JP4327528B2 - 結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、剛性の改良されたポリプロピレン系重合体に関するものであり、少量の1−ブテンを共重合させて、特有の物性値を規定することにより、剛性が顕著に改良された結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体に係わるものである。
結晶性ポリプロピレン(略称PP)は、優れた物性と経済性あるいは成形の容易性や無公害性などにより、自動車部品から家庭電気製品あるいは繊維材料や各種包装材料に至るまで広く利用されている、代表的な汎用性の熱可塑性樹脂であり、最近においても、その優れた性質によって、成形材料として著しい需要量の伸びを示している。
しかしながら最近では、用途によっては、結晶性ポリプロピレンにおけるこれらの性質をさらに向上させる要求も強くなり、例えば、自動車部品や家庭電器製品などにおいては、省資源化の促進の側面からも部品の薄肉化による軽量化が重要な要求となっており、そのためにはポリプロピレンのさらなる剛性の向上が必要である。
他方、包装材料分野においても、剛性に係わる強度や透明性あるいは耐ブロッキング性などの諸性能がより向上された、ポリプロピレンフィルムが望まれている。
このように、ポリプロピレンにおいては、剛性の改良や透明性の向上などの要望と必要性が高いために、種々の観点からの改良法が提示されている。
剛性を高めるために、タルクや炭酸カルシウムなどの無機充填剤を添加することは古くから知られているが、無機充填剤の添加は透明性を損ない、有機造核剤の配合により結晶性を高めて、その結果として剛性を向上させる方法も知られているが(特許文献1を参照)、コスト高となる欠点を有し剛性の向上も充分でなく、分子量分布を広くして剛性を高める手法も提案されているが(特許文献2を参照)、重合体の流動性の低下により、成形性が悪化してしまう。
一方、ポリプロピレンの性能を向上させるために、ポリプロピレンにα−オレフィンを共重合させる方法は普遍的なもので数多く提案されており、ジルコニウムやハフニウムなどのメタロセン化合物とアルミノキサンやイオン性化合物などからなるメタロセン系触媒による、極限粘度や分子量分布などが規定された、炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体(特許文献3を参照)、キシレン溶解性部分やMFIなどが規定された、炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体(特許文献4を参照)などが知られているが、これらの技術は剛性を犠牲にすることを前提として透明性や加工性ないしは耐ブロッキング性などの改良を目指す技術である。
また、共重合体の融点と1−ブテン含有量、および共重合体の結晶化度と融点とを特殊なパラメーター式により規定する、1−ブテンとの共重合体(特許文献5を参照)も知られているが、低温ヒートシール性を改善するもので、剛性の向上を直接に目指すものではない。
一般に、プロピレンに対して1−ブテンなどの他のα−オレフィンを共重合させることは、ポリプロピレンの結晶性を低下させ、その結果、透明性や易成形性などは改善されるものの、剛性を低下させることが知られている。そして、メタロセン系触媒を用いた場合には、全プロピレン挿入中のプロピレンモノマーの2,1−挿入に基づく位置不規則性およびプロピレンモノマーの1,3−挿入に基づく位置不規則性の単位の割合が、チーグラ
ー・ナッタ系触媒を用いた場合に比べて高いために、特に剛性において必ずしも満足できるポリプロピレン重合体は得られない。
また、チタン化合物とハロゲンおよびマグネシウムなどと有機アルミニウムからなるチ
ーグラー・ナッタ系触媒による、アイソタクチック値や沸騰n−ブタノール抽出分などが規定された、1−ブテンとの共重合体(特許文献6および7を参照)が知られているが、これらも延伸性や耐衝撃性の改良を主眼としたものであり、剛性の改良を目的としたものではなく、MFRや沸騰n−ヘキサン可溶部などが規定された、炭素数6〜15のα−オレフィンとの共重合体(特許文献8を参照)、キシレン抽出不溶部やアイソタクチックペンタッド分率などが規定された、炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体(特許文献9を参照)などは、剛性を向上させるものであるが、チーグラー・ナッタ系触媒を用いているために、その向上の程度は満足できるものとは言えず、さらに炭素数6以上のα−オレフィンを用いる場合にはコスト高となる問題点も避けられない。
特開昭60−139731号公報(特許請求の範囲、第1頁左下欄) 特開昭59−172507号公報(特許請求の範囲、第1頁左下欄) 特開昭62−119212号公報(特許請求の範囲の1、第2頁右上欄) 特表平8−510492号公報(特許請求の範囲の1、第7頁上段) 特開平11−255833号公報(特許請求の範囲の請求項1、段落0001) 特開昭59−149909号公報(特許請求の範囲、第1頁左下欄) 特開昭63−291906号公報(特許請求の範囲、第1頁左下欄) 特開平4−363310号公報(要約、特許請求の範囲の請求項1) 特開平9−25316号公報(要約)
以上において述べたように、高分子材料分野における主要な素材であるポリプロピレン材料の剛性を、透明性など他の性質を損なわずにさらに高める要求は、α−オレフィンとの共重合による手法の採用によっても、いまだ充分には満たされていない。
本発明は、かかる従来技術の状況において、メタロセン触媒の存在下にプロピレンとα−オレフィンを共重合させて、透明性など他の性質を損なわずに剛性が高められたポリプロピレン系材料を経済的に得ることを、発明が解決しようとする課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、メタロセン触媒の存在下におけるα−オレフィンとの共重合による手法の採用により、透明性など他の性質を損なわずに剛性が高められたポリプロピレン系材料を経済的に得ることを目指して、共重合モノマーの種類や触媒の選択あるいは共重合体における物性規定の条件や重合方法などについて、全般的な思考を巡らし種々の条件設定を行い実験による検討を重ねた。
