JP3639939B2 - ボーリング用工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作物(ワーク)に中ぐり切削するボーリングヘッドなどのボーリング用工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボーリングヘッドとして、図13に示すように、カートリッジ主体1の頭部1aに切刃チップ2を設け、頭部1aから先端側に延びるねじ棒状の脚部1bに、ダイヤルリング3をねじ嵌合させ、このリング3の目盛板3bの末端側に突出する筒状体3aの外周にロックフランジ4および環状のウェーブスプリング5を嵌合させ、筒状体3aの先端部外周に形成したねじ部3cにプリロード用ナット6をねじ嵌合させて締め付けることで、このナット6と目盛板3bとの間に設けたウェーブスプリング5を圧縮させて、このスプリング5およびロックフランジ4を保持したダイヤルユニット7を備えたものがある。
【0003】
また、ボーリングヘッドの丸棒状の工具本体8の先端部にチップポケット8aを形成すると共に、このポケット8aの底面に開口し、前記本体8aの軸方向と直交して工具本体8を貫通する取付孔8bを形成し、取付孔8bにカートリッジ主体1の脚部1bを嵌挿し、前記ロックフランジ4を、前記取付孔8bの先端大径部に係合支持させ、図示省略した複数のねじによって工具本体8に締め付けることで、ダイヤルユニット7を工具本体8のチップポケット8a部に配置してある。
なお、カートリッジ主体1の脚部1bの外周には回り止めキー9を固定し、このキー9を工具本体8に形成した取付孔8bの後部に形成したキー溝8cに軸方向への摺動可能に係合させてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のボーリングヘッドは、ロックフランジ4から頭部1a側にダイヤルリング3の目盛板3bが位置して工具本体8に設けたチップポケット8a内にあり、カートリッジ主体1の頭部1aに切刃チップ2が設けてあるので、このチップ2とチップポケット8aの底面およびロックフランジ4までの距離が長く、かつカートリッジ主体1の頭部1aを工具本体8に支持してないことで、高硬度鋼の高速切削時にはカートリッジ主体1の頭部1aが切削抵抗によって捩じられるなど、頭部1aの剛性が充分に得られないという問題点があった。
【0005】
また、この種のボーリングヘッドはアーバの先端に固定され、このアーバを工作機械の主軸に取り付けた状態でワークの中ぐり加工を行うのが一般であり、そして、従来のボーリングヘッドを構成する工具本体8は鉄、鋼等の比重の大きい金属で構成されるのが一般である。このため、ワークの精密仕上加工時などにアーバが高速回転されると、その遠心力の影響を受け易く、ボーリングヘッドが微振動を引き起こす要因となるほか、ビビリ発生の要因となる。しかも、ボーリングヘッドの工具本体8は鉄、鋼等の比重の大きい金属で構成されるため、ボーリングヘッドが重量化する問題がある。
この発明は、前述した問題点を解決して、カートリッジ主体の切刃チップを設けた頭部の剛性を高くすることで、高硬度鋼の高速切削時にも頭部が切削抵抗によって捩じられないように、前記頭部の剛性を大きくし、切刃チップによる切削加工が良好にでき、併せてボーリングヘッドの軽量化及び高速回転しても遠心力の影響を受けにくいボーリングヘッド、ボーリングバーのようなボーリング用工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るボーリング用工具は、工具本体18の前端部にチップポケット18aと切欠部18bとを対向させて形成し、工具本体18の軸方向と直交する取付孔18cによって前記ポケット18aと切欠部18bとを接続し、カートリッジ主体11の頭部11aを前記ポケットに収容し、頭部11aに固定した切刃チップ12の突出端部を工具本体18外に突出させ、前記取付孔18cに前記頭部11aから突出した脚部11bを挿通し、この脚部11bの先端部にダイヤルリング13の筒状体13aをねじ嵌合させ、筒状体13aの中間部外周側に目盛板13bを突出させ、筒状体13aの基部にロックフランジ14およびウェーブスプリング15を嵌め、筒状体13aの基端部にねじ嵌合させたプリロード用ナット16によってウェーブスプリング15を弾性変形させ、ロックフランジ14を目盛板13bの基部側面に押し付けたダイヤルユニット17を前記脚部11bの先端部に配置し、ダイヤルリング13の目盛板13bおよび筒状体13aの先端部を前記切欠部18bに収容し、前記ロックフランジ14を切欠部18bの底側に着脱可能に固定すると共に、前記カートリッジ主体11に設けた前記脚部11bの丸棒の基部に工具本体18の軸方向と平行に切り欠いた平坦面を形成し、工具本体18の外周に開口して工具本体18の軸方向と直交し、かつ取付孔18cの中心18oより若干前側に位置し、前記平坦面に対向して開口するねじ孔18fを工具本体18に形成し、前記ねじ孔18fにクランプねじ21をねじ嵌合させ、クランプねじ21の先端部を前記平坦面に押し付け、頭部11aを前記ポケット18aの一側部に形成した受け面18gに押し付けて、カートリッジ主体11を工具本体18に固定したものである。
【0007】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において、カートリッジ主体11の脚部11bの先端からダイヤルリング13の筒状体13aの先端部を突出させ、この先端部13aに塞ぎ板22を固定したものである。
【0008】
請求項の発明は、請求項1または2に記載のボーリング用工具において、カートリッジ主体11の頭部11aの後部と工具本体18のチップポケット18aの後面とを離間させ、工具本体18に軸方向孔18h1と、この軸方向孔の先端部に接続し軸方向孔より小径の半径方向孔18h2と、この半径方向孔と接続し工具本体18の外周側に傾斜してチップポケット18aの後面に開口する前記半径方向孔18h2より小径の前部孔18h3とからなる切削液の供給流路18hを形成し、前記カートリッジ主体11の頭部11aに設けた切刃チップ12に切削液を供給するようにしたものである。
【0009】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において、工具本体18のチップポケット18aの後側部にボール受け座23を埋め込み固定し、この受け座23に孔あきボール24を転動可能に保持させ、前記ボール24に後端が前部孔と連通しかつこの前部孔と等径で前端に向かって小径となるテーパ孔24aを形成したものである。
【0010】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において、前記工具本体18は、工作機械の主軸の装着されるアーバ181と、前記アーバ181の先端に結合手段40により結合され、前記カートリッジ主体11が装着されるヘッド本体182とからなり、前記結合手段40は、前記アーバ181とヘッド本体182との互いの接合端面間には軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタ41を有し、前記アダプタ41はこの両面に軸線を一致させて突設した第1及び第2の結合軸部412,413を備え、前記アーバの接合端面181aの軸心部に前記第1の結合軸部412が嵌合する結合穴42を形成し、前記ヘッド本体11の接合端面182aの軸心部に前記第2の結合軸部413が嵌合する結合穴43を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔44にクランプねじ45を螺合して第1の結合軸部412をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合し、前記ヘッド本体にその外周から結合穴内に向け結合穴43の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔45にクランプねじ47を螺合して第2の結合軸部413をクランプすることによりクランプ本体とアダプタ間を結合したものである。
