JP3643776B2 - ドラム式洗濯機及びこれの泡検知用エアトラップの詰まり検知方法 - Google Patents
ドラム式洗濯機及びこれの泡検知用エアトラップの詰まり検知方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はドラム内の泡の異常発生を検知する手段を有するドラム式洗濯機及びこれの泡検知用エアトラップの詰まり検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ドラム式洗濯機においては、洗濯物の洗いを、ドラム内に洗剤及び洗濯水と共に洗濯物を収容した状態で、該ドラムを回転させることにより行うようになっている。このため、その洗い時には、洗剤を含んだ洗濯水が盛んに撹拌され、それによって、洗剤が一般の非低発泡洗剤であった場合には、非常に多くの泡が発生する。このように多くの泡が発生すると、洗濯物をドラムの回転により上げてから落とすことでその衝撃力により洗うたたき洗いをするのに、ドラム内の泡が洗濯物を緩衝的に受けてしまって、たたき洗いの衝撃力を和らげ過ぎることにより、充分な洗い効果が得られなくなる。
【0003】
又、ドラム式洗濯機においては、洗濯物の脱水も、ドラムを回転させることにより行うようになっており、それに対して、特に洗い直後の脱水時には、上述のごとく発生してドラムとこれを収容した水槽との間に溜まった泡がドラムの回転を阻害してしまい、その結果、ドラムの回転速度が上がらず、充分な脱水ができなくなる。
【0004】
このため、ドラム式洗濯機においては、泡立ちの少ない低発泡洗剤の使用が推奨され、非低発泡洗剤が使用できないとされていた。なお、低発泡洗剤は、添加されている界面活性剤の種類により発泡性を抑えたもので、低発泡であり、泡の消去性いわゆる泡切れも良くて、汚れの少ない洗濯物を時間をかけずに洗濯するスピードコースや、節水仕様の全自動洗濯機に最適であるとされているレベルのものである。
【0005】
これに対して、非低発泡洗剤は、泡立ちは多いものの、入手が容易で、種類も多く、香りも良くて、更に安価であり、ドラム式洗濯機においても、これの使用ができることを望む使用者が多い。
そこで、本出願人においては、ドラム内の泡の異常発生を検知する泡検知装置を設け、この泡検知装置により、洗い中、異常に多くの泡の発生が検知されたときには、ドラム内の水を減らす等の、泡のそれ以上の発生を抑える処置をとるものを先に発明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記洗い前の、ドラム内への給水中にも、洗剤を含んだ洗濯水が、逐次供給される水の落下の衝撃等を受けることにより泡が発生するもので、更にその泡の下に、逐次供給される水が潜り込むことで泡が押し上げられ、このようにしてドラム内への給水中に泡が異常発生した場合には、それ以上給水を続けると、泡の発生を更に増やしてしまうものであり、これを上述のものでは防止することができなかった。
【0007】
更に、運転中、泡が異常発生している状況で、洗濯物の追加等を目的として、洗濯物出入口を閉鎖したドアを開けると、その出入口から泡があふれ出すおそれがあった。
【0008】
加えて、泡検知装置が、ドラム内の泡の異常発生を、エアトラップを介する圧力の変化により検知するものの場合、そのエアトラップのドラム側接続口が洗濯物から発生した糸屑等によって詰まることが考えられ、詰まれば、ドラム内の泡の異常発生を検知できなくなるおそれを有していた。
【0009】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、
第1に、ドラム内への給水中に泡が異常発生した場合に、泡の発生を更に増やしてしまうことのないドラム式洗濯機を提供し、
第2に、運転中、泡が異常発生している状況で、不用意にドアを開けてしまうことのないドラム式洗濯機を提供し、
第3に、泡検知のためのエアトラップのドラム側接続口の詰まりを、簡単且つ確実に検知できるドラム式洗濯機の泡検知用エアトラップの詰まり検知方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を洗剤及び水と共にドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより洗うようにしたものにおいて、前記ドラム内に給水する給水手段と、前記ドラム内の泡の異常発生を検知する泡検知手段とを具備すると共に、その検知結果に応動する制御手段を具備し、その制御手段が、前記給水手段による給水中に前記ドラム内の泡の異常発生が検知されたときに、その給水を中止して、ドラムを回転させる運転に移行する制御をすることを特徴とする(請求項1の発明)。
【0011】
このものによれば、ドラム内への給水中に泡が異常発生した場合に、給水が中止されて、ドラムを回転させる運転に移行することにより、それ以上給水を続けることが避けられ、泡の発生が抑制される。
【0014】
上記第2の目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を洗剤及び水と共にドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより洗うようにしたものにおいて、運転を一時的に停止させるための一時停止操作手段と、前記ドラム内に通じる洗濯物出入口を開閉するドアをロックするロック手段と、前記ドラム内の泡の異常発生を検知する泡検知手段とを具備すると共に、前記一時停止操作手段の操作並びに前記泡検知手段の検知結果に応動する制御手段を具備し、その制御手段が、前記ドラム内の泡の異常発生が検知されないときには、一時停止操作があったときにドアのロックを解除し、前記ドラム内の泡の異常発生が検知されたときには、一時停止操作があってもドアのロックを解除しない制御をすることを特徴とする(請求項2の発明)。
【0015】
このものによれば、運転中、泡が異常発生している状況では、一時停止操作してもドアのロックが解除されないので、そのドアを不用意に開けてしまうことが避けられ、洗濯物出入口からの泡のあふれ出しに困惑することのないようにできる。
【0016】
上記第3の目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯機の泡検知用エアトラップの詰まり検知方法は、洗濯物を洗剤及び水と共にドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより洗うようにし、そのドラム内の泡の異常発生をエアトラップを介する圧力の変化により検知する泡検知手段を具備するドラム式洗濯機に対し、前記エアトラップ内に注水してその圧力の変化により該エアトラップのドラム側接続口の詰まりを検知するようにしたことを特徴とする(請求項3の発明)。