それらの結果として、透明性など他の性質を損なわずに剛性が高められたポリプロピレン系材料を経済的に得るためには、共重合モノマーとして安価な原料である1−ブテンを採用し、ポリマー主鎖中に取り込まれる量を特定範囲内に規定する基礎的条件を設定することが必要であり、かかる1−ブテン共重合体において、各種の物性規定のなかでも、共重合体の分子量の指標となるメルトフローレート(略称MFR)、示差走査熱量計(略称DSC)で測定される融解ピーク温度(略称Tm)、あるいは温度上昇溶離分別測定法(略称TREF)における溶出成分の割合などが、深く関わることを新たに知見するに到り、具体的にこのような条件における最適な規定を実験的に設定して、本発明を創作することができた。
前述したように、ポリプロピレン材料の性能を向上させるために、ポリプロピレンにα−オレフィンを共重合させる方法は基本的かつ普遍的なものであるが、かかる手法において、ポリマー主鎖中に取り込まれる量を特定の範囲内に規定して、各種の物性規定のなかでも、共重合体の分子量の指標となるメルトフローレート、示差走査熱量計で測定される融解ピーク温度、あるいは温度上昇溶離分別測定法における溶出成分の割合などを有意的に選択し特定の範囲に設定することにより、透明性など他の性質を損なわずに剛性が著しく高められたポリプロピレン系材料を経済的に得る構成は、今までに認識されなかった新規な要件であって、ポリプロピレン材料の性能向上のための注目されるべき改良技術といえよう。
従来の技術に係る段落0005〜0006において詳しく記述したように、ポリプロピレンにおいて1−ブテンなどのα−オレフィンの共重合体として剛性や透明性あるいは成形性などの改良を目指す提案は数多くなされてきたが、いずれも剛性のさらなる向上に関わるものでないか、剛性の向上が不十分なものであり、あるいは剛性が向上しても透明性などの他の性質が損なわれる避けがたい欠点を有するものである。
また、特許文献5に示された先行技術は、共重合体の融点と1−ブテン含有量、および共重合体の結晶化度と融点との二つの関係を特殊なパラメーター式により規定するだけでポリプロピレン−1−ブテン共重合体を幅広く網羅せんとする、プロピレンと1−ブテンとのランダム共重合体であるが、低温ヒートシール性を改善するもので、剛性の向上を直接に目指すものではなく、発明の課題も構成の要件も本願の発明とは基本的に異なるものであって、本願の発明は透明性など他の性質を損なわずに格別に剛性が高められたものであるという顕著な効果を奏するものでもあるから、この先行技術も本願の発明を示唆するものでないことは明らかである。
さらに、本願の発明においては、前述の従来の技術を背景にして、チーグラー・ナッタ系触媒を用いると、剛性を向上させても透明性や耐ブロッキング性などが不十分となるので、本願の発明が目指す1−ブテンランダム共重合体の製造には、チーグラー・ナッタ系触媒よりもポリマーの結晶性の高いメタロセン系の触媒の採用が有利であることも新たに知見することができた。
なお、一般的にプロピレンに対して1−ブテンあるいは他のα−オレフィンを共重合させることは、ポリプロピレンの立体規則性を低下させ、その結果として結晶性が低下し、透明性や成形性あるいは低温ヒートシール性は改善されるものの、剛性を低下させることが知られている。
しかしながら、本発明者らは、本願の発明における特性を有する結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体を製造した場合、透明性など他の性質を損なわずに、従来の通説に示されていたよりも高い剛性を有するポリプロピレンが得られるという新たな知見を得て、本発明を完成させたのである。
この剛性が改良される理由については必ずしも明らかではないが、本発明者らは、共重合する1−ブテンの量が本発明の範囲内にある場合は、非晶部の運動性が低下し、その結果非晶部の剛性が向上することがポリマー全体の剛性向上の理由であると推測している。通常、プロピレンに対してα−オレフィンを共重合した場合には、α−オレフィン含有量の増加と共にガラス転移温度は低下することが一般的な挙動であるが、後述するように、1−ブテンを特定の量の範囲で共重合した場合に、ガラス転移温度がポリプロピレン単独重合体のそれよりも高く、1−ブテン含有量の増加と共に増加する結果が得られた。ガラス転移温度は、無定形領域即ち非晶領域に存在する分子鎖のミクロブラウン運動に起因するといわれており、この特異な挙動は、非晶領域の運動性が低下したことを示唆すると考えられ、このことが重合体の剛性向上に寄与したと推察される。
以上において全体を俯瞰し詳述したとおりに創作され、構成および機能さらにはその効果において格別の特徴を有する、本願の発明を総括的に記載すると、次の発明群から構成される。(全ての発明群を包括して、「本発明」と総称する。)
次の[1]の発明が基本的な発明であり、[2]以下の発明は基本的な発明における実施の形態の、ないしはそれを具現化する発明群である。
[1] プロピレン単位および1−ブテン単位からなり、以下の条件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする、結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体。
(1)MFRが0.1〜200g/10分である
(2)共重合体中のブテン含有量が0.01〜0.88mol%である
(3)DSCで測定される融解ピーク温度Tmが155〜175℃である
(4)オルトジクロロベンゼンを溶媒とする温度上昇溶離分別測定法(TREF)において、40℃以下で溶出する成分の割合が全成分の0.1〜1.0重量%である
[2] 周波数1Hzでの固体粘弾性測定から得られる損失正接が極大値を示す温度として求められる、共重合体のガラス転移温度Tgが1℃より大きいことを特徴とする、[1]に係る結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体。
[3] メタロセン系触媒によって製造されたことを特徴とする、[1]または[2]に係る結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体。
[4] [1]〜[3]のいずれかに係る結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体を使用したことを特徴とする成形品。
[5] 成形品が射出成形体あるいはシート状成形体であることを特徴とする、[4]に係る成形品。
