JP3639690B2 - コンニャク改良剤及びコンニャクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンニャク粉を水に溶解して糊化し成形加熱してコンニャクを作る際にコンニャク粉と共に水に添加するコンニャク改良剤及びこれを用いたコンニャクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンニャクは、コンニャク芋から精製されたコンニャク粉(コンニャクマンナン)の水溶液をアルカリ処理し加熱して得られる不可逆性のゲルである。コンニャクのゲル化の機構は、アルカリによる脱アセチル化で分子間の水素結合が部分的に結晶化し、この結晶化した点を結節点として網状構造体を形成するものと考えられている。一般的なコンニャクの製造工程は、コンニャク粉を水に溶解して糊化し、石灰混合等によるアルカリ処理を行った後、成形して加熱するというものである。
【0003】
上述した一般的な製造工程で作られるコンニャクは、成形加熱時に離水が生じてゲルが縮むという問題がある。このゲルの離水を防止するために、コンニャク粉と同時に、ゲル化力や保水力を持つ水溶性の多糖類粉末を添加することが考えられている。この様な多糖類としては、寒天、ジェランガム、カードラン、カラギナン、ファーセレラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、カシアガム、加工澱粉等が検討されている。これらはいずれも、粉末商品として流通している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際に上述した多糖類粉末を添加剤として用いてコンニャクを作るには、次のような問題がある。通常コンニャク粉を糊化(膨潤)するには、1時間前後の長時間を要するが、上述の多糖類粉末は溶解速度がコンニャク粉に比べて遥かに速く、短時間に膨潤して、これがコンニャク粉の膨潤を阻害する。コンニャク粉の膨潤を阻害しないようにするためには、多糖類粉末の添加量をごく少量に抑えなければならず、少量では成形加熱時の離水を効果的に防止することができない。この様な理由で実際のコンニャク製造工程には多糖類が使用されていないのが現状である。
【0005】
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、コンニャク粉の膨潤を阻害することなく、成形加熱時の離水を防止できるようにしたコンニャク改良剤とこれを用いたコンニャクの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、コンニャク粉からコンニャクを作る際にコンニャク粉と共に水に添加するコンニャク改良剤であって、コンニャク粉の吸水速度とほぼ等しい吸水速度を持つように粒状化してなるゲル化力を持つ水溶性の多糖類からなり、コンニャク粉の糊化を阻害することなく、コンニャクの成形加熱時の離水を抑制する作用を有することを特徴としている。
この発明によるコンニャクの製造方法は、コンニャク粉と共にコンニャク粉の吸水速度とほぼ等しい吸水速度を持つように粒状化してなるゲル化力を持つ水溶性の多糖類を水に溶解して膨潤させ、アルカリを添加した後、加熱してゲル化させることを特徴としている。
【0007】
この発明において用いられる多糖類は、寒天、ジェランガム、カードラン、カラギナン、ファーセレラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、カシアガム、加工澱粉のなかから選択された一種以上の多糖類であり、好ましくは、平均粒径が150μm 〜3mmの範囲に造粒されているものとする。
また多糖類の造粒は、押し出し造粒、転動造粒、圧縮造粒、流動層造粒、破砕造粒、コーティング造粒のなかから選ばれた方法により行われる。
【0008】
この発明の製造方法において好ましくは、水に対してコンニャク粉を1.0〜4.0%、粒状化した多糖類を0.01〜3.0%の範囲で添加する。より望ましくは、コンニャク粉を2.0〜3.0%、粒状化した多糖類を0.1〜1.0%の範囲で添加する。これにより、コンニャクの離水を防止し、食感も違和感のないものを作ることが可能となる。また、多糖類の種類の組み合わせにより、従来にないソフトな食感のコンニャクからより固いものまで、幅広い食感のコンニャクを作ることも可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を説明する。
