JP3640212B2 - 防災瓦 - Google Patents

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Description

本発明は、強風による平板瓦のずれと浮きを防止して耐風性能を向上させると共に、防水性能も併せて向上させる様にした防災瓦に関する。
(防災瓦に要請される機能、性能、作用等)
防災瓦に要請される第1番目の機能等は、台風時の強風等による飛散を防止する耐風性能である。又、耐風性能と同等に要請される第2番目の機能等は、暴風雨時の防水性能にも優秀であることが求められている。又、平板瓦では施工時に働き長さを調節することも多く、働き長さの調節機能が第3番目の機能等として必要な条件となっている。即ち、働き長さについては、実際の施工の際、瓦桟ピッチの施工ばらつきが有り、否が応でも働き長さの調節が必要になる。
よって、第3番目の機能である働き方向での移動自在性を確保して、第1番目の機能である強固な連結又は固定性を確保せねばならず、一見相反する機能を同時に満たさねばならなかった。又、この関係は、第2番目の防水機能と他機能との関係でも同様である。
以下、従来の技術を詳細に説明するが、従来の技術では、耐風性能(第1機能)、防水性能(第2機能)、働き長さの調節機能(第3機能)を全て同時に達成した技術はなかった。
(従来技術1)
従来の防災瓦としては、特開平8−93141号公報の〔請求項3〕に記載され、本件明細書の図13乃至図16に図示された係止耐風厚平形瓦が知られている。即ち、従来技術1の係止耐風厚平形瓦は、桟覆部aと差込受部bとの同段葺き合わせ部分がほぼ瓦1枚の厚さに納まる葺き合わせ構造をとる厚平形系瓦において、差込受部bの頭部c側端に導水帯dと水返しeによって分離されかつ瓦裏面とほぼ同じレベルの表面を有する係止受部fを形成し、尻部g側の中央付近に尻切欠部hを形成してこの上面部分に瓦表面とほぼ同じかないしはやや高い裏面部分を有する係止突起iを形成してなる瓦であって、葺き合わせたとき斜め下段側瓦の係止突起iが斜め上段側瓦の係止受部fを抑止し振れ止め係止するものであった。
特開平8−93141号公報
上記従来技術1の係止耐風厚平形瓦では、尻部g係止突起iの形成に際して、尻部g側の中央付近に尻切欠部hを形成している(従来の製造方法では切欠部が必須であり、この点については後述する)ために、尻部h側縁の水返しjが、両側部で一直線上であっても中央付近では頭部c側へ変位せざるを得なくなっていた。その結果、水返しjが尻部g側縁部で異形状態と成っているため、且つ、尻部g側の水返しjと平行の内方水返しkとの間の流水部lが異形状態と成るため、更に、中央付近の水返しjは内方水返しkと接近したり、重合される上の瓦の頭部cと接近して、両者間の距離が短くなるため、上下重合個所から吹き込む逆流雨水を確実に受け止めることが出来なかったり、排水が円滑に行えない場合があり、防水性能が不十分になっていた。
(従来技術1の技術背景)
従来技術1並びにその欠点が尻部g側の中央付近に形成した尻切欠部hに起因することを説明したが、尻部g係止突起iの形成に尻切欠部hの形成が必要であった理由を以下、説明する。即ち、従来の瓦成形方式は、上下型(金型)が鉛直方向上下に移動して原料を加圧することによって成形していたため、上下方向の中間に空間部が存在する形状(鉤状等)の成形は、空間部を成形する部分形成型が、加圧成形後の金型上昇時に鉤部における空間部の上方成形部に当接し、引っ掛かることになり、鉤部成形は不可能であった。
(従来技術1の課題関連)