【0017】
この方法によれば、エアトラップのドラム側接続口が詰まっているとき、エアトラップ内には注入した水が溜まり、その溜まった水の体積分の空気が圧縮される。このときのエアトラップを介する圧力の変化は、エアトラップ内に溜まった水によるものであるから、泡によるものよりかなり大きい。かくして、エアトラップ内に注水するだけのことで、泡の異常発生時とは明確に区別してエアトラップのドラム側接続口の詰まりを検知することができる。
【0018】
この場合、ドラム式洗濯機としては、エアトラップのドラム側接続口の詰まりを最終すすぎ時に検知したときに、全運転を終了した時点で報知をするようにすると良い(請求項4の発明)。
このものでは、最終すすぎでエアトラップのドラム側接続口の詰まりを検知したときには、その後、泡の発生のない脱水運転や乾燥運転は行っても支障ないので、全運転を終了した時点で報知をすることにより、運転の途中に使用者を呼び付けるようなことがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例につき、図1ないし図12を参照して説明する。
まず、図2に示すように、ドラム式洗濯機全体の外殻を成す外箱1の前面部には、中央部にドア2を設け、上部に、操作パネル3と、引出し式の洗剤投入用ケース4とを設けている。
このうち、ドア2は、図3に示すように、外箱1の前面部の中央部に形成した洗濯物出入口5を開閉するもので、外箱1の前面部の裏側の上部(操作パネル3の裏側)には操作回路ユニット6を設け、下部に制御回路ユニット7を設けている。
【0020】
外箱1の内部には水槽8を配設している。この水槽8は円筒状を成すものであり、その軸方向が前後(図3中、左右)となる横軸状で、しかも、前上がりの傾斜状に配設し、左右一対(図5参照)の弾性支持装置9により支持している。
【0021】
水槽8の内部には、ドラム10を水槽8と同軸状に配設している。このドラム10は、洗濯、脱水及び乾燥に共用の槽として機能するものであり、胴部のほゞ全域に通水孔であり通風孔でもある小孔11を多数有し(図3に一部のみ図示)、胴部の内周部には洗濯物掻き上げ用のバッフル12を複数有している(同、1つのみ図示)。
【0022】
水槽8及びドラム10は、いずれも前面部に洗濯物出し入れ用の開口部13,14を有しており、そのうちの水槽8の開口部13を、ベロー15によって前記外箱1の洗濯物出入口5に水密に連ね、ドラム10の開口部14を水槽8の開口部13に臨ませることにより、ドラム10の内部に洗濯物出入口5が通じるようにしている。
【0023】
水槽8の背面部には、ドラム10を回転駆動する駆動装置としてモータ16を配設している。このモータ16は、この場合、アウターロータ形であり、そのステータ16aを水槽8の背面部に取付け、ロータ16bの中心部に取付けた回転軸16cを水槽8内に挿通して、これの前端部にドラム10の背部の中心部を取付けている。
【0024】
水槽8の下面部には水溜器17を取付けており、この水溜器17の内部に洗濯水加熱用のヒータ18を配設し、水溜器17の後部には排水弁19を介して排水ホース20を接続している。この場合、排水弁19は電磁石やモータ等の駆動力で開放される電動式のものであり、排水ホース20と共に、水槽8内の水、ひいてはドラム10内の水を排出する排水手段として機能するようになっている。
【0025】
一方、水槽8上には、後側に送風機21を配設し、前側に加熱器22を配設している。このうち、送風機21は、図4に示すように、ケーシング23の内部に送風羽根24を設け、この送風羽根24を回転駆動するモータ25をケーシング23の外部に設けて成るものであり、それらの間をベルト伝動機構26により連結している。一方、加熱器22は、ケース27の内部に温風生成用ヒータ28を設けて成るもので、ケース27の入口部が送風機21のケーシング23の出口部に連通している。
【0026】
更に、水槽8上の前部には図3に示すダクト29を配設している。このダクト29は、一端部が上記加熱器22のケース27の出口部に連通しており、他端部が水槽8内に臨んでいる。
【0027】
水槽8の背面部には又、熱交換器30を配設している。この熱交換器30は、上部から水が注ぎ入れられることによって、内部を下方から通る空気の水分を水により熱交換して冷却し凝縮させて除湿する水冷式のものであり、全体に中空状を成している。又、この熱交換器30は、図5に示すように、ドラム10の回転中心たる前記モータ16の回転軸16cに対して同心円状に湾曲する形状を成すものであり、モータ16を避けてその図5中左側に配設している。
【0028】
しかして、熱交換器30は、下部に連通口である水出口兼用の空気入口31を有しており、その空気入口31を水槽8の内下部に連通させている。又、熱交換器30は、上部をダクト32により前記送風機21のケーシング23に連通させており、以上の熱交換器30、ダクト32、送風機21、並びに前記加熱器22、及びダクト29により、乾燥ユニット33を構成している。
【0029】
熱交換器30には、内部の上部に注水管34を横架して設けている。この注水管34は、熱交換器30内の下方部を臨む下面部に例えば横一列状に多数の噴水口34aを有しており、一端部の接続部34bを熱交換器30外に位置させている。そして、その注水管34の接続部34bには、第1の注水チューブ35の一端部を接続し、該第1の注水チューブ35の他端部を給水弁36に接続している。
【0030】
ここで、上記第1の注水チューブ35及び給水弁36は、熱交換器30に注水する注水手段たるものであり、その給水弁36は前記外箱1内の最上部に取付けている。
【0031】
又、熱交換器30には、上下の中間部の背部にエアトラップ37を取付けている。このエアトラップ37は、詳細には図6及び図7に示すように、独立した中空部品から成っており、下部に前方(図7中、左側)へ突出する第1の接続口38を有し、上部に上方へ突出する第2の接続口39を有している。又、このエアトラップ37の図6中右側の中間部には斜め上方へ突出する第3の接続口40を形成しており、そのほか、該エアトラップ37の下部には、左右及び下方の三方に突出する取付部41を形成している。
【0032】
