JP2004124896A - ピストン及びこのピストンを用いた熱機関 - Google Patents

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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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Abstract

【課題】軽量且つ圧力による変形が少なく、スターリングサイクルの熱機関でディスプレーサーとして用いるのに適した特性を備えたピストンを提供する。
【解決手段】スターリング冷凍機関10のシリンダー12の中には、ピストン13及びディスプレーサーとなるピストン15が直列に挿入されている。ピストン13、15は互いに独立して動く。ピストン15は、両端に配置されるディスク状の端面部41、42と、これらの端面部を連結する連結部43とにより構成される。連結部43は端面部41、42よりも断面積が小さく、その外面が端面部41、42より外にはみ出さない。端面部41、42の少なくとも一方は、軸方向に厚さを有する環状周壁部44を備えるものとし、環状周壁部44にシール効果を発揮させる。端面部41、42同士の間の空間は熱伝導率の低い部材45で埋める。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピストン及びこのピストンを用いた熱機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
レシプロ形式のピストンを用いる熱機関は身の回りで広く使用されている。自動車のエンジンや冷蔵庫のコンプレッサなどはその代表的なものである。最近ではスターリング機関の実用化の取り組みも進行している。特許文献1にスターリング機関の冷却庫への応用例を見ることができる。
【0003】
一般的には、ピストンはその一方の端面が作動ガスに接触する。これに対しフリーピストン型スターリング機関ではピストンの両端面が作動ガスに接触する。
【0004】
フリーピストン型スターリング機関の一例を図7〜9に示す。図7〜9はいずれもスターリング冷凍機関の断面図で、異なる動作状態を示すものである。
【0005】
スターリング冷凍機関10はシリンダーブロック11を中心として組み立てられる。シリンダーブロック11は中心にシリンダー12を有し、シリンダー12の軸線を水平にした形で配置される。シリンダー12の中には、図において右側にピストン13、その左側にディスプレーサーとなるピストン15が、直列に挿入される。ピストン13及びピストン15は、スターリング冷凍機関10の運転中、ガスベアリングの仕組みによりシリンダー12の内壁に接触することなく動く。ピストン13及びピストン15の動きは互いに独立である。
【0006】
ピストン13の一方の端からはピストン軸14が突出し、ピストン15の一方の端からはピストン軸16が突出する。ピストン軸16はピストン13及びピストン軸14の中を軸方向に自由にスライドできるように貫通する。ピストン軸16とピストン13及びピストン軸14との間にもガスベアリングが形成され、スターリング冷凍機関10の運転中、ピストン軸16はピストン13及びピストン軸14に接触することなく動く。
【0007】
シリンダーブロック11はピストン13の動作領域にあたる部分の外側にリニアモーター20を保持する。リニアモーター20は外部鉄心21、内部鉄心22及び外部鉄心21と内部鉄心22の間の環状空間に挿入されたリング状のマグネット23を備える。マグネット23はカップ状のマグネットホルダー24に固定されている。マグネットホルダー24はピストン軸14に固定され、マグネット23を外部鉄心21と内部鉄心22のいずれにも接触しないよう支持する。マグネットホルダー24の端面にあたる箇所には通気口25が形設されている。
【0008】
リニアモーター20を囲むようにケーシング26が配置される。ケーシング26はシリンダーブロック11に固定されるものであり、その内部は気密空間となっている。ピストン軸14はスプリング27を介して、ピストン軸16はスプリング28を介して、それぞれケーシング26に連結される。
【0009】
シリンダーブロック11のうち、ピストン15の動作領域にあたる部分の外側には伝熱ヘッド30、31が配置される。伝熱ヘッド30はリング状、伝熱ヘッド31はキャップ状であって、いずれも銅や銅合金など熱伝導の良い金属からなる。伝熱ヘッド30、31は各々リング状の内部熱交換器32、33を介在させた形でシリンダーブロック11の外側に支持される。内部熱交換器32、33はそれぞれ通気性を有し、内部を通り抜ける作動ガスの熱を伝熱ヘッド30、31に伝える。
【0010】
