JP6748743B2 - 燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置等に関する。
近年の自動車燃費・排気規制の強化から、内燃機関の低燃費化と高出力化を同時に達成し、エンジンの広い運転領域に適合することが求められている。その達成方法の一つとして、燃料噴射弁のダイナミックレンジ拡大が要求されている。
燃料噴射弁のダイナミックレンジ拡大は、従来の静流特性を確保しつつ、動流特性を改善することが必要となる。動流特性の改善方法として、ハーフリフト制御による最小噴射量の低減が知られている。
このハーフリフト制御は、燃料噴射装置の弁体が完全に開弁位置(フルリフト位置)に達する前の状態(ハーフリフト領域)で高精度の制御を行うが、ハーフリフト領域の噴射量のばらつきは、燃料噴射装置の個体差に起因して大きく生じることが知られている。このため、燃料噴射装置毎に生じる個体差を検知する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、燃料噴射装置の開弁動作(詳しくは、弁体が開弁状態となったタイミング)を電気的特性に基づき間接的に個体差を検知する技術について開示されている。また、燃料噴射装置の閉弁動作を電気的特性から検知する技術も知られている。
いる。
また、特許文献2には、燃料噴射弁のダイナミックレンジを拡大する技術として、2つの可動コアにより弁体のストローク量を切換えて単位時間あたりの噴射量(噴射率)を変化させる燃料噴射装置が開示されていう。この燃料噴射装置によると、最小噴射領域であってもフルリフトによる燃料噴射が可能であるため、噴射量の精度を高めることができる。
特開2014−152697号公報 特開2006−132412号公報
上記したように、特許文献2に記載された技術によると、2つの可動コアにより弁体のストローク量を切換えて単位時間あたりの噴射量を変化させ、最小噴射領域であってもフルリフトによる燃料噴射が可能であるため、噴射量の精度を高めることができる。
実際のエンジンの性能等は、弁体のストローク量をどのように切換えて燃料噴射を行うかが重要であるが、特許文献2には、弁体のストローク量をどのように切換えて燃料噴射を行うかについては何ら開示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、燃料噴射装置による燃料噴射を適切に制御することのできる技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、一の観点に係る燃料噴射制御装置は、ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより弁体をストローク移動可能であり、第1ストロークと、第2ストロークとのいずれにより弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、第1ストローク又は第2ストロークを選択するストローク選択部と、ストローク選択部により選択されたストロークにより弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、を備える。
本発明によれば、燃料噴射装置の燃料噴射を適切に制御することができる。
図1は、第1実施形態に係る内燃機関システムの全体構成図である。 図2は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置及び関連部位についての構成図である。 図3は、第1実施形態に係る燃料噴射装置の一部の拡大構成図である。 図4は、第1実施形態に係る燃料噴射装置の基本動作を説明する図である。 図5は、第1実施形態に係る燃料噴射装置における噴射量特性(Ti−Q特性)を示す図である。 図6は、第1実施形態に係る燃料噴射装置のストロークの選択を説明する図である。 図7は、第1実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。 図8は、第1実施形態に係る選択利用可能領域ストローク選択処理のフローチャートである。 図9は、第1実施形態に係る内燃機関システムにおけるタイムチャートである。 図10は、第2実施形態に係る選択利用可能領域ストローク選択処理のフローチャートである。 図11は、第2実施形態に係る内燃機関システムにおけるタイムチャートである。 図12は、第3実施形態に係る選択利用可能領域ストローク選択処理のフローチャートである。 図13は、第3実施形態に係る内燃機関システムにおけるタイムチャートである。 図14は、第4実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。 図15は、第5実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。 図16は、第6実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。
いくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1実施形態に係る内燃機関システムの全体構成図である。なお、図1においては、エンジン101の複数の気筒のうちの一つの気筒のみについて示している。
内燃機関システム100は、内燃機関の一例としてのエンジン101と、ECU(Engine Control Unit)109とを備える。エンジン101は、例えば、直列4気筒のガソリンエンジンである。
図示しない吸気口からエンジン101に吸入される空気は、空気流量計(AFM:Air Flow Meter)120、及びスロットル弁119を介して、コレクタ115に流れる。空気流量計120は、吸入された空気量(吸入空気量)を計測する。コレクタ115に流入した空気は、エンジン101の各気筒に接続された吸気管110、吸気弁103を介して燃焼室121内に供給される。
一方、燃料タンク123に貯留された燃料は、低圧燃料ポンプ124により吸引されて、エンジン101に備えられている高圧燃料ポンプ125に供給される。高圧燃料ポンプ125は、排気カム128が備えられた図示しない排気カム軸から伝達される動力によって、内部のプランジャーが上下に稼働され、供給された燃料を高圧化する。高圧燃料ポンプ125は、ECU109の燃料噴射制御装置127からの制御指令に基づいて、吐出する燃料が所望の圧力になるように図示しない吸入口の開閉バルブのソレノイドを制御する。高圧燃料ポンプ125から吐出された燃料は、高圧燃料配管129を介して燃料噴射装置105に供給される。燃料噴射装置105は、ECU109の燃料噴射制御装置127の指令に基づいて、燃料を燃焼室121へ噴射する。
エンジン101には、高圧燃料配管128内の燃料の圧力(燃圧)を計測する燃料圧力センサ126が設けられている。ECU109は、燃料圧力センサ126による測定結果(センサ値)に基づいて、フィードバック制御を行う、すなわち、高圧燃料配管128内の燃料圧力が所望の圧力となるように、高圧燃料ポンプ125に対して制御指令を送信する。
エンジン101は、さらに、燃焼室121毎に、燃焼室121内に火花を放出するための点火プラグ106と、点火プラグ106に電力を供給する点火コイル107とを備える。ECU109は、所望のタイミングで点火プラグ106から火花が放出されるように点火コイル107への通電を制御する。
燃焼室121内に供給された空気と燃料との混合気は、点火プラグ106から放たれる火花により燃焼する。混合気が燃焼することにより発生する圧力によってピストン102が押し下げられる。燃焼により生じた排気ガスは、排気弁104、排気管111を介して三元触媒112に導かれる。三元触媒112は、排気ガスを浄化する排気浄化処理を行う。三元触媒112により浄化された排気ガスは、下流へと流れて、最終的には大気へ放出される。
