JPH1077896A - 電磁弁駆動装置 - Google Patents

電磁弁駆動装置

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JPH1077896A
JPH1077896A JP23523996A JP23523996A JPH1077896A JP H1077896 A JPH1077896 A JP H1077896A JP 23523996 A JP23523996 A JP 23523996A JP 23523996 A JP23523996 A JP 23523996A JP H1077896 A JPH1077896 A JP H1077896A
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fuel
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pressure
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Kazutoshi Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過大なフライバックエネルギの発生を抑制し、
ひいては構成の簡素化を実現する。 【解決手段】三方電磁弁51を駆動するドライバ104
は、バッテリ電圧よりも高い電圧を蓄えるチャージコン
デンサ110と、当該コンデンサ110に所定の高電圧
を蓄え、且つ三方電磁弁51の開弁駆動初期にコンデン
サ110に蓄えられた高電圧を一気に放電するチャージ
回路112と、引き続きその放電によるピーク電流より
電流値の小さいホールド電流によって当該電磁弁51の
開弁状態を維持する定電流回路126と、コンデンサ1
10のチャージ電圧値を決定するチャージ完了判定回路
120とを備える。そして、通電遮断時の電流値が所定
値まで低下しないような短い通電パルスにより三方電磁
弁51が駆動される条件下では、チャージ完了判定回路
120に空打ち要求信号BPが入力され、コンデンサ1
10に充電される電圧値が通常時よりも低い値に変更さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁の駆動装置
に係るものであって、詳しくは、バッテリ電圧よりも高
い電圧を蓄える高電圧充電用コンデンサを備え、電磁弁
の開弁駆動初期に前記高電圧充電用コンデンサに蓄えら
れた高電圧を一気に放電すると共に、引き続きその放電
によるピーク電流より電流値の小さいホールド電流によ
って当該電磁弁の開弁状態を維持するようにした電磁弁
駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の関連技術として、特
開平2−191865号公報の「燃料噴射装置」が開示
されている。同燃料噴射装置では、高圧燃料を蓄える蓄
圧配管(コモンレール)内の圧力を制御すると共に、方
向制御弁により高圧燃料の供給方向を切り換え、該高圧
燃料によって駆動される燃料噴射弁の開弁時間を制御す
る。そして、燃料を内燃機関の負荷に応じた圧力で適量
制御するようにしていた。また特に、上記装置では、前
記方向制御弁に燃料の供給方向の切り換え過程で蓄圧配
管を燃料系の低圧側に連通する流路を設け、畜圧配管内
の燃料の圧力が制御目標圧より大きい場合には、方向制
御弁を前記流路が連通する位置まで駆動して蓄圧配管と
燃料系の低圧側とを連通させるようにしていた。具体的
には、方向制御弁による燃料噴射の制御可能な最小時間
(即ち、方向制御弁の切り換えから燃料噴射弁の燃料噴
射開始に至る遅延時間)よりも短い通電パルスで、当該
方向制御弁を切り換え制御していた。この場合、実際の
燃料噴射は実施されないが、蓄圧配管内の燃料の一部が
燃料系の低圧側に排出されることにより蓄圧配管内の燃
料圧が降下する。その結果、フューエルカット等により
燃料噴射弁の開弁動作が行われていない場合でも、燃料
圧は速やかに制御目標圧に追従できることとなる。
【0003】つまり、全負荷走行(アクセル開度=10
0%)から無負荷走行(アクセル開度=0%)へ移行し
た際には、燃料の制御目標圧が大きく下降するのに対
し、フューエルカットの実行により蓄圧配管内の燃料は
消費されず燃料圧は僅かなリ−クによって若干量下降す
るのみとなる。このため、その状態からアクセルペダル
を踏み込むと、アクセル操作量により決定される燃料の
制御目標圧より高い圧力の燃料が噴射されることとな
り、結果として燃費や排気浄化性が低下したり、加速シ
ョックや過剰なエンジン騒音が生じたりする。しかし、
上記公報によれば、既述した諸問題が解消される旨が記
載されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術では、以下に示す新たな問題が生ずる。即ち、近年
の燃料噴射装置では、燃料噴射弁の高速駆動を実現すべ
く、車載用バッテリの出力電圧よりも高い電圧を蓄える
ことができるチャージコンデンサ(高電圧充電用コンデ
ンサ)が多用されている。かかる場合、燃料噴射弁の駆
動時に前記コンデンサに蓄えた電荷を一気に放電するこ
とにより、当該燃料噴射弁の安定した開弁応答性を確保
すると共に、同コンデンサの電荷放電後は放電に伴い生
じるコイルのピーク電流より低いホールド電流によって
開弁状態を保持するようにしている。
【0005】他方、こうした燃料噴射装置においては、
既述したように制御可能な最小時間よりも短い通電パル
スにて燃料噴射弁を駆動させると、前記コンデンサによ
る高圧電荷の放電途中に、即ち大電流が流れている最中
に通電を遮断させなければならず、当該遮断時に過大な
