JP3639828B2 - Lcd検査プローブの位置合わせ方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶表示デバイス(LCD基板と称する)の接続パターン等にプローブを接触させて、試験、検査等を行うのに利用される装置に係わり、特に、接続精度を向上させたLCD検査プローブの位置合せ方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCD基板の点灯状態を試験、検査する場合、LCD基板をパレット上に平面的に載置し、このパレットを平面的にX軸方向、Y軸方向、回転(θ)方向に位置調整し、所定位置に設置されているプローブを近付けて、LCD基板の接続パターンに電気的接触を行い、試験、検査を行っている。
【0003】
ここで、パレットを調整する装置は、X軸方向用のステージ、Y軸方向用のステージ、θ方向用のステージを積み重ねることにより構成されている。そして、パレット及びその上面のLCD基板を位置調整する場合、ビデオカメラにより監視しており、LCD基板の位置パターンを写し出して調整作業を行っている。
【0004】
ビデオカメラでLCD基板の位置調整を行う場合、その基準となる基準データは、メモリに記憶されており画像比較結果得られた誤差データにより調整を行っている。この調整が終わると、プローブ治具が下降されて、LCD基板の接続パターンに電気的に接続される。よって、上記の調整作業のときに比較対象とされる基準データは、プローブ治具の位置をメモリのデータ上で表していることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のシステムは、パレット上のLCD基板をビデオカメラで監視して、そのパターンをメモリの基準データと比較して、X、Y、θ方向の調整を行い、この調整の完了の後、プローブ治具を下降させて接続パターンにプローブを接続している。しかし、この方式は、メモリの基準データが正確にプローブ治具の位置に対応していること、及びビデオカメラの撮影情報が正確であることが前提となる。
【0006】
このために、ビデオカメラの取り付け位置とプローブ治具の位置との相互関係は極めて高精度でなければならず、組み立て精度に厳格なものが要求される。また温度ドリフト等によりビデオカメラの撮影条件に狂いが生じることがあり、そのときは再度初期設定処理を行うか、基準データの調整を行う必要が生じる。
【0007】
そこでこの発明は、プローブ治具とLCD基板の位置合わせを、高精度で得ることができ、しかも温度ドリフトや外乱に影響を受けにくくしたLCD検査プローブの位置合せ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、パレットに位置決め保持されたLCD基板に対して、プローブ治具を近づけて、LCD基板の端子群とプローブ治具のプローブ群とを電気的に接続して前記LCD基板の検査を行なうために、前記パレットを通じて前記LCD基板とプローブ治具との位置合わせを行なう方法として、前記パレットの内部に埋設され、反射部材を介して、 前記プローブ治具に設けられたマークとLCD基板のマークとの重なり状態をビデオカメラで撮像し、前記撮影した両マーク間のずれ情報に基づいて両マークが所定の位置関係となるように、前記LCD基板を保持している前記パレットを搭載した調整テーブルの位置制御を行うことを特徴とする。
【0009】
上記の手段により、両マークが照準とされて読み取られるために、カメラの取り付け精度は関係なく、また、温度ドリフト等による電気的変化があっても、精度よくプローブをLCD基板の端子に位置合わせを行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。図1はこの発明の前提となる例を示す図である。100はLCD基板であり、このLCD基板は、パレット200上に精度良く位置決めされて保持されている。パレット200は、さらに調整テーブル装置300上に精度良く位置決めされて載置されている。このパレット200は例えば透明な材質により構成されている。調整テーブル装置300は、平面的に直交するX軸、Y軸方向のテーブルと、回転方向(θ方向)のテーブルを有する(図3参照)。この調整テーブル装置300は、パターン比較及び制御装置503により制御される。
【0011】
プローブ治具400は、図示矢印A方向に下降して、そのプローブをLCD基板100の端子に電気的に接続することができる。プローブ治具400の機械的駆動装置及び調整テーブル装置300の機械的駆動装置については図示していないが周知の機構がある。
【0012】
プローブ治具400のプローブがLCD基板100の端子に電気的に接続する場合、その位置合わせが行われる。この位置合わせを行うための、監視位置情報は、次のように得られる。即ち、ビデオカメラ501、502がプローブ治具400のマークと、LCD基板100のマークとを撮像して、そのマーク画像の位置誤差を監視することにより得られる。ビデオカメラ501、502からの撮像信号は、パターン比較及び制御装置503に入力される。パターン比較及び制御装置503は、プローブ治具400のマークとこれに対応するLCD基板100のマークとが所定の関係になるように、調整テーブル装置300を制御する。
【0013】