伝熱ヘッド30、シリンダーブロック11、及び内部熱交換器32で囲まれた環状の空間はシリンダーブロック11に形設した通気口34を介してピストン13とピストン15の間隙に連通し、1個の連続した空間を形成する。この空間が圧縮空間35となる。他方伝熱ヘッド31、内部熱交換器33、及びピストン15の端面で囲まれる空間は膨張空間36となる。
【0011】
内部熱交換器32、33の間には再生器37が配置される。再生器37も通気性を有し、内部を作動ガスが通る。再生器37の外側を再生器チューブ38が包む。再生器チューブ38は伝熱ヘッド30、31の間に気密通路を構成する。
【0012】
スターリング冷凍機関10は次のように動作する。リニアモーター20に交流電流を供給すると外部鉄心21と内部鉄心22の間にマグネット23を貫通する磁界が発生し、マグネット23は軸方向に往復する。ピストン系(ピストン13、ピストン軸14、マグネットホルダー24、マグネット23、及びスプリング27)の総質量と、スプリング27のバネ定数とにより定まる共振周波数に一致する周波数の電力を供給することにより、ピストン系は滑らかな正弦波状の往復運動を開始する。
【0013】
ピストン13が往復運動すると、ピストン13の左側の全空間に同一の圧力変動が生じる。ここでピストン15に作用する圧力を観察すると、膨張空間36側の端面に作用する圧力と圧縮空間35側の端面に作用する圧力とはパスカルの原理により同一となり、相殺される。しかしながらピストン軸16はピストン13の右側の背圧空間39に突出しているため、ピストン軸16にはその断面積に応じた背圧がかかる。
【0014】
背圧は圧縮空間35の圧力変動と逆相で変動するため、ピストン15の両側の圧力は完全には相殺されず、差圧が発生する。つまり、ピストン13がピストン15の側に前進すると、ピストン15はピストン13に向かって後退し、圧縮空間35の容積が縮小するとともに膨張空間36の容積が拡大する。圧縮空間35の容積縮小分の作動ガスは再生器37を通って膨張空間36に流れ込む(図8参照)。
【0015】
逆にピストン13がピストン15から離れて後退すると、ピストン15はピストン13から離れて前進し、膨張空間36の容積が縮小するとともに圧縮空間35の容積が拡大する。膨張空間36の容積縮小分の作動ガスは再生器37を通って圧縮空間35に戻る(図9参照)。
【0016】
上記のようにしてフリーピストン構造のピストン15はピストン13の振動周波数と同期して振動する。この振動を効率的に維持するため、ディスプレーサー系(ピストン15、ピストン軸16、及びスプリング28)の総質量と、スプリング28のバネ定数とにより定まる共振周波数を、ピストン13の駆動周波数に共振するよう設定する。これにより、ピストン系とディスプレーサー系とは両者の共振振動周波数の位相のずれに応じた一定の位相差をもって同期振動する。
【0017】
ピストン13とピストン15の同期振動により圧縮/膨張のサイクルが生まれる。振動の位相差を適切に設定すれば、圧縮空間35では断熱圧縮による発熱が多く発生し、膨張空間36では断熱膨張による冷却が多く発生する。このため、圧縮空間35の温度は上昇し、膨張空間36の温度は下降する。
【0018】
運転中に圧縮空間35と膨張空間36の間を往復する作動ガスは、内部熱交換器32、33を通過する際に、その有する熱を内部熱交換器32、33を通じて伝熱ヘッド30、31に伝える。圧縮空間35から噴出する作動ガスは高温であり、伝熱ヘッド30は加熱される。すなわち伝熱ヘッド30はウォームヘッドとなる。膨張空間36から噴出する作動ガスは低温であり、伝熱ヘッド31は冷却される。すなわち伝熱ヘッド31はコールドヘッドとなる。伝熱ヘッド30より熱を放散し、伝熱ヘッド31で特定空間の温度を下げることにより、スターリング冷凍機関10は冷凍機関としての機能を果たす。
【0019】
再生器37は、圧縮空間35と膨張空間36の熱を相手側の空間には伝えず、作動ガスだけを通す働きをする。圧縮空間35から内部熱交換器32を経て再生器37に入った高温の作動ガスは、再生器37を通過するときにその熱を再生器37に与え、温度が下がった状態で膨張空間36に流入する。膨張空間36から内部熱交換器33を経て再生器37に入った低温の作動ガスは、再生器37を通過するときに再生器37から熱を回収し、温度が上がった状態で圧縮空間35に流入する。すなわち再生器37は熱の保管庫としての役割を果たす。
【0020】
【特許文献1】
特開平3−36468号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
スターリングサイクルの熱機関でディスプレーサーとして用いられるピストンは上記のように圧力差で振動するものであるため、慣性が小さいこと、すなわち軽量であることが求められる。そのため、中空構造とすることが提案されている。またこのピストンは両端面で作動ガスに接触し、しかも端面毎に接触する作動ガスの温度が異なる。高温側端面から低温側端面への熱移動を抑制するため、中空部に熱伝導率の低い材料を組み込むという提案もなされている。
