JP2020058132A - かご形誘導回転電機の回転子製造装置 - Google Patents

かご形誘導回転電機の回転子製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】曲げにくい厚さのある棒状の導体バーでも位置決め精度を高くすることができるとともに、導体バー両端の曲げ加工を不要とすることにより加工工数を減らすことができるかご形誘導回転電機の回転子製造装置を提供する。【解決手段】スロット32内の内径側に配置された導体バー36と、導体バー36が存在しない部分に充填されるダイカスト材バー38を有する回転子30を金型40により製造する場合に、金型40には短絡環34を成型するための空洞43、44を設けると共に、空洞43、44の軸方向端面43a、44aにおける径方向外側に導体バー36の位置決めをするための傾斜部43b、44bを設け、導体バー36の幅は、軸方向端面43a、44aと傾斜部43b、44bとの境目からスロット32の底部32aに至る距離D1と同じであるよう構成する。【選択図】図8

Description

本願はかご形誘導回転電機に用いられる回転子の製造装置に関するものである。
回転電機の中でも誘導回転電機は安価に製造できると共に丈夫であり、更に電源に直接つないでも始動することができるといった利点がある。そこで最も多く使用されており、誘導回転電機の高効率化が求められている。誘導回転電機は原理的に固定子が界磁した磁束と、それとの相互作用で発生した回転子の電流によりトルクが発生する構造であるが、回転子に流れる電流の経路を低抵抗とすることが高効率の条件となる。
特許文献1においては、回転子のスロットに抵抗の小さな銅バーを挿入し、銅バーの固定をアルミダイカストで行う方式が開示されている。これによればスロットの抵抗率を下げ、且つ溶融温度の低いアルミでダイカストすることで生産性の良い回転子を得られる。
特開2009−296761号公報
上記特許文献1においては、挿入した導体バーを固定するため、ダイカスト前に導体バーの両端を曲げ加工する必要がある。そのため積層された薄板及び束ねられた細い丸線等の素材しか使えないという問題があった。更には加工工数が増大するという問題もあった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、ダイカスト型で導体バーを位置決めしながらダイカスト材をダイカストするため、曲げにくい厚さのある棒状の導体バーを用いることができ、更には加工工数が少なく、位置決め精度を向上させることのできるかご形誘導回転電機の回転子製造装置を提供することを目的とする。
本願に開示されるかご形誘導回転電機の回転子製造装置は、外周部に周方向に並んで配置された複数のスロットと、前記スロット内の内径側に配置された導体バーと、前記スロット内であって前記導体バーが存在しない部分に充填されると共に前記導体バーよりも融点が低いダイカスト材バーと、軸方向端部に設けられると共にダイカスト材により形成された短絡環を備えた回転子製造装置であって、
前記回転子を収容することのできる空間を有した金型を備え、
前記金型には前記短絡環を成型するための空洞を設けると共に、前記空洞の第1軸方向端面における径方向外側に前記導体バーの位置決めをするための第1傾斜部を設け、
前記導体バーの幅は、前記第1軸方向端面と前記第1傾斜部との境目から前記スロットの底部に至る距離と同じであるよう構成されたものである。
又本願に開示される別のかご形誘導回転電機の回転子製造装置は、金型には短絡環を成型するための空洞を設け、前記空洞の第2軸方向端面における径方向外側に導体バーの位置決めをするための第2傾斜部を設けるとともに径方向内側に前記導体バーの位置決めをするための第3傾斜部を設け、前記導体バーの幅は、前記第2軸方向端面の幅と同じであるよう構成されたものである。
又本願に開示される別のかご形誘導回転電機の回転子製造装置は、金型には短絡環を成型するための空洞を設け、前記空洞には第3軸方向端面と第4軸方向端面を設けるとともに前記第3軸方向端面と前記第4軸方向端面をつなぐ前記導体バーの位置決めをするための第4傾斜部を設け、前記導体バーの幅は、前記第3軸方向端面と前記第4傾斜部との境目から前記スロットの底部に至る距離と同じであるように構成されたものである。
又本願に開示される別のかご形誘導回転電機の回転子製造装置は、金型には短絡環を成型するための空洞を設け、前記空洞の第5軸方向端面における径方向外側に導体バーの位置決めをするための第5傾斜部を設けると共に前記第5軸方向端面における径方向内側に前記導体バーの位置決めをするための第6傾斜部を設け、更に前記第5傾斜部の外径側に第6軸方向端面を設けると共に前記第6傾斜部の内径側に第7軸方向端面を設け、前記導体バーの幅は、前記第5軸方向端面の幅と同じであるように構成されたものである。
本願に開示されるかご形誘導回転電機の回転子製造装置によれば、ダイカスト金型で導体バーを正確に位置決めしながらダイカスト材を鋳造するため、曲げにくい厚さのある棒状の導体バーを用いることができ、また導体バー両端の曲げ加工が不要となるため加工工数が少なくなり、更に導体バーの位置決め精度を高くすることができる。
