JP2871988B2 - 射出成形機 - Google Patents

射出成形機

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JP2871988B2
JP2871988B2 JP1721893A JP1721893A JP2871988B2 JP 2871988 B2 JP2871988 B2 JP 2871988B2 JP 1721893 A JP1721893 A JP 1721893A JP 1721893 A JP1721893 A JP 1721893A JP 2871988 B2 JP2871988 B2 JP 2871988B2
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heating cylinder
ring
resin
injection
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齊 原
裕幸 岡村
信一 阿部
博義 数面
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂、ガラス等を可塑
化し、金型のキャビティ内に充填(じゅうてん)する射
出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱シリンダ内で加熱され溶融さ
れた樹脂を高圧で金型のキャビティ内に充填し、冷却
し、固化又は硬化させ、続いて金型を開いて成形品を取
り出すようにした射出成形機には、プランジャを進退さ
せて射出成形するプランジャ型のものと、スクリューを
進退させて射出成形するスクリュー型のものがあるが、
プランジャ型のものはスクリュー型のものに比べて樹脂
の可塑化能力の点で劣り、また、射出圧力の損失が大き
いなどの理由で、一般にはスクリュー型のものが使用さ
れている。
【0003】図2は従来のスクリュー型の射出成形機の
スクリューヘッドの要部断面図である。図において、射
出成形機の加熱シリンダ1内にスクリュー2が回転自在
にかつ進退進自在に配設されている。ここで、該スクリ
ュー2は射出成形ショットを終了した状態にあるが、続
いて計量工程に入り、次の射出成形ショットに向けて、
樹脂を加熱し溶融してスクリューヘッド9の先端に蓄え
る。そのため、スクリュー2が図示しない駆動系によっ
て駆動されて後退し、この時、図示しないホッパーから
供給された樹脂が、前記スクリュー2の回転によって溝
3の中を前方に移動しながら加熱シリンダ1内で加熱さ
れ溶融されて、スクリューヘッド9の先端に蓄えられ
る。そして、溶融に伴い発生する加熱シリンダ1内の樹
脂の圧力は、スクリュー2に対する反力となり、該反力
でスクリュー2が後退するようになっている。
【0004】続いて射出工程において、スクリュー2を
前記駆動系によって前方に押し出すことにより、スクリ
ューヘッド9の先端に蓄えられた樹脂は射出ノズル4か
ら射出され、図示しない金型のキャビティ内に充填され
る。ここで、前記樹脂は、射出される際に加えられる射
出圧力に対する反力によって、その一部が前記スクリュ
ー2の溝3を伝わって後方に逆流しようとする。そこ
で、これを防止するため、スクリュー2の前方に逆止リ
ング6が配設されている。そして、前記逆止リング6が
スクリュー2から抜けないように、スクリュー2のスク
リュー本体部8とスクリューヘッド9を別体で形成し、
ねじ部14を螺合(らごう)することによって両者を固
定するようにしている。
【0005】また、スクリューヘッド9は大径部9aと
小径部9bを有していて、大径部9aの外径を前記逆止
リング6の内径より大きくしてあり、逆止リング6が抜
けないようになっている。さらに、前記逆止リング6は
スクリューヘッド9の小径部9bとの間に環状の樹脂流
路10を形成しており、スクリュー2が後退する計量工
程においては樹脂流路10を開放し、該樹脂流路10を
介して樹脂をスクリューヘッド9の先端に送る。一方、
スクリュー2が前進する射出工程においては、前記逆止
リング6はシールリング11に当接することによって前
記樹脂流路10を閉鎖し、樹脂が逆流するのを防止す
る。なお、12は逆止リング6とスクリューヘッド9が
相対的に回転するのを防止するための係止部である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の射出成形機においては、逆止リング6がスクリュー