フライバックエネルギが発生するという事態を招く。こ
れを図11を用いて説明する。
【0006】同図11(a),(b)に示すように、通
電パルスが立ち上げられると、高電圧充電用コンデンサ
に蓄えられていた電荷が一気に放電され、当該電圧が急
降下する。またそれに伴ない、通電パルスの立ち上がり
当初には電磁弁の電磁コイルに通電電流のピーク電流P
が流れる。かかる場合、通電パルスが比較的長い、図1
1(a)の場合には、通電期間内において通電電流が所
定の小電流(ホールド電流H)にまで低下しており、通
電遮断時に発生するフライバックエネルギは十分に小さ
い。これに対して、通電パルスが短い、図11(b)の
場合には、通電遮断時に通電電流が十分に低下していな
い状態で通電が遮断されることになり、その時に発生す
るフライバックエネルギはかなり大きなものになってし
まう。この場合、フライバックエネルギが燃料噴射弁を
駆動するためのトランジスタの最大定格を超え、当該ト
ランジスタが破損するおそれがあった。また、トランジ
スタの破損を防止するべく諸部品の高性能化を図ること
も可能であるが、こうした対策では気筒毎に駆動トラン
ジスタが必要なこともあり、構成部品の大型化や高コス
ト化を招くという問題が生じる。
【0007】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、過大なフライバ
ックエネルギの発生を抑制し、ひいては構成の簡素化を
実現することができる電磁弁駆動装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電磁弁駆動装置ではその前提として、バッ
テリ電圧よりも高い電圧を蓄える高電圧充電用コンデン
サを備え、電磁弁の開弁駆動初期に前記高電圧充電用コ
ンデンサに蓄えられた高電圧を一気に放電すると共に、
引き続きその放電によるピーク電流より電流値の小さい
ホールド電流によって当該電磁弁の開弁状態を維持する
ように構成している。なお、コンデンサ放電後に電磁弁
の通電電流を所定のホールド電流に維持する構成として
は、前記通電電流を監視しつつその電流値を保持する、
定電流回路を用いることが一般に知られている。
【0009】そして、請求項1に記載の発明ではその特
徴として、通電遮断時の電流値が所定値まで低下しない
ような短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される条
件下であるか否かを判定し(判定手段)、当該短い通電
パルスにより前記電磁弁が駆動される場合、前記高電圧
充電用コンデンサに充電される電圧値を低下させるよう
にしている(充電電圧調整手段)。
【0010】上記構成によれば、電磁弁への通電遮断時
において比較的大きな通電電流が瞬断されるような事態
が回避でき、過大なフライバックエネルギの発生を抑制
することができる。また、特別に高性能トランジスタを
必要とせずとも当該トランジスタの破損等を招くことも
なく、構成の簡素化を実現することができるという優れ
た効果が得られる。因みに、通電遮断時の電流値が所定
値まで低下しないような短い通電パルスとは、コンデン
サ放電後に発生するピーク電流がホールド電流付近にま
で低下しないような通電パルスのことを意味する。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、高圧燃
料を蓄える蓄圧配管内の圧力を制御すると共に、前記電
磁弁としての方向制御弁により高圧燃料の供給方向を切
り換えて該高圧燃料によって駆動される燃料噴射弁の開
弁時間を制御し、前記燃料の供給方向の切り換え過程で
前記蓄圧配管を燃料系の低圧側に連通可能とした燃料噴
射装置に適用されるものであって、前記判定手段は、前
記方向制御弁の切り換えから前記燃料噴射弁における燃
料噴射の開始に至る遅延時間未満の通電パルスで、前記
方向制御弁が切り換え駆動される旨を判定するようにし
ている。
【0012】要するに、上記構成の燃料噴射装置では、
方向制御弁の切り換えから燃料噴射弁における燃料噴射
の開始に至る遅延時間未満の通電パルスで、方向制御弁
を切り換え駆動するため、全負荷運転から無負荷運転へ
の過渡時等においても燃料圧を制御目標圧に追従させる
ことができるという効果が得られる反面、短い通電パル
スで通電が遮断されるために過大なフライバックエネル
ギが発生するという問題を招く。因みに、方向制御弁の
切り換えから燃料噴射弁における燃料噴射の開始に至る
遅延時間とは、図5のグラフに示すΔt1〜Δt2の範
囲内における通電パルス幅がそれに相当する。しかし、
本発明の構成によれば、上記のような短い通電パルスで
方向制御弁が駆動される旨が識別され、その際に高電圧
充電用コンデンサの充電電圧が低い値に変更されるた
め、フライバックエネルギが許容域の低レベルにまで抑
制される。
【0013】請求項3に記載の発明では、前記高電圧充
電用コンデンサの充電電圧を所定のしきい値電圧と比較
する比較手段を備え、充電電圧調整手段は、前記比較手
段により比較されるしきい値電圧を通常時に用いる高電
圧しきい値から低電圧しきい値に変更する。上記構成に
よれば、しきい値電圧の調整処理が容易に実現できる。
【0014】請求項4に記載の発明では、前記判定手段
により通電遮断時の電流値が所定値まで低下しないよう
な短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される旨が判
定された場合、前記高電圧充電用コンデンサの充電を禁
止する。つまり、電磁弁の駆動に際しては、その応答性
を確保するために高電圧充電用コンデンサの充電電圧を
用いるのが好ましいが、同コンデンサの充電電圧を使用
