JP3643090B2 - 射出成形機の逆流防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の逆流防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、逆流防止装置を備えたインラインスクリュ式の射出成形機としては、図3に示すような構成が一般に知られている。
【0003】
筒状のシリンダ101は、その先端にシリンダヘッド102が取り付けられており、シリンダ101の内径空間には、スクリュ104が移動自在に配置されている。スクリュ104の先端に形成されているネジ穴107にはスクリュヘッド106が螺入されており、このスクリュヘッド106は、スクリュ104とスクリュヘッド106との間に押し金105を挟んで固定されている。また、スクリュヘッド106と押し金105との間には、逆流防止リング108が、シリンダ101の軸方向に摺動自在に組み込まれている。この逆流防止リング108の外周に形成されている溝117には、C型形状のピストンリング109が嵌め込まれている。
【0004】
このようなインラインスクリュ式の射出成形機においては、シリンダ101とスクリュ104との間の溶融材料通路103にある液状の溶融材料125をスクリュ104の前方に送り込んで射出すべき溶融材料を計量を行う。そして、溶融材料125をスクリュ104の前方に送り込むため、図3に示す位置にまで前進しているスクリュ104を回転させながら図3中右方向へと後退させる。スクリュ104の後退により、溶融材料125は、押し金105と逆流防止リング108との間に形成された溶融材料通路110、スクリュヘッド106と逆流防止リング108との間に形成された溶融材料通路111、112、さらには、シリンダヘッド102とスクリュヘッド106との間に形成された溶融材料通路113を通り、スクリュ104の前方に送り込まれることとなる。
【0005】
スクリュ104の前方に溜められることで計量を終えた溶融材料125は、次いで、スクリュ104が高速で前方に移動することでノズル124から射出され、不図示の金型に送り込まれる。この際、逆流防止リング108が後方の押し金105に押しつけられて溶融材料通路110が閉じ、シール面114が形成される。これにより、スクリュ104の前方に溜められた溶融材料125が、溶融材料通路103まで逆流するのを防止している。さらに、ピストンリング109によって逆流防止リング108の外周面とシリンダ101の内周面との間から溶融材料通路103側への溶融材料125の逆流も防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成においても、実際には逆流が生じる場合があった。すなわち、図3に示すように、逆流防止リング108の溝117と、ピストンリング109との間には隙間116があり、この隙間116に溶融材料125が入り込み、逆流防止リング108の外周面とシリンダ101の内周面との間を通って溶融材料通路103へと流れ込む。また、ピストンリング109の構造上、割面を有するC型の形状であるため、この割面からも逆流が生じている。
【0007】
そこで、本発明は、逆流防止リングとシリンダとの摺動面からの溶融材料の逆流をより抑制することができる、射出成形機の逆流防止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の射出成形機の逆流防止装置は、シリンダ内に、回転可能、かつ前後進可能に配設されたスクリュと、スクリュとスクリュの先端に取り付けられたスクリュヘッドとの間に装着されている、スクリュヘッドの先端側からスクリュ側への溶融材料の逆流を防止する逆流防止リングを有し、溶融材料を射出する射出成形機の逆流防止装置において、
スクリュ側とシリンダヘッド側とを連通させて溶融材料の通路となる、シリンダヘッドの外周に少なくとも1つ形成されている溶融材料通路に案内されて、溶融材料通路内を摺動するツメと、シリンダヘッドのテーパの一部を覆うことでテーパとの間に溶融材料が入る空間を形成し、外側面がシリンダの内周面上を摺動し、溶融材料をシリンダに取り付けられたノズルから押し出す際の圧力を内側面が受けることで膨張する円筒部とが一体的に設けられている逆流防止リングを有する。
【0009】
