JP2697470B2 - 再生器及びその製造方法 - Google Patents

再生器及びその製造方法

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JP2697470B2 JP8709792A JP8709792A JP2697470B2 JP 2697470 B2 JP2697470 B2 JP 2697470B2 JP 8709792 A JP8709792 A JP 8709792A JP 8709792 A JP8709792 A JP 8709792A JP 2697470 B2 JP2697470 B2 JP 2697470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば極低温冷凍機
等に使用されるの再生器(再生式熱交換器)及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ヘリウムガス等の高圧の冷媒
ガスを膨張させて極低温レベルの寒冷を発生させる極低
温冷凍機として、冷媒ガスを所定周期で加圧する圧縮機
と、圧縮機で加圧された冷媒ガスを膨張させる膨張機と
を組み合わせてなり、上記圧縮機のシリンダ内でピスト
ンを往復動させて所定周期のガス圧を発生させることに
より、膨張機のシリンダ内でディスプレーサを往復動さ
せ、冷媒ガスの膨張により寒冷を発生させるようにした
スターリング冷凍機が知られている(例えば“Refriger
ator for Cryogenic Sensors”,NASA Conference Publ
ication 2287等参照)。
【0003】こうした極低温冷凍機における膨張機には
再生器(リジェネレータ)と呼ばれる再生式熱交換器が
内蔵されているが、この再生器は、通常、ガスが往来可
能なディスプレーサとしてのケーシング内に積層状態で
充填された多数のメッシュ(マトリックスと呼ばれる)
からなり、メッシュを通過するガスと熱交換して蓄熱及
びガスの加熱を行うメッシュタイプのものが一般的に採
用されている。斯かる再生器を製造する場合、素線が編
成されたスクリーン状のメッシュ体からケーシングに合
せてメッシュを打ち抜いた後、その多数枚のメッシュを
1枚ずつ必要枚数(例えば1000枚以上)だけケーシ
ングに嵌挿して押圧しながら積層充填する方法が一般的
に行われている。
【0004】しかし、この方法では、ケーシング内に多
数のメッシュを充填するため、特にケーシングが小さい
ものでは、その作業に時間及び手間がかかり、コストが
高く、量産には不向きである。
【0005】そこで、従来、ガスが流通可能な発泡金属
や繊維状金属をマトリックスとして、これをケーシング
内に充填することが提案されている。この構造の再生器
によると、多数枚のメッシュを積層して充填する場合に
必要な規則性を無視できるので、製造を自動化できてコ
ストダウン化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の再
生器においては、冷凍機の冷凍能力の向上のために、ケ
ーシングを経由する熱の低温部への侵入を可及的に抑え
ることが要求される。この要求を満たすため、ケーシン
グをステンレス鋼やチタン等の高強度の金属或いはセラ
ミックで構成し、その肉厚を極限(例えば0.15〜
0.1mm)まで薄肉化することが行われているが、この
ような薄肉のケーシングの加工は難しく、コストが高く
つく難がある。
【0007】また、上記要求を満たす目的で、ケーシン
グを熱伝導率の低い樹脂で構成する考え方もある。しか
し、樹脂の剛性は低いので、加工によりケーシングの薄
肉化を図るには限度があり、ケーシングは厚肉(約0.
