JP3644136B2 - 鍵盤楽器の鍵盤装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍵盤の鍵に適切な駆動力を与えて自動演奏やタッチ感の付加等の実行を可能とする鍵盤楽器の鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍵盤楽器においては、鍵に駆動力を与えることにより、通常の演奏以外に新たな演奏形態や演奏効果を与えるものがある。例えば、自動演奏ピアノは、予め記録された演奏データに基づき鍵を駆動して演奏を自動で行うようになっている。また、電子ピアノ等の電子鍵盤楽器においては、アコースティックピアノ特有の鍵のタッチ感を演奏者に与える力覚制御手段が開発されている。この力覚制御手段は、鍵の位置や加速度、あるいは演奏者の鍵を操作する力等の制御情報に応じて鍵に反力を与え、その反力を演奏者が前記タッチ感として指に覚えるといったものである。
【0003】
鍵に駆動力を与える場合、実際に鍵を駆動するものとしては、主にソレノイド型の電磁アクチュエータが用いられる。例えば、特公平7−111631号公報、特開平5−11765号公報、特開平4−204697号公報には、電子鍵盤楽器の鍵を電磁アクチュエータのプランジャで駆動してタッチ感を再現する技術が開示されている。これら公報では、概ね、鍵は回動支点を介して回動自在に支持され、かつスプリングで復帰力が与えられており、電磁アクチュエータのプランジャは、鍵の回動端部側にピン結合されている。
【0004】
また、特開平2−232691号公報には、鍵に取り付けた磁石と電磁石との間に磁力を作用させ、非接触で鍵を駆動させて鍵に反力を与える技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者のように、電磁アクチュエータのプランジャを鍵にピン結合させる場合、その結合部分にある程度のガタが発生することは構造上避けられないものと想定される。そのガタは、作動誤差を生じさせる原因となるので最小限度に収める必要があり、そのためには、結合状態を一体化させればよい。ところが、一体化させると、長期にわたる作動信頼性の維持が難しくなるとともに、組立性の悪化と位置調整等の複雑化を招くという不都合な点があった。さらに、作動時に回動部材とプランジャとの結合部の描く軌道は、当然のことながら円弧状となり、したがって両者の間での軌道ずれを補正するユニバーサルジョイントなどの複雑な結合部材を必要とするなど、構造に基づくタッチ感のバランス、信頼性あるいはコストなど、種々の課題があった。また、復帰力を与えるスプリングに抗して鍵を駆動させるために、それ相応の大きな電磁アクチュエータが必要となる。
一方、磁力で鍵を駆動させる後者の場合、鍵を駆動させる力を確保するためには、磁石の磁力と電磁石の駆動電流を十分な容量のものに設定する必要があり、すると、コストの上昇と大型化を招き、実用的でないといった欠点があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で小型化およびコストダウンが図れるとともに、前記の課題を解決して実用性の高い鍵駆動機構を備えた鍵盤楽器の鍵盤装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数の鍵が回動自在に並列された鍵盤楽器の鍵盤装置であって、前記鍵を押鍵方向に付勢する押鍵方向付勢部材と、前記鍵を離鍵方向に付勢するとともに、前記押鍵方向付勢部材と共動して鍵をレスト位置にバランスさせる離鍵方向付勢部材と、前記鍵を、必要な駆動力で駆動させるアクチュエータと、押鍵される前記鍵の動作を検出する演奏情報検出手段と、この演奏情報検出手段で得られた演奏情報に基づいて前記アクチュエータに前記必要な駆動力を与える駆動制御手段とを備えることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、前記押鍵方向付勢部材と前記離鍵方向付勢部材の少なくとも一方が、前記演奏情報検出手段として併用されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、前記演奏情報検出手段で検出される演奏情報が、前記鍵が押鍵されたか否かの押鍵情報であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、前記演奏情報検出手段で検出される演奏情報が、押鍵された前記鍵の位置情報であることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(1)第1の実施形態
