JP3640484B2 - 樹脂製ファイルとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製ファイルとその製造方法に関する。詳しくは、背装部に一対の表装部を連接したファイル本体と、このファイル本体の背装部に設けれる綴じ込み具とを備えた樹脂製ファイルとその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、多数の用紙を綴じておくためのファイルとして、紙製ファイルが多く用いられている。
しかし、紙製ファイルは、厚手の紙製ファイル本体の背表紙部に金属製の綴じ込み具をリベットなどで固定した構造であるため、ファイル本体に綴じ込み具を固定するための組み付け工程が必要である。また、綴じ込み具をファイル本体の背表紙部にリベット止めすると、背表紙部の表面にリベットの頭部が現れ、見栄えが悪いばかりでなく、表題もしくはデザイン印刷などのレイアウトが制限される。さらに、分別廃棄にあたっては、紙製のファイル本体に対して、金属製の綴じ込み具を分離して廃棄しなければならないため、廃棄に手間と時間がかかるという課題があった。
【0003】
このような課題を解決できるものとして、樹脂製ファイルが提案されている。
たとえば、実開昭58ー155271号公報には、背壁と、この背壁の一方の長辺に線条溝を介して連接された表壁と、背壁の他方の長辺に線条溝を介して連接され内側に棒状の綴じ込み具を有する裏壁とを備え、これらが合成樹脂により一体成形された樹脂製ファイル(以下、従来例1という)が示されている。
【0004】
また、特開平6ー340195号公報には、樹脂製のファイル表材と樹脂製の綴じ具とを別個に製作するとともに、綴じ具の取付面に所定の大きさの連続または不連続の突起部を形成し、この綴じ具の突起部を樹脂製のファイル表材に当接させた状態で溶着した樹脂製ファイル(以下、従来例2という)が示されている。
【0005】
また、実開平3ー47178号公報には、固定具をPP樹脂成形品で形成した後、その固定具を表紙の背部にハトメなどで固定した構造の樹脂製ファイル(以下、従来例3という)が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の樹脂製ファイルは、肉厚の薄い裏壁に棒状の綴じ込み具を直接設けた構造のため、棒状の付け根の薄い部分にひけ、白化などの外観悪化が生じやすく、しかも、強度的にも弱くなるという欠点がある。
【0007】
従来例2の樹脂製ファイルおよび従来例3の樹脂製ファイルは、綴じ具や固定具を樹脂製のファイル表材に溶着、あるいは、ハトメなどで固定する後工程が必要であるため、製造、コストの点で問題がある。また、ファイル素材は通常シートが用いられているため、表面装飾の点で自由度がない。
【0008】
本発明の目的は、このよな従来の欠点を解消し、外観、強度に優れ、しかも、製造、コストの点でも優れているうえ、模様やデザインの自由度が高い樹脂製ファイルおよびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂製ファイルは、背装部に一対の表装部を連接したファイル本体と、このファイル本体の背装部に設けられる綴じ込み具とを備えた樹脂製ファイルにおいて、
前記綴じ込み具は、用紙押さえ部と、合成樹脂によって形成され前記用紙押さえ部を前記ファイル本体に着脱自在に保持する一対の保持部とを備え、前記一対の保持部は、用紙押さえ部を挟み込む挟持突起とつまみを備え、前記一対の保持部は、前記ファイル本体の背装部に、合成樹脂によって一体的に成形されているとともに、前記背装部は前記一対の表装部の厚みよりも厚く成形されていることを特徴とする。
【0010】
以上において、合成樹脂としては、とくに問わないが、ポリオレフィン系樹脂、たとえば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ポリエチレンなどが好適である。さらに、これらに、タルクや炭酸カルシウムなどの充填剤、酸化チタンなどの着色剤、その他安定剤などを添加してもよい。
また、ファイル本体の厚みは、0.5mm〜3mm程度である。背装部に対して、一対の表装部をヒンジ機構を介して連接するようにしてもよい。
【0011】
また、綴じ込み具の少なくとも一部とは、綴じ込み具を構成する構成要素の一部のみの場合、綴じ込み具を構成する構成要素全ての場合を含む。