5mm)のものとならざるを得ず、その結果、ケーシング
内の断面積が小さくなって再生器の容量が減少するとい
う問題がある。
【0008】本発明は以上の諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、マトリックスとして上記のように発泡
金属や繊維状金属をうまく利用することで、薄肉の樹脂
製ケーシングが得られるようにし、再生器の容量を大に
確保しつつ、樹脂製ケーシングによる熱伝導を低減し
て、再生器の高効率化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明では、発泡金属や繊維状金属をマト
リックスとし、その表面に樹脂を含浸させて、その含浸
樹脂によりマトリックス表面を気密状に封閉し、ケーシ
ングを構成することとした。
【0010】具体的には、この発明では、図1、図2及
び図6に示すように、内部を通過する気体と熱交換して
蓄熱及び気体の加熱を行う再生器として、所定形状に成
形されかつ内部を気体が流通可能な発泡金属又は繊維状
金属からなるマトリックス(1)の表面に、マトリック
ス(1)内外間での気体の流通を遮断する樹脂の含浸層
からなるケーシング部(5)を形成して、該ケーシング
部(5)に気体を流通させる開口(7),(8)を設け
た構成とする。
【0011】請求項2の発明では、図2に示すように、
上記ケーシング部(5)に、再生器を支持する支持部
(5c)をケーシング部(5)と同じ樹脂により一体に
成形する。また、請求項3の発明では、図4に示す如
く、ケーシング部(5)に、再生器を支持する支持部材
(9)を一体的に埋設する。
【0012】請求項4の発明では、請求項1、2又は3
の再生器において、図5に示すように、マトリックス
(1)を貫通する心材(11)を設ける。
【0013】請求項5の発明では、図3及び図7に示す
如く、内部を通過する気体と熱交換して蓄熱及び気体の
加熱を行う再生器の製造方法として、内部を気体が流通
可能な発泡金属又は繊維状金属を所定形状に成形してマ
トリックス(1)とし、このマトリックス(1)の表面
に樹脂を含浸させてマトリックス(1)内外間での気体
の流通を遮断する樹脂含浸層からなるケーシング部
(5)を形成する。次いで、このケーシング部(5)に
気体を流通させる開口(7),(8)を設ける。
【0014】請求項6の発明では、請求項5の再生器の
製造方法において、インジェクション成形により、マト
リックス(1)の表面に樹脂を含浸させてケーシング部
(5)を形成する。
【0015】
【作用】上記の構成により、請求項1又は5の発明で
は、内部を気体が流通可能な発泡金属又は繊維状金属か
らなるマトリックス(1)の表面に、マトリックス
(1)内外間での気体の流通を遮断する樹脂の含浸層か
らなるケーシング部(5)が形成されているので、気体
はケーシング部(5)の開口(7),(8)を経由して
マトリックス(1)内に流れ、このことで、マトリック
ス(1)が気体と熱交換して蓄熱及び気体の加熱を行う
再生器の機能が得られる。
【0016】そのとき、ケーシング部(5)はマトリッ
クス(1)表面の樹脂層であるので、その樹脂の熱伝導
率は低く、ケーシング部(5)を経由しての熱の伝導が
抑えられる。しかも、ケーシング部(5)はマトリック
ス(1)表面に含浸された樹脂であり、従来のように樹
脂製ケーシングを加工する必要はないので、その厚さを
極めて小さくすることができ、その分、ケーシング部
(5)内の断面積を大きくして再生器の容量を大に確保
することができる。これらによって再生器の高効率化を
達成でき、冷凍機等の能力を向上させることができる。
【0017】また、マトリックス(1)の表面に樹脂を
含浸させてケーシング部(5)を形成するので、その製
造が容易であり、再生器の製造コストを下げることがで
きる。
【0018】請求項2の発明では、ケーシング部(5)
に再生器を支持する支持部(5c)が樹脂により一体に
成形されているので、その支持部(5c)も熱伝導が低
くなり、支持部(5c)を経由して伝導される熱を抑制
して、ケーシング部(5)の熱伝導をさらに低減できる
とともに、別個に支持部材が不要で、部品点数を低減す
ることができる。
【0019】また、請求項3の発明では、ケーシング部
(5)に、再生器を支持する支持部材(9)が一体的に
埋設されているので、支持部材(9)を接着して固定す
る場合に比べ、接着剤を使用せずとも済み、支持部材
(9)を強固に接合することができる。
【0020】請求項4の発明では、マトリックス(1)
を貫通する心材(11)が設けられているので、ケーシ
ング部(5)のみで再生器の剛性が不足する場合であっ
ても、それを心材(11)によって補うことができ、再
生器の強度を増大させることができる。
【0021】請求項6の発明では、上記マトリックス