実施の形態1に係るかご形誘導回転電機を示す側面断面図である。 実施の形態1に係るかご形誘導回転電機を示す側面断面図である。 実施の形態1に係るかご形誘導回転電機の断面平面図である。 実施の形態1に係る回転子を示す斜視図である。 実施の形態1に係る回転子鉄心端部を示す斜視図である。 実施の形態1に係る回転子を示す断面平面図である。 実施の形態1に係る回転子を示す一部切欠き斜視図である。 実施の形態1に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態1に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態1に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態1に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態1に係る回転子の端部を示す部分斜視図である。 実施の形態2に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態2に係る回転子鉄心端部を示す部分斜視図である。 実施の形態2に係るダイカスト金型を示す一部断面側面図である。 実施の形態3に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態3に係る回転子鉄心端部を示す部分斜視図である。 実施の形態4に係るダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。 実施の形態4に係る回転子鉄心端部を示す部分斜視図である。 実施の形態4に係るダイカスト金型を示す一部断面側面図である。 実施の形態4に係るダイカスト金型を示す一部断面側面図である。 実施の形態4に係るダイカスト金型を示す一部断面側面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係るかご形誘導回転電機の製造装置について、図1〜図12を参照して説明する。
本明細書中で、「周方向」、「径方向」、「軸方向」、「内」、「外」というときは、かご形誘導回転電機の固定子並びに回転子の「周方向」、「径方向」、「軸方向」、及び固定子並びに回転子の「内側」、「外側」、「外周」、「内周」等をいうものとする。
「軸方向の内側」とは、軸方向でかご形誘導回転電機の中心部に向かう方向を指し、「軸方向の外側」とは、軸方向で両側の軸端へ向かう方向を指す。
図1は実施の形態1に係るかご形誘導回転電機を示す一部断面側面図である。
かご形誘導回転電機10は、ハウジング11と、固定子20と、回転子30を備えている。ハウジング11は有底円筒状のフレーム12、およびフレーム12の開口部を塞ぐブラケット13からなる。固定子20はフレーム12の円筒部の内部に嵌合し、固着されている。回転子30はフレーム12の底部およびブラケット13にベアリング14を介して回転可能に支持されるとともに、固定子20の内周側に配置されている。
図2は別の形態を有するかご形誘導回転電機を示す一部断面側面図である。図2に示すように、かご形誘導回転電機10aのハウジング11aは有底円筒状ではなく、円筒状のフレーム12aと、両端の開口部を塞ぐ2枚のブラケット13により構成されるようにしても良い。
図3はかご形誘導回転電機の断面平面図であり、図3においては、かご形誘導回転電機10の固定子20と、この固定子20の内周側に位置する回転子30の位置関係を示す断面図が示されている。固定子20は、固定子鉄心21と巻線22によって構成されている。固定子鉄心21は円環状に並んだティース21aと、ティース21aを外周部で連結するバックヨーク21bを備えている。巻線22は各ティース21aに巻回されている。固定子鉄心21は、磁性体の薄板(主として珪素鋼板)により構成されると共に、内周面に複数のティース21aが等間隔に形成された円環状の鋼板を複数枚積層して円筒形状に構成されており、図示しない外周側の溶接部等で積層方向において一体に結合されている。回転子30においては、回転子鉄心31の外周部に周方向に等間隔に並んだスロット32が複数個形成されており、回転軸33が中心部を貫通している。又スロット32内には導体バー36が挿入されている。
図4は実施の形態1に係るかご形誘導回転電機の回転子を示す斜視図である。回転子30は回転子鉄心31と、回転軸33と、円環状の短絡環34を備えている。回転子鉄心31は磁性体の薄板(主として珪素鋼板)からなる円環状の鋼板を軸方向に複数枚積層して構成されている。回転軸33は回転子鉄心31の中心部を貫通している。短絡環34は回転子鉄心31の軸方向の両端部に設けられている。短絡環34には、軸方向外側へ突出する複数の板状の冷却フィン35が形成されている。