内燃機関システム100には、エンジン101を冷却する冷却水の温度を測定する水温センサ108と、エンジン101の図示しないクランク軸の角度を計測するクランク角度センサ116と、吸入空気量を計測するAFM120と、排気管111内の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ113と、運転者が操作するアクセルの開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ122と、高圧燃料配管128内の燃料の圧力を計測する燃料圧力センサ126とが備えられている。
ECU109には、水温センサ108、クランク角度センサ116、AFM120、酸素センサ113、アクセル開度センサ122、燃料圧力センサ126等のセンサによる計測結果の信号が入力される。
ECU109は、入力された各種信号に基づいて、各種処理を実行する。例えば、ECU109は、アクセル開度センサ122から入力された信号に基づいて、エンジン101の要求トルクを算出する処理を行うとともに、エンジン101がアイドル状態であるか否かの判定処理等を行う。また、ECU109は、クランク角度センサ116から入力された信号に基づいて、エンジンの回転速度(エンジン回転速度)を演算する処理を行う。また、ECU109は、水温センサ108から入力された冷却水温度、エンジン始動後の経過時間等から三元触媒112が暖機された状態であるか否かを判断する処理を行う。
また、ECU109は、算出した要求トルクなどから、エンジン101に必要な吸入空気量を算出し、算出した吸入空気量に見合った開度とするための信号をスロットル弁119に出力する。ECU109は、燃料噴射装置127を内蔵している。ECU109の燃料噴射制御装置127は、吸入空気量に応じた燃料量(要求噴射量)を算出して燃料噴射装置105に燃料噴射信号を出力し、更に点火コイル107に点火信号を出力する。
次に、燃料噴射制御装置127と、燃料噴射制御装置127に関連する部位とについて詳細に説明する。
図2は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置及び関連部位についての構成図である。
ECU109の燃料噴射制御装置127は、制御部202と、駆動IC(Integrated Circuit)205と、高電圧生成部206と、燃料噴射弁駆動部207a,207bとを備える。高電圧生成部206と、燃料噴射弁駆動部207aとには、図示しないバッテリから供給されるバッテリ電圧209が、ヒューズ203、リレー204を介して供給されている。
制御部202は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ(記憶装置)、I/Oポートなどを備えるマイクロコンピュータ(マイコン)によって構成されている。制御部202は、パルス信号演算部202aと、駆動波形指令部202bと、パラメータ入力部202cと、ストローク選択部202dとを有する。駆動波形指令部202b及びパラメータ入力部202cは、ストローク駆動制御部に相当する。ストローク選択部202dは、アイドル状態判定部、内燃機関状態取得部、燃料状態判定部、ポンプ故障判定部、及びセンサ故障判定部に相当する。
パラメータ入力部202cは、処理に使用するパラメータ(例えば、センサ等からのセンサ値)を入力し、駆動波形指令部202bと、ストローク選択部202dとに渡す。入力するパラメータとしては、例えば、燃料温度、冷却水温、潤滑油温、燃料圧力等がある。
ストローク選択部202dは、パラメータ入力部202cから入力されたパラメータ等に基づいて、燃料噴射装置105の弁体を移動させる際のストロークとして、最大ストローク量が大きい大ストローク(第1ストローク)と、最大ストローク量が小さい小ストローク(第2ストローク)とのいずれかを選択し、選択結果をパルス信号演算部202aと、駆動波形指令部202bとに通知する。なお、ストローク選択部202dの具体的な処理については後述する。
パルス信号演算部202aは、ストローク選択部202dにより選択されたストロークにより燃料噴射装置105を駆動させるための燃料噴射パルス信号の幅(通電時間Ti)を決定し、駆動IC205に出力する。
駆動波形指令部202bは、パラメータ入力部202cにより入力されたパラメータに基づいて、ストローク選択部202dにより選択されたストロークにより燃料噴射装置105を駆動させるための電流の駆動波形を決定し、駆動IC205に指令として出力する。
駆動IC205は、パルス信号演算部202aからの指令と、駆動波形指令部202bからの指令とに基づいて、燃料噴射装置105の駆動期間(燃料噴射装置105の通電時間)、駆動電圧の選択(高電圧210とバッテリ電圧209とのいずれとするかの選択)、及び駆動電流の設定値を決定し、この決定に従って、高電圧生成部206及び燃料噴射駆動部207a,207bを制御する。
高電圧生成部206は、バッテリ電圧209から、電磁ソレノイド式の燃料噴射装置105内に備わる弁体を開弁する際に燃料噴射装置105に供給する高い電源電圧(高電圧210)を生成し、燃料噴射弁駆動部207aに供給する。具体的には、高電圧生成部206は、駆動IC205からの指令に基づいて、所望の目標高電圧に至る様にバッテリから供給されるバッテリ電圧209を昇圧し、バッテリ電圧209より高い高電圧210を生成する。これにより、燃料噴射装置105に対して電圧を供給する電源として、弁体の開弁力確保を目的とした高電圧210と開弁した後に弁体が閉弁しない様に開弁保持をさせるバッテリ電圧209との2系統の電圧が備わることになる
燃料噴射弁駆動部207aは、燃料噴射装置105のコイル305(図3参照)の上流側に電気的に接続され、駆動IC205による制御に基づいて、燃料噴射装置105への電圧の供給の制御及び、供給する電圧の選択(高電圧生成部206により生成された高電圧210、又は、バッテリ電圧209の選択)を行う。
燃料噴射弁駆動部207bは、燃料噴射装置105のコイル305の下流側に電気的に接続され、駆動IC205による制御に基づいて、燃料噴射装置105を接地するか否か切換える。
次に、燃料噴射装置105の構成及び動作について詳細に説明する。
図3は、第1実施形態に係る燃料噴射装置の一部の拡大構成図である。図3(a)は、燃料噴射装置105のコイル305が通電されていない状態を示し、図3(b)は、コイル305に小ストローク(第2ストローク)用の駆動波形の電流が流れている状態を示し、図3(c)は、コイル305に大ストローク(第1ストローク)用の駆動波形の電流が流れている状態を示している。
燃料噴射装置105は、燃料を噴射する開口が形成された弁座306と、ストローク移動する弁体303と、第1可動コア301と、第2可動コア302と、固定コア304と、固定コア304に巻回され、第1可動コア301と第2可動コア302とを吸引する力を発生するコイル305とを有する。
燃料噴射装置105のコイル305が通電されていない状態においては、コイル305による磁束が発生していないので、第1可動コア301及び第2可動コア302に対する磁気吸引力はゼロでる。このため、図3(a)に示すように、第1可動コア301及び第2可動コア302は、固定コア304側に吸引されず、弁体303は、弁座306に当接した状態となっている。このため、弁座306の開口が解放されておらず、燃焼室121内には燃料が噴射されない。
