JP3643410B2 - 入退場管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、遊園地等の入場施設へ入場する際の入場料や、その設備の使用にかかる料金をキャッシュレス精算する入退場管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、遊園地、鉄道、高速道路等の施設の利用に際し、その利用料金を支払うには、あらかじめ、その利用料金を前払いすることにより発行された磁気記録券、プリペイドカード等を用いて、施設の入場の際にそれらを提示するような現金前払い方式や、特定の会員のみに入場を許可する高セキュリティのICカード等の記録媒体を用いて、その記録媒体に記録されている入場許可コード、IDコード等により入場が可能か否かを判断し、入場可と判断された者に対して、その記録媒体に記録されている情報をもとに必要な料金を銀行口座等から自動引落しする後払い方式等がある。
【0003】
この2つの方式は、入場の可否を判断する機器側において現金処理が不要なため、釣銭の準備、現金合わせ、防犯等に対する日常的な管理といった問題点を解消するとともに、それに伴うコストの削減を図るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、これら施設の利用者側からみれば、解決すべき問題点がいくつかある。すなわち、現金前払方式の場合、前払いされた代金を保管する業者が、各施設毎に異なり、それらが相互に利用できないプリペイドカードを発行するため、利用者は、施設毎のプリペイドカードを事前に複数購入しなければならないという問題点がある。また、利用者にとって利用度の少ない施設のプリペイドカードは購入するメリットがなく、従って、それら施設の利用に際しては現金によることになるという問題点もある。このように、プリペイドカードは分散化傾向にあり、各種設備投資が集中化されにくい。
【0005】
後払い方式の場合、施設を利用しようとする者との契約時には、ICカード等の記録媒体をその契約者に供給するために、信用度調整を行ったり、保証金が要求されるなど、契約にあたっての煩わしさが多い。
【0006】
さらに、入場の可否を判断する機器との間の情報のやり取りの手段としてのICカード等の記録媒体は、それら機器との間の直接接触により情報が読取られたり、書き込まれたりするものであるため、利用者は、施設の入場の際に、その所持する記録媒体を取り出して、入場の可否を判断する機器に挿入する煩わしさがあった。また、一部のICカードは、数cm〜数十cmの距離を隔てても有効な無線交信により情報のやりとりを行うものがあるが、それでもやはり、電池を定期的に交換する必要があるといった利用者側の負担が多い。
そこで、本発明は、入場施設の利用料金の支払いおよび回収が容易にしかも確実に行える入退場管理システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の入退場管理システムは、施設の利用者により所持される携帯電話機と、前記施設の入場口と退場口のそれぞれに設けられ、前記利用者が通過する際に前記携帯電話機との無線交信により前記利用者が前記施設の利用料金を支払うための所定の情報処理を行う第1および第2の端末装置から構成される入退場管理システムであって、前記携帯電話機は、前払いされた前記施設の利用料金の残高を含む金額情報を記憶する記憶手段と、前記利用者が前記施設の入場口に設けられた第1の端末装置を通過する際、この第1の端末装置からの送信要求に呼応して、この第1の端末装置に対し、その携帯電話機の電話番号と、前記記憶手段に記憶された金額情報を送信する第1の送信手段とを具備し、前記第1の端末装置は、前記第1の送信手段で送信された金額情報に含まれる残高から所望の金額を差し引くことにより利用料金の精算を行う精算手段と、この精算手段で前記第1の送信手段で送信された金額情報に含まれる残高から所望の金額を差し引く際、前記残高が前記所望の金額より少ないとき、不足金額を算出する算出手段と、前記精算手段での精算結果あるいは前記算出手段で算出された不足金額を含む前記利用者の通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第2の送信手段とを具備し、前記携帯電話機は、前記第2の送信手段で送信された通過情報をもとに、前記記憶手段に記憶された金額情報の内容を更新する更新手段と、前記利用者が前記施設の退場口に設けられた第2の端末装置を通過する際、この第2の端末装置からの送信要求に呼応して、この第2の端末装置に対し、その携帯電話機の電話番号と前記記憶手段に記憶された金額情報を送信する第3の送信手段とを具備し、前記第2の端末装置は、前記第3の送信手段で送信された金額情報をもとに、追加料金の徴収の有無を判断する判断手段と、この判断手段で、追加料金の徴収が必要であると判断したとき、前記利用者の退場を禁止するよう制御を行う制御手段と、前記判断手段で、追加料金の徴収が必要であると判断したとき、前記第3の送信手段で送信された金額情報に含まれる不足料金をもとに、追加料金の金額を算出する算出手段と、この算出手段で算出された金額を前記第3の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第4の送信手段を具備し、前記携帯電話機は、前記第4の送信手段で送信された金額を前記利用者に通知する通知手段を具備することにより、前記施設の利用料金の支払いおよび回収が容易にしかも確実に行える。
