JP3643815B2 - 竪樋支持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、一般住宅やビルなどの建築物の壁面等に沿って配される竪樋を抱持支承する竪樋支持具に関する。
【従来の技術】
【0003】
図5は、従来の竪樋支持具を示した平面図、図6(a)、(b)は、従来の竪樋支持具の要部を部分拡大した斜視図である。
【0004】
この竪樋支持具100は、二つ割された受体101と蓋体102のうち、一方の端部には、軸板部112を形成し、且つ、他方の端部には、軸板部112を枢着可能な軸受部111が形成されてなり、これら軸板部112と軸受部111とを枢着して受体101と蓋体102を開閉自在に形成している。
【0005】
具体的には、図6(a)で示すように、蓋体102の端部には、略T形板状に形成された軸板部112を形成し、且つ、受体101の端部には、軸板部112を枢着可能な筒状の軸受部111が形成されてなる構造のもの、又は、図6(b)で示すように、蓋体102の端部には、窓孔部132を備えた軸板部112を形成し、且つ、受体101の端部には、窓孔部132に貫通されて枢着可能な筒状の軸受部111が形成されてなる構造のものがあり、何れの構造のものでも、これら軸板部112と軸受部111とを枢着して受体101と蓋体102を開閉自在に形成している点では同じである。
【0006】
このような構造の受体101の遊端部には係止受部121を設け、且つ、蓋体102の遊端部には、係止受部121に係止可能な係止部122を形成し、これら受体101と蓋体102を竪樋に閉め付けて抱持させる構造にしている。
なお、受体101には、これを建物の壁等に固着するための取付体131が延設されているが、この取付体131は、どのような構造であっても構わない。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の竪樋支持具100は、受体101と蓋体102の開閉動作において、図6(a)で示す構造のものでは、軸受部111の内面と、軸板部112の両側縁との間に隙間を生じて摺接された状態で回転動作され、また、図6(b)で示す構造のものでは、軸受部111の内面に、窓孔部132の一側縁と、軸板部112の先端縁との間に間隙を生じて摺接された状態で回転動作されている。
【0008】
そのため、受体101と蓋体102の開閉動作において、軸板部112と軸受部111の回転動作中にガタツキが生じ易く、スムーズな開閉動作ができないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて、受体と蓋体の開閉動作における軸板部と軸受部の回転動作中のガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる竪樋支持具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に係る竪樋支持具は、二つ割された受体と蓋体の何れか一方の端部には、略T形板状に形成された軸板部を形成し、且つ、他方の端部には、上記軸板部を枢着可能な筒状の軸受部が形成されてなり、これら軸板部と軸受部とを枢着して上記受体と蓋体を開閉自在に形成すると共に、上記受体又は蓋体の何れか一方の遊端部には係止受部を設け、且つ、他方の遊端部には、上記係止受部に係止可能な係止部を形成し、これら受体と蓋体を竪樋に閉め付けて抱持させる構造の竪樋支持具において、上記軸板部の首片部の先端に形成された横長の板片部を断面V形又は断面Z形に折曲形成することで、その折曲部分に突条部を形成し、上記軸板部と軸受部の開閉動作における接触面積が増加されたことを特徴にしている。
【0011】
このものでは、軸板部の板片部には、横長方向に向けて断面V形又は断面Z形の突条部を折曲形成しているので、受体と蓋体の開閉動作において、筒状の軸受部の内面と、軸板部の両側縁との間の間隙を突条部で減少させた状態で枢着している。
【0012】
そのため、上記受体と蓋体の開閉動作におけるガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる。
【0013】
請求項2に係る竪樋支持具は、二つ割された受体と蓋体の何れか一方の端部には、窓孔部を備えた軸板部を形成し、且つ、他方の端部には、上記窓孔部に貫通されて枢着可能な筒状の軸受部が形成されてなり、これら軸板部と軸受部とを枢着して上記受体と蓋体を開閉自在に形成すると共に、上記受体又は蓋体の何れか一方の遊端部には係止受部を設け、且つ、他方の遊端部には、上記係止受部に係止可能な係止部を形成し、これら受体と蓋体を竪樋に閉め付けて抱持させる構造の竪樋支持具において、上記軸板部の先端縁と上記窓孔部との間に形成された横長の板片部を断面V形又は断面Z形に折曲形成することで、その折曲部分に突条部を形成し、上記軸板部と軸受部の開閉動作における接触面積が増加されたことを特徴にしている。
