JP3644112B2 - 軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及び透明軟質成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及び透明軟質成形体に関するものであり、詳しくは耐熱性、耐寒性、柔軟性、透明性、耐衝撃性、耐白化性、機械強度に優れた軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及び透明軟質成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明かつ軟質なプラスチック成形体には、軟質PVC、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢ビ共重合体(EVA)、スチレン系トリブロックコポリマー(SBS,SIS,SEBSなど)、1,2−ポリブタジエンラバーなどが使用されている。特に、軟質PVCは優れた物性とコストパフォーマンスを背景に透明軟質材料としてもっとも頻繁に使用されている。しかしながら、近年、軟質PVC系材料の成形体は可塑剤のブリード、移行性が問題として取り挙げられており、他の材料への置き換えが検討されている。しかし、上述した他の材料では軟質PVC並みの柔軟性を付与すると、耐熱性が大きく低下するため代替が進んでいなかった。
【0003】
一方、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)と呼ばれる耐熱性に優れた軟質材料が近年開発され、検討が進められている。しかしながら、TPOは軟質PVCと比べ耐熱性は向上するものの、(1)透明性が損なわれる(2)耐白化性が劣る(3)フィルム、ブロー、真空及び圧空成形が行いにくく、成形法が限定される(4)柔軟性が十分でなく、これを解決するためにオイルを添加するとオイルのブリード、移行が生じるなど問題が多かった。
【0004】
このような現況に対し、医療用品、食品包装、文具、雑貨、家電用品を中心に無可塑で透明かつ軟質な成形体に対するニーズは高まる一方である。
【0005】
また、ポリプロピレン系樹脂の耐寒性、柔軟性、透明性、耐衝撃性改質については、エチレン/プロピレンエラストマーに代表されるエチレン/α−オレフィンエラストマーを少量添加する方法が用いられてきた。例えば、エチレン/プロピレン共重合体を加える方法(特公昭35−7088号公報)、エチレン含有率75乃至30モル%のエチレン/ブテン−1共重合体を加える方法(特公昭38−7240号公報、特公昭43−24526号公報等が挙げられる。しかしながら、これらの方法では耐衝撃性は改良されるものの、引張強度、透明性が悪化するなどの問題があった。また、透明性、耐衝撃性の良好なポリプロピレン組成物を得る方法として、ポリプロピレンに特定のエチレン/α−オレフィン共重合体を加える方法が開示されている(特開昭52−72744号公報)。
【0006】
最近でも、メタロセン系の化合物により得られたエチレン/α−オレフィンエラストマーをポリプロピレンに少量添加し、耐衝撃性、透明性を改善する方法が開示されている(特開昭62−121709号公報、特開平6−192500号公報、特開平6−339920号公報)。しかしながら、これらの方法で得られる組成物は、耐衝撃性、透明性、低温脆化性の面で優れるものの、柔軟性に乏しいといった欠点があった。また、柔軟性が必要とされる場合、ブレンドするエチレン/α−オレフィンエラストマーの比率を高める必要があるが、ポリプロピレンとエチレン/α−オレフィンエラストマーは相溶性に乏しく、得られた樹脂組成物は透明性、強度特性に劣るとともに、衝撃を加えたときに白化してしまい、商品価値が損なわれる等の問題があり、耐衝撃性、柔軟性、透明性、耐白化性、機械強度の点で不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
寒冷地での使用にも対応するために、さらなる耐寒性の向上が望まれており、ポリプロピレンのガラス転移温度低下への要求は極めて大きい。
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、耐熱性、耐寒性、柔軟性、透明性、耐衝撃性、衝撃時の耐白化性、機械強度に優れた軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及び透明軟質成形体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂(A)5〜70重量%、下記(a)〜(d)の性状を有するエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)95〜30重量%からなることを特徴とする軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及び透明軟質成形体に関するものである。
【0010】
(a)α−オレフィンが炭素数4以上20以下
(b)α−オレフィン含量が65重量%より多く95重量%以下
(c)23℃における密度が0.88g/cm3未満
(d)DSC法により結晶融解ピークが観測されない
以下に、その詳細について説明する。
【0011】
本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂(A)は、一般に使用されているものを用いることができる。例えば、プロピレン単独重合体、エチレン含量が20〜70重量%のプロピレン/エチレンブロック共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%のプロピレン/エチレンランダム共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%,ブテン−1のようなα−オレフィン含量が0.5〜20重量%のプロピレン/エチレン/α−オレフィン三元共重合体等が挙げられる。また、プロピレンの立体規則性がシンジオタクチック構造である結晶性ポリプロピレン系樹脂を使用してもよい。
【0012】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)のα−オレフィンは炭素数4以上20以下のものであり、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。なかでも入手が容易で、ポリプロピレン系樹脂と良好な相溶性を得る上でブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が好ましい。
【0013】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマー(B)のα−オレフィン含量は65重量%より多く95重量%以下、好ましくは70重量%以上90重量%以下である。α−オレフィン含量が65重量%以下では、ポリプロピレン系樹脂(A)との相溶性が乏しく、耐白化性改良効果が小さくなる。また、α−オレフィン含量が95重量%を越えるとエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマーそのもののガラス転移温度が上昇し、樹脂組成物としたときの耐寒性改質効果が乏しくなる。また、好ましい範囲で用いると耐白化性と耐寒性のバランスに優れた材料が得られる。