【0008】
また、本発明の入退場管理システムは、施設の利用者により所持される携帯電話機と、前記施設の入場口若しくは退場口のそれぞれに設けられ、前記利用者が通過する際に前記携帯電話機との無線交信により前記利用者が前記施設の利用料金を支払うための所定の情報処理を行う端末装置から構成される入退場管理システムであって、前記端末装置は、前記施設の利用料金を前払いした利用者の電話番号があらかじめ登録された登録情報記憶手段を具備し、前記携帯電話機は、前払いされた前記施設の利用料金の残高を含む金額情報を記憶する第1の記憶手段と、前記利用者が前記端末装置を通過する際、その端末装置からの送信要求に呼応して、その第1の端末装置に対し、その携帯電話機に対応する電話番号を送信する第1の送信手段とを具備し、前記端末装置は、前記第1の送信手段で送信された電話番号が前記登録情報記憶手段に記憶されているとき、前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機から送信された前記第1の記憶手段に記憶された金額情報をもとに、所定の精算処理を行う精算処理手段と、この精算処理手段での精算結果を含む前記利用者の通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第2の送信手段と、前記第1の送信手段で送信された電話番号が前記登録情報記憶手段に記憶されていないとき、少なくともその端末装置の識別情報を含む通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第3の送信手段とを具備し、前記携帯電話機は、前記第2の送信手段で送信された通過情報をもとに、前記第1の記憶手段に記憶された金額情報の内容を更新する更新手段とを具備し、前記施設の退場口に設けられた端末装置は、前記第1の送信手段で送信された電話番号が前記登録情報記憶手段に記憶されていないとき、前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機から送信された、その第2の記憶手段に記憶された通過情報に含まれる端末装置の識別情報をもとに、前記利用者が支払うべき料金の金額を算出する料金算出手段と、この料金算出手段で算出された金額を前記第1の送信手段で送信された電話番号に対応させて記憶する第2の記憶手段と、前記料金算出手段で算出された金額を含む通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第4の送信手段と、この第4の送信手段で通過情報を送信した後、前記利用者の退場を許可するよう制御を行う制御手段とを具備し、前記携帯電話機は、前記第4の送信手段で送信された通過情報を記憶する第4の記憶手段を具備し、さらに、前記第2の記憶手段の記憶内容をもとに、各電話番号毎に前記施設の利用料金を集計する集計手段を具備することにより、前記施設の利用料金の支払いおよび回収が容易にしかも確実に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る入退場管理システムの全体の構成を概略的に示したものである。
【0012】
図1において、この入退場管理システムは、遊園地等の入場施設1の入場口1aに設けられた入口端末装置2、入場施設1の退場口1bに設けられた出口端末装置3、入場施設1内にある施設であって、その利用に際し、さらに料金の支払いが必要な施設A、Bのそれぞれの入退場口に設けられた経由端末装置4、5、各端末装置2〜5から送信される通過履歴情報等を受信、集計し、利用明細帳票、利用料金請求書等を印刷する後方処理装置6、各利用者が所持する携帯電話機7から構成される。
【0013】
なお、各端末装置2〜5と後方処理装置6は、オンライン回線を介して接続されている。また、携帯電話機7と各端末装置2〜5は互いに、近距離無線交信を行うようになっている。