また、燃料噴射装置105のコイル305に小ストローク用の駆動波形の電流が流れている状態においては、図3(b)に示すように、発生する磁気吸引力により第1可動コア301が固定コア304に吸引される。ここで、小ストローク用の電流による磁気吸引力では、第2可動コア302が、第1可動コア301から固定コア304側に離れて移動することはできない。この結果、弁体303は、弁座306から離れることはできるが、最大ストローク量は、St1(第2量)となっている。この際には、弁座306の開口への燃料流路が形成されることとなるので、燃焼室121内に燃料が噴射される。ここで、図3(b)に示すように、最大ストローク量がSt1となるストロークが小ストロークであり、図3(b)に示す状態にすることのできる電流が小ストローク用の電流となる。
また、燃料噴射装置105のコイル305に小ストローク用の駆動波形の電流よりも最大電流が大きい大ストローク用の駆動波形の電流が流れている状態においては、図3(c)に示すように、発生する磁気吸引力により第1可動コア301が固定コア304に吸引されるとともに、第2可動コア302が、第1可動コア301から固定コア304側に離れるように吸引される。この結果、弁体303の最大ストローク量は、St1+St2(第1量)となる。この際には、弁座306の開口への燃料流路が形成され、図3(b)に示す場合よりも燃料流路の流路面積を大きくすることができるので、単位時間当たりの燃料噴射量(噴射率)が増加する。ここで、図3(c)に示すように、最大ストローク量がSt1+St2となるストロークが大ストロークであり、図3(c)に示す状態にすることのできる比較的大きい電流が大ストローク用の電流となる。
次に、燃料噴射装置105における小ストローク時の動作と、大ストローク時の動作について説明する。
図4は、第1実施形態に係る燃料噴射装置の基本動作を説明する図である。図4には、小ストローク時と、大ストローク時とにおける噴射指令信号と、燃料噴射装置105に供給される駆動波形の電流の変化と、弁体303の変位とを示している。
小ストローク時には、パルス信号演算部202aは、例えば、通電時間(パルス信号幅)Tiの噴射指令信号を出力し、駆動波形指令部202bは、電流波形401に示すように、電流を0からIp1まで立ち上げ、その後、電流をIh1が通電時間Tiとなるまで維持させる制御指令を駆動IC205に出力する。
これに基づいて、駆動IC205は、制御指令に従って電流が燃料噴射装置105のコイル305に供給されるように制御する。この結果、コイル305に供給される電流が0からIp1まで立ち上げられると、弁体303は、弁変位403に示すように、開弁を開始して最大ストローク量がSt1となる位置(小ストロークにおけるフルリフト位置)まで移動し、コイル305に供給される電流がIh1で維持されると、通電時間Tiが経過するまでフルリフト位置で維持される。
大ストローク時には、パルス信号演算部202aは、例えば、通電時間Tiの噴射指令信号を出力し、駆動波形指令部202bは、電流波形402に示すように、電流を0からIp2(>Ip1)まで立ち上げ、その後、電流をIh2が通電時間Tiとなるまで維持させる制御指令を駆動IC205に出力する。
これに基づいて、駆動IC205は、制御指令に従って電流が燃料噴射装置105のコイル305に供給されるように制御する。この結果、コイル305に供給される電流が0からIp2まで立ち上げられると、弁体303は、弁変位404に示すように、開弁を開始して最大ストローク量がSt1+St2となる位置(大ストロークにおけるフルリフト位置)まで移動する。そして、コイル305に供給される電流がIh2で維持されると、通電時間Tiが経過するまでフルリフト位置で維持される。
次に、燃料噴射装置105における小ストロークと、大ストロークとにおける噴射量特性について説明する。
図5は、第1実施形態に係る燃料噴射装置における噴射量特性(Ti−Q特性)を示す図である。
小ストロークの場合には、燃料噴射特性は、図5に示す特性501のように、比較的小さい噴射量の範囲において、通電時間Tiの変化に対する噴射量Qの変化の直線性を確保することができ、特に、小ストロークの最大ストローク量St1に到達した時点P2以降においては、高精度な直線性を確保することができる。
大ストロークの場合には、燃料噴射特性は、図5に示す特性502のように、比較的大きい噴射量の範囲において、通電時間Tiの変化に対する噴射量Qの変化の直線性を確保することができ、特に、大ストロークの最大ストローク量St1+St2に到達した時点P1以降においては、高精度な直線性を確保することができる。
図5における大ストロークの場合の燃料噴射特性と、小ストロークの場合の燃料噴射特性とによると、大ストロークの場合には、通電時間Tiが同じであれば、小ストロークの場合に対して、より多くの燃料を噴射できることがわかる。また、噴射量が少ない場合には、小ストロークの場合のほうがより高精度に噴射量を調整できることがわかる。
ここで、パルス信号演算部202aにより通電時間Tiを決定する方法について説明する。
まず、図5に示すような燃料噴射装置105の噴射量特性(Ti−Q特性)を実験により計測しておき、計測した噴射量特性についてのマップを制御部202に記憶させておく。そして、パルス信号演算部202aは、ECU109において算出された要求噴射量に対応する通電時間Tiを、制御部202に記憶させたマップを参照して決定する。
なお、Ti−Q特性は、燃圧によっても変化し、燃圧が大きくなるほど開弁時間に対して噴射量が多くなり、燃圧が小さくなると噴射量が少なくなる傾向がある。そこで、燃圧値に応じたTi−Q特性の補正値を実験などで予め計測して、補正値をテーブルとして制御部202のメモリ等に記憶させておき、パルス信号演算部202aが、燃料圧力センサ126で計測したセンサ値(燃圧値)に対応するTi−Q特性の補正値をテーブルから特定し、補正値に基づいて、要求噴射量に対応する通電時間Tiを補正することにより(例えば、補正値を乗算することにより)、実際に使用する通電時間を算出するようにしてもよい。
パルス信号演算部202aは、例えば、噴射量を少なく設定し、高い精度が必要なときのように、図4に示す電流波形401で駆動されるように選択されている場合(小ストロークが選択されている場合)には、通電時間Tiを図5に示すTi−Q特性501に基づいて決定する。また、パルス信号演算部202aは、多くの燃料を短時間に噴射する必要があるときのように、図4に示す電流波形402で駆動させるように選択されている場合
(大ストロークが選択されている場合)には、通電時間Tiは図5に示すTi−Q特性502に基づいて決定する。
次に、ストローク選択部202dの処理について詳細に説明する。
図6は、第1実施形態に係る燃料噴射装置のストロークの選択を説明する図である。
ストローク選択部202dは、要求噴射量に基づいて、大ストローク、小ストロークいずれのストロークを使用するかを決める。なお、ストローク選択部202dで決定されたストロークの情報は、パルス信号演算部202aと駆動波形指令部202bに送られ、通電時間Tiと駆動電流波形とを決定するために使用される。
前述の通り、燃料噴射装置105は、小ストロークであってもフルリフトにより燃料噴射できることから、最小噴射領域で高精度に燃料噴射ができる。よって、ストローク選択部202dは、図6に示すように、大ストロークのフルリフトとなった以降(時点P1)で噴射できる噴射量(第1噴射量)601を閾値とし、要求噴射量が第1噴射量601以上である場合には、大ストロークを選択し、第1噴射量601未満である場合には、小ストロークを選択するようにしてもよい。これにより、いずれの要求噴射量でも、フルリフトによる噴射が可能であるため、高精度な燃料噴射を実現できる。
