JP3643346B2 - トップピボット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアを建物側上枠に回転可能に支持するための軸嵌合確認機能を備えたトップビボットに関するものである。特に薄暗い作業現場等において、手の感触だけで確実にトップピボットによってドアが取り付けられたかどうかを判断できるトップピボットに関するものであり、さらには、トップピボットの軸を作動するアームを上下するためのねじ部材の緩み止め機構を備えたトップピボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ドアを建物開口部上枠に簡単に取り付けることを可能とするヒンジ部品として、例えば実公平1−39346号等に記載されているピボットヒンジ(以下トップピボットという)が知られている。こうしたトップピボットは、通常、ドアの上端またはドアの上端に対向する建物開口部上枠に取り付けられる本体部と、該本体部に対向して相手側の開口部上枠あるいはドアの上端に取り付けられるベース部とから構成されている。
【0003】
この形式のトップピボットの一例を図面を参照して簡単に説明すると、図14はトップピボットの本体部の平面図、図15は同トップピボットによりドアを建物開口部枠に取り付けた状態の断面図である。
図において101はヒンジプレート、102はヒンジプレートに適宜手段によって固定した軸収納ガイド、103は前記軸収納ガイド102に収納された軸、104はヒンジプレート101に立設した支持プレート、105は前記支持プレート104に水平軸106によって揺動自在に保持されかつ前記軸103と係合するアーム、107は前記軸103とは反対側の端部に適宜手段でアーム105に連結されアーム105を上下方向に揺動するためのねじ部材であり、これらによってトップピボットの本体部が構成されている。
【0004】
前記軸収納ガイド102は図示のようにアームの上下動を許容するスリット102aが形成されており、アーム105が軸103を係合した状態でこのスリット102a内を上下に揺動することにより、前記軸103が軸収納ガイド102内で上下できるようになっている。また、ねじ部材107はヒンジプレート101に螺合されており、ねじ部材107を回転させることでねじ部材107が図中上下に移動し、アーム105を水平軸106を中心に揺動できる構成となっている。また、アーム105のヒンジプレート101に対向する辺には突起105aが形成され、さらに、ヒンジプレート101には、同突起105aが嵌入する貫通した孔101aが形成されている。なお、図中111は本体部の化粧板であり、この化粧板には前記貫通した孔に対向する位置で目視用の孔111aが形成されている。
【0005】
上記トップピボットの本体部はドアを取り付ける前の状態では、建物側に形成した開口部の上枠内に収納固定されており、アーム105がねじ部材107の作用によって図中二点鎖線状態に示すように軸を上方に引き上げた状態となっている。この時には軸103は軸収納ガイド102内に収納された状態となっている。
【0006】
また前記本体部に対向して配置され前記トップピボットの軸103を軸支するベース部は、ベースプレート108と、このベースプレート108に固定された軸受保持材109と、前記軸受保持材109に設けられ、前記本体部側の軸103を嵌合軸支する軸受110とから構成されている。ベース部はドアを取り付ける前の状態では、ドアの上端に固定されている。
【0007】