綴じ込み具を構成する構成要素の一部のみがファイル本体と一体的に成形される場合としては、綴じ込み具を、用紙押さえ部と、この用紙押さえ部を前記ファイル本体に着脱自在に保持する一対の保持部とを備える構成とし、その一対の保持部をファイル本体の背装部に一体的に成形するようにすればよい。
【0012】
綴じ込み具を構成する一対の保持部をファイル本体の背装部に一体的に成形すれば、綴じ込み具をファイル本体に組み付ける後工程が不要になるから、従来に比べ、製造、コストの点で有利である。しかも、分別廃棄の際、ファイル本体と綴じ込み具を構成する一対の保持部とを分離することなくそのまま廃棄することができる。
また、背装部の肉厚を他の表装部より厚くすることにより、一対の保持部をファイル本体の背装部に外観悪化を生じることなく強固に成形できる。従って、外観、強度、起立安定性に優れているうえ、模様やデザインの自由度も高くできる。
【0013】
ここで、用紙押さえ部は、一対の用紙押さえ板と、この一方の用紙押さえ板に突設された複数本の中空パイプと、前記他方の用紙押さえ板に突設され前記各中空パイプ内に挿入可能な複数本の棒状体とを含む構成が好ましい。これらを構成する材料については、用紙を押さえることができる強度を有するものであればいずれでもよく、たとえば、合成樹脂製、あるいは、金属のプレス加工によるものでもよい。
また、一対の保持部のうち少なくとも一方はヒンジ機構を介して前記ファイル本体の背装部に連接されていることが好ましい。このようにすれば、保持部をファイル本体の表装部に倒した状態で用紙をファイルできるから、ファイル作業を容易にできる。
【0016】
本発明の樹脂製ファイルの製造方法は、背装部に一対の表装部を連接したファイル本体と、このファイル本体の背装部に設けれる綴じ込み具とを備えた樹脂製ファイルの製造方法であって、前記ファイル本体および前記綴じ込み具の少なくとも一部を一体的に成形するためのキャビティを有する金型を型締めし、ついで、その金型のキャビティ内に溶融合成樹脂を射出したのち、金型を圧縮して成形することを特徴とする。
【0017】
このような製造方法によれば、金型のキャビティ内に溶融合成樹脂を射出したのち、金型を圧縮して成形しているから、比較的肉厚が薄いファイル本体と複雑な形状を有する綴じ込み具の少なくとも一部の構成要素とを一体的に、しかも、高精度に成形できる。さらに、肉厚が薄いにもかかわらず溶融合成樹脂の射出圧力を低くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の樹脂製ファイルの分解斜視図、図2は同上実施形態において綴じ込み具をファイル本体に組み付けた状態の斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態の樹脂製ファイル1は、ファイル本体10と、綴じ込み具20とを備えている。
【0019】
前記ファイル本体10は、縦長矩形状の背装部11と、この背装部11の長辺側両側に連接された表装部12A,12Bとを備え、厚みが0.5mm〜3mmの合成樹脂によって成形されている。ここでは、背装部11が他の表装部12A,12Bの厚みより厚く成形されている。背装部11と各表装部12A,12Bとの間には、V溝によってファイル本体10の他の部分より肉厚が薄くなったヒンジ機構13A,13Bが形成されている。これにより、背装部11に対して各表装部12A,12Bを直角に、つまり、表装部12A,12Bを互いに平行な状態に折り曲げることができるようになっている。
【0020】
前記綴じ込み具20は、用紙押さえ部21と、合成樹脂によって形成され前記用紙押さえ部21を前記ファイル本体10に着脱自在に保持する一対の保持部31A,31Bとを備え、前記一対の保持部31A,31Bが前記ファイル本体10の背装部11に一体的に成形されている。つまり、ファイル本体10と綴じ込み具20の一部とが合成樹脂によって一体的に成形されている。
【0021】
前記用紙押さえ部21は、一対の用紙押さえ板22A,22Bと、この一方の用紙押さえ板22Aに突設された複数本(2本)の中空パイプ23と、前記他方の用紙押さえ板22Bに突設され前記各中空パイプ23内に挿入可能な複数本(2本)の棒状体24とを備える。各用紙押さえ板22A,22Bには、互いに対向する面とは反対側に2個の突起25が形成されているとともに、長辺側の一方に1つの切欠部26が、長辺側の他方に2つの切欠部27がそれぞれ形成されている。
【0022】