ここで、ストロークの選択は、図6に示すように、大ストロークのハーフリフトによる最小噴射量(時点P3の噴射量)602を閾値とすることもできる。ここで、ハーフリフトによる最小噴射量とは、大ストロークのハーフリフト状態において、比較的高い精度で噴射量を制御することのできる最小の噴射量であり、最小噴射量は、燃料噴射装置105の構成に依存する。この場合には、ストローク選択部202dは、最小噴射量602以上である場合には、大ストロークを選択し、要求噴射量が最小噴射量602未満である場合は、小ストロークを選択してもよい。このようにすると、大ストロークを選択することができる要求噴射量の範囲、すなわち、短時間での燃料噴射を行うことのできる範囲を広げることができる。
また、ストロークの選択を、次のようにするようにしてもよい。
図6の選択利用可能領域に示すように、大ストロークと、小ストロークとのいずれのストロークであっても、同一の燃料噴射量を実現できる領域が存在する。この選択利用可能領域、すなわち、燃料噴射量が第1噴射量601未満、且つ第2噴射量閾値602以上の領域は、通電時間Tiを変えることで、大ストローク、小ストロークいずれでも所望の燃料噴射量を実現することができる。
そこで、ストローク選択部202dは、大ストロークで噴射する領域(大ストローク領域)、小ストロークで噴射する領域(小ストローク領域)以外の大ストローク、小ストロークのいずれでも噴射できる選択利用可能領域では、燃料噴射装置105による燃料噴射に関する情報(例えば、噴射開始位置、1燃焼サイクルにおける噴射分割数、噴射インターバル等)や、エンジン101の状態に関する情報に基づいて、ストロークを選択するようにしてもよい。
次に、選択利用可能領域において、大ストロークと小ストロークとのいずれを選択するかを決定するストローク選択部202dを備えるECU109によるストローク選択処理について説明する。
図7は、第1実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。
ステップS701では、ECU109は、燃焼噴射装置105の燃料噴射に関する噴射パラメータを決定する。噴射パラメータは、例えば、1燃焼サイクルにおいて複数回に分けて燃料噴射する場合における分割後(各回)の要求噴射量、分割比(1回の燃料噴射において噴射する燃料の比)、噴射開始位置等であり、これらは、エンジン101の負荷、エンジン回転速度、目標とする燃焼状態等に応じて決定される。
次に、ステップS702では、ストローク選択部202dは、要求噴射量(一回の噴射分)が大ストローク領域であるか否かを判定する。具体的には、ストローク選択部202dは、要求噴射量が、予め記憶している第1噴射量以上であるか否かを判定する。なお、Ti−Q特性は、燃圧値によって変化するため、燃圧値に応じたTi−Q特性を用いて、大ストローク領域であるか否かを判定することが望ましく、第1噴射量は燃圧毎に設定することが望ましい。
ステップS702で要求噴射量が大ストローク領域であると判定された場合(S702:YES)には、処理をステップS703へ移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択して、ストローク選択フラグを大ストロークにセット(設定)する(例えばストローク選択フラグ=1)。この結果、パルス信号演算部202a及び駆動波形指令部202bが、ストローク選択部202dで設定されたストローク選択フラグに基づいて、大ストロークでの通電時間Ti、駆動波形を決定し、決定された通電時間Ti及び駆動波形に基づいて駆動IC205が燃料噴射装置105を駆動して、燃料が噴射されることとなる。
一方、ステップS702で、大ストローク領域でないと判定された場合(S702:NO)には、ストローク選択部202dは、ステップS704で小ストローク領域であるか否かを判定する。具体的には、ストローク選択部202dは、要求噴射量が、予め記憶している第2噴射量未満であるか否かを判定する。なお、Ti−Q特性は、燃圧値によって変化するため、燃圧値に応じたTi−Q特性を用いて、小ストローク領域であるか否かを判定することが望ましく、第2噴射量は燃圧毎に設定することが望ましい。
ステップS704で、小ストローク領域であると判定された場合(S704:YES)には、処理をステップS705に移行し、ストローク選択部202dは、小ストロークを選択して、ストローク選択フラグを小ストロークにセットする(例えばストローク選択フラグ=0)。この結果、パルス信号演算部202a及び駆動波形指令部202bが、ストローク選択部202dで設定されたストローク選択フラグに基づいて、小ストロークでの通電時間Ti、駆動波形を決定し、決定された通電時間Ti及び駆動波形に基づいて駆動IC205が燃料噴射装置105を駆動して、燃料が噴射されることとなる。
一方、ステップS704で、小ストローク領域でないと判定された場合、つまり選択利用可能領域であると判定された場合(S704:NO)には、処理をステップS706に移行し、ストローク選択部202dは、大ストローク、小ストロークのいずれを用いるか判定する選択利用可能領域ストローク選択処理(図8参照)を実行する。
なお、図7に示すストローク選択処理は、1燃焼サイクルにおいて、分割噴射を実行する場合は、分割噴射のそれぞれの回を対象に実行される。
次に、選択利用可能領域ストローク選択処理について説明する。
図8は、第1実施形態に係る選択利用可能領域ストローク選択処理のフローチャートである。選択利用可能領域ストローク選択処理は、図7のステップS706に対応する処理である。
まず、ステップS801で、ストローク選択部202dは、噴射開始位置が所定タイミング(例えば、圧縮下死点(圧縮BDC))以前であるか否かを判定する。
ステップS801で、噴射開始位置が所定タイミング以前であると判定した場合(S801:YES)には、処理をステップS802に移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。ここで、噴射開始位置が所定タイミング以前であるとは、エンジン回転方向に対して逆回転方向(進角方向)を意味する。なお、このステップS802を後述する図10に示す選択利用可能領域ストローク選択処理に置き換えるようにしてもよく、また、後述する図12に示す選択利用可能領域ストローク選択処理に置き換えるようにしてもよい。
ステップS801で、噴射開始位置が所定タイミングより後であると判定した場合(S801:NO)には、処理をステップS803へ移行し、ストローク選択部202dは、小ストロークを選択し、ストローク選択フラグを小ストロークにセットする。なお、噴射開始位置が所定タイミングより後であるとは、機関回転方向に対して順回転方向(遅角方向)を意味する。また、燃料噴射装置105の構成等によって、小ストロークを選択すると、要求噴射量の燃料を適切に噴射できない場合(例えば、次の燃料の噴射タイミング又は点火タイミングまでに要求噴射量の燃料を噴射できない場合)には、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択して、ストローク選択フラグを大ストロークにセットするようにすればよい。また、このような燃料を適切に噴射できない場合であるか否かの判断時期については、選択利用可能領域ストローク選択処理の開始直後に判断してもよく、より前の時点(図7に示すストローク選択処理中)であってもよい。燃料を適切に噴射できない場合であるか否かの判断処理を図7の処理中に行うようにすれば、選択利用可能領域ストローク選択処理は、大ストロークと小ストロークとのいずれを選択しても、要求噴射量の燃料を噴射できる場合に行われる処理となる。