上記トップピボットを使用してドアを建物開口部枠に組み付けるには、先ず、トップピボットの本体部をアーム105が図15中二点鎖線で示す状態で建物側開口部の上枠に取り付ける。またベースプレート108を取り付けたドアを建物側の開口部にドアを開いた状態となるように配置し、ベース部の軸受110位置を本体部の軸103に合わせる。この状態で、トップピボットの本体部のねじ部材107をドライバ等の工具を使用してねじ込んでゆくとねじ部材107と連結されているアーム105の端部が図中上方に移動し、アーム105と係合する軸103が下方に移動して図15中、実線で示すように軸受110に嵌合される。そしてねじ部材107を一杯に締め込んだ状態となると軸103が、軸受110内に完全に収納され、ドアの取り付け作業が完了する。この状態となると、アームに形成した突起105aがヒンジプレート101に貫通して形成した孔101aに嵌入し、その状態を化粧板に形成した孔111aを介して目視で確認することができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにアームに形成した突起がヒンジプレートに貫通して形成した孔に嵌入した状態を目視により確認することで作業の完了とする従来のトップピボットでは次のような不都合がある。
即ち、ドアの取付け作業現場が薄暗い環境にある時には、照明等によって作業部位を照らさない限り、アームに形成した突起が孔内に入った状況を目視で確実に確認することができず、さらには、作業現場にわざわざ確認用のライトを準備する必要がある等、煩わしさがあった。
また、トップピボットを使用してドアを建物開口部枠に組付けた後、ドアを長期に渡って使用していると、次第にトップピボット内のねじ部材107が緩み、軸部にガタが発生する等の不具合が発生する。
【0009】
そこで、本発明では、トップピボットを使用してドアを建物の開口部に取り付けた際に、薄暗い作業現場でも、手の触覚によりドアの取り付けが確実に行われたことを確認できるトップピボットを提供することにより、上記問題点を解決することを目的とする。さらには、トップピボットにねじ部材の緩み止め機構を設けることにより、ドアを長期に渡って使用しても、トップピボット内のねじ部材107の緩みを防止できるトップピボットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
本体部とベース部とからなり、本体部をドアの上端もしくはドアの上端に対向する建物側上枠に取り付け、ベース部を対向する建物側上枠もしくはドアの上端に取り付け、本体部に設けたアームをねじ部材によって移動することにより本体部の軸をベース部に設けた軸受に嵌合してピボットを構成するトップピボットにおいて、前記トップピボットは前記ねじ部材の緩み止め機構を備え、前記緩み止め機構は前記ねじ部材に嵌合したスナップリングを有し、前記スナップリングは、一端側が他端よりも延長して形成され、延長した端部が前記アームを揺動する支持プレートとアームとの間に嵌入されており、かつ、前記スナップリングは前記ねじ部材が緩みによって回転する時にはねじ部材と一体となって回転し、ねじ部材が工具によって回転される時はねじ部材のみがスナップリングに対して回転可能となるようにねじ部材に嵌合しており、また、前記アームには前記軸が軸受内に完全に嵌入された時に本体部のヒンジプレートに貫通して形成した孔から突出する長さを有する突起が形成されていることを特徴とするトップピボットである。
また、前記突起は、本体部ヒンジプレートに取り付けた化粧板よりも突出していることを特徴とするトップピボットである。
また、前記本体部をドア上端に取り付けて使用する状態において、前記ねじ部材には工具と嵌合する嵌合部を備え、またドア側面には前記工具を挿入することができる作業孔を形成したことを特徴とするトップピボットである。
【0011】
【実施の形態】
本発明におけるトップピボットの実施形態を図面に従って詳細に説明すると、図1は第1実施形態に係るトップピボットの断面図、図2は同トップピボットの軸によってドアを支持した状態の断面図である。
【0012】
図において、1はヒンジプレート、2はヒンジプレートに固定した軸収納ガイド、3は前記軸収納ガイドに上下移動自在に収納された軸、4はヒンジプレート1に立設した支持プレート、5は前記支持プレート4に水平軸6によって揺動自在に保持されかつ前記軸3と係合するアーム、7は前記軸3とは反対側のアームの端部に連結されアーム5を上下方向に揺動するためのねじ部材であり、これらによってトップピボットの本体部が構成されている。
【0013】
