JP3639130B2 - モールド電動機およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、モールド電動機およびその製造方法に関し、特にモールド樹脂の鉄心を覆う部分の樹脂割れを抑えて電気的な性能の悪化を防止するモールド電動機およびその製造方法するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来のモールド電動機を示す断面図、図9は従来のモールド電動機のモールド前の固定子を示す斜視図である。
図8および図9において、モールド電動機11は、固定子鉄心3がインサートカバー2に内装され、コイル4がインサートカバー2に内装された固定子鉄心3に巻回され、さらに、インサートカバー2、固定子鉄心3およびコイル4がモールド樹脂5により一体にモールドされて構成されたモールド固定子1と、モールド固定子1の軸心位置に設けられた孔の両端部に嵌装された一対の軸受9と、一端がモールド固定子1の一側に延出するように一対の軸受9に軸支されたシャフト10と、鉄心7がU字状断面のアルミダイキャスト8に一体に成形され、シャフト8の一端に固着されて、回転子鉄心7が固定子鉄心3の外周に所定間隙を持って位置するように配設された回転子6とから構成されている。
なお、固定子鉄心3は、ティース部とコアバック部とを有するように打ち抜かれた薄い鉄心片が多数枚積層されて構成され、ティース部の外周端面(磁極面)が円弧状の曲面に形成されている。また、インサートカバー2は絶縁性樹脂製であり、少なくともティース部の外周端面を除くように固定子鉄心3を内装し、巻回されるコイル4と固定子鉄心3との電気的な絶縁を確保している。
【0003】
このように構成されたモールド電動機11は、回転子6が外周側に配置された外転形電動機であり、コイル4に電流を流して回転磁界を発生させ、この回転磁界により回転子6を回転駆動するものである。
【0004】
つぎに、このモールド電動機11の製造方法について説明する。
まず、一方のインサートカバー2にティース部とコアバック部とを有するように打ち抜かれた所定枚数の薄い鉄心片を順次装着し、さらに他方のインサートカバー2を装着して、図9に示されるように、一対のインサートカバー2により鉄心片が積層された固定子鉄心3を内装してなるモールド前の固定子を作製する。このモールド前の固定子は、ティース部の外周端面を除いてインサートカバー2に覆われている。
ついで、巻き線機(図示せず)により、このモールド前の固定子のスロット部に導線を巻回してコイル4を形成する。そして、コイル4が巻装されたモールド前の固定子を射出成形機の金型(図示せず)に入れ、射出成形機内の液状樹脂を金型内に注入し、液状樹脂がインサートカバー2、固定子鉄心3およびコイル4を完全に覆った後、樹脂を硬化させ、図8に示されるようなモールド固定子1を作製する。
そして、このモールド固定子1の軸心位置に設けられた孔の両端部に軸受9を嵌装し、シャフト10を軸受9に軸支させ、シャフト10の一端に回転子6を固着して、モールド電動機11を製造する。
【0005】
ここで、モールド固定子1は、出荷試験において品質を保証するために、結露試験(湿度100%で750時間)や熱負荷試験(‐20℃を1時間、120℃を1時間)が実施される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモールド電動機のモールド固定子1は以上のように構成されているので、熱負荷試験において、固定子鉄心3の外周端面である磁極面上のモールド樹脂5の部位に破損が発生してしまい、結露試験において、モールド樹脂5の破損部から水が侵入し、固定子鉄心3などから錆が発生するという課題があった。
このような課題を解決するために、固定子鉄心3の磁極面を覆うモールド樹脂5の部位の厚みを厚くすることが考えられるが、モールド樹脂5の厚みを厚くすると、回転子鉄心7と固定子鉄心3との間の電気的なギャップが長くなり、回転子鉄心7と固定子鉄心3とに流れる磁束の漏れが増加し、同一の発生トルクを得るのに、余分な入力電流をモールド電動機11に流さなければならなくなるという新たな課題が生じてしまう。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、熱負荷試験におけるモールド樹脂の破損がモールド工程におけるウエルドの部位に発生すること、さらにはウエルドが固定子鉄心の磁極面と金型との間(金型と被モールド材との間隙が少ない部位)に発生することに着目し、固定子鉄心の磁極面に溝を設け、金型と磁極面との間隙が少ない領域を溝により分断して、ウエルドの発生を抑えるようにし、電気的な特性を損ねることなく、固定子鉄心の磁極面を覆うモールド樹脂の部位における破損を抑えることができるモールド電動機およびその製造方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るモールド電動機は、コアバック部と該コアバック部の外周に延設された複数のティース部とを有する固定子鉄心が該ティース部の先端部を露出させ、かつ、両端面および外周面を覆うように絶縁性樹脂からなるインサートカバーに内装され、コイルが該インサートカバーの上からスロット部に巻回され、モールド樹脂により該固定子鉄心、該インサートカバーおよび該コイルを完全に覆うようにモールドしてなるモールド固定子と、回転子鉄心が上記固定子鉄心の外周に所定間隙を持って位置するように上記モールド固定子の軸心周りに回転可能に配設された回転子とを備え、上記固定子鉄心の各ティース部の先端部外周端面には溝が設けられているものである。