前記各保持部31A,31Bは、前記ファイル本体10の背装部11から一体的に立ち上がり成形された起立片32と、この起立片32の上端にV溝からなるヒンジ機構33を介して一体的に連接された保持片34とを備えている。従って、各保持部31A,31Bは、ヒンジ機構33を介して前記ファイル本体10の背装部11に連接されている。各保持片34には、前記各用紙押さえ板22A,22Bの突起25が係合する2つの係合孔35が形成されているとともに、前記ヒンジ機構33側の縁に2つの挟持突起36が、それとは反対側の縁に弾性変形可能な1つのつまみ37がそれぞれ一体的に成形されている。
【0023】
さて、これらの製造にあたっては、ファイル本体10と綴じ込み具20の一対の保持部31A,31Bとを射出圧縮成形により成形するとともに、綴じ込み具20の用紙押さえ部21を金属のプレス加工により製造する。
ファイル本体10と綴じ込み具20の一対の保持部31A,31Bとを射出圧縮成形するにあたっては、たとえば、図3に示す金型40を用いる。これは、固定型41と、可動型42とを備え、内部にファイル本体10と一対の保持部31A,31Bとを一体的に成形するためのキャビティ43が形成されている。可動型42は、複数の分割型により構成されている。つまり、固定型41との間に前記表装部12A,12Bの部分を形成するための型本体42Aと、この型本体42A内にスライド可能(図3中紙面と直交する方向にスライド可能)に設けられ前記一対の保持部31A,31Bを形成するためのスライドコア42Bと、前記型本体42A内にスライド可能(図3中左右方向にスライド可能)に設けられ各保持部31A,31Bの係合孔35を形成するためのスライドコア42Cとから構成されている。
【0024】
従って、固定型41に対して可動型42を閉じて金型40を型締めし、ついで、その金型40のキャビティ43内に溶融樹脂を射出(射出路は省略)したのち、金型40を圧縮、つまり、固定型41に対して可動型42を押圧移動させ、キャビティ43内の溶融樹脂が冷却固化後に固定型41に対して可動型42を開く。これにより、ファイル本体10と綴じ込み具20の一対の保持部31A,31Bとが一体成形された成形品が得られる。
【0025】
使用にあたっては、ファイル本体10に一体成形された保持部31Aに用紙綴じ具20の用紙押さえ板22Aを保持させる。つまり、保持部31Aの挟持突起36とつまみ37との間に用紙押さえ板22Aを挟み込む。この状態において、用紙押さえ板22Aの中空パイプ23に用紙を差し込んだのち、中空パイプ23に用紙押さえ板22Bの棒状体24を差し込む。ここで、表装部12Bを表装部12A側に折り畳むと、用紙押さえ板22Bが保持部31Bの挟持突起36とつまみ37との間に保持される。
【0026】
分別廃棄するにあたっては、ファイル本体10の一対の保持部31A,31Bから綴じ込み具20の用紙押さえ板22A,22Bを外す。これには、各保持部31A,31Bのつまみ37を外側に弾性変形させたのち、用紙押さえ板22A,22Bを保持部31A,31Bの挟持突起36から外す。
この状態で、ファイル本体10および一対の保持部31A,31Bと、用紙押さえ部21とが分離される。ファイル本体10および一対の保持部31A,31Bは、ともに同一の合成樹脂材料によって一体成形されているから、そのまま(分離することなく)廃棄することができる。また、必要により、リサイクルとして再利用することもできる。
【0027】
第1実施形態の樹脂製ファイル1によれば、ファイル本体10と、このファイル本体10の背装部11に対して綴じ込み具20の用紙押さえ部21を着脱自在に保持する一対の保持部31A,31Bとを合成樹脂によって一体成形したので、綴じ込み具20をファイル本体10に組み付ける後工程を不要にできる。よって、従来に比べ、製造、コストの点で有利である。しかも、分別廃棄の際、ファイル本体10と綴じ込み具20を構成する一対の保持部31A,31Bとを分離することなくそのまま廃棄することができる。
【0028】
また、ファイル本体10の背装部11に一対の保持部31A,31Bを一体成形したので、つまり、ファイル本体10の表装部12A,12Bより肉厚が厚い背装部11に一対の保持部31A,31Bを一体成形したので、一対の保持部31A,31Bをファイル本体10の背装部11に外観悪化を生じることなく強固に成形できる。従って、外観、強度、起立安定性に優れているうえ、模様やデザインの自由度も高い。
【0029】
