JP3642980B2 - 蓄冷式冷凍機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄冷式冷凍機に関するものであって、とくに高解像度赤外線カメラその他の低温で動作する高感度センサを冷却し、あるいは生鮮食料品を低温に急速冷凍するなどといった用途に供される蓄冷式冷凍機において、その立ち上げ時間を短縮するのに有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高解像度赤外線カメラにおいては、量子効果を利用した赤外線撮像素子が用いられ、この素子を動作温度まで冷却するために小型冷凍機が搭載されている。例えば、代表的な赤外線撮像素子であるPtSiショッキドバリアを用いた場合は、80Kで約1Wの冷却能力が必要とされる。このような小型冷凍機のなかで、スターリング冷凍機等の蓄冷式冷凍機は、ジュール・トムソン冷凍機(JT冷凍機)に比べて、高効率でありしかも繰り返し使用することができるといった利点を有するので、従来より広く用いられている。
【0003】
しかしながら、かかる蓄冷式冷凍機は、熱容量の大きい蓄冷器を備えているので、立ち上げ時間ないしはクールダウンタイム(室温状態から所定の動作温度(例えば80K)まで冷却するのに要する時間)が長いことが問題となっている。以下、このような従来の蓄冷式冷凍機の構造及び作用並びにその問題点について詳しく説明する。なお、この「従来の技術」の欄又は次の「発明が解決しようとする課題」の欄においてこのように詳しい説明を行うのは、これらの欄の記載が、後記の本発明の実施の形態に係る蓄冷式冷凍機の、従来技術と共通な部分の構成ないしは作用の説明を兼ねているからである。
【0004】
従来例1.
図13は、例えば特公平2−17788号公報に開示されている、ディスプレーサ内に蓄冷材が内包(内蔵)されたスプリット型スターリング冷凍機の概略構造を示す図である。図13において、1は膨張機であり、2は圧縮機であり、3はディスプレーサであり、4は膨張シリンダであり、5は高温空間であり、6は低温空間であり、7は蓄冷材であり、8はディスプレーサ容器(断熱容器)であり、9及び10はそれぞれ低温空間6と高温空間5とに繋がる連通孔であり、11はニューマティックピストンであり、12はニューマティック室であり、13a、13b及び13cはそれぞれシール部であり、14は蓄冷器であり、15は連通管であり、16は圧縮ピストンであり、17は圧縮シリンダであり、18は圧縮空間である。
【0005】
このスプリット型スターリング冷凍機においては、圧縮ピストン16を圧縮シリンダ17内で往復移動させることによって、該冷凍機内に封入されている作動ガス(冷媒ガス)に圧力変動が惹起される。そして、この圧力変動による加振力とばね振動系とを利用して、ディスプレーサ3(ディスプレーサ容器8)が膨張シリンダ4内で圧縮ピストン16に対して一定の位相差で往復移動させられる。かくして、低温空間6には、膨張仕事により冷凍作用
(効果)が惹起される。ここで、ディスプレーサ容器8内の空間部を経由して高温空間5と低温空間6との間を往復流動する作動ガスが蓄冷材7と熱交換を行うことにより、高効率な冷凍サイクル(等温過程と等容過程とからなる逆スターリングサイクルに近い状態)が実現される。
【0006】
図14に、ナイロンを含む種々の蓄冷材の体積比熱(単位体積あたりの比熱)を、よく用いられる作動ガスの1つであるヘリウムガス(10MPa)の体積比熱と対比して示す。図14から明らかなとおり、蓄冷材の体積比熱はいずれも低温になるほど急速に小さくなるのに対して、ヘリウムガスの体積比熱は低温になるほど大きくなり、とくに20K以下では急激に増大する。このため、4Kレベルの温度領域(ヘリウムの液化温度)の極低温を目指す蓄冷式冷凍機では、この動作温度で最も体積比熱の大きい金属材料が蓄冷材として用いられる。
【0007】
一方、80Kレベル以上の温度領域では、ナイロンの体積比熱であっても、ヘリウムガス(ここでは、封入圧力が1MPaの蓄冷式冷凍機を想定する)の体積比熱に比べて十分に大きい。すなわち、ナイロンの体積比熱は、ヘリウムガスの体積比熱に対して、例えば常温域では約200倍であり、80Kレベルでは約100倍である。
【0008】
例えば、平成9年に低温工学協会から発行された「超伝導・低温工学ハンドブック(以下、「刊行物1」という)」の第261頁には、次の一連の式1で示すように、蓄冷器の非効率さIeは、蓄冷材の熱伝達の良さを表す無次元量Λと、蓄冷材の熱容量の逆比を表す無次元量Γの関数Fで表され、再生熱損失Qregは半周期最大熱交換量Qmaxと蓄冷器の非効率さIeの積で表されるということが開示されている。また、無次元量Γが0.1以下のときには、再生熱損失Qregはほとんど変わらないという結果が開示されている。
【0009】
(式1)
Λ=h・Ar/(w・Cp
Γ=w・Cp・τ0/(Mr・Cr
e=F(Λ,Γ)=1−(1/Γ)tanh{ΛΓ/(Λ+2)}
max=w・Cp・τ0(Th−Tc
reg=Qmax・Ie
h :蓄冷材熱伝達率 Ar:蓄冷材伝熱面積
r:蓄冷材質量 Cr:蓄冷材比熱
w :ガス質量流量 Cp:ガス比熱
τ0:半周期 Th:高温側ガス温度
c:低温側ガス温度
【0010】
図13に示す従来例1にかかる蓄冷式冷凍機においては、80Kレベルの低温領域であれば、プラスチック製の蓄冷材を用いた場合でも十分な熱容量が得られ、金属製の蓄冷材を用いた場合に比べて、熱容量の減少に起因する熱損失の増加は少なくなるといえる。しかしながら、熱伝導損失は減少する。かくして、総合的には、金属製の蓄冷材の場合と変わらない高効率な冷却性能が得られることになる。さらに、軽量化と低コスト化とを計ることが可能である。
【0011】
なお、本明細書において、「低温」及び「プラスチック」は、例えば特公平2−17788号公報にも開示されているような一般の定義に従っている。すなわち、「低温」は−150℃以下の温度を意味し、「プラスチック」は、主要成分として高分子量の有機物質を含み、最終状態では固体であるが、製造段階又は最終状態への処理段階においては流動により形状を付与することが可能な材料を意味する。
【0012】
従来例2.
図15は、例えば平成8年に日本機械学会から発行された「RC127地球環境および多種熱利用に適したスターリングサイクル機器特の最適設計手法に関する研究分科会報告書(以下、「刊行物2」という)」の第II−134頁に開示されている、蓄冷器がディスプレーサとは独立して配置された一体型スターリング冷凍機の概略構造を示す図である。
【0013】
図15において、4aは耐圧容器と低熱伝導筒体とを兼ねる膨張シリンダ側壁部であり、4bは膨張シリンダドヘッド部であり、20はクランクシャフトであり、21はクランクケースであり、22は放熱器であり、23は低熱伝導筒体からなるインナーライナであり、14は蓄冷器である。この一体型スターリング冷凍機の冷凍原理は、基本的には、図13に示すスプリット型スターリング冷凍機の場合と同様である。なお、ディスプレーサ3及び圧縮ピストン16は、それぞれクランクシャフト20に連結され、これによって駆動される。また、蓄冷器14は、ディスプレーサ3とは独立して配置され、インナーライナ23を内壁とし膨張シリンダ側壁4aを外壁とするリング状の断熱スペース内に金網メッシュが積層されてなる蓄冷材7が挿入された構造のものである。
【0014】
従来例3.