しなくとも例えば定電流回路により供給される通電電流
(ホールド電流)により駆動できる。そのため、同コン
デンサの充電電圧の放電後の通電遮断時に過大なフライ
バックエネルギが生じるおそれのある場合、即ち、通電
遮断時の電流値が所定値(ホールド電流)以下に低下し
ないような場合には、前記コンデンサの充電を禁止して
過大なフライバックエネルギの発生を抑制する。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明を具体化した第1
の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態で
は、多気筒ディーゼル機関の燃料噴射装置を具体化した
ものであり、図3はその燃料噴射装置について1気筒分
の燃料噴射弁及び配管系を中心に示す概略構成図であ
る。
【0016】この燃料噴射装置の燃料供給機構として大
きくは、燃料タンク41から流路43を介して燃料を汲
み上げる燃料ポンプ45と、燃料ポンプ45から流路4
7を通じて供給した燃料を蓄圧する蓄圧配管(コモンレ
ール)49と、この蓄圧配管49からの燃料の供給方向
を切り替える方向制御弁としての三方電磁弁51と、該
三方電磁弁51により開閉制御され、前記蓄圧配管49
より供給される燃料を各気筒に噴射する燃料噴射弁1と
を備える。また、本機構において、蓄圧配管49と三方
電磁弁51との間は流路55にて連通され、三方電磁弁
51と燃料タンク41との間は流路57にて連通されて
いる。
【0017】次に、燃料噴射弁1の詳細な構成について
説明する。図3に示すように、燃料噴射弁1の弁ケーシ
ング2内には、弁体摺動孔3及び燃料溜り室5が形成さ
れ、ケーシング2の先端には上記燃料溜り室5に連通す
るノズル孔7が形成されている。燃料溜り室5には流路
53を介して前記蓄圧配管49より高圧燃料が供給され
るようになっている。
【0018】上記弁体摺動孔3には、ノズルニードル9
の大径部11が摺動自在に嵌挿されている。このノズル
ニードル9の大径部11の上部には連結部13が、同じ
く下部には小径部15及び弁体部17が一体形成され、
この弁体部17によりノズル孔7が開閉されるようにな
っている。
【0019】上記ノズルニードル9の連結部13の上端
には、フランジ19、ピストンピン21及びピストン2
3が一体的に連結されている。上記フランジ19とハウ
ジング25との間には、圧縮コイルばね27が配設され
ており、この圧縮コイルばね27のばね力によりノズル
ニードル9が常時閉弁方向(図の下方向)に付勢されて
いる。
【0020】上記ピストン23は、ハウジング25に設
けられたシリンダ29内に摺動自在に嵌挿されており、
シリンダ29と共に作動室31を形成している。作動室
31の上部に設けた高圧燃料の流出入口33には、オリ
フィス35を有するプレート体37が当接され、該プレ
ート体37はピストン23の上端面で支持されたばね体
39の付勢力により押圧されている。
【0021】図4は三方電磁弁51の詳細な構成を示す
断面図である。同図(a)に示すように、三方電磁弁5
1の弁本体61には摺動孔63が形成されており、同摺
動孔63内には第1弁体65が摺動可能に配設されてい
る。この第1弁体65は、スプリング67の付勢力によ
り第1弁座69に着座し、ソレノイド71を励磁するこ
とにより図の上方向に摺動して第1弁座69から離間す
るように構成されている。さらに、弁本体61には、前
記摺動孔63に連通し、蓄圧配管49より高圧燃料を吸
入するための吸入孔73と、同じく摺動孔63に連通
し、燃料タンク41へ燃料を排出するための排出孔75
と、前記第1弁座69を介して燃料噴射弁1の流出入口
33に連通する第1接続孔77とが形成されている。
【0022】一方、第1弁体65には、第2弁体81を
摺動可能に嵌挿するための摺動孔79と摺動孔79に連
通する圧力室85とが形成されている。圧力室85の内
壁には、前記第2弁体81を着座させるための第2弁座
83が形成されている。また、第1弁体65には、圧力
室85と供給孔73とを連通する連通孔87と、第2弁
体81及び第2弁座83の間隙を介して当該圧力室85
と第1接続孔77とを連通する第2接続孔89とが穿設
されている。
【0023】この三方電磁弁51の動作を説明すると、
図4(a)に示すように、ソレノイド71が励磁されて
いないときにはスプリング67の付勢力により第1弁体
65が第1弁座69に着座して、第1接続孔77と排出
孔75とが遮断されている。このとき、供給孔73及び
連通孔87を介して圧力室85に高圧燃料が吸入される
ため、その作用圧力により第2弁体81が図の上方に押
し上げられ、第2弁体81と第2弁座83とが離間され
る。そして、第2弁体81の上端が規制部91に当接す
るまで当該弁体81が移動する。これにより、連通孔8
7、圧力室85及び第2接続孔89を介して供給孔73
と第1接続孔77とが連通され、前記燃料噴射弁1の作
動室31に高圧燃料が供給される。かかる場合には、燃
料噴射弁1のノズルニードル9が押し下げされることと
なり、燃料噴射が停止状態で保持される。
【0024】これに対して、同図(b)に示すように、
ソレノイド71が励磁されるとこのソレノイド71はス
プリング67の付勢力に抗して第1弁体65を引き上
げ、第1弁体65と第1弁座69とが離間される。この
とき、第1弁体65が移動して、第2弁体81が第2弁
座83に着座する。これにより、供給孔73と第1接続
孔77との間が遮断される。また、第1接続孔77と排
出孔75とが連通され、前記燃料噴射弁1の作動室31
から燃料が排出される。この結果、燃料噴射弁1に流路
53(図3参照)を介して供給される高圧燃料によりノ
ズルニードル9が開弁方向に移動されて、燃料噴射が実