回転子鉄心31には、図3にも示すように、外周部に周方向に等間隔に並んだ複数のスロット32が形成されている。図3においては、18個のスロット32が設けられている場合を示しているが、これ以外の個数であっても良い。各スロット32は、回転子鉄心31の軸方向(回転軸33の方向)に対して延びており、鋼板は回転軸33に対して所定のスキュー角度θを持って一枚毎に回転させながら積層されている。なおスキュー角度θは0でもよい。
図5は回転子鉄心端部を示す斜視図であり、導体バー挿入後を示している。図3又は図5に示すように、各スロット32内の底部(回転子鉄心31の内径側)32aには、銅或いは銅合金からなる導体バー36が挿入配置されている。導体バー36は、断面形状が多角形(円形もしくは楕円形であってもよい)の棒状で構成されている。尚図5においては、導体バー36の片端36a(片側の端部のみ図示)の形状を説明するために、回転子鉄心31と導体バー36のみを示している。
図6は回転子を示す断面平面図、図7は回転子を示す一部切欠き斜視図であり、図7においては、ダイカスト材37で導体バー36を覆った後の回転子30を示している。外観は他の誘導回転電機とあまり変わらないが、本実施形態においては、スロットに挿入された導体バー36が一体化されて固定されている。導体バー36をスロット32に挿入した後に、図6又は図7に示すようにスロット32における導体バー36が存在しない空隙をダイカスト材37(ここではアルミニウム)で充填し、ダイカスト材バー38を形成する。ダイカスト材37により、ダイカスト材バー38が形成され、これにより導体バー36が固定され、各スロット32の導体バー36の電気的な接続が行われる。
短絡環34はダイカスト材37からなり、図4に示すように、短絡環34の軸方向外側の面34aには軸方向外側へ突出する複数の冷却フィン35が一体に形成されている。このような構成の回転子30において、短絡環34、ダイカスト材37及び冷却フィン35は、ダイカスト成型により一体に形成されている。
本実施の形態において、導体バー36は銅もしくは銅合金の抵抗の小さい非磁性体のバーであり、ダイカスト材37は導体バー36よりも溶融温度が低い(融点が低い)アルミニウムのような非磁性体で形成されるので、効率がよく、生産性が良い回転子が提供できる。即ち定格回転数の運転時においては、回転子に流れる電流の経路を低抵抗とすることができるので、高効率となり、更に溶融温度の低いアルミでダイカストすることができるので、生産性が向上する。
また図示をしていないが、スロット32の形状は二重かご構造であっても深溝構造であってもよい。又スロット32は回転子鉄心31の外周面に開口部をもっていても、もっていなくてもよく、同様の効果を発揮する。
図8は本実施形態におけるダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。ダイカスト金型40は、ダイカスト金型40内に回転子鉄心31を収容する空間を有している。又ダイカスト金型40は回転子鉄心31の軸方向外側に向かって型開きするプレート41、42を備えている。このプレート41、42には、回転子鉄心31に短絡環34及び冷却フィン35を成型するための空洞43、44が形成されている(なお、図8においては、冷却フィン35の空隙は点線で図示している)。空洞43、44の軸方向端面43a、44a(第1軸方向端面)の径方向外側(外周側)に傾斜部43b、44b(第1傾斜部)が設けられており、後述するようにこの傾斜部43b、44bにより導体バー36を位置決めする。
又プレート41、42には、図示しないダイカスト材37をダイカスト金型40の外部から空洞43、44に流し込むための流路45が形成されている。流路45の先端のゲート(小孔)46は、短絡環34に対応する空洞43、44において、短絡環34を形成するための部分43cに開口している。
次に回転子30の製造工程について図9〜図11を参照して説明する。
まず図9に示すように、プレート41の回転子鉄心31を収容する空間に回転子鉄心31を配置し、回転子鉄心31のスロット32に軸方向から導体バー36を挿入する。このとき導体バー36が短絡環34を成型する空洞43の傾斜部43bに沿って移動し、空洞43の軸方向端面43aに当たり、導体バー36の片端36aが軸方向及び径方向に位置決めされる。
次に図10に示すように、プレート42をプレート41に対して接近するように軸方向に移動させてダイカスト金型40を型締めする。このとき導体バー36の軸方向長さは、型締めが完了したときのプレート41の短絡環34を形成する空洞43の軸方向端面43aからプレート42の短絡環34を形成する空洞44の軸方向端面44aまでの距離と等しいか僅かに短くなるよう設定されている。従って型締めするとプレート42の空洞44の傾斜部44bに沿って導体バー36は移動し、スロット32の底部(内径側)32a、プレート41の軸方向端面43aと傾斜部43b、プレート42の傾斜部44bにより、スロット32内の底部(内径側)32aに対して導体バー36は軸方向、径方向に厳密に位置決めされる。そして成型後の回転子30においては導体バー36の軸方向の長さは、短絡環34の軸方向外側の一端面から反対側に位置する軸方向外側の他端面に至るまでの距離と一致することとなる。