A.第1の実施形態の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子ピアノ等の電子鍵盤楽器の鍵盤装置、図2は、鍵盤装置の構成を示すブロック図である。図1における符合1が鍵盤装置を構成する多数の鍵のうちの1つの鍵、2は鍵1を回動自在に支持する鍵盤フレームである。演奏者は、鍵1の、図中右側の前端部を押鍵して演奏する。鍵盤フレーム2は、下側プレート3と、下側プレート3の後端部の上方を覆って下側プレート3に取り付けられた上側プレート4と、これらプレート3,4の間にわたって取り付けられた支持プレート5との組み合わせで構成され、前方に開口している。鍵1は、前方への開口より鍵盤フレーム2内に挿入され、後端部の支持点6を介して支持プレート5に回動自在に支持されている。下側プレート4の前端部には、鍵1の配列方向に延在する支持台7が載置、固定され、この支持台7には、上方に突出するフロントピン8が、鍵1に対応して設けられている。これらフロントピン8は、各鍵1の裏側に挿入され、回動する鍵1の横方向への振れを規制する。
【0009】
上側プレート4の内面には、鍵1を押鍵方向に付勢する板状の押鍵スプリング(押鍵方向付勢部材)10が取り付けられている。この押鍵スプリング10は、基端部が上側プレート4の内面に固定されて前方に伸び、湾曲形成された先端部が弾性的に鍵1の後端部の上面に当接している。
【0010】
一方、下側プレート3の下面には、鍵1に所定の駆動力を与える双方向駆動型の電磁アクチュエータ20と、鍵1の押鍵状態ならびに鍵1の位置を検出するキーセンサ(演奏情報検出手段)60が取り付けられている。本実施形態の電子鍵盤楽器では、電磁アクチュエータ20により、自動的に演奏を行う自動演奏と、アコースティックピアノのタッチ感を模倣して再現する力覚制御の2つの演奏形態が実施可能となっている。
【0011】
電磁アクチュエータ20は、上側の復動ソレノイド30と下側の往動ソレノイド40の組み合わせから構成されている。ソレノイド30,40は、それぞれ、ヨーク31,41と、ソレノイドコイル32,42とから構成されている。そして、上下のソレノイドコイル32,42内に、1つのプランジャ50が嵌挿されている。電磁アクチュエータ20は、隣り合う鍵1と前後の配置を交互に変換されながら、鍵1の配列方向に沿って千鳥状に配列されている。往動ソレノイド40のヨーク41の下面には、底部プレート54が固定されている。プランジャ50は、各ソレノイドコイル32,42内に摺動自在に嵌挿された胴部51を主体としており、この胴部51の両端から、上側ロッド52と下側ロッド53とがそれぞれ軸線上に沿って延びている。上側ロッド52は、鍵盤フレーム2の下側プレート3を貫通し、先端に取り付けられたクッション52aが、鍵1の下面に当接されている。一方、下側ロッド53は底部プレート54を貫通し、先端が、後述するキーセンサ60に当接している。
【0012】
前記底部プレート54とプランジャ50の胴部51の間には、コイル状の離鍵スプリング(離鍵方向付勢部材)11が介装されている。この離鍵スプリング11は、胴部51を介してプランジャ50全体を上方に付勢しており、したがって鍵1は、離鍵スプリング11により離鍵方向に付勢されている。鍵1は、前記押鍵スプリング10により押鍵方向に付勢される一方、離鍵スプリング11により離鍵方向に付勢されており、これら付勢方向が互いに向かい合う2つのスプリング10,11が共動することにより、鍵1はレスト位置にバランスされている。このバランス状態で、双方のスプリング10,11はある程度圧縮されて弾発力を保有している。
【0013】
キーセンサ60は、図3に示すように、細長い薄板状の弾性板61に複数の歪みゲージ62が貼られたもので、一端部が底部プレート54の下面に固定され、自由端部に前記プランジャ50の下側ロッド53が当接している。鍵1が押されると、プランジャ50は下動して弾性板61を下方に押す。弾性板61が押されることによって弾性板61に生じる歪みの度合いが歪みゲージ62により検出され、その検出信号が、鍵1の押鍵情報ならびに位置情報として出力される。出力される情報は、図2に示すように、自動演奏の演奏データとしてしてフロッピディスク等の記録手段(駆動制御手段)69に記録され、また、力覚制御のときにはメモリ(駆動制御手段)70に供給される。
【0014】
