JP3643564B2 - 自律神経機能評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の自律神経の機能を容易に検査するための自律神経機能評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自律神経失調症のように自律神経の機能障害が発生すると、起立したときに血圧が大幅に低下する起立性低血圧などの症状を呈する。このような自律神経機能障害の診断に際しては、臥した状態から起立させた後のその患者の血圧値を繰り返し測定して血圧値の変化のトレンドを記録媒体に記録するとともに、患者の体位を逐次検出してその体位も上記記録媒体に記録することにより、起立性低血圧の診断を行うようにしている。たとえば、特開昭60−83603号公報、特開平5−200030号公報などに記載された装置がそれである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の自律神経評価装置は、血圧値の変動を起立負荷によるものだけにするために患者を特別な安静状態とする必要があったり、起立による負荷を生体に与えるために患者が臥しているベッドを水平状態から垂直状態まで傾斜させるための比較的大がかりなベッド傾斜機構を必要とするため、簡便に測定できず、広く一般に普及するに至っていない。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、比較的簡単に自律神経機能を評価できるようにした自律神経評価装置を提供することにある。
【0005】
本発明者は以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、本発明者等は、たとえば下肢上肢血圧指数の測定に際して、生体の上肢および下肢の血圧を測定するためにそれら上肢および下肢を圧迫すると、生体の心拍数や脈圧(pulse pressure)が過渡的に影響を受けて変化する現象があることに気づいた。このような影響は生体の循環器に一時的な負荷が加えられた結果、上肢および下肢における抹消血液循環を回復させるために自律神経が機能して積極的に血液を送り込むように循環器が機能させられることにより、発生させられるものであると理解される。このため、本発明者等は、上記の現象を利用して、上肢および下肢をカフで圧迫することにより生体の循環器に負荷を与えたときの、生体の心拍数や脈圧の活動状態を把握することにより、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機構を必要とすることなく、患者の自律神経の活動状態を評価或いは検査できることを見いだした。本発明はかかる知見に基づいて為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】
すなわち、前記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a) 生体の心拍数を連続的に決定する心拍数決定手段と、(b) 生体の上肢および下肢に巻回されたカフを用いて該上肢および下肢を圧迫するカフ圧制御手段と、(c) そのカフ圧制御手段による前記生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始以前及び圧迫の開始以後において前記心拍数決定手段により決定される心拍数のばらつき度合いを算出するばらつき度合算出手段と、 (d) そのばらつき度合算出手段により算出された心拍数のばらつき度合いの前記圧迫開始前後の変化量または変化割合に基づいて前記生体の自律神経機能を評価する評価手段とを、含むことにある。
【0007】
【第1発明の効果】
このようにすれば、カフ圧制御手段による生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始前後において、前記心拍数決定手段により決定される心拍数のばらつき度合がばらつき度合算出手段によって算出される。この心拍数のばらつき度合いは自律神経の活動状態すなわち活性状態に対応するものであるから、その心拍数のばらつき度合いに基づいて自律神経機能の評価が、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機構を必要とすることなく、簡単に行われる。さらに、自律神経の活動状態が生体の上肢および下肢の圧迫開始前後の心拍数の変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能が評価されるので、個人差が除去されて一層正確な評価となる。
【0009】
ここで、好適には、前記ばらつき度合い算出手段は、前記心拍数のばらつき度合いを示す値としてその心拍数の分散σHR 2 を算出するものである。このようにすれば、心拍数の分散σHR 2 に基づいて自律神経機能の評価が、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機能を必要とすることなく、簡単に行われる。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、(a) 生体の脈圧を連続的に決定する脈圧決定手段と、(b) 生体の上肢および下肢に巻回されたカフを用いて該上肢および下肢を圧迫するカフ圧制御手段と、(c) そのカフ圧制御手段による前記生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始以前及び圧迫の開始以後において前記脈圧決定手段により決定される脈圧のばらつき度合いを算出するばらつき度合算出手段と、 (d) そのばらつき度合算出手段により算出された脈圧のばらつき度合の前記圧迫開始前後の変化量または変化割合に基づいて前記生体の自律神経機能を評価する評価手段とを、含むことにある。