2から抜けないように、スクリュー2のスクリュー本体
部8とスクリューヘッド9を別体で形成し、ねじ部14
を螺合することによって両者を固定するようにしてい
る。したがって、構造が複雑になって製造コストが高く
なるだけでなく、ねじ部14が破損しやすく、破損する
たびに加熱シリンダ1からスクリュー2を抜き出し、ス
クリュー2のスクリュー本体部8やスクリューヘッド9
を交換する必要があり、その間射出成形サイクルを停止
しなければならず生産性が低下してしまう。
【0007】また、逆止リング6が正常に作動しないこ
とがあり、一部の樹脂が逆流して十分な量の樹脂が射出
されず、成形品の品質にばらつきが発生してしまうだけ
でなく、精密な成形品や肉薄な成形品を成形することが
できない。さらに、逆止リング6の構造が複雑であるた
め、逆止リング6の前後に樹脂が滞留し、滞留した樹脂
によって樹脂やけや黒点などが発生してしまう。
【0008】本発明は、前記従来の射出成形機の問題点
を解決して、逆止リングを配設することなく射出及び計
量を行うことができ、スクリューの耐久性を高くするこ
とができ、また、成形品の品質にばらつきが発生せず、
精密な成形品や肉薄な成形品を成形することができ、し
かも、滞留した樹脂によって樹脂やけや黒点などが発生
することのない射出成形機を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の射
出成形機においては、加熱シリンダと、該加熱シリンダ
内に回転自在に配設され、前方の射出最前進位置と後方
の計量位置との間で進退させられるスクリューとを有す
る。そして、前記加熱シリンダの内周面には、スクリュ
ーの計量位置に対応する部分に凹部が形成され、該凹部
に、真空源と加熱シリンダの内部とを選択的に連通する
脱気装置が配設される。また、前記スクリューはスクリ
ュー本体部の前方にリング状部を備え、該リング状部
は、前記射出最前進位置と計量位置との間において、加
熱シリンダの内周面と対向してシール面を形成するとと
もに、前記計量位置において、前記凹部と対向してリン
グ状部の前方と後方とを連通する間隙(げき)を形成す
る。
【0010】本発明の他の射出成形機においては、加熱
シリンダと、該加熱シリンダ内に回転自在に配設され、
前方の射出最前進位置と後方の計量位置との間で進退さ
せられるスクリューとを有する。そして、前記加熱シリ
ンダの内周面の前記計量位置に対応する部分には、少な
くとも計量時に凹部を形成する凹部形成手段が配設さ
れ、前記スクリューはスクリュー本体部の前方にリング
状部を備える。また、該リング状部は、前記射出最前進
位置と計量位置との間において、加熱シリンダの内周面
と対向してシール面を形成するとともに、前記計量位置
において、前記凹部と対向してリング状部の前方と後方
とを連通する間隙を形成する。
【0011】本発明の更に他の射出成形機においては、
さらに、前記凹部形成手段は、凹部を選択的に閉鎖する
閉鎖部材を備える。本発明の更に他の射出成形機におい
ては、さらに、前記凹部に、真空源と前記加熱シリンダ
の内部とを選択的に連通する脱気装置が配設される。本
発明の更に他の射出成形機においては、さらに、前記凹
部に、加熱シリンダ内の状態を検出する状態検出手段が
配設される。
【0012】
【作用】本発明によれば、前記のように射出成形機にお
いては、加熱シリンダと、該加熱シリンダ内に回転自在
に配設され、前方の射出最前進位置と後方の計量位置と
の間で進退させられるスクリューとを有する。そして、
前記加熱シリンダの内周面には、スクリューの計量位置
に対応する部分に凹部が形成され、該凹部に、真空源と
加熱シリンダの内部とを選択的に連通する脱気装置が配
設される。また、前記スクリューはスクリュー本体部の
前方にリング状部を備え、該リング状部は、前記射出最
前進位置と計量位置との間において、加熱シリンダの内
周面と対向してシール面を形成するとともに、前記計量
位置において、前記凹部と対向してリング状部の前方と
後方とを連通する間隙を形成する。
【0013】この場合、前記計量位置においてスクリュ
ーを回転させると、加熱シリンダ内において、リング状
部の後方の樹脂が、前方に移動しながら加熱され溶融さ
せられ、前記間隙を通って前方の樹脂貯蔵部に供給され