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体は、従来のチーグラー・ナッタ系触媒さらにはメタロセン系触媒で製造されたポリプロピレンに比べ、剛性が顕著に向上している。
そして、造核剤や充填剤などを用いることなく、低コストで高剛性のポリプロピレンが得られ、透明性や耐ブロッキング性なども損なわれず、シートやフィルムおよび射出成形品や繊維製品あるいは包装材料などの各種用途に好適に用いることができる。
以下において、本発明における発明群を詳細に説明するために、発明の実施の形態を具体的に詳しく述べる。
本発明は、結晶性のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体において、MFRが規定され、特定の1−ブテン含有量を有し、DSCによる融点(融解ピーク温度)が従来のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体よりも比較的高く、かつ、オルトジクロロベンゼンを溶媒とする温度上昇溶離分別法における、低温で溶出する成分が比較的少ない、剛性が顕著に改良された結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体に関するものである。
結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体において、結晶性とは、共重合体において立体規則性が高くて非晶部分が少なく結晶化しやすいポリマーを意味し、ランダムとは、実質的にブテン−ブテン連鎖が存在しないことをいう。
1.条件(1)について
MFR(メルトフローレート)は、ポリマーの分子量を表す指標であり、JIS K6
758に基づき、230℃において2.16kg荷重で測定する。
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体のMFRの範囲は、0.1〜200g/10分であるべきである。この範囲を外れるものは、シートやフィルムあるいは射出成形品や繊維製品などの各種用途に用いるに際して、成形性などの点から実用的でない。
上記のMFRの範囲は、重合による製造や成形性の観点からして、好ましくは0.5〜100g/10分、最も好ましくは1〜50g/10分である。
2.条件(2)について
本発明においては、ポリマー主鎖中に含まれる1−ブテン由来のコモノマー含有量が、0.01〜0.88mol%範囲にあることを要する。
この含有量の範囲は、1−ブテン含有量による剛性の向上における、実験的な量的検討により設定されたものであり、後述する実施例と比較例との対照考察により立証されている。
1−ブテン含有量が本発明の含有量範囲未満である場合には、剛性の改良効果が有意の量として得られず、この範囲を超える場合には、コモノマーの導入による結晶性低下の影響が本発明の特徴であるガラス転移温度上昇による剛性の改良効果を上回るものとなってしまい、曲げ弾性率の改良などにおける剛性の向上が見られなくなる。
また、本発明による共重合体の改良方法では、モノマーとして比較的安価な1−ブテンを用いることができ、従来の高剛性化のための各種技術に比べ、コスト的にも優位である。
上記の1−ブテン含有量は、剛性の向上の観点からして、好ましくは0.05〜0.5mol%、さらに好ましくは0.1〜0.4mol%の範囲に規定されるべきである。
なお、1−ブテン以外のコモノマーは、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、1−ブテンと併用して使用することが可能であり、エチレンあるいは炭素数5以上のα−オレフィン、具体的には、1−ヘキセンや1−オクテンなどを使用できる。
3.条件(3)について
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体における、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解ピーク温度(Tm)の範囲は、155〜175℃に規定される。
融解ピーク温度は結晶性の尺度であり、上記の下限を下回る場合では、結晶性が低下して本発明の目的である剛性が低下してしまう。上限を超えるものは、事実上製造が困難である。
なお、融解ピーク温度(実質的に融点に相当)は、市販のDSCを用いて、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの、融解ピーク温度として実測される(単位:℃)。
4.条件(4)について
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体は、温度上昇溶離分別測定法(TREF)において、40℃以下で溶出する成分の割合が、0.1〜1.0重量%であることが必要である。TREFにおける40℃溶出成分とは、すなわち低結晶性成分の割合であり、これが1.0重量%を超えるものでは、本発明の目的である剛性が低下してしまう。また、0.1に満たないものは製造が困難である。
上記の40℃以下で溶出する成分の範囲は、重合による製造や剛性の観点からして、好ましくは0.1〜0.8重量%、最も好ましくは0.1〜0.5重量%である。
なお、40℃以下の溶出成分は次のようにして回収する。すなわち、溶媒にオルトジクロロベンゼン(略称ODCB)を用い、直径100μm 表面不活性処理ガラスビーズを充填した4.3mmφ×150mmのTREFカラムに、140℃にて5mg/mLの試料溶液を0.2mL注入し、8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却する。10分間保持した後に、ODCBを1mL/分の流速でカラムに流し、カラム中で40℃のODCBに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にて140℃まで昇温し溶出曲線を得る。40℃以下で溶出する成分割合とは当該成分の全量に対する割合をいい、当該溶出曲線から算出される。
5.ガラス転移温度
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体におけるガラス転移温度は、周波数1Hzでの固体粘弾性測定による損失正接が極大値を示す温度として求められる。