次に、第1実施形態において、図8に示す選択利用可能領域ストローク選択処理が行われた場合におけるストローク選択フラグ、噴射指令信号について説明する。
図9は、第1実施形態に係る内燃機関システムにおけるタイムチャートである。なお、図9では、エンジンの複数気筒のうちの1つの気筒についてのタイムチャートを示し、1燃焼サイクルにおいて、吸気行程に2回の分割噴射を実行し、圧縮行程に2回の分割噴射を実行する例を示している。また、図8における所定タイミングとしては、圧縮BDC901としている。
本実施形態では、吸気行程における2回の噴射については、圧縮BDC901以前であるので、ストローク選択フラグが大ストロークにセットされ、圧縮行程における2回の噴射904,905については、圧縮BDC901より後であるので、ストローク選択フラグが小ストロークにセットされる。
ここで、各噴射を行う場合には、パルス信号演算部202a及び駆動波形指令部202bは、ストローク選択フラグの値に応じて噴射開始前までに各ストロークに応じた噴射指令信号及び駆動波形を駆動IC205に設定必要がある。本実施形態では、駆動波形指令部202bは、吸気行程における2回の噴射については、燃料噴射の分割数や噴射開始位置を確定させる必要がある制御基準位置906において、ストローク選択フラグで選択されているストローク(ここでは、大ストローク)に対応する噴射指令信号及び駆動波形をそれぞれの噴射開始位置で出力するように駆動IC205にセットし、圧縮行程における2回の噴射については、圧縮BDC901において、ストローク選択フラグで選択されているストローク(ここでは、小ストローク)に対応する噴射指令信号及び駆動波形をそれぞれの噴射開始位置で出力するように駆動IC205をセットする。
ここで、燃焼サイクル中に分割噴射を行い、特に圧縮行程において燃料噴射を実施する場合には、ピストン102が上昇中であるため、ピストン102面への燃料付着を防止する必要がある。本実施形態では、このような圧縮行程における燃料噴射においては、低ペネトレーションである(噴霧の到達距離が短い)小ストロークを選択するようにしているので、ピストン102面への燃料付着を抑制できる。また、小ストロークを選択するようにしているので、燃料の噴射精度を向上することができると共に、消費電力を低減することができ、燃料噴射装置105における発熱を抑制することができる。
次に、第2実施形態に係る燃料噴射制御装置について説明する。なお、第2実施形態に係る燃料噴射制御装置は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置とは、図7のステップS706の選択利用可能領域ストローク選択処理が異なっているだけであり、ハードウエア構成は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置と同様である。
図10は、第2実施形態に係る選択利用可能領域ストローク選択処理のフローチャートである。
まず、ステップS1001では、ストローク選択部202dは、分割噴射数が所定回数以下であるか否かを判定する。
ステップS1001では、分割噴射数が所定回数以下と判定された場合(ステップS1001:YES)には、処理をステップS1002に移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。なお、このステップS1002では大ストロークを選択するようにしているが、このステップを図8に示す選択利用可能領域ストローク選択処理に置き換えるようにしてもよく、このようにするとエンジンの燃焼サイクルの行程に応じた適切なストロークを選択することができる。また、このステップを後述する図12に示す選択利用可能領域ストローク選択処理に置き換えるようにしてもよい。
一方、ステップS1001で分割噴射数が所定回数を超えると判定された場合(ステップS1001:NO)には、ステップS1003で、ストローク選択部202dは、エンジンの回転速度が所定値以下か否かを判定する。
この結果、エンジンの回転速度数が所定値以下である場合(ステップS1003:YES)には、処理をステップS1004に移行し、ストローク選択部202dは、小ストロークを選択し、ストローク選択フラグを小ストロークにセットする。
一方、ステップS1003で、エンジンの回転速度が所定値を超える場合(ステップS1003:NO)には、処理をステップS1005に移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。
ここで、エンジンの回転速度に応じてストロークを選択するようにしているのは、エンジン回転速度が速い場合は、短時間で要求噴射量を満足する必要があるためである。上記したように、小ストロークは最小噴射領域での噴射量精度は良いものの、単位時間当たりの燃料噴射量が小さいために、通電時間が長くなってしまう。このため、エンジン回転速度が速い場合において、小ストロークで燃料を噴射すると、点火時期までに要求噴射量を噴射できない可能性がある。そこで、エンジン回転速度が速い場合には、大ストロークを選択するようにしている。
ステップS1003でのエンジンの回転速度との比較に利用する所定値については、分割噴射の通電時間の積算が、1サイクルの噴射可能範囲(例えば、吸気行程から点火時期までの時間)内となるか否かに基づいて決定することができる。これについて図面を用いて具体的に説明する。
図11は、第2実施形態に係る内燃機関システムにおけるタイムチャートである。
図11に示すように、1燃焼サイクル中の噴射可能範囲T1112は、例えば、吸気BDC(T1110)から点火時期T1111までである。この噴射可能範囲T1112の時間は、エンジンの回転速度によって変わる。各噴射における通電時間T1101、T1102、T1103、T1104、T1105と、噴射が終わってから次の噴射までの時間である噴射インターバルT1106、T1107、T1108、T1109の総和が噴射可能範囲T1112以内であれば要求噴射量の燃料を噴射することができると判定できる。そこで、各噴射における通電時間T1101、T1102、T1103、T1104、T1105と、噴射インターバルT1106、T1107、T1108、T1109の総和が噴射可能範囲T1112の時間以内であるか否かの境界となるエンジンの回転速度を実験や設計値等により決定しておくことにより、ステップS1003の所定値として使用することができる。
なお、本実施形態では、ステップS1003では、エンジン101の回転速度に応じてストロークを選択するようにしていたが、例えば、その他のエンジン状態、例えば三元触媒112の昇温のために点火リタード制御実行中であるか否か、エンジン101がアイドル状態であるか否か等によってストロークを選択するようにしてもよい。
次に、第3実施形態に係る燃料噴射制御装置について説明する。なお、第3実施形態に係る燃料噴射制御装置は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置とは、図7のステップS706の選択利用可能領域ストローク選択処理が異なっているだけであり、ハードウエア構成は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置と同様である。
図12は、第3実施形態に係る選択利用可能領域ストローク選択処理のフローチャートである。