る。そして、射出時において、スクリューが射出開始位
置まで前進させられる間は、リング状部が加熱シリンダ
の内周面と対向してシール面を形成するので、前記リン
グ状部より前方の樹脂が後方に逆流することがない。し
たがって、前記樹脂貯蔵部の樹脂は、リング状部によっ
て前方に押され、射出ノズルから射出される。
【0014】そして、射出が終了すると、スクリューを
回転させることなく計量位置まで強制的に後退させる。
その結果、前記凹部とリング状部との間に間隙が形成さ
れるので、スクリューを回転させることによって計量を
行うことができる。また、前記凹部に、真空源と前記加
熱シリンダの内部とを選択的に連通する脱気装置が配設
されるので、射出終了位置から計量位置までスクリュー
を後退させたときに、前記脱気装置によって樹脂から遊
離された水分、ガス分等が排出される。
【0015】本発明の他の射出成形機においては、加熱
シリンダと、該加熱シリンダ内に回転自在に配設され、
前方の射出最前進位置と後方の計量位置との間で進退さ
せられるスクリューとを有する。そして、前記加熱シリ
ンダの内周面の前記計量位置に対応する部分には、少な
くとも計量時に凹部を形成する凹部形成手段が配設さ
れ、前記スクリューはスクリュー本体部の前方にリング
状部を備える。また、該リング状部は、前記射出最前進
位置と計量位置との間において、加熱シリンダの内周面
と対向してシール面を形成するとともに、前記計量位置
において、前記凹部と対向してリング状部の前方と後方
とを連通する間隙を形成する。
【0016】この場合、前記計量位置において、前記凹
部形成手段によって凹部が形成され、この状態でスクリ
ューを回転させると、加熱シリンダ内において、リング
状部の後方の樹脂が、前方に移動しながら加熱され溶融
させられ、前記間隙を通って前方の樹脂貯蔵部に供給さ
れる。そして、射出時において、スクリューが射出開始
位置から射出最前進位置に前進させられる間は、リング
状部が加熱シリンダの内周面と対向してシール面を形成
するので、前記リング状部より前方の樹脂が後方に逆流
することがない。したがって、前記樹脂貯蔵部の樹脂
は、リング状部によって前方に押され、射出ノズルから
射出される。
【0017】そして、射出が終了すると、スクリューを
回転させることなく計量位置まで強制的に後退させる。
その結果、前記凹部とリング状部との間に間隙が形成さ
れるので、スクリューを回転させることによって計量を
行うことができる。
【0018】本発明の更に他の射出成形機においては、
さらに、前記凹部形成手段は、凹部を選択的に閉鎖する
閉鎖部材を備える。この場合、例えば、計量時以外にお
いて、閉鎖部材によって凹部を閉鎖することができる。
本発明の更に他の射出成形機においては、さらに、前記
凹部に、真空源と前記加熱シリンダの内部とを選択的に
連通する脱気装置が配設される。この場合、射出終了位
置から計量位置までスクリューを後退させたときに、脱
気装置によって樹脂から遊離された水分、ガス分等が排
出される。本発明の更に他の射出成形機においては、さ
らに、前記凹部に、加熱シリンダ内の状態を検出する状
態検出手段が配設される。この場合、該状態検出手段に
よって樹脂貯蔵部内に樹脂が満たされたことが検出され
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例を
示す射出成形機の要部断面図、図3は本発明の第1の実
施例における計量時のスクリューの状態図、図4は本発
明の第1の実施例における射出時のスクリューの状態図
である。
【0020】図において、1は加熱シリンダである。該
加熱シリンダ1は、加熱シリンダ本体部20、該加熱シ
リンダ本体部20の先端に取り付けられたアダプタ21
及び該アダプタ21の先端に取り付けられたノズル取付
体22から成る。また、該ノズル取付体22の先端に射
出ノズル23が取り付けられる。そして、26は固定プ
ラテン、27は該固定プラテン26に取り付けられた固
定金型、28は図示しないタイバーに沿って摺動(しゅ
うどう)する可動プラテン、29は該可動プラテン28
に取り付けられた可動金型である。前記固定金型27と
可動金型29の間にキャビティ30が形成され、前記射
出ノズル23から射出された樹脂をキャビティ30に送
るためにスプルー31が形成される。
【0021】前記加熱シリンダ1内にはスクリュー33