【0014】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機7の構成を概略的に示したものである。図2において、携帯電話機7は、通話機能等の本来の携帯電話機の処理を行う携帯電話機能処理部11の他に、その携帯電話機7の電話番号が記憶されている電話番号記憶部12、入場施設内の各端末装置2〜5との間の無線交信により受信した情報を記憶する入出場情報記憶部13、前払いされた金額の残高を記憶する前払残高記憶部14、本実施形態の入場管理システムにおける処理動作を制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部15を具備し、また、時計15、施設利用料金等を表示する表示部17、通常の電話機として相手との対話用に用いられるとともに、施設利用料金等を音声により、その携帯電話機7の所持者に通知するためのマイク・スピーカ18、本実施携帯の入場管理システムの各端末装置2〜5と無線交信するための近距離送受信制御部19および近距離アンテナ20、バッテリ21を具備し、さらに、これら全体を制御するためのMPU(Micro Processing Unit)10を具備している。
【0015】
図3は、各端末装置2〜5の構成を概略的に示したものである。図3において、各端末装置2〜5のそれぞれは、各端末装置2〜5それぞれの識別番号(端末ID)を記憶する端末ID記憶部31、料金精算処理を行う際に必要な料金情報を記憶した料金記憶部32、利用者の所持する携帯電話機7との無線交信により受信した情報をもとにした通過履歴情報や、利用料金を前払いした利用者の電話番号等が記憶された入出場情報記憶部33、本実施形態の入場管理システムにおける処理動作を制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部34を具備し、また、オペレータ等が各種指示情報等を入力するためのキーボード等で構成される入力操作部35、オペレータに対し所望の情報、操作案内を表示するための表示部36、利用者がその端末装置を通過した際に精算される料金のレシートを各利用者に対し印刷、発行するためのレシート印刷部37、各利用者の通過日時等を測定するための時計38、利用者に対し所定のメッセージ等を表示するための表示部39、後方処理装置6とオンライン回線を介してデータ伝送を行うための通信制御を司る通信制御部40、各利用者が所持する携帯電話機7との無線交信するための近距離送受信制御部41および近距離アンテナ42、携帯電話機7との無線交信により、通行可と判断されたときに入場施設1の入場口1a、退場口1b、あるいは入場施設1内に設けられた施設A、施設Bのそれぞれの入退場口に設けられたドア44の開閉制御を行うドア制御部43、電源45を具備し、さらに、これら全体を制御するためのMPU30を具備している。
【0016】
ここでは、各端末装置2〜5に付与された端末IDは、それぞれ、TE1、TE2、TE3、TE4とする。
携帯電話機7と各端末装置2〜5は、互いに近距離交信を行うための送受信機能が必要となるが、本実施形態では、小型ループアンテナ(近距離アンテナ20)を内蔵した携帯電話機7を、その電源をオンにして各端末装置2〜5近傍の所定の位置に近付けることにより、携帯電話機7では各端末装置2〜5からの電波を受信し、また、携帯電話機7からの電波は、各端末装置2〜5のそれぞれに内蔵されている小型ループアンテナ(近距離アンテナ42)で受信することにより、容易に実現できる。また、他の方法として、例えば、本来の携帯電話機能を利用して、携帯電話機能処理部11における送信出力レベルを低減して、電波到達距離を制限することによっても実現できる。
【0017】
図4は、後方処理装置6の構成を概略的に示したものである。図4において、後方処理装置6は、料金精算処理を行う際に必要な料金情報を記憶した料金記憶部51、通信制御部57を介して各端末装置2〜5から送信された通過履歴情報等を記憶する入出場情報記憶部52、入場施設1の利用料金を前払いした利用者の電話番号等が登録された登録情報記憶部53、本実施形態の入場管理システムにおける処理動作を制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部54を具備し、また、入出場情報記憶部52に記憶された情報をもとに利用明細書、料金請求書等を印刷するための印刷装置55、必要に応じて入出場情報記憶部52、登録情報記憶部53に記憶されている情報を格納するためのフロッピーディスク装置、光ディスク装置等の外部記憶装置56、各端末装置2〜5とオンライン回線を介してデータ伝送を行うための通信制御を司る通信制御部57、オペレータ等が各種指示情報等を入力するためのキーボード等で構成される入力操作部58、オペレータに対し所望の情報、操作案内等を表示するための表示部59、時計60、電源61を具備し、さらに、これら全体を制御するためのMPU50を具備している。
【0018】