【0011】
【第2発明の効果】
このようにすれば、カフ圧制御手段による生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始前後において、前記脈圧決定手段により決定される脈圧のばらつき度合いがばらつき度合算出手段によって算出される。この脈圧のばらつき度合は自律神経の活動状態すなわち活性状態に対応するものであるから、その脈圧のばらつき度合に基づいて自律神経機能の評価が、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機構を必要とすることなく、簡単に行われる。さらに、自律神経の活動状態が生体の上肢および下肢の圧迫開始前後の脈圧の変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能が評価されるので、個人差が除去されて一層正確な評価となる。
【0013】
ここで、好適には、前記ばらつき度合い算出手段は、前記脈圧のばらつき度合いを示す値としてその脈圧の分散σHR 2 を算出するものである。このようにすれば、脈圧の分散σHR 2 に基づいて自律神経機能の評価が、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機能を必要とすることなく、簡単に行われる。
【0014】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された自律神経評価機能を備えた下肢上肢血圧指数測定装置10の構成を説明するブロック線図である。すなわち、下肢上肢血圧指数測定装置10は、下肢として足首が選択され、上肢として上腕が選択された下肢上肢血圧指数測定装置である。なお、この足首/上腕血圧指数測定装置10による測定は、上腕と足首とが略同じ高さとなるように、患者が伏臥位・側臥位・側臥位のいずれかの状態で測定される。
【0015】
図1において、下肢上肢血圧指数測定装置10は、右足首12における血圧を測定する右足側第1血圧測定装置14、左足首16における血圧を測定する左足側第1血圧測定装置18、上腕20における血圧を測定する第2血圧測定装置22等を備えて構成されている。
【0016】
右足側第1血圧測定装置14は、ゴム製袋を布製帯状袋内に有して患者の右足首12に巻回されるカフ24と、このカフ24に配管26を介してそれぞれ接続された圧力センサ28、切換弁30、および空気ポンプ32とを備えている。この切換弁30は、カフ24内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、カフ24内を任意の速度で徐々に排圧する徐速排圧状態、およびカフ24内を急速に排圧する急速排圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されている。
【0017】
圧力センサ28は、カフ24内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SP1 を静圧弁別回路34および脈波弁別回路36にそれぞれ供給する。静圧弁別回路34はローパスフィルタを備え、圧力信号SP1 に含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC1を表すカフ圧信号SK1 を弁別してそのカフ圧信号SK1 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0018】
上記脈波弁別回路36はバンドパスフィルタを備え、圧力信号SP1 の振動成分である脈波信号SM1 を周波数的に弁別してその脈波信号SM1 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0019】
左足側第1血圧測定装置18は、前記右足側第1血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有するカフ40、配管42、圧力センサ44、および切換弁46とを備え、切換弁46は前記空気ポンプ32に接続されている。そして、圧力センサ44は、カフ40内の圧力を表す圧力信号SP2 を、前記右足側血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有する静圧弁別回路48および脈波弁別回路50にそれぞれ供給する。静圧弁別回路48は圧力信号SP2 に含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC2を表すカフ圧信号SK2 を弁別してそのカフ圧信号SK2 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給し、脈波弁別回路50は、圧力信号SP2 の振動成分である脈波信号SM2 を周波数的に弁別してその脈波信号SM2 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0020】