図16は、例えば前記刊行物2の第II−14頁に開示されている、オリフィス型パルス管冷凍機の概略構造を示す図である。図16において、24はパルス管であり、25は低温側熱交換器であり、26はオリフィスであり、27はバッファタンクであり、28は蓄冷材7を内包する断熱容器である。このパルス管冷凍機は、スターリング冷凍機とは異なり、膨張機側にはディスプレーサのような駆動部を備えていない。しかしながら、パルス管24とオリフィス26とバッファタンク27とで、圧力変動とガスの往復流動との間に位相差を生じさせ、膨張仕事を発生させるようになっている。なお、蓄冷器14には蓄冷材7が挿入されているが、この蓄冷器7としては、通常、円形又はリング状に切り抜いた金網メッシュを高温側から低温側に平面積層したものが用いられる。
【0015】
例えば、平成6年に日本機械学会から発行された「RC110地球環境および多種熱利用に適したスターリングサイクル機器特の最適要素設計手法に関する研究成果報告書(以下、「刊行物3」という)」の第II−36頁にも記載されているように、金網メッシュは、その他の蓄冷材(金属繊維、発泡金属など)に比べて、総合的な優位性(圧力損失、伝熱性能、価格など)を有するからである。ここで、「メッシュ」は、金属材料又はプラスチック材料からなるほぼ円形断面の細い素線を直交交差するように編んだものを意味する。なお、刊行物3には、プラスチックメッシュについてはとくには言及されていないが、この場合も同様にメッシュ形状が優位性を有するものと解することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、蓄冷式冷凍機のクールダウンタイム(立ち上げ時間)は、被冷却部の熱容量と、クールダウン途上における冷却能力の比で決まる。このため、クールダウンタイムを短縮するには、冷却性能を低下させることなく、被冷却部の熱容量を低減することが要求される。
【0017】
表1に、例えば、80Kで1Wレベルの冷却能力を有するスターリング冷凍機(以下、「冷凍機A」という)の被冷却部の熱容量(但し、常温)を見積った結果を示す。この冷凍機Aは、例えば図13(従来例1)に示すような、蓄冷材をディスプレーサに内包(内蔵)したタイプの冷凍機であって、金属製の蓄冷材(SUSメッシュ)と、肉厚0.5mmに切削加工されたプラスチック(ベスペル(商品名;デュポン(株)製))のディスプレーサ容器と、肉厚0.1mmに切削加工されたTi合金製の膨張シリンダとを組み合わせたものである。
【0018】
【表1】
Figure 0003642980
【0019】
図17は、この冷凍機Aの各被冷却部の熱容量の、総熱容量中に占める割合(%)を示す円グラフである。図17から明らかなとおり、最も大きな割合を占めるのは蓄冷材であり、ディスプレーサ容器(ディスプレーサ側壁部及びディスプレーサ低温側キャップ)と、膨張シリンダ(膨張シリンダヘッド部及び膨張シリンダ側壁部)とがこれに次いでいる。ここで、蓄冷材の熱容量を低減するには、前記の従来例1の場合のように、プラスチック製の蓄冷材を用いればよい。また、ディスプレーサ容器の熱容量を低減するには、切削加工では肉厚が0.5mm程度のものが限界(下限)であるプラスチック材料に替えて、薄肉加工が可能な金属材料を用いればよい。
【0020】
図20は、前記の冷凍機A(スターリング冷凍機)と、冷凍機AにおいてTi合金を肉厚0.1mmに切削加工して製作されたディスプレーサ容器を用いたもの(以下、「冷凍機B」という)と、さらに冷凍機Bにおいてプラスチック(ナイロンメッシュ)製の蓄冷材を用いたもの(以下、「冷凍機C」という)とについて、それぞれ、各被冷却部の熱容量(但し、常温)を比較して示した棒グラフである。図20から明らかなとおり、冷凍機Cの被冷却部の総熱容量(2.38J/K)は、冷凍機Aのそれ(4.58J/K)の約半分に低減されている。
【0021】
このような事実に鑑みれば、プラスチック製の蓄冷材を用いれば、一見、高い冷却効率を維持しつつ被冷却部の熱容量を低減してクールダウンタイムを短縮できるかのようにもみえる。しかしながら、本願発明者の知見によれば、実際にプラスチック製の蓄冷材を用いた場合、冷却効率が著しく低下し、クールダウンタイムを短縮することができない場合が多い。このような問題が生じる主な原因は、ナイロンなどのプラスチック材料の熱収縮率が、金属材料のそれに比べて非常に大きいことである。
【0022】
図18(a)〜(c)は、従来例1(図13)の場合のように、プラスチック製のビーズ粒子の集合体からなる蓄冷材7がディスプレーサ容器8に内包(内蔵)された蓄冷式冷凍機の被冷却部の縦断面図である。ここで、図18(a)は室温時における状態を示し、図18(b)は所定の低温動作時において蓄冷材7のみが収縮した状態を示し、図18(c)はプラスチック製のディスプレーサ容器8が用いられた場合において所定の低温動作時に蓄冷材7とディスプレーサ容器8とがともに収縮した状態を示している。
【0023】
図18(a)〜(c)において、8aは低熱伝導筒体からなるディスプレーサ容器側壁部(ディスプレーサ容器8の側壁部)であり、8bは低温空間6に繋がる連通孔9を有するディスプレーサ容器低温側キャップ(ディスプレーサ容器8の低温側キャップ)であり、35はディスプレーサ容器側壁部8aの外壁面(外周面)と膨張シリンダ側壁部4a(膨張シリンダ側壁部4の側壁部)の内壁面(内周面)との隙間(以下、「ディスプレーサ隙間」という)であり、36はディスプレーサ容器8内において蓄冷材7の空隙率が際だって大きい部分(以下、「蓄冷材空塊部36」という)である。
【0024】
なお、蓄冷材空塊部36中、とくに、36aはディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面と蓄冷材7との間に形成された非接触隙間を示し、36bはディスプレーサ容器低温側キャップ8bの内壁面と蓄冷材7との間に形成された非接触隙間を示している。また、37は作動ガスの流れであり、この作動ガスの流れ37中、とくに、37aは蓄冷材7との熱交換が不十分な迂回流れを示し、37bは蓄冷材7と十分に熱交換が行われる主な流れを示している。
【0025】
図18(a)に示すように、室温状態では、ディスプレーサ容器8中において蓄冷材7の空隙率はほぼ均一であり、蓄冷材空塊部36はほとんど存在しない。しかしながら、図18(b)に示すように、低温状態においては、プラスチック製の蓄冷材7が収縮して、ディスプレーサ容器8の低温端側では蓄冷材7の空隙率が一様に小さくなるとともに、局部的に蓄冷材空塊部36(非接触隙間36b)が発生し、低温端側死容積が大きくなる。ここで、とくに非接触隙間36aが大きくなると、ディスプレーサ容器8内に蓄冷材7と十分に熱交換が行われない作動ガスの迂回流れ37aが生じるので、再生熱損失Qregが著しく増加し、冷却性能が低下する。
【0026】
また、図18(c)に示すように、プラスチック製の蓄冷材7を内包するディスプレーサ容器側壁部8aがプラスチック製の低熱伝導筒体(熱伝導が小さい筒型形状物)で作製された場合は、これと金属製の膨張シリンダ側壁部4aとの間のディスプレーサ隙間35が拡大し、クールダウン途上あるいは所定の低温動作時に、ディスプレーサ隙間35が最適値(設計仕様で異なるが、一般的には0.1〜0.25mm程度)から大きくはずれ、冷却性能の低下を招く。
図19に、参考のため、冷凍機A(スターリング冷凍機)において予測されるディスプレーサ隙間35と冷却能力及び熱損失との関係の一例を示す。図19に示す例では、ディスプレーサ隙間35の最適値は約0.15mmである。
【0027】
以下、表2(主な冷凍機材料及びヘリウムガスの常温での物性値)に示す物性値に基づいて、冷凍機C(スターリング冷凍機)において、蓄冷材7の材料としてナイロン66を用い、ディスプレーサ容器側壁部8aの材料としてTi合金を用いた場合について、非接触隙間36aを求めた結果について説明する。
【0028】
【表2】
Figure 0003642980
【0029】
すなわち、常温25℃(298K)から所定の動作温度(77K)まで冷却すると、円筒形状のディスプレーサ容器8の内径が10mmでありかつ長さが100mmの場合は、蓄冷材7とディスプレーサ容器8の低温端との間で生じる熱収縮差は、径方向で0.51mmとなり、長さ方向で約2.6mmとなる。また、内径が20mmの場合は、径方向の熱収縮は1.03mmとなる。蓄冷材7に適した♯300のメッシュ(例えば、NBC(株)ナイロンメッシュスクリーン、No.N−305T)は、厚さが0.06mmであり、目開きが0.048mmであり、素線径が0.035mmであるので、熱収縮差による隙間拡大の影響は相対的に大きいことが明らかである。このような状態では、迂回流れ37aの発生あるいは非接触隙間36b(低温端側死容積)の増加が起こり、冷却性能が著しく低下することになる。
【0030】
また、プラスチック製の蓄冷材7を内包するディスプレーサ容器側壁部8aがナイロン製でありかつ膨張シリンダ側壁4aがTi合金で作製された蓄冷式冷凍機が、所定の動作温度(77K)まで冷却されると、ディスプレーサ容器側壁8aが収縮し、膨張シリンダ内径が10mmの場合は低温端のディスプレサー隙間35は0.26mm増加し、また内径が20mmの場合は0.52mm増加する。このように、ディスプレーサ隙間35が最適値より大きくなると、熱損失が増加して冷却性能が低下することになる。
【0031】