行される。即ち、燃料溜り室5内の燃料の圧力により生
じる開弁方向の力が、作動室31内の燃料の圧力により
生じる閉弁方向の力とばね27等による付勢力との総和
を上回った時、ノズルニードル9が開弁方向に移動す
る。
【0025】因みに、本実施の形態では、図3に示すオ
リフィス35により燃料の移動は制限されているので、
三方電磁弁51を切り換えるべくソレノイド71を通電
してから、開弁方向への力が閉弁方向への力を上回って
ノズルニードル9が上方に移動を開始するまでに、約
0.4msecの遅延時間を要する。また、その後のノ
ズルニードル9の移動速度は、図3に示す燃料噴射弁1
の作動室31から排出される燃料の移動速度に依存す
る。この結果、本実施の形態における燃料噴射弁1で
は、開弁初期の高圧燃料の過剰な噴射が抑制され、三方
電磁弁51への通電時間(ひいては開弁時間)と燃料噴
射量との対応関係等が良好になっている。ここで、図5
は、三方電磁弁51の通電パルス幅TQに対応する燃料
噴射特性について、燃料圧をパラメータとして示すグラ
フである。同図の横軸は三方電磁弁51の通電パルス幅
TQを表し、縦軸は燃料噴射量を表す。同図によれば、
100,80,60,40MPaのいずれの燃料圧であ
っても、三方電磁弁51のソレノイド71を通電してか
らΔt2(約0.4msec)経過後に燃料の噴射が開
始されるのが分かる。
【0026】以上のように、この三方電磁弁51は、ソ
レノイド71の励磁に応じて図4(a)及び(b)の2
位置に切り替えられるが、この際、当該2位置の中間状
態として、同図(c)に示す状態が存在する。即ち、図
4(c)では、蓄圧配管49側の供給孔73が、連通孔
87、第2接続孔89及び第1接続孔77を介して、有
意の時間、燃料系の低圧側である燃料タンク41側の排
出孔75と連通する。換言すれば、同図(c)では、蓄
圧配管49と燃料系の低圧側とを連通する流路が形成さ
れることとなる。
【0027】以上の動作を前記図5のグラフを用いて更
に説明すれば、三方電磁弁51への通電パルス幅TQが
Δt1(約0.2msec)未満の領域は、燃料噴射弁
1は全く作動しないため無噴射の領域であり、また、三
方電磁弁51も切換作動しないため、蓄圧配管49内の
圧力が保持される領域となっている。また、三方電磁弁
51への通電パルス幅TQがΔt1〜Δt2(約0.2
〜0.4msec)の領域では、三方電磁弁51を介し
て流路55,57が連通され、蓄圧配管49と燃料系の
低圧側(燃料タンク41側)とが連通する。つまり、Δ
t1〜Δt2の領域は、燃料が低圧側へ排出され蓄圧配
管49内の圧力が降下する領域となっている。しかし、
この領域は、燃料噴射弁1による燃料噴射がまだ開始さ
れない、いわゆる遅延時間の領域である。一方、三方電
磁弁51の通電パルス幅TQがΔt2を超えると燃料噴
射が開始され、図5の特性に従って通電パルス幅TQの
長さが長くなるにつれ燃料噴射量が増大する。
【0028】ここで、三方電磁弁51への通電パルス幅
TQがΔt1〜Δt2の領域では、三方電磁弁51の動
作開始に伴い燃料圧が低下するものの、実際には燃料噴
射弁1による燃料噴射が実施されないため、こうした短
い通電パルスを出力することを「空打ち」と言うことと
する。
【0029】一方、図3に示すように、本実施の形態の
燃料噴射装置は、以上説明した燃料噴射弁1及び燃料供
給機構の制御機構として、燃料ポンプ45を駆動するた
めのポンプ制御装置95と、蓄圧配管49に設けられ、
同配管49内に蓄圧された燃料圧を検出するための圧力
センサ97と、ポンプ制御装置95や三方電磁弁51を
制御する電子制御装置(ECU)100とを備える。
【0030】図1及び図2に、車載用ディーゼル機関に
あって、燃料噴射制御システムとして一般に採用されて
いるECU100、並びに該ECU100に内蔵される
ドライバの構成をそれぞれ示す。
【0031】まず、ECU100は、図2に示すよう
に、各種センサやスイッチを通じて入力される信号を取
り込むためのバッファ101及び102と、それら取り
込まれる信号に基づいて燃料噴射量や噴射時期等を演算
するマイクロコンピュータ103と、該演算された内容
に基づいて三方電磁弁51を駆動するドライバ104
と、そしてバッテリ電圧に基づきこれらマイクロコンピ
ュータ103やドライバ104に対して所定の給電を行
う電源回路105とを具える構成となっている。
【0032】なおここで、何れも図示は割愛しているも
のの、上記センサ類やスイッチ類としては、 ・当該機関の回転速度を検出するためのセンサ、 ・同機関の気筒判別を行うためのセンサ、 ・同機関の吸気圧を検出するためのセンサ、 ・同機関の吸気温を検出するためのセンサ、 ・同機関の冷却水温を検出するためのセンサ、 ・当該車両のアクセル操作量を検出するためのセンサ、 ・機関の始動の有無や各種運転状態を示すスイッチ、 等々がある。
【0033】また、上記マイクロコンピュータ103
は、同図2に併せ示すように、CPU(中央演算処理装
置)をはじめ、主にプログラムメモリとして用いられる
ROMやデータメモリとして用いられるRAM、更には
アナログ信号をディジタル変換するためのA/D変換器
等を内蔵して構成されるものであり、基本的には、
(1)上記各種センサによる検出信号やスイッチの状態
を直接、若しくはA/D変換器を介してRAMに取り込
みつつ、ROMに格納されている制御プログラムに従っ
て、その都度の燃料噴射量や噴射時期等を演算する、
(2)該演算結果に応じて、上記三方電磁弁51の駆動
を制御するための信号をドライバ104に出力する、と
いった処理を実行する。
【0034】一方、こうしたマイクロコンピュータ10