第2血圧測定装置22は、前記カフ24または40と同様に構成されて患者の上腕部20(たとえば右腕の上腕部)に巻回されるカフ52と、前記右足側第1血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有する配管54、圧力センサ56、および切換弁58とを備え、切換弁58は前記空気ポンプ32に接続されている。そして、圧力センサ56は、カフ52内の圧力を表す圧力信号SP3 を、前記右足側第1血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有する静圧弁別回路60および脈波弁別回路62にそれぞれ供給する。静圧弁別回路60は圧力信号SP3 に含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC3を表すカフ圧信号SK3 を弁別してそのカフ圧信号SK3 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給し、脈波弁別回路62は、圧力信号SP3 の振動成分である脈波信号SM3 を周波数的に弁別してその脈波信号SM3 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0021】
上記電子制御装置38は、CPU64,ROM66,RAM68,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU64、ROM66に予め記憶されたプログラムに従ってRAM68の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を出力して空気ポンプ32および3つの切換弁30、46、58を制御するとともに、表示器70の表示内容を制御する。
【0022】
マイクロホン72は、胸部中央の表皮上の、心尖、第4肋間胸骨左縁、第2肋間胸骨左縁、第2肋間胸骨右縁、および第4肋間胸骨右縁等の真上に位置する所定の心音検出部位に、図示しない粘着テープ等により貼りつけられ、その心音検出部位の皮膚に伝達される心音を検出する。この心音は、心臓から大動脈への血液の拍出開始および終了時に発生するものであるから、大動脈の最上流部における脈波を表している。従って、マイクロホン72は、第1脈波検出装置として機能している。
【0023】
マイクロホン72に検出された音は、マイクロホン72の内部に備えられている図示しない圧電素子において電気信号すなわち心音信号SHに変換されて出力される。その心音信号SHは、図示しない前置増幅器により増幅された後、フィルタ74、および、図示しない主増幅器・A/D変換器を介して電子制御装置38に供給される。フィルタ74は、図示しない4種類のフィルタを備えており、その4種類のフィルタが随時切り替えられて、人間の聴覚に近くなるように、心音信号SHの低音成分が減衰され、高音成分が強調される。図5は、マイクロホン72により検出される心音図の一例を示す図であり、心音には、僧帽弁の閉鎖および大動脈弁の開放に基づくI音、および大動脈弁の閉鎖に基づくII音等が存在する。
【0024】
頸動脈波センサ76は、第1脈波検出装置の下流部位に装着されて、その装着部位の動脈内を伝播する脈波を検出する第2脈波検出装置として機能するものであり、先端押圧部の振動を検出する図示しない振動センサを備え、生体の頸部において頸動脈78を押圧するように装着され、その頸動脈78から発生する頸動脈波を検出し、その頸動脈波を表す信号SM4 を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。図5には、頸動脈センサ76により検出される頸動脈波の一例が示してある。なお、頸動脈78は、比較的大きな径であり、且つ、大動脈に直結しているので、頸動脈波の形状は大動脈波の形状と略一致する。
【0025】
上記頸動脈波センサ76は、たとえば図2に示すように、被測定者の頸部80に装着バンド82により装着されている。図3はこの頸動脈波センサ76の構成を示している。図3に詳しく示すように、頸動脈波センサ76は、容器状を成すセンサハウジング86と、そのセンサハウジング86を収容するケース84と、センサハウジング86を頸動脈78の幅方向に移動させるためにそのセンサハウジング86に螺合され且つケース84内に設けられた図示しないモータによって回転駆動されるねじ軸88とを備えている。この頸動脈波センサ76は、センサハウジング86の開口端が頸部80の体表面90に対向する状態で頸部80に装着されている。センサハウジング86の内部には、ダイヤフラム92を介してセンサ本体94が相対移動可能かつセンサハウジング86の開口端からの突出し可能に設けられており、これらセンサハウジング86およびダイヤフラム92等によって圧力室96が形成されている。この圧力室96内には、空気ポンプ98から調圧弁100を経て圧力の高い空気が供給されるようになっており、これにより、センサ本体94は圧力室96内の圧力に応じた押圧力で前記体表面90に押圧させられる。上記センサハウジング86およびダイヤフラム92は、センサ本体94を頸動脈78に向かって押圧する押圧装置を構成しており、上記ねじ軸88および図示しないモータは、センサ本体94が体表面90に向かって押圧させられる押圧位置を、頸動脈78の幅方向に移動させる幅方向移動装置を構成している。上記センサ本体94の押圧面102には、多数の半導体感圧素子(以下、感圧素子という)E が、頸動脈76の幅方向すなわちねじ軸88と平行なセンサ本体94の移動方向において、その頸動脈78の直径よりも長くなるように、且つ一定の間隔で配列されており、たとえば、図4に示すように、配列間隔が0.6mm 程度とされた15個の感圧素子E(a)、E(b)、…E(o)が配列されている。