以上のように、従来の蓄冷式冷凍機では、プラスチック製の蓄冷材を用いた場合、被冷却部の熱容量は低減されるものの、冷却効率が著しく低下するので、クールダウンタイムが長くなるといった問題がある。本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたものであって、被冷却部の熱容量を低減しつつ冷却効率を高めることができ、もってクールダウンタイムを短縮することができる蓄冷式冷凍機を提供することを解決すべき課題とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様に係る蓄冷式冷凍機は、(a)高温端で高温空間と連通するとともに低温端で低温空間と連通し、高温端と低温端との間で温度勾配方向(作動ガスの全体的な流れ方向)に伸びる側壁部が低熱伝導筒体で形成されている断熱容器と、(b)断熱容器に内包(内蔵)され、作動ガス(冷媒ガス)が該断熱容器を経由して高温空間と低温空間とを往復流動する際に作動ガスと熱交換を行う、主としてプラスチック材料で作製された蓄冷材とを備えた蓄冷器が設けられている蓄冷式冷凍機において、(c)所定の低温動作状態において、断熱容器と蓄冷材とを構成する各部材が、熱収縮により、低熱伝導筒体の内壁面と前記蓄冷材との間に生じる非接触隙間と、低温端側で断熱容器内部に生じる死容積とが常温時より増加する方向に変形するのを(自動的に)抑制する抑制手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0033】
すなわち、この蓄冷式冷凍機においては、所定の低温動作状態ではプラスチック材料の熱収縮が大きいため、低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との間の非接触隙間、及び断熱容器内部での低温端側の死容積がそれぞれ常温時より増加する方向の変形が生じようとするが、これを自動的に抑制するように蓄冷器を構成したものである。
【0034】
本発明の第2の態様に係る蓄熱式冷凍機は、(a)金属製の膨張シリンダと、(b)膨張シリンダ内に配置され、高温端で高温空間と連通するとともに低温端で低温空間と連通し、高温端と低温端との間で温度勾配方向(作動ガスの全体的な流れ方向)に伸びる側壁部がプラスチック製の低熱伝導筒体で形成されている断熱性のディスプレーサ容器と、(c)ディスプレーサ容器に内包され、作動ガス(冷媒ガス)が該ディスプレーサ容器を経由して高温空間と低温空間とを往復流動する際に作動ガスと熱交換を行う、主としてプラスチック材料で作製された蓄冷材とを備えた蓄冷器が設けられ、(d)ディスプレーサ容器を膨張シリンダ内で往復移動させることにより、低温空間に冷凍作用が惹起されるようになっている蓄冷式冷凍機において、(e)所定の低温動作状態において、ディスプレーサ容器と蓄冷材とを構成する各部材が、熱収縮により、低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間に形成されるディスプレーサ隙間が常温時より増加する方向に変形するのを抑制する抑制手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0035】
すなわち、この蓄冷式冷凍機においては、所定の低温動作状態では、低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間のディスプレーサ隙間が常温時より増加する方向に熱収縮変形するが、これを自動的に抑制するように蓄冷器を構成したものである。
【0036】
本発明の第3の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第1又は第2の態様に係る蓄熱式冷凍機において、抑制手段が、弾性体が外力を受けない状態に戻ろうとする弾性力、熱収縮率の異なる材料間に働く摩擦力もしくは熱応力、又はバインダによる接着力により(ないしは、これらを用いて)上記変形を抑制するようになっていることを特徴とするものである。
【0037】
本発明の第4の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第1の態様に係る蓄熱式冷凍機において、低熱伝導筒体が円筒体であって、蓄冷材が、主としてプラスチック材料からなるメッシュシートを低熱伝導筒体の中心軸のまわりにロール状に巻きつける(巻きあげる)ことにより成形され、該ロール状のメッシュシートの外周端部が、少なくとも低温端側では、自由端のまま直接的に又は弾性体を介して、低熱伝導筒体の内壁面に接触していることを特徴とするものである。すなわち、抑制手段を自動的に動作させるために、蓄冷材が円筒形状の低熱伝導筒体に内包される場合において、主にプラスチック材料からなるメッシュシートを円筒軸に対してロール状に巻きつけて、その外周端部の少なくとも低温側の部分を自由端のまま低熱伝導筒体に接触させ、あるいは弾性体を介して低熱伝導筒体に接触させるように構成したものである。
【0038】
本発明の第5の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第4の態様に係る蓄熱式冷凍機において、メッシュシートに、中心軸の軸線方向に対して垂直方向に伸びる切り口が多数形成されていることを特徴とするものである。すなわち、高温側から低温側への熱伝導損失を低減するために、中心軸に対して垂直方向の切り口を多数メッシュシートに構成したものである。
【0039】
本発明の第6の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第1の態様に係る蓄熱式冷凍機において、断熱容器内において低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との間に、非通気性の弾性体が設けられていることを特徴とするものである。すなわち、プラスチックを主材料とする蓄冷材が熱収縮し、低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との間の非接触隙間が常温時より増加する方向に変形するのを抑制するために、両者間に非通気性の弾性体を設けたものである。
【0040】
本発明の第7の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第1の態様に係る蓄熱式冷凍機において、高温端側において断熱容器内に、通気性の弾性体が設けられていることを特徴とするものである。すなわち、プラスチックを主材料とする蓄冷材が、熱収縮により、断熱容器内部の低温端側の死容積が常温時より増加する方向に変形するのを抑制するために、断熱容器内部の高温端側に、通気性の弾性体を設けたものである。
【0041】
本発明の第8の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第1又は2の態様に係る蓄熱式冷凍機において、蓄冷材が、金網メッシュ又は通気性金属マスクと、プラスチックメッシュとが交互に積層されてなる積層体であることを特徴とするものである。すなわち、プラスチックメッシュの熱収縮を抑制するために、プラスチックメッシュと、金網メッシュ又はガス透過性金属マスクとを交互に積層し、両者間に摩擦力が働くようにしたものである。
【0042】
本発明の第9の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第1の態様に係る蓄熱式冷凍機において、蓄冷材が、メッシュ素線状、ビーズ粒子状又は繊維状(ウール繊維)のプラスチック製基材が金属で被覆されてなる素材で形成されていることを特徴とするものである。すなわち、プラスチックメッシュの熱収縮を抑制するために、プラスチック蓄冷材の基本構成要素である、メッシュ素線、ビーズ粒子又は繊維(ウール繊維)などの伝熱表面をニッケル等の金属で被覆することにより、両者間に熱応力が働くようにしたものである。
【0043】
本発明の第10の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第9の態様に係る蓄熱式冷凍機において、蓄冷材の表面粗度が粗くなっていることを特徴とするものである。すなわち、蓄冷材の伝熱面積を増加させて蓄冷器(再生熱交器)の高効率化を図るために、蓄冷材の基本構成要素である、メッシュ素線、ビーズ粒子、又は繊維(ウール繊維)などの伝熱表面に腐食処理又は微粒子研磨処理を施すことにより、表面粗度が大きくなるように構成したものである。
【0044】
本発明の第11の態様に係る蓄冷式冷凍機は、前記第2の態様に係る蓄熱式冷凍機において、低熱伝導筒体が、薄肉厚のプラスチックシートが円筒形状に1周以上巻かれてなり、その外周端部が自由端となっている加熱成形体であって、低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間に、該両壁面間の隙間を一定に保つ薄肉厚のガイドリングが挿入されていることを特徴とするものである。すなわち、プラスチック材料の低熱伝導筒体を薄肉化するために、プラスチック材料のシートを円筒形状に1周以上巻いて加熱成形し、また低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間の隙間を一定に保つために、その外周端部を自由端のままとして、低熱伝導筒体と膨張シリンダとの間に薄肉厚のガイドリングを挿入したものである。
【0045】
本発明の第12の態様に係る蓄冷式冷凍機は、所定の形状に切断され、切断部において隣接する素線同士が互いに熱融着されているプラスチック製メッシュが積層されてなる蓄冷材が設けられていることを特徴とするものである。すなわち、この蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷材は、メッシュの素線がほどけるのを防止するために、プラスチック製メッシュの切断面近傍をプラスチック半融解温度まで加熱することにより、1枚のメッシュ切断面で隣接する素線同士を熱融着させたものである。
【0046】