登録情報記憶部53に登録された情報は、必要に応じて、オンライン回線を介して、各端末装置2〜5のに送信され、入出場情報記憶部33にダウンロードされるようになっている。
【0019】
このような構成の入退場管理システムにおける料金前払いの場合の処理動作について図5〜図7を参照して説明する。
まず、入場施設1への入場時の処理動作について図5を参照して説明する。
【0020】
入場施設1に入場しようとする者が、その所持する携帯電話機7の電源をオン状態にして、入場施設1の入場口1aに設けられた入口端末装置2の所定の位置を通過すると、入口端末装置2からの電話番号を問い合わせるメッセージが携帯電話機7の近距離アンテナ20、近距離送受信制御部19を介して受信される(ステップS1)。
【0021】
携帯電話機7では、そのメッセージに対応して電話番号記憶部12に記憶されている電話番号を含む応答メッセージを近距離送受信制御部19、近距離アンテナ20を介して送信する(ステップS2)。
【0022】
入口端末装置2は、携帯電話機7から送信された応答メッセージを近距離アンテナ42、近距離送受信制御部41を介して受信し、その応答メッセージに含まれる電話番号が入出場情報記憶部33に登録されているか否かをチェックする。入出場情報記憶部33にあらかじめ登録されているなら、料金前払いであると判断され、その電話番号にて特定される携帯電話機7に対して、情報送信の要求メッセージを送信する(ステップS3)。一方、入出場情報記憶部33に受信した電話番号が登録されていないときは、料金後払いであると判断される。この場合の処理動作は後述する。
【0023】
携帯電話機7は、その要求メッセージを受信すると、前払残高記憶部14に記憶されている残高等を含む応答メッセージを入口端末装置2に送信する(ステップS4)。
【0024】
入口端末装置2は、携帯電話機7から送信された応答メッセージに含まれる残高をもとに、料金精算処理を行う。すなわち、MPU30の制御のもと記憶部34に記憶されている制御プログラムに従って、携帯電話機7から送信された残高から料金記憶部32に記憶されている入場施設1の利用料金を減算する。そして、その減算結果である料金残高と、端末ID(TE1)、入場施設1の利用料金、通過日時等の入口通過情報を含むメッセージを送信する。このとき、残高が足りないときは、その旨を示す情報と不足料金も含めて送信される(ステップS5)。そして、入口端末装置2では、入出場情報記憶部33に、ステップS2で受信した電話番号に対応させて、入場口を通過した日時、残高等の通過履歴情報を記憶する。
【0025】
携帯電話機7は残高と入口通過情報を含むメッセージを受信すると、そのメッセージに含まれる残高あるいは不足料金と、入口通過情報をそれぞれ記憶部14、13に記憶し、必要に応じて、表示部17に利用料金や残高を表示したり、スピーカ18で音声にてそれらを通知したりするようになっている。また、その応答メッセージを入口端末装置2に対し送信する(ステップS6)。
【0026】
入口端末装置2で、その応答メッセージを受信すると、入場口1aのドア44が開かれて入場可能な状態となる。また、レシート印刷部37から通過日時、利用料金等の印刷されたレシートが発行される。
【0027】
1日の業務が終了した時点で、あるいは、任意のタイミングにて、入口端末装置2の情報記憶部33に記憶された通過履歴情報は、通信制御部40、オンライン回線を介して後方処理装置6に送信される(ステップS7)。後方処理装置6では、オンライン回線、通信制御装置57を介して受信した通過履歴情報を入出場情報記憶部52に記憶するようになっている。
【0028】
次に、この入場施設1に入場した者が、さらに、入場施設1内に設けられた、例えば、施設Bに入場する際の処理動作について図6を参照して説明する。
図6のステップS10〜ステップS16の動作処理は図5のステップS1〜ステップS7の処理動作と同様である。
【0029】
すなわち、経由端末装置5でも、携帯電話機7から送信された残高から料金記憶部32に記憶されている施設Bの利用料金を減算し、その減算結果である料金残高と、端末ID(TE3)、施設Bの利用料金、通過日時等の施設B通過情報を含むメッセージを送信する。残高が足りないときも、その旨を示す情報と不足料金も含めて送信される(ステップS14)。
【0030】
次に、この入場施設1に入場した者が、入場施設1から退場する際の処理動作について図7を参照して説明する。
図7のステップS20〜ステップS23の動作処理は図5のステップS1〜ステップS4の動作処理と同様である。
【0031】
出口端末装置3は携帯電話機7から送信された応答メッセージに含まれる情報を確認して、追加料金の有無を判断する。すなわち、その応答メッセージに残高が足りない旨の情報と不足残高が含まれるときは、追加料金の徴収が必要であると判断し、追加料金の支払いを要求するためのメッセージを携帯電話機7に対し送信する(ステップS24)。