【0026】
このように構成された頸動脈波センサ76が、頸部80の体表面90の頸動脈78上に予め求められた最適押圧力で押圧されると、センサ本体94により、頸動脈78から発生して体表面90に伝達される圧脈波(頸動脈波wc)が検出され、その頸動脈波wcを表す圧脈波信号SM2 が図示しないA/D 変換器を介して電子制御装置38へ供給される。図5の下部の実線は、センサ本体94により逐次検出される圧脈波信号SM2 すなわち頸動脈波wcの一例を示している。この頸動脈78内の圧脈波は、予めカフ52を用いて第2血圧測定装置22により測定された最高血圧値および最低血圧値とキャリブレーションされることにより、血圧値の絶対値を表すものとなり、たとえば上ピーク値(山の頂点)が最高血圧値を、下ピーク値(谷の最下点)が最低血圧値を示す。
【0027】
入力装置104は、図示しないキーボードを備え、そのキーボードにより患者毎に決定されたID番号を入力する。入力され且つ識別手段124により識別されたID番号を表す信号は演算制御装置38へ出力される。記憶装置106は、磁気ディスク、磁気テープ、揮発性半導体メモリ、或いは不揮発性半導体メモリなどのよく知られた記憶装置により構成され、演算制御装置38により算出・決定された足首/上腕血圧指数(=AAI)や脈波伝播速度関連情報を所定の記憶領域に記憶する。
【0028】
図6は、上記の電子制御装置38の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。カフ圧制御手段114は、空気ポンプ32およびそれに接続された3つの切換弁30、46、58を制御して、3つのカフ24、40、52の圧迫圧力を所定の目標圧力値PCM(たとえば、180mmHg程度の圧力値)まで急速昇圧させ、その後、3mmHg/sec程度の速度で徐速降圧させ、血圧測定が完了するとカフ24、40、52内を急速排気してそれらの圧迫圧力を大気圧とする。図7のt1 時点はカフ24、40、52による上記急速昇圧開始点すなわち圧迫開始点を示し、t2 時点は上記急速昇圧終了点すなわち上記徐速降圧開始点を示し、t3 時点は上記急速排気開始点を示している。
【0029】
第1血圧値決定手段116は、カフ圧制御手段114により、右足首12に巻回されたカフ24が徐速降圧させられる過程において、順次採取される脈波信号SM1 が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて右足首における血圧値BP、すなわち右足側第1血圧値BP1R を決定するとともに、カフ圧制御手段114により、左足首16に巻回されたカフ40が徐速降圧させられる過程において、順次採取される脈波信号SM2 が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて左足側第1血圧値BP1L を決定する。上記右足側第1血圧値BP1R には、最高血圧値BP1RSYS・最低血圧値BP1RDIA等が含まれ、上記左足側第1血圧値BP1L には、最高血圧値BP1LSYS・最低血圧値BP1LDIA等が含まれる。以下、右足側第1血圧値BP1R と左足側第1血圧値BP1L とを特に区別しないときは、単に第1血圧値BP1という。
【0030】
第2血圧値決定手段118は、カフ圧制御手段114により、上腕20に巻回されたカフ52が徐速降圧させられる過程において、順次採取される脈波信号SM3 が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて第2血圧値BP2(最高血圧値BP2SYS ・最低血圧値BP2DIA 等)を決定する。
【0031】
脈波伝播速度関連情報決定手段として機能する脈波伝播速度情報算出手段120は、第1脈波検出装置により検出された第1脈波の周期毎に発生する所定の部位から、第2脈波検出装置により検出された第2脈波の周期毎に発生する所定の部位までの時間差に基づいてその脈波の伝播速度に関連する脈波伝播速度情報を逐次算出する。たとえば、図5に示す時間差DT、すなわち、マイクロホン72により第2心音IIの開始点が検出された時点(この時点は、大動脈波において、急激に振幅が減少した後その振幅が増加に転じる点すなわちノッチが検出される点と一致する)から、頸動脈波センサ76により頸動脈波のノッチが検出されるまでの時間差(脈波伝播時間)DTを逐次算出する時間差算出手段を備え、その時間差算出手段により逐次算出される時間差DTに基づいて、予め記憶される数式1から、被測定者の動脈内を伝播する脈波の伝播速度PWV(m/sec) を逐次算出する。尚、数式1において、L(m)は左心室から大動脈を経て頸動脈波センサ76が装着される部位までの距離であり、予め実験的に求められた一定値が用いられる。
【0032】
VM =L/DT ・・・(1)
【0033】
下肢上肢血圧指数算出手段126は、第1血圧値決定手段116により決定された第1血圧値BP1と第2血圧値決定手段118により決定された第2血圧値BP2の第1血圧値BP1に対応するもの(たとえば、第1最高血圧値BP1SYS には第2最高血圧値BP2SYS が対応する)とに基づいて、足首/上腕(下肢/上肢)血圧指数(Ankle/Brachium Blood Pressure Index 以下、ABIと言う。)を算出する。たとえば、ABIは、第1血圧値BP1を第2血圧値BP2で割った値、または、逆に、第2血圧値BP2を第1血圧値BP1で割った値である。そして、そのABIを記憶装置106に記憶する。