【0009】
また、上記溝は、上記固定鉄心の軸心と平行に設けられているものである。
【0010】
また、この発明に係るモールド電動機の製造方法は、複数のティース部がコアバック部の外周に延設され、かつ、溝が各ティース部の先端部外周端面に形成された固定子鉄心を形成する工程と、絶縁性樹脂からなるインサートカバーにより上記固定子鉄心の上記ティース部の先端部を露出させ、かつ、両端面および外周面を覆うよう上記固定子鉄心を内装し、コイルを該インサートカバーの上から上記固定子鉄心のスロット部に巻回する工程と、射出成形機により上記固定子鉄心、上記インサートカバーおよび上記コイルを完全に覆うようにモールドする工程とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るモールド電動機の固定子に適用される固定子鉄心の構造を説明する図であり、図1の(a)はその正面図、図1の(b)はその側面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係るモールド電動機の固定子に適用されるインサートカバーの構造を説明する図であり、図2の(a)はその正面図、図2の(b)はその一部断面側面図、図2の(c)はその背面図である。図3および図4はそれぞれこの発明の実施の形態1に係るモールド電動機のモールド前の固定子を示す斜視図および側面図、図5はこの発明の実施の形態1に係るモールド電動機のモールド固定子の構造を示す破断側面図である。
【0012】
図1において、固定子鉄心20は、ティース部21aとコアバック部21bとを有するように打ち抜かれた薄い鉄心片21がティース部21a同士およびコアバック部21b同士を重ね合わせて多数枚積層されて構成されている。そして、鉄心片21はティース部21aの外周端面が円弧状の曲面に形成され、凹部21cが各ティース部21aの外周端面の周方向中央に設けられている。そこで、鉄心片21が積層された固定子鉄心20の磁極面には、鉄心片21の凹部21cが連なって構成された溝22が軸方向と平行して(鉄心片21の積層方向と直交して)形成されている。なお、隣り合うティース部21a間に構成される凹部がスロット部23となる。
【0013】
図2において、インサートカバー30は、絶縁性樹脂の成形品であり、円筒部31、この円筒部31の後端から径方向外方に延設され、鉄心片21の外径形状に略一致する外径形状を有するフランジ部32およびこのフランジ部32の外周縁部から軸心と平行に後方に延設された側壁部33から構成されている。なお、フランジ部32の先端外周縁部(ティース部21aの先端部に相当)には側壁部33が設けられていない。また、位置あわせのための凹部32aが1つのフランジ部32の先端外周部に設けられている。
【0014】
図3および図4において、モールド前の固定子100は、鉄心片21を所定枚数積層してなる固定子鉄心20が両側から挟み込まれるようにして一対のインサートカバー30により内装されて構成されている。そして、一方のインサートカバー30は、そのフランジ部32が固定子鉄心20の一端側の鉄心片21の端面に密接し、側壁部33が固定子鉄心20のティース部の側面およびコアバック部の外周面に密接している。また、他方のインサートカバー30は、そのフランジ部32が固定子鉄心20の他端側の鉄心片21の端面に密接し、側壁部33が一方のインサートカバー30の側壁部33にオーバーラップしている。そこで、固定子鉄心20は、ティース部の先端外周面を除いてインサートカバー30により覆われ、巻装されるコイル4との間の電気的絶縁が確保される。
図5において、モールド固定子101は、コイル40が固定子100のスロット部23に巻装され、さらにモールド樹脂41により固定子100およびコイル40を覆うようにモールドされて構成されている。
なお、図示していないが、この実施の形態1によるモールド電動機は、モールド固定子1に代えてモールド固定子101を用いている点を除いて、図7に示されるモールド電動機と同様に構成されている。
【0015】
このように構成されたモールド固定子101を熱負荷試験(‐20℃を1時間、120℃を1時間)および結露試験(湿度100%で750時間)したところ、固定子鉄心20に錆が発生することもなく、磁極面上のモールド樹脂41の部位に破損が発生することもなかった。
これは、固定子鉄心20の磁極面に溝22を設けることにより、ウェルドの発生が抑えられたことに起因するものと考えられる。つまり、固定子100のモールド工程において、固定子100を金型内に入れ、不飽和ポリエステルなどの液状樹脂を注入すると、液状樹脂は磁極面と金型とで構成される微小間隙を有する空間に四方から流れ込み、該空間内で合流してウェルドが形成される。この時、この固定子100には溝22が設けられているので、液状樹脂は溝22内に流れ込み、溝22内からも該空間に流れ込むことになる。そこで、ウェルドが形成される空間は溝22のない場合に比べて約半分となっているので、モールド樹脂41の破損の原因となるウェルドの形成が抑制されることになる。