共重合体のガラス転移温度(Tg)が1℃より大きいことが好ましく、2℃より大きいことがより好ましい。
この範囲を下回るものは、本発明の目的である剛性の向上の効果が低下してしまう。ガラス転移温度の上限については特に制限はないが、事実上10℃を越えるものは製造が困難である。
ガラス転移温度は、固体粘弾性測定によって得られたものである。固体粘弾性測定とは、具体的には短冊状の試料片に特定周波数の正弦歪みを与え、発生する応力を検知することで行う。周波数は1Hzを用い、測定温度は−60℃から段階状に昇温し、測定試料が融解して測定不能になるまで行う。また、歪みの大きさは0.1〜0.5%程度が推奨される。得られた応力から、公知の方法によって貯蔵弾性率と損失弾性率を求め、これの比で定義される損失正接(=損失弾性率/貯蔵弾性率)を温度に対してプロットすると0℃付近で鋭いピークを示す。このピークを示す温度をガラス転移温度と定義する。
6.重合用触媒について
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体は、チーグラー・ナッタ系触媒よりも、メタロセン系触媒によって重合して製造したものであることが好ましい。その理由は次のとおりである。
メタロセン触媒によってポリプロピレン系樹脂を重合した場合は、従来のチーグラー・ナッタ系触媒を用いた場合に比べて、プロピレン連鎖の立体規則性の分布や、共重合化した際の組成の分布或いは分子量の分布の狭いものが製造できることが知られている。マルチサイト触媒であるチーグラー・ナッタ系触媒を使用した場合には、立体規則性や組成或いは分子量の分布が広くなるため、低分子量の非晶性あるいは低結晶性の成分が生成することが不可避であり、この成分が剛性を低下させる恐れがある。しかしながら、メタロセン触媒を使用することでこれらの剛性に悪影響を及ぼす成分の生成を抑制することができる。さらにこのことにより、樹脂材料としての滑り性や耐ブロッキング性等の物性の向上、或いは例えば食品容器の用途に用いた際に要求される低臭や低味などの性能を向上させる副次的な効果も期待できる。
6−1.メタロセン系触媒について
本発明の剛性に優れた結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体は、触媒活性や立体規則性(結晶性)などの観点からして、特定のメタロセン系触媒によって製造されることが好ましい。
具体的には、下記の成分(A)、成分(B)ならびに必要に応じて成分(C)からなる触媒の存在下でプロピレンと1−ブテンを共重合させることが好ましい。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物
成分(B):下記(b−1)〜(b−4)から選ばれた一種以上を含有する固体
成分
(b−1)アルミニウムオキシ化合物が担持された微粒子状担体
(b−2)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが
可能なイオン性化合物またはルイス酸が担持された微粒子状担体 (b−3)固体酸微粒子
(b−4)イオン交換性層状化合物
成分(C):有機アルミニウム化合物
イ.成分(A)
本発明で使用する遷移金属化合物は、代表例として、架橋した二つの共役五員環配位子を有する、周期律表(短周期型)の第4族の遷移金属によるメタロセン錯体が挙げられ、これらは、下記一般式で表されるものが好ましい。
Figure 0004327528
ここで式中、AおよびA’は、同一でも異なっていてもよく、置換基を有するインデニル基、水添インデニル基、置換基を有するアズレニル基、または水添アズレニル基であることが好ましい。特に、少なくともその2位と4位に置換基を有するものが好ましい。2位の置換基は、ハロゲンやケイ素などのヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基であり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル基などのアルキル基である。
これらの中で特に好ましいものは、2位に炭素数1〜4のアルキル基を、4位置換基(R)の少なくとも3位および/または4位にR’を有し、かつ、nが1〜4の置換インデニル基、アズレニル基、または水添アズレニル基であり、その中でも特にアズレニル基が好ましい。
4位の置換基(R)は、下記一般式で表されるアリール基である。R’は水素以外の置換基であり、ハロゲンやケイ素などのヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基およびハロゲンであり、隣り合った二つ以上のR’が連結してもよい。nは0〜4の範囲である。
Figure 0004327528
これら架橋型インデニル骨格あるいはアズレニル骨格を有するメタロセン錯体に於ける2位、4位の置換基は、以下のように機能していると考えている。2位の置換基は、配位モノマーや中心金属に結合したポリマー末端構造に影響を与えることが知られているが、適当な嵩高さの置換基を選択することで、モノマーの逆挿入反応や連鎖移動反応を抑制することが可能となり、異種結合の低減や分子量の向上に効果がある。
また、4位の置換基は、立体構造的に配位モノマーのステレオ選択性や中心金属に結合したポリマー末端構造に影響を与えることが知られているが、2位に置換基を有し、かつ、4位にアリール型構造の置換基を選択することで、ポリマー末端構造の配置を制御することを可能にし、円滑な挿入(重合)反応が高いステレオ選択性で進行し、本願の発明のように高いメソトリアッド分率(mm)や高い分子量のポリマーを高い活性で得ることを可能にする。つまり、2位と4位の置換基を選択することが、高分子量で高融点のポリマーを得ることを可能にするのである。
Qは、二つの共役五員環などの配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を表し、共役五員環に直接結合したものが好ましく、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基あるいはゲルマニウム含有炭化水素基が好ましい。
具体的には、置換および無置換のアルキレン基、シリレン基あるいはゲルミレン基であり、好ましくは置換シリレン基あるいは置換ゲルミレン基である。ケイ素、ゲルマニウムに結合する置換基は炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、二つの置換基が連結していてもよい。