【0034】
同時表示手段128は、脈波伝播速度関連情報算出手段120により決定された脈波伝播速度情報と、足首/上腕血圧指数算出手段126により算出されたABIとを、表示器70に同時に表示する。たとえば、その脈波伝播速度関連情報(数値)と、ABI(数値)とを、表示器70に同時に並べて表示する。あるいは、表示器70に表示された足首/上腕血圧指数軸と脈波伝播速度関連情報軸とからなる二次元平面上において、実際のABIと脈波伝播速度関連情報とを示す位置に印を表示する。
【0035】
経時変化表示手段130は、たとえば、前記同時表示手段128により今回のABIと脈波伝播速度関連情報とを表す印が表示された二次元平面上に、記憶装置106の所定の記憶領域に記憶された今回の測定者についての過去のABIおよび脈波伝播速度関連情報により定まる位置に印を表示する。なお、上記過去の脈波伝播速度関連情報は、上記過去のABIが算出されたときに決定されたものである。また、上記過去の値を表す印は、今回の値を表す印と同じ印でもよいが、好適には、今回の値を表す印と区別できるように、今回の値を表す印と異なる印が用いられる。
【0036】
心拍数決定手段132は、生体の心拍数HR(1/min)すなわち単位時間当たりの脈拍数を、たとえば頸動脈波センサ76により逐次検出された頸動脈波に基づいて1拍毎に逐次決定する。脈圧決定手段134は、頸動脈圧波形の振幅である最大値(最高血圧値)と最小値(最低血圧値)との差分すなわち脈圧PP(mmHg)を、頸動脈波センサ76により検出された頸動脈圧波形に基づいて1拍毎に逐次決定する。
【0037】
上記生体の心拍数HRは、カフ24、40、52による圧迫前は基本的には一定であるが、そのカフ24、40、52によって上腕20および足首12、16が圧迫されると抹消の血流が阻害或いは阻止されることにより循環器に負荷が与えられるので、図7に示すように、自律神経に従いその抹消の血流を回復させようとして脈動する現象がある。また、生体の脈圧PPは、カフ24、40、52による圧迫前は基本的には呼吸周期に同期してゆるやかな一定振幅の脈動を繰り返すが、そのカフ24、40、52によって上腕20および足首12、16が圧迫されると抹消の血流が阻害或いは阻止されることにより循環器に負荷が与えられるので、図7に示すように、自律神経に従いその抹消の血流を回復させようとしてランダムにばらつく現象がある。以下の分散算出手段136は、そのような生体の循環器に負荷が加えられたときの心拍数HRや脈圧PPのばらつき度合いを定量的に算出するものである。
【0038】
分散算出手段136は、ばらつき度合算出手段として機能するものであり、たとえばABI測定のための上腕20および足首12、16の血圧測定のために、カフ圧制御手段114により上腕20に対するカフ52による圧迫、および足首12、16に対するカフ24、40の圧迫が同時に開始された以後の所定期間たとえば数十秒乃至数分間において、上記逐次求められた心拍数HRおよび脈圧PPのばらつき度合いすなわち分散度合いを算出する。たとえば心拍数の分散度合いとして、上記逐次求められる心拍数HRがx1 、x2 、x3 、・・・xN とすると、次式(1) により心拍数の分散σHR 2 が求められる。また、上記逐次求められる脈圧PPがy1 、y2 、y3 、・・・yN とすると、次式(2) により脈圧の分散σPP 2 が求められる。
【0039】
σHR 2 =Σ(xi −xAV)2 N ・・・(1)
(但し、xAVはx1 〜xN の平均値)
σPP 2 =Σ(y1 −yAV)2 N ・・・(2)
(但し、yAVはy1 〜yN の平均値)
【0040】
評価手段138は、上記カフ圧制御手段114による上腕および足首同時圧迫の前後における、上記分散算出手段136により算出された心拍数HRのばらつき度合たとえば分散σHR 2 、および/または脈圧PPのばらつき度合いたとえば分散σPP 2 の変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能を評価する。たとえば、心拍数HRのばらつき度合たとえば分散σHR 2 、および/または脈圧PPのばらつき度合いたとえば分散σPP 2 の変化量または変化割合が大きいほど自律神経機能を高く評価し、小さいほど自律神経機能を低く評価する。自律神経機能が低い場合には、自律神経失調の診断の裏付けとなる。
【0041】
自律神経機能表示手段140は、上記評価手段138による評価結果、たとえば自律神経機能の程度を、数字などのデジタル値、バーグラフなどのアナログ値、予め複数段階に設定されたメッセージなどを、表示器70に表示させる。
【0042】
図8は、上記演算制御装置38の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図8において、まず、前記識別手段124に対応するステップS1(以下、ステップを省略する。)では、入力装置104から入力された患者のID番号が予め登録されたID番号であるか否かが判断される。この判断が否定されるうちは、このS1が繰り返し実行されることにより待機させられる。しかし、患者のID番号が入力されてS1の判断が肯定された場合は、前記心拍数決定手段132に対応するS2において、生体の心拍数HR(1/min)すなわち単位時間当たりの脈拍数が、たとえば頸動脈波センサ76により逐次検出された頸動脈波に基づいて1拍毎に逐次算出されるとともに、前記脈圧決定手段134に対応するS3において、頸動脈圧波形の振幅である最大値(最高血圧値)と最小値(最低血圧値)との差分すなわち脈圧PP(mmHg)が、頸動脈波センサ76により検出された頸動脈圧波形に基づいて1拍毎に逐次算出され、それぞれ生体の循環器に対する負荷であるカフによる圧迫開始前の値として記憶装置106に記憶される。