【0011】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において、前記アーバ及びヘッド本体のクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの第1及び第2の結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴をそれぞれ形成し、前記各クランプ用テーパ穴の軸線から対応するアーバ、ヘッド本体またはフランジの接合端面までの間隔を前記各ねじ孔の軸線から対応するアーバまたはヘッド本体の接合端面までの間隔より小さく設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において 前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタは前記アーバとヘッド本体との接合端面間に介在させるフランジと、前記フランジのアーバとの接合端面に軸線を一致させて突設した結合軸部と、前記フランジのヘッド本体との接合端面に軸線を一致させて突設したインロー部と、該インロー部の軸心部に突設したねじ部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記インロー部が嵌合する係合部と前記ねじ部が螺合してヘッド本体とアダプタ間を結合するねじ穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合したことを特徴とする。
【0013】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において前記アーバのクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴を形成し、前記クランプ用テーパ穴の軸線からフランジの接合端面までの間隔を前記ねじ孔の軸線からアーバの接合端面までの間隔より僅かに大きく設定したことを特徴とする。
【0014】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタは前記アーバとヘッド本体との接合端面間に介在させるフランジと、前記フランジのアーバとの接合端面に軸線を一致させて突設した筒状の結合軸部と、前記フランジのヘッド本体との接合端面に軸線を一致させて突設したインロー部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記インロー部が嵌合する係合部と前記筒状の結合軸部側からフランジ及びインロー部を貫通して挿入されるクランプねじを螺合することによりヘッド本体とアダプタ間を結合するねじ穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合したことを特徴とする。
【0015】
請求項10の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において、前記アーバのクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴を形成し、前記クランプ用テーパ穴の軸線からフランジの接合端面までの間隔を前記ねじ孔の軸線からアーバの接合端面までの間隔より僅かに大きく設定したことを特徴とする。
【0016】
請求項11の発明は、請求項5,7、9のいずれかに記載のボーリング用工具において、カートリッジ主体11の頭部11aと反対の側に位置する前記ヘッド本体182の外周面に、比重の高い金属からなるバランス調整用ウエイト71を設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態につき図を参照して説明する。
図1〜図4に示すように、第1実施形態に係るボーリングヘッドは、カートリッジ主体11を備えている。カートリッジ主体11は、頭部11aの前端部一側に六角形状の切刃チップ12を皿ビス12aによって着脱可能に固定し、頭部11aから段11cを介して先端側に延びかつ頭部11aより横断面積が小さい丸棒状の脚部11bを形成し、脚部11bの先端部外周のおねじ部11dにダイヤルリング13の筒状体13aのめねじ部13cをねじ嵌合させるようにしてある。なお、脚部11bの中間部外周には回り止めキー19を固定してある。
【0018】
前記ダイヤルリング13は、筒状体13aの軸方向中間部の外周側に目盛板13bを突出させ、筒状体13a外周の目盛板13bの基端側に環状のロックフランジ14および環状のウェーブスプリング15を嵌合させ、筒状体13a外周の末端部に形成した精密ねじ部13dにプリロード用ナット16をねじ嵌合させて締め付けることで、このナット16と目盛板13bとの間に、ウェーブスプリング15を圧縮させてプリロードをかけ、前記スプリング15およびロックフランジ14を保持したダイヤルユニット17を構成するようにしてある。
【0019】
また、ボーリングヘッドの丸棒状の工具本体18の前端部には、チップポケット18aと切欠部18bと対向させて構成し、これらの底面を工具本体18の軸方向と平行にし、工具本体18の軸方向と直交する取付孔18cを形成し、取付孔18cの一端および他端をチップポケット18aの底面および切欠部18bの底面にそれぞれ開口させ、取付孔18cによって前記ポケット18aと切欠部18bを接続してある。
そして、工具本体18に形成した取付孔18cに、チップポケット18a側から、カートリッジ主体11の脚部11bを嵌挿し、カートリッジ主体11の頭部11aの脚部側端面をチップポケット18aの底面に近接させ、取付孔18cの軸方向に沿って工具本体18の後端部に形成したキー溝18dに、脚部11bの軸方向中間部の外周に固定した回り止めキー19を軸方向への摺動可能に係合させる。
【0020】
次に、前述したようにロックフランジ14およびウェーブスプリング15が予め組み付けてあるダイヤルリング13の筒状体13aに形成しためねじ部13cをカートリッジ主体11の脚部11bに形成したおねじ部11dにねじ嵌合させることで、カートリッジ主体11の頭部11aとロックフランジ14の外周部とによって、ボーリングヘッドの工具本体18に形成したチップポケット18aの底面と工具本体18に形成した取付孔18cの先端大径部の段18c1 との間を挾持し、かつ図3に示すように、ロックフランジ14の外周部と工具本体18に形成した切欠部18eとを、複数のねじ20によって着脱可能に固定してある。
【0021】
また、工具本体18の前端部には、取付孔18cのキー溝18dの位置と直角で工具本体18を横断し、かつ取付孔18cの中心18oより若干先端側に配置してねじ孔18fを形成し、ねじ孔18fにクランプねじ21をねじ嵌合させ、クランプねじ21の先端をカートリッジ主体11の脚部11bの頭部11aに近い平坦面に直交するように本体18の取付孔18cの周面に押し付けることで、カートリッジ主体11の頭部11aをチップポケット18aのクランプねじ21と対向する側面に形成した受け面18gに押し付けて支持させてある。
【0022】
前述した状態では、工具本体18のチップポケット18aにカートリッジ主体11の頭部11aの大部分を収容し、前記本体18aの切欠部18bにカートリッジ主体11の脚部11bの先端部およびダイヤルリング13の先端部を収容してある。
そして、ダイヤルリング13の筒状体13aの先端部は、カートリッジ主体11の脚部11bの先端から突出し、突出部には詰め栓状の塞ぎ板22を適宜の手段で嵌合固定してある。
【0023】