以下、従来の防災瓦の第1、2機能である耐風性能と防水性能の関係について説明する。耐風性能は下の瓦の尻部係合部(係止突起i)で上の瓦の頭部係合部(係止受部f)を押さえることにより、耐風性能を発揮、上昇させているが、風速上昇に、強度風圧にどれだけ耐えられるかは、上下の瓦の係合部の強度に応じて変化する。従来技術1のものでは、頭部c側の係止受部fは導水帯dとの連結部が多いが、尻部g側の係止突起iの水返しjとの連結部は立上部i’だけであるため、特に、尻係合部(係止突起i)の強度が充分でないと、強風圧に耐えられずに破壊してしまい、充分な耐風性能が得られない。そこで、尻係合部(係止突起i)の強度を確保、上昇させるために、尻係合部(係止突起i)における最大荷重負荷部位の断面積を増大することが必要となり、特に頭尻方向(流れ方向)の長さを増大して断面積を増加させることが有効である。しかしながら、従来技術1のものでは、尻係合部(係止突起i)の下方は全て尻切欠部hになっており、係合部の長さを増加することは、尻切欠部hの長さを増加することに直結し、延いては、水返しjの形成位置が尻側から頭側に移動することとなり、上記説明の防水性能が更に低下することとなる。云い換えると、防水性能については、流れ方向の重合長さが大きいほど防水性能は向上するため、従来技術1の様に尻係合部(係止突起i)の下が尻切欠部hになっていると、尻切欠部hの長さだけ重合長さが短くなり、防水性能が低下することとなり、尻係合部(係止突起i)が長いほど耐風性能が上昇し、尻切欠部h(係止突起i)が長いほど防水性能が低下すると云う相反する条件を有していた。従って、従来技術1では耐風性能と防水性能の両方の性能を充足することが出来ず、防災瓦(耐風瓦)は風雨両方に強いことが必要であることを考慮すると、従来技術1では未解決の問題が存在していたと云える。
(従来の技術2)
又、従来の防災瓦としては、特開平8−93141号公報の〔従来の技術〕に記載され、本件明細書の図17乃至図18に図示された耐風厚形平瓦が知られている。即ち、従来技術2の図17に示す耐風厚形平瓦は、瓦の差込受部mの側端の頭部n寄り先端側に係止突起oが、尻部p側縁の中央付近に凹欠部qがそれぞれ形成されていて、千鳥葺きに葺き合わせたとき、図18に示す様に、葺き合わせ上段側の瓦の係止突起oが葺き合わせ下段側の瓦の凹欠部q下方に潜入して、瓦の振れ係止と浮き抑止がなされるものであった。
よって、上記従来技術2の耐風厚形平瓦でも、尻部pに凹欠部qを形成しているため、水返しrが異形となって、防水性能が不充分となる課題が存在する一方、第3機能である働き長さの調節機能においても課題が存在した。即ち、従来技術2の防災瓦での働き長さ調節機能については、下の瓦の尻係合部(凹欠部q)が上の瓦の頭係合部(係止突起o)を上から押さえると共に、頭尻方向(流れ方向)で上の瓦が相対的にスライドする構成となっている。一方、働き長さ調節機能としては、上下係合部の係合面積(重合面積)が一定或いは一定以上でないと、耐風性能を考慮すると、充分な働き長さ調節機能を有しているとは云えない。従って、従来技術2のものにおける係合方法は、下の瓦の尻係合部(凹欠部q)が上の瓦の頭係合部(係止突起o)を縦方向(上下方向)で押さえる構造になっているため、係合部の長さ分だけは働き長さを調節が出来るとしても、係合面積が一定でなかったり、係合面積が少量(浅く)なった場合は耐風性能に問題が発生する。
上記の様に、従来の防災瓦(従来技術1、2)は、第1、2、3機能である耐風性能、防水性能、働き長さ調節機能を全て同時に満たした技術は存在しなかった。
本発明は、上記従来技術に基づく、3機能(耐風、防水、調節機能)を同時に達成出来なかった課題に鑑み、新規な防災瓦によって、3機能を同時に達成することを目指すものである。
又、従来技術の根本原因は製造技術に起因したので、防災瓦を上下型の押圧成型で成形するに際して、差込空間を含む係合凸部を瓦本体と一体成形し、押圧成型中に差込空間に押圧成形部を進行させて差込空間の原料を排除し、鉤状の係合凸部を形成することによって、3機能を満たした防災瓦を製造する。
上記従来技術1の係止耐風厚平形瓦では、差込受部bの頭部c側端に、該差込受部bの一部がその厚みごと一段下がるようにして、係止受部fが形成されている。その結果、係止受部fの上面は瓦裏面とほぼ同じレベルとなり、係止受部fの下面は瓦裏面より低いレベルとなっている。このように、係止受部fが差込受部bより一段下がっていると、葺設時に、係止受部fの下面より一段高い差込受部bの下面が、図15,図16に示すように、下段に葺かれた厚平形瓦との間に大きな隙間をつくる。
上記従来技術2の耐風厚形平瓦でも、差込受部mの側端の頭部n寄り先端側に、係止突起oが嘴状に下方へ突出形成されているので、上記従来技術1と同様の問題がありうる。