3による制御のもとに三方電磁弁51を駆動するドライ
バ104は、図1に示す構成となっている。以下、同図
1に基づき、該ドライバ104としての構成並びに各部
の機能について順次説明する。
【0035】ドライバ104には、燃料噴射に用いられ
る、高電圧充電用コンデンサとしてのチャージコンデン
サ110が設けられており、同コンデンサ110にチャ
ージされた電荷が、上記マイクロコンピュータ103か
らの制御信号に基づき三方電磁弁51(ソレノイド7
1)を介して放電される。なお、上記マイクロコンピュ
ータ103から該ドライバ104に加えられる制御信号
としては、 ・例えば25KHzの周波数で交番するチャージパルス
CP、 ・燃料噴射に対応した時期、並びに通電パルス幅を有す
る電磁弁通電パルスDP、そして、 ・三方電磁弁51が空打ち動作されることを指示する空
打ち要求信号BP、 がある。これら制御信号の印加態様は、同図1に併せ示
す通りである。
【0036】さてこのドライバ104において、ゲート
回路111は、上記電磁弁通電パルスDPが加えられて
いないことを条件に上記チャージパルスCPをチャージ
回路112に印加せしめる回路であり、チャージ回路1
12は、この印加されるチャージパルスCPに基づいて
前記チャージコンデンサ110をチャージする回路であ
る。
【0037】因みに、このチャージ回路112において
は、上記チャージパルスCPに基づくトランジスタ11
3のON/OFFに同期してチャージ用トランス117
の1次側トランジスタ115がON/OFFすることに
より、同チャージ用トランス117の2次側から、ダイ
オード118により整流された直流電圧が上記コンデン
サ110のチャージ用電圧として出力されることとな
る。なお、回路116は、上記トランジスタ115の保
護回路である。
【0038】また、同チャージ回路112において、上
記チャージコンデンサ110に接続された分圧回路11
9は、同コンデンサ110によるチャージ電圧を検出す
るための回路である。分圧回路119の分圧出力、即ち
コンデンサ110によるチャージ電圧は、チャージ完了
判定回路120の比較器121において所定の電圧しき
い値と比較される。詳しくは、比較器121の正側入力
端子には前記分圧回路119の分圧出力が入力され、同
比較器121の負側入力端子にはスイッチ回路122を
介して通常時判定用の高電圧しきい値(本実施の形態で
は、110ボルト)を供給する第1のしきい値電源12
3、又は空打ち時判定用の低電圧しきい値(本実施の形
態では、80ボルト)を供給する第2のしきい値電源1
24が択一的に接続されるようになっている。このスイ
ッチ回路122の切り換え動作は、マイクロコンピュー
タ103より入力される空打ち要求信号BPに応じて行
われる。
【0039】そして、同コンデンサ110によるチャー
ジ電圧がチャージ完了を示す該電圧しきい値(110ボ
ルト、又は80ボルト)に達することで、同チャージ完
了判定回路120の比較器121からチャージ回路11
2のトランジスタ114に対してこれをONとする論理
Hレベル信号(チャージ完了判定信号)が印加され、該
チャージ回路112による上述したチャージ動作が禁止
される。
【0040】また、ドライバ104において、通電制御
回路125は、マイクロコンピュータ103から加えら
れる上記電磁弁通電パルスDPに基づき上記三方電磁弁
51への通電を制御する回路である。定電流回路126
は、これもマイクロコンピュータ103から加えられる
上記電磁弁通電パルスDPに基づき、該パルスDPが印
加されている間、上記三方電磁弁51に対して定電流
(ホールド電流)を流す回路である。
【0041】次に、本実施の形態における燃料噴射装置
の作用を図6及び図7を用いて説明する。ここで、図6
は、マイクロコンピュータ103により実行されるメイ
ンルーチン中で起動される空打ち制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【0042】さて、図6のルーチンが開始されると、マ
イクロコンピュータ103は、先ずステップ200でフ
ューエルカットの状態であるか否かをアクセル操作量検
出センサの出力に基づいて判別する。このとき、フュー
エルカットの状態であると判別される場合としては、例
えば全負荷状態(アクセル開度=100%)から無負荷
状態(アクセル開度=0%)に移行した時であり、かか
る場合には機関出力の低下のためにフューエルカットが
実行される。
【0043】フューエルカットの状態であると判別され
れば、マイクロコンピュータ103は、続くステップ2
10で燃料圧Paが制御目標圧Pbより大きいか否かを
判別する。フューエルカットの状態でないと判別された
場合、或いはフューエルカットの状態であっても燃料圧
Paが制御目標圧Pb以下であると判別された場合、マ
イクロコンピュータ103はこの処理を一旦終了する。
これらの場合は燃料ポンプ45による燃料供給量の調節
によって燃料圧Paを制御目標圧Pbに追従させること
ができるからである。
【0044】フューエルカットの状態にあり、且つ燃料
圧Paが制御目標圧Pbより大きいと判別された場合、
マイクロコンピュータ103は、ステップ220で燃料
ポンプ45の運転を停止する。つまり、燃料圧Paのそ
れ以上の上昇を防止する。続いて、マイクロコンピュー
タ103は、ステップ230で三方電磁弁51の開閉2
位置の往復切替を行なうための電磁弁通電パルスDPを
所定時間に設定する。2位置往復切替を行う所定時間と
は、前記図5のΔt1〜Δt2(0.2〜0.4mse
c)の範囲内の時間であって、本実施の形態では0.3
msecとする。つまり、当該時間は、燃料噴射の実施
のために最低限必要な時間Δt2(0.4msec)以