これに対して、熱交換器30の上下の中間部の背部には、連結受口42と、これの周囲三か所に位置する取付受ボス43とを形成しており、そのうちの連結受口42に上記エアトラップ37の第1の接続口38を、図7に示すように、先端部が熱交換器30の内面とほゞ面一となるところまで挿入して、エアトラップ37を熱交換器30内と連通させている。従って、エアトラップ37の第1の接続口38は、熱交換器30に対するエアトラップ37の連通部として機能するものであり、且つドラム側接続口として機能するものである。
【0033】
又、この折り、エアトラップ37と熱交換器30との間には、第1の接続口38の外周に嵌合したシール部材であるOリング44を挟み、その上で、各取付受ボス43に各取付部41を当ててそれぞれねじ45により締付けることにより、エアトラップ37を熱交換器30に気密、水密に、且つ図6に示すように熱交換器30の湾曲する形状にほゞ沿う角度に取付けている。
【0034】
しかして、エアトラップ37の第2の接続口39には、エアチューブ46の一端部を接続し、該エアチューブ46の他端部を、図5に示す圧力センサ47に接続して、泡検知手段として機能する泡検知装置48を構成している。この泡検知装置48の主体を成す圧力センサ47は、約数百〔Pa〕(参考値:数十〔mmH2O〕)程度の微小な空気圧の検知が可能なものであり、それと並べて設けた水位センサ49がエアチューブ50及び図示しないエアトラップを介して前記水槽8内の貯留水位を同様に空気圧により検知するのに対して、それより10倍ほど感度の高いものである。なお、これら圧力センサ47及び水位センサ49も、外箱1内の最上部に配設している。
【0035】
又、エアトラップ37の第3の接続口40には、第2の注水チューブ51の一端部を接続し、該第2の注水チューブ51の他端部を、図4に示す給水弁52に接続している。ここで、給水弁52は、前記外箱1内上部の左側後部(図4中左側上部)に配設した配水装置53中に存在しており、この配水装置53中には、そのほか、前記給水弁36と給水弁54,55とが存在している。
【0036】
配水装置53は、水道水を分配するもので、図示しない給水ホースを介して水道の蛇口に接続される1つの入水口56に対し、上述の4つの給水弁36,52,54,55を有している。この場合、それらの給水弁36,52,54,55は前記排水弁19と同様の電動式のものである。
【0037】
しかして、給水弁36は前記第1の注水チューブ35と共に前記熱交換器30に注水する注水手段を構成するもので、既述であり、又、第2の注水チューブ51及び給水弁52は、エアトラップ37内に注水する注水手段を構成するものである。
【0038】
なお、外箱1内上部の左側後部の隅部には、給水ポンプ57を取付けている。この給水ポンプ57は、呼び水受口58から呼び水が供給されて、吸水口59から風呂水など水道水以外の水を図示しない吸水ホースを介して吸入し、この吸入した水道水以外の水を吐水口60から吐出するものである。
【0039】
そして又、給水ポンプ57の前方(図4中下方)であって前記外箱1内上部の左側の前部(図4中左側下部)には、注水ケース61を配設している。この注水ケース61は、詳しくは図示しないが、第1及び第2の2つの水道水供給路と、水道水以外供給路とを有しており、それらの出口は共通で、図3に示すように、給水管62を介して前記水槽8内に前上方より連通している。
【0040】
又、この注水ケース61の水道水以外供給路には、上記給水ポンプ57の吐水口60を、接続ホース63を介して接続している。注水ケース61の第1の水道水供給路には、上記給水ポンプ57の呼び水受口58を接続ホース64を介して接続している。
【0041】
加えて、前述の洗剤投入用ケース4は、詳しくは図示しないが、洗剤を貯留する洗剤貯留部と、柔軟剤など仕上剤を貯留する仕上剤貯留部とを有し、上記注水ケース61内に収納されて、前記第1の水道水供給路に洗剤貯留部がセットされ、第2の水道水供給路に仕上剤貯留部がセットされるようになっている。これに対して、前記給水弁54は接続ホース65を介して前記注水ケース61の第1の水道水供給路に接続しており、給水弁55は接続ホース66を介して前記注水ケース61の第2の水道水供給路に接続している。
このほか、図5には、水槽8内の水温及び空気温度を検知すべく該水槽8の背面の下部に設けた例えばサーミスタから成る温度センサ67を示している。
【0042】
図8には、前記操作パネル3の構成を詳細に示している。この操作パネル3は、「電源」スイッチ68と、一時停止操作手段である「スタート/一時停止」スイッチ69とを有するほかに、各種選択スイッチ70〜75を有しており、特にその中の「コース」選択スイッチ72により各種コースが選択され、その選択したコースについてそれを低発泡洗剤使用コースとするか非低発泡洗剤使用コースとするかが「一般洗剤」選択スイッチ75により選択されるようになっている。
【0043】
ここで、その選択は、「コース」選択スイッチ72のみを操作すれば、各種コースが低発泡洗剤使用コースで選択され、「コース」選択スイッチ72と「一般洗剤」選択スイッチ75とを操作すれば、各種コースが非低発泡洗剤使用コースで選択されるようになっている。
【0044】
このほか、操作パネル3は、各種表示部76〜83を有し、そのうちの表示部77が上述の「コース」選択スイッチ72により選択されたコースを表示し、表示部83が低発泡洗剤使用コースと非低発泡洗剤使用コースとのうちの選択されたコースを表示するようになっている。表示部81は必要洗剤量を表示するほかに、各種コースの残り時間や、予約時間、温水の設定温度、並びに異常を表示(報知)するようになっており、従って、この表示部81は異常報知手段として機能するものである。
【0045】
そのほか、操作パネル3には、選択スイッチ84〜87と、表示部88〜91が存しており、そのうちの選択スイッチ84〜87は洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各行程の実行を選択するためのもので、表示部88〜91はその各選択時間や選択回数を表示するものである。
【0046】
一方、図9はマイクロコンピュータ92を示しており、このマイクロコンピュータ92は、前記制御回路ユニット7に含まれ、ドラム式洗濯機の運転全般を制御する制御手段として機能するようになっている。このマイクロコンピュータ92には、前記操作パネル3の「電源」スイッチ68を除く各種スイッチ69〜75、84〜87から成る操作入力部93から各種操作信号が入力されるようになっている。操作入力部93は前記操作回路ユニット6に含まれており、前記操作パネル3に対する使用者の操作に応じた各種操作信号を出力するようになっている。