Mは、周期律表第4族から選ばれる遷移金属の金属原子であり、ジルコニウムとハフニウムが好ましい。
XおよびYは、補助配位子であり、成分(B)の助触媒と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。したがって、この目的が達成される限りXとYは配位子の種類が制限されるものではなく、各々水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、あるいはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基などが例示できる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜10の炭化水素基、あるいはハロゲン原子である。
具体的な化合物の例示としては、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチル−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(9−フェナントリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,
1’−ジメチルシリレンビス{2−n−プロピル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−(9−シラフルオレン−9,9−ジイル)ビス{2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4、5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−{4−クロロ−2−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ハフニウムなどが挙げられる。
上記の化合物は、煩雑な多数の例示を避けて、代表的例示化合物のみ記載して、中心金属がハフニウムの化合物を記載したが、同様のジルコニウム化合物やチタニウム化合物も使用可能であることは言うまでもなく、また、種々の配位子や架橋結合基あるいは補助配位子を任意に使用しうることは自明である。
ロ.成分(B)
本発明において、成分(B)としては、前述した(b−1)〜(b−4)から選ばれた成分のうち少なくとも一つを使用する。
これらの各成分は公知であり、その具体的例示や製造方法については、重複記載を避けるが、例えば、特開2002−284808号公報に詳細な開示がなされている。
略記すれば、(b−1)のアルミニウムオキシ化合物としては、アルミノキサンなどが使用され、(b−2)の化合物は、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸であり、このようなイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などの有機ホウ素化合物との錯化物などが挙げられる。また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。(b−3)の固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどが挙げられる。(b−4)のイオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
上述の成分(B)の中で、好ましいものは、(b−4)のイオン交換性層状珪酸塩である。それについては、例えば、特開2002−53609号公報、特開2002−69116号公報あるいは特開2003−105015号公報に、具体的な例示や製造方法についての詳細な開示がなされている。
ハ.成分(C)
成分(C)は有機アルミニウム化合物である。本発明で成分(C)として用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式AlRp3-p で示される化合物が適当である。
本発明では、この式で表される化合物を単独または複数種併用して使用することができることは言うまでもない。この式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは0より大きくかつ3までの数である。Rとしてはアルキル基が好ましく、またXは、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。
したがって、好ましい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、トリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。
6−2.メタロセン系触媒の形成について
本発明による触媒は、上記の各成分を(予備)重合槽内で、同時にもしくは連続的に、あるいは一度にもしくは複数回にわたって、接触させることによって形成させることができる。各成分の接触は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒中で行うのが普通である。接触温度は特に限定されないが、−20℃から150℃の間で行うのが好ましい。
接触順序としては目的に沿った任意の組み合わせが可能であるが、特に好ましいものを各成分について示せば次の通りである。
成分(C)を使用する場合は、成分(A)と成分(B)を接触させる前に成分(A)と、あるいは成分(B)と、または成分(A)及び成分(B)の両方に成分(C)を接触させること、または、成分(A)と成分(B)を接触させるのと同時に成分(C)を接触させること、または、成分(A)と成分(B)を接触させた後に成分(C)を接触させることが可能であるが、好ましい態様としては、成分(A)と成分(B)を接触させる前に成分(C)をいずれかに接触させる方法である。
本発明で使用する成分(A)、(B)および(C)の使用量は任意である。例えば、成分(B)に対する成分(A)の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは0.1μmol〜1000μmol、特に好ましくは0.5μmol〜500μmolの範囲である。成分(A)に対する成分(C)の使用量は、成分(C)1gに対し、好ましくは遷移金属の量が0.001〜100μmol、特に好ましくは0.005〜50μmolの範囲である。したがって、成分(A)に対する成分(C)の量は、遷移金属のmol比で、好ましくは10-5〜50、特に好ましくは10-4〜5の範囲内である。