下の時間であり、前記所定時間の通電パルスDP出力時
には、この2位置の往復切替時において燃料噴射が行わ
れず、前記図4(c)に示すように、三方電磁弁51の
供給孔73と排出孔75とが連通して蓄圧配管の高圧燃
料の一部が燃料タンク41へ戻されることとなる。上記
0.3msecの電磁弁通電パルスDPが空打ち時の通
電信号に相当する。
【0045】その後、マイクロコンピュータ103は、
ステップ240で空打ち要求信号BPを出力する。こう
した一連の処理は、燃料圧Paが制御目標圧Pbに対し
て略一致するまで繰り返し実施される。
【0046】なお、本実施の形態においては、前記図6
のステップ200,210が請求項記載の判定手段に相
当し、同ステップ240及び図1に示すスイッチ回路1
22が請求項記載の充電電圧調整手段に相当する。ま
た、請求項記載の比較手段は図1に示す比較器121に
より構成されている。
【0047】図7は、前記ドライバ104による三方電
磁弁51の駆動態様を示したタイムチャートであり、次
に、同図7を併せ参照して、該システムによる燃料噴射
制御態様を更に説明する。なお、図7において、時間t
10以前は空打ち要求信号BPが論理Lレベルであっ
て、時間t10以降、当該BPが論理Hレベルに操作さ
れるようになっている。
【0048】ドライバ104にあっては、図7(a)に
示すチャージパルスCPに基づき、図7(c)に示す態
様で、チャージコンデンサ110に対するチャージが行
われる。
【0049】そしていま、時間t10以前において、チ
ャージ電圧が上記チャージ完了判定回路120に設定さ
れた高電圧しきい値(110ボルト)に達したとする
と、同チャージ完了判定回路120からは、図7(b)
に示す態様で、チャージ回路112のトランジスタ11
4に対しチャージ完了判定信号が出力される。このチャ
ージ完了判定信号が出力されている間、チャージ回路1
12にあっては、そのチャージ動作が禁止される(チャ
ージ電圧が110ボルトに保持される)。
【0050】そしてその後、図7(e)に示す態様で上
記電磁弁通電パルスDPが印加されることにより、チャ
ージコンデンサ110にチャージされている電荷が上記
三方電磁弁51(ソレノイド71)を通じて一気に放電
され、当該通電パルスDPに対応した時間域に「P」と
して示すような例えば12アンペア程度のピーク電流が
同三方電磁弁51に流れるようになる。これにより、燃
料噴射弁1の開弁応答性も好適に確保されるようにな
る。また、上記コンデンサ110の電荷放電後は、前記
通電パルスDPに対応した同時間域に「H」として示す
ように、燃料噴射弁1の開弁保持に必要とされる例えば
3アンペア程度のホールド電流が上記定電流回路126
を通じて供給されるようになる。
【0051】一方、時間t10以降において、図7
(d)に示す空打ち要求信号BPが出力されると、チャ
ージ完了判定回路120内のスイッチ回路122が操作
され、チャージ完了判定回路120のしきい値電圧が低
電圧しきい値(80ボルト)に変更される。そして、チ
ャージコンデンサ110のチャージ電圧が低電圧しきい
値(80ボルト)に達すると、チャージ完了判定信号が
チャージ回路112に出力される。かかる場合、0.3
msec程度の電磁弁駆動パルスDPが出力されること
により、前記ホールド電流と同程度の通電電流
(「H’」で示す)が三方電磁弁51に流れることにな
る。
【0052】以上のように構成された実施の形態の効果
を以下に説明する。 (a)本実施の形態では、通電遮断時の電流値が所定値
まで低下しないような短い通電パルス(通電時間=0.
3msec)により三方電磁弁51が駆動される条件下
であるか否かを判定し(図6のステップ200,21
0)、当該短い通電パルスにより三方電磁弁51が駆動
される場合(空打ちが実施される場合)、チャージコン
デンサ110にチャージされる電圧値を低下させるよう
にした。上記構成によれば、三方電磁弁51への通電遮
断時において比較的大きな通電電流が瞬断されるような
事態が回避でき、過大なフライバックエネルギの発生を
抑制することができる。また、特別に高性能トランジス
タを必要とせずとも当該トランジスタの破損等を招くこ
ともなく、構成の簡素化を実現することができるという
優れた効果が得られる。
【0053】上記効果を図8のタイムチャートを用いて
説明すれば、チャージコンデンサ110のチャージ電圧
が高電圧(110ボルト)であれば、同図に破線で示す
ように、三方電磁弁51のピーク電流が大きく、通電遮
断時において過大なフライバックエネルギが生じる。し
かし、チャージコンデンサ110のチャージ電圧を低電
圧(80ボルト)に変更すれば、同図に実線で示すよう
に、ピーク電流が低下し、通電遮断時に発生するフライ
バックエネルギが抑制されるのが分かる。
【0054】(b)本実施の形態では特に、高圧燃料を
蓄える蓄圧配管49内の圧力を制御すると共に、三方電
磁弁51により高圧燃料の供給方向を切り換えて該高圧
燃料によって駆動される燃料噴射弁1の開弁時間を制御
し、前記燃料の供給方向の切り換え過程で前記蓄圧配管
を燃料系の低圧側に連通可能とした燃料噴射装置に本発
明を適用し、所定条件下(本実施の形態では、図6のス
テップ200,210)において三方電磁弁51の切り
換えから燃料噴射弁1における燃料噴射の開始に至る遅
延時間未満の通電パルス(前記図5のΔt1〜Δt2の
間の通電パルス幅)で三方電磁弁51を切り換え駆動す
るようにした。そしてこの時に、チャージコンデンサ1
10のチャージ電圧を低電圧側に変更するようにした。
【0055】上記構成の燃料噴射装置では、前記の如く
短い通電パルスで三方電磁弁51を切り換え駆動するこ