【0032】
携帯電話機7は、この追加料金支払要求メッセージを受信すると、そのメッセージに含まれる追加料金を表示部17あるいはスピーカ18を介して音声にて通知し、その利用者の追加料金の支払いを促すようになっている。利用者は、そおの通知された追加料金を支払うことにより、入場施設1から退場することができる。
【0033】
さて、出口端末装置3は携帯電話機7からの応答メッセージに含まれる情報を確認して、その応答メッセージに残高が足りない旨の情報と不足残高が含まれていなとき、端末ID(TE4)、通過日時等の出口通過情報を含むメッセージを携帯電話機7に対して送信する(ステップS24)。
【0034】
携帯電話機7は出口通過情報を含むメッセージを受信すると、そのメッセージに含まれる出口通過情報を記憶部13に記憶して、その応答メッセージを出口端末装置3に対し送信する(ステップS26)。
【0035】
出口端末装置3で、その応答メッセージを受信すると、入場施設1の退場口1bのドアが開かれて退場可能な状態となる。また、レシート印刷部37から通過日時、利用料金等の印刷されたレシートが発行される。
【0036】
1日の業務が終了した時点で、あるいは、任意のタイミングにて、出口端末装置3の情報記憶部33に記憶された通過履歴情報は、通信制御部40、オンライン回線を介して後方処理装置6に送信される(ステップS27)。後方処理装置6では、オンライン回線、通信制御装置57を介して受信した通過履歴情報を情報記憶部52に記憶するようになっている。
【0037】
後方処理装置6では、入出場情報記憶部52に記憶された履歴情報等をもとに印刷装置55で各種明細書、リスト等を印刷するようになってる。
次に、本実施形態に係る入退場管理システムにおける料金後払いの場合の処理動作について図8〜図10を参照して説明する。
【0038】
まず、入場施設1への入場時の処理動作について図8を参照して説明する。
なお、図5と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、ステップS2で携帯電話機7から送信された応答メッセージを入口端末装置2が受信し、その応答メッセージに含まれる電話番号が入出場情報記憶部33に登録されておらず、料金後払いであると判断したとき、ステップS3、ステップS4をスキップする。そして、料金記憶部32に記憶されている利用料金、入口端末装置2の端末ID(TE1)、通過日時等の入口通過情報を含むメッセージを携帯電話機7に送信する(ステップS5)。このとき、入口端末装置2では、入出場情報記憶部33に、ステップS2で受信した電話番号に対応させて、入場口を通過した日時等の通過履歴情報を記憶する。
【0039】
携帯電話機7は入口通過情報を含むメッセージを受信すると、そのメッセージに含まれる入口通過情報を記憶部13に記憶し、必要に応じて、表示部17に利用料金を表示したり、スピーカ18で音声にて通知したりするようになっている。また、その応答メッセージを入口端末装置2に対し送信する(ステップS6)。
【0040】
入口端末装置2で、その応答メッセージを受信すると、入場口1aのドアが開かれて入場可能な状態となる。
次に、この入場施設1に入場した者が、さらに、入場施設1内に設けられた、例えば、施設Bに入場する際の処理動作について図9を参照して説明する。
【0041】
なお、図6と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、ステップS11で携帯電話機7から送信された応答メッセージを経由端末装置5が受信し、その応答メッセージに含まれる電話番号が入出場情報記憶部33に登録されておらず、料金後払いであると判断したとき、ステップS12、ステップS13をスキップする。そして、料金記憶部32に記憶されている施設Bの利用料金、経由端末装置5の端末ID(TE3)、通過日時等の施設B通過情報を含むメッセージを携帯電話機7に送信する(ステップS14)。このとき、経由端末装置5では、入出場情報記憶部33に、ステップS11で受信した電話番号に対応させて、施設Bの入退場口を通過した日時等の通過履歴情報を記憶する。
【0042】
携帯電話機7は施設B通過情報を含むメッセージを受信すると、そのメッセージに含まれる施設B通過情報を記憶部13に記憶し、必要に応じて、表示部17に利用料金を表示したり、スピーカ18で音声にて通知したりするようになっている。また、その応答メッセージを経由端末装置5に対し送信する(ステップS15)。
【0043】
経由端末装置5で、その応答メッセージを受信すると、入退場口のドアが開かれて入場可能な状態となる。
次に、入場施設1に入場した者が、入場施設1から退場する際の処理動作について図10を参照して説明する。