【0022】
しかしながら中空構造のピストンは、周囲の作動ガスの圧力とピストンの内部圧力との差圧によりピストンが変形するという問題があった。また、中空、中実にかかわらず、ピストンとシリンダーとの間のギャップを所定値に保つためには、ピストンの全長にわたり高い外面形状精度を確保しなければならないという問題があった。
【0023】
本発明は上記問題に鑑みなされたもので、軽量であり、且つ圧力による変形が少ないなど、スターリングサイクルの熱機関でディスプレーサーとして用いるのに適した特性を数多く備えたピストンを提供することを目的とする。さらに、このようなピストンを用いて性能を向上させた熱機関を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明ではピストンを次のように構成した。
【0025】
(1)両端面を作動ガスに接触させるピストンを、両端に配置されるディスク状の端面部と、これらの端面部を連結する連結部とにより構成し、前記連結部は前記端面部よりも断面積が小さく且つその外面が端面部より外にはみ出すものでないものとした。
【0026】
この構成によれば、ピストンに中空部がないので作動ガスと中空部との圧力差によってピストンがつぶれたり膨張したりするということがない。またシリンダーとピストンとのギャップを管理するにあたり、端面部だけを管理対象とし、連結部は管理対象外とすることができ、ピストン表面のうち高い加工精度で仕上げねばならない箇所が減り、ピストンの製造コストを低減できる。
【0027】
(2)上記のようなピストンにおいて、前記端面部の少なくとも一方は、軸方向に所定厚さを有する環状周壁部を備えるものとした。
【0028】
この構成によれば、環状周壁部の厚さがシール効果を発揮するので作動ガスの漏れが少なくなり、このピストンを用いる熱機関の効率が向上する。
【0029】
(3)上記のようなピストンにおいて、前記端面部同士の間で直径を異ならせた。
【0030】
この構成によれば、端面部同士の同軸度のずれを直径の差で吸収することが可能となる。そして、同軸度のずれがあったとしてもピストンがシリンダーに接触することが少なくなり、このピストンを用いる熱機関の効率が向上する。
【0031】
(4)上記のようなピストンにおいて、前記端面部の少なくとも一方が、摩擦低減対策の施された外周面を備えるものとした。
【0032】
この構成によれば、ピストンがシリンダーに接触したとしても摩擦損失が少なくなり、このピストンを用いる熱機関の効率が向上する。
【0033】
(5)上記のようなピストンにおいて、前記端面部同士の間の空間を熱伝導率の低い部材で埋めた。
【0034】
この構成によれば、ピストンの両端面が異なる温度の作動ガスに接触する場合、高温側端面から低温側端面への熱移動が抑制され、このピストンを用いる熱機関の効率が向上する。
【0035】
(6)上記のようなピストンにおいて、前記端面部の少なくとも一方は前記連結部と別成形した部品であるものとした。
【0036】
この構成によれば、断面積の異なる部分を別部品として成形できるため、製作が容易になる。また端面部には端面部に求められる精度の加工を、連結部には連結部に求められる精度の加工を施せば良いため、加工精度が過剰品質にわたることがなくなり、製造コストを低減できる。
【0037】
(7)上記のようなピストンにおいて、前記別成形した部品である端面部と前記連結部との間に位置決め嵌合部を設けた。
【0038】
この構成によれば、端面部と連結部の組立精度が高まり、ピストンの品質が向上する。ひいてはこのピストンを用いる熱機関の効率も向上する。
【0039】
(8)上記のようなピストンにおいて、ピストン軸を前記連結部に一体成形した。
【0040】
この構成によれば、端面部とピストン軸の同軸度が向上し、シリンダーや他のピストンと接触する率が減る。従ってこのピストンを用いる熱機関の効率が損なわれない。
【0041】
(9)上記のようなピストンにおいて、各々の接触する作動ガスの温度に適合する物性を備えた材料で前記両端面部を形成した。
【0042】
この構成によれば、ピストンの両端面が温度の異なる作動ガスに接触する場合、各端面部をその接触する作動ガス温度に適合する物性の材料で形成し、ピストンの温度耐性を向上させることができる。これによりこのピストンを用いる熱機関の信頼性も向上する。
【0043】
また本発明では熱機関を次のように構成した。
【0044】
(10)上記ピストンのいずれかを用いて作動ガスの吸入と排出を行うものとした。
【0045】
この構成によれば、高効率、高信頼性の熱機関を得ることができる。
【0046】
(11)前記熱機関がスターリング機関であるものとした。
【0047】