【0043】
次いで、下肢上肢血圧指数ABIを算出する基礎となる血圧値を測定するために、前記カフ圧制御手段114に対応するS4乃至S6が実行される。先ずS4では、3つの切換弁30、46、58が圧力供給状態に切り換えられ且つ空気ポンプ32が駆動されることにより、3つのカフ24、40、52の急速昇圧すなわち圧迫が同時に開始され、S5では、3つのカフ24、40、52のすべてのカフ圧PC が患者の最高血圧を上まわるように設定された値たとえば180mmHg程度に予め設定された目標圧迫圧PCM以上となったか否かが判断される。このS5の判断が否定された場合は、上記S4以下が繰り返し実行されることによりカフ圧PC の上昇が継続される。
【0044】
そして、カフ圧PC の上昇により上記S5の判断が肯定されると、続くS6において、空気ポンプ32が停止され且つ切換弁30、46、58が徐速排圧状態に切り換えられて、それぞれのカフ24、40、52内の圧力が予め定められた徐速降圧速度たとえば3mmHg/sec程度の緩やかな速度で下降させられる。
【0045】
次いで、前記脈波伝播速度情報算出手段120に対応するS7において、マイクロホン72により第2心音の開始が検出された時点から、頸動脈波センサ76により頸動脈波のノッチが検出された時点までの時間差、すなわち心臓から頸動脈波センサ76が装着された部位までを脈波が伝播する脈波伝播時間DTが算出され、さらに、前記数式1に、その脈波伝播時間DTが代入されて脈波伝播速度PWVが1拍毎に逐次算出される。次に、前記心拍数決定手段132に対応するS8において、生体の心拍数HR(1/min)すなわち単位時間当たりの脈拍数が、たとえば頸動脈波センサ76により逐次検出された頸動脈波に基づいて1拍毎に逐次算出される。続いて、前記脈圧決定手段134に対応するS9においては、頸動脈圧波形の振幅である最大値(最高血圧値)と最小値(最低血圧値)との差分すなわち脈圧PP(mmHg)が、頸動脈波センサ76により検出された頸動脈圧波形に基づいて1拍毎に逐次算出される。
【0046】
次に、第1血圧値決定手段86および第2血圧値決定手段88に対応するS10の血圧値決定ルーチンが実行される。すなわち、脈波弁別回路36から逐次供給される脈波信号SM1 が表すカフ脈波の振幅が一拍毎に決定され、その振幅の変化に基づいて、よく知られたオシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って右足側第1最高血圧値BP1RSYS等が決定され、同様に、脈波弁別回路50から供給される脈波信号SM2 が表すカフ脈波の振幅の変化に基づいて、オシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って左足側第1最高血圧値BP1LSYS等が決定され、脈波弁別回路62から供給される脈波信号SM3 が表すカフ脈波の振幅の変化に基づいて、オシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って第2最高血圧値BP2SYS 、第2最低血圧値BP2DIA 等が決定される。
【0047】
上記S10の血圧値決定ルーチンにおいて全ての血圧値の決定が完了するまでは前記S6以下が繰り返し実行されるが、その全ての血圧値の決定が終了すると、続く前記カフ圧制御手段114に対応するS11において、3つの切換弁30、46、58が急速排圧状態に切り換えられることにより、すべてのカフ24、40、52内が急速に排圧させられ、そのカフ24、40、52による循環器に対する圧迫負荷が解消される。
【0048】
続いて、前記下肢上肢血圧指数算出手段126に対応するS12では、S10で決定された右足側第1最高血圧値BP1RSYSが、同じくS10で決定された第2最高血圧値BP2SYS で割られることにより、右足側のABIR が算出されるとともに、前記S6で決定された左足側第1最高血圧値BP1LSYSが、上記第2最高血圧値BP2SYS で割られることにより、左足側のABIL が算出される。続く前記同時表示手段128および経時変化表示手段130に対応するS13では、上記S12で算出された右足側のABIR および左足側のABIL が、S7で算出された脈波伝播速度PWVとともに、表示器70に表示される。たとえば、表示器70の表示画面上のABI軸と脈波伝播速度軸とから成る二次元座標において、上記右足側ABIR および左足側ABIL のうち低い側の値と、S7で算出された脈波伝播速度PWVとにより決定される位置を示す点が表示される。なお、上記二次元座標の背景色は、診断結果をより一層分かりやすくするために、ABIの異常範囲として予め実験に基づいて決定されている範囲(たとえば0.9以下)および脈波伝播速度PWVの異常範囲として予め実験に基づいて決定されている範囲(たとえば1000(cm/sec)以上)と、ABIおよび脈波伝播速度PWVがともに正常である範囲とが、異なる色で表示されている。同時に、上記二次元座標内には、今回の測定点だけではなく、複数の過去の測定点が表示され、経時的変化が把握できるようになっている。
