JP3640025B2 - ズ−ムレンズ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、写真撮影用のコンパクトカメラに利用するところのズ−ムレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
小形カメラのコンパクト化が進み、最近のカメラでは単焦点レンズの他に、ズ−ムレンズを装備したものが多くなってきた。
【0003】
そして、この種のカメラに装備されたズ−ムレンズとしては、ズ−ム比が2倍程度のものが既に提案されている。
【0004】
また、ズ−ムレンズの構成としては、前群レンズに正のパワ−(屈折力)を、後群レンズに負のパワ−(屈折力)を各々持たせるようにして小形化に有利なようにした2群タイプと、この2群タイプのものを発展させた3群タイプとが主流となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
コンパクトカメラに装備するズ−ムレンズの小形化には、
(1) レンズ全長が短い。
(2) ズ−ミングの繰り出し量が少ない。
(3) レンズシャッタ、絞りの径が小さい。
(4) レンズの最大径が小さい。
など様々な条件が設計に要求される。
【0006】
上記したような2群タイプのズ−ムレンズにおいて、これらの各条件を満たすためには、前群レンズと後群レンズとの焦点距離を短くすることが最も効果的であり、また、短焦点側の焦点距離を広角側にすれば、上記(1)〜(3)等の条件を満たすことができる。
【0007】
しかしながら、このようないずれの設計手段においても、レンズの収差補正には困難を伴う。
具体的に述べれば、上記した2群タイプのズ−ムレンズでは、前群レンズが凸凹凸の3枚、或いは、凸凹凸凸の4枚構成となっているが、この構成をとる場合、凹レンズに対する収差補正上の負担が大きくなる。
【0008】
このようなズ−ムレンズでは、2枚(または3枚)の凸レンズによる負の屈折力の像面湾曲補正を行なうことになるため、凹レンズの両面で正の屈折力の像面湾曲を生じさせる必要がある。
このため、高次の球面収差を発生させる原因となってしまう。
【0009】
一方、上記したいずれの設計手段をとっても、レンズの偏心、軸ズレ等の誤差が製造の歩留まりを悪くする要因となるため、ある程度のところで妥協せざるを得ない現状であった。
【0010】
本発明は上記した実情にかんがみ、諸収差を良好に補正することができ、しかも広画角をカバ−する安価にして小形構造のズ−ムレンズを開発することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明では、カメラ用のズ−ムレンズにおいて、物体側を凸面とした負の屈折力を有し、かつ、焦点距離が240.5mm〜2036.6mmのメニスカス状の第1レンズ、両凹面の負の屈折力を有する第2レンズ、物体側を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有する第3レンズ、像側を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有する第4レンズを物体側から順に配設して全体として正の屈折パワ−を持つ構成とした前群レンズと、像側を強い曲率の凸面としたメニスカス状の正の屈折力を有する第5レンズ、物体側を強い曲率の凹面とした負の屈折力を有する第6レンズ、物体側を強い曲率の凹面としたメニスカス状の負の屈折力を有する第7レンズを物体側から順に配設して全体として負の屈折パワ−を持つ構成とした後群レンズとを備え、さらに、上記第1レンズを、物体側の面を周囲に行くにしたがって曲率を弱くし、または、像側の面を周囲に行くにしたがって曲率を強くした非球面のレンズで構成したことを特徴とするズ−ムレンズを提案する。
【0013】
上記したズ−ムレンズは、第3レンズの像側の凸面、または、第4レンズの物体側の凸面を非球面に形成することができる。
【0015】
【作用】
第1レンズの物体側面が周囲に行くにしたがって曲率が緩くなる非球面、または、この第1レンズの像側面が周囲に行くにしたがって曲率が強くなる非球面となっているため、第2レンズが果たす役割を第1レンズが分担し、高次の収差の発生を抑える。
【0016】
この結果、凹レンズである第2レンズは通常の構成とすることができ、前後群レンズの焦点距離を短くして小形化を計る場合に収差補正の困難さが克服できると共に、この短焦点の焦点距離を広角側に移行することができる。
【0017】
また、第2、第3レンズを貼り合せれば、非球面の導入により増えた自由度を倍率色収差の補正等に利用できる他、レンズの組込が容易になる。
【0018】
上記した構成のズ−ムレンズは、第1レンズをPC(ポリカ−ボネ−ト)、第4レンズをPMMA(ポリメチルメタクリレ−ト)などの合成樹脂材で非球面レンズとして構成することができる。
【0019】
この結果、極めて高価な非球面のガラスレンズを使用する必要がないから、高性能の安価なズ−ムレンズとなる。
【0020】
また、上記したズ−ムレンズは、第1レンズと第3レンズ、または、第1レンズと第4レンズを非球面レンズとすることにより、広角動作時の性能を向上させることができる。
【0021】
さらに、上記したズ−ムレンズは、第1レンズの焦点距離を長くすることにより、このレンズの物体側と像側との面の曲率を同じように形成できるから、型成形のし易さが確保できる。
また、合成樹脂材を用いた場合の問題点である周囲温度による焦点移動についても解決することができる。
【0022】
非球面レンズを採用することの問題点として、コスト面の他に、ズ−ムレンズ性能が形状精度に敏感に影響されるということがある。
【0023】
つまり、ガラス、合成樹脂材のいずれを用いたとしても、型成形する場合には、成形のし易さが形状精度、コストを決定する大きな要因となるが、上記ズ−ムレンズはこの問題点を解決している。
【0027】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面に沿って説明する。
図1はズ−ムレンズのレンズ構成を示す図で、第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、第4レンズ14が前群レンズ10aを構成し、第5レンズ15、第6レンズ16、第7レンズ17が後群レンズ10bを構成している。
【0028】
図示するように、第1レンズ11は物体側(図中左側)を凸面としたメニスカス状のレンズ、第2レンズ12は両面が凹面の負の屈折力を有するレンズ、第3レンズ13は物体側を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有するレンズ、第4レンズ14は像側(図中右側)を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有するレンズとなっている。
なお、第2レンズ12と第3レンズ13は一体的に貼り合せて組み込んである。
【0029】