【0014】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマー(B)の23℃における密度は、0.88g/cm3未満である。0.88g/cm3以上のエチレン/α−オレフィン共重合体では耐白化性改質効果が乏しく、本発明の樹脂組成物を得ることは困難である。
【0015】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマー(B)は、DSC法により結晶融解ピークが観測されないことを特徴とする。結晶融解ピークを示すエチレン/α−オレフィン共重合体を用いると耐白化性改質効果が乏しく、本発明の樹脂組成物を得ることは困難である。
【0016】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマー(B)の分子量は特に制限されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した数平均分子量がポリエチレン換算で5000〜1000000であることが好ましく、さらに好ましくは10000〜600000である。この数平均分子量が5000未満では、本発明の組成物の特性の改質効果が小さいとともに、表面のべたつきの問題が生じることがあり、一方、数平均分子量が1000000を越えると得られる組成物の流動性が低下し、成形加工が困難となるおそれがある。
【0017】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマーの分子量分布(Mw/Mn)は特に制限はないが、3以下が好ましい。一般に、分子量分布が大きくなると組成分布も大きくなることが知られている。組成分布が広いとエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマーとポリプロピレン系樹脂との相溶性が悪くなり、本発明の樹脂組成物が得られにくくなる。組成分布の指標として、GPCにより分画した高分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)に対する低分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)の比を用いる。両者の比が0.8以上1.2以下が好ましく、さらに好ましくは0.9以上1.15以下である。
【0018】
以上述べたエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマーの製造方法はメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
【0019】
すなわち、(a)周期表4族の遷移金属を含む遷移金属化合物、(b)これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、さらに必要に応じて(c)有機金属化合物からなる触媒の存在下で、エチレンとα−オレフィンを共重合することによりエチレン/α−オレフィン系共重合体エラストマーを製造することができる。
【0020】
本発明において用いられる(a)周期表4族の遷移金属を含む遷移金属化合物としては、下記一般式(1)または(2)
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
[式中、M1はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Yは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、R1,R2は各々独立して下記一般式(3)、(4)、(5)または(6)
【0024】
【化3】
【0025】
(式中、R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R3,R4は各々独立して下記一般式(7)、(8)、(9)または(10)
【0026】
【化4】
【0027】
(式中、R7は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R5は下記一般式(11)または(12)
【0028】
【化5】
【0029】
(式中、R8は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M2は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R3およびR4を架橋するように作用しており、mは1〜5の整数である。]
で表される周期表4族の遷移金属化合物、または、下記一般式(13)、(14)、(15)または(16)
【0030】
【化6】
【0031】
[式中、M3は各々独立してチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Zは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、Lはルイス塩基であり、wは0≦w≦3であり、JR9q-1、JR9q-2はヘテロ原子配位子であり、Jは配位数が3である15族元素または配位数が2である16族元素であり、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、qは元素Jの配位数であり、R10は下記一般式(17)、(18)、(19)または(20)
【0032】
【化7】
【0033】
(式中、R13は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、R12は下記一般式(21)、(22)、(23)または(24)
【0034】
【化8】
【0035】
(式中、R14は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表され、M3に配位する配位子であり、R11は下記一般式(25)または(26)
【0036】
【化9】
【0037】
(式中、R15は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M4は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R12およびJR9q-2を架橋するように作用しており、rは1〜5の整数である。]
で表される周期表4族の遷移金属化合物である。
【0038】
前記一般式(1)または(2)で表される化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド等のジクロル体及び上記4族遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0039】