また、用紙押さえ部21を、一対の用紙押さえ板22A,22Bと、この一方の用紙押さえ板22Aに突設された複数本の中空パイプ23と、他方の用紙押さえ板22Bに突設され各中空パイプ23内に挿入可能な複数本の棒状体24とから構成したので、用紙を一方の用紙押さえ板22Aに突設された中空パイプ23に差し込んだのち、中空パイプ23内に他方の用紙押さえ板22Bに突設された棒状体24を差し込むだけで、用紙を用紙押さえ板22A,22Bで挟持した状態で押さえることができる。しかも、これらの部材、とくに中空パイプ23や棒状体24が金属によって構成されているから、用紙を差し込みやすいうえ、用紙を確実にファイルできる。
【0030】
また、一対の保持部31A,31Bには、2つの挟持突起36と1つのつまみ37とを突設したので、これらの挟持突起36とつまみ37とで用紙押さえ板22A,22Bを挟持することができるとともに、つまみ37を外側に弾性変形させれば、用紙押さえ板22A,22Bを挟持突起36とつまみ37から簡単に外すことができる。よって、用紙押さえ部21を一対の保持部31A,31Bに対して容易に着脱できる。しかも、一対の保持部31A,31Bにはヒンジ機構33を設けてあるから、保持部31A,31Bをファイル本体10の表装部12A,12Bに倒した状態で用紙をファイルできる。従って、ファイル作業を容易にできる。
また、用紙押さえ板22A,22Bのどちらかを保持部31A,31Bに保持することで、表、裏の両側からファイル更新作業ができる。
【0031】
また、ファイル本体10の背装部11に一対の保持部31A,31Bを一体成形するにあたっては、金型40のキャビティ43内に溶融樹脂を射出したのち、金型40を圧縮して成形しているから、比較的肉厚が薄いファイル本体10と複雑な形状を有する綴じ込み具20の一部の構成要素である一対の保持部31A,31Bとを比較的低い圧力で一体的に、しかも、高精度に成形できる。
【0032】
なお、上記実施形態では、両方の保持部31A,31Bにヒンジ機構33を設けたが、いずれか片方のみでもよい。
また、上記実施形態では、綴じ込み具20を構成する用紙押さえ部21を金属のプレス加工により製造していたが、樹脂製であってもよい。あるいは、用紙押さえ板22A,22Bを樹脂製とし、中空パイプ23および棒状体24を金属によって形成するようにしてもよい。
【0033】
[第2実施形態]
図4は第2実施形態の樹脂製ファイルの分解斜視図である。なお、同図の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略、もしくは、簡略化する。
本実施形態の樹脂製ファイル2は、前記第1実施形態に対して、ファイル本体10が共通で、綴じ込み具が異なる。本実施形態の綴じ込み具50は、前記ファイル本体10の背装部11に一体的に成形され複数本の中空パイプ51を有する一方の用紙押さえ片52と、この一方の用紙押さえ片52の中空パイプ51に挿入可能な複数の棒状体53を有する他方の用紙押さえ片54と、この他方の用紙押さえ片54を保持可能で前記一方の用紙押さえ片52に対向して前記ファイル本体10の背装部11に一体的に成形された係止片55とを備える。
【0034】
前記用紙押さえ片52には、V溝によって他より肉薄になったヒンジ機構56が形成されている。
前記用紙押さえ片54の上面には、複数の突起57が一体成形されている。
前記係止片55には、前記用紙押さえ片54の突起57が嵌合する孔58が形成されている。
【0035】
さて、これらの製造にあたっては、ファイル本体10と綴じ込み具50の用紙押さえ片52および係止片55とを射出圧縮成形により成形するとともに、綴じ込み具50の用紙押さえ片54を金属のプレス加工により製造する。
ファイル本体10と綴じ込み具50の用紙押さえ片52および係止片55とを射出圧縮成形するにあたっては、たとえば、図5に示す金型60を用いる。これは、固定型61と、可動型62とを備え、内部にファイル本体10と用紙押さえ片52および係止片55とを一体的に成形するためのキャビティ63が形成されている。可動型62は、複数の分割型により構成されている。つまり、固定型61との間に前記表装部12A,12Bの部分を形成する型本体62Aと、この型本体62A内にスライド可能(図5中紙面と直交する方向にスライド可能)に設けられ前記用紙押さえ片52および係止片55を形成するためのスライドコア62Bと、前記型本体62A内にスライド可能(図5中左右方向にスライド可能)に設けられ係止片55の孔58および中空パイプ51を形成するためのスライドコア62Cとから構成されている。なお、図示していないが、2本の中空パイプ51間には適宜なスライドコアが設けられ、中空パイプ51が支障なく離型できるようになっている。