本発明は、葺設時に、同段で横方向に隣接する一方の防災瓦(1)の桟(7)と他方の防災瓦(1)の差込部(8)とが重合するとともに、下段の防災瓦(1D)の係合凸部(16)と上段の防災瓦(1U)の係合差込部(17)とが係合する平板状の防災瓦において、
係合差込部(17)は、
カ:差込部(8)の水返し(9)の外側の側端部に、該差込部(8)の厚みが該側端部のみで減じるようにして一体に設けられ、
キ:上面が差込部(8)の上面より低いレベルにあり、
ク:下面が差込部(8)の下面と同じレベルにある
ことを特徴としている。
本発明に係る防災瓦によれば、葺設時に下段の防災瓦(1D)の係合凸部(16)と上段の防災瓦(1U)の係合差込部(17)とが係合するので、強風等に対する耐風機能(第1機能)を発現し防災瓦(1)の浮き、ズレを防止することが出来る。
また、係合差込部(17)は、カ:差込部(8)の水返し(9)の外側の側端部に、該差込部(8)の厚みが該側端部のみで減じるようにして一体に設けられ、キ:上面が差込部(8)の上面より低いレベルにあり、ク:下面が差込部(8)の下面と同じレベルにあるので、係合差込部(17)が下方へ突出しない。また、葺設時に係合差込部(17)の下面と同じレベルにある差込部(8)の下面が、図5,図6に示すように、下段に葺かれた防災瓦に近接する。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。本発明に係る耐風機能を有する平板状の防災瓦1の基本構成にあっては、図1に示す様に、瓦本体2を平面方形状と成している。そして、図1、2、3に示す様に、瓦本体2の短尺な端部(図1中、前後側)を頭3及び尻4と夫々成し、頭3の先端下部に垂れ5を突設し、瓦本体2の表面において、尻4の手前に一条の水返し6を瓦本体2の横手方向に設けている。尚、垂れ5の明確な形状は図3に示し、その他の図面では簡略表示と成している。
上述の尻4に設けた水返し6は、図1〜7の第1実施例、図8の第2実施例のものでは、その形状が若干相違するが、両者共に従来技術1のものに比して、決定的に相違している。即ち、従来技術1のものでは、係止突起iを形成するために、水返しjに尻切欠部hを形成せざるを得なかったが、本発明の第1、2実施例のものでは、係合凸部16の形成は水返し6(その一部の平面段丘6b)上に一体形成しており、係合凸部16形成付近の水返し6の形状は、その周囲と全く同一と成し、即ち、切欠部を設けたり、寸断せず、一様な平面段丘状或いは突堤状と成しており、これらを本発明では無垢形状の水返し6と称している。
又、瓦本体2の長尺な一端部(図1中、右側)を下方切欠の桟7と成し、他端縁部(図1中、左側)に帯板片を下方側に段差を設けて延出形成して差込部8と成している。差込部8は、尻4から頭3の近傍に至る長さと、瓦本体2の桟7との重合幅を有しており、表面の長尺端部及び尻4側の端部に沿って鉤状の水返し9を設け、更に、表面中央に水返し突条10を差込部8の長さ方向に設けている。尚、差込部8の先端部及び差込部8における水返し9の先端部は、垂れ5を形成している関係で明確な形状でなかったり、段差を徐々に減少し、或いは、一部を割愛している。
又、瓦本体2の表面両側端には、尻4の水返し6に連続して、流れ方向に水返し11、11a及び段丘12、12aを夫々設けているが、葺き合わせ時に漏水しない様にすれば、段丘12、12a等を割愛しても良い。又、尻4の水返し6の両端部表面にV字状の凹部13、13aと裏面における対応位置に凸部14、14aを設け、更に水返し6及び凹部13の近傍に釘孔15、15aを設けている。