前記一般式(13)、(14)、(15)または(16)で表される化合物としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチルシリル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)メチルフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(p−n−ブチルフェニルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、ジメチル(p−メトキシフェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)(2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミド)ジメチルシランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−インデニル)シランチタニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタニウムジクロライド、(シクロドデシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチルシリル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)メチルフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(p−n−ブチルフェニルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、ジメチル(p−メトキシフェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)(2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミド)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−インデニル)シランジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランジルコニウムジクロライド、(シクロドデシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチルシリル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)メチルフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(p−n−ブチルフェニルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、ジメチル(p−メトキシフェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)(2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミド)ジメチルシランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−インデニル)シランハフニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランハフニウムジクロライド、(シクロドデシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド等のジクロル体及び上記4族遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0040】
また、上記有機遷移金属化合物(a)と反応してイオン性の錯体を形成する化合物(b)としては、イオン性の錯体を形成するものであればいずれでもよく、特に非配位性の嵩高いアニオンを有する一般式(27)で示されるイオン化イオン性化合物が好ましく用いられる。
【0041】
【化10】
【0042】
上記一般式(27)中、[C+]はカチオンであり、具体的には、活性プロトンを含有するものとしてプロトンそれ自身またはトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、トリ(o−トリル)ホスホニウム、トリ(p−トリル)ホスホニウム、トリ(メシチル)ホスホニウム等で表されるようなブレンステッド酸、活性プロトンを含有しないカルボニウム、オキソニウムまたはスルホニウムカチオンであり、具体的にはトリフェニルカルベニウム、トロピリウムイオン、トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、トリフェニルオキソニウム等で表されるような化合物、さらに金属原子や有機金属の陽イオンであるリチウムイオン、マグネシウムイオン、パラジウムイオン、白金イオン、銅イオン、銀イオン、金イオン、水銀イオン及びこれらにエーテルなどの塩基が配位したエーテラート化合物、フェロセニウムイオン、ジメチルフェロセニウムイオンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
また、[A-]はアニオンであり、特に限定はないが、上記した有機遷移金属化合物成分(a)とは反応せずに弱く配位し得るアニオンが用いられ、例えば電荷を有するマグネシウム、アルミニウムなどの金属あるいはハロゲン、ホウ素、リンなどのような非金属を含み、かさ高く、非求核性であるアニオンが好ましい。具体的には[AlR4-]、[BR4-]、[PR6-]または[ClO4-]で示されるアニオンであり、さらに具体的にはテトラフェニルボレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(2,5−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(1,5−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(1,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(o−トリル)ボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、テトラ(2,5−ジメチルフェニル)ボレート、テトラ(1,5−ジメチルフェニル)ボレート、テトラフェニルアルミネート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(o−フルオロフェニル)アルミネート、テトラ(p−フルオロフェニル)アルミネート、テトラ(m−フルオロフェニル)アルミネート、テトラ(2,5−ジフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(1,5−ジフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(1,6−ジフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(o−トリル)アルミネート、テトラ(p−トリル)アルミネート、テトラ(2,5−ジメチルフェニル)アルミネート、テトラ(1,5−ジメチルフェニル)アルミネート、オクタデカボレート、ドデカボレート、1−カルバウンデカボレート、1−カルバドデカボレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
イオン化イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、アニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トロピニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、アニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、トロピニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