前記ねじ部材7はヒンジプレート1に螺合されており、ねじ部材7を回転させることでねじ部材7が図中上下に移動し、アーム5を水平軸6を中心に揺動できる構成となっている。また、前記ねじ部材7の頭部には鍔7aが形成され、この鍔7aがアーム5に形成した係合部5bに係合することでアーム5とねじ部材7の連結が行われている。さらにねじ部材7の底面には工具が嵌合する凹部7bが形成されている。なお、前記アーム5とねじ部材7との連結態様は図示のものに限定することなく同様の機能を達成できるものであれば他の形態を採用することも可能である。
【0014】
前記軸収納ガイド2には図示のようにアーム5の上下動を許容するスリット2aが形成されており、アーム5が軸3を係合した状態でこのスリット2a内を上下に揺動することにより、前記軸3が軸収納ガイド2内で上下できるようになっている。また、アーム5のヒンジプレート1に対向する辺には突起5aが形成され、さらに、ヒンジプレート1には、同突起が嵌入する貫通した孔1aが形成されており、また化粧板11にも前記貫通した孔1aに対向して孔11aが形成されている。前記突起5aは図2に示すようにドアの取り付けが完了した状態の時には、化粧板11の孔11aを貫通して突出した状態となる長さに形成されている。
【0015】
トップピボットの本体部はドアを取り付ける前の状態では、建物側の開口部の上枠内の凹部に収納固定されており、アーム5がねじ部材7によって図示の如く軸3を上方に引き上げ、軸3を軸収納ガイド2内に収納した状態としてある。
前記本体部材に対向して配置され前記トップピボットの軸3を軸支するベース部は、ベースプレート8と、このベースプレート8に固定された軸受保持部材9と、この軸受保持部材の内面に設けた軸受10とから構成されている。このベース部はドアを取り付ける前の状態では、ドアの上端に固定される。
【0016】
上記構成からなるトップピボットによってドアを建物開口部枠に組み付けるには、先ず、アーム5が図1で示す状態のままでトップピボットの本体部を建物側開口部の上枠内に収納固定する。またベースプレート8を取り付けたドアを建物側の開口部にドアを開いた状態となるように配置し、トップピボットの本体部内の軸3を、ドア側の軸受10の位置に合わせる。この状態で、トップピボットの本体側のねじ部材7をねじ込んでゆくとアーム5の端部が上方に移動し、軸3が下方に移動して前記軸受10に嵌合される。ねじ部材7が一杯に締め込まれた状態となると、軸3は軸受10に完全に収納され、図2に示す状態となってドアの取り付けが完了する。そしてこの状態になるとアーム5に形成した突起5aがヒンジプレート1および化粧板11に形成した孔1a、11aを貫通して該化粧板11よりも若干飛び出した状態となる。このように突起5aが飛び出した状況になることで、薄暗い作業現場でも、突起5aが孔1a、11aから突出していることを手で確認することができ、これによって、ドアが完全に取り付けられたか否かを簡単に判断することができる。
【0017】
続いて第2実施形態の説明をする。第2実施形態は、トップピボットの本体部をドアの上端に取り付け、ベース部を開口部の上枠に取り付けた例であり、図3は第2実施形態に係るトップピボットによってドアを支持した状態の断面図、図4は同トップピボットの平面図である。なお、第1実施形態と対応する部材には、同一符号を使用している。
前述した構成からなるトップピボットの本体部はアーム、軸収納ガイドを含めて所定高さH(図3参照)を有している。このため、ドアを取り付ける建物側の開口部の上枠の高さhが本体部の高さHよりも小さい場合には、本体部を上枠内に収納することができない。従って、上枠の高さhが小さい場合には、トップピボットの本体部をドア側に、ベース部を開口部の上枠に取り付ける必要がある。この時、ドア側に本体部を取り付けた状態でねじ部材を回転させるために、ドアの上端と天井との間にねじ部材を回転させるための工具を入れるスペースが必要となる。しかし、作業現場によってはそうしたスペースをとることができない場合がある。また、第2実施形態のように、トップピボットの本体部をドアの上端に取り付ける場合、取り付け場所の関係から、アームに形成した突起が孔内に入った状況を目視で確実に確認することができないという不都合がある。
【0018】