【0047】
このほか、マイクロコンピュータ92には、前記水位センサ49から水位検知信号が入力されると共に、モータ16の回転を検知するように設けた回転センサ94から回転検知信号が入力され、更に、水槽8内の洗濯水の汚れを検知する汚れセンサ95から汚れ検知信号が入力され、前記ドラム10内の洗濯物の乾燥を検知する乾燥センサ96から乾燥検知信号が入力され、前記泡検知装置48の圧力センサ47から圧力検知信号が入力され、前記温度センサ67からは温度検知信号が入力されるようになっている。
【0048】
そして、マイクロコンピュータ92は、それらの入力並びにあらかじめ記憶された制御プログラムに基づいて、前記モータ16を駆動するインバータ回路97に駆動制御信号を与えるようになっている。ここで、モータ16は、前述のアウターロータ形であると共に、例えば直流のブラシレスモータから成っており、マイクロコンピュータ92はインバータ回路97を介して該モータ16の回転速度を制御するようになっている。
【0049】
そのほか、マイクロコンピュータ92は、異常の報知を含む報知手段であるブザー98と、前記操作パネル3の各種表示部76〜83、88〜91から成る表示ユニット99、前記洗濯水加熱用のヒータ18、排水弁19、送風機21のモータ25、温風用のヒータ28、給水ポンプ57、配水装置53の給水弁36,52,54,55、及び前記ドア2を閉鎖状態にロックするロック手段であるドアロック装置(図示せず)の駆動源たる電磁石100を駆動するための駆動回路101に駆動制御信号を与えるようになっている。
【0050】
次に、上記構成のものの作用を述べる。
まず、使用者の操作に基づき、ドラム式洗濯機の作動、中でも標準コースの作動が開始されると、図示しない洗濯物の洗い、すすぎ、脱水、乾燥が順に行われる。
【0051】
洗い時の最初の行程は図1に示す「給水行程」である。この「給水行程」では、マイクロコンピュータ92が、まず給水弁54を開放させるものであり(ステップS1)、この給水弁54の開放によって、洗濯水(水道水)が接続ホース65を通じ、注水ケース61内の洗剤投入用ケース4にセットされた洗剤と共に水槽8内に供給され、更にはドラム10の小孔11を通じてドラム10内に供給される。従って、このとき、それら給水弁54、接続ホース65、注水ケース61、及び給水管62は、水槽8内、ひいてはドラム10内に給水する給水手段として機能する。
【0052】
この状況で、マイクロコンピュータ92は、次に泡検知装置48の圧力センサ47の出力を取り込んで、それがドラム10内の泡の異常発生レベルである所定値、この場合、x〔kHz〕以下であるか否かの判断をする(ステップS2)。ここで、図10は泡検知装置48の圧力センサ47が検知した圧力と、それに基づく圧力センサ47の出力との関係を示している。圧力センサ47の出力は検知した圧力に相応した周波数であり、検知した圧力が大きいほど、その出力周波数は小さくなる関係にある。
【0053】
この場合、ドラム10内への給水中に、洗剤を含んだ洗濯水が、逐次供給される水の落下の衝撃等を受けることにより泡が発生し、更にその泡の下に、逐次供給される水が潜り込むことで泡が押し上げられると、その泡は、小孔11や開口部14から水槽8内に至って、更に水槽8内から、これに下部の空気入口31で連通した熱交換器30内に至り、更に、その熱交換器30内からエアトラップ37下部の第1の接続口38を通じエアトラップ37内に至って、該エアトラップ37内の空気圧を上昇させる。すると、そのエアトラップ37にエアチューブ46を介して連通した圧力センサ47が応動し、泡検知信号(周波数)を出力する。
【0054】
上記ステップS2で、圧力センサ47の出力が所定のx〔kHz〕以下ではない(NO:ドラム10内に泡が異常発生していない)と判断されれば、次に、水槽8内の貯留水位、ひいてはドラム10内の貯留水位が予備撹拌開始水位に達したか否かの判断をし(ステップS3)、ここで達していない(NO)と判断されれば、ステップS2に戻る。
【0055】
ステップS3で、予備撹拌水位に達した(YES)と判断されれば、予備撹拌を開始する(ステップS4)。この予備撹拌は、ドラム10をモータ16により間欠回転駆動するもので、具体的には、例えば図11に示すように、ドラム10を50〔rpm〕の回転速度で正転方向に5秒駆動−2秒休止−同じく50〔rpm〕の回転速度で逆転方向に5秒駆動−2秒休止を繰返すものである。
【0056】
そして、次に、水槽8内の貯留水位(ドラム10内の貯留水位)が洗いのための設定水位に達したか否かの判断をし(ステップS5)、ここで達していない(NO)と判断されれば、ステップS2に戻る。又、ステップS5で、設定水位に達した(YES)と判断されれば、給水弁54を閉塞させ(ステップS6)、続いて、予備撹拌を終了し(ステップS7)、洗いの撹拌へと移行する(ステップS8)。
【0057】
なお、洗いの撹拌は、ドラム10をモータ16により間欠ではあるものの予備撹拌より高速で長く回転駆動するもので、それは具体的には、やはり図11に示すように、ドラム10を60〔rpm〕の回転速度で正転方向に20秒駆動−2秒休止−同じく60〔rpm〕の回転速度で逆転方向に20秒駆動−2秒休止を繰返すものである。
【0058】
これに対して、前記ステップS2で、圧力センサ47の出力が所定のx〔kHz〕以下である(YES:ドラム10内に泡が異常発生した)と判断されれば、ステップS6に進む。すなわち、この場合には、給水を中止して、ドラム10を回転させる運転(洗いの撹拌)に移行する制御をする。
【0059】
なお、図示はしないが、上述のステップS2で、圧力センサ47の出力が所定のx〔kHz〕以下であると判断されたことに基づき、給水を中止して、ドラム10を回転させる運転に移行する制御をしたときには、洗い撹拌では、洗濯水を一部排出して減らし、この状態で洗い撹拌を行うことにより、発生した泡を減じ、そして、新たな泡の発生を抑制するようにする。
【0060】
又、その洗い撹拌中に、上述同様にして泡検知装置48により泡の異常発生が検知されれば、マイクロコンピュータ92は、所定の制御動作を実行する。その制御動作は、例えば、排水弁19を開放させることによりドラム10内の水を減らすであり、又はモータ16の回転速度を減じてドラム10の回転速度を落とす、もしくはその両方等である。
【0061】
そして、すすぎ時には、上述の洗い時における「給水行程」と同様、もしくは予備撹拌を除いた「給水行程」を経た後、図12に示す「すすぎ撹拌行程」を実行する。この「すすぎ撹拌行程」では、マイクロコンピュータ92は、まず、すすぎ撹拌を開始する(ステップS11)。このすすぎ撹拌は前述の洗い撹拌と同様に行う。