図1に示すように、工具本体18には、切削液の供給流路18hを形成してある。供給流路18hは、工具本体18の後端からチップポケット18a、切欠部18bの後端近くまで軸方向孔18h1 を形成し、軸方向孔18h1 の前端部にこれより小径の半径方向孔18h2 の中心側端を接続し、半径方向孔18h2 の適所にこれより小径の前部孔18h3 の後端を接続し、前部孔18h3を工具本体18の外周側に若干傾斜させて、チップポケット18aの後端面に開口させてあり、半径方向孔18h2 の外端部には液漏れ防止用の詰め栓18iをねじ嵌合させて締め付けてある。なお、チップポケット18aの後端面はカートリッジ主体11の頭部11aの後部と離間させてある。
【0024】
以上のように構成した第1実施形態に係るボーリングヘッドの使用について説明する。ボーリングヘッドの工具本体18の後端部を、従来公知の手段によって直接、または延長スペーサを介してシャンク部材に連結し、このシャンク部材を工作機械のスピンドルに装着し、このスピンドルの回転によって工具本体18を回転させつつ前進させることで、工具本体18の前端および外周から突出している切刃チップ12の突出端部によって工作物に中ぐり切削加工を行う。
そして、カートリッジ主体11の脚部11bの先端部にダイヤルリング13、ロックフランジ14、ウェーブスプリング15およびプリロード用ナット16からなるダイヤルユニット17を配置したことで、これらをカートリッジ主体の脚部のチップポケット側の端部に配置する従来のものに比べて、カートリッジ主体11の頭部11aに固定した切刃チップ12がボーリングヘッドの工具本体18に形成したチップポケット18aの底面に近接している。
また、クランプねじ21の先端によって、カートリッジ主体11の脚部11bの頭部11aに近い位置で押し付けて、脚部11bを取付孔18cの周面に支持させ、頭部11aの側面をチップポケット18bの前記クランプねじ21と対向する受け面18gに押し付けている。
【0025】
従って、カートリッジ主体11の頭部11aに設けた切刃チップ12とクランプねじ21との距離が短く、かつ前述した加工中の切削抵抗を前記本体18の受け面18gで受けることによっても剛性を向上させることができ、普通鋼の工作物はもちろん高硬度鋼の工作物でも高速切削を良好に行える。
また、クランプねじ21を、ボーリングヘッドの工具本体18に形成した取付孔18cの中心18oより若干先端側に工具本体18の軸方向と直交させて配置したねじ孔18fにねじ嵌合させ、クランプねじ21の先端部を、前記取付孔18cに嵌合したカートリッジ主体11の脚部11bの平坦面に押し付けたことで、図4の矢印方向に脚部11bを回動させるように、取付孔18cの周面に脚部11bを押し付けて、前記受け面18gにカートリッジ主体11を前記工具本体18に対し受けやすくしている。
【0026】
さらに、前述した工作物に対する中ぐり切削時に工具本体18に形成した供給流路18hの工具本体18の軸方向に沿う軸方向孔18h1 に切削液を圧送し、これを軸方向孔18h1 より小径の半径方向孔18h2 を介してさらに小径の前部孔18h3 に供給し、前部孔18h3 の開口からカートリッジ主体11の頭部11aに固定した切刃チップ12の突出端部に向けて切削液を供給し、この際に、軸方向孔18h1 から半径方向孔18h2 を経て前部孔18h3 の開口に向かって順次孔の径が小径になっているので、前部孔18h3 から高圧になった切削液を、その開口から噴出させて、前記切刃チップ12の突出端部に供給することができて好ましい。
【0027】
前述の切削液の供給を切刃チップ12の突出端部に適確に行うために、図5に示す変形例では、ボーリングヘッド工具本体18のチップポケット18a後側部にボール受け座23を埋め込み固定し、この受け座23に孔あきボール24を転動可能に保持させてあり、孔あきボール24には、後端の径が前部孔18h3 と等径で前端に向かって小径となるテーパ孔24aを直径方向に貫通させてある。
【0028】
そして、ダイヤルユニット17およびカートリッジ主体11を外した状態で、L字状のレンチ25を、チップポケット18aの前端側からテーパ孔24aに挿入して孔あきボール24の位置を調整し、テーパ孔24aを刃先チップ12の突出端部に向けた後、レンチ25を外して工具本体18にカートリッジ主体11を装着し、これにダイヤルユニット17を組み付けて、中ぐり切削加工時に、切削液を供給流路18hの軸方向孔18h1 、半径方向孔18h2 、前部孔18h3 を経て、孔あきボール24のテーパ孔24a後端に圧送し、テーパ孔24aの前端から噴出させて、切刃チップの突出端部に供給することで、正確に位置決めして高圧の切削液を切刃チップの突出端部に供給できる。
【0029】
第1実施形態のボーリングバーは、回転前の適時に、筒状体13aの先端部を工具で把持して回動させ、ウェーブスプリング15を厚さ方向に弾性変形させ、切刃チップ12の突出端部の位置を微調整するが、筒状体13aの先端部には塞ぎ板22を嵌合固定してあるので、筒状体13aのめねじ部13cに、切り粉、ほこりなどの異物が付着せず、ダイヤルリング13の回動操作が妨げられない。また、ダイヤリング13の締め過ぎ前に、カートリッジ主体11の脚部11bの先端面が塞ぎ板22に当接して、ダイヤルリング13が回動不能になることで、その締め過ぎを防止できる。
【0030】
第1実施形態に係るボーリングヘッドは、中ぐり切削を繰り返し行い、切刃チップ12に形成した1つの突出端部が摩耗した場合などには、未使用の突出端部を用いて前記切削を行うことが、皿ビス12aの脱着によってでき、3つの突出端部が全部摩耗した時には、新しい切刃チップに交換し、さらに、前記切削などによって、カートリッジ主体11、ダイヤルユニット17の一部が損傷したり、摩耗したり場合には、適宜交換するものである。
【0031】
図6,図7に示すように、第2実施形態に係るボーリングヘットは、工具本体18に形成したチップポケット18aの後面18kにカートリッジ主体11の頭部11aの後部を、キー溝18d部を除いて当接させたこと、工具本体18の前端部に形成した取付孔18cと直交させてねじ孔18fを、これらの孔18c,18fの中心をずらすことなく交差させて形成したこと、工具本体18には切削液の供給路を形成してないこと、およびカートリッジ主体11の脚部11bの先端部をダイヤルリング13の先端から突出させ、その筒状体13aに塞ぎ板を設けてないこと以外、第1実施形態に係るボーリングヘッドとほぼ同構成である。従って、図6,図7中に、図1〜図4と符号をつけて構成の説明を省略する。
【0032】
第2実施形態に係るボーリングヘッドは、カートリッジ主体11の脚部11bの先端部に、ダイヤルリング13、ロックフランジ14、ウェーブスプリング15およびプリロード用ナット16からなるダイヤルユニッド17を配置したことで、カートリッジ主体11の頭部11aに固定した切刃チップ12が工具本体18に形成したチップポケット18aの底面に近接している。
また、クランプねじ21の先端部によって、カートリッジ主体11の脚部11bの頭部11aに近い位置を押し付けていることで、頭部11aの側面をチップポケット18aの前記ねじ21と対向する受け面18gに押し付けていると共に、チップポケット18aの後面18kに頭部11aの後部を当接させてある。
【0033】
従って、カートリッジ主体11の頭部11aの剛性を向上させ、かつ工作物の中ぐり加工中の切削抵抗を工具本体18の受け面18gおよびチップポケット18bの後面18kで受けることによっても、剛性を向上させることができ、高硬度の工作物などの高速切削を良好に行える。
【0034】
この発明において、前記第1,第2実施形態では、カートリッジ主体の頭部にスローアウェイ式の切刃チップを着脱可能に固定したが、前記頭部に切刃チップをろう付け固定し、切刃チップの摩耗時にはこれをカートリッジ主体と共に交換するようにしてもよく、また切刃チップは六角形状のものに限られるものではなく、三角形状のものなどに変更してもよい。
この発明において、前記第1,第2実施形態のボーリング用工具は、ボーリングヘッドを用いたが、シャンク部を一体に形成したボーリングバーを用いてもよい。