そこで、第2実施形態では、ドアの上端と天井との間の距離Lが短い場合でも、ドア側に取り付けた本体部のねじ部材を容易に回転できるように、ドアに作業孔を、またねじ部材に作業孔からいれた工具に係合する係合部を設けたことを特徴としている。なお第2実施形態は、基本的な構成、作用は第1実施形態と同様であるので、ここでは第2実施形態の特徴部分を中心に説明する。また、アームに形成する突起の長さとヒンジプレート、およびネジ部材とヒンジプレートとの関係は第1実施形態と同様である。第2実施形態の場合、化粧板はベース部に取り付けられ、孔11aは無いものとする。
図3において、トップピボットの本体部はドアの上端に取り付けられ、またベース部は建物の開口部枠に取り付けられている。そして第1実施形態と同様にねじ部材7を締めつけることで、アーム5を揺動し軸3をベースプレート8の軸受10に嵌合させる構成となっている。ところで、第2実施形態ではドアの上端と天井との距離Lが短いことを前提としているため、ねじ部材7をドライバ等の工具で回転することができない。そこで本形態では、ねじ部材7の鍔7aの外周形状を多角形とし、またドア側にはねじ部材7に対応する位置に作業孔12を形成する。こうすることで、本形態では作業孔12からレンチ等を入れねじ部材7を回転し、アーム5を揺動して軸3を軸受10に嵌入することができる。なお、ねじ部材7の回転はレンチに限定することなく、同様の機能を達成できる機構、例えば、ねじ部材7に多角形の穴をあけ、この多角形の穴に工具を差し込むことでねじ部材を回転させることも可能である。
以上のように第2実施形態では、ドアの上端から天井までの距離Lが短い場合、また、建物開口部の上枠の高さが充分でない場合であっても、トップピボットを使用してドアを簡単に取り付けることができる。また、取り付け完了状態にあってはアーム5の突起5aがヒンジプレート1に形成した孔1a、11aから突出するため、薄暗い場所でも手の感触のみでドアの取り付けられた状態を簡単に確認することができる。
【0019】
つづいて、建物開口部に上記トップピボットによりドアを取り付けた後、ドアを長期に渡って使用しても、トップピボット内のねじ部材7の緩みを防止することができる緩み止め機構について説明する。
図5は緩み止め機構の第1例としての断面図、図6は図5の平面図であり(イ)は正常状態のスナップリングの位置を示す図、(ロ)はねじ部材が矢印方向(緩み方向)に回転した状態図、図7は緩み止め機構の第2例としての断面図、図8は緩み止め機構の第3例としての断面図、図9は緩み止め機構の第4例としての断面図、図10は緩み止め機構の第5例としての断面図、図11は図10に使用する化粧板の平面図、図12は緩み止め機構の第6例としての断面図、図13は図12に使用するアームに取り付ける固定プレートの拡大平面図であり、以下第1例から第6例までの緩み止め機構について順に説明する。なお、第1実施形態と対応する部材には、同一符号を使用しており、またトップピボットの構成、作動については、特に第1実施形態と変わりがないのでそれらの詳細な説明は省略する。
【0020】
〔第1例の緩み止め機構〕
図5において、1はヒンジプレート、2はヒンジプレートに固定した軸収納ガイド、3は前記軸収納ガイドに上下移動自在に収納された軸、4はヒンジプレート1に立設した支持プレート、5は前記支持プレート4に水平軸6によって揺動自在に保持されかつ前記軸3と係合するアーム、7は前記軸3とは反対側のアームの端部に連結されアーム5を上下方向に揺動するためのねじ部材であり、これらによってトップピボットの本体部が構成されている。ねじ部材7の首部には、図6(イ)に示す形状のスナップリング21が嵌合する溝22(図5参照)が形成され、この溝22内にスナップリング21が嵌合している。このスナップリング21の一端は図6(イ)に示すように他端よりも延長して形成され、その延長端が前記支持プレート4とアーム5との間に形成される隙間23に嵌入する構成となっている。また、スナップリング21はねじ部材7の溝22にある程度の摩擦力をもって嵌合している。その摩擦力は、ねじ部材7を工具によって回転し、ヒンジプレートにねじ込む時には、スナップリング21内でねじ部材7が回転でき、一方、ねじ部材7が振動等によって緩んで回転する時には、スナップリング21とねじ部材7とが一体となって回転するような摩擦力として設定されている。 また、前記軸収納ガイド2には第1実施形態と同様にアーム5の上下動を許容するスリット2aが形成されており、アーム5が軸3を係合した状態でこのスリット2a内を上下に揺動することにより、前記軸3が軸収納ガイド2内で上下できるようになっている。