【0036】
従って、固定型61に対して可動型62を閉じて金型60を型締めし、ついで、その金型60のキャビティ63内に溶融樹脂を射出したのち、金型60を圧縮、つまり、固定型61に対して可動型62を押圧移動させ、キャビティ63内の溶融樹脂が冷却固化後に固定型61に対して可動型62を開く。これにより、ファイル本体10と綴じ込み具50の用紙押さえ片52および係止片55とが一体成形された成形品が得られる。
【0037】
第2実施形態の樹脂製ファイル2によれば、第1実施形態で述べた効果に加え、次の効果が期待できる。
綴じ込み具50を、ファイル本体10の背装部11に一体的に成形され複数本の中空パイプ51を有する一方の用紙押さえ片52と、この一方の用紙押さえ片52の中空パイプ51に嵌合可能な複数本の棒状体53を有する他方の用紙押さえ片54と、この他方の用紙押さえ片54を保持可能で前記一方の用紙押さえ片52に対向してファイル本体10の背装部11に一体的に成形された係止片55とから構成したので、つまり、綴じ込み具50を構成する3つの構成要素のうちの2つ(一方の用紙押さえ片52および係止片55)をファイル本体10の背装部11に一体的に成形したので、これとは別に複数本の棒状体53を有する用紙押さえ片54を製造するだけでよい。従って、安価にかつ能率的に製造できる。
【0038】
また、綴じ込み具50を構成する一方の用紙押さえ片52および係止片55をファイル本体10の背装部11に一体的に成形するにあたっては、金型60のキャビティ63内に溶融樹脂を充填したのち、金型60を圧縮しているから、比較的肉厚が薄いファイル本体10と複雑な形状を有する綴じ込み具50の一部の構成要素である用紙押さえ片52および係止片55とを比較的低い射出圧で一体的に、しかも、高精度に成形できる。
【0039】
なお、上記第2実施形態においては、一方の用紙押さえ片52のみにヒンジ機構56を形成したが、係止片55にもヒンジ機構を設けるようにしてもよい。
また、他方の用紙押さえ片54の材料については、樹脂製でもよく、あるいは、金属のプレス加工により構成してもよい。
【0040】
また、上記第2実施形態において、図6に示す金型70を用いて射出圧縮成形するようにしてもよい。この金型70は、可動型72が、型本体72Aと、この型本体72A内にスライド可能(図6中紙面と直交する方向にスライド可能)に設けられ前記用紙押さえ片52を形成するためのスライドコア72Bと、型本体72A内にスライド可能(図6中斜め上方にスライド可能)に設けられ前記用紙押さえ片52および中空パイプ51を形成するためのスライドコア72Cと、前記型本体62A内にスライド可能(図6中左右方向にスライド可能)に設けられ係止片55の孔58を形成するためのスライドコア62Dとから構成されている点で異なる。
【0041】
また、第2実施形態の樹脂製ファイル2は、綴じ込み具50を3つの構成要素、つまり、用紙押さえ片52と、用紙押さえ片54と、係止片55とから構成したが、これに限らず、用紙押さえ片54を省略して、図7に示すような樹脂製ファイル3を構成してもよい。
この樹脂製ファイル3で用いる綴じ込み具80は、ファイル本体50の背装部11に一体的に成形され複数本の棒状体81を有する一方の用紙押さえ片82と、この一方の用紙押さえ片82の棒状体81に嵌合可能な嵌合部としての孔88を有し前記一方の用紙押さえ片82に対向してファイル本体10の背装部11に一体的に成形された他方の用紙押さえ片85とを備える。用紙押さえ片82にはヒンジ機構86が設けられている。
このようにした場合、綴じ込み具80の全ての構成要件82、85がファイル本体10の背装部11に一体的に成形されるから、各実施形態に比べ、製造が簡単で、コスト的にも優位である。
【0042】
また、上記第1、第2実施形態では、ファイル本体10の背装部11と各表装部12A,12Bとの間にヒンジ機構13A,13Bを設けたが、これらはなくてもよく、あるいは、片側のみであってもよい。さらに、表装部12A,12Bは平面状のものについて説明したが、表装部12A,12Bの周囲を立ち上げた形状として、箱型のファイルとすることもできる。
【0043】