図2に示すように、電磁アクチュエータ20は、各ソレノイド30,40のソレノイドコイル32,42に、自動演奏用の第1の駆動回路(駆動制御手段)71または力覚制御用の第2の駆動回路(駆動制御手段)72から駆動電流が供給されることで駆動するようになっている。往動ソレノイド30のソレノイドコイル32に駆動電流が供給されると、プランジャ50は下動して鍵1は押鍵方向に回動する。また、復動ソレノイド40のソレノイドコイル42に駆動電流が供給されると、プランジャ50は上動して鍵1は離鍵方向に回動し、レスト位置に戻る。
【0015】
さて、本実施形態の電子鍵盤楽器では、前述のように、自動演奏と力覚制御の2つの演奏形態が実行される。
自動演奏は、記録手段69に記録された演奏データに基づき、第1の駆動回路71から駆動電流が電磁アクチュエータ20のソレノイドコイル42に供給されると鍵1に押鍵動作が与えられ、自動的に演奏が実行される。
一方、力覚制御は、電磁アクチュエータ20により、アコースティックピアノのアクションの作用に基づいて指に感じられる独特のタッチ感(抵抗感)を再現すべく、そのタッチ感に相当する反力特性を鍵1に与える。その反力特性は、鍵1の位置によって刻々と変化するものであり、そのために、鍵1の位置がキーセンサ60で検出される。キーセンサ60によって検出される鍵1の位置情報は、メモリ70に供給される。このメモリ70には、鍵1に与えるべき反力が鍵1の位置に応じてパターン化されたタッチテーブルが記憶されており、そのタッチテーブルに応じた駆動電流の大きさが、第2の駆動回路72に指示される。そして、第2の駆動回路72から、鍵1の位置に応じた駆動電流がソレノイドコイル3242に供給されるようになっている。
【0016】
B.第1の実施形態の動作
続いて、本実施形態の鍵盤楽器の演奏形態である自動演奏と力覚制御を説明する。
B−1.「自動演奏」
記録手段69に記録された演奏データが、時間経過にしたがって順次読み出される。この演奏データに基づき、第1の駆動回路71から、ソレノイド40のソレノイドコイル42に駆動電流が供給されて、押鍵と離鍵が繰り返される。押鍵と離鍵は、次のようにして行われる。まず、往動ソレノイド40のソレノイドコイル42に駆動電流が供給され、プランジャ50が下動する。すると、押鍵スプリング10の付勢力で鍵1が下に回動する。これによって押鍵となり、キーオン信号が電子音源に送出されて楽音が奏される。この状態から、往動ソレノイド30のソレノイドコイル32への駆動電流の供給がなされれば、離鍵スプリング11の付勢力により鍵1は上に回動を始める。これによって離鍵となり、キーオフ信号が電子音源に送出されて楽音の発生が停止される。すなわち、ソレノイドコイル32のみで自動演奏動作は可能となる。このような電磁アクチュエータ20のプランジャ50の動きにより、演奏データに基づいた押鍵動作がなされ、自動演奏が実行される。
【0017】
B−2.「力覚制御」
演奏者によって鍵1が押されると、鍵1の位置がキーセンサ60により検出され、鍵1の位置情報がメモリ70に供給される。次に、鍵1の位置によって、その位置にある鍵1の反力をどの程度にするかが、メモリ70に記憶されたタッチテーブルに基づき決定され、その反力に見合った駆動力が鍵1に与えられるように、第2の駆動回路72からソレノイドコイル32に駆動電流が供給される。すると、駆動電流に応じた強さでプランジャ50が鍵1に反力を与える。鍵1のタッチ感は、指に抵抗感が与えられることにより生じるものであるから、押鍵時にプランジャ50で鍵1を制動することが基本動作となる。そして、鍵1の位置に応じた制動力すなわち反力が鍵1に与えられる。このように、プランジャ50によって鍵1に反力が与えられることにより、演奏者は、鍵1の位置に応じたタッチ感を得る。そして、このタッチ感は、鍵1の回動に伴い、その位置ごとにタッチテーブルに従って連続的に得られる。
【0018】
上記第1の実施形態によれば、鍵1は、押鍵スプリング10によって押鍵方向に、また、離鍵スプリング11によって離鍵方向に付勢され、かつこれらスプリング10,11が共動することで、鍵1はレスト位置にバランスされている。そして、この鍵1の下面に、鍵1を駆動する電磁アクチュエータ20のプランジャ50の上側ロッド52が当接している。この上側ロッド52は、押鍵時は当然鍵1の下面に当接し、離鍵時には、離鍵スプリング11の付勢力でやはり鍵1の下面に当接する。すなわち、鍵1を駆動するプランジャ50の上側ロッド52は、押鍵時および離鍵時双方とも、常に鍵1の下面に当接する。つまり、プランジャ50と鍵1は押鍵スプリング10と離鍵スプリング11の力により常に当接し、一体に結合されていないにもかかわらずガタが極小に抑えられるか、あるいはガタが発生しない。したがって、鍵1がスムーズに駆動されるとともに、長期にわたる作動信頼性が維持され、さらに、組立性の向上が図られる。また、プランジャ50の上側ロッド52を鍵1に当接させるだけなので、構造が単純化し、相互の位置関係の調整も簡単に変更できる。また、回動と直動の交点軌道のずれも、当接点を滑性の良いテープなどを貼るなどして十分滑らかな状態に保てば、ラフな位置合わせをもって互いの接合が実現できる。