さらに、化合物成分(b)の例としてアルミニウムと酸素の結合を有するものを挙げることができ、具体的な例として、下記一般式(28)または(29)
【0046】
【化11】
【0047】
[式中、R16は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR16は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、tは0〜100の整数である。]
で表されるアルミノキサンである。R16の具体的な例として塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0048】
この種の化合物の製法は公知であり、(1)吸着水を有する化合物、結晶水を含有する塩類(硫酸マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物など)の炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムを添加して反応させる方法、あるいは(2)直接水を炭化水素媒体中のトリアルキルアルミニウムと作用させる方法を例示することができる。
【0049】
以上、有機遷移金属化合物(a)と反応してイオン性の錯体を形成する化合物(b)を例示したが、有機遷移金属化合物(a)をイオン性の錯体にする化合物であれば特に限定はなく、いずれも使用することができ、さらに2種類以上の成分を組み合わせて用いることもできる。
【0050】
また、上記触媒では必要に応じて有機金属化合物(c)を用いることができる。その有機金属化合物(c)としては、下記一般式(30)
【0051】
【化12】
【0052】
[式中、M5は周期表1、2、13族、SnまたはZnの元素である。R17は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR17は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。sはM5の酸化数に等しい。]
で表される有機金属化合物である。
【0053】
前記一般式(30)で表される化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、トリエチルボランなどのアルキルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムフルオライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどのアルキルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウムなどのグリニャール化合物、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などのアルキル亜鉛などを挙げることができるが、これらに限られるものではない。これらの有機金属化合物(c)は目的に応じて単独でも、2種類以上を組合わせて用いても良いが、単独で用いる際には、好ましくはアルミニウムを有する化合物が用いられる。
【0054】
ここで触媒調整の際の成分(a)と成分(b)の比は特に制限はないが、好ましくは成分(a)と成分(b)のモル比が成分(a):成分(b)=100:1〜1:1000000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜100000の範囲である。これらの成分(a)と成分(b)から触媒を調整する方法に関して特に制限はなく、調整の方法の例として、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として混合させることを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても特に制限はない。この処理を行う温度も特に制限はなく、また処理時間も特に制限はない。
【0055】
触媒調整の際の成分(a)と成分(c)の比は特に制限はないが、好ましくは成分(a)と成分(c)のモル比が成分(a):成分(c)=100:0〜1:1000000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜100000の範囲である。
【0056】
また、本発明で用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)の製造は液相中で行うことができ、その場合の溶媒としては一般に用いられる有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン等が挙げられ、またはα−オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0057】
さらに、上記した触媒系を用いた本発明で用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)の製造における重合温度は特に制限はないが、−100〜300℃の範囲で行うことが好ましく、また重合圧力は特に制限はないが、通常、常圧〜2000kg/cm2で行われる。
【0058】
重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られる共重合体は、従来公知の方法により重合溶液から分離回収され、乾燥して固体状の共重合体を得る。
【0059】
本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)からなり、そのブレンド比はポリプロピレン系樹脂(A)5〜70重量%、エチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)95〜30重量%であり、目的とする用途、要求物性に応じて任意に変えることができる。ポリプロピレン系樹脂(A)が70重量%を越えると組成物の柔軟性が乏しくなり、また5重量%未満では強度の低下が著しくなり好ましくない。
【0060】
本発明の樹脂組成物は、また、動的粘弾性測定の温度依存性から得られる損失正接(tanδ)のピークが、−80〜30℃の温度域に1つだけ存在することを特徴とする。これにより、耐寒性が向上するとともに、衝撃時の白化の発生を低減することができる。
【0061】
動的粘弾性の測定は、引張、せん断、圧縮、ねじり、曲げなど様々なモードで行うことが可能であり、いずれも0.1〜1000Hz程度の周波数領域で測定されるのが一般的である。
【0062】
また、先に述べた動的粘弾性測定より得られる23℃における引張貯蔵弾性率(E’)を樹脂組成物の柔軟性の指標として用いることができる。すなわち、23℃におけるE’が5×109dyn/cm2以下であることが望ましい。23℃におけるE’が5×109dyn/cm2を越えると柔軟性に乏しいものになる。
【0063】
また、本発明の樹脂組成物は、0.01ミクロン以上の大きさを有した分散相が存在しないことが好ましい。これによって、本発明の樹脂組成物の衝撃時の耐白化特性がさらに優れたものになる。構造の観察は、四酸化ルテニウムの蒸気に暴露した試験片を透過型電子顕微鏡で観察することが好ましい。他の構造観察法では、わずかな相分離構造を観測できない場合があるので注意が必要である。
【0064】