【0016】
また、磁極面に幅、深さが0.5mmの溝22を軸心と平行に1本設けた直径が45mmの固定子鉄心20を用いてモールド電動機を作製し、電気的な特性を測定したところ、溝22を設けていない固定子鉄心を用いて作製したモールド電動機に比べて、入力電流はほとんど増加せず、回転数、騒音値ともに変化しない結果が得られた。
これは、固定子鉄心20と回転子鉄心との間の電気的なギャップが一様に長くなることがなく、溝22を設けることによる磁束量の減少が抑えられ、同一の発生トルクを得るのに余分な入力電流を流す必要がなくなったことに起因するものと考えられる。
【0017】
この実施の形態1によれば、固定子鉄心20の磁極面に溝22を設けているので、モールド工程におけるウェルドの発生が抑えられ、電気的な特性を損ねることなく、熱負荷試験を実施しても固定子鉄心20を覆うモールド樹脂41に破損が発生しにくいモールド電動機が得られるという効果が得られる。
また、溝22が設けられているので、溝22の部位のモールド樹脂41の厚みが厚くなり、モールド樹脂41の強度が増加できるとともに、溝22によりモールド樹脂41と固定子鉄心20との接触面積が増大して、密着強度が増加でき、その分熱負荷試験におけるモールド樹脂41の破損を抑えることができる。
また、溝22が軸心と平行に設けられているので、溝22の方向がモールド樹脂41の流れ方向に略一致し、モールド性が向上し、成形性が向上される。
【0018】
つぎに、このモールド電動機の製造方法について説明する。
まず、ティース部21a、コアバック部21bおよび凹部21cを有するように打ち抜かれた所定枚数の薄い鉄心片21を側壁部33を案内にして一方のインサートカバー30に順次装着し、さらに他方のインサートカバー30を側壁部33を他方のインサートカバー30の側壁部33にオーバーラップするように装着して、図3および図4に示されるように、一対のインサートカバー30により鉄心片21が積層された固定子鉄心20を内装してなるモールド前の固定子100を作製する。このモールド前の固定子100は、ティース部21aの外周端面を除いてインサートカバー30に覆われている。
ついで、巻き線機(図示せず)により、このモールド前の固定子100のスロット部23に導線を巻回してコイル40を形成する。そして、コイル40が巻装されたモールド前の固定子100を射出成形機の金型(図示せず)に入れ、射出成形機内の液状樹脂を金型内に注入し、液状樹脂がインサートカバー30、固定子鉄心20およびコイル40を完全に覆った後、樹脂を硬化させ、図5に示されるようなモールド固定子101を作製する。
そして、このモールド固定子101の軸心位置に設けられた孔の両端部に軸受を嵌装し、シャフトを軸受に軸支させ、シャフトの一端に回転子を固着して、モールド電動機を製造する。
【0019】
このように、この実施の形態1の製造方法によれば、電気的な特性を損ねることなく、熱負荷試験を実施しても固定子鉄心20を覆うモールド樹脂41に破損が発生しにくいモールド電動機を簡易に製造することができる。
【0020】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係るモールド電動機に適用される固定子鉄心のティース部先端を示す模式図であり、図6の(a)はその正面図、図6の(b)はその側面図である。
図6において、固定子鉄心24は、ティース部とコアバック部とを有するように打ち抜かれた薄い鉄心片がティース部同士およびコアバック部同士を重ね合わせて多数枚積層されて構成され、ティース部の外周端面が円弧状の曲面に形成され、軸心と平行な溝25が各ティース部の外周端面に周方向に3本設けられている。尚、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0021】
この実施の形態2においても、軸心と平行な溝25が固定子鉄心24の各ティース部の外周端面に周方向に3本設けられているので、上記実施の形態1と同様に、結露試験および熱負荷試験を実施しても、固定子鉄心24に錆が発生せず、固定子鉄心24を覆うモールド樹脂が破損あるいは剥離することがないモールド電動機が得られる。
また、幅、深さが共に0.5mmの溝25を3本設けた直径45mmの固定子鉄心24を用いてモールド電動機を作製し、電気的な特性を測定したところ、上記実施の形態1によるモールド電動機に比べて、入力電流が1%増加したが、回転数、騒音値は共にほどんど変化がない結果が得られた。
【0022】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係るモールド電動機に適用される固定子鉄心のティース部先端を示す模式図であり、図7の(a)はその正面図、図7の(b)はその側面図である。
図7において、固定子鉄心26は、ティース部とコアバック部とを有するように打ち抜かれた薄い鉄心片がティース部同士およびコアバック部同士を重ね合わせて多数枚積層されて構成され、ティース部の外周端面が円弧状の曲面に形成され、軸心に対して斜めの溝27が各ティース部の外周端面に周方向に3本設けられている。尚、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0023】