図1は、いくつかの増粘剤について、押し出し造粒したときの膨潤速度(粘度発現速度)を、元の増粘剤と共に、粘度と水和時間の関係で示したものである。図2は、コンニャクマンナンについての粘度と水和時間の関係である。これらの図から明らかに、増粘剤は造粒によってコンニャク粉と同等の膨潤速度が得られることが分かる。
【0010】
また、下記表1に示すような組み合わせ材料を用いたコンニャクサンプルA〜Fを作った。グアーガム粒、ローカストビーンガム粒、タラガム粒、カラギナン粒はいずれも、押し出し造粒機により、平均粒径150μm 〜3mmの範囲に造粒して、コンニャク粉とほぼ同等の溶解速度を持たせたものである。コンニャク製造工程は、精製されたコンニャク粉のみ或いはコンニャク粉と共に粒状化した多糖類を、表1に示す濃度で水に溶解して膨潤させた後、石灰を混合してアルカリ処理を行い、成形した後加熱してゲル化させた。
【0011】
【表1】
【0012】
多糖類粒を混合したサンプルC〜Fの場合もコンニャク粉の膨潤が妨げられることはなく、良好なコンニャクが得られた。表1から明らかなように、コンニャク粉のみを用いたサンプルAおよびBに比べて、他のサンプルC〜Fはゲルの縮みが抑制されていることが分かる。これは、加熱時の離水量が抑えられた結果である。官能検査を行った結果、サンプルCについては若干柔らかく、サンプルFについては若干固いとの評価があったものの、サンプルC〜Fまで概ね食感は良好であるとの評価が得られた。
【0013】
表1に例示した多糖類の他、寒天、ジェランガム、カードラン、ファーセレラン、キサンタンガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、カシアガム、加工澱粉等について同様の粒径に造粒して、コンニャク改良剤として用い得る。また造粒法は、押し出し造粒の他、動転造粒、圧縮造粒、流動層造粒、破砕造粒、コーティング造粒等によってもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、粒状化した多糖類をコンニャク改良剤としてコンニャク粉と共に用いることにより、コンニャク粉の膨潤を阻害することなく、成形加熱時の離水を防止して縮みのないコンニャクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 造粒した増粘剤の粘度と水和時間の関係を元の増粘剤と比較して示す図である。
【図2】コンニャクマンナンの粘度と水和時間の関係を示す図である。
Claims (6)
- コンニャク粉からコンニャクを作る際にコンニャク粉と共に水に添加するコンニャク改良剤であって、
コンニャク粉の吸水速度とほぼ等しい吸水速度を持つように粒状化してなるゲル化力を持つ水溶性の多糖類からなり、
コンニャク粉の糊化を阻害することなく、コンニャクの成形加熱時の離水を抑制する作用を有する
ことを特徴とするコンニャク改良剤。 - 前記多糖類は、寒天、ジェランガム、カードラン、カラギナン、ファーセレラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、カシアガム、加工澱粉のなかから選択された一種以上の多糖類である
ことを特徴とする請求項1記載のコンニャク改良剤。 - 前記多糖類は、平均粒径が150μm 〜3mmの範囲に造粒されている
ことを特徴とする請求項1記載のコンニャク改良剤。 - 前記多糖類は、押し出し造粒、転動造粒、圧縮造粒、流動層造粒、破砕造粒、コーティング造粒のなかから選ばれた方法により造粒したものである
ことを特徴とする請求項1記載のコンニャク改良剤。 - コンニャク粉と共にコンニャク粉の吸水速度とほぼ等しい吸水速度を持つように粒状化してなるゲル化力を持つ水溶性の多糖類を水に溶解して膨潤させ、アルカリを添加した後、加熱してゲル化させる
ことを特徴とするコンニャクの製造方法。 - 水に対してコンニャク粉を1.0〜4.0%、粒状化した多糖類を0.01〜3.0%の範囲で添加する
ことを特徴とする請求項5記載のコンニャクの製造方法。
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1997
- 1997-04-10 JP JP09198497A patent/JP3639690B2/ja not_active Expired - Fee Related
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