次に、マイクロコンピュータ92は、泡検知装置48の圧力センサ47の出力を取り込んで、それがドラム10内の泡の異常発生レベルである所定値、この場合、y〔kHz〕以下であるか否かの判断をする(ステップS12)。
【0062】
このステップS12で、圧力センサ47の出力が所定のy〔kHz〕以下ではない(NO:ドラム10内に泡が異常発生していない)と判断されれば、次に、すすぎ撹拌時間が経過したか否かの判断をし(ステップS13)、経過していない(NO)と判断されれば、ステップS12に戻る。又、ステップS13で、すすぎ撹拌時間が経過した(YES)と判断されれば、すすぎ撹拌を終了し(ステップS14)、排水行程へと移行する(ステップS15)。この排水行程は、排水弁19を開放させることによりドラム10内の水を排出するものである。
【0063】
これに対して、ステップS12で、圧力センサ47の出力が所定のy〔kHz〕以下である(YES:ドラム10内に泡が異常発生した)と判断されれば、ステップS14に進む。すなわち、この場合には、ドラム10の回転を中止して、ドラム10内の水を排出する制御をする。
なお、こうしたすすぎは複数回行う。
【0064】
脱水時には、ドラム10がモータ16により連続で高速回転されることにより、洗濯物に含まれた水分を遠心力にて小孔11から振切り排出し、排水弁19及び排水ホース20を順に通じて排水する。
【0065】
そして、乾燥時には、ドラム10がモータ16により回転されると共に、給水弁36から第1の注水チューブ35を通じて注水管34に注水されつつ、送風機21と加熱器22とが作動される。すると、ドラム10が回転される状況で、水槽8内の空気(ドラム10内の空気)が、図3及び図5に矢印Aで示すように、熱交換器30内を下部の空気入口31から上部へと通される。又、このとき、熱交換器30内には、給水弁36から注水管34に注入された水がその注水管34の噴水口34aから矢印Bで示すように噴射されて流下し、この流下する水に、熱交換器30内を通る上記水槽8内の空気中の水蒸気が触れて冷却され、凝縮されることにより除湿される。
【0066】
そして、その除湿された空気は、その後、送風機21のケーシング23内から加熱器22のケース27内に送り込まれて、温風生成用ヒータ28により加熱されることにより温風化された後、ダクト29を通って水槽8内に戻され、更にドラム10内に戻される。このドラム10内に戻された空気は、ドラム10内を通る過程で該ドラム10内の洗濯物から湿気を奪い、その後、再び熱交換器30内を下部から上部へと通されるということが繰返されて循環されるものであり、かくして、洗濯物の乾燥が行われる。
【0067】
しかして、洗濯物の乾燥が上述のように行われるとき、洗濯物からはリント (糸屑)が散出する。この洗濯物から散出したリントは、ドラム10内から水槽8内に出て該水槽8内から熱交換器30内に至る空気に運ばれ、熱交換器30内に侵入するが、このとき、給水弁52からは第2の注水チューブ51を通じてエアトラップ37内に注水する。このエアトラップ37内に注入された水は、エアトラップ37内を図7に矢印Cで示すように通って、該エアトラップ37の第1の接続口38から熱交換器30内へと至る。
【0068】
このため、エアトラップ37のドラム側接続口であるその第1の接続口38に、図7に示すようにリントlが引掛かっても、それは上述のエアトラップ37内に注入されて該エアトラップ37の第1の接続口38から熱交換器30内へと至る水により流し落とされる。
【0069】
よって、その部分でリントlが堆積することがなくなり、その堆積したリントlでその部分の空気流通断面積が縮小されるというようなこともなくなるので、泡発生時の空気圧の変化が正常でなくなることもなくなり、泡の検知が常に誤りなくできるようになる。
【0070】
このように本構成のものでは、ドラム10内への給水中に、ドラム10内の泡の異常発生が検知されたときには、その給水を中止して、ドラム10を回転させる運転に移行する制御をするものであり、それによって、ドラム10内への給水をそれ以上続けることが避けられるから、泡の発生が抑制され、泡の発生を更に増やしてしまうことのないようにできる。
【0071】
又、本構成のものでは、すすぎのドラム10回転中にドラム10内の泡の異常発生が検知されたときには、そのドラム10の回転を中止して、ドラム10内からの排水を行う運転に移行する制御をするものであり、それによって、ドラム10をそれ以上回転させ続けることが避けられるから、泡の発生が抑制され、泡の発生を更に増やしてしまうことのないようにできる。
なお、この、ドラム10の回転を中止して、ドラム10内からの排水を行う運転に移行する制御をする場合には、それによるすすぎ不足を補うべく、すすぎの回数を1回ないしは複数回増やすようにしても良い。
【0072】
以上に対して、図13ないし図23は本発明の第2ないし第6実施例を示すもので、それぞれ、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0073】
[第2実施例]
図13ないし図15に示す第2実施例においては、マイクロコンピュータ92が、「洗い行程」で、最初にドラム10内に設定水位まで給水し(ステップ101)、その後に、ドアロック装置の駆動源電磁石100を作動させてドア2を閉鎖状態にロックする(ステップS102)。次いで、洗い撹拌を開始し(ステップS103)、その後、泡検知装置48の圧力センサ47の出力を取り込んで、それがドラム10内の泡の異常発生レベルである所定値、この場合、z〔kHz〕以下であるか否かの判断をする(ステップS104)。
【0074】
図14は、洗い撹拌の経過時間と泡検知装置48の圧力センサ47の出力との関係、すなわち、洗い撹拌中における泡検知装置48の圧力センサ47の出力の変化の様子を、ドラム10内の泡の発生の大小の違いで示しており、ドラム10泡の発生が多いときほど早く泡の異常発生レベルである所定のz〔kHz〕以下に達する。なお、このz〔kHz〕に対して、先のx〔kHz〕及びy〔kHz〕はそれよりもレベルが小さいものであり、更に、x〔kHz〕とy〔kHz〕は同等か、もしくはx〔kHz〕よりy〔kHz〕がやゝ大きいレベルである。
【0075】