(1)の表面に樹脂を含浸させてケーシング部(5)を
形成するのをインジェクション成形により行うので、目
的の厚さを有するケーシング部(5)を精度よく作るこ
とができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0023】(実施例1)図2は本発明の実施例1に係
る再生器(R)を示す。この再生器(R)は、スターリ
ング冷凍機の膨張機において、内部を通過するヘリウム
等の冷媒ガスと熱交換して蓄熱及びガスの加熱を行うも
のとして使用される。再生器(R)は、細長い円柱形状
に成形されかつ内部を冷媒ガスが流通可能な連続気泡
(2),(2),…を有する発泡金属からなるマトリッ
クス(1)を備えている。図1に拡大詳示するように、
このマトリックス(1)の表面には、マトリックス
(1)内外間での冷媒ガスの流通を遮断する樹脂の含浸
層からなるケーシング部(5)が形成されている。この
ケーシング部(5)は、マトリックス(1)の長さ方向
の両端部(5a),(5b)では厚肉とされているが、
外周部では例えば0.1〜0.15mm程度の薄肉とされ
ている。
【0024】さらに、上記ケーシング部(5)の一端部
(5a)には、再生器(R)を膨張機のシリンダに往復
動可能に弾性支持するためのコイルばね(いずれも図示
せず)を取り付けるばね止め部(5c)がケーシング部
(5)と同じ樹脂により一体に成形されている。このば
ね止め部(5c)はケーシング部(5)の一端部(5
a)に突設され、その外周にはコイルばねの端部を螺合
状態で係合する螺旋状の係合溝(6)が形成されてい
る。
【0025】また、上記ケーシングの一端部(5a)の
中心には、ケーシング部(5)内部のマトリックス
(1)を外部に連通して冷媒ガスを流通させるためのガ
ス流通孔(7)が貫通形成されている。このガス流通孔
(7)の再生器(R)における内端はマトリックス
(1)の一端側に連通され、外端側はばね止め部(5
c)の中心を貫通してその外端面に開口されている。一
方、ケーシング部(5)の他端部(5b)の中心にも同
様のガス流通孔(8)が形成され、このガス流通孔
(8)の再生器(R)における内端はマトリックス
(1)の他端側に連通され、外端側は他端部(5b)の
外端面に開口されている。そして、これらガス流通孔
(7),(8)を経由してマトリックス(1)(発泡金
属)に対し冷媒ガスを流通可能とし、マトリックス
(1)とその内部の連続気泡(2),(2),…を通過
する冷媒ガスとを熱交換させて蓄熱及びガスの加熱を行
うようになっている。
【0026】ここで、上記構成の再生器(R)を製造す
る工程を図3により説明する。まず、図3(a)に示す
ように、内部を冷媒ガスが流通可能な発泡金属を円柱形
状に成形してマトリックス(1)を作る。
【0027】次に、図3(b)に示す如く、インジェク
ション成形により、その樹脂の粘度やインジェクション
圧等をコントロールしながら、マトリックス(1)の表
面に樹脂(図で矢印にて示す)を加圧させて浸透させ、
図3(c)に示すように、マトリックス(1)内外間で
の冷媒ガスの流通を遮断する樹脂含浸層からなるケーシ
ング部(5)を形成する。また、それと同時に、ケーシ
ング部(5)の一端部(5a)にばね止め部(5c)を
一体に成形する。そのとき、樹脂含浸層からなるケーシ
ング部(5)をインジェクション成形により形成するの
で、ケーシング部(5)の外周部の薄肉部分であっても
精度よく作ることができる。
【0028】しかる後、ケーシング部(5)の一端ない
しばね止め部(5c)とケーシング部(5)の他端とに
それぞれガス流通孔(7),(8)をドリルにより開口
させればよい。
【0029】したがって、上記実施例においては、内部
を冷媒ガスが流通可能な発泡金属からなるマトリックス
(1)の表面に、マトリックス(1)内外間での冷媒ガ
スの流通を遮断する樹脂の含浸層からなるケーシング部
(5)が形成され、このケーシング部(5)の両端部
(5a),(5b)に冷媒ガスを流通させるガス流通孔
(7),(8)がそれぞれ開口されているので、この再
生器(R)がスターリング冷凍機における膨張機のディ
スプレーサに内蔵された場合、ディスプレーサの往復動
に伴い、冷媒ガスがディスプレーサ両側の高温空間及び
低温空間(膨張空間)の間でケーシング部(5)のガス
流通孔(7),(8)を経由してマトリックス(1)内
の連続気泡(2),(2),…を流れ、この間にマトリ
ックス(1)がガスと熱交換して蓄熱及びガスの加熱を
行う。このことで再生器(R)の機能が良好に得られ
る。
【0030】この場合、上記再生器(R)のケーシング
部(5)は、発泡金属からなるマトリックス(1)表面
にインジェクション成形により含浸された熱伝導率の低
い樹脂含浸層であるので、そのケーシング部(5)の外
周部を経由して高温部から低温部に熱が伝導するのを抑
えることができる。しかも、ケーシング部(5)はマト