この実施の形態3においても、軸心に対して斜めの溝27が固定子鉄心26の各ティース部の外周端面に周方向に3本設けられているので、上記実施の形態2と同様の効果が得られた。
【0024】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0025】
この発明によれば、コアバック部と該コアバック部の外周に延設された複数のティース部とを有する固定子鉄心が該ティース部の先端部を露出させ、かつ、両端面および外周面を覆うように絶縁性樹脂からなるインサートカバーに内装され、コイルが該インサートカバーの上からスロット部に巻回され、モールド樹脂により該固定子鉄心、該インサートカバーおよび該コイルを完全に覆うようにモールドしてなるモールド固定子と、回転子鉄心が上記固定子鉄心の外周に所定間隙を持って位置するように上記モールド固定子の軸心周りに回転可能に配設された回転子とを備え、上記固定子鉄心の各ティース部の先端部外周端面には溝が設けられているので、電気的な特性を損ねることなく、固定子鉄心を覆うモールド樹脂部の破損を抑えることができるモールド電動機が得られる。
【0026】
また、上記溝は上記固定鉄心の軸心と平行に設けられているので、モールドする際に、溝方向がモールド樹脂の流れ方向に略一致し、成形性を向上させることができる。
【0027】
また、この発明によれば、複数のティース部がコアバック部の外周に延設され、かつ、溝が各ティース部の先端部外周端面に形成された固定子鉄心を形成する工程と、絶縁性樹脂からなるインサートカバーにより上記固定子鉄心の上記ティース部の先端部を露出させ、かつ、両端面および外周面を覆うよう上記固定子鉄心を内装し、コイルを該インサートカバーの上から上記固定子鉄心のスロット部に巻回する工程と、射出成形機により上記固定子鉄心、上記インサートカバーおよび上記コイルを完全に覆うようにモールドする工程とを備えたので、電気的な特性を損ねることなく、固定子鉄心を覆うモールド樹脂部の破損を抑えることができるモールド電動機を簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るモールド電動機の固定子に適用される固定子鉄心の構造を説明する図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るモールド電動機の固定子に適用されるインサートカバーの構造を説明する図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るモールド電動機のモールド前の固定子を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るモールド電動機のモールド前の固定子を示す側面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係るモールド電動機のモールド固定子の構造を示す破断側面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係るモールド電動機に適用される固定子鉄心のティース部先端を示す模式図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係るモールド電動機に適用される固定子鉄心のティース部先端を示す模式図である。
【図8】 従来のモールド電動機を示す断面図である。
【図9】 従来のモールド電動機のモールド前の固定子を示す斜視図である。
【符号の説明】
6 回転子、7 回転子鉄心、20、24、26 固定子鉄心、21a ティース部、21b コアバック部、22、25、27 溝、23 スロット部、30 インサートカバー、40 コイル、41 モールド樹脂、101 モールド固定子。
Claims (3)
- コアバック部と該コアバック部の外周に延設された複数のティース部とを有する固定子鉄心が該ティース部の先端部を露出させ、かつ、両端面および外周面を覆うように絶縁性樹脂からなるインサートカバーに内装され、コイルが該インサートカバーの上からスロット部に巻回され、モールド樹脂により該固定子鉄心、該インサートカバーおよび該コイルを完全に覆うようにモールドしてなるモールド固定子と、
回転子鉄心が上記固定子鉄心の外周に所定間隙を持って位置するように上記モールド固定子の軸心周りに回転可能に配設された回転子とを備え、
上記固定子鉄心の各ティース部の先端部外周端面には溝が設けられている
ことを特徴とするモールド電動機。 - 上記溝は、上記固定鉄心の軸心と平行に設けられていることを特徴とする請求項1記載のモールド電動機。
- 複数のティース部がコアバック部の外周に延設され、かつ、溝が各ティース部の先端部外周端面に形成された固定子鉄心を形成する工程と、
絶縁性樹脂からなるインサートカバーにより上記固定子鉄心の上記ティース部の先端部を露出させ、かつ、両端面および外周面を覆うよう上記固定子鉄心を内装し、コイルを該インサートカバーの上から上記固定子鉄心のスロット部に巻回する工程と、
射出成形機により上記固定子鉄心、上記インサートカバーおよび上記コイルを完全に覆うようにモールドする工程
とを備えたことを特徴とするモールド電動機の製造方法。
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