JP3608704B2 - 樹脂製ファイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製ファイルに関する。詳しくは、背装部を挟んで一対の表装部が連接されたファイル本体と、このファイル本体に設けられる綴じ込み具とを備えた樹脂製ファイルに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、多数の用紙を綴じておくためのファイルとして、紙製ファイルが多く用いられている。
しかし、紙製ファイルは、次の欠点があった。▲1▼厚手の紙製ファイル本体の背表紙部に金属製の綴じ込み具をリベットなどで固定した構造であるため、ファイル本体に綴じ込み具を固定するための組み付け工程が必要である。▲2▼また、綴じ込み具をファイル本体の背表紙部にリベット止めすると、背表紙部の表面にリベットの頭部が現れ、見栄えが悪いばかりでなく、表題もしくはデザイン印刷などのレイアウトが制限される。▲3▼さらに、分別廃棄にあたっては、紙製のファイル本体に対して、金属製の綴じ込み具を分離して廃棄しなければならないため、廃棄に手間と時間がかかるという課題があった。
【0003】
このような課題を解決できるものとして、樹脂製ファイルが提案されている。たとえば、実開昭58ー155271号公報には、背壁と、この背壁の一方の長辺に線条溝を介して連接された表壁と、背壁の他方の長辺に線条溝を介して連接され内側に棒状の綴じ込み具を有する裏壁とを備え、これらが合成樹脂により一体成形された樹脂製ファイル(以下、従来例1という)が示されている。
【0004】
また、特開平6ー340195号公報には、樹脂製のファイル表材と樹脂製の綴じ具とを別個に製作するとともに、綴じ具の取付面に所定の大きさの連続または不連続の突起部を形成し、この綴じ具の突起部を樹脂製のファイル表材に当接させた状態で溶着した樹脂製ファイル(以下、従来例2という)が示されている。
【0005】
また、実開平3ー47178号公報には、固定具をPP樹脂成形品で形成した後、その固定具を表紙の背部にハトメなどで固定した構造の樹脂製ファイル(以下、従来例3という)が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の樹脂製ファイルは、肉厚の薄い裏壁に棒状の綴じ込み具を直接設けた構造のため、棒状の付け根の薄い部分にひけ、白化などの外観悪化が生じやすく、しかも、強度的にも弱くなるという欠点がある。また、綴じ込み具が裏壁に設けられているので、裏壁および表壁を開けると、内部に綴じられた書類が脱落しやすく、取扱性に劣る。
【0007】
従来例2の樹脂製ファイルおよび従来例3の樹脂製ファイルは、綴じ具や固定具を樹脂製のファイル表材に溶着、あるいは、ハトメなどで固定する後工程が必要であるため、製造、コストの点で問題がある。また、ファイル素材は通常シートが用いられているため、表面装飾の点で自由度がない。
【0008】
本発明の目的は、このよな従来の欠点を解消し、外観、強度、取扱性、廃棄、リサイクル性にも優れ、しかも、製造が容易で、かつ、コストの点でも優れているうえ、模様やデザインの自由度が高い樹脂製ファイルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂製ファイルは、背装部を挟んで一対の表装部が連接されたファイル本体と、このファイル本体の各表装部相当部分にかつ背装部寄り略中央部分に形成された綴じ込み用の主部および副部とを有し、前記ファイル本体、主部および副部が樹脂によって一体に形成され、かつ、前記主部および副部の少なくとも一方が表装部に対して分離されていることを特徴とする。
【0010】
以上において、樹脂としては、とくに問わないが、ポリオレフィン系樹脂、たとえば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ポリエチレンなどが好適である。さらに、これらに、タルクや炭酸カルシウムなどの充填剤、酸化チタンなどの着色剤、その他安定剤、核剤などを添加してもよい。
ファイル本体の厚みは、0.8mm〜3.0mm程度である。全体として一様な厚みに成形してもよいが、とくに背装部の厚みを他より厚く成形するとよい。しかも、背装部に対して、一対の表装部をヒンジ機構を介して連接すれば、表装部を開いたり、閉じたりしやすい。
【0011】
また、綴じ込み用の主部および副部は、協働して、書類などの用紙を綴じることができる機能を持つものであれば、どのような構造でもよい。