プローブ治具400のマークとこれに対応するLCD基板100のマークとは、例えばモニタ504に表示される。例えばマークM11がビデオカメラ501により撮像されたプローブ治具400のマークであり、マークM21が同じくビデオカメラ501により撮像されたLCD基板100のマークである。この例ではマークM1は格子状であり、マークM21は四角形である。マークM21が格子に合致した状態となったときに位置合わせが完了する。
【0014】
位置合わせが行われ、プローブ治具400のプローブとLCD基板100の所定の端子とが接続されると、プローブを通して各種の電気的試験が行われる。例えば、所定の画像を表示させてその様子を別の監視カメラで撮像して画像処理により確認を行う等の試験である。このときは、バックライト600がオンし、液晶表示機能が発揮されるように設定される。
【0015】
このシステムは、LCD基板100に設けられているマークと、プローブ治具400に設けられているマークとをビデオカメラで撮像し、照準媒体として利用しながら位置合わせをおこなっている点に特徴がある。
【0016】
図2は、LCD基板100を取り出して原理的に示している。LCD基板100は、2枚の透明ガラス101、102間に液晶103を封じ込めたものであり、液晶セルを制御するために、ガラス102には透明電極から導出した多数の端子群が導出されている。端子群は、横2000本、縦500本程も存在する。ここでガラス102の4つの角部には、マークM21、M22、M23、M24が塗布されている。図2(C)は、LCD基板100がパレット200に載置された状態を示している。
【0017】
図3(B)は、プローブ治具400とLCD基板100とビデオカメラ501、502の配置例を示している。ビデオカメラ501、502は、それぞれLCD基板100に設けられているマークとプローブ治具400に設けられているマークとを重ねて撮像しなければならない。したがって、プローブ治具400の角部には、例えば透明板(例えばガラス)401、402、403、404が設けられ、この透明板401、402、403、404に格子のマークが塗布されている。これにより、ビデオカメラ501、502は、プローブ治具400に設けられているマークとLCD基板100に設けられているマークとを重ねて撮像することができる。図3(A)はビデオカメラ501が、透明板401に設けられている格子のマークとLCD基板100に設けられているマークM21とを重ねて撮像した状態を示している。この状態は理想的な位置合わせ状態を示しているが、位置ずれが生じている場合には、格子の四角形に対して四角形のマークM21が傾いている。
【0018】
図4もこの発明の前提となる例である。上記した例では、ビデオカメラ501、502がプローブ治具400の上部に設置されていた。しかし、図4(A)の例では、プリズム701、702により光軸の向きを変えて、サイドからビデオカメラを配置できるようにした例である。この例では、マークを読み取るための照明は、自己照明でありビデオカメラ501、502側から照明光を照射している。
【0019】
しかしこの照明方法に限らず図4(B)に示すように、本来備えらえているバックライト600の光を照明として利用してもよい。この場合、当然、調整テーブル300は、バックライト600の光がマークの光路を通るようにフレーム枠となっている。
【0020】
図5(A)は、さらに他の例を示している。上記した実施例では、ビデオカメラ501、502は、プローブ治具400の上側に配置されている。しかし、調整テーブルの下側に配置されてもよい。このような配置の場合、プローブ治具400を移動させたり、パレット200を移動させたりして作業を行う側にカメラがないので空間的な余裕があり作業が容易となる。図5(A)の例の場合、プリズム701、ビデオカメラ501、702、ビデオカメラ502を調整テーブル300の下側に配置している。また、プローブ治具400の上側には、マークに対応する位置に、プリズム803、804を配置し、それぞれのプリズム803、804を介して光源801、802により照明を行うようにしている。光源801、802、プリズム803、804を省略して、カメラ側から自己照明をおこなってもよい。
【0021】
図5(B)は、この発明に係る実施例である。この実施例は、パレット200とビデオカメラ501、502を一体化して、周辺の簡素化を図ったものである。パレット200は、厚みが大きくなるが、ビデオカメラ支持するための機構が不要となる。パレット200において、LCD基板100のマークに対応する各位置には、厚み方向と側部方向に連続する断面L字状の穴が開設されている。穴221、222の角部にはプリズム701、702が配置されマーク位置を通る光をビデオカメラに導くようにしている。この実施例においても照明方法は、バックライトを利用してもよく、自己照明であってもよい。
【0022】
図6(A)は、さらにまた他の実施例である。図5(B)の実施例と若干異なる。この実施例は、先のプリズム701、702に変えてハーフミラー711、712が利用されている。さらにパレット200の穴221、222は、ハーフミラー711、712を介してバックライト600からの光も通過できるように構成されている。これによりバックライト600の照明を利用してマークの位置合わせ作業を行うことができる。
【0023】
上記した実施例においては、ビデオカメラ501、502は、対向する位置に配置されいるかのように示した。これは構成をわかり安くするためであり、実際にはビデオカメラ501、502は、図6(B)に示すすように、併設して配列されている。