上記の通りの本発明の射出成形機の逆流防止装置は、逆流防止リングに一体的に設けられている円筒部が、その内側面で、溶融材料が押し出される際の圧力を、テーパとの間に形成された空間内の溶融材料から受けることで膨張する。これにより、シリンダの内周面上を摺動する円筒部の外側面がシリンダの内周面に押しつけられることとなり、シリンダの内周面と円筒部の外側面との隙間を封止することができる。
【0010】
また、本発明の射出成形機の逆流防止装置は、ツメの側面が、スクリュの軸線に対して斜めに交差する方向に形成されている溶融材料通路の側面に接触しながら移動するように設けられているものであってもよい。このような構成とすることで、逆流防止リングが移動する際に、逆流防止リングのツメの側面と溶融材料通路の側面との間で摺動抵抗が作用し、逆流防止リングがスクリュに当接する際の移動衝撃を減少させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1(a)に、本発明の一実施形態である、逆流防止装置を備えたインラインスクリュ式の射出成形機の一部拡大側断面図を、また、図1(b)に、図1(a)のB−B線での断面図をそれぞれ示す。
【0013】
筒状のシリンダ1は、その先端にシリンダヘッド2が取り付けられており、シリンダ1の内径空間には、スクリュ4が移動自在に配置されている。スクリュ4の先端に形成されているネジ穴7にはスクリュヘッド26が螺入されている。このスクリュヘッド26の外周には、シリンダ1の軸線に対して角度αで交差する方向に溝形状の溶融材料通路18が4箇所形成されている。逆流防止リング20は、スクリュヘッド26の溶融材料通路18に嵌り合うツメ22を有しており、溶融材料通路18に沿って摺動可能に設けられている。すなわち、溶融材料通路18は、スクリュ4側とシリンダヘッド2側とを連通させる、溶融材料25の通路であるとともに、ツメ22のガイドとしても機能するものである。また、逆流防止リング20には、スクリュヘッド26のテーパ17の一部を覆うことでテーパ17との間に溶融材料が入る空間21を形成し、外側面20cがシリンダ1の内周面1a上を摺動し、溶融材料25をシリンダ1に取り付けられたノズル24から押し出す際の圧力を内側面20dが受けることで膨張する円筒部20aが一体的に設けられている。
【0014】
次に、本実施形態の射出成形機における、溶融材料の計量時および射出時の逆流防止リング20の動作について、図1および図2を用いて説明する。
【0015】
まず、溶融材料25を計量するため、シリンダ1とスクリュ4との間の溶融材料通路3にある液状の溶融材料25がスクリュ4の前方に送り込まれる。すなわち、スクリュ4が回転しながら図1中右方向へと後退することで、溶融材料通路3にある液状の溶融材料25がスクリュ4の前方に送り込まれる。逆流防止リング20は、スクリュ4の後退によりツメ22が溶融材料通路18に案内されて回転しながらノズル24側へと移動する。逆流防止リング20のノズル24側への移動により逆流防止リング20の後端面20bと、スクリュ4の先端面4aとの間に溶融材料通路19が形成される。そして、溶融材料通路3にある溶融材料25は、スクリュ4が後退するにつれ、溶融材料通路19、18を通って、スクリュ4の前方に送り込まれ、計量がなされることとなる。
【0016】
次に、スクリュ4の前方に溜められることで計量を終えた溶融材料25は、スクリュ4が高速で前方(図1中左方向)に移動することでノズル24から射出され、不図示の金型に送り込まれる。この際、逆流防止リング20は、ツメ22が溶融材料通路18に案内されることで、この溶融材料通路18に沿いながら、すなわち、ツメ22が溶融材料通路18の側面18aと接触しながら、逆流防止リング20の後端面20bがスクリュ4の先端面4aに当接するまで、スクリュ4側へと後退する。そして、逆流防止リング20の後端面20bがスクリュ4の先端面4aに当接することで、溶融材料通路19が閉じ、シール面23が形成されることとなり、溶融材料25が溶融材料通路3側へと逆流するのが防止される。また、上述したように、溶融材料通路18はシリンダ1の軸線に対して角度αで交差する方向に形成されているため、ツメ22の側面22aが溶融材料通路18の側面18aと接触しながら後退するので、摺動抵抗が作用して逆流防止リング20の移動衝撃が減少される。
【0017】