前記ステップS104で、圧力センサ47の出力が所定のz〔kHz〕以下ではない(NO:ドラム10内に泡が異常発生していない)と判断されれば、次に、ドアロック装置によるドア2のロックの解除が可能であることの判断をすると共にその記憶をする(ステップS105)。又、ステップS104で、圧力センサ47の出力が所定のz〔kHz〕以下である(YES:ドラム10内に泡が異常発生した)と判断されれば、ドアロック装置によるドア2のロックの解除が不可であることの判断をすると共にその記憶をする(ステップS106)。
【0076】
そして、「スタート/一時停止」スイッチ69の操作(一時停止操作)があったか否かの判断をし(ステップS107)、なかった(NO)と判断されれば、次に洗い撹拌時間が経過したか否かの判断をする(ステップS108)。このステップS108で経過していない(NO)と判断されれば、ステップS104に戻る。又、ステップS108で、洗い撹拌時間が経過した(YES)と判断されれば、洗い撹拌を終了し(ステップS109)、次の行程へと移行する(ステップS110)。
【0077】
これに対して、ステップS107で、「スタート/一時停止」スイッチ69の操作があった(YES)と判断されれば、洗い撹拌を中止し(ステップS111)、その後に、前記ステップS106でドアロック装置によるドア2のロックの解除が不可と判断したか否かの判断をする(ステップS112)。そして、このステップS112で、不可と判断していない(NO)と判断されれば、ドアロック装置によるドア2のロックを解除し(ステップS113)、その後に、「スタート/一時停止」スイッチ69の操作(スタート操作)があったか否かの判断をして(ステップS114)、その操作がなかった(NO)と判断されれば、ステップS114を繰返すが、あった(YES)と判断されれば、ステップS102に戻る。
【0078】
これに対して、ステップS112で、不可と判断した(YES)と判断されれば、ステップS114に進む。すなわち、この場合には、一時停止操作があってもドア2のロックを解除しない制御をする。
【0079】
このようにすることにより、運転中、ドラム10内に泡が異常発生している状況では、一時停止操作をしてもドア2のロックが解除されないので、そのドア2を不用意に開けてしまうことが避けられ、洗濯物出入口5からの泡のあふれ出しに困惑することのないようにできる。
【0080】
なお、この、一時停止操作があってもドア2のロックを解除しない制御をするとき(例えばステップS112で、不可と判断したと判断された直後)には、ドア2のロックを解除しない旨の報知を、例えば操作パネル3の表示部81とブザー98とにより行うようにしても良く、その表示部81による報知の一例を図15に示す。この報知はエラーコードを示している。
【0081】
[第3実施例]
図16ないし図18に示す第3実施例においては、マイクロコンピュータ92が、「排水行程」、中でも最終すすぎ時の「排水行程」で、まず排水弁19を開放させ(ステップS201)、これによりドラム10内の水を排出する排水を行う。次いで、ドラム10内の水位(水槽8内の水位)が、水位センサ49による検知可能最低水位であるリセット水位以下に達したか否かの判断をし(ステップS202)、達していない(NO)と判断されれば、このステップS202を繰返す。
【0082】
マイクロコンピュータ92は、上記ステップS202で、リセット水位に達した(YES)と判断されれば、給水弁52を開放させる(ステップS203)。これにより、給水弁52から第2の注水チューブ51を通じてエアトラップ37内に注水するもので、その注入された水は、エアトラップ37の第1の接続口38にリントl等の詰まりがなければ、エアトラップ37内を前述のごとく通って、該エアトラップ37の第1の接続口38から熱交換器30内へと至る。
【0083】
これに対して、例えば、前回までの乾燥を含む運転で、洗濯物の種類等により、上記給水弁52からエアトラップ37内に注入した水で流し切れないほどのリントが出た場合などは、それがエアトラップ37の第1の接続口38に堆積して詰まりを生じる。このようになると、エアトラップ37内に注入された水は、図17にWで示すようにエアトラップ37内に溜まる。
【0084】
こうした状況で、マイクロコンピュータ92は、泡検知装置48の圧力センサ47の出力を取り込んで、それが異常レベルである所定値、この場合、例えば37〔kHz〕以下であるか否かの判断をする(ステップS204)。
【0085】
この場合、エアトラップ37の第1の接続口38にリントl等による詰まりがなく、エアトラップ37内に注入された水がエアトラップ37内を通って熱交換器30内へと至る状況では、泡検知装置48の圧力センサ47の出力は37〔kHz〕以下とはならず、上記ステップS204では、37〔kHz〕以下ではない(NO)と判断される。このように判断されれば、次に、所定の検査時間が経過したか否かの判断をし(ステップS205)、経過していない(NO)と判断されれば、ステップS204に戻るが、経過した(YES)と判断されれば、給水弁52を閉塞させる(ステップS206)。
【0086】
これに対して、エアトラップ37の第1の接続口38にリントl等による詰まりがあって、エアトラップ37内に注入された水がエアトラップ37内に溜まる状況では、その溜まった水の体積分の空気が圧縮される。このときのエアトラップ37を介する圧力の変化は、エアトラップ37内に溜まった水によるものであるから、前述の泡によるものよりかなり大きく、上述の37〔kHz〕以下となる。図18は、このときの泡検知装置48の圧力センサ47の出力の変化の様子を示しており、圧力センサ47の出力は正常時の42〔kHz〕から異常レベルである37〔kHz〕以下までたちまちのうちに低下し、しかも、それが続く。
【0087】
このため、前記ステップS204では、37〔kHz〕以下である(YES)と判断され、その後、タイムカウントして(ステップS207)、その後に所定の5秒が経過したか否かの判断(ステップS208)をしたときにも、経過した(YES)と判断される。なお、この場合、ステップS208で、経過していない(NO)と判断されるうちは、ステップS204に戻る。ステップS208で、5秒が経過した(YES)と判断されれば、エアトラップ37の第1の接続口38に詰まりが発生したと判断すると共にそれを記憶し(ステップS209)、その後にステップS206に進む。
【0088】
ステップS206の後、マイクロコンピュータ92は、脱水を開始し(ステップS210)、その脱水を所定時間行って(ステップS211)後、乾燥行程に移行する(ステップS212)。そして、その乾燥を所定時間行って(ステップS213)後、すなわち、この場合、全運転を終了して後、エアトラップ37の第1の接続口38に詰まりが発生したと判断したか否かの判断をし(ステップS214)、発生したと判断していない(NO)と判断されれば、作動を終了する(ステップS215)。