本発明の触媒は、これにオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合温度および時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分(B)に対し重量比で、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。また、予備重合時に成分(C)を添加または追加することもできる。
予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行うことも可能である。乾燥を実施する場合は、不純物による被毒を防止するために、成分(C)を添加させることが好ましい。
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレンやポリプロピレンなどの重合体、シリカやチタニアなどの無機酸化物の固体を共存させるなどの方法も可能である。
7.結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体の製造について
使用する触媒は前述した通りであるが、重合系内に含まれ、触媒に対して被毒作用のある不純物(水や酸素など)を除去するために、有機アルミを使用することが可能であり、それが好ましい。
使用するオレフィンは、主構成成分であるプロピレンと少量の1−ブテンを使用する。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法や溶液重合法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるバルク法、あるいは実質的に液体溶媒を用いずに各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合あるいは回分式重合に適用される。スラリー重合や溶液重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。
重合温度は0〜200℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0より大きく200MPaまでの範囲で実施可能である。
ここで、本発明の高融点の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体を製造するためには以下のように、触媒および重合条件を適切に選択することが重要である。
一般にメタロセン触媒は、重合温度を上げると分子量の低下や、立体規則性(例えばメソトリアッド)の低下による融点の低下が起こるため、触媒の性能に応じて重合温度条件を適切に選択すべきである。
また、選択する触媒にも依るが、モノマー分圧(濃度)が低いと、得られるポリマーの立体規則性の低下や低分子量化を引き起こすことがあるため、重合圧力を適切に選択すべきである。例えば、性能の低い錯体や触媒を使用する場合には、重合圧力を高めの条件に設定することで、触媒性能が劣る点を補償できる場合がある。
分子量(MFRが指標となる)の制御には、公知の分子量調節手法を使用することができる。例えば連鎖移動剤としての水素を使用することが好ましい。
8.用途について
本発明の結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体は、シートやフィルムまたは射出成形品あるいは繊維製品や包装材料などの各種成形品に好適に使用することができるが、中でも高剛性の射出成形品および高剛性のシートの用途に好適に用いることができる。
これらの用途に用いるに際して成形法には特に制限はなく、射出成形法や溶融押出成形法などの公知の各種の成形法を用いることができる。また成形に際しては、本発明の主旨を損なわない限り、従来公知の添加剤を、例えば安定剤、酸化防止剤、造核剤、UV吸収剤、光保護剤、金属失活剤、フリーラジカル捕捉剤、フィラー及び強化剤、相溶化剤、可塑剤、滑剤、乳化剤、蛍光像白剤、難燃化剤、顔料、帯電防止剤、発泡剤などを添加しても良い。
以下においては、本発明を実施例によって、さらには比較例との対比において、より具体的に詳細に説明する。
下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであるから、本発明は、これらの実施例によって何ら制約を受けるものではないことは明白である。
1.各物性値の評価方法
(1)MFR
JIS K6758のポリプロピレン試験方法のメルトフローレート(条件:230
℃、荷重2.16kgf)に従って測定した。単位はg/10分である。
(2)1−ブテン共重合割合
13C−NMRを用いて共重合体中の1−ブテン含有量を求めた。測定条件などを以下に記す。
装置名:日本電子 GSX−400
溶媒:重ベンゼン/ODCB
濃度:500mg/2.2ml(内重ベンゼン0.5ml)
サンプル管:10mm径
測定方法:SGBCM(プロトン完全デカップリング法)
パルス幅:90度
パルス間隔:15sec
温度:125℃
積算回数:5000
ピークの帰属は、「J.C.Randall, Macromolecules,11, 592(1978)」の方法に準拠して行なった。
(3)示差走査型熱量計(DSC)による融解ピーク温度
セイコー社製DSCを用い、サンプル5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度で評価した。単位は℃である。
(4)温度上昇溶離分別法(TREF)
試料を140℃でODCBに溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後に、8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却後、10分間保持する。その後、溶媒であるODCBを1mL/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で40℃のODCBに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃まで直線的に昇温し、溶出曲線を得る。