【0044】
なお、図7と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、ステップS2で携帯電話機7から送信された応答メッセージを入口端末装置2が受信し、その応答メッセージに含まれる電話番号が入出場情報記憶部33に登録されておらず、料金後払いであると判断したとき、その電話番号にて特定される携帯電話機7に対して、情報送信の要求メッセージを送信し(ステップS22)、携帯電話機7は、その要求メッセージを受信すると、入出場情報記憶部13に記憶されている通過情報(この場合、入口通過情報、施設B通過情報)を含む応答メッセージを出口端末装置3に送信する(ステップS30)。
【0045】
出口端末装置3では、このメッセージを受信すると、その中の通過情報に含まれる端末ID、利用料金等をもとに、あるいは、出口端末装置3の料金記憶部32に記憶されている利用料金を参照にして、その利用者が利用した(通過した)各施設の利用料金を全て加算して料金の精算処理を行う。そして、その結果求められた、利用者に対し請求する料金情報を含むメッセージを携帯電話機7に送信する(ステップS31)。このとき、出口端末装置3では、入出場情報記憶部33に、ステップS21で受信した電話番号に対応させて、前記料金情報、入場口を通過した日時等の通過履歴情報を記憶する。
【0046】
携帯電話機7は料金情報を含むメッセージを受信すると、そのメッセージに含まれる料金情報を記憶部13に記憶し、必要に応じて、表示部17にその料金を表示したり、スピーカ18で音声にて通知したりするようになっている。また、その応答メッセージを入口端末装置2に対し送信する(ステップS26)。
【0047】
出口端末装置3で、その応答メッセージを受信すると、退場口1bのドアが開かれて退場可能な状態となる。
1日の業務が終了した時点で、あるいは、任意のタイミングにて、出口端末装置3の情報記憶部33に記憶された通過履歴情報は、通信制御部40、オンライン回線を介して後方処理装置6に送信される(ステップS27)。後方処理装置6では、オンライン回線、通信制御装置57を介して受信した通過履歴情報を情報記憶部52に記憶するようになっている。
【0048】
後方処理装置6では、入出場情報記憶部52に記憶された履歴情報等をもとに、電話番号毎に料金を集計し、その結果をもとに、印刷装置55で料金請求書を印刷したり、各種明細書、リスト等を印刷するようになってる。各利用者は、後に、例えば、電話の請求書とともに送られる入場施設1の利用料金の請求書に基づき、電話料とともにまとめて払えばよい。
【0049】
なお、携帯電話機7と各端末装置2〜5との間の無線交信を内線通話を利用して、入場施設1の利用料金を電話料の課金とともにともに行って徴収することも考えられる。
【0050】
以上、説明したように、上記実施形態によれば、入場施設1の利用料金を前払いによる場合には、その前払い料金の残高を、その入場施設1を利用しようとする利用者が所持する携帯電話機7に記憶し、入場施設1内の入場口1a、退場口1b等に設けられた端末装置2〜5を、その利用者が通過する度に、携帯電話機7と端末装置との間で無線交信を行って、必要な料金をその残高から差し引き、その結果を再び携帯電話機7に記憶し、その際、残高不足で料金を差し引くことができないときは、不足料金等も携帯電話機7に記憶するようにし、最終的に退場口1bに設けられた出口端末装置3を通過する際に、その利用者が所持する携帯電話機7から送信された情報をもとに、出口端末装置3が追加料金の徴収の有無を判断して、その必要がないと判断したときには、利用者をそのまま退場させ、一方、追加料金の徴収が必要であると判断したときには、携帯電話機7に対し、追加料金の支払いを要求するメッセージを送信し、それを受けた携帯電話機が追加料金額を表示部17に表示するなどして利用者に通知し、利用者に追加料金の支払いを促すことにより、電話番号を一種の個人の識別番号として用い、それをキーとして、各入場施設の利用料金の支払いおよび回収が容易にしかも確実に行える。
【0051】
また、各端末装置2〜5から送信された利用料金、残高は、携帯電話機7の表示部17に表示したり、スピーカ18を介して音声にて各利用者に通知することができるので、利用者は、必要に応じて前払金を補って、残金の不足を招く事なく利用を継続することが可能となる。
【0052】
