JP3642217B2 - テープフィーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品実装装置に装着され、テープに保持された電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置に供給するテープフィーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置における電子部品の供給装置としてテープフィーダが知られている。このテープフィーダは電子部品を保持したテープを間欠送りすることにより、移載ヘッドによるピックアップ位置に電子部品を供給するものである。テープに保持されて供給される電子部品の種類やサイズは多様であり、これに応じてテープの材質や幅寸法およびテープ送り時の送りピッチが異っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、従来は各テープ種類ごとにテープフィーダを準備する必要があった。そして品種切り替えの都度テープフィーダそのものを交換しなければならず、品種切り替え作業に手間と時間を要するとともに、多数のテープフィーダを必要とするために設備費用の上昇を招くという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、多種類のテープに対応でき汎用性に優れたテープフィーダを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のテープフィーダは、電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより、移載ヘッドのピックアップ位置に電子部品を順次供給するテープフィーダであって、前記テープが上面を走行するフレーム部材と、前記テープをピッチ送りするテープ送り機構と、前記ピックアップ位置の前方において電子部品ピックアップ後の空テープの上方へのはね上りを防止するカバー部材とを備え、このカバー部材が、左右2つの側部材と前カバー部材とシャッター部材から成り、これらのつの部材のボルト穴にボルトを締結することによりカバー部材を組み立てるようにし、所定間隔のボルト穴を有する前記前カバー部材と前記シャッタ―部材を選択することにより電子部品を取り出す開口部の幅寸法を変更する幅変更手段とし、また前記シャッター部材を前記側部材に固定する取付穴を長穴として前記ボルトの締結位置をこの取付穴内で移動させることにより前記開口部のテープ送り方向の隙間寸法を変更する隙間変更手段とした。
【0007】
本発明によれば、カバー部材に設けられた電子部品ピックアップ用の開口部の幅寸法およびまたは隙間寸法を可変とすることにより、またテープ送りピッチを可変とすることにより、同一のテープフィーダによって多種類のテープに対応することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は同テープフィーダの側面図、図3は同テープフィーダの部分斜視図、図4は同テープフィーダの前カバーの分解斜視図、図5は同テープフィーダのテープ送りピッチ調整の説明図、図6(a),(b),(c)は同テープフィーダの部分断面図、図7(a),(b),(c)は同テープフィーダの形状調整部材の斜視図である。
【0009】
まず図1を参照してテープフィーダが装着される電子部品実装装置について説明する。図1において基台1の中央部には搬送路2が配設されており、搬送路2は基板3を搬送し電子部品搭載位置に位置決めする。搬送路2の両側には電子部品の供給部4が配設されており、供給部4には多数台のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダ5は電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより、移載ヘッドのピックアップ位置5aに電子部品を順次供給する。
【0010】
基台1上面の両側端にはY軸テーブル7Aおよびガイドテーブル7Bが並設されており、Y軸テーブル7Aおよびガイドテーブル7B上にはX軸テーブル6が架設されている。X軸テーブル6には移載ヘッド8が装着されており、移載ヘッド8は電子部品を吸着する吸着ノズル8a(図2参照)を備えている。X軸テーブル6およびY軸テーブル7Aを駆動することにより、移載ヘッド8は水平移動し、ピックアップ位置5aから電子部品をピックアップして搬送路2の側方に設けられた撮像部9上を移動し、ここで電子部品の位置ずれを検出した後に基板3上に実装する。
【0011】