リックス(1)表面に含浸された樹脂であるので、従来
のように樹脂製ケーシングを加工するときの加工限界に
ついては考慮せずとも済み、ケーシング部(5)の外周
部の厚さを極めて薄くすることができ、逆にいえば、ケ
ーシング部(5)内のガス通路の断面積を大きくして再
生器(R)の容量を大に確保することができる。これら
の相乗作用によって再生器(R)の高効率化を達成で
き、冷凍機の能力を向上させることができる。
【0031】しかも、マトリックス(1)の表面に樹脂
を含浸させてケーシング部(5)を形成するので、その
製造が容易であり、再生器(R)が低い製造コストで得
られる。
【0032】さらに、ケーシング部(5)の一端部(5
a)に再生器(R)を膨張機のシリンダに弾性支持する
ためのばね止め部(5c)がケーシング部(5)と同じ
樹脂により一体に成形されているので、そのばね止め部
(5c)を経由してケーシング部(5)の外周部に熱が
伝導されるのを抑制することができ、ケーシング部
(5)の熱伝導をさらに低減できる。また、別個にばね
止め部材が不要で、部品点数を低減することもできる。
【0033】尚、上記再生器(R)を製造する場合、イ
ンジェクション成形の他に、例えばマトリックス(1)
を樹脂被膜の上で転動させることで、その表面に樹脂含
浸層を形成するようにしてもよい。しかし、樹脂含浸層
を高精度に形成できる点で、上記実施例のようにインジ
ェクション成形によるのが好ましい。
【0034】(実施例2)図4は本発明の実施例2を示
し(尚、図2と同じ部分については同じ符号を付してそ
の詳細な説明は省略する)、ばね止め部材を別に設けた
ものである。
【0035】すなわち、この実施例では、再生器(R)
をシリンダに弾性支持するための例えば金属製のばね止
め部材(9)がケーシング部(5)とは別に設けられて
いる。このばね止め部材(9)は、係合溝(6)とは反
対側である先端部に該先端側に向かって径が小さくなる
断面テーパ状の係止部(9a)を有している。そして、
マトリックス(1)に対しインジェクション成形により
ケーシング部(5)を形成する際、その一端部(5a)
に係止部(9a)を一体的に埋め込んで成形することに
より、ばね止め部材(9)は係止部(9a)にてケーシ
ング部(5)の一端部(5a)に一体的に埋設されてい
る。尚、ケーシング部(5)の一端部(5a)における
ガス流通孔(7)は上記ばね止め部材(9)の中心部に
貫通形成されている。
【0036】したがって、この実施例では、再生器
(R)のケーシング部(5)にばね止め部材(9)が一
体的に埋設されているので、従来採用されていたばね止
め部材を接着してケーシングに固定する固定構造のよう
に接着剤を使用せずとも済み、ケーシング部(5)にば
ね止め部材(9)を強固に接合固定することができる。
【0037】(実施例3)上記各実施例の再生器(R)
は、マトリックス(1)の周囲に樹脂含浸層のケーシン
グ部(5)を形成したものであるので、圧縮方向の応力
に対してはケーシング部(5)だけでも十分に耐え得る
が、引張応力に対しては圧縮応力に比べ剛性が低いと考
えられる。これに対処するために図5の構造を採用して
もよい。すなわち、図5は実施例3を示し、ケーシング
部(5)の特に引張方向の剛性を高めたものである。
【0038】この実施例では、再生器(R)のケーシン
グ部(5)は、その外周部のみならず両端部(5a),
(5b)も薄肉の樹脂含浸層で構成されている。ケーシ
ング部(5)の一端側にはケーシング部(5)とは別体
のばね止め部材(9)が、また他端側には同様の円柱状
のキャップ部材(10)がそれぞれ配置され、このばね
止め部材(9)及びキャップ部材(10)はマトリック
ス(1)の中心部を貫通する細いロッドからなる心材
(11)によりマトリックス(1)ないしケーシング部
(5)に一体的に接合されている。具体的には、心材
(11)のケーシング部(5)他端側に相当する端部は
キャップ部材(10)の中心を貫通してその外部に延
び、その端部にはキャップ部材(10)を抜止め支持す
るヘッド部(11a)が形成されている。一方、心材
(11)のケーシング部(5)一端側に相当する端部に
はねじ部(11b)が形成され、このねじ部(11b)
は、ばね止め部材(9)の中心孔(9b)端部に形成し
た雌ねじ部に螺合締結されており、この構造によりケー
シング部(5)がキャップ部材(10)及びばね止め部
材(9)間に心材(11)の張力で圧力をもって挟持さ
れている。
【0039】さらに、上記心材(11)においてマトリ
ックス(1)内に位置する部分には他の部分よりも小径
の2つの括れ部(11c),(11c)が形成されてい
る。尚、ケーシング部(5)の端部(5a),(5b)
のガス流通孔(7),(8)は中心から外れた位置に開
口されている。
【0040】この実施例では、マトリックス(1)を貫