とにより、全負荷運転(アクセル開度=100%)から
無負荷運転(アクセル開度=0%)への過渡時等におい
ても、燃料噴射を行なわずに蓄圧配管49内の高圧燃料
をリークできる。そのため、燃料圧を制御目標圧に速や
かに追従させることができるという効果が得られる。即
ち、アクセル操作量を0%とするような急減速時であっ
ても、燃料圧を制御目標圧に応答性よく追従させること
ができるので、常に内燃機関の負荷に応じた最適な圧力
で適量の燃料噴射を行うことができる。しかも、このよ
うな効果を実現するために短パルス(空打ちパルス信
号)を使用する際にも、チャージコンデンサ110のチ
ャージ電圧を低い値に変更することで、従来のように過
大なフライバックエネルギが生じることはなく、フライ
バックエネルギを許容域の低レベルに抑制できるという
効果が併せて得られる。
【0056】(c)また、本実施の形態では、チャージ
コンデンサ110の充電電圧のしきい値電圧(110ボ
ルト又は80ボルト)を変更する構成として、図1に示
すスイッチ回路122を用いた。こうした構成によれ
ば、しきい値電圧の調整処理が容易に実現できる。
【0057】(d)また、本実施の形態の燃料噴射装置
では、蓄圧配管49を低圧側である燃料タンク41に連
通、遮断する構成とし、燃料噴射弁1の開閉制御を行な
う三方電磁弁51によりその連通を図るようにしたた
め、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0058】(第2の実施の形態)次に、本発明におけ
る第2の実施の形態について説明する。但し、以下の実
施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と
同等であるものについてはその説明を簡略化する。そし
て、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明
する。
【0059】上記第1の実施の形態では、図1のチャー
ジ完了判定回路120において、空打ち要求信号BPが
「0」か「1」かに応じて通常のしきい値電圧(110
ボルト)と、それよりも低いしきい値電圧(80ボル
ト)とを切り換えるようにしていたが、この構成を変更
する。具体的には、空打ちのような短い通電パルス信号
が出力される場合において(空打ち要求信号BP=
1)、しきい値電圧を0ボルトに切り換える。この場
合、チャージコンデンサ110の充電動作が禁止される
ことになるが(チャージ電圧=0ボルト)、定電流回路
126により流れるホールド電流にて三方電磁弁51が
駆動されることとなる。その構成及び動作を図9を用い
て説明する。
【0060】図9に示すように、定電流回路126は、
電磁弁通電パルスDPに従いON/OFF動作するトラ
ンジスタ134,135,136を有する。また、トラ
ンジスタ135のベースに接続された比較器131の負
側入力端子には、三方電磁弁51のソレノイド71に流
れる通電電流を検出するための電流検出抵抗140の一
端が接続され、同比較器131の正側入力端子には、定
電圧Vccを抵抗132,133にて分圧する分圧点が
接続されている。つまり、比較器131は、電流検出抵
抗140により検出される電位と、抵抗132,133
により決定される基準電位Vrefとに応じて論理Hレ
ベル又は論理Lレベルの信号を出力する。
【0061】また、比較器131の正側入力端子と出力
端子との間には抵抗137が接続されており、この抵抗
137により前記基準電位Vrefは、次の(1)式及
び(2)式により求められる2つの値Vref1,Vr
ef2を持つ。
【0062】
【数1】 つまり、抵抗137は基準電位Vrefにヒステリシス
を設けるものであって、上記(1),(2)式におい
て、Vref1>Vref2という関係が成立してい
る。なお、上記各数式中、R132 ,R133 ,R137 はそ
れぞれ、抵抗132,133,137の抵抗値を示す。
【0063】次に、図9の動作を説明する。上記定電流
回路126において、電磁弁駆動パルスDPの立ち上が
りに伴いトランジスタ134がOFFされると、トラン
ジスタ135並びにトランジスタ136が共にONにな
る。すると、三方電磁弁51のソレノイド71が通電さ
れ、かかる場合、図の「A」で示す経路で電流が流れ
る。そして、通電電流が一定値に達し、電流検出抵抗1
40の電位が基準電位Vref1を上回ると、比較器1
31の出力は論理Hレベルから論理Lレベルに反転し、
トランジスタ135並びにトランジスタ136が共にO
FFになる。このとき、三方電磁弁51のソレノイド7
1には、図の「B」で示す経路で電流が流れる。
【0064】こうして「B」で示す経路にて電流が流れ
る際には、時間の経過と共にその電流値が減少し、電流
検出抵抗140の電位が基準電位Vref2を下回る
と、比較器131の出力が論理Lレベルから論理Hレベ
ルに反転し、再びトランジスタ135並びにトランジス
タ136がONとなる。そして、再び「A」で示す経路
にて電流が流れることとなる。
【0065】以上のように、論理Hレベルの電磁弁駆動
パルスDPが出力されている間は、トランジスタ13
5,136がON/OFFのスイッチングを繰り返し、
基準電位Vrefで規定される電流値は、ヒステリシス
抵抗137で規定されるリプル電流の幅を持って制御さ
れることとなる。
【0066】本実施の形態の動作を図10のタイムチャ
ートに示す。但し、同タイムチャートは、前記図7のタ
イムチャートの一部を変更して示すものであり、時間t
10以前の動作は既述した通りである。同図ではその特
徴として、時間t10以降においてチャージ電圧が0ボ
ルトのままで保持されている。また、電磁弁通電パルス