次に図2を参照してテープフィーダ5について説明する。図2においてテープフィーダ5の本体を構成するフレーム部材13はベース部材10によって支持されており、ベース部材10を供給部4(図1)の装着ベース上に固定することによりテープフィーダ5は電子部品実装装置に装着される。フレーム部材13の後方には電子部品を保持したテープ12を卷回状態で収納した供給リール11が配設されており、供給リール11から送り出されたテープ12はフレーム部材13の上面を走行する。すなわちフレーム部材13の上面13a(図3参照)はテープ12の走行路となっている。テープ12に定ピッチで設けられた係合穴はフレーム部材13の前端部に軸支されたスプロケット部材16の係合爪16a(図3参照)に係合しており、スプロケット部材16が以下に説明するテープ送り機構によって間欠回転することによりテープ12はピッチ送りされる。
【0012】
次にテープ送り機構について説明する。フレーム部材13には以下に説明するリンク機構14が設けられており、リンク機構14の一端部のリンク部材20を、テープフィーダ5とは別個に供給部4に設けられたシリンダ15のロッド15aによって往復駆動させることにより、リンク機構14の他端部のリンク部材31にラチェット機構を介して結合されたスプロケット部材16は間欠回転する。これによりスプロケット部材16に係合したテープ12はフレーム部材13の上面に沿ってピッチ送りされる。すなわちリンク機構14およびシリンダ15はスプロケット部材16を間欠回転させるテープ送り機構となっている。
【0013】
次にリンク機構14について説明する。リンク機構14は5つのリンク部材20,23,28,29および31を3つの固定支点21,27および32で固定して構成されている。リンク部材20および23、リンク部材23および28、リンク部材28および29、リンク部材29および31はそれぞれ自由支点22,26,30によって連結されている。またリンク部材28にはスプリング25が連結されており、リンク部材28は矢印a方向に付勢されている。
【0014】
リンク部材20の下端部をシリンダ15のロッド15aを突出させて矢印b方向に移動させることにより、リンク機構14の各リンク部材を介して、スプロケット部材16とラチェット機構を介して結合されたリンク部材31は固定支点32を中心として矢印d方向に回転し、またロッド15aを没入させることにより(矢印b)、リンク部材31はスプリング25の付勢力によって矢印e方向に回転する。リンク部材31が矢印d方向に回転する時には、スプロケット部材16にはこの回転は伝達されず、矢印e方向への回転のみがラチェット機構によりスプロケット部材16に伝達される。すなわち、ロッド15aが没入してスプロケット部材16がスプリング25の付勢力によって矢印e方向に回転するときに、テープ12が送られる。
【0015】
リンク部材23の中間部にはカギ状の突出部23aが設けられており、突出部23aの移動方向に対向してL字型のストローク調整部材24が配設されている。ストローク調整部材24の装着位置および装着姿勢を変更することにより、リンク部材23の往復動ストロークを変更して、したがってリンク部材31を介してスプロケット部材16に伝達される回転角度を変更してテープ12の送りピッチを変更することができる。すなわち突出部23aおよびストローク調整部材24はストローク変更手段となっている。
【0016】
このストローク変更の方法について図5を参照して説明する。図5に示すように、リンク部材23に設けられた突出部23aは、ストローク調整部材24と当接する2つの当接面23b,23cを備えており、当接面23b,23cはそれぞれストローク方向における当接位置が異るものとなっている。またストローク調整部材24は装着姿勢によりl1およびl2の水平方向寸法を用いることができるようになっている。
【0017】
したがって、サイドプレート32の端面に沿って装着されるストローク調整部材24の姿勢およびストローク調整部材24が当接する当接面23b,23cを組み合わせることにより、図5の(イ),(ロ),(ハ),(ニ)に示す4通りのストロークp1,p2,p3,p4をそれぞれ設定することができる。ここでは、p2,p3,p4がそれぞれ基準ストロークp1の2倍、3倍、4倍となるように、ストローク調整部材24の寸法l1,l2および当接面23b,23cの位置が設定されている。
【0018】
なお、ここではリンク部材23のストロークを調整する例を示しているが、リンク機構を構成する他のリンク部材のいずれかのストロークを調整するようにしてもよく、またシリンダ15のロッド15aのストローク自体を調整するようにしてもよい。このようにテープ送り機構のリンク部材の往復動ストロークを変更することによりテープ送りピッチが可変となり、同一のテープフィーダによって多種類のテープに対応でき汎用性を向上させることができる。