本発明の第13の態様に係る蓄冷式冷凍機は、それぞれ同一の形状に切断された複数のプラスチック製メッシュが柱状に平面積層され、切断部近傍においてプラスチック製メッシュ同士が熱融着されてなる柱状ペレット状態の蓄冷材が設けられていることを特徴とするものである。すなわち、この蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷材は、蓄冷材を断熱容器内に積層する作業が効率化できるように、同型に切り抜いたプラスチック製メッシュを多数枚積層し、これらを切断面で熱融着させて、一体化された柱状ペレット状態にしたものである。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図12と、図21とを参照しつつ、本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、前記のとおり、この実施の形態に係る蓄冷式冷凍機の従来技術と共通する部分は、前記の従来例1〜3(図13〜図20)に記載されている。したがって、以下では、説明の重複を避けるため、従来例1〜3に係る蓄冷式冷凍機と共通する部材ないしは要素には、これらと同一の番号を付し、その詳しい説明は省略する。すなわち、図1〜図12中において、番号1〜27、35〜37は従来例1〜3と実質的に同一のものである。
【0048】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る蓄冷式冷凍機について説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る、ロール状のプラスチックメッシュを蓄冷材として用いた蓄冷式冷凍機ないしはその構成要素の構造(様態)を示す図である。ここで、図1(a)はこの蓄冷式冷凍機の膨張機1の断面図であり、図1(b)はロール状のプラスチックメッシュの斜視図であり、図1(c)はロール状に加工する前におけるプラスチックメッシュシートの立面図である。
【0049】
図1(a)において、8cは高温空間5に繋がる連通孔10を有する高温側キャップであり、29は平面積層されたプラスチックメッシュ(以下、「プラスチックメッシュ積層29」という)であり、30はロール状のプラスチックメッシュ(以下、「プラスチックメッシュロール30」という)であり、31はプラスチックメッシュロール30の軸芯であり、32は通気性の弾性体であり、34aはフリーディスプレーサ共振用の機械ばねであり、34bは弾性力補強用の機械ばねである。
【0050】
この蓄冷式冷凍機において、通気性の弾性体32は、常温状態では高温端側に圧縮されるようにして、ディスプレーサ容器8内に挿入されている。そして、弾性体32は、低温動作時には、熱収縮した蓄冷材7(プラスチックメッシュ積層29及びプラスチックメッシュロール30)をディスプレーサ容器8内において低温端側に押し上げ、低温端側においてディスプレーサ容器8内に死容積が発生しあるいは増加するのを防止することができるようになっている。
【0051】
ここで、通気性の弾性体32としては、例えば、やや硬めのプラスチック製スポンジや、♯50(1インチ平方あたりの網目数を表す)以下の粗い金属製メッシュを数10枚積層したものなどを用いることができる。さらに、この実施の形態1では、弾性体32に機械ばね34bを組み合わせて、弾性体32の弾性力を補強するようにしている。また、蓄冷材7は、プラスチックメッシュ積層29が高温側に配置される一方、プラスチックメッシュロール30が低温側に配置された構造とされている。
【0052】
図1(b)及び図1(c)において、33はプラスチックメッシュシートであり、プラスチックメッシュロール30にロール加工される前の状態のものである。そして、これらの図において、33aと33bとはそれぞれプラスチックメッシュシート33の内周端部と外周端部とであり、33cと33dとはそれぞれプラスチックメッシュシート33の高温側端部と低温側端部とである。また、38aと38bとはそれぞれ内周端部33aと外周端部33bとにおけるプラスチックメッシュシート33円筒軸方向の幅(シート幅)であり、38cと38dとはそれぞれ高温側端部33cと低温側端部33dとにおけるプラスチックメッシュシート33の長さ(シート長さ)であり、39は切り口である。
【0053】
図1(b)から明らかなとおり、この蓄冷式冷凍機においては、プラスチックメッシュシート33が内周端部33aから軸芯31の周りにロール状に巻きつけ加工されてなるプラスチックメッシュロール30がディスプレーサ8(ディスプレーサ容器側壁部8a)内に挿入され、その外周端部33bはディスプレーサ容器側壁部8aには固定されず自由端の状態とされている。
【0054】
また、図1(c)から明らかなとおり、プラスチックメッシュシート33は、その円筒軸方向のシート幅が内周端部33aから外周端部33bに向かって徐々に小さくなり、またそのシート長さが低温側端部33d側の方が高温側端部33c側よりも長くなるような形状に加工されている。これは、低温動作時におけるプラスチックメッシュロール30の熱収縮は、低温側端部33d側の方が高温側端部33c側よりも大きく、したがってプラスチックメッシュロール30とディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面との間の非接触隙間36aは低温側端部33d側の方が大きくなるので、この非接触隙間36aの変化に併せてプラスチックメッシュロール30を広がりやすくするためである。また、軸芯31は、低熱伝導性で低熱容量のものが適しており、例えばプラスチック製の丸棒などが用いられる。なお、軸芯31の外径は、蓄冷材7(プラスチックメッシュシート33)の必要量に合わせて好ましく設計される。
【0055】
また、プラスチックメッシュシート33には、円筒軸方向に対して垂直な方向に伸びる(長手となる)細長い切り口39が等間隔に形成されている。従来の蓄冷式冷凍機においては、通常、メッシュシートを円筒軸方向に平面積層した蓄冷材が用いられるが、この場合は各メッシュシートが互いに点接触し、この接触点を介して熱伝導が生じるので、蓄冷材7の熱伝導損失は非常に小さくなる(例えば、上記刊行物3参照)。
【0056】
しかしながら、プラスチックメッシュシート33をロール状に加工した本発明に係る蓄冷材7では、そのままでは高温側端部33cから低温側端部33dまでメッシュ素線が繋がっているので、蓄冷材7(プラスチックメッシュロール30)の熱伝導損失が大きくなる。そこで、この熱伝導を妨げるため、円筒軸方向に対して垂直な方向の切り口39をプラスチックメッシュシート33に千鳥配置で等間隔に形成し、高温側端部33c側から低温側端部33d側へ熱伝導が必ず点接触部分を介して行われるようにしている。
【0057】
このように、プラスチック製の蓄冷材7と薄肉金属製のディスプレーサ容器8(ディスプレーサ3)とを組み合わせた実施の形態1に係る蓄冷式冷凍機においては、高い冷却効率を保ちつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを短縮することができる。
【0058】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る蓄冷式冷凍機について説明する。
図2は、前記の実施の形態1の場合とは異なる形態の蓄冷材7を用いた、本発明の実施の形態2に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材内包(内蔵)型のディスプレーサの構造(様態)を示す断面図である。図2に示すように、この実施の形態2にかかる蓄冷式冷凍機では、蓄冷材7の高温側は、通常の場合と同様に平面積層された略円柱形のプラスチックメッシュ積層29aで構成されている。このプラスチックメッシュ積層29aは、その外径がディスプレーサ容器側壁部8aの内径とほぼ同一になるように(例えば、(ディスプレーサ容器側壁部8aの内径)+(0〜0.1mm))プラスチックメッシュシート33を切断することにより形成されたものである。
【0059】
他方、蓄冷材7の低温側は、その外径が前記のプラスチックメッシュ積層29aの外径(通常サイズ)よりも小さくなるように(例えば、(ディスプレーサ容器側壁部8aの内径)−(2mm))プラスチックメッシュシート33を切断することにより形成されたプラスチックメッシュ積層29b(できれば、プラスチックメッシュ積層29bはペレット状のものがよく、その製造方法については実施の形態10参照)と、該プラスチックメッシュ積層29bとディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面との間に挿入されたプラスチックメッシュロール30bとで構成されている。すなわち、プラスチックメッシュ積層29bの外周部は、プラスチックメッシュシート33(プラスチックメッシュロール30b)によってロール状に覆われている。ここで、プラスチックメッシュロール30bの外周端部33bは、ディスプレーサ容器側壁部8aには固定されず、自由端の状態とされている。
【0060】
かくして、実施の形態2に係る蓄冷式冷凍機においては、前記構成により、低温動作時に蓄冷材7が熱収縮して、蓄冷材7とディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面との間に隙間が発生し又は増加しようとするときには、プラスチックメッシュロール30b(蓄冷材7)はそのロール状態がゆるんで広がるので、実施の形態1の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0061】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3に係る蓄冷式冷凍機について説明する。
図3は、前記の実施の形態1又は2の場合とは異なる形態の蓄冷材7を用いた、本発明の実施の形態3に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材内包(内蔵)型のディスプレーサの構造(様態)を示す断面図である。図3に示すように、この実施の形態3にかかる蓄冷式冷凍機では、蓄冷材7の高温側は、実施の形態2の場合と同様に、平面積層された略円柱形の通常のサイズのプラスチックメッシュ積層29aで構成されている。