DPの入力に際しては、定電流回路126により制御さ
れる定電流(ホールド電流)が流れることとなる。
【0067】本第2の実施の形態においても、上記第1
の実施の形態と同様に、過大なフライバックエネルギの
発生を抑制し、ひいては構成の簡素化を実現することが
できるという効果が得られる。
【0068】なお、本発明は、上記各実施の形態の他に
次の形態にて実現できる。 (1)三方電磁弁51の開閉2位置の往復切替時間(空
打ち時の通電パルス幅)は0.3msecに限定される
ものではなく、燃料噴射弁1が開弁を開始するのに要す
る時間より短かければ足りうる。燃料圧Paが制御目標
圧Pbより十分に大きい場合には、三方電磁弁51の切
替時間を更に短時間にして、一度の空打ち制御処理中に
複数回、三方電磁弁51の2位置往復切替を行うように
してもよい。
【0069】(2)また、三方電磁弁51に流す電流の
大きさを調節してソレノイド71による第1弁体65の
引き上げ速度を小さくし、蓄圧配管49と燃料タンク4
1との連通状態の時間を長くするようにしてもよい。
【0070】(3)上記第1の実施の形態では、空打ち
時の通電パルスが出力される際に、チャージコンデンサ
110のチャージ電圧を110ボルトから80ボルトに
制限したが、これは既述の値に限定されるものではな
い。要は、通電遮断時に電磁弁に流れる通電電流が所定
のホールド電流(例えば、3アンペア程度)付近に抑制
されるような電圧値であれば、そのチャージ電圧を任意
に変更できる。
【0071】(4)上記各実施の形態では、コモンレー
ル式燃料噴射装置に具体化したが、他の装置に具体化し
てもよい。要は、通電遮断時の電流値が所定値まで低下
しないような短い通電パルス(空打ち時のような通電パ
ルス)により電磁弁が駆動される装置であれば任意に適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態において、三方電磁弁を駆動
するためのドライバの構成を示す回路図。
【図2】ECU内の構成を示すブロック図。
【図3】燃料噴射装置の概要を示す構成図。
【図4】三方電磁弁の構成及び作動を説明するための断
面図。
【図5】三方電磁弁の通電パルス幅と燃料噴射特性との
関係を示すグラフ。
【図6】空打ち制御ルーチンを示すフローチャート。
【図7】第1の実施の形態における作用を説明するため
のタイムチャート。
【図8】第1の実施の形態における効果を説明するため
のタイムチャート。
【図9】定電流回路の構成を示す回路図。
【図10】第2の実施の形態における作用を説明するた
めのタイムチャート。
【図11】従来技術の問題を説明するためのタイムチャ
ート。
【符号の説明】
1…燃料噴射弁、49…蓄圧配管(コモンレール)、5
1…方向制御弁としての三方電磁弁、100…ECU
(電子制御装置)、103…判定手段,充電電圧調整手
段を構成するマイクロコンピュータ、110…高電圧充
電用コンデンサとしてのチャージコンデンサ、112…
チャージ回路、121…比較手段を構成する比較器、1
22…充電電圧調整手段を構成するスイッチ回路、12
6…定電流回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッテリ電圧よりも高い電圧を蓄える高電
    圧充電用コンデンサを備え、電磁弁の開弁駆動初期に前
    記高電圧充電用コンデンサに蓄えられた高電圧を一気に
    放電すると共に、引き続きその放電によるピーク電流よ
    り電流値の小さいホールド電流によって当該電磁弁の開
    弁状態を維持する電磁弁駆動装置において、 通電遮断時の電流値が所定値まで低下しないような短い
    通電パルスにより前記電磁弁が駆動される条件下である
    か否かを判定する判定手段と、 当該短い通電パルスにより前記電磁弁が駆動される場
    合、前記高電圧充電用コンデンサに充電される電圧値を
    低下させる充電電圧調整手段とを備えたことを特徴とす
    る電磁弁駆動装置。
  2. 【請求項2】高圧燃料を蓄える蓄圧配管内の圧力を制御
    すると共に、前記電磁弁としての方向制御弁により高圧
    燃料の供給方向を切り換えて該高圧燃料によって駆動さ
    れる燃料噴射弁の開弁時間を制御し、前記燃料の供給方
    向の切り換え過程で前記蓄圧配管を燃料系の低圧側に連
    通可能とした燃料噴射装置に適用されるものであって、 前記判定手段は、 前記方向制御弁の切り換えから前記燃料噴射弁における
    燃料噴射の開始に至る遅延時間未満の通電パルスで、前
    記方向制御弁が切り換え駆動される旨を判定するもので
    ある請求項1に記載の電磁弁駆動装置。
  3. 【請求項3】前記高電圧充電用コンデンサの充電電圧を
    所定のしきい値電圧と比較する比較手段を備え、 前記充電電圧調整手段は、前記比較手段により比較され
    るしきい値電圧を通常時に用いる高電圧しきい値から低
    電圧しきい値に変更するものである請求項1又は2に記
    載の電磁弁駆動装置。
  4. 【請求項4】前記判定手段により通電遮断時の電流値が
    所定値まで低下しないような短い通電パルスにより前記
    電磁弁が駆動される旨が判定された場合、前記高電圧充
    電用コンデンサの充電を禁止する請求項1〜3のいずれ
    かに記載の電磁弁駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103711627A (zh) * 2013-12-16 2014-04-09 天津大学 汽油机喷油器驱动电路

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