たとえば、書類などの用紙にあけられたパンチ孔を差し込むための管状または棒状の挿通部材を主部とし、その挿通部材の先端に係合する係合部材を副部とした構造でもよい。この場合、挿通部材の数は2以上であれば任意である。係合部材の例としては、挿通部材に対して係合するフック状、リング状の部材、さらには、挿通部材の先端に対して弾性的に係合、離脱する溝、孔などの係合部をもつ係合部材などである。
あるいは、主部を前記挿通部材とし、その挿通部材に嵌合する棒状または管状の嵌合部材を有する補助綴じ込み部材に対して、係脱自在に係合する係合部をもつ係合部材を副部とした構造がより好ましい。つまり、主部と副部とが、中間に補助綴じ込み部材を介して係合する構造がより好ましい。
【0012】
ファイル本体、主部および副部を樹脂によって一体に形成するには、射出圧縮成型、射出成形によって成形するのがよい。
このような成形法によれば、綴じ込み用の主部および副部をファイル本体に組み付ける後工程が不要になるから、従来に比べ、製造、コストの点で有利である。しかも、分別廃棄やリサイクルの際、ファイル本体と綴じ込み用の主部および副部とを分離することなくそのまま廃棄またはリサイクルすることができる。
【0013】
この際、綴じ込み用の主部および副部は、ファイル本体の各表装部相当部分にかつ背装部寄り略中央部分に形成され、少なくとも一方が表装部に対して分離されているから、金型構成を単純化することができる。
つまり、綴じ込み用の主部および副部は、表装部を開いたときにも、互いに係合し用紙を綴じた状態に保つ必要があるため、従来は背装部に設けられることが多い。しかし、背装部に設けた場合、綴じ込み用の主部および副部(たとえば、管状または棒状の挿通部材とこれに係合する係合部材)を背装部と平行に形成しなければならないから、型抜きが困難で金型構成が複雑化する。
【0014】
これに対し、本発明では、綴じ込み用の主部および副部は、ファイル本体の各表装部相当部分に形成されているから、綴じ込み用の主部および副部を表装部に対して直角に形成すればよく、従って、相対的に接近、離反する2つの割型から金型を構成できるから、金型構成を単純化することができる。
しかも、綴じ込み用の主部および副部の少なくとも一方が表装部に対して分離されているから、表装部を開いたときにも、用紙を綴じた状態に保つことができる。従って、用紙が脱落することがないから、取扱性に優れている。主部および副部は、その両方が表装部に対して分離されている。
【0015】
また、綴じ込み用の主部および副部は、ファイル本体の背装部と隣接する辺を除く周囲が表装部から切り離され、かつ、表装部と略同一平面状をなした綴じ込み片をそれぞれ有する。このようにすれば、主部の挿通部材や副部の係合部などを形成しやすいうえ、一対の綴じ込み片によって用紙をはさみこんだ状態で綴じることができるから、用紙を損傷させず、かつ、起立した姿勢で用紙を安定して保持することができる。
【0016】
この場合、少なくとも主部側の綴じ込み片が背装部に連結されているので、各綴じ込み片の開閉、つまり、用紙の綴じ込み、外しも容易である。この場合、主部側の綴じ込み片がヒンジ機構を介して背装部に連結されていれば好ましい。また、主部綴じ込み片の厚みが表装部よりも厚く成形されているので、主部の挿通部材を綴じ込み片に対して外観悪化を生じることなく強固に成形できる。なお、背装部および副部綴じ込み片の厚みを他の表装部より厚く成形してもよい。外観、強度に優れているうえ、模様やデザインの自由度も高くできる。たとえば、綴じ込み片の形状を四角形、半円、半長円、半楕円などとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の樹脂製ファイルの分解斜視図である。同図に示すように、本実施形態の樹脂製ファイル1は、ファイル本体10と、綴じ込み具20とを備えている。
【0018】
前記ファイル本体10は、縦長矩形状の背装部11と、この背装部11を挟んでその長辺側両側に連接された縦長矩形状の表装部12A,12Bとを備え、厚みが0.8mm〜3.0mmの合成樹脂によって成形されている。ここでは、背装部11が他の表装部12A,12Bの厚みより厚く成形されている。背装部11と各表装部12A,12Bとの間には、ファイル本体10の表装部12A,12Bの厚みより肉厚が薄くなった2本のV溝からなるヒンジ機構13A,13Bがそれぞれ形成されている。これにより、背装部11に対して各表装部12A,12Bを容易に起伏、つまり、表装部12A,12Bを容易に開いたり、閉じたりできるようになっている。なお、V溝の本数は1本でもよく、2本以上でもよい。
