)を通じて一気に放電され、当該通電パルスDPに対応した時間域に「P」として示すような例えば12アンペア程度のピーク電流が同三方電磁弁51に流れるようになる。これにより、燃料噴射弁1の開弁応答性も好適に確保されるようになる。また、上記コンデンサ110の電荷放電後は、前記通電パルスDPに対応した同時間域に「H」として示すように、燃料噴射弁1の開弁保持に必要とされる例えば3アンペア程度のホールド電流が上記定電流回路126を通じて供給されるようになる。
【0051】
一方、時間t10以降において、図7(d)に示す空打ち要求信号BPが出力されると、チャージ完了判定回路120内のスイッチ回路122が操作され、チャージ完了判定回路120のしきい値電圧が低電圧しきい値(80ボルト)に変更される。そして、チャージコンデンサ110のチャージ電圧が低電圧しきい値(80ボルト)に達すると、チャージ完了判定信号がチャージ回路112に出力される。かかる場合、0.3msec程度の電磁弁駆動パルスDPが出力されることにより、前記ホールド電流と同程度の通電電流(「H’」で示す)が三方電磁弁51に流れることになる。
【0052】
以上のように構成された実施の形態の効果を以下に説明する。
(a)本実施の形態では、通電遮断時の電流値が所定値まで低下しないような短い通電パルス(通電時間=0.3msec)により三方電磁弁51が駆動される条件下であるか否かを判定し(図6のステップ200,210)、当該短い通電パルスにより三方電磁弁51が駆動される場合(空打ちが実施される場合)、チャージコンデンサ110にチャージされる電圧値を低下させるようにした。上記構成によれば、三方電磁弁51への通電遮断時において比較的大きな通電電流が瞬断されるような事態が回避でき、過大なフライバックエネルギの発生を抑制することができる。また、特別に高性能トランジスタを必要とせずとも当該トランジスタの破損等を招くこともなく、構成の簡素化を実現することができるという優れた効果が得られる。
【0053】
上記効果を図8のタイムチャートを用いて説明すれば、チャージコンデンサ110のチャージ電圧が高電圧(110ボルト)であれば、同図に破線で示すように、三方電磁弁51のピーク電流が大きく、通電遮断時において過大なフライバックエネルギが生じる。しかし、チャージコンデンサ110のチャージ電圧を低電圧(80ボルト)に変更すれば、同図に実線で示すように、ピーク電流が低下し、通電遮断時に発生するフライバックエネルギが抑制されるのが分かる。
【0054】
(b)本実施の形態では特に、高圧燃料を蓄える蓄圧配管49内の圧力を制御すると共に、三方電磁弁51により高圧燃料の供給方向を切り換えて該高圧燃料によって駆動される燃料噴射弁1の開弁時間を制御し、前記燃料の供給方向の切り換え過程で前記蓄圧配管を燃料系の低圧側に連通可能とした燃料噴射装置に本発明を適用し、所定条件下(本実施の形態では、図6のステップ200,210)において三方電磁弁51の切り換えから燃料噴射弁1における燃料噴射の開始に至る遅延時間未満の通電パルス(前記図5のΔt1〜Δt2の間の通電パルス幅)で三方電磁弁51を切り換え駆動するようにした。そしてこの時に、チャージコンデンサ110のチャージ電圧を低電圧側に変更するようにした。
【0055】
上記構成の燃料噴射装置では、前記の如く短い通電パルスで三方電磁弁51を切り換え駆動することにより、全負荷運転(アクセル開度=100%)から無負荷運転(アクセル開度=0%)への過渡時等においても、燃料噴射を行なわずに蓄圧配管49内の高圧燃料をリークできる。そのため、燃料圧を制御目標圧に速やかに追従させることができるという効果が得られる。即ち、アクセル操作量を0%とするような急減速時であっても、燃料圧を制御目標圧に応答性よく追従させることができるので、常に内燃機関の負荷に応じた最適な圧力で適量の燃料噴射を行うことができる。しかも、このような効果を実現するために短パルス(空打ちパルス信号)を使用する際にも、チャージコンデンサ110のチャージ電圧を低い値に変更することで、従来のように過大なフライバックエネルギが生じることはなく、フライバックエネルギを許容域の低レベルに抑制できるという効果が併せて得られる。
【0056】
(c)また、本実施の形態では、チャージコンデンサ110の充電電圧のしきい値電圧(110ボルト又は80ボルト)を変更する構成として、図1に示すスイッチ回路122を用いた。こうした構成によれば、しきい値電圧の調整処理が容易に実現できる。
【0057】