この構成によれば、高効率、高信頼性のスターリング機関を得ることができる。
【0048】
(12)前記熱機関がリニア圧縮機であるものとした。
【0049】
この構成によれば、高効率、高信頼性のリニア圧縮機を得ることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図1〜図6に基づき説明する。
【0051】
第1実施形態を図1に示す。図1は第1実施形態に係るピストンを用いたスターリング冷凍機関の断面図である。ピストン15以外のスターリング冷凍機関10の構成は図7のスターリング冷凍機関10と同じである。
【0052】
ピストン15は次のように構成される。すなわち両端に配置される端面部41、42と、これらの端面部41、42を連結する連結部43である。端面部41、42はディスク状であり、直径は相等しい。連結部43は中実で、端面部41、42より断面積を小さく、且つその外面が端面部41、42より外にはみ出してシリンダー12の内面に接触することのないように形成されている。すなわちピストン15の中で端面部41、42の外周面のみがシリンダー12の内面に接触し得る箇所ということになる。
【0053】
ピストン15には中空の部分がない。従って、作動ガスと中空部との圧力差によってピストン15がつぶれたり膨張したりするということがない。
【0054】
また端面部41、42の外周面のみがシリンダー12の内面に接触し得る箇所なので、シリンダー12とピストン15とのギャップを管理するにあたり、端面部41、42だけを管理対象とし、連結部43は管理対象外とすることができる。
【0055】
シリンダー12及び端面部41、42の断面形状は円形である。円形とするのが加工コストの面で最も有利であるが、必ずしも非円形断面が排除される訳ではない。非円形断面とした場合は、互いの断面の投影が一致するように端面部41、42を連結する。
【0056】
第2実施形態を図2に示す。図2は第2実施形態に係るピストンの断面図である。第1実施形態と共通する構成要素には第1実施形態の説明で使用した符号をそのまま付し、説明は省略する。第3実施形態以下の説明にも同じ原則を適用する。
【0057】
第2実施形態では、端面部42に環状周壁部44を設けた。環状周壁部44は軸方向に所定の厚さを有する。環状周壁部44の厚さが端面部42の厚さより大であることが望ましい。
【0058】
第2実施形態のピストン15では環状周壁部44の厚さがシール効果を発揮し、第1実施形態のピストン15よりも作動ガスの漏れが少なくなる。また端面部42の全体を環状周壁部44の厚さを加えた厚さにする場合に比べ、同じシール性を有しながら重量を減らすことができる。
【0059】
例えば、ピストンの直径が30mmでシール部のギャップが10μmである場合、シール部の軸方向長さとして25mm必要であるものとすると、端面部41、42の厚さを5mm、環状周壁部44の軸方向厚さを20mmとすることにより所望のシール性を得ることができる。
【0060】
環状周壁部44と同様の環状周壁部を、端面部41の方にも設けることができる。
【0061】
第2実施形態においては、端面部41の直径D1は端面部42の直径D2より小さい。この構成によれば、端面部41、42の同軸度のずれを直径の差で吸収することが可能となる。例えば、端面部41、42と連結部43を1個の金属棒から旋盤で削り出し、端面部41、42の間に5μmの同軸ずれが発生する場合を考えた場合、端面部41の半径を端面部42の半径より5μm以上小さくしておけば、端面部41が端面部42より半径方向にはみ出すことがなくなる。従って、同軸度のずれがあったとしてもピストン15がシリンダー12に接触することが少なくなり、ピストン15を用いる熱機関の効率が向上する。
【0062】
なお端面部42の直径D2を端面部41の直径D1より小さくしても上記と同様の効果を得ることができる。
【0063】
第3実施形態を図3に示す。図3は第3実施形態に係るピストンの断面図である。
【0064】
第3実施形態では、端面部41、42の間の空間を熱伝導率の低い部材45で埋めた。連結部43は熱伝導率の低い部材45で包囲されることになる。部材45は端面部41、42より直径を小さくし、その外面が端面部41、42より外にはみ出してシリンダー12の内面に接触することのないようにする。部材45としては、例えば発泡スチロールや発泡ポリウレタンを用いることができる。
【0065】
圧縮空間35の温度が50゜C、膨張空間36の温度がマイナス30゜Cといった値であった場合、通常であれば熱輻射や対流により端面部42から端面部41へと熱が移動する。このような熱移動が生じたのではスターリング冷凍機関10の効率が下がってしまう。第3実施形態の場合、部材45が熱輻射や対流を阻止するので、端面部42から端面部41への熱移動が抑制される。従ってスターリング冷凍機関10の効率が向上する。
【0066】