【0035】
次に、図8(A),(B)により本発明のボーリング用工具にかかる第3の実施の形態について説明する。この図8(A),(B)において、図1に示す第1の実施の形態と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分を重点に述べる。
この第3の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、工具本体18を工作機械の主軸の装着されるアーバ181と、このアーバ181の先端に結合された、カートリッジ主体11等が装着されるヘッド本体182とから構成し、このヘッド本体182をアルミ合金やジュラルミン等の軽合金材から成形したこと、及びヘッド本体182の一端とアーバ181の先端間を結合手段30により互いに軸線を一致して分離可能に結合したところにある。
【0036】
前記結合手段30は、ヘッド本体182の接合端面182aと結合されるアーバ181の接合端面181aに軸線を一致して形成された結合穴31と、ヘッド本体182の接合端面182aに軸線を一致して形成され、結合穴31に嵌合される結合軸部32を有する。アーバ181には、その外周から結合穴31内に達する複数のねじ孔33が結合穴31の軸線に対し直角に貫通して形成され、この各ねじ孔33には結合軸部32を外周から締め付けるクランプねじ34が螺合されている。また、このクランプねじ34は、その螺入先端に先細のテーパ部34aを有し、更に、結合軸部32の外周面には、クランプねじ34のテーパ部34aが係合するクランプ用テーパ穴32aが形成されている。
また、結合軸部32のクランプ用テーパ穴32aの軸線から接合端面182aまでの間隔d1はねじ孔33の軸線からアーバ181の接合端面181aまでの間隔d2より僅かに小さく設定されている。
【0037】
上記のように構成された第3の実施の形態において、アーバ181の先端面にヘッド本体182を結合する場合は、ヘッド本体182の結合軸部32をアーバ181の結合穴31に嵌合した後、各ねじ孔33にクランプねじ34を螺合して結合軸部32を締め付ける。この時、クランプ用テーパ穴32aの軸線から接合端面182aまでの間隔d1はねじ孔33の軸線から接合端面181aまでの間隔d2より小さく設定されているから、クランプねじ34の螺入により、そのテーパ部34aが結合軸部32のクランプ用テーパ穴32aに押し込まれると、両テーパの作用によって結合軸部32が結合穴31の奥部方向に引き込まれ、アーバ181の接合端面181aとヘッド本体182の接合端面182aとを互いに密着した状態に結合する。
【0038】
従って、この第3の実施の形態によれば、カートリッジ主体11等が装着されるヘッド本体182をアルミ合金等の軽合金材から成形したので、ボーリングバーのボーリングヘッド部分を軽量化することができる。これにより、ワークの精密仕上加工時などにボーリングヘッド部分を含むアーバが高速回転されても、ボーリングヘッド部分の遠心力が従来のスチール製のものに比し小さいため、アーバがボーリングヘッド部分の遠心力の影響を受けにくくなり、その結果、アーバが微振動を引き起こしたり、ビビリが発生するのを防止できる。
【0039】
また、アーバ181の先端にヘッド本体182を結合手段30により互いに軸線を一致して分離可能に結合することにより、ボーリングヘッドの交換が容易になり、かつ、アーバ181を種類の異なるボーリングヘッドに兼用できるとともに、クランプ用テーパ穴32aの軸線から接合端面182aまでの間隔d1をねじ孔33の軸線から接合端面181aまでの間隔d2より小さく設定することにより、アーバ181の接合端面181aとヘッド本体182の接合端面182aとを互いに密着でき、アーバ181とヘッド本体182との結合を確実に、かつ強固にできる。
【0040】
次に、図9(A),(B)により本発明のボーリング用工具にかかる第4の実施の形態について説明する。この図9(A),(B)において、図8に示す第3の実施の形態と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、第3の実施の形態と異なる部分を重点に述べる。
この第4の実施の形態において、第3の実施の形態と異なる点は、軽合金材からなるヘッド本体182の一端とアーバ181の先端間を、スチール製アダプタを含む結合手段40により互いに軸線を一致して分離可能に結合したところにある。
【0041】
前記結合手段40は、アーバ181の接合端面181aとヘッド本体182の接合端面182a間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタ41を有する。このアダプタ41は、アーバ181の接合端面181aとヘッド本体182の接合端面182a間に密着状態に介在される円盤状のフランジ411と、このフランジ411の両面に軸線を一致させて突設した第1及び第2の結合軸部412、413を備える。
【0042】
また、アーバ181の接合端面181aの軸心部には第1の結合軸部412が嵌合する結合穴42が形成され、ヘッド本体182の接合端面182aの軸心部には第2の結合軸部413が嵌合する結合穴43が形成されている。更に、アーバ181には、その外周から結合穴42内に達する複数のねじ孔44が結合穴42の軸線に対し直角に貫通して形成され、この各ねじ孔44には第1の結合軸部412を外周から締め付けるクランプねじ45が螺合されている。また、ヘッド本体182には、その外周から結合穴43内に達する複数のねじ孔46が結合穴43の軸線に対し直角に貫通して形成され、この各ねじ孔46には第2の結合軸部413を外周から締め付けるクランプねじ47が螺合されている。
【0043】
アーバ181のクランプねじ45は、その螺入先端に先細のテーパ部45aを有し、第1の結合軸部412の外周面には、クランプねじ45のテーパ部45aが係合するクランプ用テーパ穴412aが形成されている。また、ヘッド本体182のクランプねじ47は、その螺入先端に先細のテーパ部47aを有し、第2の結合軸部413の外周面には、クランプねじ47のテーパ部47aが係合するクランプ用テーパ穴413aが形成されている。
【0044】
また、第1の結合軸部412のクランプ用テーパ穴412aの軸線からフランジ411
の接合端面411aまでの間隔d3はアーバ181のねじ孔44の軸線から接合端面181aまでの間隔d4より僅かに小さく設定され、更に、第2の結合軸部413のクランプ用テーパ穴413aの軸線からフランジ411の接合端面411bまでの間隔d5はヘッド本体182のねじ孔46の軸線から接合端面182aまでの間隔d6より僅かに小さく設定されている。
【0045】
上記のように構成された第4の実施の形態において、アーバ181の先端面にヘッド本体182を結合する場合は、まず、ヘッド本体182の結合穴43にアダプタ41の第2の結合軸部413を嵌合した後、各ねじ孔46にクランプねじ47を螺合して第2の結合軸部413を締め付ける。この時、クランプ用テーパ穴413aの軸線からフランジ411の接合端面411bまでの間隔d5はヘッド本体182のねじ孔46の軸線から接合端面182aまでの間隔d6より僅かに小さく設定されているため、クランプねじ47の螺入により、そのテーパ部47aが第2の結合軸部413のクランプ用テーパ穴413aに押し込まれると、両テーパの作用によって第2の結合軸部413が結合穴43の奥部方向に引き込まれ、フランジ411の接合端面411bとヘッド本体182の接合端面182aとを互いに密着した状態に結合する。
【0046】