【0062】
他方、蓄冷材7の低温側は、基本的にはプラスチックメッシュシート33がロール状に加工されてなるプラスチックメッシュロール30cで構成されている。そして、プラスチックメッシュロール30cの外側面とディスプレーサ容器側壁部8aの内側面との間には、非通気性の弾性シート40(弾性体)がディスプレーサ容器径方向に圧縮した状態で挿入されている。さらに、プラスチックメッシュロール30cの外周端部33bは弾性シート40に接着固定されている。
【0063】
かくして、実施の形態3に係る蓄冷式冷凍機においては、前記構成により、低温動作時において蓄冷材7が熱収縮すると、弾性シート40がディスプレーサ容器径方向に膨張し、蓄冷材7とディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面との間に非接触隙間36aが発生し又は増加するのが抑制ないしは防止され、実施の形態1の場合と同様の作用・効果が得られる。なお、非通気性の弾性シート40としては、例えばソフトテフロンシート(例えば、バルカー(株)のバルフロンシートなど)や、ゲル状衝撃吸収シートなどを用いることができる。
【0064】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4に係る蓄冷式冷凍機について説明する。
図4は、前記の実施の形態1〜3の場合とは異なる形態の蓄冷材7を用いた、本発明の実施の形態4に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材内包(内蔵)型のディスプレーサの構造(様態)を示す斜視図である。図4において、41はプラスチック製のビーズ粒子(ビーズ球)の集合体であり、42は通気性の仕切り板(金網メッシュ)である。この実施の形態4に係る蓄冷式冷凍機においては、蓄冷材7は、ビーズ粒子の集合体41で構成され、ビーズ粒子が低温空間6に飛散しないように、ビーズ粒子の集合体41は仕切り板42によって仕切られている。
【0065】
この蓄冷式冷凍機において、所定の低温動作時にビーズ粒子の集合体41(ビーズ粒子)が熱収縮すると、ディスプレーサ容器8内の低温側の空間部に蓄冷材空塊部36が発生しようとする。しかしながら、常温状態で円筒軸方向に圧縮された状態で挿入された通気性の弾性体32の弾性力によって、ビーズ粒子の集合体41(蓄冷材7)が低温側に押し上げられ、蓄冷材空塊部36の発生が抑制される。
【0066】
また、実施の形態3の場合と同様に、ディスプレーサ容器側壁部8aの低温側の内壁面に弾性シート40が接着固定され、弾性シート40の弾性変形によって、ビーズ粒子の集合体41(蓄冷材7)とディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面との間に非接触隙間が発生するのが抑制され、実施の形態1の場合と同様の作用・効果が得られる。ここで、通気性の仕切り板42としては、例えば粗い金網メッシュあるいは通気性金属マスク(金属円板をエッチングして通気性の細孔を無数に開けたもの)を用いることができる。なお、製品化された通気性金属マスクとしては、例えばソノコム(株)のSUSメタルマスクなどがあげられる。
【0067】
実施の形態5.
図5は、前記の実施の形態1〜4の場合とは異なる形態の蓄冷材7を用いた、本発明の実施の形態5に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材内包(内蔵)型のディスプレーサの構造(様態)を示す断面図である。図5において、29aは、その外径が円筒形のディスプレーサ容器側壁部8aの内径とほぼ一致するように(例えば、(ディスプレーサ容器側壁部8aの内径)+(0〜0.1mm))プラスチックメッシュシート33を切断することにより形成されたプラスチックメッシュシート積層である。
【0068】
また、29cはディスプレーサ容器側壁部8aの内径よりやや大きめにプラスチックメッシュシート33を切断することにより形成された後、ディスプレーサ8内に押し込まれたプラスチックメッシュシート積層である。ここで、プラスチックメッシュシート積層29cの外径は、例えば((ディスプレーサ容器側壁部8aの内径)+(プラスチックメッシュシート積層29cの低温端での熱収縮分)+(0〜0.1mm))程度とされる。
【0069】
この蓄冷式冷凍機においてはディスプレーサ容器8内の低温側の空間部には、外径が大きいプラスチックメッシュシート積層29cが押し込まれて配置されているので、所定の低温動作状態で29cが熱収縮しても、プラスチックメッシュシート積層29cとディスプレーサ容器側壁部8aの内壁面との間に非接触隙間が発生しない。そのため、実施の形態1の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0070】
ところで、前記の実施の形態1〜5では、いずれも蓄冷材空塊部36の発生ないし増加を抑制する抑制手段は、主として弾性力を利用したものである。しかしながら、かかる抑制手段は、弾性力を利用するものに限定されるわけではない。以下、摩擦力又は熱応力を利用して蓄冷材空塊部36の発生ないし増加を抑制する抑制手段を備えた蓄冷式冷凍機について説明する。
【0071】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6に係る蓄冷式冷凍機について説明する。
図6は、本発明の実施の形態6に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材の構造(様態)を示す斜視図である。図6において、44はロール状の金属メッシュである。この蓄冷材7においては、金網メッシュシートとプラスチック製メッシュシート33とが、重ね合わせて軸芯31に巻き付けられている。これにより、プラスチックメッシュ30と金網メッシュ44とが交互に積層される。
【0072】
かくして、この蓄冷材7においては、所定の低温動作時には、両メッシュ30、44間に作用する摩擦力により、プラスチックメッシュ30の熱収縮が金網メッシュ44によって抑制される。さらに、この蓄冷材7においては、ディスプレーサ容器側壁部8aが熱収縮率の大きいプラスチック材料であっても、その熱収縮を内側から抑制することができる。このように、プラスチック製の蓄冷材7と薄肉金属製のディスプレーサ容器8とを組み合わせた実施の形態6に係る蓄冷式冷凍機(蓄冷材)においては、高い冷却効率を保ちつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを短縮することができる。
【0073】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7に係る蓄冷式冷凍機について説明する。
図7は、前記の実施の形態6とは異なる形態の摩擦力を利用する蓄冷材7を用いた、本発明の実施の形態7に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材内包(内蔵)型のディスプレーサの構造(様態)を示す断面図である。図7において、45は、その外径がディスプレーサ容器側壁部8aの内径とほぼ同一となるように((ディスプレーサ容器側壁部8aの内径)+(0〜0.1mm))金属メッシュシートを切断することにより形成された金属メッシュである。
【0074】
そして、この蓄冷材7においては、金属メッシュ45とプラスチックメッシュ29とが交互に平面積層されている。このように、金属メッシュ45とプラスチックメッシュ29とを平面積層した場合でも、実施の形態6の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0075】
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8に係る蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷材について説明する。
図8(a)、(b)は、本発明の実施の形態8に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材に用いられる金属皮膜付きプラスチックメッシュの構成(様態)を示す図である。ここで、図8(a)は金属皮膜付きプラスチックメッシュの外形(シート状態)を示す図であり、図8(b)は金属皮膜付きプラスチックメッシュを構成するメッシュ素線の断面図である。
【0076】
図8(a)、(b)において、46は金属皮膜で被覆された金属皮膜付きプラスチックメッシュであり、47aと47bとはそれぞれ金属皮膜付きプラスチックメッシュ46を形成する横方向のメッシュ素線と縦方向のメッシュ素線とであり(なお、両メッシュ素線47a、47bをメッシュ素線47と総称する)、49はメッシュ素線47のプラスチック母材であり、50はプラスチック母材49をほぼ均一に被覆している金属皮膜である。プラスチック母材49の表面を金属皮膜50で被覆する方法としては、例えば化学的メッキや真空蒸着(特開昭60−262689号公報参照)があげられる。これを製品化したものとしては、例えばソノコム(株)のリダイズドメッシュ(ポリエステルメッシュ表面に1〜5μm程度のニッケル皮膜を施したもの)があげられる。
【0077】
この実施の形態8にかかる蓄冷式冷凍機においては、前記構造の金属皮膜付きプラスチックメッシュ46からなる蓄冷材7を用いているので、所定の低温動作時には、プラスチック母材49と金属皮膜50との間に働く熱応力により、金属皮膜付きプラスチックメッシュ46の熱収縮が抑制され、実施の形態6の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0078】
実施の形態9.