が回転自在にかつ進退自在に配設されている。そして、
該スクリュー33の後端にオイルモータなどの回転駆動
装置35が配設されている。前記スクリュー33は先端
に形成された円錐部33a、該円錐部33aに続いて形
成されたリング状部33b及びヘリカルな溝34を形成
したスクリュー本体部33cから成る。そして、加熱シ
リンダ1内でスクリュー33を移動させることができる
ように、前記リング状部33bの外径を加熱シリンダ1
の内径よりわずかに小さくしている。また、該リング状
部33bには特に耐摩耗性を向上させるため、窒化チタ
ン(チタニウムナイトライド)系のコーティングを施
す。
【0022】前記構成の射出成形機において、次の射出
成形ショットに向けて計量を開始する場合、図3に示す
ように、スクリュー33は計量位置に置かれる。そのた
め、アダプタ21の内周面におけるスクリュー33の計
量位置に対応する部分に凹部36が形成される。該凹部
36は前記アダプタ21の内周に沿って形成され、スク
リュー33を計量位置に置いた時に前記リング状部33
bが前記凹部36と対向し、前記リング状部33bの前
方と後方を連通する環状の間隙38が形成されるように
なっている。
【0023】そして、前記スクリュー33を計量位置に
置くと、前記間隙38は前記リング状部33bの前方と
後方の間に開口部を有する樹脂の流路となる。なお、本
実施例においては、前記凹部36をアダプタ21の内周
面において円周方向の全体に形成しているが、円周方向
の一部のみに形成することもできる。この場合、前記間
隙38の形状は異なるものになるこの状態で、前記スク
リュー33は回転駆動装置35によって回転させられ、
ホッパー40内の樹脂が、前記スクリュー33の回転に
よって溝34の中を前方に移動しながら加熱シリンダ1
内で加熱され溶融され、前記間隙38を通って前方の樹
脂貯蔵部43に供給される。前記凹部36の内周面に
は、樹脂の流れを円滑にするための表面処理が施され
る。
【0024】この時、射出ノズル23は前回の射出成形
ショットのままの状態に置かれ、前記スプルー31によ
って開口が閉鎖されており、樹脂は樹脂貯蔵部43に送
られ続ける。そして、樹脂が樹脂貯蔵部43を満たすと
前記スクリュー33の回転は停止させられるようになっ
ている。そのため、前記凹部36に加熱シリンダ1内の
状態検出手段としての樹脂圧センサ45が配設され、該
樹脂圧センサ45によって樹脂圧力が検出され、検出信
号が図示しない制御装置に送られるようになっている。
なお、前記凹部36には、図示しない温度センサなどの
他の状態検出手段を配設することもできる。
【0025】この間、前回の射出成形ショットの樹脂は
キャビティ30内で冷却されており、冷却が終了すると
型開きが行われ、成形品が図示しないエジェクト装置に
よって突き出される。そして、再び型閉じ及び型締めが
行われ、射出が開始される。すなわち、射出時において
は、スクリュー33が図示しない射出シリンダなどによ
って射出最前進位置まで前進させられる。この時、図4
に示すようにリング状部33bはアダプタ21の内周面
と対向してシール面aを形成するため、前記リング状部
33bより前方の樹脂が後方に逆流することはない。し
たがって、前記樹脂貯蔵部43の樹脂は、リング状部3
3bによって前方に押され射出ノズル23から射出され
る。
【0026】図1において破線は、スクリュー33の射
出最前進位置を示しているが、通常は、スクリュー33
が射出開始位置から前記射出最前進位置に至るまでに射
出終了位置に至り、樹脂が前記キャビティ30を満た
す。そこで、その時の樹脂の抵抗などを検出して保圧工
程や冷却工程に移行させることができる。この場合、従
来の逆止リングのようにスクリュー33の前進に伴って
移動する部材はないので、樹脂のバックフロー量が少な
い。したがって、射出される樹脂の量や速度を一定にす
ることができ、成形品の品質にばらつきが発生すること
がなくなるとともに、精密な成形品や肉薄な成形品を成
形することが可能になる。
【0027】また、構造が簡素化され、スクリュー33
が破損するのを防止することができるだけでなく、樹脂
が滞留することがなくなるため、樹脂やけや黒点などが
発生するのを防止することができる。続いて、射出が終
了すると、前記スクリュー33が射出シリンダなどによ
って図1及び3に示す計量位置まで強制的に後退させら
れる。この後退によって樹脂貯蔵部43内は減圧され