かかる基本構成を有する防災瓦1において、図1〜6に示す様に、耐風機能の構成要件としての係合凸部16と係合差込部17を、尻4の水返し6上面の中央付近と差込部8の側端部に夫々設けている。即ち、図1、3に示す様に、尻4に設けた水返し6の中央付近(凹部13の形成個所以外)では、水返し6を平面段丘状と成している。更に、詳細には、瓦本体2の中央部から尻4に向かって、上昇する傾斜面6a及び流れ方向に所定幅を有する平面段丘6bで水返し6を形成し、傾斜面6aが実質的に水返し6と成っている。そして、図2、5、6に示す様に、水返し6における平面段丘6b上面の中央付近に立上部18と一側(桟7側)への水平部19を連続し、水平部19の下部(水返し6上面と水平部19下面の間)に、係合差込部17を一側(桟7側)から差込自在な差込空間20を有する鉤状の係合凸部16を突出状に設けている。尚、平面段丘6bは、流れ方向で、両端部の水返し6に比して幅広と成しているために、係合凸部16も水返し6に比して流れ方向で幅広に形成している。
他方、図1、5、6に示す様に、差込部8の側端部に設けた水返し9の先端寄りの一部を内方側に屈曲させ、当該屈曲部21の外側で流れ方向に所定長さの帯板状の係合差込部17を設けている。水返し9の屈曲部21の形状は尻4から頭3にかけて、内方傾斜、流れ方向、外方傾斜と成し、屈曲部21は全体的に”〕”かっこ状と成し、上下の誘水傾斜部を上下の係止部22、22aと夫々成している。言い換えると、上下の係止部22、22aは流れ方向に所定長さを有する係合差込部17の長さを規制している。
図8は第2実施例の防災瓦1を示す平面図であり、図1〜6の第1実施例のものとの大きな相違は尻4側に設けた水返し6の構造である。即ち、第2実施例の水返し6は尻4側に略同一幅で一直線状に設け、水返し6の中央付近の形状を従来技術1のものに比して無垢な突堤と成し、かかる突堤上に係合凸部16を形成した点が、第1実施例のものと相違している。
次に本発明に係る防災瓦の作用について説明する。図4に示す様に、多数の防災瓦1を千鳥葺きに葺設した時に、下段の防災瓦1Dの尻4上に上段の防災瓦1Uの頭3が部分的に重合すると共に、各段における隣接した防災瓦1D1、1D2は、桟7の下方切欠部に差込部8が差込まれて重合し、両者の段丘12、12aも隣接状態となる。
そして、図5、6に示す様に、横方向に半分ずれた上下段の防災瓦1U、1Dの係合凸部16と係合差込部17の係合部にあっては、下段の防災瓦1Dの係合凸部16の差込空間20に対して上段の防災瓦1Uの係合差込部17を横から差し込んで、両者は係合状態と成り上下位置関係が規制される。
又、係合凸部16と係合差込部17の係合にあっては、係合差込部17は所定長さを有することにより、流れ方向での係合位置は調整可能となる。更に、係合凸部16と係合差込部17の流れ方向位置関係が調整可能であるとしても、係合差込部17の流れ方向上下位置に上下の係止部22、22aが夫々存在し、係合凸部16が当接自在であるために、その調整量は制限されるが、離脱せずに流れ方向での係合状態は確保される。
又、横方向に隣接した防災瓦1D1、1D2の接合部にあっては、両者の水返し11、11a、段丘12、12aの接合個所の隙間から流入した雨水は、差込部8上に流水する。雨水が多量で流水速度が速くても、差込部8中央に突出形成した水返し突条10で減速されると共に、側端縁の水返し9で制止され、頭3側に流水する。そして、差込部8上の流水の一部は、係合差込部17の形成個所において、水返し9に連続した屈曲部21の上方の係止部22で誘導され円滑に下方へ流水する。
尚、水返し11、11a、段丘12、12aの形成個所に対応して、防災瓦1の裏面には葺き合わせ対応位置に切欠凹部23を設けて治まりを向上させている。
次に、複数の防災瓦1の荷造重合状態について説明する。図7に示す様に、複数の防災瓦1を荷姿状態の同一位置で重ね合わせる時には、係合凸部16は表面側に上方突出状態と成っているが、係合凸部16を上面に形成する平面段丘6bは傾斜面6aの段差を介して瓦本体2より高く成っているため、平面段丘6bの下方が係合凸部16の収納切欠24に成っている。