また、本発明の成形体は、DSC法によって主ピークとして測定される結晶融点が130℃以上であることを特徴とする。これにより耐熱性に優れた成形体となる。特に、医療用途での蒸気滅菌に好適な成形体となる。
【0065】
なお、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔料を配合することもできる。また、結晶核剤、透明化剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。さらに、本発明の組成物を他の樹脂へブレンドすることも可能である。この場合、第3成分として本樹脂組成物と他の樹脂との相溶化剤を併用することも可能である。
【0066】
本発明の樹脂組成物は、通常用いられている方法によりポリプロピレン系樹脂とエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマーとをブレンドすることにより得られるが、ニーダー、ロール、バンバリミキサー、押出機等を用いて溶融ブレンドにより製造することが好ましい。
【0067】
本発明の樹脂組成物を射出、圧縮、押出、真空、圧空またはブローのいずれかの成形法により成形し得られた成形品は、耐熱性、柔軟性、透明性、耐衝撃性、衝撃時の耐白化性及び耐寒性に優れたポリプロピレン系透明軟質成形体となる。
【0068】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これらは例示的なものであって、限定的なものではない。実施例中の各種測定は、下記の方法により行った。
【0069】
(エチレン/α−オレフィン共重合体のα−オレフィン含量の測定)
o−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(75/25容量%)を溶媒に、100MHz、13C−NMRスペクトル(日本電子(株)製 JNM GX400)測定を行い、以下の文献に従い算出した。
【0070】
エチレン/プロピレン共重合体:Macromolecules 15,1150(1982)
エチレン/ブテン−1共重合体:Macromolecules 15,353(1982)
エチレン/ヘキセン−1共重合体:Macromolecules 15,1402(1982)
エチレン/オクテン−1共重合体:Polymer 25,441(1984)
(分子量、分子量分布の測定)
溶媒にo−ジクロロベンゼンを用いて、140℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ミリポア(株)社製 150C型GPC)を用いてポリエチレン換算で求めた。
【0071】
(動的粘弾性の測定)
非共振型強制振動法に基づく測定装置である動的粘弾性測定装置DVE V−4(レオロジ社製)を用いて、測定周波数10Hz、引っ張りモードにて、−80〜30℃の温度領域を2℃/分の昇温速度で損失正接(tanδ)の温度依存性を測定した。なお、試験片は1mm厚みの板を5mm×30mmに切り抜き用いた。また、与えた歪みは0.1%以下の線形領域で行った。本測定において観測されるtanδのピーク温度を(T−B)とした。なお、複数のピークが観測された場合には、ポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度に相当する高温側のピーク温度を(T−B)とした。これとは別途、用いたポリプロピレン系樹脂を単独で成形した試料に関しても同様の測定を行い、tanδがピークを示した温度(T−PP)を求めた。(T−PP)から(T−B)を差し引いた温度をポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度のシフト温度として求め、耐寒性向上の指標とした。また、ピークの数も求めた。
【0072】
また、同時に得られる23℃における引張貯蔵弾性率(E’)を求め、柔軟性の指標とした。
【0073】
(相構造の観察)
透過型電子顕微鏡 JEOL JEM−2000FX(TEM)を用いて、加速電圧200kV、観測倍率5000倍にて観測した。試料は1mm厚みの板を用い、ウルトラミクロトームで−100℃の雰囲気下、0.1ミクロンの超薄切片に仕上げ、これを四酸化オスニウムの蒸気に暴露して染色した後、観測に用いた。得られた写真を画像処理し、平均コード長を求めた。但し、0.01ミクロン未満のコード長はカウントしなかった。
【0074】
(引張試験)
JIS K7113に準拠し、1mm厚の成形品を用い、引張速度50mm/分で測定した。
【0075】
(衝撃白化試験)
高さ80cmより荷重1000g、打撃錘径0.5πの打撃体を平板上に落下させた後の試験片を目視にて観察することにより白化を評価した。受け台内径43mmとして、2mmの平板を50mm×50mmにカットして用いた。
【0076】
評価結果 ○:良好 ×:著しく白化
(折り曲げ白化試験)
1mm厚みの成形品を180゜折り曲げて、白化の有無を観察した。
【0077】
(ヘイズの測定)
ヘイズメーターにて、JIS K7105に従い、1mm厚の成形品を測定した。
【0078】
(耐熱性試験)
耐熱性の評価のため、DSC(パーキンエルマー社製 DSC−7)による結晶融解ピークの測定を行った。昇温速度は10℃/分とし、ピーク温度を求めた。
【0079】
参考例1
エチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの合成
5lのオートクレーブにトルエン1000ml及びブテン−1 500mlを加え40℃に昇温した。さらに、全圧が8kg/cm2になるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルアルミノキサン5mmol、公知の方法により合成した(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン 5μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は全圧を8kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、40℃で30分間行った。
【0080】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。その結果、ブテン−1含量が72重量%のエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーを44g得た。数平均分子量108000、Mw/Mn=2.2、密度は0.864g/cm3であった。
【0081】
実施例1
プロピレン/エチレンランダム共重合体(東ソーポリプロJ6080A、エチレン含量:3.2%、MFR:8g/10分)30g、参考例1で得られたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマー 30g、熱安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤(イルガノックス1010(チバ・ガイギー社製))、リン系安定剤(イルガフォス168(チバ・ガイギー社製)をそれぞれ2000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウム5000ppmをラボプラストミル(内容積100cc)を用いて60rpmで200℃、5分間溶融ブレンドした。その後、得られた組成物をプレス成形機を用いて200℃にて10分間加圧し、1mm、2mm及び3.2mmの厚みに成形し、成形品を得た。冷却温度は30℃とした。評価結果を表1に示す。