る。
【0028】この状態で再び次の射出成形ショットのた
めの計量が開始されるが、前記樹脂貯蔵部43が減圧さ
れているため、前記リング状部33bより後方に残存し
ている樹脂から水分やガス分が遊離される。そして、成
形品に流れ模様(シルバーストリーク)や気泡が発生し
たり、ガス分を巻き込んで樹脂の充填を困難にしてショ
ートが発生したり、加水分解作用によって成形品の強度
が不足したり、遊離したハロゲンガスがゲートなどの狭
路を通って更に高温になるとともに活性化し、両金型2
7,29を損傷してしまう。そこで、樹脂から水分やガ
ス分が遊離されないように、図示しない除湿ドライヤー
などを使用して樹脂を乾燥させることが考えられる。
【0029】ところが、除湿ドライヤーなどを使用する
と、その分イニシャルコストが高くなるだけでなく、占
有面積が大きくなり、また、高温ガスが排気されたり、
樹脂を変更した時に除湿ドライヤーの内部を掃除しなけ
ればならない。本実施例においては、前記アダプタ21
に脱気装置61を取り付け、樹脂から遊離された水分や
ガス分を該脱気装置61によって排出するようにしてい
る。
【0030】そのため、前記凹部36に開口するように
脱気流路63が形成され、該脱気流路63はホース64
を介して真空源としての図示しない真空ポンプに連通し
ている。そして、脱気流路63の開口に弁座65が形成
され、該弁座65に対し接離自在に弁66が配設され
る。該弁66はシリンダ68に連結されており、該シリ
ンダ68を作動することによって弁66を開閉させるこ
とができる。
【0031】この場合、前記弁66は前記スクリュー3
3を強制的に後退させ、計量を開始する前に開放され
る。したがって、前記樹脂貯蔵部43が減圧されること
によって遊離された水分やガス分は、前記脱気流路63
及びホース64を通って外部に排出される。脱気が終了
すると、弁66が閉鎖され、スクリュー33が回転させ
られて計量が開始される。
【0032】なお、射出される樹脂の量を多くする場合
は、前記ノズル取付体22を変更して樹脂貯蔵部43を
長くすればよい。また、前記スクリュー33を強制的に
後退させた時に、前記リング状部33bより後方に残存
している樹脂が前方に引かれ、前記脱気流路63を樹脂
が上昇してベントアップする可能性がある場合は、前記
計量位置より更に後方の脱気位置までスクリュー33を
後退させるとよい。
【0033】次に、脱気時にスクリュー33を脱気位置
に後退させるようにした本発明の第2の実施例について
説明する。図5は本発明の第2の実施例における脱気時
のスクリューの状態図である。図において、21はアダ
プタ、33はスクリュー、33aは円錐部、33bはリ
ング状部、33cはスクリュー本体部、34は溝、36
は凹部、45は樹脂圧センサ、63は脱気流路、65は
弁座、66は弁である。
【0034】この場合、射出が終了してスクリュー33
を強制的に後退させた時に、該スクリュー33は前記計
量位置より後方の脱気位置に置かれ、アダプタ21の内
周面にリング状部33bが対向してシール面bを形成す
るため、前記リング状部33bより後方に残存している
樹脂が前方に引かれることはない。この状態で、前記弁
66を開放すると、遊離された水分やガス分は、前記脱
気流路63及びホース64(図1)を通って外部に排出
される。脱気が終了すると、弁66が閉鎖され、スクリ
ュー33が前進させられて図1及び3に示す計量位置に
置かれ、計量が開始される。
【0035】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図6は本発明の第3の実施例を示す射出成形機の
要部拡大図である。図において、21はアダプタ、33
はスクリュー、33aは円錐部、33bはリング状部、
71はアダプタ21の内周面に形成された開口、72は
凹部形成手段としての弁、73は脱気流路である。
【0036】この場合、アダプタ21におけるスクリュ
ー33の計量位置に対応する位置に開口71が形成され
る。該開口71は前記アダプタ21の内周のあらかじめ
設定された箇所に形成され、該開口71内にピストン状
に摺動する弁72が配設される。前記開口71及び弁7
2は、前記リング状部33bの前後にわたるだけの大き
さを有しており、前記弁72が一段(破線で示す位置ま
で)後退すると、凹部が形成される。そして、該凹部と
