JPS6227381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は予備可塑化装置（以下プリプラ装置と
いう）からの溶融樹脂を一旦射出プランジヤの前
方に蓄積した後、前記プランジヤを前進させて前
記蓄積された溶融樹脂を射出するプリプラ方式の
射出成形機の射出プランジヤに関する。

従来のプリプラ方式による射出成形機の射出プ
ランジヤについて第１図により説明すると、予備
可塑化された溶融樹脂が流入口１から射出シリン
ダ２の内径面と射出プランジヤ３の前方に出来る
空隙部４へ一旦蓄積され、前記射出プランジヤ３
は鎖線３ａで示す位置まで前進（図中左行する）
することにより前記空隙部４へ蓄積された溶融樹
脂がノズル５より射出されるようになつている
が、前記射出プランジヤ３の前進する際、シリン
ダ内壁面と射出プランジヤ３の間の僅かな隙間
（以下プランジヤシール部という）より射出圧力
のため前記溶融樹脂がいわゆるバツクフローとな
つて洩れる。それが射出プランジヤ３の裏側Ａ等
に滞留し、樹脂の色替え、原料替え等の際に問題
となる。

本考案は前述のような欠点を取除き、プランジ
ヤシール部からのバツクフローをなくすととも
に、色替え、原料替えが容易に出来るような射出
プランジヤを提供することであり、さらに詳しく
本考案について説明すると溶融樹脂射出用ノズル
に対向するヘツド部は外側面と射出シリンダ内径
面との間にリング状樹脂流路を形成するととも
に、前記リング状樹脂路に溶融樹脂のバツクフロ
ーを防止する逆止弁を設け、前記ヘツド部の上流
側は前記射出シリンダ内径面との間に管状の空隙
部を形成し、前記リング状の樹脂流路に連通する
ようにした前記ヘツド部と一体的で細径のロツド
部から成るプランジヤを設け、かつ、同ロツド部
外周部に前記管状の空隙部内を内外径に僅かな間
隙を保ちつつ前記プランジヤ部の動きと別個に往
復運動する管状プランジヤを設けるとともに前記
プリプラ装置からの溶融樹脂の供給口が常に前記
逆止弁の上流位置になるようにした射出プランジ
ヤである。

次に本考案の一実施例を第２図および第３図に
より説明すると、１１は射出シリンダで、内径部
に油圧シリンダ１２により軸方向に進退するプラ
ンジヤ１３が挿着されている。前記プランジヤ１
３は前記射出シリンダ１１の先端にある樹脂射出
用ノズル１４に対向したヘツド部１５と、前記射
出シリンダ１１の内径面との間に管状の空隙部１
６を形成する樹脂の流れに対し上流側にある前記
ヘツド部１５より細径のロツド部１７より成つて
いる。前記ヘツド部１５の外径面は前記射出シリ
ンダ１１の内径面との間に狭いリング状の樹脂流
路２４を形成し、前記管状空隙部１６とが連通し
ている。また前記射出シリンダ１１には図示して
いないプリプラ装置から供給される溶融樹脂が常
に前記管状空隙部１６内に開口されるようにその
供給口１８が設けてある。そして、前記ヘツド部
１５には、前記管状空隙部１６側から前記リング
状の樹脂流路２４側へは流れるが、その逆は流れ
ることが出来ない逆止弁１９が設けてある。２０
は管状プランジヤで、前記空隙部１６内を内外径
が夫々前記ロツド部１７および射出シリンダ１１
の内径面との間に僅かな隙間を保ちつつ前記プラ
ンジヤ１３とは別個に副油圧シリンダ２１により
進退運動するものである。２２は前記管状プラン
ジヤ２０を回動させる回動用油圧シリンダで射出
時、即ち、管状プランジヤ２０が図中左進し、前
記空隙部１６内に入つている溶融樹脂を前方（図
中左進行する）へ押出す時、前記プリプラ装置か
らの原料供給口１８へ、前記空隙部１６内の溶融
樹脂が逆流しないように同管状プランジヤ２０が
回動することにより前記供給口１８が閉鎖される
ようになつており、かつ、計量時に前記供給口１
８からの溶融樹脂が前記空隙部１６へ入るよう、
前記供給口１８と管状空隙部１６が連絡するよう
な射出ストロークに見合つた長さの前記供給口１
８と同一巾の溝２３が計量時の供給口１８に対向
した外側面に設けてある。また前記管状プランジ
ヤ２０の前記空隙部１６に対向する先端部Ｂは、
前記供給口１８から導入される溶融樹脂の流れを
滑かにする為、プランジヤ軸心と直角を成す面に
対し、一定角度を成す傾斜面となつている。