また、逆流防止リング20の後端面20bがスクリュ4の先端面4aに押し当てられた状態で、スクリュ4が溶融材料25を押し出すために前進すると、この押し出し圧力が、スクリュヘッド26のテーパ17と逆流防止リング20の円筒部20aとの間の空間21に充填されている溶融材料25に伝わり、逆流防止リング20の円筒部20aを内側から周方向に押し広げるように作用する。これにより、円筒部20aの外側面20cがシリンダ1の内周面1aに押しつけられることとなり、その隙間が減少する。よって、円筒部20aの外側面20cとシリンダ1の内周面1aとの隙間からの溶融材料25の逆流を低減させることができる。
【0018】
以上のように、本実施形態の逆流防止装置は、逆流防止リングの外周面とシリンダの内周面との隙間からの逆流防止を、ピストンリングによらずに、逆流防止リング20に一体的に設けられ、スクリュ4が前方へと移動する時に発生する射出圧力を利用して膨張する円筒部20aでシーリングすることにより行う。このため、割面を有するピストンリングを用いることで生じていた、割面からの逆流、あるいは、ピストンリングと逆流防止リングとの間からの逆流といったことが起こり得ない。また、本実施形態の逆流防止装置は、ピストンリングが不要であるため、部品点数も少なくて済み、よって、メンテナンスの間隔が延びるため、生産性が向上するとともに、ランニングコストも削減することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、逆流防止リングに一体的に設けられている円筒部が、溶融材料を押し出す際の圧力を、テーパとの間に形成された空間内の溶融材料から受けて膨張し、円筒部の外側面がシリンダの内周面に押しつけられることでシリンダの内周面と円筒部の外側面との隙間を封止することができる。これにより、逆流防止リングとシリンダとの摺動面からの溶融材料の逆流をより効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である、逆流防止装置を備えた射出成形機のシリンダヘッド近傍の一部拡大側断面図、およびB−B線での断面図である。
【図2】図1に示した射出成形機における、溶融材料を射出する際の逆流防止装置の動作を説明する図である。
【図3】従来の、ピストンリングを有する構成の逆流防止装置を備えた射出成形機の一例の、シリンダヘッド近傍の一部拡大側断面図である。
【図4】図3に示した従来の射出成形機における、溶融材料を射出する際の逆流防止装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
1a 内周面
2 シリンダヘッド
3、18、19 溶融材料通路
4 スクリュ
4a 先端面
7 ネジ穴
17 テーパ
18a、22a 側面
20 逆流防止リング
20a 円筒部
20b 後端面
20c 外側面
20d 内側面
21 空間
22 ツメ
23 シール面
24 ノズル
25 溶融材料
26 スクリュヘッド
Claims (2)
- シリンダ内に、回転可能、かつ前後進可能に配設されたスクリュと、前記スクリュと前記スクリュの先端に取り付けられたスクリュヘッドとの間に装着されている、前記スクリュヘッドの先端側から前記スクリュ側への溶融材料の逆流を防止する逆流防止リングを有し、溶融材料を射出する射出成形機の逆流防止装置において、
スクリュ(4)側とシリンダヘッド(2)側とを連通させて溶融材料(25)の通路となる、前記スクリュヘッド(26)の外周に少なくとも1つ形成されている溶融材料通路(18)に案内されて、前記溶融材料通路(18)内を摺動するツメ(22)と、前記スクリュヘッド(26)のテーパ(17)の一部を覆うことで前記テーパ(17)との間に溶融材料が入る空間(21)を形成し、外側面(20c)が前記シリンダ(1)の内周面(1a)上を摺動し、溶融材料を前記シリンダ(1)に取り付けられたノズル(24)から押し出す際の圧力を内側面(20d)が受けることで膨張する円筒部(20a)とが一体的に設けられている逆流防止リング(20)を有することを特徴とする射出成形機の逆流防止装置。 - 前記ツメ(22)の側面(22a)が、前記スクリュ(4)の軸線に対して交差する方向に形成されている前記溶融材料通路(18)の側面(18a)に接触しながら移動するように設けられている、請求項1に記載の射出成形機の逆流防止装置。
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