まずステップS1201では、ストローク選択部202dは、小ストロークで噴射した場合における噴射インターバルを算出する。噴射インターバルについては後述する。ステップS1201では、ストローク選択部202dは、1燃焼サイクル中の全分割噴射に対する噴射インターバルを算出する。
次に、処理をステップS1202に移行し、ストローク選択部202dは、噴射インターバルが所定値以下であるか否かを判定する。
この結果、噴射インターバルが所定値以下であると判定された場合(S1202:YES)には、処理をステップS1203へ移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。
一方、ステップS1202で噴射インターバルが所定値を超えると判定された場合(S1202:NO)には、処理をステップS1204へ以降し、ストローク選択部202dは、小ストロークを選択し、ストローク選択フラグを小ストロークにセットする。このステップS1204を、図8に示す選択利用可能領域ストローク選択処理に置き換えるようにしてもよく、このようにするとエンジンの燃焼サイクルの行程に応じた適切なストロークを選択することができる。また、このステップを図10に示す選択利用可能領域ストローク選択処理に置き換えるようにしてもよい。
次に、噴射インターバルについて説明する。
図13は、第3実施形態に係る内燃機関システムにおけるタイムチャートである。図13は、エンジンの1気筒における噴射タイミングと、噴射指令信号とを示しており、上段には、大ストロークで噴射する場合の例を示し、下段には、小ストロークで噴射する場合の例を示す。
まず、1番目の噴射と2番目の噴射との噴射インターバル(T1311,T1313)について説明する。1番目の噴射の噴射タイミングT1307は、制御基準位置T1300からの時間(又はクランク角度)を表している。大ストロークで噴射する場合における、噴射インターバルT1311は、2番目の噴射開始位置T1308から1番目の噴射の噴射終了位置T1307+T1301を減算することで算出することができる。一方、小ストロークで噴射する場合時における噴射インターバルT1313は、2番目の噴射の噴射開始位置T1308から1番目の噴射の噴射終了位置T1307+T1304を減算することで算出できる。
ここで、噴射が終わってから次の噴射を行うためには、燃料噴射装置105への通電停止から弁体303が閉弁するまでに必要な時間(必要時間)T1315が確保できなければならない。図13に示す例においては、小ストロークで噴射する場合の噴射インターバルT1313においては、必要時間T1315を確保できない。そのため、1番目の噴射を小ストロークで実施しようとすると、2番目の噴射とつながってしまい、噴射ペネトレーションが長くなり、排気性能が悪化してしまう。そこで、ストローク選択部202dは、1番目の噴射については大ストロークを選択して、通電時間T1301を短くして、噴射インターバルに必要時間T1315を確保できるようにしている。
次に、2番目の噴射と3番目の噴射との噴射インターバル(T1312、T1314)について説明する。上記同様に、大ストロークで噴射する場合における噴射インターバルT1312と、小ストロークで噴射する場合における噴射インターバルT1314を算出する。小ストロークで噴射する場合の噴射インターバルT1314は、必要時間T1315を確保可能であるため、ストローク選択部202dは、2番目の噴射については小ストロークを選択する。
ここで、ステップS1202での比較に用いる所定値は、高電圧装置206の昇圧待ち時間以上、且つ、燃料噴射装置105の弁体303が閉弁するまでの必要時間T1315以上となるように設定すればよい。
次に、第4実施形態に係る燃料噴射制御装置について説明する。なお、第4実施形態に係る燃料噴射制御装置は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置におけるストローク選択部202dに新たな機能を追加したものであり、ハードウエア構成は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置と同様である。
図14は、第4実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。
まず、ステップS1401では、ECU109は、燃焼噴射装置105の燃料噴射に関する噴射パラメータを決定する。噴射パラメータは、例えば、1燃焼サイクルにおいて複数回に分けて燃料噴射する場合における分割後(各回)の要求噴射量、分割比(1回の燃料噴射において噴射する燃料の比)、噴射開始位置であり、これらは、エンジン101の負荷、エンジン回転速度、目標とする燃焼状態等に応じて決定される。
次に、ステップS1402では、ストローク選択部202dは、エンジン101がアイドル状態であるか否かを判定する。アイドル状態であるか否かの判定は、アクセル開度センサ122からの開度信号に基づいて、アクセルペダルが踏まれているか否かを判定することにより判定することができる。
ステップS1402でエンジン101がアイドル状態でないと判定された場合(S1402:NO)には、ストローク選択部202dは、ステップS1406でストローク選択処理を行う。ステップS1406で実施するストローク選択処理は、例えば、図7に示すストローク選択処理において、ステップS701を取り除いた処理である。
ステップS1402でエンジン101がアイドル状態であると判定された場合(S1402:YES)には、処理をステップS1403に移行し、ストローク選択部202dは、冷却水温が所定の閾値以下(極低温)であるか否かを判定する。冷却水温が閾値以下である場合(S1403:YES)には、処理をステップS1404に移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。
ステップS1403で冷却水温が閾値より大きいと判定された場合(S1403:NO)には、処理をステップS1405に移行し、ストローク選択部202dは、小ストロークを選択し、ストローク選択フラグを小ストロークにセットする。
ここで、エンジン101がアイドル状態の場合には、燃料噴射装置105の動作に伴うノイズが相対的に大きくなるため、燃料噴射装置105に伴うノイズの低減が要求されることとなる。燃料噴射装置105の動作に伴うノイズの発生要因は、可動コア301,302が固定コア304に衝突することや、弁体303が弁座306に着座する際に接触することにある。本実施形態では、アイドル状態の場合には、冷却水温が極低温でなければ、小ストロークを選択することによりノイズの低減を行っている。これは、小ストロークを選択すると、発生する磁気吸引力が弱く、可動コア301と固定コア304との距離を短くすることができ、大ストロークを選択した場合に比べて衝突時の力を弱くでき、衝突時に発生する音を小さくすることができるからである。
また、ステップS1403にて冷却水温を判定し、その結果によって、ストロークを選択するようにしているのは、エンジン101における燃焼の安定性を確保するためである。一般的に、低温始動時は、点火タイミングの遅角化により触媒を早期昇温させる。しかし、極低温の場合は、点火タイミングを遅角しすぎると燃焼が安定しない状態、いわゆるラフアイドル状態となる。これを防ぐため、極低温と判定された場合には、低温時にくらべて点火タイミングを進角することが行われる。このときには、短時間で燃料を噴射する必要がある。そこで、本実施形態では、極低温の場合には、大ストロークを選択することにより、短時間での燃料の噴射を実現して、燃焼を安定させるようにしている。