(d)また、本実施の形態の燃料噴射装置では、蓄圧配管49を低圧側である燃料タンク41に連通、遮断する構成とし、燃料噴射弁1の開閉制御を行なう三方電磁弁51によりその連通を図るようにしたため、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。但し、以下の実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについてはその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0059】
上記第1の実施の形態では、図1のチャージ完了判定回路120において、空打ち要求信号BPが「0」か「1」かに応じて通常のしきい値電圧(110ボルト)と、それよりも低いしきい値電圧(80ボルト)とを切り換えるようにしていたが、この構成を変更する。具体的には、空打ちのような短い通電パルス信号が出力される場合において(空打ち要求信号BP=1)、しきい値電圧を0ボルトに切り換える。この場合、チャージコンデンサ110の充電動作が禁止されることになるが(チャージ電圧=0ボルト)、定電流回路126により流れるホールド電流にて三方電磁弁51が駆動されることとなる。その構成及び動作を図9を用いて説明する。
【0060】
図9に示すように、定電流回路126は、電磁弁通電パルスDPに従いON/OFF動作するトランジスタ134,135,136を有する。また、トランジスタ135のベースに接続された比較器131の負側入力端子には、三方電磁弁51のソレノイド71に流れる通電電流を検出するための電流検出抵抗140の一端が接続され、同比較器131の正側入力端子には、定電圧Vccを抵抗132,133にて分圧する分圧点が接続されている。つまり、比較器131は、電流検出抵抗140により検出される電位と、抵抗132,133により決定される基準電位Vrefとに応じて論理Hレベル又は論理Lレベルの信号を出力する。
【0061】
また、比較器131の正側入力端子と出力端子との間には抵抗137が接続されており、この抵抗137により前記基準電位Vrefは、次の(1)式及び(2)式により求められる2つの値Vref1,Vref2を持つ。
【0062】
【数1】
つまり、抵抗137は基準電位Vrefにヒステリシスを設けるものであって、上記(1),(2)式において、Vref1>Vref2という関係が成立している。なお、上記各数式中、R132 ,R133 ,R137 はそれぞれ、抵抗132,133,137の抵抗値を示す。
【0063】
次に、図9の動作を説明する。上記定電流回路126において、電磁弁駆動パルスDPの立ち上がりに伴いトランジスタ134がOFFされると、トランジスタ135並びにトランジスタ136が共にONになる。すると、三方電磁弁51のソレノイド71が通電され、かかる場合、図の「A」で示す経路で電流が流れる。そして、通電電流が一定値に達し、電流検出抵抗140の電位が基準電位Vref1を上回ると、比較器131の出力は論理Hレベルから論理Lレベルに反転し、トランジスタ135並びにトランジスタ136が共にOFFになる。このとき、三方電磁弁51のソレノイド71には、図の「B」で示す経路で電流が流れる。
【0064】
こうして「B」で示す経路にて電流が流れる際には、時間の経過と共にその電流値が減少し、電流検出抵抗140の電位が基準電位Vref2を下回ると、比較器131の出力が論理Lレベルから論理Hレベルに反転し、再びトランジスタ135並びにトランジスタ136がONとなる。そして、再び「A」で示す経路にて電流が流れることとなる。
【0065】
以上のように、論理Hレベルの電磁弁駆動パルスDPが出力されている間は、トランジスタ135,136がON/OFFのスイッチングを繰り返し、基準電位Vrefで規定される電流値は、ヒステリシス抵抗137で規定されるリプル電流の幅を持って制御されることとなる。
【0066】
本実施の形態の動作を図10のタイムチャートに示す。但し、同タイムチャートは、前記図7のタイムチャートの一部を変更して示すものであり、時間t10以前の動作は既述した通りである。同図ではその特徴として、時間t10以降においてチャージ電圧が0ボルトのままで保持されている。また、電磁弁通電パルスDPの入力に際しては、定電流回路126により制御される定電流(ホールド電流)が流れることとなる。
【0067】
本第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、過大なフライバックエネルギの発生を抑制し、ひいては構成の簡素化を実現することができるという効果が得られる。
【0068】
なお、本発明は、上記各実施の形態の他に次の形態にて実現できる。
(1)三方電磁弁51の開閉2位置の往復切替時間(空打ち時の通電パルス幅)は0.3msecに限定されるものではなく、燃料噴射弁1が開弁を開始するのに要する時間より短かければ足りうる。燃料圧Paが制御目標圧Pbより十分に大きい場合には、三方電磁弁51の切替時間を更に短時間にして、一度の空打ち制御処理中に複数回、三方電磁弁51の2位置往復切替を行うようにしてもよい。