【0089】
又、ステップS214で、発生したと判断した(YES)と判断されれば、エアトラップ37の第1の接続口38に詰まりが発生した旨の報知を行う(ステップ216)。この報知は、例えば操作パネル3の表示部81とブザー98とにより、前述の第2実施例におけるドア2のロックを解除しない旨の報知とはエラーコード表示を異ならせて行う。
【0090】
このように第3実施例においては、エアトラップ37内に注水してその圧力の変化により該エアトラップ37のドラム側接続口である第1の接続口38の詰まりを検知する方法を採用している。この方法によれば、前述のごとく、エアトラップ37の第1の接続口38が詰まっている状況では、エアトラップ37内には注入した水が溜まり、その溜まった水の体積分の空気が水で圧縮されることにより、エアトラップ37を介する圧力の変化が、泡の異常発生時のものよりかなり大きくなるので、エアトラップ37内に注水するだけのことで、泡の異常発生時とは明確に区別してエアトラップ37の第1の接続口38の詰まりを検知することができる。
【0091】
又、ドラム式洗濯機としては、上記エアトラップ37の第1の接続口38の詰まりを最終すすぎ時に検知し、その第1の接続口38に詰まりが発生したと判断したときに、全運転を終了した時点で報知をするようにしている。この最終すすぎでエアトラップ37の第1の接続口38の詰まりを検知したときには、その後、泡の発生がなくて泡の異常発生を検知する必要のない脱水運転や乾燥運転は行っても支障ないので、全運転を終了した時点で報知をすることにより、運転の途中に使用者を呼び付けることのないようにできる。
【0092】
なお、この場合、全運転の終了は、運転を乾燥行程まで行うように設定しているときは、上述のように乾燥を所定時間行った時点であるが、脱水まで行うように設定しているときは、脱水を所定時間行った時点である。
【0093】
[第4実施例]
図19に示す第4実施例においては、マイクロコンピュータ92が、上述のエアトラップ37の第1の接続口38の詰まりの検査を洗い時又はすすぎ時の「給水行程」で行うようにしたもので、具体的には、まずエアトラップ37内に注水する給水弁52を開放させる(ステップS301)。次に、水槽8内(ドラム10内)に給水する給水弁54を開放させ(ステップS302)、この状態で、泡検知装置48の圧力センサ47の出力を取り込み、それが37〔kHz〕以下であるか否かの判断をする(ステップS303)。
【0094】
ステップS303で、37〔kHz〕以下ではない(NO)と判断されれば、次に、水槽8内の貯留水位が洗い又はすすぎのための設定水位に達したか否かの判断をし(ステップS304)、達していない(NO)と判断されれば、ステップS303に戻るが、達した(YES)と判断されれば、給水弁52を閉塞させ(ステップS305)、更に、給水弁54を閉塞させて(ステップS306)、洗い又はすすぎの撹拌へと移行する(ステップS307)。
【0095】
これに対して、ステップS303で、37〔kHz〕以下である(YES)と判断されれば、その後、タイムカウントをし(ステップS308)、所定の5秒が経過したか否かの判断をして(ステップS309)、経過していない(NO)と判断されれば、ステップS303に戻るが、経過した(YES)と判断されれば、エアトラップ37の第1の接続口38に詰まりが発生したと判断すると共にそれを記憶し(ステップS310)、その後にステップS305に進む。
【0096】
エアトラップ37の第1の接続口38の詰まりの検査は、このように洗い時又はすすぎ時の「給水行程」で行うようにしても良い。又、同検査は、洗い時又はすすぎ時の「排水行程」(第3実施例を含む)で行うようにしても良いもので、その「給水行程」及び「排水行程」では、ドラム10内に水が少なく、ドラム10を回転させてもいないので、泡の発生があり得ない、又はあっても少ない。従って、泡検知装置48の圧力センサ47の出力を、ドラム10内の泡の異常発生と混同することがなく、誤検知のおそれをなくし得る。
【0097】
[第5実施例]
図20ないし図22に示す第5実施例においては、洗いを温水で行う温水洗浄時、スタート後、水槽8内に給水する給水弁54を開放させて、水槽8内の貯留水位が洗いのための設定水位に達したところでその給水を終え、代わりに洗濯水加熱用のヒータ18を水温が所定の例えば60〔℃〕の温度に達するまで発熱させる。このヒータ18を発熱させている間、ドラム10をモータ16により間欠回転駆動するもので、それは具体的には、例えば、ドラム10を30〔rpm〕の回転速度で正転方向に2秒駆動−38秒休止−同じく30〔rpm〕の回転速度で逆転方向に2秒駆動−38秒休止を繰返すものである。
【0098】
そして、その後(水温が60〔℃〕に達した後)、ヒータ18の発熱を停止させて、ドラム10をモータ16により間欠回転駆動するもので、それは具体的には、例えば、ドラム10を60〔rpm〕の回転速度で正転方向に20秒駆動−2秒休止−同じく60〔rpm〕の回転速度で逆転方向に20秒駆動−2秒休止を繰返すものである。
【0099】
このように温水洗浄を行う中で、図21に示すように、ドラム10内に泡が少なくしか発生しない状況や、やゝ多めにしか発生しない状況では、運転をそのまま実行する。しかし、泡が多く異常発生した状況では、それが泡検知装置48により前述のごとく検知されることにより、運転を全面的に中止し、その旨の報知を例えば操作パネル3の表示部81とブザー98とにより行う。
【0100】
従って、この場合には、洗濯水加熱用のヒータ18がその時点で発熱を停止して洗濯水の加熱を中止するものであり、かくして、ドラム10内の洗剤を含んだ水がそれ以上加熱されることが避けられて、泡の発生が抑制され、泡の発生を更に増やしてしまうことのないようにできる。又、従来のもののようにドラム10内から排水だけして運転、特にはヒータ18による洗濯水の加熱を続行することがないので、ドラム10内に水がない、もしくは少ない状態で、ヒータ18を発熱させ続ける空炊きの危険を回避できる。
【0101】
なお、この場合、運転を全面的に中止せず、洗濯水加熱用のヒータ18の発熱を停止させるだけであっても良い。又、図22はこの場合の表示部81による報知の一例を示しており、これもエラーコードを示している。
【0102】
[第6実施例]