次に、アーバ181の結合穴42にアダプタ41の第1の結合軸部412を嵌合した後、各ねじ孔44にクランプねじ45を螺合して第1の結合軸部412を締め付ける。この時、クランプ用テーパ穴412aの軸線からフランジ411の接合端面411aまでの間隔d3はアーバ181のねじ孔44の軸線から接合端面181aまでの間隔d4より僅かに小さく設定されているため、クランプねじ45の螺入により、そのテーパ部45aが第1の結合軸部412のクランプ用テーパ穴412aに押し込まれると、両テーパの作用によって第1の結合軸部412が結合穴42の奥部方向に引き込まれ、フランジ411の接合端面411aとアーバ181の接合端面181aとを互いに密着した状態に結合する。
【0047】
上記のように構成された第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様にボーリングバーのボーリングヘッド部分を軽量化でき、高速回転しても遠心力の影響の受けにくい工具を提供できるとともに、ヘッド本体182の一端とアーバ181の先端間をスチール製アダプタ41を含む結合手段40により結合するため、ヘッド本体182の固有振動数が高くなり、ボーリングヘッド部分のビビリ安定限界を向上できる。
【0048】
また、別構造のアダプタ41を用いることにより、アダプタ41を含む結合部分の加工が容易になるほか、スチール製のアダプタ41を介してアーバ181とヘッド本体182間を分離可能に,結合できることにより、ボーリングヘッド部分を頻繁に交換しても、ボーリングヘッド部分を直接アーバに結合する方式に比較して結合部分の摩耗及び変形が少なく、ボーリングヘッド部分とアーバ間の結合制度及び強度を維持できる。
【0049】
次に、図10(A),(B)により本発明のボーリング用工具にかかる第5の実施の形態について説明する。この図10(A),(B)において、図9に示す第4の実施の形態と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、第4の実施の形態と異なる部分を重点に述べる。
この第5の実施の形態において、第4の実施の形態と異なる点は、軽合金材からなるヘッド本体182の一端とアーバ181の先端間を結合するスチール製アダプタをヘッド本体182に対して半固定的に結合できるようにした結合手段50を備えるところにある。
【0050】
前記結合手段50は、アーバ181とヘッド本体182との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタ51を有する。このアダプタ51は、アーバ181の接合端181aとヘッド本体182の接合端面182a間に介在させるフランジ511と、このフランジ511のアーバ181との接合端面181aに軸線を一致させて突設した結合軸部512と、フランジ511のヘッド本体182との接合端面182aに軸線を一致させて突設したインロー部513と、このインロー部513の軸心部に突設したねじ部514を備える。
【0051】
アーバ181の接合端面181aの軸心部には、結合軸部512が嵌合する結合穴52が形成されている。更にヘッド本体182の接合端面182aの軸心部には、インロー部513が嵌合する係合部53とねじ部514が螺合してヘッド本体182とアダプタ51間を結合するねじ穴54がそれぞれ形成されている。また、アーバ181には、その外周から結合穴52に達する複数のねじ孔55が結合穴52の軸線に対し直角に形成され、この各ねじ孔55には、結合軸部512をクランプするクランプねじ56が螺合されている。
また、アーバ181のクランプねじ56の螺入先端には先細のテーパ部56aが形成されており、アダプタ51の結合軸部512の外周面には、テーパ部56aが係合するクランプ用テーパ穴512aが形成されている。そして、クランプ用テーパ穴512aの軸線からアーバ181の接合端面181aまでの間隔d3はねじ孔55の軸線からフランジ511の接合端面511aまでの間隔d4より僅かに小さく設定されている。
【0052】
上記のように構成された第5の実施の形態において、アーバ181の先端面にヘッド本体182を結合する場合は、まず、ヘッド本体182のねじ穴54にアダプタ51のねじ部514を螺合し締め込むことにより、アダプタ51のインロー部513をヘッド本体182の係合部53に嵌合してヘッド本体182とアダプタ51の同心性を確保し、かつアダプタ51のフランジ511をヘッド本体182の接合端面182aに密着させて、アダプタ51とヘッド本体182とを半固定状態に結合する。
【0053】
次に、アーバ181の結合穴52にアダプタ51の結合軸部512を嵌合した後、各ねじ孔55にクランプねじ56を螺合して結合軸部512を締め付ける。この時、クランプ用テーパ穴512aの軸線からフランジ511の接合端面511aまでの間隔d3はアーバ181のねじ孔55の軸線から接合端面181aまでの間隔d4より僅かに小さく設定されているため、クランプねじ56の螺入により、そのテーパ部56aが結合軸部512のクランプ用テーパ穴512aに押し込まれると、両テーパの作用によって結合軸部512が結合穴52の奥部方向に引き込まれ、フランジ511の接合端面511aとアーバ181の接合端面181aとを互いに密着した状態に結合する。
【0054】
上記のように構成された第5の実施の形態によれば、第4の実施の形態と同様な効果が得られるほか、アダプタ51にインロー部513とねじ部514を設けることにより、アダプタ51とヘッド本体182をねじ込み方式で簡単に結合することができる。
【0055】
次に、図11(A),(B)により本発明のボーリング用工具にかかる第6の実施の形態について説明する。この図11(A),(B)において、図10に示す第5の実施の形態と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、第5の実施の形態と異なる部分を重点に述べる。
この第6の実施の形態において、第5の実施の形態と異なる点は、軽合金材からなるヘッド本体182の一端とアーバ181の先端間を結合するスチール製アダプタをヘッド本体182に対してアダプタの内側からボルトにより半固定的に結合できるようにした結合手段60を備えるところにある。
【0056】
前記結合手段60は、アーバ181とヘッド本体182との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタ61を有する。このアダプタ61は、アーバ181の接合端181aとヘッド本体182の接合端面182a間に介在させるフランジ611と、このフランジ611のアーバ181との接合端面181aに軸線を一致させて突設した筒状の結合軸部612と、フランジ611のヘッド本体182との接合端面182aに軸線を一致させて突設したインロー部613を備える。
【0057】
アーバ181の接合端面181aの軸心部には、筒状結合軸部612が嵌合する結合穴62が形成されており、ヘッド本体182の接合端面182aの軸心部には、インロー部613が嵌合する係合部63とねじ孔64が同軸に形成されている。また、筒状結合軸部612の内側からフランジ611及びインロー部613の軸心を貫通して挿入されるクランプボルト65がねじ孔64に螺合される構成になっている。
また、アーバ181には、その外周から結合穴62内に達する複数のねじ孔66が結合穴62の軸線に対し直角に貫通して形成され、この各ねじ孔66には、結合軸部612をクランプするクランプねじ67が螺合されている。また、アーバ181のクランプねじ67の螺入先端には先細のテーパ部67aが形成されており、アダプタ61の結合軸部612の外周面には、テーパ部67aが係合するクランプ用テーパ穴612aが形成されている。そして、クランプ用テーパ穴612aの軸線からアーバ181の接合端面181aまでの間隔d3はねじ孔66の軸線からフランジ611の接合端面611aまでの間隔d4より僅かに小さく設定されている。
【0058】
上記のように構成された第6の実施の形態において、アーバ181の先端面にヘッド本体182を結合する場合は、まず、ヘッド本体182の係合部63にアダプタ61のインロー部613を嵌合した後、筒状結合軸部612の内側から挿入されるクランプボルト65をフランジ611及びインロー部613を貫通してねじ孔64に螺合し締め付ける。これにより、ヘッド本体182とアダプタ51の同心性はインロー部613で確保されるとともに、アダプタ61のフランジ611をヘッド本体182の接合端面182aに密着させて、アダプタ61とヘッド本体182とを半固定状態に結合する。