リング状部33bによって、前記リング状部33bの前
方と後方を連通する間隙が形成される。したがって、前
記スクリュー33を計量位置に置くことによって、計量
が可能になる。
【0037】また、前記弁72がもう一段(一点鎖線で
示す位置まで)後退すると、凹部が脱気流路73と連通
し、脱気が可能になる。なお、本発明は前記実施例に限
定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変
形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排
除するものではない。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、射出成形機においては、加熱シリンダと、該加熱
シリンダ内に回転自在に配設され、前方の射出最前進位
置と後方の計量位置との間で進退させられるスクリュー
とを有する。そして、前記加熱シリンダの内周面には、
スクリューの計量位置に対応する部分に凹部が形成さ
れ、該凹部に、真空源と加熱シリンダの内部とを選択的
に連通する脱気装置が配設される。また、前記スクリュ
ーはスクリュー本体部の前方にリング状部を備え、該リ
ング状部は、前記射出最前進位置と計量位置との間にお
いて、加熱シリンダの内周面と対向してシール面を形成
するとともに、前記計量位置において、前記凹部と対向
してリング状部の前方と後方とを連通する間隙を形成す
る。
【0039】この場合、射出時において、従来の逆止リ
ングのようにスクリューの前進に伴って移動する部材が
ないので、樹脂のバックフロー量が少なくなる。その結
果、射出される樹脂の量、速度等を一定にすることがで
き、成形品の品質にばらつきが発生することがなくなる
とともに、精密な成形品や肉薄な成形品を成形すること
ができる。
【0040】さらに、射出成形機の構造を簡素化するこ
とができ、スクリューが破損するのを防止することがで
きるだけでなく、樹脂が滞留することがなくなるので、
樹脂やけ、黒点等が発生するのを防止することができ
る。また、前記凹部に脱気装置が配設されるので、射出
終了位置から計量位置までスクリューを後退させるとき
に、脱気装置によって樹脂から遊離された水分、ガス分
等を排出することができる。したがって、成形品の品質
を向上させることができる。
【0041】本発明の他の射出成形機においては、加熱
シリンダと、該加熱シリンダ内に回転自在に配設され、
前方の射出最前進位置と後方の計量位置との間で進退さ
せられるスクリューとを有する。そして、前記加熱シリ
ンダの内周面の前記計量位置に対応する部分には、少な
くとも計量時に凹部を形成する凹部形成手段が配設さ
れ、前記スクリューはスクリュー本体部の前方にリング
状部を備える。また、該リング状部は、前記射出最前進
位置と計量位置との間において、加熱シリンダの内周面
と対向してシール面を形成するとともに、前記計量位置
において、前記凹部と対向してリング状部の前方と後方
とを連通する間隙を形成する。
【0042】この場合、射出時において、従来の逆止リ
ングのようにスクリューの前進に伴って移動する部材が
ないので、樹脂のバックフロー量が少なくなる。その結
果、射出される樹脂の量、速度等を一定にすることがで
き、成形品の品質にばらつきが発生することがなくなる
とともに、精密な成形品や肉薄な成形品を成形すること
ができる。
【0043】さらに、射出成形機の構造を簡素化するこ
とができ、スクリューが破損するのを防止することがで
きるだけでなく、樹脂が滞留することがなくなるので、
樹脂やけ、黒点等が発生するのを防止することができ
る。
【0044】本発明の更に他の射出成形機においては、
さらに、前記凹部形成手段は、凹部を選択的に閉鎖する
閉鎖部材を備える。この場合、例えば、計量時以外にお
いて、閉鎖部材によって凹部を閉鎖することができる。
本発明の更に他の射出成形機においては、さらに、前記
凹部に、真空源と前記加熱シリンダの内部とを選択的に
連通する脱気装置が配設される。この場合、射出終了位
置から計量位置までスクリューを後退させたときに、脱
気装置によって樹脂から遊離された水分、ガス分等が排
出される。したがって、成形品の品質を向上させること
ができる。本発明の更に他の射出成形機においては、さ
らに、前記凹部に、加熱シリンダ内の状態を検出する状
態検出手段が配設される。この場合、該状態検出手段に