前記本体部に対向して配置され前記トップピボットの軸3を軸支するベース部は、ベースプレート8と、このベースプレート8に固定された軸受保持部材9と、この軸受保持部材の内面に設けた軸受10とから構成されている。このベース部はドアを取り付ける前の状態では、ドアの上端に固定される。
【0021】
上記構成からなるトップピボットは、第1実施形態と同様に建物側開口部の上枠内に配置された後、トップピボットの本体部のねじ部材7をねじ込んでゆくとアーム5の端部が上方に移動し、軸3が下方に移動して前記軸受10に嵌合される。ねじ部材7が一杯に締め込まれた状態となると、軸3は軸受10に完全に収納され、図5に示す状態となってドアの取り付けが完了する。この時、ねじ部材7のねじ込みはスナップリング21との摩擦力に打ち勝つ力で回転されねじ込まれることになる。そしてこの状態になるとアーム5に形成した突起5aがヒンジプレート1および化粧板11に形成した孔1a、11aを貫通して該化粧板11よりも若干飛び出した状態となる。このように突起5aが飛び出した状況になることで、薄暗い作業現場でも、突起5aが孔1a、11aから突出していることを手で確認することができ、これによって、ドアが完全に取り付けられたか否かを簡単に判断することができる。また長期に渡ってドアを使用しているうちに、ねじ部材7が振動等によって緩む方向(図6(ロ)中の矢印方向)に回転をすると、ねじ部材7に嵌合しているスナップリング21もねじ部材7とともに回転するが、スナップリング21の一端が支持プレート4とアーム5との間の隙間23に嵌入する構成となっているため、スナップリング21はねじ部材7と一体となってその隙間の範囲内でしか回転することが出来ず、この結果ねじ部材7はそれ以上の回転は阻止され、ねじ部材7の緩みを防止することができる。
【0022】
〔第2例の緩み止め機構〕
第2例目の緩み止め機構は、本トップピボットを使用してドアを建物側開口部に取り付けた後に、固定手段としての緩み止めねじをアームに螺合することによりアームの揺動を禁止し、間接的にねじ部材の緩みを防止した点に特徴がある。なおここでは緩み止め機構を中心に説明する。
図7において、アーム5側の適所には、ねじ孔25が形成されており、またそのねじ孔25に対向するヒンジプレート1にねじ孔26が形成されている。さらに化粧板11には緩み止めねじ27が貫通する孔11bが形成されている。アーム5をねじ部材7によって移動させ、軸3が下方に移動し前記軸受10に嵌合し、ドアの取付けが終了した状態となったところで、緩み止めねじ27を前記化粧板11の孔11bを介してヒンジプレート1のねじ孔26およびアーム5のねじ孔25に螺合する。こうすることにより、仮にねじ部材7が緩む方向に回転しても、アーム5は緩み止めねじ27の作用により図中上方へ移動することがないため、アーム5の端部に係合するねじ部材7の緩みが防止される。
【0023】
〔第3例の緩み止め機構〕
第3例目の緩み止め機構は、トップピボットによってドアを建物側開口部に取り付けた後に、固定手段としてのストッパねじを利用しアームの揺動を禁止し、間接的にねじ部材の緩みを防止した点に特徴がある。ここでも緩み止め機構を中心に説明する。
図8において、ヒンジプレート1および化粧板11の適所でアームに対向する位置にねじ孔28が形成される(本例ではねじ部材7のすぐ横)。アーム5をねじ部材7によって移動させ、軸3が下方に移動して前記軸受10に嵌合し、ドアの取付けが終了した状態となったところで、ストッパねじ29を前記化粧板11に形成した孔11cを貫通してヒンジプレート1に形成したねじ孔28に螺合し、ストッパねじ29の端部がアーム5下面に当たるまでねじ込む。こうすることにより、仮にねじ部材7が緩む方向に回転しても、アーム5は図中下方へ移動することがないため、アーム5の端部に係合しているねじ部材7の緩みが防止される。