【0059】
次に、アーバ181の結合穴62にアダプタ61の結合軸部612を嵌合した後、各ねじ孔66にクランプねじ67を螺合して結合軸部612を締め付ける。この時、クランプ用テーパ穴612aの軸線からフランジ611の接合端面611aまでの間隔d3はアーバ181のねじ孔66の軸線から接合端面181aまでの間隔d4より僅かに小さく設定されているため、クランプねじ67の螺入により、そのテーパ部67aが結合軸部612のクランプ用テーパ穴612aに押し込まれると、両テーパの作用によって結合軸部612が結合穴62の奥部方向に引き込まれ、フランジ611の接合端面611aとアーバ181の接合端面181aとを互いに密着した状態に結合する。
【0060】
上記のように構成された第6の実施の形態によれば、上記第4及び第5の実施の形態と同様な効果が得られるほか、アダプタ61とヘッド本体182を筒状結合軸部612の内側からフランジ611及びインロー部613の軸心を貫通するクランプボルト65により結合することより、結合手段60の部分の回転バランスに配慮する必要がなくなる。
【0061】
次に、図12(A),(B)により本発明のボーリング用工具にかかる第7の実施の形態について説明する。この図12(A),(B)において、図8に示す第3の実施の形態と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、第3の実施の形態と異なる部分を重点に述べる。
この第7の実施の形態において、第3の実施の形態と異なる点は、工具本体18を構成するアーバ181の先端に結合される軽合金製ヘッド本体182にバランス調整用ウエイトを設けたところにある。
【0062】
図12(A),(B)に示すように、このために、カートリッジ主体11の頭部11aと反対の側に位置するヘッド本体182の外周面に、ヘッド本体182の接合端面182aに片寄らせて、所定径の円形穴70を形成し、この円形穴70内にヘッド本体182より比重の高い金属、例えばヘッド本体182アルミ合金からなる場合、鉛等からなる円盤状のバランス調整用ウエイト71を挿入し、このバランス調整用ウエイト71を固定ねじ72によりヘッド本体182固定する。上記バランス調整用ウエイト71の重量は、カートリッジ主体11の頭部11aの重量及び該部11aの径方向への突出量に応じて設定されるものであり、そして、ヘッド本体182の回転バランスの微調整はバランス調整用ウエイト71を部分的に削り取ることにより行われる。尚、前記円形穴70は頭部11aの反対側の対向位置より若干ずらして形成することが好ましい。
【0063】
このような第7の実施の形態によれば、軽合金からなるヘッド本体182にカートリッジ主体11、頭部11a、切刃チップ12、ダイヤルユニット17等を含むボーリングユニットが装着されていても、ヘッド本体182の回転バランスをバランス調整用ウエイト71により確実に調整することができる。これに伴い、ボーリングヘッドを含むアーバの高速回転が可能になり、遠心力の影響やビビリのないワークの高速精密仕上加工を容易に実現できる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1の発明に係るボーリング用工具は、工具本体の軸方向と直角に形成し、かつカートリッジ主体11の脚部の丸棒状の基部に対して偏心して形成したねじ孔にねじ嵌合させたクランプねじの先端によって、脚部の頭部近くを押し付け、頭部を前記ポケットの一側部に形成した受け面に押し付けて、カートリッジ主体を工具本体に固定した強力なカートリッジ保持機構を備えることにより、工具本体を回転させて、カートリッジ主体の頭部に固定した切刃チップの突出端部によって工作物に対し中ぐり切削を行う際に、クランプねじによる脚部の固定位置から切刃チップおよびこれによって切削を行う位置までの距離が短く、しかも頭部をチップポケットの一側部に形成した受け面に押し付けているので、頭部の剛性が高く、高硬度鋼を高速切削しても、切削抵抗によって頭部が捩じられるのを 防止できビビリの殆んどない快適な切削が可能となる。
また、カートリッジ主体に設けた脚部の丸棒状の基部に工具本体の軸方向と平行に切り欠いた平坦面を形成し、工具本体の外周に開口して工具本体の軸方向と直交し、かつ取付孔の中心より若干前側に位置し前記平坦面に対向して開口するねじ孔を工具本体に形成し、前記ねじ孔にねじ嵌合させたクランプねじの先端によって前記平坦面を押し付けたので、図4の矢印に例示するように脚部の外周面をその後側に回わる方向に取付孔の周面に押し付けて、工具本体に脚部を受けやすくすることができる。
【0065】
請求項の発明は、請求項1に記載のボーリング用工具において、カートリッジ主体の脚部の先端からダイヤルリングの筒状体の先端部を突出させ、この先端部に塞ぎ板を固定したので、切り粉やほこりなどの異物が、前記筒状体に侵入して、そのめねじ部に付着するのを防止でき、ダイヤルリングの回動操作が妨げられることがない。また、ダイヤルリングの締め過ぎを、カートリッジ主体の脚部の先端が塞ぎ板に当接することで、防止できる。
【0066】
請求項の発明は、請求項1または2に記載のボーリング用工具において、カートリッジ主体の頭部の後部と、工具本体のチップポケットの後面とを離間させ、工具本体に形成した切削液の供給流路を、軸方向孔の前端部に半径方向孔を接続し、半径方向孔に接続する前部孔を外周側に傾斜させて前記ポケットの後面に開口させた構成とし、軸方向孔より半径方向孔を小径とし、半径方向孔より前部孔を小径としたので、切削液を軸方向孔から半径方向孔を経て前部孔の開口に至るまでの間に高圧にし、この開口から高圧になった切削液を噴出させて、カートリッジ主体の頭部に設けた切刃チップ部に供給することができ、中ぐり切削時に切刃チップおよび工作物の切削される部分の切削液による冷却が充分にできる。
【0067】
請求項の発明は、請求項に記載のボーリング用工具において、工具本体のチップポケットより後側部にボール受け座を埋め込み固定し、この受け座に、孔あきボールを転動可能に保持させ、前記ボールに後端が前記孔と連通しかつこれと等径で前端に向かって小径となるテーパ孔を形成したので、前記ボールを転させてテーパ孔を切刃チップに正確に向けて、切削液を前部孔からテーパ孔を経て切刃チップに適確に供給させることができて好ましい。
【0068】
請求項の発明は、請求項記載のボーリング用工具において、前記工具本体18は、工作機械の主軸の装着されるアーバ181と、前記アーバ181の先端に結合手段40により結合され、前記カートリッジ主体11が装着されるヘッド本体182とからなり、前記結合手段は40は、前記アーバ181とヘッド本体182との互いの接合端面間には軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタ41を有し、前記アダプタ41はこの両面に軸線を一致させて突設した第1及び第2の結合軸部412,413を備え、前記アーバの接合端面181aの軸心部に前記第1の結合軸部412が嵌合する結合穴42を形成し、前記ヘッド本体11の接合端面182aの軸心部に前記第2の結合軸部413が嵌合する結合穴43を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔44にクランプねじ45を螺合して第1の結合軸部412をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合し、前記ヘッド本体にその外周から結合穴内に向け結合穴43の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔45にクランプねじ47を螺合して第2の結合軸部413をクランプすることによりクランプ本体とアダプタ間を結合したので、ボーリングバーのボーリングヘッド部分を軽量化でき、高速回転しても遠心力の影響の受けにくい工具を提供できるとともに、ヘッド本体とアーバの先端間をスチール製アダプタを含む結合手段で結合することにより、ヘッド本体の固有振動数が高くなり、ボーリングヘッド部分のビビリ安定限界を向上できる。