【0014】
このものでは、軸板部の先端縁と上記窓孔部との間に形成された横長の板片部には、横長方向に向けて断面V形又は断面Z形の突条部を折曲形成しているので、受体と蓋体の開閉動作において、筒状の軸受部の内面と、窓孔部の一側縁との間隙を断面V形又は断面Z形の突条部で減少させた状態で枢着している。
【0015】
そのため、上記受体と蓋体の開閉動作におけるガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる。
【発明の実施の形態】
【0016】
以下、本発明に係る竪樋支持具Aを図面とともに説明する。
【0017】
図1は、本発明の竪樋支持具を示した斜視図である。
【0018】
この竪樋支持具Aは、二つ割された受体1と蓋体2のうち、蓋体2の端部には、略T形板状に形成された軸板部3を形成し、且つ、受体1の端部には、軸板部3を枢着可能な筒状の軸受部4が形成されてなり、これら軸板部3と軸受部4とを枢着して受体1と蓋体2を開閉自在に形成すると共に、受体1の遊端部には係止受部5を設け、且つ、蓋体2には、係止受部5に係止可能な係止部6を形成し、これら受体1と蓋体2を竪樋Tに閉め付けて抱持させる構造にしている。
なお、蓋体2に形成された軸板部3と、受体1に形成された軸受部4、或いは、係止受部5と係止部6は、各々逆側に形成されても構わない。
【0019】
また、係止受部5と係止部6とは、係脱可能に形成されていれば良く、これに限定されない。
【0020】
以下、各部材について詳説する。
【0021】
受体1は、帯板を略半円弧状に形成し、その中央には、受体1を建物の壁等に固着するための取付体11が外方に向けて延設されている。
【0022】
この取付体11は、図例のような打込み式の他、壁等からの出具合を調節可能なスライド式のものなど、その構造には限定されない。
【0023】
受体1の遊端部には、これを外方に折曲した係止受部5を形成している。
また、受体1の適所には、補強用のリブ12を形成している。
【0024】
蓋体2は、帯板を略半円弧状に形成し、その適所には、補強用のリブ21を形成している。
蓋体2の遊端部には、これを内方に折曲して、受体1の係止受部5に係脱可能な係止部6を形成している。
蓋体2の遊端部には、略T形板状に形成された軸板部3を形成している。
【0025】
この軸板部3は、蓋体2の端部中央に、軸板部3よりも細幅の首片部31を延設し、その前方には、軸板部3と略同幅の横長の板片部32を延設することで略T形板状に形成している。
【0026】
一方、受体1の端部には、軸板部3を枢着可能な円筒状の軸受部4を形成している。
この軸受部4は、受体1の端部両側に、中央に間隙をあけた一対の円筒部41を形成することで円筒状に形成している。
そして、軸板部3の板片部32の両端を、軸受部4の円筒部41に挿通させて、これを枢着し、受体1と蓋体2を開閉自在にしている。
【0027】
本発明は、この軸板部3の先端に形成された横長の板片部32に、その横長方向に向けて1以上の突条部33を形成した点に特徴がある。
【0028】
図2(a)は、図1の要部を部分拡大した斜視図である。
すなわち、突条部33は、板片部32を断面V形に折曲形成することで、その折曲部分に形成している。
【0029】
そのため、受体1と蓋体2の開閉動作において、図2(b)で示すように、軸受部4の円筒部41の内面と、軸板部3の両側縁34、34との間隙を突条部33で減少させた状態で枢着されるので、受体1と蓋体2の開閉動作におけるガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる。
【0030】
図3は、本発明の突条部の他の実施例を示す部分拡大した斜視図である。
ここで、図1、図2と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0031】
図3で示す突条部33は、板片部32を断面Z形に折曲形成することで、その折曲部分に2つの突条部33を形成したもので、このものでは、軸板部3の両側縁34、34及び2つの突条部33、33の隙間が減少された状態に枢着できる。
【0032】
図4(a)は、本発明の竪樋支持具の他の実施例を示す要部を部分拡大した斜視図である。