【0049】
次いで、前記分散算出手段136に対応するS14では、前記ABI測定のための上腕20および足首12、16の血圧測定に際して、カフ圧制御手段114により上腕20に対するカフ52による圧迫、および足首12、16に対するカフ24、40の圧迫が同時に開始されることを利用して、それらのカフ52、24、40による上肢下肢に対する同時圧迫期間が開始された以後の所定期間たとえば数十秒乃至数分間において、S8およびS9により逐次求められた心拍数HRおよび脈圧PPに基づいて、それら心拍数HRおよび脈圧PPのばらつき度合いすなわち分散σHR 2 および分散σPP 2 が、式(1) および式 (2)からそれぞれ算出される。
【0050】
そして、前記評価手段138に対応するS15では、上記S14において算出された心拍数HRのばらつき度合いを示す分散σHR 2 および脈圧PPのばらつき度合いを示す分散σPP 2 に基づいて自律神経機能が評価される。たとえば、カフ圧制御手段114による上腕および足首同時圧迫の前後における、上記心拍数HRの分散σHR 2 、および/または脈圧PPの分散σPP 2 の変化量または変化割合が算出され、その変化量または変化割合が予め設定された判断基準値を超えるか否かに基づいて生体の自律神経機能を評価する。たとえば、心拍数HRの分散σHR 2 、および/または脈圧PPの分散σPP 2 の変化量または変化割合が予め設定された判断基準値を超える場合には自律神経機能が高く正常であると評価され、予め設定された判断基準値を下まわる場合には自律神経機能が低く、異常すなわち自律神経失調であると評価される。続いて、前記自律神経機能表示手段140に対応するS16では、上記S15の評価結果が表示器70に表示され、自律神経機能の診断が容易とされる。
【0051】
上述のように、本実施例によれば、カフ圧制御手段114(S4乃至S6)による生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始以後において、心拍数決定手段132(S8)により決定される心拍数HRのばらつき度合を示す分散σHR 2 が分散算出手段(ばらつき度合算出手段)136(S14)によって算出される。この心拍数HRのばらつき度合いを示す分散σHR 2 は自律神経の活動状態すなわち活性状態に対応するものであるから、その心拍数HRの分散σHR 2 に基づいて生体の自律神経機能の評価或いは検査が、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機構を必要とすることなく、簡単に行われる。
【0052】
また、本実施例によれば、上記分散算出手段(ばらつき度合算出手段)136(S14)は、カフ圧制御手段114による前記生体の上肢および下肢に対するカフ52、24、40による同時圧迫開始前における心拍数HRの分散σHR 2 をも算出するものであり、その心拍数HRの分散σHR 2 のカフ圧制御手段114による同時圧迫開始前後の変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能を評価する評価手段138(S15)が、さらに含まれることから、自律神経の活動状態が生体の上肢および下肢の圧迫開始前後の心拍数HRのばらつきの変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能が評価されるので、個人差が除去されて一層正確な評価となる。
【0053】
また、本実施例によれば、カフ圧制御手段114(S4乃至S6)による生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始以後において、脈圧決定手段134(S9)により決定される脈圧PPのばらつき度合を示す分散σPP 2 が分散算出手段(ばらつき度合算出手段)136(S14)によって算出される。この脈圧PPのばらつき度合を示す分散σPP 2 は自律神経の活動状態すなわち活性状態に対応するものであるから、その脈圧PPの分散σPP 2 に基づいて生体の自律神経機能の評価が、患者を特別な安静状態としたり、比較的大がかりなベッド傾斜機構を必要とすることなく、簡単に行われる。
【0054】
また、本実施例では、上記分散算出手段(ばらつき度合算出手段)136(S14)は、カフ圧制御手段114による前記生体の上肢および下肢に対するカフ52、24、40による同時圧迫開始前における脈圧PPの分散σPP 2 を算出するものであり、その脈圧PPの分散σPP 2 のカフ圧制御手段114による同時圧迫開始前後の変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能を評価する評価手段138(S15)が、さらに含まれることから、自律神経の活動状態が生体の上肢および下肢の圧迫開始前後の脈圧の変化量または変化割合に基づいて生体の自律神経機能が評価されるので、個人差が除去されて一層正確な評価となる。
【0055】
本実施例の自律神経機能評価装置は、下肢上肢血圧指数測定装置10に備えられることにより、ABI測定のためのカフ52、24、40による同時圧迫が、自律神経機能測値にも兼用されるので、独立の圧迫装置を備えなくてもよい利点がある。
【0056】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0057】