また、別構造のアダプタを用いることにより、アダプタを含む結合部分の加工が容易になるほか、スチール製のアダプタを用いることにより、ボーリングヘッド部分を頻繁に交換しても、ボーリングヘッド部分を直接アーバに結合する方式に比較して結合部分の摩耗及び変形が少なく、ボーリングヘッド部分とアーバ間の結合制度及び強度を維持できる。
【0069】
請求項の発明は、請求項記載のボーリング用工具において、前記アーバ及びヘッド本体のクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの第1及び第2の結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴をそれぞれ形成し、前記各クランプ用テーパ穴の軸線からアーバ、ヘッド本体またはフランジの接合端面までの間隔を前記各ねじ孔の軸線から対応するアーバまたはヘッド本体の軸線から接合端面までの間隔より小さく設定したので、アーバの接合端面及びヘッド本体の接合端面とアダプタとを互いに密着でき、アーバとヘッド本体との結合を確実に、かつ強固にできる。
【0070】
請求項の発明は、請求項記載のボーリング用工具において、前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタは前記アーバとヘッド本体との接合端面間に介在させるフランジと、前記フランジのアーバとの接合端面に軸線を一致させて突設した結合軸部と、前記フランジのヘッド本体との接合端面に軸線を一致させて突設したインロー部と、該インロー部の軸心部に突設したねじ部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記インロー部が嵌合する係合部と前記ねじ部が螺合してヘッド本体とアダプタ間を結合するねじ穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合したので、上記請求項8の有する効果に加えて、アダプタにインロー部とねじ部を設けることにより、アダプタとヘッド本体をねじ込み方式で簡単に結合することができる。
【0071】
請求項の発明は、請求項記載のボーリング用工具において、前記アーバのクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴を形成し、前記クランプ用テーパ穴の軸線からフランジの接合端面までの間隔を前記ねじ孔の軸線からアーバの接合端面までの間隔より小さく設定したので、アーバの接合端面及びヘッド本体の接合端面とアダプタとを互いに密着でき、アーバとヘッド本体との結合を確実に、かつ強固にできる。
【0072】
請求項の発明は、請求項記載のボーリング用工具において、前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタは前記アーバとヘッド本体との接合端面間に介在させるフランジと、前記フランジのアーバとの接合端面に軸線を一致させて突設した筒状の結合軸部と、前記フランジのヘッド本体との接合端面に軸線を一致させて突設したインロー部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記インロー部が嵌合する係合部と前記筒状の結合軸部側からフランジ及びインロー部を貫通して挿入されるクランプねじを螺合することによりヘッド本体とアダプタ間を結合するねじ穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合したので、上記請求項8及び13の有する効果に加えて、アダプタとヘッド本体を筒状結合軸部の内側からフランジ及びインロー部の軸心を貫通するクランプボルトにより結合することより、結合手段の部分の回転バランスに配慮する必要がなくなる。
【0073】
請求項10の発明は、請求項記載のボーリング用工具において、前記アーバのクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴を形成し、前記クランプ用テーパ穴の軸線からフランジの接合端面までの間隔を前記ねじ孔の軸線からアーバの接合端面までの間隔より小さく設定したので、アーバの接合端面及びヘッド本体の接合端面とアダプタとを互いに密着でき、アーバとヘッド本体との結合を確実に、かつ強固にできる。
【0074】
請求項11の発明は、請求項5、7、9のいずれか1つに記載のボーリング用工具において、カートリッジ主体の頭部と反対の側に位置する前記ヘッド本体の外周面に、比重の高い金属からなるバランス調整用ウエイトを設けたので、軽合金からなるヘッド本体にカートリッジ主体等を含むボーリングユニットが装着されていても、ヘッド本体の回転バランスをバランス調整用ウエイトにより確実に調整することができる。これに伴い、ボーリングヘッドを含むアーバの高速回転が可能になり、遠心力の影響やビビリのないワークの高速精密仕上加工を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態に係るボーリング用工具のボーリングヘッド先端部を示した縦断側面図
【図2】 図1のA−A線横断面図。
【図3】 図1に示したボーリングヘッド先端部の底面図。
【図4】 図1に示したボーリングヘッド先端部の縦断平面説明図。
【図5】 この発明の第2実施形態に係るボーリング用工具のボーリングヘッド先端部を示した切削液供給路の変形例の部分説明図。
【図6】 この発明の第2実施形態に係るボーリング用工具のボーリングヘッド先端部を示した縦断側面図。
【図7】 図6のB−B線横断面図。
【図8】 (A)は本発明の第3の実施の形態におけるボーリング用工具の一部を切り欠いて示す側面図、(B)はクランプ用テーパ穴とねじ穴との関係を示す説明図。
【図9】 (A)は本発明の第4の実施の形態におけるボーリング用工具の一部を切り欠いて示す側面図、(B)はクランプ用テーパ穴とねじ穴との関係を示す説明図。
【図10】 (A)は本発明の第5の実施の形態におけるボーリング用工具の一部を切り欠いて示す側面図、(B)はクランプ用テーパ穴とねじ穴との関係を示す説明図。
【図11】 (A)は本発明の第6の実施の形態におけるボーリング用工具の一部を切り欠いて示す側面図、(B)はクランプ用テーパ穴とねじ穴との関係を示す説明図。
【図12】 (A)は本発明の第7の実施の形態におけるボーリング用工具のボーリングヘッド部分の一部を切り欠いて示す側面図、(B)はBーB線の断面図。
【図13】 従来のボーリングヘッド先端部を示した縦断側面図。
【符号の説明】
11 カートリッジ主体
11a 頭部
11b 脚部
12 切刃チップ
13 ダイヤルリング
14 ロックフランジ
15 ウェーブスプリング
16 プリロード用ナット
17 ダイヤルユニット
18 工具本体
18a チップポケット
18b 切欠部
18c 取付孔
18d キー溝
18g 受け面
18h 供給流路
18k 後面
19 回り止めキー
20 ねじ
21 クランプねじ
22 塞ぎ板
23 ボール受け座
24 孔あきボール
24a テーパ孔
25 レンチ
30 結合手段
31 結合穴
32 結合軸部
32a クランプ用テーパ穴
33 ねじ孔
34 クランプねじ
34a テーパ部
40 結合手段
41 アダプタ
411 フランジ
412,413 結合軸部
412a,413a クランプ用テーパ穴
42,43 結合穴
44,46 ねじ孔
45,47 クランプねじ
45a,47a クランプ用テーパ穴
50 結合手段
51 アダプタ
511 フランジ