この竪樋支持具Aは、図1〜図3で説明した軸板部3と軸受部4の他の構造を示したものであり、ここでは相違する部分だけを説明し、図1〜図3と共通する部材については、共通の番号を付することで説明を省略する。
【0033】
この蓋体2に形成された軸板部3は、基端側に横長の窓孔部35を開設し、軸板部3の先端縁と窓孔部35との間に形成された横長の板片部32には、その横長方向に向けて1以上の突条部33を形成したもので、ここでは、窓孔部35の前方を、断面V形に折曲形成することで、その折曲部分に突条部33を形成している。
【0034】
一方、受体1の軸受部4は、窓孔部35に貫通されて枢着可能な筒状に形成している。
【0035】
すなわち、軸受部4を窓孔部35に貫通させたうえで、筒状に形成することで、これら軸板部3と軸受部4とを枢着し、受体1と蓋体2を開閉自在にしている。
【0036】
このような構造の竪樋支持具Aであっても、受体1と蓋体2の開閉動作において、図4(b)で示すように、軸受部4の内面と、窓孔部35の一側縁34’及び軸板部3の先端縁34との間隙を突条部33で減少させた状態で枢着されるので、受体1と蓋体2の開閉動作におけるガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、次のような効果がある。
【0038】
請求項1に係る竪樋支持具によれば、軸板部の板片部には、横長方向に向けて断面V形又は断面Z形の突条部を折曲形成しているので、受体と蓋体の開閉動作において、筒状の軸受部の内面と、軸板部の両側縁との間の間隙を突条部で減少させた状態で枢着している。
【0039】
そのため、上記受体と蓋体の開閉動作におけるガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる。
【0040】
請求項2に係る竪樋支持具によれば、軸板部の先端縁と上記窓孔部との間に形成された横長の板片部には、横長方向に向けて断面V形又は断面Z形の突条部を折曲形成しているので、受体と蓋体の開閉動作において、筒状の軸受部の内面と、窓孔部の一側縁との間隙を突条部で減少させた状態で枢着している。
【0041】
そのため、上記受体と蓋体の開閉動作におけるガタツキを防止し、スムーズな開閉動作ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の竪樋支持具を示した斜視図
【図2】(a)は、図1の要部を部分拡大した斜視図、(b)は、(a)の要部を縦断した断面図
【図3】本発明の突条部の他の実施例を示す部分拡大した斜視図
【図4】(a)は、本発明の竪樋支持具の他の実施例を示す要部を部分拡大した斜視図、(b)は、(a)の要部を縦断した断面図
【図5】従来の竪樋支持具を示した平面図
【図6】(a)、(b)は、従来の竪樋支持具の要部を部分拡大した斜視図
【符号の説明】
A 竪樋支持具
T 竪樋
1 受体
2 蓋体
3 軸板部
31 首片部
32 板片部
33 突条部
33a 湾曲部
35 窓孔部
4 軸受部
5 係止受部
6 係止部
Claims (2)
- 二つ割された受体と蓋体の何れか一方の端部には、略T形板状に形成された軸板部を形成し、且つ、他方の端部には、上記軸板部を枢着可能な筒状の軸受部が形成されてなり、これら軸板部と軸受部とを枢着して上記受体と蓋体を開閉自在に形成すると共に、上記受体又は蓋体の何れか一方の遊端部には係止受部を設け、且つ、他方の遊端部には、上記係止受部に係止可能な係止部を形成し、これら受体と蓋体を竪樋に閉め付けて抱持させる構造の竪樋支持具において、上記軸板部の首片部の先端に形成された横長の板片部を断面V形又は断面Z形に折曲形成することで、その折曲部分に突条部を形成し、上記軸板部と軸受部の開閉動作における接触面積が増加されたことを特徴にしている竪樋支持具。
- 二つ割された受体と蓋体の何れか一方の端部には、窓孔部を備えた軸板部を形成し、且つ、他方の端部には、上記窓孔部に貫通されて枢着可能な筒状の軸受部が形成されてなり、これら軸板部と軸受部とを枢着して上記受体と蓋体を開閉自在に形成すると共に、上記受体又は蓋体の何れか一方の遊端部には係止受部を設け、且つ、他方の遊端部には、上記係止受部に係止可能な係止部を形成し、これら受体と蓋体を竪樋に閉め付けて抱持させる構造の竪樋支持具において、上記軸板部の先端縁と上記窓孔部との間に形成された横長の板片部を断面V形又は断面Z形に折曲形成することで、その折曲部分に突条部を形成し、上記軸板部と軸受部の開閉動作における接触面積が増加されたことを特徴にしている竪樋支持具。
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