【0019】
前記綴じ込み具20は、主部21、副部25および補助綴じ込み部材30から構成されている。前記主部21および副部25は、前記ファイル本体10の表装部12A,12B相当部分にかつ背装部11寄り略中央部分に形成されている。つまり、前記ファイル本体10の背装部11と隣接する辺を除く周囲3辺が表装部12A,12Bから切り離された矩形板状の綴じ込み片22,26をそれぞれ有している。このため、表装部12A,12Bの各綴じ込み片22,26に相当する部分には開口部14A,14Bが形成されている。
綴じ込み片22と背装部11との間には、1本のV溝からなるヒンジ機構23がそれぞれ形成されている。これにより、綴じ込み片22は、背装部11に対して直角な姿勢に起立でき、かつ、表装部12Aと略同一平面状に倒伏できるようになっている。なお、ヒンジ機構23を構成するV溝の本数は2本以上でもよい。一方、綴じ込み片26は、背装部11に対して直立しているが、ヒンジ機構がなくても弾性変形により容易に綴じ込みが可能である。この場合、綴じ込み片26にヒンジ機構を設けることもできる。しかし、ヒンジ機構を本実施形態のように、主部21側の綴じ込み片22のみに設けた方が、綴じ込み片22,26が結合された場合に背装部11に対して直立し安定するので好ましい。
【0020】
前記主部21の綴じ込み片22には、綴じられる用紙(図示省略)に開けられたパンチ孔を挿入するための2本の管状の挿通部材24,24が直角にかつ互いに間隔をあけて突設されている。挿通部材の本数は3本以上でもよい。
前記副部25の綴じ込み片26には、係合部としての係合突起28が一体的に形成されている。なお、29は成形時に係合突起28を型抜きするためのスライドコアを設けるために生じる孔である。
前記補助綴じ込み部材30は、金属のプレス加工により成形されたもので、前記綴じ込み片22,26と略同一形状の平板状プレート31と、このプレート31に突設され前記挿通部材24,24内に挿入される2本の棒状嵌合部材32,32と、この2本の嵌合部材32,32の間に形成され前記綴じ込み片26の係合突起28が係合される係合溝33とを備えている。
【0021】
さて、これらの製造にあたっては、ファイル本体10と綴じ込み具20の主部21および副部25とを射出圧縮成形により一体に成形するとともに、綴じ込み具20の補助綴じ込み部材30を金属のプレス加工により製造する。
ファイル本体10と綴じ込み具20の主部21および副部25とを射出圧縮成形するにあたっては、たとえば、図2に示す金型40を用いる。これは、固定型41と、これに対して接近、離間(図2で上下方向へ昇降)する可動型42とを備え、内部にファイル本体10(背装部11、表装部12A,12B)、主部21および副部25を一体的に成形するためのキャビティ43が形成されている。
【0022】
キャビティ43は、前記背装部11および表装部12A,12Bを形成する空間Aを同一平面上に有し、前記主部21の綴じ込み片22を形成する空間Bが前記空間Aより一段上方でかつこれと平行に設けられ、かつ、挿通部材24を形成する空間Cが前記空間Bに対して直角に形成され、一方、前記副部25の綴じ込み片26を形成する空間Dが前記空間Aに対して直角に形成されている。なお、空間Dには、係合突起28を形成する部分があるため、そのままでは可動型42に対して型抜きできない。そのため、固定型41には、キャビティ43内に挿入され、前記係合突起28を形成するためのスライドコア44がスライド自在(図2中上下方向へスライド可能)に設けられている。
【0023】
従って、固定型41に対して可動型42を閉じて金型40を型締めし、ついで、その金型40のキャビティ43内に溶融樹脂を射出(射出路は省略)したのち、金型40を圧縮、つまり、固定型41に対して可動型42を押圧移動させ、キャビティ43内の溶融樹脂が冷却固化後に固定型41に対して可動型42を上方へ開き、かつ、スライドコア44を下方へスライドさせる。これにより、ファイル本体10と綴じ込み具20の主部21および副部25とが一体成形された成形品を得ることができる。
【0024】
使用にあたっては、ファイル本体10に一体成形された主部21の挿通部材24に用紙にあけられたパンチ孔を差し込んだのち、補助綴じ込み部材30の嵌合部材32,32を差し込む。ここで、主部21を表装部12B側に折り畳むと、副部25の係合突起28が補助綴じ込み部材30の係合溝33にはまり込み保持される。つまり、用紙が、補助綴じ込み部材30を介して主部21と副部25とで綴じられる。
【0025】