以下、本発明の実施の形態9に係る蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷材について説明する。
図9(a)、(b)は、本発明の実施の形態9に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷材に用いられる、金属皮膜形成後に表面処理(表面腐食処理等)が施された金属皮膜付きプラスチックメッシュ(以下、「表面処理金属皮膜付きプラスチックメッシュ」という)の構成(様態)を示す図である。ここで、図9(a)は表面処理金属皮膜付きプラスチックメッシュの外形(シート状態)を示す図であり、図9(b)は表面処理金属皮膜付きプラスチックメッシュを構成するメッシュ素線の断面図である。
【0079】
図9(a)、(b)において、51は金属皮膜形成後に表面処理が施された表面処理金属皮膜付きプラスチックメッシュであり、52aと52bとはそれぞれ表面処理金属皮膜付きプラスチックメッシュ51を形成する横方向のメッシュ素線と縦方向のメッシュ素線とであり(なお、両メッシュ素線52a、52bをメッシュ素線52と総称する)、49はメッシュ素線52のプラスチック母材であり、54は表面処理後における不均一な金属皮膜である。
【0080】
金属54がニッケル皮膜である場合、これをざらつかす程度に表面処理する方法としては、例えば特開平1−13097号公報に開示されている酸性腐食液(過酸化水素と硝酸の混液)を用いた表面腐食処理などを用いることができる。あるいは、研磨剤微粒子(SiO2やSiCなど)を吹き付ける表面処理方法も用いることができる。このような表面処理によって、蓄冷材7の基本構成要素であるメッシュ素線52の表面をざらつかせ(粗面化し)、表面粗度を粗くして、蓄冷材7の伝熱面積を増加させる。このように、実施の形態9では、表面処理金属皮膜付きプラスチックメッシュ51を蓄冷材7として用いているので、伝熱面積の増加により蓄冷器の効率を向上させることができ、蓄冷式冷凍機を一層高効率化することができ、クールダウンタイムを短縮することができる。
【0081】
実施の形態10.
以下、本発明の実施の形態10に係る蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷材について説明する。
図10(a)〜(d)は、本発明の実施の形態10に係る、切断加工により平面積層されたプラスチックメッシュの構造(様態)を示す図である。ここで、図10(a)はプラスチックメッシュの切断時の状態を示す立面断面図であり、図10(b)は切断後におけるペレット状態のプラスチックメッシュの立面断面図であり、図10(c)は図10(b)に示すプラスチックメッシュを真上から見た上面図であり、図10(d)は図10(c)中のRで示す部分の拡大図でありプラスチックメッシュ面内の半融着部を拡大して示している。
【0082】
図10(a)〜(d)において、55はプラスチックメッシュ切断機であり、55aは刃型部であり、55bはメッシュ押し込み部であり、55cは刃型部55aを加熱するヒータであり、56はプラスチックメッシュの切断面である。かくして、プラスチックメッシュを作製(切断)する際には、プラスチックメッシュシート33を複数枚積層した上で、メッシュ押し込み部55bでプラスチックメッシュシート33に圧力を加えながら、ヒータ55cによって加熱された55aで、プラスチックメッシュシート33を切断することになる。このとき、切断面56をプラスチックの半融解温度(融点より50℃程度低い温度)に加熱することにより、プラスチックメッシュを切断面56で半融解状態で接着(融着)することができる。
【0083】
かくして、図10(b)に示すような柱状ペレット状態のプラスチックメッシュを作製することができ、このプラスチックメッシュを蓄冷材7として用いることにより、該蓄冷材7をディスプレーサ容器8(断熱容器)内に平面積層する作業を効率化することができる。また、図10(d)に示すように、一枚のプラスチックメッシュが切断されてその広がり面内に形成されるメッシュ素線の先端部ないしは切断部が熱融着されるので、プラスチックメッシュが変形したりメッシュ素線がほどけるのが防止される。
【0084】
実施の形態11.
以下、本発明の実施の形態11に係る蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷材について説明する。
図11は、本発明の実施の形態11に係る蓄冷式冷凍機の蓄冷器の斜視図である。この蓄冷式冷凍機は、例えば前記の従来例2(図15参照)のように、ディスプレーサとは独立(分離)して、その外周部に蓄冷器が配置されている形態の蓄冷式冷凍機である。前記の実施の形態1〜10では、いずれも、蓄冷器がディスプレーサに内蔵されている形態の蓄冷式冷凍機について説明しているが、従来例2や従来例3のように、ディスプレーサとは独立(分離)して蓄冷器が配置されている合でも、実施の形態1〜10の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0085】
実施の形態12.
以下、本発明の実施の形態12に係る蓄冷式冷凍機ないしはディスプレーサについて説明する。
図12(a)〜(c)は、本発明の実施の形態12に係る蓄冷式冷凍機のディスプレーサの構造(様態)を示す図である。ここで、図12(a)は実施の形態12に係る、実施の形態1〜11の場合とは異なる形態のディスプレーサ容器を備えたディスプレーサの斜視図であり、図12(b)はディスプレーサ容器の斜視図であり、図12(c)はガイドリングの斜視図である。
【0086】
図12(a)〜(c)において、60は薄肉のプラスチックシートを加熱成形することにより作製されたディスプレーサ容器側壁部であり、61はガイドリングであり、62は位置決めピンであり、62aは低温側位置決めピンであり、62bは高温側位置決めピンであり、63は位置決めピン62のピン止め穴である。また、64は、軸芯31の低温端に取り付けられたピン止め冶具である。
【0087】
ここで、ディスプレーサ容器側壁部60は、例えば東レ(株)製のルミラー(ポリエステルシート)などを円筒形状に加熱成形することにより作製することができる。また、ガイドリング61は、例えばNTN(株)製のベアリーシート材(厚み0.1〜0.3mm程度)などを円筒形状に加熱成形することにより作製することができる。
【0088】
低温側位置決めピン62aは、ディスプレーサ容器低温側キャップ8b、ディスプレーサ容器側壁部60及びピン止め冶具64の位置決め穴63を貫通して配置され、他方、高温側位置決めピン62bは、ガイドリング61、ディスプレーサ容器側壁部60、ディスプレーサ容器低温側キャップ8bの位置決め穴63を貫通して配置されている。これにより、ディスプレーサ容器側壁部60の上下方向の位置が固定される。また、ディスプレーサ容器側壁部60の外壁面と低温シリンダ側壁4cの内壁面との間のディスプレーサ隙間35は、ガイドリング61によって一定値に保持される。
【0089】
一般に、ベスペル等のプラスチック丸棒を切削加工してディスプレーサ容器側壁部8aを作製する場合、最小限0.5mm程度の肉厚が必要である。しかしながら、この実施の形態12によれば、肉厚が0.5mm以下(例えば、0.2mm)のプラスチックシート材料でディスプレーサ容器側壁部60(8a)を作製することが可能となる。
【0090】
図21は、前記の冷凍機A(スターリング冷凍機)と、冷凍機Aにおいて金属製蓄冷材をプラスチック製蓄冷材(ナイロンメッシュ)に置換えたもの(以下、「冷凍機D」という)と、さらに冷凍機Dにおいて切削プラスチック製ディスプレーサ容器側壁部をプラスチックシート製ディスプレーサ容器側壁部(肉厚が0.2mmのプラスチックシート材を用いたもの)に置換えたもの(以下、「冷凍機E」という)とについて、それぞれ、各被冷却部の熱容量(但し、常温)を比較して示した棒グラフである。図21から明らかなとおり、冷凍機Eでは、そのの被冷却部の総熱容量(2.51J/K)が、冷凍機Aのそれ(4.58J/K)の約半分に低減されている。したがって、クールダウンタイムを短縮することができる。
【0091】
最後に、主にプラスチック材料からなる蓄冷材について補足説明する。かかるプラスチック材料からなる蓄冷材についても、金網メッシュの場合と同様の理由により、メッシュ形状のものが、その他の形状(ウール状、ビーズ粒子の集合体など)のものより、冷却性能(圧力損失や伝熱性能)に関して優れている。
【0092】
また、ナイロン製又はポリエステル製のメッシュは、印刷用スクリーンマスクとして安価に入手可能である。とくに、ポリエステル繊維は、吸水率(表2参照)が低く、形状安定性も高い。実用的には、♯150〜♯400(1インチ平方あたりの網目数を示す)のポリエステルメッシュを加工したものが、蓄冷式冷凍機の蓄冷材として適している。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に記載されているような顕著な効果を奏する。
すなわち、本発明の第1の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、所定の低温動作状態では、プラスチック材料の熱収縮が大きいため、低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との非接触隙間と断熱容器内部の低温側の死容積とがそれぞれ常温時より増加する方向の変形が生じようとするが、これを抑制する抑制手段を備えているので、蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、ひいてはクールダウンタイムを短縮することができる。
【0094】
本発明の第2の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、所定の低温動作状態では、低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間のディスプレーサ隙間が常温時より増加する方向の熱収縮変形が生じようとするが、これを抑制する抑制手段を備えているので、蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、ひいてはクールダウンタイムを短縮することができる。
【0095】