【0019】
また、鍵1は、前述のように各スプリング10,11により押鍵方向と離鍵方向に付勢されているので、鍵1を回動させる電磁アクチュエータ20の駆動力は小さくて済む。すなわち、往動ソレノイド40で鍵1を押鍵方向に回動させるときには押鍵スプリング10の付勢力が加わり、復動ソレノイド30で鍵1を離鍵方向に回動させるときには離鍵スプリング11の付勢力が加わる。したがって、いずれの方向に鍵1を回動させる場合にも、各スプリング10,11の付勢力が付加される。その結果、電磁アクチュエータ20による駆動力は小さくて済み、駆動電力が低減することによるコストダウンと、電磁アクチュエータ20の小型化に伴うコンパクト化を図ることができる。
【0020】
(2)第2の実施形態
A.第2の実施形態の構成
次いで、図4ないし図6を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。これら図で図1ないし図3と同一の構成要素には同一の符合を付してあり、それらの説明は省略する。
図4の符合80は、電磁アクチュエータである。この電磁アクチュエータ80は、ヨーク81、ソレノイドコイル82およびプランジャ83を備えたソレノイド84からなり、作動時にプランジャ83が上動する1方向駆動型である。そのプランジャ83は、主体となる胴部85がソレノイドコイル82内に嵌挿されており、上側ロッド86の先端のクッション86aが、鍵1の下面に当接されている。
【0021】
ヨーク81の下には、細長い板バネ状の離鍵スプリング90の一端部が固定されており、この離鍵スプリング90の自由端部に、プランジャ83の胴部85が支持されている。鍵1が押鍵されるに伴いプランジャ83が下動すると、離鍵スプリング90は弾性変形し、プランジャ83を介して鍵1を離鍵方向に付勢するようになっている。鍵1は、この離鍵スプリング90と、前記押鍵スプリング10とが共動することにより、レスト位置にバランスされている。
【0022】
また、離鍵スプリング90には、図6に示すように、歪みゲージ62が貼られており、鍵1が押されると、プランジャ85は下動して離鍵スプリング90を下方に押す。離鍵スプリング90が下方に押されると離鍵スプリング90に生じる歪みの度合いが歪みゲージ62により検出され、その検出信号が鍵1の押鍵情報ならびに位置情報として出力される。すなわち、離鍵スプリング90は、キーセンサ(演奏情報検出手段)91として併用されている。キーセンサ91で出力される情報は、自動演奏の演奏データとしてフロッピディスク等の記録手段69に記録され、また、力覚制御のときにはメモリ70に供給される。
【0023】
電磁アクチュエータ80は、ソレノイド84のソレノイドコイル82に第2の駆動回路72から駆動電流が供給されることで駆動するようになっている。ソレノイドコイル82に駆動電流が供給されると、プランジャ83は上動して鍵1は離鍵方向に回動しようとする。ソレノイドコイル82への駆動電流が停止すると、プランジャ83は下動して鍵1は押鍵方向に回動しようとする。しかし、実際には電流を流した場合には指で押鍵した際の反力として働き、電流を切ればその反力がなくなるという結果を呈する。
レスト位置に戻る。
【0024】
B.第2の実施形態の動作
続いて、第2の実施形態の鍵盤楽器の力覚制御時の動作を説明する。
【0025】
B−1.「力覚制御」
第1の実施形態と同様に、鍵1の位置情報がメモリ70に供給され、鍵1の位置に応じた鍵1の反力がメモリ70内のタッチテーブルに基づき決定され、その反力に見合った駆動力が鍵1に与えられるように第2の駆動回路72からソレノイドコイル82に駆動電流が供給される。すると、プランジャ83が、駆動電流に応じた強さで鍵1を制動し、反力を与える。このように、プランジャ83によって鍵1に反力が与えられることにより、演奏者は、鍵1の位置に応じたタッチ感を得る。そして、このタッチ感は、鍵1の回動に伴い、その位置ごとにタッチテーブルに従って連続的に得られる。
【0026】
上記第2の実施形態によれば、鍵1を離鍵方向に付勢する離鍵スプリング90を、鍵1の位置を検出するキーセンサ91を併用した構成となっているので、部品点数の削減に伴うコストダウンと、小型化が促進される。