表装部12A,12Bを閉じた状態を図3に示す。この状態では、ファイル本体10の背装部11側に、主部21(および副部25)によって開口部14A(14B)が形成されているから、たとえば、本樹脂製ファイルを棚などに収納していた場合、その部分に手をかけて棚からファイルを容易に取り出すことができる。
表装部12A,12Bを閉じた状態から、一方の表装部12Aを開いた状態を図4に示す。この状態からも判るように、表装部12A,12Bを開いても、これらとは分離された主部21(および副部25)が用紙を押さえているので、用紙が脱落することがなく、取扱やすい。
【0026】
一方、分別廃棄やリサイクルするにあたっては、綴じ込み具20の補助綴じ込み部材30を主部の挿通部材24から外す。この状態で、ファイル本体10、主部21および副部25と、補助綴じ込み部材30とが分離される。ファイル本体10、主部21および副部25は、ともに同一の合成樹脂材料によって一体成形されているから、そのまま(分離することなく)廃棄することができる。また、必要により、リサイクルとして再利用することもできる。
【0027】
第1実施形態の樹脂製ファイル1によれば、ファイル本体10と、綴じ込み具20を構成する主部21および副部25とを合成樹脂によって一体成形したので、綴じ込み具20の主部21および副部25をファイル本体10に組み付ける後工程を不要にできる。よって、従来に比べ、製造、コストの点で有利である。しかも、分別廃棄やリサイクルの際、ファイル本体10と綴じ込み具20を構成する主部21および副部25とを分離することなくそのまま廃棄またはリサイクルすることができる。
【0028】
また、綴じ込み用の主部21および副部25は、ファイル本体10の各表装部12A,12B相当部分にかつ背装部11寄り略中央部分に形成され、かつ、それらの表装部12A,12Bに対して分離されているから、金型構成を単純化することができる。つまり、綴じ込み用の主部21および副部25は、ファイル本体10の各表装部12A,12B相当部分に形成されているから、綴じ込み用の主部21および副部25を表装部12A,12Bに対して直角に形成すればよく、従って、基本的には固定型41と、これに対して接近、離反する可動型42とから金型を構成できるから、金型構成を単純化することができる。
【0029】
また、綴じ込み用の主部21および副部25は、ファイル本体10の背装部11と隣接する辺を除く周囲が表装部から切り離された綴じ込み片22,26を備えているので、挿通部材24や係合突起28などを形成しやすい。そのうえ、一対の綴じ込み片22,26によって用紙をはさみこんだ状態で綴じることができるから、用紙を損傷させず、かつ、起立した姿勢で用紙を安定して保持することができる。
しかも、少なくとも綴じ込み片22は、ヒンジ機構23を介して背装部11に連結されているから、各綴じ込み片22,26の開閉、つまり、用紙の綴じ込み、外しも容易である。
【0030】
また、主部21の挿通部材24に対して、用紙にあけられたパンチ孔を差し込んだのち、補助綴じ込み部材30の嵌合部材32を差し込み、この補助綴じ込み部材30の係合溝に副部25の係合突起28を係合する構造としたので、つまり、用紙を主部21と補助綴じ込み部材30とで挟み込んだのちに、補助綴じ込み部材30の係合溝33に副部25の係合突起28を係合して、主部21と副部25とを係合させるようにしたので、副部25を補助綴じ込み部材30に対して係合、離脱させる際にも用紙がずれることがないから、用紙の綴じ込み、外しを容易に行うことができる。
【0031】
なお、前記実施形態では、綴じ込み具20を構成する補助綴じ込み部材30を金属のプレス加工により製造していたが、樹脂製であってもよい。あるいは、プレート31を樹脂製とし、嵌合部材32を金属によって形成するようにしてもよい。
また、前記実施形態で説明した樹脂製ファイルの製造では、図2のように、副部25を形成する空間Dを空間Aに対して直角に配置したが、空間Dを水平に寝かせて空間Aと同じ、ないしは、僅かの傾斜角度で配置するようにすれば、スライドコア44を不要にできる。
【0032】
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の樹脂製ファイルの斜視図である。なお、同図の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略、もしくは、簡略化する。
本実施形態の樹脂製ファイル2は、前記第1実施形態に対して、ファイル本体10が共通で、綴じ込み具が異なる。本実施形態の綴じ込み具50は、主部51および副部55から構成されている。つまり、第1実施形態の補助綴じ込み部材30が省略されている。