カラムサイズ:4.3mmφ × 150mm
カラム充填材:直径100μm 表面不活性処理ガラスビーズ
溶媒:ODCB
試料濃度:5mg/mL
試料注入量:0.2mL
溶媒流速:1mL/分
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A
測定波長:3.42μm
上記条件に従って得た溶出曲線から、40℃で溶出する成分の全量に対する割合(重量%)を算出する。
(5)ガラス転移温度(Tg)
試料は、10mm幅×18mm長×2mm厚の短冊状に230℃にてプレス成形したものを用いた。プレス成形片は、230℃で5分間予熱した後、10MPaで5分間プレスし、直後に水冷による冷却プレスを10MPaで5分間行って得られたものである。装置はレオメトリック・サイエンティフィック社製のARESを用いた。周波数は1Hzである。
測定温度は−60℃から段階状に昇温し、試料が融解して測定不能になるまで測定を行なった。歪みは0.1〜0.5%の範囲で行なった。
(6)曲げ弾性率(FM)
試験片は厚さ2mmのプレスシートから打ち抜いて作成した。プレスシートは、230
℃で5分間予熱した後、10MPaで5分間プレスし、直後に水冷による冷却プレスを1
0MPaで5分間行って得られたものである。
曲げ弾性率測定はJIS K7203に準拠して行った。
[実施例−1]
(1)メタロセン錯体の合成
(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−
4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
イ.3−クロロ−4−トリメチルシリルブロモベンゼンの合成
3−クロロ−4−ヨード−ブロモベンゼン(3.1g)をジエチルエーテル(100ml)に溶解し、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.59M 6.1ml)を滴下した。その温度で30分間撹拌後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(3.77ml;17.4mmol)を滴下し1時間撹拌した。反応終了後、氷浴下に水を少しづつ加えた後に、エーテルで抽出し、有機相は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル、ヘキサン)で2回精製することにより目的物(2.3g)を得た(収率90%)

1H−NMR(CDCl3
δ:0.35(s,9H,TMS),7.3−7.4(m,2H,arom),7.5
0(s,1H,arom)
ロ.配位子の合成
上記のイ.で得られた3−クロロ−4−トリメチルシリル−ブロモベンゼンをヘキサン(50ml)とジエチルエーテル(50ml)の混合溶媒に溶解し、t−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.51M 11.6ml)を−78℃で滴下した。−78℃で30分間撹拌した後、0℃まで昇温し、2−エチルアズレン(1.29g)を一度に添加した後に、すぐに室温まで昇温し1時間撹拌した。テトラヒドロフラン(50ml)、N−メチルイミダゾール(0.02ml)を加え、−5℃でジメチルシリルジクロリド(0.42ml)を滴下した。その温度で1.5時間撹拌した後、反応液に蒸留水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物はカラムクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル、ヘキサン/塩化メチレン)で精製し、ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン}(2.5g)を得た(収率98%)。
ハ.錯体の合成
上記のロ.で得られた配位子(2.5g)をジエチルエーテル(15ml)に溶解し、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.59M 4.3ml)を−78℃で滴下した。0℃まで昇温し、1時間撹拌した後、トルエン(120ml)を加え、再び−78℃に冷却し、ハフニウムテトラクロリド(1.09g)を添加した。ゆっくり昇温し室温で6時間撹拌した。得られた反応溶液を一度濃縮し、ヘキサンで抽出して再び濃縮乾固した。この固体をさらに−78℃でヘキサン抽出し濃縮乾固後、n−ペンタンで洗浄を繰り返した。さらにジエチルエーテル−ヘキサン(1:3)混合溶媒で洗浄し、塩化メチレンで抽出した。その結果、目的のジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムのラセミ体0.20g(収率6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3
δ:0.36(s,18H,TMS),1.00(s,6H,SiMe2),1.05(t,J=5.6Hz,6H,2−CH2CH3),2.5−2.7(m,4H,2−CH2CH3),5.00(d,J=3.0Hz,2H,4−H),5.8−6.1(m,6H),5.99(s,2H),6.79(d,J=6.0 Hz,2H,7−H),7.
2−7.4(m,6H,arom)
ニ.イオン交換性層状珪酸塩の調製
化学処理:
撹拌翼と還流装置を取り付けた3Lセパラブルフラスコに、イオン交換水500gを投入し、さらに水酸化リチウム1水和物249g(5.93mol)を投入して撹拌する。別に、硫酸581g(5.93mol)をイオン交換水500gで希釈し、滴下ロートを用いて上記水酸化リチウム水溶液に滴下する。このとき硫酸の一部は中和反応に消費され系中で硫酸リチウム塩が生成し、さらに硫酸過剰になることにより酸性溶液となる。そこへさらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:24
.3μm)を350g添加後撹拌する。その後30分かけて108℃まで昇温し150分維持する。その後、1時間かけて50℃まで冷却した。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、減圧濾過を実施した。ケーキを回収し、純水を5.