本発明の第3の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第1又は第2の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、抑制手段が、弾性体が外力を受けない状態に戻ろうとする弾性力、熱収縮率の異なる材料間に働く摩擦力、あるいはバインダによる接着力を利用して上記変形を抑制するようになっているので、より効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0096】
本発明の第4の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第1の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、主としてプラスチック材料からなるメッシュシートが円筒軸にロール状に巻きつけられてなる蓄冷材の外周端部の少なくとも低温側の部分が、自由端のまま低熱伝導筒体に接触させられ、あるいは柔軟性のあるものを介して低熱伝導筒体に接触させられ、これにより上記変形が抑制されるので、より効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0097】
本発明の第5の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第4の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、主としてプラスチック材料のメッシュからなるロール状の蓄冷材において、その軸線方向に対して垂直な方向に伸びる多数の切り口がメッシュシートに形成され、これにより高温側から低温側への熱伝導損失が低減されるので、一層効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムをさらに短縮することができる。
【0098】
本発明の第6の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第1の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との間に非通気性の弾性体が設けられ、これにより、所定の低温動作時に両者間の非接触隙間が増加する方向の変形が生じるのが抑制されるので、より効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0099】
本発明の第7の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第1の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、断熱容器内部の高温端側に通気性の弾性体が設けられ、これにより、所定の低温動作時に断熱容器内部の低温側の死容積が増加する方向の変形が生じるのが抑制されるので、より効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0100】
本発明の第8の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第1又は第2の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、プラスチックメッシュと、金網メッシュ又はガス透過性金属マスクとが交互に積層され、両者間に作用する摩擦力によってプラスチックメッシュの熱収縮が抑制される。このため、低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との間の非接触隙間、あるいは低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間のディスプレーサ隙間が常温時より増加するのが抑制され、より効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0101】
本発明の第9の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第1の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、プラスチック蓄冷材を構成する基本要素である、メッシュ素線、ビーズ粒子あるいは繊維(ウール繊維)などの伝熱表面がニッケル等の金属皮膜によって被覆され、両者間に作用する熱応力によってプラスチックの熱収縮が抑制される。このため、低熱伝導筒体の内壁面と蓄冷材との間の非接触隙間、あるいは低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間のディスプレーサ隙間が常温時より増加するのが抑制され、より効果的に蓄冷式冷凍機の高効率を保持しつつ被冷却部の熱容量を低減することができ、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0102】
本発明の第10の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第9の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、腐食処理あるいは微粒子研磨処理などの表面処理により、蓄冷材を構成する基本要素である、メッシュ素線、ビーズ粒子、あるいは繊維(ウール繊維)などの伝熱表面の表面粗度が大きくなるので、蓄冷材の伝熱面積が増加する。これにより、蓄冷器の効率が向上し、蓄冷式冷凍機が一層高効率化される。このため、クールダウンタイムをさらに短縮することができる。
【0103】
本発明の第11の態様に係る蓄冷式冷凍機においては、基本的には、第2の態様に係る蓄冷式冷凍機の場合と同様の効果を奏する。さらに、プラスチック材料のシートが円筒形状に1周以上巻いて加熱成形され、その終端部が自由端とされ、かつ低熱伝導筒体と膨張シリンダとの間に挿入された薄肉厚のガイドリングによって低熱伝導筒体の外壁面と膨張シリンダの内壁面との間の隙間が一定に保たれるので、プラスチック材料の低熱伝導筒体を薄肉化することができ、ディスプレーサ容器側壁部の熱容量を低減することができ、さらに高温側から低温側への熱伝導損失を低減することができる。このため、クールダウンタイムを一層短縮することができる。
【0104】
本発明の第12の態様に係る蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷器においては、蓄冷材を構成するプラスチック製メッシュの切断面近傍部分をプラスチックの半融解温度まで加熱することにより、1枚のメッシュ切断面で隣接する素線同士が融着させられる。このため、メッシュの変形や素線のほどけが防止される。
【0105】
本発明の第13の態様に係る蓄冷式冷凍機ないしは蓄冷器においては、同型に切り抜かれたプラスチック製メッシュを多数枚積層した上で切断面で熱融着させて一体化することにより形成された柱状ペレット状態の蓄冷材が用いられるので、メッシュからなる蓄冷材を断熱容器内に平面積層する作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の実施の形態1に係るロール状のプラスチックメッシュを蓄冷材として用いた蓄冷式冷凍機の膨張機側の断面図であり、(b)はロール状のプラスチックメッシュの斜視図であり、(c)はロール状に加工する前のプラスチックメッシュシートの立面図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係る蓄冷材を用いた蓄冷材内蔵型のディスプレーサの断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係る蓄冷材を用いた蓄冷材内蔵型のディスプレーサの断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態4に係る蓄冷材を用いた蓄冷材内蔵型のディスプレーサの斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態5に係る蓄冷材を用いた蓄冷材内蔵型のディスプレーサの断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態6に係る蓄冷材の斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態7に係る蓄冷材を用いた蓄冷材内蔵型のディスプレーサの断面図である。
【図8】 (a)は本発明の実施の形態8に係る金属皮膜で被覆されたプラスチックメッシュのシート状態を示す図であり、(b)はメッシュ素線の断面図である。
【図9】 (a)は本発明の実施の形態9に係る金属皮膜形成後に表面腐食処理が施されたプラスチックメッシュのシート状態を示す図であり、(b)はメッシュ素線の断面図である。
【図10】 (a)は本発明の実施の形態10に係る、切断加工のために平面積層されたプラスチックメッシュ及びその切断機の、切断時における立面断面図であり、(b)は切断後におけるペレット状態のプラスチックメッシュの断面図であり、(c)は(b)に示すプラスチックメッシュを真上から見た上面図であり、(d)は(c)中のRで示す部分の拡大図であり、プラスチックメッシュの広がり面内での半融着部を拡大して示している。
【図11】 本発明の実施の形態11に係る、ディスプレーサとは独立してその外周部に配置された蓄冷器の斜視図である。
【図12】 (a)は本発明の実施の形態12に係る薄肉プラスチック製ディスプレーサ容器側壁部を用いたディスプレーサの斜視図であり、(b)はディスプレーサ容器側壁部の斜視図であり、(c)はガイドリングの斜視図である。
【図13】 従来例1に係る、蓄冷器がディスプレ-サに内蔵されたスプリット型スターリング冷凍機の断面図である。
【図14】 ナイロンを含む種々の蓄冷材の体積比熱と、ヘリウムガス(10MPa)の体積比熱とを比較して示したグラフである。
【図15】 従来例2に係る、蓄冷器がディスプレ-サとは独立して配置された一体型スターリング冷凍機の断面図である。
【図16】 従来例3に係るオリフィス型パルス管冷凍機の模式図である。
【図17】 冷凍機A(スターリング冷凍機)の常温における各被冷却部の熱容量の割合を示す円グラフである。