上述のとおり、部材45は熱輻射や対流が起きないようにするという役割を担うので、シリンダー12の内面に接触しないという条件を満たすかぎりにおいて、端面部41、42との直径差は小さい方がよい。
【0067】
第4実施形態を図4に示す。図4は第4実施形態に係るピストンの断面図である。
【0068】
第4実施形態では、端面部41、42と連結部43とがそれぞれ別成形された別部品となっている。端面部41、42はそれぞれ中心に雌ねじ部46、47を有し、連結部43は両端に雄ねじ部48、49を有する。雄ねじ部48を雌ねじ部46にねじ込み、雄ねじ部49を雌ねじ部47にねじ込むことにより、3者は結合される。ピストン軸16も一方の端に雄ねじ部51を有し、これを端面部42の雌ねじ部50にねじ込むことにより、端面部42に結合されている。
【0069】
この構成によれば、端面部41、42と連結部43という、断面積の異なる部分を別部品として成形できるため、製作が容易になる。また端面部41、42には端面部41、42に求められる精度の加工を、連結部43には連結部43に求められる精度の加工を施せば良いため、加工精度が過剰品質にわたることがなくなり、製造コストを低減できる。
【0070】
例えば端面部41、42は、その最終直径に近い直径の丸棒素材から旋盤で切削加工を行い、シリンダー12の内面に接触する外周面はホーニング加工やラップ仕上で精密に仕上げる。連結部43はその最終直径に近い直径の丸棒素材から旋盤による切削加工だけで仕上げることができる。
【0071】
端面部41、42と連結部43との結合手法はねじ結合に限られない。接着や圧入といった手法を採用することもできる。端面部42とピストン軸16との結合についても同じである。
【0072】
第5実施形態を図5に示す。図5は第5実施形態に係るピストンの部分断面図である。
【0073】
第5実施形態は第4実施形態をさらに進化させたものである。すなわち端面部41と連結部43の間に、ぴったりとはまり合う位置決め嵌合部52を設けた。位置決め嵌合部52は、雌ねじ部46に連続するよう端面部41に形設された位置決め嵌合穴部53と、雄ねじ部48に連続するよう連結部43に形設された位置決め嵌合軸部54とにより構成される。同様の位置決め嵌合部を端面部42と連結部43の間にも設ける。
【0074】
この構成によれば、端面部41、42と連結部43の組立精度が高まり、ピストン15の品質が向上する。ひいてはスターリング冷凍機関10の効率も向上する。
【0075】
位置決め嵌合部を設けることなく、雌ねじ部と雄ねじ部だけで端面部41、42と連結部43の結合を行うこととすると、ねじ部同士の間のクリアランスで端面部41、42の中心と連結部43の中心とがずれることがある。そのため、シリンダー12の内面との接触を防ぐためには端面部41、42の外周面とシリンダー12の内面とのギャップを広げる必要がある。これに対し第5実施形態のように位置決め嵌合部を設けることとすれば、端面部41、42、及び連結部43の相互間の同軸度が高まり、端面部41、42とシリンダー12の内面とのギャップを狭くすることができる。
【0076】
同様の位置決め嵌合部を端面部42とピストン軸16の間に設けてもよい。このようにすれば端面部42とピストン軸16との同軸度が高まり、ピストン軸16がピストン13やピストン軸14の内面に接触するおそれを少なくすることができる。
【0077】
第6実施形態を図6に示す。図6は第6実施形態に係るピストンの断面図である。
【0078】
第6実施形態は、第4実施形態において、連結部43とピストン軸16とを一体成形したものである。材料としてはアルミニウムなどを使用する。
【0079】
この構成によれば、連結部43とピストン軸16、ひいては端面部41、42とピストン軸16との同軸度が向上し、シリンダー12、ピストン13、ピストン軸14などに接触するおそれがさらに少なくなる。
【0080】
第1実施形態〜第6実施形態に、さらに次のような構成を付加することができる。
【0081】
端面部41、42の少なくとも一方が、摩擦低減対策の施された外周面を備えるものとする。これは、外周面にフッ素樹脂のコーティングを施したり、端面部41、42そのものをフッ素樹脂で形成することにより達成できる。
【0082】
ピストン15は、ガスベアリングの仕組みが働き出すまではシリンダー12との接触を避けられない。この構成によれば、ピストン15がシリンダー12に接触したとしても摩擦損失が少なくなり、スターリング冷凍機関10の効率が向上する。
【0083】
第4実施形態〜第6実施形態には、さらに次のような構成を付加することができる。
【0084】
端面部41、42を、各々の接触する作動ガスの温度に適合する物性を備えた材料で形成する。例えば低温ガスに接触する端面部41は軽量化を主眼として合成樹脂で形成する。100゜Cの高温ガスに接触する可能性のある端面部42は温度上昇して変形しないようアルミニウムで形成する。