【0024】
〔第4例の緩み止め機構〕
第4例目の緩み止め機構は、トップピボットによってドアを建物側開口部に取り付けた後に、ねじ部材7が螺合するねじ孔31に平丸ねじ30を螺合することによりねじ部材7の緩みを防止した構成とした点に特徴がある。ここでも緩み止め機構を中心に説明する。
図9において、アーム5をねじ部材7によって移動させ、軸3が下方に移動して前記軸受10に嵌合し、ドアの取付けが終了した状態となったところで、ねじ部材7が締めこまれた結果、ヒンジプレート側に形成したねじ孔31に空所が形成され、その空所のねじ孔31に別体の平丸ねじ30を螺合する。こうすることにより、仮にねじ部材7が緩む方向に回転しようとしても、平丸ねじ30によってねじ部材7の緩みが防止される。
【0025】
〔第5例の緩み止め機構〕
第5例目の緩み止め機構は、固定手段としての化粧板によってによって軸3の移動を禁止し、その結果、間接的にねじ部材の緩みを防止した点に特徴がある。ここでも緩み止め機構を中心に説明する。
図10において、トップピボットによってドアが建物側開口部に取り付けられた状態となった時に、化粧板11と対向するトップピボット内の軸3の外周面に化粧板11が嵌合する溝3aを形成しておく。また化粧板11には図11に示すように前記軸3に形成した溝内に嵌合する嵌合部11dおよびアーム5の突起5aの通過部11eを形成しておく。アーム5をねじ部材7によって移動させ、軸3が下方に移動して前記軸受10に嵌合し、ドアの取付けが終了した状態となったところで、化粧板11をヒンジプレート1に取り付けるが、この時、化粧板11の嵌合部11dを軸3の溝3aに嵌合した状態で化粧板11を孔11fを介してねじ33で固定する。この結果、軸3の移動が化粧板11によって禁止されるため、ねじ部材7の緩みを防止することができる。なお、化粧板11には必要に応じてアーム5の突起5aの突出を許容する溝11eあるいは長孔、切欠等を形成することができる。
【0026】
〔第6例の緩み止め機構〕
第6例目の緩み止め機構は、アームに固定手段としての固定プレートを取付け、その固定プレートをヒンジプレートに固定することでアームの揺動を禁止し、間接的にねじ部材の緩みを防止した点に特徴がある。ここでも緩み止め機構を中心に説明する。
図12において、トップピボットのアーム5には、図13に示すようにアームの動きを固定する固定プレート35が、アームに対して接着、スポット、挟持等によって取付けられている。固定プレート35はコ字型に形成され、その両端部を外側に折り曲げして、ヒンジプレート1の面と平行な取付けフランジ36を設け、そのフランジにねじ孔38を形成する。またヒンジプレート1側にはそのフランジ36のねじ孔38に対向する位置にねじ孔37が形成される。アーム5をねじ部材7によって移動させ、軸3が下方に移動して前記軸受10に嵌合し、ドアの取付けが終了した状態となると、固定プレート35に形成したフランジ36がヒンジプレート1の面に当接し、フランジ36に形成したねじ孔38とヒンジプレート1に形成したねじ孔37とが一致する。この状態となったところで取付けねじ34を化粧板11を貫通してヒンジプレート1の下面側から螺合し、フランジ36をヒンジプレート1に固定する。この結果アーム5の移動が禁止され、ねじ部材7の緩みが防止される。
【0027】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、ねじ部材の回転機構、アームと軸との係合部形状等は同様の機能を達成できる他の機構を採用することができる。また、ねじ部材7の緩み止め機構は上述した第2実施形態にも適用できることは当然であり、さらには、ねじ部材の緩み止め機構は従来のトップピボットにも採用することができることは当然である。