通する心材(11)が設けられ、この心材(11)の端
部はそれぞればね止め部材(9)及びキャップ部材(1
0)に連結固定されているので、マトリックス(1)周
辺に形成された樹脂含浸層のケーシング部(5)のみで
は再生器(R)の引張剛性が不足する場合であっても、
それを心材(11)によって補うことができ、再生器
(R)の引張方向の強度を増大させることができる。
【0041】また、心材(11)においてマトリックス
(1)内に位置する部分には2つの括れ部(11c),
(11c)が形成されているので、膨張機のシリンダ高
温部の熱が心材(11)を経由して低温部に伝導される
のを括れ部(11c),(11c)によって抑制でき
る。
【0042】(実施例4)図6及び図7は実施例4を示
す。上記各実施例では、マトリックス(1)として連続
気泡(2),(2),…を有する発泡金属を使用した
が、この実施例では、繊維状金属を使用したものであ
る。すなわち、この実施例では、実施例1の構成におい
て、マトリックス(1)を発泡金属から繊維状金属に置
き換えただけであり、その製造工程を図7に示す(図1
及び図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳
細な説明は省略する)。その他は実施例1と同様である
(図1及び図3参照)。従って、この実施例でも実施例
1と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】(実施例5)図8及び図9は実施例5を示
す。この実施例は、以上の実施例1〜4とは異なり、マ
トリックスとして繊維状金属を使用する場合において、
そのマトリックスを筒状のケーシング内に充填するよう
にしたものである。
【0044】すなわち、この実施例では、図8に示すよ
うに、再生器(R)は有底円筒状のケーシング(12)
を有し、このケーシング(12)は、両端が開放された
樹脂製(又は金属製)の円筒状のケーシング本体(1
3)と、このケーシング本体(13)の開口にそれぞれ
気密状に嵌合されたばね止め部材(9)及びキャップ部
材(10)とからなる。このばね止め部材(9)及びキ
ャップ部材(10)には各々の中心部に冷媒ガスを流通
させるガス流通孔(7),(8)が開口されている。
【0045】上記ケーシング(12)内には、内部を冷
媒ガスが流通可能な繊維状金属からなるマトリックス本
体(14)が加圧によりケーシング(12)内面と密着
した状態で充填されている。また、ケーシング本体(1
3)の両端開口部(ケーシング(12)内のガス流通孔
(7),(8)近傍)にはそれぞれ上記マトリックス本
体(14)を封閉するように複数枚のメッシュ(1
5),(15),…が充填されており、このメッシュ
(15),(15),…とマトリックス本体(14)と
により、内部を通過するガスと熱交換して蓄熱及びガス
の加熱を行うマトリックス(1)が構成されている。
【0046】この実施例において、再生器(R)を製造
する場合、まず、図9(a)に示す如く、繊維状金属を
再生器(R)として用いる寸法よりも若干外径が小さく
かつ長くなるように固めたマトリックス本体(14)を
作り、これを円筒状のケーシング本体(13)に嵌挿す
る。繊維状金属は、例えば金属を切削加工して出る切粉
を使用すればよい。
【0047】次いで、図9(b)に示すように、ケーシ
ング本体(13)が変形しないように外部から固定した
上で、ケーシング本体(13)の両側開口からマトリッ
クス本体(14)をケーシング本体(13)の軸方向に
加圧して所定長さまで縮める。
【0048】さらに、図9(c)に示す如く、ケーシン
グ本体(13)の開口部にそれぞれメッシュ(15),
(15),…を充填する。しかる後、ケーシング本体
(13)にばね止め部材(9)及びキャップ部材(1
0)を嵌合して接合固定すればよい。
【0049】したがって、この実施例においては、再生
器(R)のケーシング(12)内に繊維状金属からなる
マトリックス本体(14)が加圧によりケーシング(1
2)内面と密着した状態で充填され、このマトリックス
本体(14)がケーシング(12)の開口部内に充填さ
れたメッシュ(15),(15),…により封閉されて
いるので、繊維状金属のマトリックス本体(14)を使
用しながら、そのケーシング(12)内面との隙間をな
くすことができ、再生器(R)を通るガスとの熱交換効
率を高めることができる。
【0050】尚、本発明は、上記各実施例の如きスター
リング冷凍機以外の極低温冷凍機や、ビルマイヤヒート
ポンプ装置等のヒートポンプ装置における再生器に対し
ても適用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は5の
発明では、内部を通過する気体と熱交換して蓄熱及び気
体の加熱を行う再生器として、所定形状に成形されかつ