0L加え再スラリー化し、濾過を行った。この操作をさらに4回繰り返した。濾過は、いずれも数分かからずに終了した。最終の洗浄液(濾液)のpHは、5であった。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。その結果、275gの化学処理体を得た。蛍光X線により組成分析を行ったところ、主成分であるケイ素に対する構成元素のmol比は、Al/Si=0.20、Mg/Si=0.043、Fe/Si=0.021であった。さらに、少量含まれる水分除去を行うために、減圧下、200℃で2時間乾燥を実施した。
化学処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理:
内容積1Lのフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを秤量し、ヘプタン64.6mlとトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液35.4ml(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで洗浄し、最後にスラリー量を100mlに調製した。
ホ.触媒の調製
上記で調製した、トリイソブチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.43ml(0.304mmol)を加えて10分間、室温で撹拌した。また、別のフラスコ(容積200mL)中で、上記で合成したジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムのラセミ体(0.150mmol)にトルエン(30ml)を加え、上記の1Lフラスコに加えて、室温で60分間撹拌した。次に、上記モンモリロナイトとメタロセン錯体の混合反応物に、さらにヘプタン370mlを追加して内容積1リットルの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定したところで、引き続いてプロピレンを238mmol/時(10g/時)の一定速度で120分間供給した。プロピレンの供給終了後、50℃に昇温して2時間そのまま維持し、その後残存ガスをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。残った固体にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液8.5ml(6.0mmol)を室温にて加え、室温で10分間撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒を31.6g回収した。予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は2.08であった。
ト.結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合の製造
重合槽(内容積3リットルの撹拌機付オートクレーブ)内をプロピレンで十分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、1−ブテンを2.5ml、水素150ml、続いて液体プロピレン1500mlを導入し、65℃に昇温した。先に調製した予備重合触媒を、固体触媒として40mg(予備重合ポリマーを除く正味の固体触媒の量)圧入して重合を開始した。槽内温度を65℃に維持し、1時間重合を実施した。残モノマーのパージを行って重合を終了させ、回収したポリマーを90℃窒素気流下で1時間乾燥した。
その結果、得られたプロピレン−1−ブテンランダム共重合体は260gであった。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は6500gであった。
得られた粉状の共重合体にイルガノックス1010(チバガイギー社製)、イルガキュア168(チバガイギー社製)、ステアリン酸カルシウムを各々0.05重量部添加し、テクノベル社製二軸混練機によって造粒してペレット状に成形し、物性評価に用いた。重合体の物性を表1に示す。
[実施例−2]
使用する1−ブテンを5.0mlとする以外は、実施例−1と同様に実施した。得られた重合体の物性を表1に示す。
[実施例−3]
使用する1−ブテンを7.5mlとする以外は、実施例−1と同様に実施した。得られた重合体の物性を表1に示す。
[比較例−1]
1−ブテンを使用しない以外は、実施例−1と同様に実施した。得られた重合体の物性を表1に示す。
[比較例−2]
水素量を120mlとし、1−ブテンを使用しない以外は、実施例−1と同様に実施した。重合体の物性を表1に示す。
[比較例−3]
使用する1−ブテンを35mlとする以外は、実施例−1と同様に実施した。得られた重合体の物性を表1に示す。
[比較例−4]
使用する1−ブテンを87.5mlとする以外は、実施例−1と同様に実施した。得られた重合体の物性を表1に示す。
[比較例−5]
市販のポリプロピレン(チーグラー・ナッタ系触媒を使用して製造されたもの:日本ポリケム社製 ノバテックPP MA3)を使用した。この試料の物性を表1に示す。
Figure 0004327528
[実施例と比較例の結果の考察]
以上の各実施例と各比較例の結果を対照することにより、本発明においては、各物性の規定を満たせば、曲げ弾性率で評価できる、剛性が顕著に向上されていることが理解できる。
比較例−1,2は、1−ブテンをコモノマーとして含有せず、Tgも本発明の規定外であり、剛性はかなり低い。比較例−5は、市販のポリプロピレンであって、チーグラー・ナッタ系触媒により製造したものであり、1−ブテンをコモノマーとして含有せず、Tgも本発明の規定外であり、さらにTREF溶出割合も本発明の規定外であるので、メタロセン系触媒による他の比較例に比べても剛性はかなり低い。比較例−3は、1−ブテン含有量とTgが本発明の規定外で、比較例−4は、1−ブテン含有量とTmおよびTgが本発明の規定外であるので、比較例−3,4は比較例−1,2,5と同様に、本発明に比べて剛性がかなり低くなっている。
また、各実施例と各比較例における1−ブテンの含有量を検討考察すれば、本発明における1−ブテン含有量の規定が、合理的であることも明白となる。

Claims (3)

  1. プロピレン単位および1−ブテン単位からなり、以下の条件(1)〜(5)を満たすことを特徴とする、結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体。
    (1)MFRが0.1〜200g/10分である
    (2)共重合体中のブテン含有量が0.05〜0.5モル%である
    (3)DSCで測定される融解ピーク温度Tmが155〜175℃である
    (4)オルトジクロロベンゼンを溶媒とする温度上昇溶離分別測定法(TREF)において、40℃以下で溶出する成分の割合が全成分の0.1〜1.0重量%である
    (5)周波数1Hzでの固体粘弾性測定から得られる損失正接が極大値を示す温度として求められる、共重合体のガラス転移温度Tgが1℃より大きい
  2. メタロセン系触媒によって製造されたことを特徴とする、請求項1に記載された結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載された結晶性プロピレン−1−ブテンランダム共重合体を使用したことを特徴とする成形品。

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