【図18】 (a)はプラスチックビーズ球の蓄冷材がディスプレーサに内蔵されている蓄冷式冷凍機の被冷却部の室温状態における断面図であり、(b)は所定の低温動作時において蓄冷材が収縮した状態における(a)と同様の図であり、(c)はプラスチック製ディスプレーサが用いられた場合において所定の低温動作時に蓄冷材とプラスチック製ディスプレーサとが収縮した状態における(a)と同様の図である。
【図19】 冷凍機A(スターリング冷凍機)において予測されるディスプレーサ隙間と、冷却能力及び熱損失との関係を示すグラフである。
【図20】 冷凍機A、B、C(スターリング冷凍機)の常温における被冷却部の熱容量を比較して示した棒グラフである。
【図21】 冷凍機A、D、E(スターリング冷凍機)の常温における被冷却部の熱容量を比較して示した棒グラフである。
【符号の説明】
1 膨張機、 2 圧縮機、 3 ディスプレーサ、 4 膨張シリンダ、 4a 膨張シリンダ側壁部、 4b 膨張シリンダヘッド部、 5 高温空間、6 低温空間、 7 蓄冷材、 8 ディスプレーサ容器、 8a ディスプレーサ容器側壁部、 8b ディスプレーサ容器低温側キャップ、 8c ディスプレーサ容器高温側キャップ、 9 低温空間に繋がる連通孔、 10 高温空間に繋がる連通孔、 11 ニューマティック室、 12 ニューマティックピストン、 13 シール部、 13a シール部、 13b シール部、 13c シール部、 14 蓄冷器、 15 連通管、 16 圧縮ピストン、 17 圧縮シリンダ、 18 圧縮空間、 20 クランクシャフト、 21 クランクケース、 22 放熱器、 23 インナーライナ、 24 パルス管、 25 低温側熱交換器、 26 オリフィス、 27 バッファタンク、 28 断熱容器、 29 プラスチックメッシュ積層(平面積層されたプラスチックメッシュ)、 29a プラスチックメッシュシート(外径がディスプレーサ容器側壁部内径にほぼ一致する形状)、 29b プラスチックメッシュシート(外径がディスプレーサ容器側壁部内径より小さい形状)、 29c プラスチックメッシュシート(外径がディスプレーサ容器側壁部内径より大きい形状)、 30 プラスチックメッシュロール(ロール状のプラスチックメッシュ)、31 軸芯、 32 通気性の弾性体、 33 プラスチックメッシュシート、 33a 内周端部、 33b 外周端部、 33c 高温側端部、 33d低温側端部、 34 機械ばね、 34a フリーディスプレーサ共振用ばね、 34b 弾性力補強用ばね、 35 ディスプレーサ隙間、 36 蓄冷材空塊部、 36a ディスプレーサ容器側壁部の内壁面と蓄冷材との間の非接触隙間、 36b ディスプレーサ容器低温側キャップの内壁面と蓄冷材との間の非接触隙間、 37 作動ガスの流れ、 37a 蓄冷材との熱交換が不十分な迂回流れ、 37b 蓄冷材と熱交換する主な流れ、 38 プラスチックメッシュシートの円筒軸方向のシート幅、 38a 内周端部における円筒軸方向のシート幅、 38b 外周端部における円筒軸方向のシート幅、 38c 高温側端部におけるプラスチックメッシュシートの長さ、 38d 低温側端部におけるプラスチックメッシュシートの長さ、 39 切り口、40 非通気性の弾性シート、 44 ロール状の金属メッシュ、 45 平面積層された金網メッシュ、 46 均一な金属皮膜で被覆されたメッシュ、 47 均一な金属皮膜で被覆されたメッシュ素線、 47a 横方向のメッシュ素線、 47b 縦方向のメッシュ素線、 49 プラスチック母材、50 均一な金属皮膜部分、 51 不均一な金属皮膜で被覆されたメッシュ、 52 不均一な金属皮膜で被覆されたメッシュ素線、 52a 横方向のメッシュ素線、 52b 縦方向のメッシュ素線、 54 不均一な金属皮膜部分、 55 プラスチックメッシュ切断機、 55a 刃型部、 55b メッシュ押し込み部、 55c ヒータ、 56 プラスチックメッシュ切断面、 60 薄肉プラスチックシートを加熱成形したディスプレーサ容器側壁部、 61 ガイドリング、 62 位置決めピン、 62a 低温側ピン、 62b 高温側ピン、 63 ピン止め穴、64 ピン止め冶具。

Claims (17)

  1. 高温端で高温空間と連通するとともに低温端で低温空間と連通し、高温端と低温端との間で温度勾配方向に伸びる側壁部が筒体で形成されている断熱容器と、
    前記断熱容器に内包され、作動ガスが該断熱容器を経由して高温空間と低温空間とを往復流動する際に作動ガスと熱交換を行う、プラスチック材料を含む蓄冷材とを備えた蓄冷器が設けられている蓄冷式冷凍機において、
    所定の低温動作状態において、前記断熱容器と前記蓄冷材とを構成する各部材が、熱収縮により、前記筒体の内壁面と前記蓄冷材との間に生じる非接触隙間と、低温端側で断熱容器内部に生じる死容積とが常温時より増加する方向に変形するのを抑制する抑制手段が設けられていることを特徴とする蓄式冷凍機。
  2. 金属製の膨張シリンダと、
    前記膨張シリンダ内に配置され、高温端で高温空間と連通するとともに低温端で低温空間と連通し、高温端と低温端との間で温度勾配方向に伸びる側壁部がプラスチック製の筒体で形成されている断熱性のディスプレーサ容器と、
    前記ディスプレーサ容器に内包され、作動ガスが該ディスプレーサ容器を経由して高温空間と低温空間とを往復流動する際に作動ガスと熱交換を行う、プラスチック材料を含む蓄冷材とを備えた蓄冷器が設けられ、
    前記ディスプレーサ容器を前記膨張シリンダ内で往復移動させることにより、低温空間に冷凍作用が惹起されるようになっている蓄冷式冷凍機において、
    所定の低温動作状態において、前記ディスプレーサ容器と前記蓄冷材とを構成する各部材が、熱収縮により、前記筒体の外壁面と前記膨張シリンダの内壁面との間に形成されるディスプレーサ隙間が常温時より増加する方向に変形するのを抑制する抑制手段が設けられていることを特徴とする蓄冷式冷凍機。
  3. 前記抑制手段が、弾性体が外力を受けない状態に戻ろうとする弾性力、熱収縮率の異なる材料間に働く摩擦力もしくは熱応力、又はバインダによる接着力により上記変形を抑制するようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄冷式冷凍機。
  4. 前記側壁部が円筒体であって、前記蓄冷材が、プラスチック材料で構成されるシートを前記筒体の中心軸のまわりにロール状に巻きつけることにより成形され、該ロール状のシートの外周端部が、少なくとも低温端側では、自由端のまま直接的に又は弾性体を介して、前記筒体の内壁面に接触していることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
  5. 前記側壁部が円筒体であって、前記蓄冷材が、プラスチック材料で構成されたシートを前記円筒体の中心軸のまわりにロール状に巻きつけることにより成形され、記シートに、部分的に前記中心軸の軸線方向に対して垂直方向に伸び熱伝導を妨げる部分が設けられていることを特徴とする請求項に記載の蓄冷式冷凍機。
  6. 前記シート上に部分的に設けられた前記中心軸の軸線方向に対して垂直方向に伸びる部分は、前記シートを前記中心軸の軸線方向に点接触させる複数の非接触間隙部であることを特徴とする請求項5に記載の蓄冷式冷凍機。
  7. 前記側壁部が円筒体であって、前記蓄冷材が、プラスチック材料で構成されたシートを前記円筒体の中心軸のまわりにロール状に巻きつけることにより成形され、前記シートは積層され、互いに複数の点接触部位を備えることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
  8. 前記ロール状のシートは、その円筒軸方向のシート幅が内周端部から外周端部に向かって徐々に小さくなり、また、そのシート長さが低温端側の方が高温端側よりも長くなるような形状に加工されていることを特徴とする請求項4に記載の蓄冷式冷凍機。
  9. 前記シート上に部分的に設けられた前記中心軸の軸線方向に対して垂直方向に伸びる部分は、前記シート上に設けられた切り口であることを特徴とする請求項5に記載の蓄冷式冷凍機。
  10. 前記断熱容器内において、前記筒体の内壁面と前記蓄冷材との間に、非通気性の弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
  11. 高温端側において前記断熱容器内に、通気性の弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
  12. 前記蓄冷材が、金網メッシュ又は通気性金属マスクと、プラスチックメッシュとが交互に積層されてなる積層体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄冷式冷凍機。
  13. 前記蓄冷材が、メッシュ素線状、ビーズ粒子状又は繊維状のプラスチック製基材が金属で被覆されてなる素材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
  14. 前記蓄冷材の表面粗度が粗くなっていることを特徴とする請求項13に記載の蓄冷式冷凍機。
  15. 前記筒体が、薄肉厚のプラスチックシートが円筒形状に1周以上巻かれてなりその外周端部が自由端となっている加熱成形体であって、
    前記筒体の外壁面と前記膨張シリンダの内壁面との間に、該両壁面間の隙間を一定に保つ薄肉厚のガイドリングが挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の蓄冷式冷凍機。
  16. 所定の形状に切断され、切断部において隣接する素線同士が互いに熱融着されているプラスチック製メッシュが積層されてなる蓄冷材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
  17. それぞれ同一の形状に切断された複数のプラスチック製メッシュが柱状に平面積層され、切断部近傍においてプラスチック製メッシュ同士が熱融着されてなる柱状ペレット状態の蓄冷材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷凍機。
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