また、射出圧縮成形にあたっては、表装部12A,12Bの表面に模様、文字、図形などを形成したり、キャビティの背装部11を形成する空間に表示部などをもつ他の部材を予備挿入して射出圧縮成形してもよい。また、射出圧縮成形の条件としては、樹脂の射出が完了する前に圧縮を開始するなど適宜選定することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の樹脂製ファイルによれば、ファイル本体の背装部に綴じ込み具の少なくとも一部が一体的に成形されているから、外観、強度に優れ、しかも、製造、コストの点でも優れているうえ、模様やデザインの自由度が高いという効果が期待できる。
また、本発明の樹脂性ファイルの製造方法によれば、ファイル本体および綴じ込み具の少なくとも一部を一体的に成形するためのキャビティを有する金型を型締めし、ついで、その金型のキャビティ内に溶融合成樹脂を射出したのち、金型を圧縮して成形したので、つまり、射出圧縮成形方法によって成形するようにしたので、ファイル本体と綴じ込み具の少なくとも一部とを比較的低い射出圧で一体的に、かつ、高精度に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の樹脂製ファイルを示す分解斜視図である。
【図2】同上実施形態において綴じ込み具の一方の用紙押さえ板をファイル本体に取り付けた状態の斜視図である。
【図3】同上実施形態の樹脂製ファイルを製造する際に用いる金型を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の樹脂製ファイルを示す分解斜視図である。
【図5】同上実施形態の樹脂製ファイルを製造する際に用いる金型を示す断面図である。
【図6】同上実施形態の樹脂製ファイルを製造する際に用いる他の金型を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の変形例を示す樹脂製ファイルの分解斜視図である。
【符号の説明】
10 ファイル本体
11 背装部
12 表装部
20 綴じ込み具
21A,21B 用紙押さえ板
23 中空パイプ
24 棒状体
31A,31B 保持部
33 ヒンジ機構
50 綴じ込み具
51 中空パイプ
52 用紙押さえ片
53 棒状体
54 用紙押さえ片
55 係止片
56 ヒンジ機構
80 綴じ込み具
81 棒状体
82 用紙押さえ片
85 用紙押さえ片
88 孔(嵌合部)

Claims (4)

  1. 背装部に一対の表装部を連接したファイル本体と、このファイル本体の背装部に設けられる綴じ込み具とを備えた樹脂製ファイルにおいて、
    前記綴じ込み具は、用紙押さえ部と、合成樹脂によって形成され前記用紙押さえ部を前記ファイル本体に着脱自在に保持する一対の保持部とを備え、
    前記一対の保持部は、用紙押さえ部を挟み込む挟持突起とつまみを備え、
    前記一対の保持部は、前記ファイル本体の背装部に、合成樹脂によって一体的に成形されているとともに、前記背装部は前記一対の表装部の厚みよりも厚く成形されていることを特徴とする樹脂製ファイル
  2. 請求項1に記載の樹脂製ファイルにおいて、前記用紙押さえ部は、前記各保持部に着脱自在に保持される一対の用紙押さえ板と、この一方の用紙押さえ板に突設された複数本の中空パイプと、前記他方の用紙押さえ板に突設され前記各中空パイプ内に挿入可能な複数本の棒状体とを含むことを特徴とする樹脂製ファイル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の樹脂製ファイルにおいて、前記一対の保持部のうち少なくとも一方はヒンジ機構を介して前記ファイル本体の背装部に連接されていることを特徴とする樹脂製ファイル。
  4. 背装部に一対の表装部を連接したファイル本体と、このファイル本体の背装部に設けれる綴じ込み具とを備え
    前記綴じ込み具は、用紙押さえ部と、前記用紙押さえ部を前記ファイル本体に着脱自在に保持する一対の保持部とを備え、
    前記一対の保持部は、前記用紙押さえ部を挟み込む挟持突起とつまみを備えた樹脂製ファイルの製造方法であって、
    前記ファイル本体および前記一対の保持部を、前記ファイル本体の背装部に一体的に成形するためのキャビティを有する金型を型締めし、ついで、その金型のキャビティ内に溶融合成樹脂を射出したのち、金型を圧縮して成形するとともに、前記背装部の厚みを前記一対の表装部の厚みよりも厚く成形することを特徴とする樹脂製ファイルの製造方法。
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