【0019】
フレーム部材13の上面の前端部は、吸着ノズル8aによる電子部品のピックアップ位置となっている。フレーム部材13の上面を走行して送られて来たテープ12はカバー部材18によって上方をガイドされ、吸着ノズル8aによるピックアップ位置の手前においてテープ12のうち電子部品の上面を覆っていたカバーテープ12aが剥離され巻き取りリール17によって巻き取られる。
【0020】
次にカバー部材18について説明する。図3に示すようにカバー部材18の前部には前カバー部材18bが設けられており、前カバー部材18bは電子部品がピックアップされた後の空テープが上方にはね上るのを防止する。カバー部材18の前端部は下方に屈曲して係止部18aを形成しており、係止部18aがフレーム部材13に設けられた係止部材33に係止されることにより、カバー部材18は図1に示すように係止部材33に備えられたバネ部材(図示せず)の付勢力によってフレーム部材13に対して押し付けられる。
【0021】
図3はカバー部材18をフレーム部材13から取り外した状態を示している。図3に示すように、カバー部材18には電子部品のピックアップ用の開口部18eが設けられており、フレーム部材13の上面13aを走行して来たテープ12に保持された電子部品は、開口部18eを介して取り出される。
【0022】
カバー部材18は左右2つの側部材18a、前カバー部材18bおよびシャッター部材18cより成る。これらの部材は図4に示すようにボルト穴18hにボルト18gを締結することにより組み立てられてカバー部材18を構成するようになっている。前カバー部材18bおよびシャッター部材18cのボルト穴18hの間隔w1,w2は対象とするテープ12に応じて設定される。すなわち所定間隔w1,w2を有する前カバー部材18b、シャッター部材18cを選択することにより、共通の側部材18aを用いて開口部18eの幅寸法Wを所望の寸法に設定することができる。すなわち前カバー部材18bおよびシャッター部材18cは開口部18eの幅寸法を変更する幅変更手段となっている。
【0023】
またシャッター部材18cを側部材18aに固定する取付穴18fは長穴となっており、ボルト18gの締結位置を取付穴18f内で移動させることにより、開口部18eのテープ送り方向の隙間寸法Lを対象のテープに応じて調整することができる。すなわち取付穴18fおよびボルト18gは開口部18eの隙間寸法を変更する隙間変更手段となっている。このような幅変更手段および隙間変更手段を用いることにより、単純形状の部材である前カバー部材18bおよびシャッター部材18cを取り替えるのみで、異る幅寸法や送りピッチを有する多種類のテープに対して同一のカバー部材18を使用することができる。
【0024】
再び図3において、フレーム部材13の前端部の上面には両側端部に2条の突起部13bが設けられており、突起部13bの間にはテープ送り方向の溝状部13cが形成されている。溝状部13c内にはブロック36がボルト39によって装着されている。またフレーム部材13の側面のスプロケット部材16の外側にはサイドプレート35が配設されており、サイドプレート35の上面はカバー部材18の受け面の一部を構成している。
【0025】
図6は図3のA−A断面を示しており、図6(a),(b),(c)はそれぞれ異る種類のブロック36,37および38を溝状部13cに装着した状態を示している。これらのブロック36,37および38は異る種類のテープ12A,12Bおよび12Cに対応して選択される。テープ12Aは紙製のテープであり、テープ12B,12Cはそれぞれ保持する電子部品P1,P2の形状に応じて異るエンボス形状を有するエンボステープである。
【0026】
図7(a),(b),(c)はこれらのブロック36,37,38を示している。図7(a)に示すブロック36は、溝状部13cの幅および深さに対応した幅寸法bと高さ寸法hを有した直方体状のブロックであり、上面には緩衝材36aが装着されている。ブロック36はボルト穴36bによってフレーム部材13に固着され、図6(a)に示すようにブロック36を溝状部13cに装着した状態では、フレーム部材13の断面は上面が平坦な形状となり、平面状の紙製のテープ12Aに適した断面形状となっている。
【0027】
また図7(b),(c)はそれぞれ異る幅寸法b1,b2の切り欠き断面を有するブロック37,38を示しており、これらのブロック37,38をボルト穴37a,38aによってフレーム部材13に固着することにより、溝状部13cの有効溝寸法を使用するエンボステープ12B,12Cに応じた幅寸法b1,b2に設定することができる。
【0028】