また、第5レンズ15は像側を強い曲率の凸面としたメニスカス状の正の屈折力を有するレンズ、第6レンズ16は物体側を強い曲率の凹面とした負の屈折力を有するレンズ、第7レンズ17は物体側を強い曲率の凹面としたメニスカス状の負の屈折力を有するレンズとなっている。
【0030】
このようにレンズ構成したズ−ムレンズは、前群レンズ10aが正の屈折パワ−となり、後群レンズ10bが負の屈折パワ−となる。
また、このズ−ムレンズは、前群レンズ10aと後群レンズ10bとの相対間隔を狭め、前後群レンズ10a、10bを繰り出し全体の焦点距離を長焦点側に変化させてズ−ミングする。
【0031】
次に、各レンズの曲率半径、間隔等を具体的に定めて実施した三つの例について示す。
なお、以下の各実施例において、非球面の形状は次式で与えられるものとする。
【0032】
【数1】
但し、 z: 面の深さ
c: 曲率半径
k: 円錐定数
A〜D: 高次の非球面係数
【0033】
実施例1
この実施例は、各レンズの曲率半径、間隔等について下記表1のように定めてある。
【0034】
【表1】
【0035】
また、この実施例では、第1レンズ11を合成樹脂材で形成し、その物体側(第1面)を非球面として実施した一例である。
図2(A)、(B)は本実施例において得られた球面収差、非点収差、歪曲を示す。
【0036】
実施例2
この実施例では、各レンズの曲率半径、間隔等について下記表2のように定めてある。
【0037】
【表2】
【0038】
また、この実施例では、第1レンズ11を合成樹脂材で形成すると共に、第1レンズ11の物体側の面(第1面)と第4レンズ14の物体側の面(第6面)を非球面として実施した一例である。
図3(A)、(B)は本実施例において得られた球面収差、非点収差、歪曲を示す。
【0039】
実施例3
この実施例では、各レンズの曲率半径、間隔等について下記表3のように定めてある。
【0040】
【表3】
【0041】
また、この実施例では、第1レンズ11と第4レンズ14とを合成樹脂材で形成すると共に、第1レンズ11の物体側の面(第1面)と第4レンズ14の物体側の面(第6面)とを非球面として実施した一例である。
図4(A)、(B)は本実施例により得られた球面収差、非点収差、歪曲を示す。
【0042】
【発明の効果】
上記した通り、本発明では第1レンズを非球面レンズとしたことから、レンズの収差補正が簡単となると共に、この第1レンズが型成形し易いものとなるので、ズ−ムレンズの性能を向上させる上に極めて有利となる他、第1レンズまたは第1、第4レンズについて合成樹脂材で形成することができるので、高性能の小形ズ−ムレンズが安価に提供できる。
【0043】
また、本発明のズ−ムレンズは、第1、第3レンズまたは第1、第4レンズを非球面レンズで構成することにより、広角動作時の性能を向上させることができ、さらに、第1レンズを光軸に対して垂直方向に調整して各レンズの偏心、軸ズレ等の誤差を吸収できるため、ズ−ムレンズの組立て後に性能を見ながらその誤差を簡単に修正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ズ−ムレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】実施例1における球面収差、非点収差、歪曲を示す図で、(A)図はワイドの動作時、(B)図はテレの動作時を示す図である。
【図3】実施例2における球面収差、非点収差、歪曲を示す図で、(A)図はワイドの動作時、(B)図はテレの動作時を示す図である。
【図4】実施例3における球面収差、非点収差、歪曲を示す図で、(A)図はワイドの動作時、(B)図はテレの動作時を示す図である。
【符号の説明】
10a 前群レンズ
10b 後群レンズ
11 第1レンズ
12 第2レンズ
13 第3レンズ
14 第4レンズ
15 第5レンズ
16 第6レンズ
17 第7レンズ
Claims (2)
- カメラ用のズ−ムレンズにおいて、物体側を凸面とした負の屈折力を有し、かつ、焦点距離が240.5mm〜2036.6mmのメニスカス状の第1レンズ、両凹面の負の屈折力を有する第2レンズ、物体側を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有する第3レンズ、像側を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有する第4レンズを物体側から順に配設して全体として正の屈折パワ−を持つ構成とした前群レンズと、像側を強い曲率の凸面としたメニスカス状の正の屈折力を有する第5レンズ、物体側を強い曲率の凹面とした負の屈折力を有する第6レンズ、物体側を強い曲率の凹面としたメニスカス状の負の屈折力を有する第7レンズを物体側から順に配設して全体として負の屈折パワ−を持つ構成とした後群レンズとを備え、さらに、上記第1レンズを、物体側の面を周囲に行くにしたがって曲率を弱くし、または、像側の面を周囲に行くにしたがって曲率を強くした非球面のレンズで構成したことを特徴とするズ−ムレンズ。
- 第3レンズの像側の凸面、または、第4レンズの物体側の凸面を非球面としたことを特徴とする請求項(1)記載のズ−ムレンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20944492A JP3640025B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ズ−ムレンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20944492A JP3640025B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ズ−ムレンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0634884A JPH0634884A (ja) | 1994-02-10 |
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Family
ID=16572967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20944492A Expired - Fee Related JP3640025B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ズ−ムレンズ |
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JP (1) | JP3640025B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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1992
- 1992-07-15 JP JP20944492A patent/JP3640025B2/ja not_active Expired - Fee Related
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