なお、ステップS1403の処理を実行せずに、ステップS1402でエンジン101がアイドル状態であると判定された場合(S1402:YES)に、処理をステップS1405に移行して、ストローク選択部202dにより、小ストロークを選択し、ストローク選択フラグを小ストロークにセットするようにしてもよい。
次に、第5実施形態に係る燃料噴射制御装置について説明する。なお、第5実施形態に係る燃料噴射制御装置は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置におけるストローク選択部202dに新たな機能を追加したものであり、ハードウエア構成は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置と同様である。
図15は、第5実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。
まず、ステップS1501では、ECU109は、燃焼噴射装置105の燃料噴射に関する噴射パラメータを決定する。
次に、ステップS1502では、ストローク選択部202dは、エンジン101に対して燃料がカットされている状態(燃料カット中)であるか否かを判定する。燃料カット中であるか否かの判定は、要求噴射量がゼロとなることや、アクセル開度センサ122により検出されるアクセル開度、エンジン回転速度等によって判定できる。
ステップS1502で燃料カット中であると判定された場合(S1502:YES)には、処理をステップS1503に移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。
一方、ステップS1502で燃料カット中でないと判定された場合(S1502:NO)には、処理をステップS1504に移行し、ストローク選択処理を行う。ステップS1504で実施するストローク選択処理は、例えば、図7に示すストローク選択処理において、ステップS701を取り除いた処理である。
ここで、燃料カット中にもかかわらず、ストローク選択部202dによりストローク選択フラグをセットするのは、急な燃料カットリカバに備えるためである。一般的に、燃料カットによる減速中、もしくはアイドルストップ制御によるエンジン停止中からの燃料カットリカバでは、エンジンに大きなトルクが必要となり、要求噴射量が多くなる傾向にある。このような状況に対処するため、急な始動要求にも大ストロークで即時大量の燃料を噴射可能とするため、ストローク選択フラグを大ストロークに設定することにより、予め駆動IC205に大ストローク用の電流波形をセットするようにしている。
次に、第6実施形態に係る燃料噴射制御装置について説明する。なお、第6実施形態に係る燃料噴射制御装置は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置におけるストローク選択部202dに新たな機能を追加したものであり、ハードウエア構成は、第1実施形態に係る燃料噴射制御装置と同様である。
図16は、第6実施形態に係るストローク選択処理のフローチャートである。
まず、ステップS1601では、ストローク選択部202dは、燃料圧力センサ126と高圧燃料ポンプ125との故障診断を行う。
次に、ステップS1602では、ECU109は、燃焼噴射装置105の燃料噴射に関する噴射パラメータを決定する。
次に、ステップS1603では、ストローク選択部202dは、燃料圧力センサ126、又は高圧燃料ポンプ125のいずれかに故障が検出されたか否かを判定する。
ステップS1603で燃料圧力センサ126、又は高圧燃料ポンプ125のいずれかに故障が検出された場合(S1603:YES)には、処理をS1604に移行し、ストローク選択部202dは、大ストロークを選択し、ストローク選択フラグを大ストロークにセットする。
一方、ステップS1603で燃料圧力センサ126及び高圧燃料ポンプ125のいずれにも故障が検出されていな場合(S1603:NO)には、処理をS1605移行し、ストローク選択処理を行う。ステップS1605で実施するストローク選択処理は、例えば、図7に示すストローク選択処理において、ステップS701を取り除いた処理である。
ここで、燃料圧力センサ126、又は高圧燃料ポンプ125のいずれかに故障が検出された場合に、大ストロークを選択する理由について以下に説明する。
燃料圧力センサ126とECU109とを接続するハーネス断線や、ECU109内で構成される回路にショートが発生すると、燃料圧力センサ126の出力値は一定値となり、燃料噴射制御装置127は実燃圧値を認識できなくなる。実燃圧値が認識できなくなると、高圧燃料ポンプ125による昇圧が正確に行えなくなるため、フェールセーフ制御として、ECU109が高圧燃料ポンプ125を停止させるので、高圧燃料配管129内をフィード圧(低圧)となる。同様に、高圧燃料ポンプ125とECU109を接続するハーネス断線や、ECU109内で構成される回路にショートが発生すると、高圧燃料ポンプ125は燃料を圧送できなくなるため、高圧燃料配管129内はフィード圧(低圧)となる。
この場合には、燃料噴射はフィード圧の下で実施されることとなり、通電時間Tiに対する燃料噴射量が急激に減少することとなる。そこで、ストローク選択フラグを大ストロークに設定することにより、燃料噴射量を確保し、意図せぬエンジン停止を防ぐことができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記第6実施形態では、燃料圧力センサ126と高圧燃料ポンプ125との両方の故障診断を行うようにしていたが、本発明はこれに限られず、いずれか一方のみの故障診断を行い、故障の発生を検出した場合に、大ストロークを選択するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、ECU109が行っていた処理の一部又は全部を、別のハードウエア回路で行うようにしてもよい。
100…内燃機関システム、101…エンジン、105…燃料噴射装置、106…点火プラグ、107…点火コイル、109…ECU、127…燃料噴射制御装置、202…制御部、202a…パルス信号演算部、202b…駆動波形指令部、202c…パラメータ入力部、202d…ストローク選択部

Claims (13)

  1. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射装置による燃料噴射量が、前記第1ストロークにより前記弁体をストローク移動させる際において、前記弁体がフルリフト位置に到達した時点以降において噴射可能な第1噴射量以上であるか、前記第1ストロークにより前記弁体をストローク移動させる際において、前記弁体が前記フルリフト位置に到達する前において制御可能な最小の噴射量である第2噴射量未満であるか、それとも、前記第2噴射量以上且つ前記第1噴射量未満であるかを判定する燃料噴射量判定部をさらに備え、
    前記ストローク選択部は、前記燃料噴射量が前記第2噴射量以上且つ前記第1噴射量未満である場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は第2ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  2. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射に関する情報は、前記燃料噴射装置による燃料噴射開始タイミングを含み、
    前記ストローク選択部は、前記燃料噴射開始タイミングが、圧縮下死点以降である場合には、前記第2ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  3. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射に関する情報は、1燃焼サイクルにおける分割噴射数を含み、