512 結合軸部
512a クランプ用テーパ穴
513 インロー部
514 ねじ部
52 係合穴
53 係合部
54 ねじ穴
55 ねじ孔
56 クランプねじ
56a テーパ部
60 結合手段
61 アダプタ
611 フランジ
612 結合軸部
612a クランプ用テーパ穴
613 インロー部
62 係合穴
63 係合部
64 ねじ孔
65 クランクボルト
66 ねじ孔
67 クランプねじ
67a テーパ部
70 円形穴
71 バランス調整用ウエイト
181 アーバ
182 ヘッド本体
181a 接合端面
182a 接合端面

Claims (11)

  1. 工具本体の前端部にチップポケットと切欠部とを対向させて形成し、工具本体の軸方向と直交する取付孔によって前記ポケットと切欠部とを接続し、カートリッジ主体の頭部を前記ポケットに収容し、頭部に固定した切刃チップの突出端部を工具本体外に突出させ、前記取付孔に前記頭部から突出した脚部を挿通し、この脚部の先端部にダイヤルリングの筒状体をねじ嵌合させ、筒状体の中間部外周側に目盛板を突出させ、筒状体の基部にロックフランジおよびウェーブスプリングを嵌め、筒状体の基端部にねじ嵌合させたプリロード用ナットによってウェーブスプリングを弾性変形させ、ロックフランジを目盛板の基部側面に押し付けたダイヤルユニットを前記脚部の先端部に配置し、ダイヤルリングの目盛板および筒状体の先端部を前記切欠部に収容し、前記ロックフランジを切欠部の底側に着脱可能に固定すると共に、前記カートリッジ主体に設けた前記脚部の丸棒の基部に工具本体の軸方向と平行に切り欠いた平坦面を形成し、工具本体の外周に開口して工具本体の軸方向と直交し、かつ取付孔の中心より若干前側に位置し、前記平坦面に対向して開口するねじ孔を工具本体に形成し、前記ねじ孔にクランプねじをねじ嵌合させ、クランプねじの先端部を前記平坦面に押し付け、頭部を前記ポケットの一側部に形成した受け面に押し付けて、カートリッジ主体を工具本体に固定したことを特徴とするボーリング用工具。
  2. カートリッジ主体の脚部の先端からダイヤルリングの筒状体の先端部を突出させ、この先端部に塞ぎ板を固定したことを特徴とする請求項1に記載のボーリング用工具。
  3. カートリッジ主体の頭部の後部と工具本体のチップポケットの後面とを離間させ、工具本体に軸方向孔と、この軸方向孔の先端部に接続し軸方向孔より小径の半径方向孔と、この半径方向孔と接続し工具本体の外周側に傾斜してチップポケットの後面に開口する前記半径方向孔より小径の前部孔とからなる切削液の供給流路を形成し、前記カートリッジ主体の頭部に設けた切刃チップに切削液を供給するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボーリング用工具。
  4. 工具本体のチップポケットの後側部にボール受け座を埋め込み固定し、この受け座に孔あきボールを転動可能に保持させ、前記ボールに後端が前部孔と連通しかつこの前部孔と等径で前端に向かって小径となるテーパ孔を形成したことを特徴とする請求項3に記載のボーリング用工具。
  5. 前記工具本体は、工作機械の主軸の装着されるアーバと、前記アーバの先端に結合手段により結合され、前記カートリッジ主体が装着されるヘッド本体182とからなり、前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間には軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタはこの両面に軸線を一致させて突設した第1及び第2の結合軸部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記第1の結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記第2の結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して第1の結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合し、前記ヘッド本体にその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して第2の結合軸部をクランプすることによりクランプ本体とアダプタ間を結合したことを特徴とする請求項1記載のボーリング用工具。
  6. 前記アーバ及びヘッド本体のクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの第1及び第2の結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴をそれぞれ形成し、前記各クランプ用テーパ穴の軸線から対応するアーバ、ヘッド本体またはフランジの接合端面までの間隔を前記各ねじ孔の軸線から対応するアーバまたはヘッド本体の接合端面までの間隔より小さく設定したことを特徴とする請求項5記載のボーリング用工具。
  7. 前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタは前記アーバとヘッド本体との接合端面間に介在させるフランジと、前記フランジのアーバとの接合端面に軸線を一致させて突設した結合軸部と、前記フランジのヘッド本体との接合端面に軸線を一致させて突設したインロー部と、該インロー部の軸心部に突設したねじ部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記インロー部が嵌合する係合部と前記ねじ部が螺合してヘッド本体とアダプタ間を結合するねじ穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合したことを特徴とする請求項5記載のボーリング用工具。
  8. 前記アーバのクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴を形成し、前記クランプ用テーパ穴の軸線からフランジの接合端面までの間隔を前記ねじ孔の軸線からアーバの接合端面までの間隔より僅かに大きく設定したことを特徴とする請求項7記載のボーリング用工具。
  9. 前記結合手段は、前記アーバとヘッド本体との互いの接合端面間を軸線を一致させて結合するスチール製のアダプタを有し、前記アダプタは前記アーバとヘッド本体との接合端面間に介在させるフランジと、前記フランジのアーバとの接合端面に軸線を一致させて突設した筒状の結合軸部と、前記フランジのヘッド本体との接合端面に軸線を一致させて突設したインロー部を備え、前記アーバの接合端面の軸心部に前記結合軸部が嵌合する結合穴を形成し、前記ヘッド本体の接合端面の軸心部に前記インロー部が嵌合する係合部と前記筒状の結合軸部側からフランジ及びインロー部を貫通して挿入されるクランプねじを螺合することによりヘッド本体とアダプタ間を結合するねじ穴を形成し、前記アーバにその外周から結合穴内に向け結合穴の軸線に対し直角に貫通して形成した少なくとも1つのねじ孔にクランプねじを螺合して結合軸部をクランプすることによりアーバとアダプタ間を結合したことを特徴とする請求項5記載のボーリング用工具。
  10. 前記アーバのクランプねじの螺入先端に先細のテーパ部をそれぞれ形成し、前記アダプタの結合軸部の外周面に前記テーパ部が係合するクランプ用テーパ穴を形成し、前記クランプ用テーパ穴の軸線からフランジの接合端面までの間隔を前記ねじ孔の軸線からアーバの接合端面までの間隔より僅かに大きく設定したことを特徴とする請求項6記載のボーリング用工具。
  11. カートリッジ主体の頭部と反対の側に位置する前記ヘッド本体の外周面に、比重の高い金属からなるバランス調整用ウエイトを設けたことを特徴とする請求項5,7、9のいずれかに記載のボーリング用工具。
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