次に、本発明と従来技術1の決定的な相違(尻切込部の有無)に関して、本発明の構成が可能となった理由、即ち、成形方法について説明する。図9は防災瓦1を加圧成形する金型の断面図、図10は係合凸部16の形成個所の要部を示す金型の拡大断面図で、(a)は上下型32、33による押圧成型状態を示し、(b)は差込空間20の原料を排除し鉤状の係合凸部16を成形する状態を示し、図11は上型における係合凸部16形成個所の凹設状態を示す側面図であり、図12は2段階の成形状態を示す模式図で、(a)は金型30のキャビティ31に投入される原料を示し、(b)は上下型32、33による押圧成形体を示し、(c)は押圧成形部37が進行途中状態で係合凸部16に差込空間20を形成している中間状態を示し、(d)は差込空間20を側部に有する鉤状の係合凸部16の形成完了状態を示している。金型30は原料投入空間であるキャビティ31を形成する上下型32、33(側枠を含む)から成り、図示のものでは下型33は防災瓦1の裏面を成形し、上型32は防災瓦1の表面及び係合凸部16の差込空間20を含む全体を成形し、係合凸部16の形成個所において、差込空間20を成形する部分形成型34を配置している。即ち、上型32の所定個所に差込空間20を含む係合凸部16を形成する略台形状の凸部形成部35を切欠形成し、該凸部形成部35の外側に下型33から延出した外部形成部36(側枠の一部)を設置している。又、凸部形成部35の外部形成部36の外側に配置した部分形成型34に、差込空間20に相当する形状の押圧成形部37をシリンダー37aで、凸部形成部35方向に進退自在に配置している。更に、上型32における凸部形成部35の形成面の一部であって、凸部形成部35に臨んだ差込空間20対応位置の奥方に凹部38を凹設し、該凹部38の下側をキャビティ31に臨む様に開口している。即ち、部分形成型34の押圧成形部37が凸部形成部35内に進行した位置の前方に凹部38が形成されている。尚、従って、金型30の成型面は、上下型32、33の上下成型面、側枠の内面、凸部形成部35及び凹部38の内面、外部形成部36の内面が相当すると共に、部分形成型34における押圧成形部37の先端も、金型30の成型面の一部を構成することになる。
次に、かかる構成の金型30による成形方法を説明する。先ず、図12(b)、図10(a)に示す様に、キャビティ31に投入された原料を上下型32、33の上下押圧成形により、キャビティ31と凸部形成部35(凹部38を含む)の原料で、瓦本体2と差込空間20を含んだ係合凸部16を一体成形する。次に、図12(c)、(d)、図10(b)に示す様に、上下型32、33による押圧成型状態を維持したまま、シリンダー37aの作動により、成型面の一部である部分形成型34の押圧成形部37を凸部形成部35に進行させ、該凸部形成部35における差込空間20の位置の原料を押圧排除して、差込空間20が存在する立上部18と水平部19から成る鉤状の係合凸部16を成形する。尚、かかる鉤状の係合凸部16の成形時に、差込空間20相当位置に存在した原料は、成形品における立上部18、水平部19、金型30内におけるキャビティ31(瓦本体2の水返し6)及び凹部38側に移動し、瓦本体2の水返し6、立上部18と水平部19からなる係合凸部16を一体形成している。そして、差込空間20を有した係合凸部16の部分成形後に、押圧成形部37を後退させた後、上下型32、33を上下分離して成形を完了することにより、係合凸部16を損壊させず、且つ、従来に比して水返し6に悪影響を与えず無垢形状で形成する。尚、図10(b)に示す様に、部分形成型34の押圧成形部37の最進行位置を、凹部38の前面側と略面一位置と成せば、係合凸部16の周囲に若干のバリが発生するとしても、成形後の乾燥時にバリは自然的に分離される。
要するに本発明の前記各実施例では、瓦本体2の尻4側水返し6上面の中央付近で、立上部18と該立上部18から桟7側への水平部19を連続一体形成した係合凸部16を、水返し6に一体形成し、水返し6上面と係合凸部16の水平部19下面の間に差込空間20を設け、上記差込空間20に差し込まれる係合差込部17を、差込部8の水返し9の外側に設けたので、千鳥葺き時の上下斜め方向に位置する防災瓦1U、1Dが係合状態となり、強風等に対する耐風機能(第1機能)を発現し防災瓦1の浮き、ズレを防止することが出来る。又、係合凸部16を設ける瓦本体2の尻4側水返し6は瓦本体2の尻4側に異形状態でないために、侵入雨水の遮断、防水性能(第2機能)を充分に発揮することが出来る。又、係合凸部16は桟7側から差込自在な差込空間20を有する鉤状のものと成したので、下段の防災瓦1Dに対する上段の防災瓦1Uの長れ方向位置が所定量調整自在と成ることにより、上下段の瓦の連結状態を維持しつつ、第3機能である瓦の働き長さを調節して施工の容易化を図ることが出来る。従って、本発明によれば、第1、2、3機能である耐風性能、防水性能、働き長さ調節機能を全て満足して、防災瓦として非常に実用的価値を有する。