【0085】
この構成によれば、端面部41、42が互いに温度の異なる作動ガスに接触する場合、端面部41、42をその接触する作動ガスに適合する物性を備えた材料で形成し、ピストン15の温度耐性を向上させることができる。これにより、スターリング冷凍機関10の信頼性も向上する。
【0086】
冷凍機関以外のスターリング機関に本発明のピストンを用いることができる。スターリング機関の種類が何であれ、高効率、高信頼性のスターリング機関を得ることができる。
【0087】
またリニア圧縮機に本発明のピストンを用いることができる。この場合も高効率、高信頼性のリニア圧縮機を得ることができる。
【0088】
以上本発明の各実施形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することが可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、軽量であり、且つ圧力による変形が少ないなど、スターリングサイクルの熱機関でディスプレーサーとして用いるのに適した特性を数多く備え、また製造コストの安いピストンを得ることができる。さらに、このようなピストンを用いて性能と信頼性を向上させた熱機関を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るピストンを用いたスターリング冷凍機関の断面図
【図2】本発明の第2実施形態に係るピストンの断面図
【図3】本発明の第3実施形態に係るピストンの断面図
【図4】本発明の第4実施形態に係るピストンの断面図
【図5】本発明の第5実施形態に係るピストンの部分断面図
【図6】本発明の第6実施形態に係るピストンの断面図
【図7】スターリング冷凍機関の断面図
【図8】図7と同様の断面図にして異なる動作状態を示すもの
【図9】図7と同様の断面図にして、さらに異なる状態を示すもの
【符号の説明】
10 スターリング冷凍機関
11 シリンダーブロック
12 シリンダー
13 ピストン
14 ピストン軸
15 ピストン
16 ピストン軸
41、42 端面部
43 連結部
44 環状周壁部
45 熱伝導率の低い部材
46、47 雌ねじ部
48、49 雄ねじ部
52 位置決め嵌合部

Claims (12)

  1. 両端面を作動ガスに接触させるピストンにおいて、
    両端に配置されるディスク状の端面部と、これらの端面部を連結する連結部とにより構成され、前記連結部は前記端面部よりも断面積が小さく且つその外面が端面部より外にはみ出すものでないことを特徴とするピストン。
  2. 前記端面部の少なくとも一方は、軸方向に所定厚さを有する環状周壁部を備えることを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 前記端面部同士の間で直径を異ならせたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピストン。
  4. 前記端面部の少なくとも一方が、摩擦低減対策の施された外周面を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のピストン。
  5. 前記端面部同士の間の空間を熱伝導率の低い部材で埋めたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のピストン。
  6. 前記端面部の少なくとも一方は前記連結部と別成形した部品であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のピストン。
  7. 前記別成形した部品である端面部と前記連結部との間に位置決め嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のピストン。
  8. ピストン軸を前記連結部に一体成形したことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のピストン。
  9. 各々の接触する作動ガスの温度に適合する物性を備えた材料で前記両端面部を形成したことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載のピストン。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載のピストンを用いて作動ガスの吸入と排出を行う熱機関。
  11. 前記熱機関がスターリング機関であることを特徴とする請求項10に記載の熱機関。
  12. 前記熱機関がリニア圧縮機であることを特徴とする請求項10に記載の熱機関。
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