図23に示す第6実施例においては、熱交換器30内に注水する注水管34の接続部34bに、分岐口111aを有する例えばY字形の管継手111を介して第1の注水チューブ35の一端部を接続しており、そして、その管継手111の分岐口111aに、前記第2の注水チューブ51に代わる第2の注水チューブ112の一端部を接続し、この第2の注水チューブ112の他端部をエアトラップ37の第3の接続口40に接続している。
【0103】
従って、この場合、エアトラップ37には、給水弁36から第1の注水チューブ35及び管継手111を経て注水管34に至る水が、管継手111の分岐口111aから第2の注水チューブ112に分岐されて、この第2の注水チューブ112を通り第3の接続口40から注入されるものであり、その給水弁36と第1の注水チューブ35、管継手111(分岐口111a)、及び第2の注水チューブ112が、エアトラップ37内に注水する注水手段として機能する。
これにより、熱交換器30内への注水と、エアトラップ37内への注水が、給水弁36など給水元を一つにしてできるので、構成を合理的にできて、コストを安く済ませることができる。
【0104】
以上、本発明の各実施例を述べたが、それら以外にも、例えば泡の異常発生、及びエアトラップ37の詰まりの検知は、圧力センサ47の出力の値からではなく、その出力の変化量から判断するようにしても良い。又、エアトラップ37は、水槽8やベロー15等に設けるようにしても良いものであり、すなわち、ドラム10内の泡の異常発生が検知できる部分であれば、熱交換器30以外の箇所に設けるようにしても良い。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1のドラム式洗濯機によれば、ドラム内への給水中に泡が異常発生した場合に、泡の発生を更に増やしてしまうことのないようにできる。
【0106】
請求項2のドラム式洗濯機によれば、運転中、泡が異常発生している状況で、不用意にドアを開けてしまうことのないようにできる。
請求項3のドラム式洗濯機の泡検知用エアトラップの詰まり検知方法によれば、そのエアトラップのドラム側接続口の詰まりを、簡単且つ確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す作用説明用のフローチャートその1
【図2】洗濯機全体の正面図
【図3】洗濯機全体の破断側面図
【図4】洗濯機全体の、外箱天板を取外した状態の平面図
【図5】洗濯機全体の、外箱背板を取外した状態の破断背面図
【図6】泡検知用エアトラップ部分の拡大背面図
【図7】図6のX−X線に沿う断面図
【図8】操作パネル部分の拡大正面図
【図9】電気的構成のブロック図
【図10】泡検知装置の圧力センサの特性図
【図11】洗い時の給水開始から洗い撹拌にかけての給水弁とドラムの動作を示すタイムチャート
【図12】作用説明用のフローチャートその2
【図13】本発明の第2実施例を示す作用説明用のフローチャート
【図14】泡検知装置の圧力センサ出力の、洗い撹拌時における経時変化図
【図15】報知の一例を示す部分拡大正面図
【図16】本発明の第3実施例を示す作用説明用のフローチャート
【図17】泡検知用エアトラップ部分の詰まり検知時状態の破断背面図
【図18】泡検知装置の圧力センサ出力の、エアトラップ詰まり時の経時変化図
【図19】本発明の第4実施例を示す作用説明用のフローチャート
【図20】本発明の第5実施例を示すタイムチャート
【図21】泡検知装置の圧力センサ出力の、温水洗浄加温時における経時変化図
【図22】報知の異なる例を示す部分拡大正面図
【図23】本発明の第6実施例を示す図5相当図
【符号の説明】
2はドア、5は洗濯物出入口、10はドラム、16はモータ、19は排水弁 (排水手段)、20は排水ホース(排水手段)、30は熱交換器、33は乾燥ユニット、34は注水管、37はエアトラップ、38は第1の接続口(ドラム側接続口)、46はエアチューブ、47は圧力センサ、48は泡検知装置(泡検知手段)、51は第2の注水チューブ、52は給水弁、54は給水弁(給水手段)、65は接続ホース(給水手段)、61は注水ケース(給水手段)、62は給水管(給水手段)、69は「スタート/一時停止」スイッチ(一時停止操作手段)、81は表示部、92はマイクロコンピュータ(制御手段)、98はブザー、100はドアロック装置の電磁石(ロック手段)、111aは継手の分岐口、112は第2の注水チューブを示す。
Claims (4)
- 洗濯物を洗剤及び水と共にドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより洗うようにしたものにおいて、
前記ドラム内に給水する給水手段と、
前記ドラム内の泡の異常発生を検知する泡検知手段とを具備すると共に、
その検知結果に応動する制御手段を具備し、
その制御手段が、前記給水手段による給水中に前記ドラム内の泡の異常発生が検知されたときに、その給水を中止して、ドラムを回転させる運転に移行する制御をすることを特徴とするドラム式洗濯機。 - 洗濯物を洗剤及び水と共にドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより洗うようにしたものにおいて、
運転を一時的に停止させるための一時停止操作手段と、
前記ドラム内に通じる洗濯物出入口を開閉するドアをロックするロック手段と、
前記ドラム内の泡の異常発生を検知する泡検知手段とを具備すると共に、
前記一時停止操作手段の操作並びに前記泡検知手段の検知結果に応動する制御手段を具備し、
その制御手段が、前記ドラム内の泡の異常発生が検知されないときには、一時停止操作があったときにドアのロックを解除し、前記ドラム内の泡の異常発生が検知されたときには、一時停止操作があってもドアのロックを解除しない制御をすることを特徴とするドラム式洗濯機。 - 洗濯物を洗剤及び水と共にドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより洗うようにし、そのドラム内の泡の異常発生をエアトラップを介する圧力の変化により検知する泡検知手段を具備するドラム式洗濯機に対し、
前記エアトラップ内に注水してその圧力の変化により該エアトラップのドラム側接続口の詰まりを検知するようにしたことを特徴とするドラム式洗濯機の泡検知用エアトラップの詰まり検知方法。 - エアトラップのドラム側接続口の詰まりを最終すすぎ時に検知したときに、全運転を終了した時点で報知をすることを特徴とする請求項3記載の詰まり検知方法を採用したドラム式洗濯機。
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