このようにフレーム部材13の溝状部13cに異る形状・寸法のブロック36,37,38を装着することにより、スプロケット部材16とテープ12との係合部を含む範囲のフレーム部材上面の走行路の断面形状を、テープ種類に応じたものとすることができる。したがってブロック36,37および38は断面形状を調整する形状調整部材となっている。これにより、異なる種類のテープを使用する場合にも、テープフィーダ全体を取り替える必要がなく、装着容易な小型部品であるブロックを交換する段取り替え作業のみで多種類のテープに対応することができる。なお、形状調整用のブロックをフレーム部材13の所定位置(例えば図1に示すフレーム部材13後端部の側面に設けられた収納部40)に収納するようにすれば、交換時に速やかに必要とするブロックを取り出すことができ、作業効率を向上させることができる。
【0029】
また、図6(a)に示すように(図6(b),(c)についても同様)、カバー部材18のシャッター部材18cの下面はフレーム部材13およびサイドプレート35の上面に設けられた段差部13d,35aに当接している。したがってカバー部材18全体をフレーム部材13に対して押し付ける押し付け力Fは、段差部13d,35aによって支持され、押し付け力がテープ12Aに対して直接的に負荷されることがない。すなわち段差部13d,35aは押し付け力支持部となっている。これにより、過大な押し付け力によってテープ12Aが拘束されることがなく、テープ送りの抵抗増大を防止してテープ送り機構への負荷を軽減することができる。したがって、テープ送りの駆動源となるスプリング25には過大な付勢力は必要とされず、また機構構成部品に作用する負荷荷重が低くなることからこれらの部品寿命を延長することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品のピックアップ位置においてテープをカバーするカバー部材に設けられた電子部品ピックアップ用の開口部の幅寸法およびまたは隙間寸法を可変としたので、またテープ送り機構のリンク部材の往復動ストロークを変更してテープ送りピッチを可変としたので、同一のテープフィーダによって多種類のテープに対応することができ、汎用性を向上させて設備費用を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態のテープフィーダの側面図
【図3】本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分斜視図
【図4】本発明の一実施の形態のテープフィーダの前カバーの分解斜視図
【図5】本発明の一実施の形態のテープフィーダのテープ送りピッチ調整の説明図
【図6】(a)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分断面図
(b)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分断面図
(c)本発明の一実施の形態のテープフィーダの部分断面図
【図7】(a)本発明の一実施の形態のテープフィーダの形状調整部材の斜視図
(b)本発明の一実施の形態のテープフィーダの形状調整部材の斜視図
(c)本発明の一実施の形態のテープフィーダの形状調整部材の斜視図
【符号の説明】
3 基板
4 供給部
5 テープフィーダ
8 移載ヘッド
8a 吸着ノズル
12 テープ
13 フレーム部材
14 リンク機構
16 スプロケット部材
18 カバー部材
18b 前カバー部材
18c シャッター部材
23 リンク部材
24 ストローク調整部材

Claims (1)

  1. 電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより、移載ヘッドのピックアップ位置に電子部品を順次供給するテープフィーダであって、前記テープが上面を走行するフレーム部材と、前記テープをピッチ送りするテープ送り機構と、前記ピックアップ位置の前方において電子部品ピックアップ後の空テープの上方へのはね上りを防止するカバー部材とを備え、このカバー部材が、左右2つの側部材と前カバー部材とシャッター部材から成り、これらのつの部材のボルト穴にボルトを締結することによりカバー部材を組み立てるようにし、所定間隔のボルト穴を有する前記前カバー部材と前記シャッタ―部材を選択することにより電子部品を取り出す開口部の幅寸法を変更する幅変更手段とし、また前記シャッター部材を前記側部材に固定する取付穴を長穴として前記ボルトの締結位置をこの取付穴内で移動させることにより前記開口部のテープ送り方向の隙間寸法を変更する隙間変更手段としたことを特徴とするテープフィーダ。
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