また、入場施設1の利用料金を後払いによる場合には、入場施設1内の入場口1a、退場口1b等に設けられた端末装置2〜5を、その利用者が通過する度に、携帯電話機7と端末装置との間で無線交信を行って、通過した端末装置の端末IDを携帯電話機7に記憶しておき、最終的に退場口1bに設けられた出口端末装置3を通過する際に、その利用者が所持する携帯電話機7から送信された利用者が通過した端末装置の端末IDを含む情報をもとに、出口端末装置3が料金の算出を行って、その算出された料金を後方処理装置6に送信して、そこで、電話番号毎に料金の集計を行い、各利用者に対する料金の請求書を作成することにより、電話番号を一種の個人の識別番号として用い、それをキーとして、各入場施設の利用料金の支払いがキャッシュレスで行えるという利便性に加え、施設の利用料金を回収する側からすれば、その料金の回収が確実に行えるという高い信頼性が確保できる。
【0053】
また、携帯電話機7は、その契約時に、契約者の住所、氏名、料金の支払い方法等が把握されているので、これを利用することにより、携帯電話機7は、一種の個人の識別媒体として用いることができ、その者の信用度調節を改めて行う必要がなく、また、既存の携帯電話機7を用いることができるので、ICカード等の記録媒体をその契約者に新たに供給するといった契約時の煩わしさがなくなる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入場施設の利用料金の支払いおよび回収が容易にしかも確実に行える入退場管理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る入退場管理システムの全体の構成を概略的に示した図。
【図2】携帯電話機の構成を概略的に示したブロック図。
【図3】入口、出口、経由端末装置の構成を概略的に示したブロック図。
【図4】後方処理装置の構成を概略的に示したブロック図。
【図5】図1の入退場管理システムにおける料金前払いの場合の処理動作について説明するための図で、入場施設への入場時の処理動作を示したものである。
【図6】図1の入退場管理システムにおける料金前払いの場合の処理動作について説明するための図で、入場施設内に設けられた施設Bに入場する際の処理動作を示したもんである。
【図7】図1の入退場管理システムにおける料金前払いの場合の処理動作について説明するための図で、入場施設から退場する際の処理動作を示したものである。
【図8】図1の入退場管理システムにおける料金後払いの場合の処理動作について説明するための図で、入場施設への入場時の処理動作を示したものである。
【図9】図1の入退場管理システムにおける料金後払いの場合の処理動作について説明するための図で、入場施設内に設けられた施設Bに入場する際の処理動作を示したものである。
【図10】図1の入退場管理システムにおける料金後払いの場合の処理動作について説明するための図で、入場施設から退場する際の処理動作を示したものである。
【符号の説明】
1…入場施設、1a…入場口、1b…退場口、2…入口端末装置、3…出口端末装置、4…経由端末装置、5…経由端末装置、6…後方処理装置、7…携帯電話機。

Claims (7)

  1. 施設の利用者により所持される携帯電話機と、前記施設の入場口と退場口のそれぞれに設けられ、前記利用者が通過する際に前記携帯電話機との無線交信により前記利用者が前記施設の利用料金を支払うための所定の情報処理を行う第1および第2の端末装置から構成される入退場管理システムであって、
    前記携帯電話機は、
    前払いされた前記施設の利用料金の残高を含む金額情報を記憶する記憶手段と、
    前記利用者が前記施設の入場口に設けられた第1の端末装置を通過する際、この第1の端末装置からの送信要求に呼応して、この第1の端末装置に対し、その携帯電話機の電話番号と、前記記憶手段に記憶された金額情報を送信する第1の送信手段と、
    を具備し、
    前記第1の端末装置は、
    前記第1の送信手段で送信された金額情報に含まれる残高から所望の金額を差し引くことにより利用料金の精算を行う精算手段と、
    この精算手段で前記第1の送信手段で送信された金額情報に含まれる残高から所望の金額を差し引く際、前記残高が前記所望の金額より少ないとき、不足金額を算出する算出手段と、
    前記精算手段での精算結果あるいは前記算出手段で算出された不足金額を含む前記利用者の通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第2の送信手段と、
    を具備し、
    前記携帯電話機は、
    前記第2の送信手段で送信された通過情報をもとに、前記記憶手段に記憶された金額情報の内容を更新する更新手段と、
    前記利用者が前記施設の退場口に設けられた第2の端末装置を通過する際、この第2の端末装置からの送信要求に呼応して、この第2の端末装置に対し、その携帯電話機の電話番号と前記記憶手段に記憶された金額情報を送信する第3の送信手段と、
    を具備し、
    前記第2の端末装置は、
    前記第3の送信手段で送信された金額情報をもとに、追加料金の徴収の有無を判断する判断手段と、