たとえば、前述の実施例の装置では、生体の循環器に負荷を与えるための圧迫が3つのカフ52、24、40により行われていたが、カフ52が巻回されていない他の上腕に対して巻回されることによりそれを圧迫する他のカフを新たに加えることにより、4つのカフを用いて圧迫するものであってもよい。このようにすれば、循環器に対する負荷が一層大きくされるので、自律神経機能評価の信頼性が一層高められる。
【0058】
また、前述の実施例では、カフ24および44は、右足首12および左足首16に巻回されていたが、右足および左足の大腿部に巻回されてもよい。このようにすれば、生体の循環器に対する負荷が一層大きくされるので、自律神経機能評価の信頼性が一層高められる。
【0059】
また、前述の実施例では、心拍数HRおよび脈圧PPのばらつき度合いを示す量として分散σHR 2 およびσPP 2 が用いられていたが、たとえば標準偏差σHRおよびσPPや、分布の半値幅などの他のばらつき度合いを示す量が用いられてもよい。
【0060】
また、前述の実施例では、心拍数HRおよび脈圧PPのばらつき度合いを示す量として、それらの値の分散σHR 2 およびσPP 2 が用いられていたが、それらの回帰直線を中心とするばらつきの度合いが用いられてもよい。
【0061】
また、前述の実施例では、カフ52、24、40による徐速降圧開始後の心拍数HRおよび脈圧PPのばらつき度合いが求められていたが、カフ52、24、40による昇圧開始後のばらつき度合いが求められてもよい。
【0062】
また、前述の実施例では、心拍数HRのばらつき度合いを示す量としての分散σHR 2 と、脈圧PPのばらつき度合いを示す量としての分散σPP 2 とが用いられていたが、いずれか一方の値であってもよい。
【0063】
また、前述の実施例では、ABIを測定する血圧同時測定のためのカフ52、24、40による同時圧迫が利用されていたが、下肢上肢血圧指数測定装置10とは独立に、自律神経機能評価装置が構成されていてもよい。
【0064】
また、前述の実施例の心拍数決定手段132は、頸動脈波センサ76により検出された頸動脈波に基づいて心拍数HRを算出するものであったが、心電誘導波形に基づいて算出するものであってもよい。
【0065】
また、前述の実施例の頸動脈波センサ76に代えて、たとえば公表公報WO88/04910、特開平2−45033号公報に記載されているような、撓骨動脈から圧脈波を検出する撓骨動脈センサが用いられてもよい。
【0066】
その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自律神経評価機能付下肢上肢血圧指数測定装置の構成を説明するブロック線図である。
【図2】図1の頸動脈波センサの装着状態を示す図である。
【図3】図1の頸動脈波センサの構成を説明するために、一部をきり欠いた装着状態を示す側面図である。
【図4】図2および図3の頸動脈波センサに含まれるセンサ本体の押圧面を示す図である。
【図5】図1の実施例のマイクロホンにより検出される心音図、および頸動脈波センサにより検出される頸動脈波の一例を示す図である。
【図6】図1の実施例の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】カフによる四肢への圧迫によって生体の循環器に負荷が与えられたときの脈拍数および脈圧の変化を示す図である。
【図8】図1の実施例の演算制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【符合の説明】
10:下肢上肢血圧指数測定装置
114:カフ圧制御手段
132:心拍数決定手段
134:脈圧決定手段
136:分散算出手段(ばらつき度合算出手段)
138:評価手段
Claims (4)
- 生体の心拍数を連続的に決定する心拍数決定手段と、
生体の上肢および下肢に巻回されたカフを用いて該上肢および下肢を圧迫するカフ圧制御手段と、
該カフ圧制御手段による前記生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始以前及び圧迫の開始以後において前記心拍数決定手段により決定される心拍数のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出手段と、
該ばらつき度合い算出手段により算出された心拍数のばらつき度合いの前記圧迫開始前後の変化量または変化割合に基づいて前記生体の自律神経機能を評価する評価手段と
を、含むことを特徴とする自律神経機能評価装置。 - 前記ばらつき度合い算出手段は、前記心拍数のばらつき度合いを示す値として該心拍数の分散を算出するものである請求項1の自律神経機能評価装置。
- 生体の脈圧を連続的に決定する脈圧決定手段と、
生体の上肢および下肢に巻回されたカフを用いて該上肢および下肢を圧迫するカフ圧制御手段と、
該カフ圧制御手段による前記生体の上肢および下肢に対する圧迫の開始以前及び圧迫の開始以後において前記脈圧決定手段により決定される脈圧のばらつき度合いを算出するばらつき度合い算出手段と、
該ばらつき度合い算出手段により算出された脈圧のばらつき度合いの前記圧迫開始前後の変化量または変化割合に基づいて前記生体の自律神経機能を評価する評価手段と
を、含むことを特徴とする自律神経機能評価装置。 - 前記ばらつき度合い算出手段は、前記脈圧のばらつき度合いを示す値として該脈圧の分散を算出するものである請求項3の自律神経機能評価装置。
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