【0027】
なお、ヨーク81、ソレノイドコイル82を、図1のヨーク31、ソレノイドコイル32の位置とヨーク41、ソレノイドコイル42の位置とで機械的に移動可能とするとともに、図5の点線で囲まれた各回路を設けるようにすれば、図4の構成においても、力覚制御のみならず、自動演奏を実行することができる。
【0028】
(3)本発明の変形例
▲1▼電磁アクチュエータのプランジャを鍵にピン結合等の手段で結合させてもよい。
▲2▼鍵に回動動作を与える電磁アクチュエータを、鍵の上側の押鍵スプリングと関係させてもよい。また、押鍵スプリングに自動演奏用のソレノイドを関係させ、離鍵スプリングに力覚制御用のソレノイドを関係させてもよい。さらに、鍵の回動支点が鍵の中間部にある場合は、その回動支点の前側あるいは後側に、押鍵スプリング、離鍵スプリングおよび電磁アクチュエータを任意に配備できる。
▲3▼キーセンサは、電磁アクチュエータによって変位するものでなく、鍵の位置を直接検出する構成でもよい。また、歪みゲージ等の接触型でなく、光センサ等の非接触型を用いることももちろん可能である。
▲4▼離鍵スプリングは、押鍵スプリングと同様に鍵に直接接触するように設けられてもよく、この場合は、電磁アクチュエータのプランジャを鍵に結合する。
▲5▼力覚制御は電子ピアノ等の電子鍵盤楽器に与えられる固有の制御形態であるが、自動演奏のみであれば、アコースティックピアノに適用することも可能であり、力覚制御のみ、自動演奏のみ、あるいは両者を配備するかは必要に応じて適宜決定すればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、押鍵方向付勢部材と離鍵方向付勢部材とにより、鍵が押鍵方向と離鍵方向の双方向に付勢されてレスト位置にバランスされ、この鍵をアクチュエータで駆動するので、鍵とアクチュエータとの接点のガタが極小に抑えられて鍵駆動機構の単純化と長期信頼性が図られるとともに、アクチュエータの駆動力の低減に伴う小型化ならびにコンパクト化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る電子鍵盤楽器の鍵盤装置の側面図である。
【図2】 同鍵盤装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 第1の実施形態に係るキーセンサの平面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係る電子鍵盤楽器の鍵盤装置の側面図である。
【図5】 同鍵盤装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 第2の実施形態に係るキーセンサの平面図である。
【符号の説明】
1…鍵、10…押鍵スプリング(押鍵方向付勢部材)、11…離鍵スプリング(離鍵方向付勢部材)、20,80…電磁アクチュエータ、 60,91…キーセンサ(演奏情報検出手段)、69…記録手段(駆動制御手段)、70…メモリ(駆動制御手段)、71…第1の駆動回路(駆動制御手段)、72…第2の駆動回路(駆動制御手段)。
Claims (4)
- 複数の鍵が回動自在に並列された鍵盤楽器の鍵盤装置であって、
前記鍵を押鍵方向に付勢する押鍵方向付勢部材と、
前記鍵を離鍵方向に付勢するとともに、前記押鍵方向付勢部材と共動して鍵をレスト位置にバランスさせる離鍵方向付勢部材と、
前記鍵を、必要な駆動力で駆動させるアクチュエータと、
押鍵される前記鍵の動作を検出する演奏情報検出手段と、
この演奏情報検出手段で得られた演奏情報に基づいて前記アクチュエータに前記必要な駆動力を与える駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤装置。 - 前記押鍵方向付勢部材と前記離鍵方向付勢部材の少なくとも一方が、前記演奏情報検出手段として併用されていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の鍵盤装置。
- 前記演奏情報検出手段で検出される演奏情報は、前記鍵が押鍵されたか否かの押鍵情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤楽器の鍵盤装置。
- 前記演奏情報検出手段で検出される演奏情報は、押鍵された前記鍵の位置情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤楽器の鍵盤装置。
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