    前記ストローク選択部は、前記分割噴射数が、所定値以下である場合には、前記第1ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  4. 前記内燃機関の状態に関する情報は、前記燃料噴射装置を備える内燃機関の回転速度を含み、
    前記ストローク選択部は、前記分割噴射数が、所定値を超える場合において、前記回転速度が所定速度を超える場合には、前記第1ストロークを選択し、前記回転速度が前記所定速度以下の場合には、前記第2ストロークを選択する
    請求項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射に関する情報は、燃料の噴射が終了した燃料噴射終了タイミングから、次の燃料の噴射を開始する燃料噴射開始タイミングまでの噴射インターバルを含み、
    前記ストローク選択部は、前記噴射インターバルが所定値以下である場合には、前記第1ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  6. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射装置を備える内燃機関がアイドル状態であるか否かを判定するアイドル状態判定部と、
    前記内燃機関の冷却水温を取得する内燃機関状態取得部と、をさらに備え、
    前記ストローク選択部は、前記内燃機関がアイドル状態である場合においては、前記冷却水温が所定の温度よりも低い場合には、前記第1ストロークを選択し、前記冷却水温が所定の温度以上の場合には、前記第2ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  7. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射装置を備えるエンジンが燃料カット状態であるか否かを判定する燃料状態判定部をさらに備え、
    前記ストローク選択部は、前記エンジンが燃料カット状態である場合には、前記第1ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  8. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射装置に高圧燃料を供給する高圧燃料ポンプが故障しているか否かを判定するポンプ故障判定部さらに備え、
    前記ストローク選択部は、前記高圧燃料ポンプが故障している場合には、前記第1ストロークを選択する
    料噴射制御装置。
  9. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択するストローク選択部と、
    前記ストローク選択部により選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させるストローク駆動制御部と、
    を備え、
    前記燃料噴射装置に供給される燃料の圧力を検出する高圧燃料センサが故障しているか否かを判定するセンサ故障判定部をさらに備え、
    前記ストローク選択部は、前記高圧燃料センサが故障している場合には、前記第1ストロークを選択す
    料噴射制御装置。
  10. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置による燃料噴射制御方法であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択し、
    選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させ、
    前記燃料噴射装置による燃料噴射量が、前記第1ストロークにより前記弁体をストローク移動させる際において、前記弁体がフルリフト位置に到達した時点以降において噴射可能な第1噴射量以上であるか、前記第1ストロークにより前記弁体をストローク移動させる際において、前記弁体が前記フルリフト位置に到達する前において制御可能な最小の噴射量である第2噴射量未満であるか、それとも、前記第2噴射量以上且つ前記第1噴射量未満であるかを判定し、
    前記燃料噴射量が前記第2噴射量以上且つ前記第1噴射量未満である場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は第2ストロークを選択す
    料噴射制御方法。
  11. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置による燃料噴射制御方法であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択し、
    選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させ、
    前記燃料噴射に関する情報は、前記燃料噴射装置により燃料噴射開始タイミングを含み、
    前記燃料噴射開始タイミングが、圧縮下死点以降である場合には、前記第2ストロークを選択す
    料噴射制御方法。
  12. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置による燃料噴射制御方法であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択し、
    選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させ、
    前記燃料噴射に関する情報は、1燃焼サイクルにおける分割噴射数を含み、
    前記分割噴射数が、所定値以上である場合には、前記第1ストロークを選択す
    料噴射制御方法。
  13. ストローク移動することにより燃料を噴射可能に開弁する弁体を有し、前記弁体のストローク範囲を複数の中から選択して動作させることが可能な燃料噴射装置における前記弁体のストローク移動を制御することにより燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置による燃料噴射制御方法であって、
    前記燃料噴射装置は、最大のストローク量が第1量となるストローク範囲である第1ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であるとともに、最大のストローク量が前記第1量よりも小さい第2量となるストローク範囲である第2ストロークにより前記弁体をストローク移動可能であり、
    前記第1ストロークと、前記第2ストロークとのいずれにより前記弁体をストローク移動させても噴射可能な燃料噴射量を噴射させる場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射に関する情報及び/又は前記燃料噴射装置を備える内燃機関の状態に関する情報に基づいて、前記第1ストローク又は前記第2ストロークを選択し、
    選択されたストロークにより前記弁体をストローク移動させ、
    前記燃料噴射に関する情報は、燃料の噴射が終了した燃料噴射終了タイミングから、次の燃料の噴射を開始する燃料噴射開始タイミングまでの噴射インターバルを含み、
    前記噴射インターバルが所定値以下である場合には、前記第1ストロークを選択す
    料噴射制御方法。
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