前記主部51は、前記第1実施形態の主部21に対して、管状の挿通部材24が棒状の挿通部材52になった点が異なる。前記副部55は、前記第1実施形態の副部25に対して係合突起28および孔29が省略され、それに代わって、挿通部材52に弾性的に係合、離脱する係合部としての係合溝57が形成されている。
【0033】
第2実施形態の樹脂製ファイル2によれば、第1実施形態で述べた効果に加え、次の効果が期待できる。
すなわち、綴じ込み具50の全ての構成要件51、55がファイル本体10に一体的に成形されているから、第1実施形態に比べ、製造が簡単で、コスト的にも優位である。
【0034】
なお、前記第1、第2実施形態では、ファイル本体10の背装部11と各表装部12A,12Bとの間にヒンジ機構13A,13Bを設けたが、これらはなくてもよく、あるいは、片側のみであってもよい。さらに、表装部12A,12Bは平面状のものについて説明したが、表装部12A,12Bの周囲を立ち上げた形状として、箱型のファイルとすることもできる。形状についても、矩形状に限らず任意である。
【0035】
また、射出圧縮成形にあたっては、表装部12A,12Bの表面に模様、文字、図形などを形成したり、キャビティ43の背装部11を形成する空間に表示部などをもつ他の部材を予備挿入して射出圧縮成形してもよい。また、射出圧縮成形の条件としては、樹脂の射出が完了する前に圧縮を開始するなど適宜選定することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の樹脂製ファイルによれば、ファイル本体の各表装部相当部分にかつ背装部寄り略中央部分に綴じ込み用の主部および副部が形成され、それらの主部および副部が、ファイル本体と樹脂によって一体に形成され、かつ、少なくとも一方が表装部に対して分離されているから、外観、強度、取扱性に優れ、しかも、製造が容易で、かつ、コストの点でも優れているうえ、模様やデザインの自由度が高いという効果が期待できる。さらに、廃棄、リサイクルに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の樹脂製ファイルを示す分解斜視図である。
【図2】同上実施形態の樹脂製ファイルを製造する際に用いる金型を示す断面図である。
【図3】同上実施形態の樹脂製ファイルの閉じた状態を示す斜視図である。
【図4】同上実施形態の樹脂製ファイルの片方の表装部を開いた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態の樹脂製ファイルを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ファイル本体
11 背装部
12A,12B 表装部
20,50 綴じ込み具
21,51 主部
22 綴じ込み片
23 ヒンジ機構
24,52 挿通部材
25,55 副部
26 綴じ込み片(係合部材)
28 係合突起(係合部)
30 補助綴じ込み部材
32 嵌合部材
33,57 係合溝(係合部)
Claims (4)
- 背装部を挟んで一対の表装部が連接されたファイル本体と、この本体の各表装部相当部分にかつ背装部寄り略中央部分に形成された綴じ込み用の主部および副部とを有し、
前記ファイル本体、主部および副部が樹脂によって一体に形成され、
前記副部および主部は、前記ファイル本体の背装部と隣接する辺を除く周囲が表装部から切り離されて表装部に対して分離されているとともに、表装部と略同一平面状をなした綴じ込み片をそれぞれ有し、
前記少なくとも主部側の綴じ込み片は、その厚みが表装部よりも厚く成形されているとともに、前記背装部に連結されていることを特徴とする樹脂製ファイル。 - 請求項1に記載の樹脂製ファイルにおいて、前記少なくとも主部側の綴じ込み片は、ヒンジ機構を介して前記背装部に連結されていることを特徴とする樹脂製ファイル。
- 請求項1または請求項2に記載の樹脂製ファイルにおいて、前記主部の綴じ込み片は、その綴じ込み片に対して直角でかつ管状または棒状の挿通部材を有していることを特徴とする樹脂製ファイル。
- 請求項3に記載の樹脂製ファイルにおいて、前記副部の綴じ込み片は、前記主部の挿通部材に嵌合する棒状または管状の嵌合部材を有する補助綴じ込み部材に対して、係脱自在に係合する係合部を有していることを特徴とする樹脂製ファイル。
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