以上のように構成されており、次にその作用動
作について説明すると、供給口１８から射出シリ
ンダ１１内へ流入した溶融樹脂は前記管状空隙部
１６を充満させ、逆止弁１９を経てヘツド部１５
の前方に出来る射出シリンダ１１の内径面と前記
ヘツド部１５によつて形成される空隙部へ計量さ
れ、貯績される。この間、プランジヤ１３は油圧
シリンダ１２で設定された背圧に打ち勝つて、図
中右方向へ所定位置まで移動後退する。プランジ
ヤ１３および管状プランジヤ２０が後退限まで達
すると、油圧シリンダ１２および副油圧シリンダ
２１の作動油出入ポート（図示してない）は閉鎖
され、油圧回路はブロツク状態となる。次いで射
出状態に入り、先づ回動用油圧シリンダ２２が作
動し、前記管状プランジヤ２０が軸心を中心に
180゜回動し、射出シリンダ１１に設けてあるプ
リプラ装置からの溶融樹脂の入口である供給口１
８を塞ぐと、油圧シリンダ１２によりプランジヤ
１３が図中左進し、前記計量された溶融樹脂をノ
ズル１４より図示してない金型キヤビテイ内へ射
出する。金型キヤビテイ内への樹脂の充填が完了
すると、今度は副シリンダ２１により管状シリン
ダ２０が前進（図中左行する）し、保圧工程を行
う。次に計量工程に入ると、前記管状プランジヤ
２０は、180゜回動し元の位置となると、前記供
給口１８と、管状空隙部１６が溝２３により連絡
され、プリプラ装置からの溶融樹脂が、供給口１
８→溝２３→空隙部１６の順に流れ、更に、リン
グ状樹脂路２４を通り、前述したような順序でま
た工程が繰返される。

以上説明したような作用動作が行われる結果当
初に掲げたような従来の欠点は取除かれ、バツク
フローによる心配もなくなり色替え、原料替え時
の煩しさがなくなり、また、管状プランジヤを設
けることにより、原料供給口へ特別な逆流防止を
施こさなくてもよいばかりか、プランジヤで金型
キヤビテイ内への充填を行つたまゝの状態で前記
管状プランジヤを前進させ、プランジヤヘツド部
の外径面のせまいリング状の樹脂路を高速度で溶
融樹脂を通過させることにより色替え、原料替え
もより効果的に出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の図。第２図は本考案の１実
施例を示す図。第３図はその説明図で、管状プラ
ンジヤの溝部を示す斜視図。 １１……射出シリンダ、１３……プランジヤ、
１６……管状空隙部、１８……溶融樹脂供給口、
２０……管状プランジヤ、２３……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 予備可塑化装置からの溶融樹脂を一旦射出プ
   ランジヤの前方に蓄積した後、前記射出プラン
   ジヤを前進させ、前記蓄積された溶融樹脂をノ
   ズルより射出するプリプラ方式の射出成形機の
   射出プランジヤにおいて、前記ノズルに対向す
   るヘツド部は外径面と射出シリンダ内径面との
   間に狭いリング状の樹脂流路を形成するととも
   に前記リング状樹脂流路に逆止弁を設け、前記
   ヘツド部の上流側は射出シリンダ内径面との間
   に管状の空隙部を形成し前記リング状の樹脂流
   路に連通するようにした前記ヘツド部と一体的
   で細径のロツド部から成るプランジヤを設け、
   かつ前記ロツド部外周に前記管状の空隙部内を
   内外径に僅かな間隙を保ちつつ前記ロツド部の
   動きと別個に往復運動をする管状プランジヤを
   設けるとともに、前記可塑化装置からの溶融樹
   脂供給口が常に前記逆止弁の樹脂の流れに対し
   上流位置となるようにしたことを特徴とする射
   出成形機の射出プランジヤ。 ２ 前記実用新案登録請求の範囲第１項記載の管
   状プランジヤにおいて、前記管状空隙部に対向
   した先端面を射出プランジヤの軸心と直角な面
   に対し一定角度を成す傾斜面とするとともに外
   側面には計量時に前記供給口と管状空隙部を連
   絡するような射出ストロークに見合う長さの前
   記溶融樹脂供給口と同一巾の溝を計量時の前記
   供給口に対向した外側面に設け射出時には前記
   可塑化装置からの溶融樹脂の供給口を閉鎖する
   べく前記軸心を中心に回動可能としたことを特
   徴とする射出成形機等の射出プランジヤ。