又、上下型32、33の押圧成型で成形される防災瓦1であって、差込空間20を含む係合凸部16を瓦本体2と一体成形し、押圧成型中に差込空間20に押圧成形部37を進行させて差込空間20の原料を立上部18、水平部19と瓦本体2側へ押圧移動して、瓦本体2と鉤状の係合凸部16を一体形成したので、係合凸部16と瓦本体2は一体であるために強度性が損なわれず、又特殊形状(鉤状)の一体成形も簡易に行うことが出来る。
又、係合差込部17は流れ方向に所定長さを有すると共に、係合差込部17の流れ方向上下位置に上下の係止部22、22aを夫々設けたので、下段の防災瓦1Dに対して上段の防災瓦1Uが調整自在であっても、係合凸部16と係止部22、22aは当接自在関係であるために、下方3側からの強風、或いは渦巻風が作用しても、上段の防災瓦1Uが離脱することなく、耐風機能を確実化することが出来る。
尻4側水返し6は、瓦本体2から上昇する傾斜面6aを介して平面段丘6bを設けると共に、該平面段丘6b上面に係合凸部16を設けたので、実質的に水返し6の主要部となる傾斜面6aは、瓦本体2及び平面段丘6bと円滑な連結となるために、水返し6を高く形成することが出来て防水性能を向上させることが出来、又係合凸部16を設ける平面段丘6bは突堤の水返し6に比して幅広と成すことが出来るため、幅広な平面段丘6b上に設ける係合凸部16も流れ方向に幅広と成すことが出来、従って、係合凸部16の断面積を増加して第1機能である耐風性能を向上することが出来る。
又、平面段丘6bの裏面下方を、荷姿重合時の係合凸部16の収納切欠24と成したので、荷姿に多数の防災瓦1を重合した時に、平面段丘6bの表面から突出した係合凸部16は平面段丘6b裏面の収納切欠24に収まり、荷姿時の全体容積を増大させることが無く、運搬を容易とすることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
本発明に係る防災瓦の平面図である。 図1の正面図である。 図1の側面図である。 防災瓦の千鳥葺きを示す平面図である。 千鳥葺き時の耐風係合部を示す拡大平面図である。 図5の要部断面図である。 重合させた荷姿を示す図である。 第2実施例の防災瓦の平面図である。 金型の断面図である。 係合凸部形成個所の金型要部の拡大断面図である。 上型における係合凸部形成個所の要部拡大側面図である。 係合凸部の成形状態を示す模式図である。 従来技術1の係止耐風厚平形瓦の斜視図である。 図13の瓦の葺き合わせ平面図である。 図14の葺き合わせ要部斜視図である。 図14の葺き合わせ要部A−A断面図である。 従来技術2の耐風厚平形瓦の斜視図である。 図17の瓦の葺き合わせ要部斜視図である。
符号の説明
2 瓦本体
4 尻
6 水返し
6a 傾斜面
6b 平面段丘
7 桟
8 差込部
9 水返し
16 係合凸部
17 係合差込部
18 立上部
19 水平部
20 差込空間
22、22a 係止部
24 収納切欠
32 上型
33 下型
37 押圧成形部

Claims (1)

  1. 葺設時に、同段で横方向に隣接する一方の防災瓦(1)の桟(7)と他方の防災瓦(1)の差込部(8)とが重合するとともに、下段の防災瓦(1D)の係合凸部(16)と上段の防災瓦(1U)の係合差込部(17)とが係合する平板状の防災瓦において、
    係合差込部(17)は、
    カ:差込部(8)の水返し(9)の外側の側端部に、該差込部(8)の厚みが該側端部のみで減じるようにして一体に設けられ、
    キ:上面が差込部(8)の上面より低いレベルにあり、
    ク:下面が差込部(8)の下面と同じレベルにある
    ことを特徴とする防災瓦。
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