よって樹脂貯蔵部内に樹脂が満たされたことが検出され
ると、スクリューの回転を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す射出成形機の要部
断面図である。
【図2】従来のスクリュー型の射出成形機のスクリュー
ヘッドの要部断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例における計量時のスクリ
ューの状態図である。
【図4】本発明の第1の実施例における射出時のスクリ
ューの状態図である。
【図5】本発明の第2の実施例における脱気時のスクリ
ューの状態図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す射出成形機の要部
拡大図である。
【符号の説明】
1 加熱シリンダ 33 スクリュー 33b リング状部 33c スクリュー本体部 36 凹部 38 間隙 45 樹脂センサ 61 脱気装置 a,b シール面 72 弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 裕幸 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731番地の 1 住友重機械工業株式会社千葉製造所 内 (72)発明者 阿部 信一 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731番地の 1 住友重機械工業株式会社千葉製造所 内 (72)発明者 数面 博義 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731番地の 1 住友重機械工業株式会社千葉製造所 内 (56)参考文献 特開 昭62−83120(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/46 - 45/52 B29C 45/58 - 45/63 B29C 45/76 - 45/78

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)加熱シリンダと、 (b)該加熱シリンダ内に回転自在に配設され、前方の
    射出最前進位置と後方の計量位置の間で進退させられ
    るスクリューを有するとともに、 (c)前記加熱シリンダの内周面には、スクリューの計
    量位置に対応する部分に凹部が形成され、 (d)該凹部に、真空源と加熱シリンダの内部とを選択
    的に連通する脱気装置が配設され、 (e)前記スクリューはスクリュー本体部の前方にリン
    グ状部を備え、(f) 該リング状部は、前記射出最前進位置と計量位置
    の間において加熱シリンダの内周面と対向してシー
    ル面を形成するとともに、前記計量位置において前記
    凹部と対向してリング状部の前方と後方を連通する間
    隙を形成することを特徴とする射出成形機。
  2. 【請求項2】 (a)加熱シリンダと、 (b)該加熱シリンダ内に回転自在に配設され、前方の
    射出最前進位置と後方の計量位置の間で進退させられ
    るスクリューを有するとともに、 (c)前記加熱シリンダの内周面の前記計量位置に対応
    する部分には、少なくとも計量時に凹部を形成する凹部
    形成手段が配設され、 (d)前記スクリューはスクリュー本体部の前方にリン
    グ状部を備え、 (e)該リング状部は、前記射出最前進位置と計量位置
    の間において加熱シリンダの内周面と対向してシー
    ル面を形成するとともに、前記計量位置において前記
    凹部と対向してリング状部の前方と後方を連通する間
    隙を形成することを特徴とする射出成形機。
  3. 【請求項3】 前記凹部形成手段は、凹部を選択的に閉
    鎖する閉鎖部材を備え請求項2に記載の射出成形機。
  4. 【請求項4】 前記凹部、真空源と前記加熱シリンダ
    の内部を選択的に連通する脱気装置が配設される請求
    項2に記載の射出成形機。
  5. 【請求項5】 前記凹部、加熱シリンダ内の状態を検
    出する状態検出手段が配設される請求項1又は2に記載
    の射出成形機。
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