【0082】
参考例2
エチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの合成
5lのオートクレーブにトルエン400ml及びブテン−1 1100mlを加え40℃に昇温した。さらに、全圧が8kg/cm2になるようにエチレンを導入した。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルアルミノキサン3mmol、公知の方法により合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 3μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は全圧を8kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、40℃で60分間行った。
【0083】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。その結果、ブテン−1含量が77重量%のエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーを102g得た。数平均分子量45000、Mw/Mn=2.6、密度は0.863g/cm3であった。
【0084】
ブテン−1の量を変化させて、上記と同一操作を行うことにより、種々のエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーを得た。また、ブテン−1をヘキセン−1、プロピレンに変え、種々のエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマーを得た。合成した共重合体は表1にまとめた。
【0085】
実施例2
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりに参考例2で得られたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0086】
実施例3
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにヘキセン−1含量が77重量%のエチレン/ヘキセン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0087】
実施例4
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにヘキセン−1含量が82重量%のエチレン/ヘキセン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0088】
実施例5
実施例2においてエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーを60g、ポリプロピレン系樹脂を20gとした以外は同様の方法で成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0089】
実施例6
プロピレン/エチレンランダム共重合体の代わりにプロピレン単独重合体(東ソーポリプロJ5100A,MFR:11g/10分)を用いた以外は実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0090】
実施例7
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにオクテン−1含量が88重量%のエチレン/オクテン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
比較例1
実施例1で用いたプロピレン/エチレンランダム共重合体を単独でプレス成形し、成形品を得た。但し、成形条件は実施例1と全く同様に行った。評価結果を表2に示す。
【0093】
比較例2
実施例6で用いたプロピレン単独重合体を単独でプレス成形し、成形品を得た。但し、成形条件は実施例1と全く同様に行った。評価結果を表2に示す。
【0094】
比較例3
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにブテン−1含量が53重量%のエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表2に示す。
【0095】
比較例4,5
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにヘキセン−1含量が54重量%,61重量%のエチレン/ヘキセン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表2に示す。
【0096】
比較例6
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにプロピレン含量が75重量%のエチレン/プロピレン共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表2に示す。
【0097】
比較例7
実施例3においてエチレン/ヘキセン−1共重合体エラストマー20g、プロピレン/エチレンランダム共重合体を60gとした以外は同様の方法で成形品を得た。評価結果を表2に示す。
【0098】
比較例8
実施例1において用いたエチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの代わりにオクテン−1含量が60重量%のエチレン/オクテン−1共重合体エラストマーを用い、実施例1と同様の方法で成形品を得た。評価結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及びその透明軟質成形体は、ポリプロピレン系樹脂の耐熱性を損なうことなく、柔軟性、透明性、耐寒性、衝撃時の耐白化性に優れたものである。
Claims (4)
- ポリプロピレン系樹脂(A)5〜70重量%、下記(a)〜(d)の性状を有する、メタロセン系触媒を用いて製造したエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー(B)95〜30重量%からなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
(a)α−オレフィンが炭素数4以上20以下
(b)α−オレフィン含量が65重量%より多く95重量%以下
(c)23℃における密度が0.88g/cm3未満
(d)DSC法により結晶融解ピークが観測されない - 動的粘弾性の温度依存性から得られる損失正接(tanδ)のピークが、−80〜30℃の温度域に1つだけ存在することを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 0.01ミクロン以上の大きさを有する相分離構造が存在しないことを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至3に記載のポリプロピレン系樹脂組成物から得られる透明軟質成形体。
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