【0069】
(2)また、三方電磁弁51に流す電流の大きさを調節してソレノイド71による第1弁体65の引き上げ速度を小さくし、蓄圧配管49と燃料タンク41との連通状態の時間を長くするようにしてもよい。
【0070】
(3)上記第1の実施の形態では、空打ち時の通電パルスが出力される際に、チャージコンデンサ110のチャージ電圧を110ボルトから80ボルトに制限したが、これは既述の値に限定されるものではない。要は、通電遮断時に電磁弁に流れる通電電流が所定のホールド電流(例えば、3アンペア程度)付近に抑制されるような電圧値であれば、そのチャージ電圧を任意に変更できる。
【0071】
(4)上記各実施の形態では、コモンレール式燃料噴射装置に具体化したが、他の装置に具体化してもよい。要は、通電遮断時の電流値が所定値まで低下しないような短い通電パルス(空打ち時のような通電パルス)により電磁弁が駆動される装置であれば任意に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態において、三方電磁弁を駆動するためのドライバの構成を示す回路図。
【図2】ECU内の構成を示すブロック図。
【図3】燃料噴射装置の概要を示す構成図。
【図4】三方電磁弁の構成及び作動を説明するための断面図。
【図5】三方電磁弁の通電パルス幅と燃料噴射特性との関係を示すグラフ。
【図6】空打ち制御ルーチンを示すフローチャート。
【図7】第1の実施の形態における作用を説明するためのタイムチャート。
【図8】第1の実施の形態における効果を説明するためのタイムチャート。
【図9】定電流回路の構成を示す回路図。
【図10】第2の実施の形態における作用を説明するためのタイムチャート。
【図11】従来技術の問題を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
1…燃料噴射弁、49…蓄圧配管(コモンレール)、51…方向制御弁としての三方電磁弁、100…ECU(電子制御装置)、103…判定手段,充電電圧調整手段を構成するマイクロコンピュータ、110…高電圧充電用コンデンサとしてのチャージコンデンサ、112…チャージ回路、121…比較手段を構成する比較器、122…充電電圧調整手段を構成するスイッチ回路、126…定電流回路。
Claims (4)
- バッテリ電圧よりも高い電圧を蓄える高電圧充電用コンデンサを備え、電磁弁の開弁駆動初期に前記高電圧充電用コンデンサに蓄えられた高電圧を一気に放電すると共に、引き続きその放電によるピーク電流より電流値の小さいホールド電流によって当該電磁弁の開弁状態を維持する電磁弁駆動装置において、
前記コンデンサ放電後に発生するピーク電流がホールド電流付近にまで低下しないような短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される条件下であるか否かを判定する判定手段と、
当該短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される場合、前記高電圧充電用コンデンサに充電される電圧値を低下させる充電電圧調整手段と
を備えたことを特徴とする電磁弁駆動装置。 - 高圧燃料を蓄える蓄圧配管内の圧力を制御すると共に、前記電磁弁としての方向制御弁により高圧燃料の供給方向を切り換えて該高圧燃料によって駆動される燃料噴射弁の開弁時間を制御し、前記燃料の供給方向の切り換え過程で前記蓄圧配管を燃料系の低圧側に連通可能とした燃料噴射装置に適用されるものであって、
前記判定手段は、
前記方向制御弁の切り換えから前記燃料噴射弁における燃料噴射の開始に至る遅延時間未満の通電パルスで、前記方向制御弁が切り換え駆動される旨を判定するものである請求項1に記載の電磁弁駆動装置。 - 前記高電圧充電用コンデンサの充電電圧を所定のしきい値電圧と比較する比較手段を備え、
前記充電電圧調整手段は、前記比較手段により比較されるしきい値電圧を通常時に用いる高電圧しきい値から低電圧しきい値に変更するものである請求項1又は2に記載の電磁弁駆動装置。 - 前記判定手段により前記コンデンサ放電後に発生するピーク電流がホールド電流付近にまで低下しないような短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される旨が判定された場合、前記高電圧充電用コンデンサの充電を禁止する請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁駆動装置。
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