さらに、本発明の精神または主要な特徴から逸脱することなく本発明は他の色々な形で実施することができ、そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に述べた如く本発明によれば、特に薄暗い作業現場等において、手の感触だけで確実にドアが建物側上枠に取り付けられたがどうかを簡単に判断することができる。またドアの上端から天井までの距離が短い場合、あるいは建物開口部の上枠の高さが充分でない場合でも簡単にトップピボットを取り付けることができ、ドアの取り付け作業の容易化を実現できる。
また、トップピボットに緩み止め機構を設けることにより、ドアを長期に渡って使用しても、トップピボット内のねじ部材107の緩みを確実の防止することができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るトップピボットの断面図である。
【図2】同トップピボットの軸によってドアを支持した状態の断面図である。
【図3】第2実施形態に係るトップピボットによってドアを支持した状態の断面図である。
【図4】同トップピボットの平面図である。
【図5】第1例の緩み止め機構を備えたトップピボットの本体部の断面図である。
【図6】図5の平面図であり(イ)は正常状態のスナップリングの位置を示す図、(ロ)はねじ部材が矢印方向(緩み方向)に回転した状態図。
【図7】第2例の緩み止め機構を備えたトップピボット本体部の断面図である。
【図8】第3例の緩み止め機構を備えたトップピボット本体部の断面図である。
【図9】第4例の緩み止め機構を備えたトップピボット本体部の断面図である。
【図10】第5例の緩み止め機構を備えたトップピボット本体部の断面図である。
【図11】図10に使用する化粧板の平面図、断面図である。
【図12】第6例の緩み止め機構を備えたトップピボット本体部の断面図である。
【図13】図12に使用するアームに取り付ける固定プレートの拡大平面図である。
【図14】従来のトップピボット本体部の平面図である。
【図15】同トップピボットによりドアを建物開口部枠に取り付けた状態の断面図である。
【符号の説明】
1 ヒンジプレート
1a 孔
2 軸収納ガイド
3 軸
4 支持プレート
5 アーム
5a 突起
6 水平軸
7 ねじ部材
8 ベースプレート
9 軸受保持部材
10 軸受
11 化粧板
11a 孔
12 作業孔
21 スナップリング
22 溝
23 隙間
25、26、28、31、37 ねじ孔
27 緩み止めねじ
29 ストッパねじ
30 平丸ねじ
33 ねじ
34 取付けねじ
35 固定プレート
36 フランジ
Claims (3)
- 本体部とベース部とからなり、本体部をドアの上端もしくはドアの上端に対向する建物側上枠に取り付け、ベース部を対向する建物側上枠もしくはドアの上端に取り付け、本体部に設けたアームをねじ部材によって移動することにより本体部の軸をベース部に設けた軸受に嵌合してピボットを構成するトップピボットにおいて、
前記トップピボットは前記ねじ部材の緩み止め機構を備え、
前記緩み止め機構は前記ねじ部材に嵌合したスナップリングを有し、前記スナップリングは、一端側が他端よりも延長して形成され、延長した端部が前記アームを揺動する支持プレートとアームとの間に嵌入されており、かつ、前記スナップリングは前記ねじ部材が緩みによって回転する時にはねじ部材と一体となって回転し、ねじ部材が工具によって回転される時はねじ部材のみがスナップリングに対して回転可能となるようにねじ部材に嵌合しており、
また、前記アームには前記軸が軸受内に完全に嵌入された時に本体部のヒンジプレートに貫通して形成した孔から突出する長さを有する突起が形成されていることを特徴とするトップピボット。 - 前記突起は、本体部ヒンジプレートに取り付けた化粧板よりも突出していることを特徴とする請求項1に記載のトップピボット。
- 前記本体部をドア上端に取り付けて使用する状態において、前記ねじ部材には工具と嵌合する嵌合部を備え、またドア側面には前記工具を挿入することができる作業孔を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトップピボット。
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