内部を気体が流通可能な発泡金属又は繊維状金属からな
るマトリックスの表面に、マトリックス内外間での気体
の流通を遮断する樹脂の含浸層からなるケーシング部を
形成し、該ケーシング部に気体を流通させる開口を設け
る構成としたことにより、マトリックス表面に含浸され
た熱伝導率の低い樹脂の含浸層からなるケーシング部に
より、ケーシング部を経由しての熱の伝導を抑制できる
とともに、ケーシング部の厚さを極めて薄くして再生器
の容量を大に確保でき、よって再生器の高効率化を達成
して冷凍機等の能力の向上及び再生器のコストダウン化
を図ることができる。
【0052】請求項2の発明によれば、上記ケーシング
部に、再生器を支持する支持部を一体に成形するように
したので、支持部を経由して伝導される熱を抑制して、
ケーシング部の熱伝導のより一層の抑制及び部品点数の
低減を図ることができる。
【0053】また、請求項3の発明によれば、ケーシン
グ部に、再生器を支持する支持部材を一体的に埋設する
ようにしたので、支持部材を接着剤を使用せずに強固に
接合することができる。
【0054】請求項4の発明によると、マトリックスを
貫通する心材を設けたことにより、ケーシング部のみで
再生器の剛性が不足する場合であっても、再生器の強度
を増大させることができる。
【0055】請求項6の発明によれば、再生器の製造方
法において、インジェクション成形により、マトリック
スの表面に樹脂を含浸させてケーシング部を形成するの
で、目的の厚さを有するケーシング部を精度よく作るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における再生器の要部の拡大
断面図である。
【図2】実施例1の再生器の全体構成を示す断面図であ
る。
【図3】実施例1の再生器の製造工程を示す説明図であ
る。
【図4】実施例2を示す図2相当図である。
【図5】実施例3を示す図2相当図である。
【図6】実施例4を示す図1相当図である。
【図7】実施例4の再生器の製造工程を示す説明図であ
る。
【図8】実施例5の再生器の全体構成を示す断面図であ
る。
【図9】実施例5の再生器の製造工程を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
(R) 再生器 (1) マトリックス (5) ケーシング部 (5c) ばね止め部(支持部) (7),(8) ガス流通孔(開口) (9) ばね止め部材(支持部材) (11) 心材

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を通過する気体と熱交換して蓄熱及
    び気体の加熱を行う再生器であって、 所定形状に成形されかつ内部を気体が流通可能な発泡金
    属又は繊維状金属からなるマトリックス(1)の表面
    に、マトリックス(1)内外間での気体の流通を遮断す
    る樹脂の含浸層からなるケーシング部(5)が形成さ
    れ、該ケーシング部(5)には気体を流通させる開口
    (7),(8)が設けられていることを特徴とする再生
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1の再生器において、 ケーシング部(5)には、再生器を支持する支持部(5
    c)がケーシング部(5)と同じ樹脂により一体に成形
    されていることを特徴とする再生器。
  3. 【請求項3】 請求項1の再生器において、 ケーシング部(5)には、再生器を支持する支持部材
    (9)が一体的に埋設されていることを特徴とする再生
    器。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3の再生器において、 マトリックス(1)を貫通する心材(11)が設けられ
    ていることを特徴とする再生器。
  5. 【請求項5】 内部を通過する気体と熱交換して蓄熱及
    び気体の加熱を行う再生器の製造方法であって、 内部を気体が流通可能な発泡金属又は繊維状金属を所定
    形状に成形してマトリックス(1)とし、このマトリッ
    クス(1)の表面に樹脂を含浸させてマトリックス
    (1)内外間での気体の流通を遮断する樹脂含浸層から
    なるケーシング部(5)を形成し、該ケーシング部
    (5)に気体を流通させる開口(7),(8)を設ける
    ことを特徴とする再生器の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の再生器の製造方法において、 インジェクション成形により、マトリックス(1)の表
    面に樹脂を含浸させてケーシング部(5)を形成するこ
    とを特徴とする再生器の製造方法。
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