【0024】
上記した説明では、LCD基板100の大きさ(面積)については触れていない。したがって、図6(B)に示すビデオカメラ501、502間の距離L1(LCD基板のマーク間の距離に対応)については説明していない。しかしこのシステムは、LCD基板の大きさに応じて、各種の距離L2、L3でビデオカメラを配置可能なパレットが用意されている。即ち、図7に示すように、パレット200A、200Bは、それぞれ異なる大きさのLCD基板100A、100Bを保持することができる。そしてそれぞれのLCD基板100A、100Bのマーク間隔は異なるので、それぞれに応じた間隔でビデオカメラ551、552、及び561、562を取り付けることができるようになっている。なお、試験装置において、このような大きさの異なるパレットに交換された場合は、当然、LCD基板の端子に対応する大きさのプローブ治具に交換される。
【0025】
図8(A)はマークの比較例を説明するために、原理的に示した例である。上記した実施例においては、ビデオカメラ501、502がパターンの画像情報を取り込み、この画像情報により位置合わせ制御を行うものとした。しかし、図8に示すように、粗調整と、精密な微調整とを区別して位置合わせを行ってもよい。即ち、901、902は粗調整用のビデオカメラである。粗調整が行われるときは、ビデオカメラ901、902により取り込まれた画像情報により調整テーブルの制御が行われる。この調整は、簡単な調整であり、例えば格子の中に四角のマークがほぼ位置すればよいものとされている。この調整が終わると、続いてビデオカメラ501、502により取り込まれた画像情報により調整テーブルの制御が行われる。この調整は高精度で位置合わせが行われる。
【0026】
このような調整を行うために、例えば、図8(B)に示すように、格子マークに対して粗調整側では四角マークが十分小さく、微調整側では四角マークが大きく形成されている。
【0027】
照準を合わせるためのマークの種類は、上記した例に限らず、図9に示すような各種のマークを利用することができる。斜線を付したマークが例えばLCD基板100に設けられているマーク、白抜きのマークがプローブ治具400のマークである。
【0028】
さらにまた、上記した実施例では、透明材やガラス材にマークを塗布しておくものとして説明したが、開設穴による穴の形状を選定してマークとしてもよい。また切抜きによる形状でマークとしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によると、プローブ治具とLCD基板の位置合わせを高精度で得ることができ、しかも温度ドリフトや外乱に影響を受けにくいシステムを構築でいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の前提となる例を示す図。
【図2】LCD基板の説明図。
【図3】マークとLCD基板とプローブ治具の関係を示す説明図。
【図4】この発明の他の実施例を示す図。
【図5】同じくこの発明の前提となる例を示す図。
【図6】同じくこの発明の前提と、この発明に係る実施例を示す図。
【図7】同じくこの発明の他の実施例を示す図。
【図8】同じくこの発明のマークの比較例を示す図。
【図9】マークの例を示す図。
【符号の説明】
100…LCD基板、200…パレット、300…調整テーブル、400…プローブ治具、501、502…ビデオカメラ、503…パターン比較及び制御装置、504…モニタ、600…バックライト。
Claims (2)
- パレットに位置決め保持されたLCD基板に対して、プローブ治具を近づけて、LCD基板の端子群とプローブ治具のプローブ群とを電気的に接続して前記LCD基板の検査を行なうために、前記パレットを通じて前記LCD基板とプローブ治具との位置合わせを行なう方法として、
前記パレットの内部に埋設され、反射部材を介して、 前記プローブ治具に設けられたマークとLCD基板のマークとの重なり状態をビデオカメラで撮像し、
前記撮影した両マーク間のずれ情報に基づいて両マークが所定の位置関係となるように、前記LCD基板を保持している前記パレットを搭載した調整テーブルの位置制御を行うことを特徴とするLCD検査プローブの位置合わせ方法。 - 平面的な直交するX軸、Y軸方向及び回転方向への位置調整が可能な調整テーブル装置と、
前記調整テーブル装置の上面に載置されたパレットと、
前記パレットに保持されるLCD基板と、
前記LCD基板の角部の少なくとも2箇所の光透過部に付された第1のマークと、
前記パレットの上側で、前記LCD基板の端子に対応したプローブを有し、このプローブを前記LCD基板に近接して接触することができる上下可動自在なプローブ装置と、
前記プローブ装置の一部の光透過部に設けられ、前記LCD基板の第1のマークに対応した位置であって、前記第1のマークと組み合わせることができる第2のマークと、
前記パレットに埋設されており、反射部材を介して前記第1と第2のマークを光学的に重ねて撮影するビデオカメラと、
前記撮影手段により撮像された前記第1と第2のマークの画像情報から所定の位置関係のずれを検出して、前記ずれ量に応じて前記調整テーブル装置を制御し、前記ずれ量をなくすための制御手段と
を具備したことを特徴とするLCD検査プローブの位置合わせ装置。
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