    この判断手段で、追加料金の徴収が必要であると判断したとき、前記利用者の退場を禁止するよう制御を行う制御手段と、
    前記判断手段で、追加料金の徴収が必要であると判断したとき、前記第3の送信手段で送信された金額情報に含まれる不足料金をもとに、追加料金の金額を算出する算出手段と、
    この算出手段で算出された金額を前記第3の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第4の送信手段を具備し、
    前記携帯電話機は、前記第4の送信手段で送信された金額を前記利用者に通知する通知手段を、
    具備したことを特徴とする入退場管理システム。
  2. 前記第1の端末装置は、さらに、前記施設内に設けられた所望の施設の入退場口にも設けられたことを特徴とする請求項記載の入退場管理システム。
  3. 前記携帯電話機は、前記記憶手段に記憶された金額情報の内容を、前記利用者に通知する通知手段を具備したことを特徴とする請求項記載の入退場管理システム。
  4. 前記通知手段は、前記第4の送信手段で送信された金額を音声にて通知することを特徴とする請求項記載の入退場管理システム。
  5. 施設の利用者により所持される携帯電話機と、前記施設の入場口若しくは退場口のそれぞれに設けられ、前記利用者が通過する際に前記携帯電話機との無線交信により前記利用者が前記施設の利用料金を支払うための所定の情報処理を行う端末装置から構成される入退場管理システムであって、
    前記端末装置は、前記施設の利用料金を前払いした利用者の電話番号があらかじめ登録された登録情報記憶手段を具備し、
    前記携帯電話機は、
    前払いされた前記施設の利用料金の残高を含む金額情報を記憶する第1の記憶手段と、
    前記利用者が前記端末装置を通過する際、その端末装置からの送信要求に呼応して、その第1の端末装置に対し、その携帯電話機に対応する電話番号を送信する第1の送信手段と、
    を具備し、
    前記端末装置は、
    前記第1の送信手段で送信された電話番号が前記登録情報記憶手段に記憶されているとき、前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機から送信された前記第1の記憶手段に記憶された金額情報をもとに、所定の精算処理を行う精算処理手段と、
    この精算処理手段での精算結果を含む前記利用者の通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第2の送信手段と、
    前記第1の送信手段で送信された電話番号が前記登録情報記憶手段に記憶されていないとき、少なくともその端末装置の識別情報を含む通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第3の送信手段と、
    を具備し、
    前記携帯電話機は、
    前記第2の送信手段で送信された通過情報をもとに、前記第1の記憶手段に記憶された金額情報の内容を更新する更新手段と、
    を具備し、
    前記施設の退場口に設けられた端末装置は、
    前記第1の送信手段で送信された電話番号が前記登録情報記憶手段に記憶されていないとき、前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機から送信された、その第2の記憶手段に記憶された通過情報に含まれる端末装置の識別情報をもとに、前記利用者が支払うべき料金の金額を算出する料金算出手段と、
    この料金算出手段で算出された金額を前記第1の送信手段で送信された電話番号に対応させて記憶する第2の記憶手段と、
    前記料金算出手段で算出された金額を含む通過情報を前記第1の送信手段で電話番号を送信した携帯電話機に対し送信する第4の送信手段と、
    この第4の送信手段で通過情報を送信した後、前記利用者の退場を許可するよう制御を行う制御手段と、
    を具備し、
    前記携帯電話機は、前記第4の送信手段で送信された通過情報を記憶する第4の記憶手段を具備し、
    さらに、前記第2の記憶手段の記憶内容をもとに、各電話番号毎に前記施設の利用料金を集計する集計手段を、
    具備したことを特徴とする入退場管理システム。
  6. 前記携帯電話機は、前記第1の記憶手段に記憶された金額情報、前記第3の送信手段で送信された通過情報の内容を表示する表示手段を具備したことを特徴とする請求項記載の入退場管理システム。
  7. 前記携帯電話機は、前記第1の記憶手段で記憶された金額情報、前記第3の送信手段で送信された通過情報の内容を音声にて報知する報知手段を具備したことを特徴とする請求項記載の入退場管理システム。
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