次に図11に示すように、ダイカスト材37を流路45とゲート46を介してプレート41、42の空洞43、44に供給し、充填させてダイカスト成型を行う。このとき供給されたダイカスト材37はスロット32内の導体バー36を除いた空隙と、両側の短絡環34及び冷却フィン35を形成する部分に充填される。これにより導体バー36を強固に固定することができ、更に短絡環34と冷却フィン35を形成することができる。このようなダイカスト成型により、短絡環34と各スロット32内のダイカスト材バー38とが一体に成型され、これにより各スロット32内の導体バー36及びダイカスト材バー38が短絡環34により強固に結合されると共に、電気的に接続された状態になる。即ちダイカスト材37が複数の導体バー36を回転子端部において電気的に接続することとなる。
上記ダイカスト成型後、ダイカスト金型40の型開きが行われて、不要なランナー47を切り離し、短絡環34、導体バー36、ダイカスト材バー38及び冷却フィン35が形成された回転子鉄心31が取り外される。回転子鉄心31を取り外した後、この回転子鉄心31に回転軸33を挿入、固着して、回転子30の製造が完了する。
上記構成により、回転子鉄心31の各スロット32の底側(内径側)32aに導体バー36が位置決めされた状態で挿入配置され、その導体バー36の外周側にダイカスト成型によるダイカスト材バー38が設けられ、短絡環34がダイカスト材37で形成されたかご形の回転子30を得ることができる。尚導体バー36の幅は、軸方向端面43aと傾斜部43bとの境目から底部32aに至る距離D1とほぼ一致する。
図12は回転子の端部を示す部分斜視図である。図12においては、実施の形態1により成型した回転子30の短絡環34が示されている。このような回転子30は一般的な二重かご形誘導回転電機と同様の特性を持つ。即ち始動時には導体バー36において漏れリアクタンスが相当大きいので、電流が主として回転子鉄心31の外周側に位置する抵抗の大きなダイカスト材バー38に流れ、定格回転数の運転時(連続運転時)に主として抵抗の小さな導体バー36に流れる構成となる。これにより始動時には主としてアルミニウムを用いる抵抗の大きなダイカスト材バー38に電流が集中することにより大きな始動トルクが得られることとなる。そして定格回転数の運転時には、導体バー36の漏れリアクタンスは小さくなるので、主として銅または銅合金を用いる抵抗の小さな導体バー36に電流が流れることにより、損失を小さくすることができる。図12において短絡環34は円盤状であって軸方向外側角部において傾斜部43b、44bに対応する勾配部34bが形成されている。更に短絡環端面34aが軸方向端面43a、44aに対応しており、勾配部34bと短絡環端面34aとの接続部に導体バー36の角部が当たることとなる。尚図8〜図11においてはプレート41、42の両方に傾斜部43b、44bを設けた場合を示したが、下側に位置するプレート41にのみ傾斜部43bを設けるようにしても良い。
実施の形態2.
図13は実施の形態2におけるダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図である。ダイカスト金型50は、ダイカスト金型50内に回転子鉄心31を収容する空間を有し、回転子鉄心31の軸方向側に型開きするプレート51、52を備えている。このプレート51、52には、回転子鉄心31に短絡環34及び冷却フィン35を成型するための空洞53、54が形成されている。空洞53、54の軸方向端面53a、54a(第2軸方向端面)の径方向外側(外周側)に傾斜部53b、54b(第2傾斜部)が設けられると共に、径方向内側(内周側)に傾斜部53c、54c(第3傾斜部)が設けられている。そして後述するようにこの傾斜部53b、53c、54b、54cにより導体バー36を位置決めする。又プレート51には、図示しないダイカスト材37をダイカスト金型50の外部から空洞53、54に流し込むための流路55が形成されている。
流路55の先端のゲート(小孔)56は、短絡環34に対応する空洞53において、短絡環34を形成するための部分53dに開口している。なお図13の左側は回転子鉄心31のスロット32に導体バー36を入れた状態、右側は入れていない状態をそれぞれ示している。尚図13において、導体バー36の幅は、軸方向端面53aの幅D2とほぼ一致する。
次に回転子30の製造工程について図13を参照して説明する。まずプレート51の回転子鉄心31を収容する空間に回転子鉄心31を配置し、回転子鉄心31のスロット32に軸方向から導体バー36を挿入する。このとき導体バー36が短絡環34を成型する空洞53の傾斜部53b、53cに沿って移動し、軸方向端面53aに接触し、導体バー36の片端36aが軸方向及び径方向に位置決めされる。
次にプレート52をプレート51に対して接近するように軸方向に移動させて型締めする。このとき導体バー36の軸方向長さは、型締めが完了したときのプレート51の短絡環34を形成する空洞53の軸方向端面53aからプレート52の短絡環34を形成する空洞54の軸方向端面54aの距離と等しいか僅かに短くなるよう設定されている。従って型締めするとプレート51の空洞53の傾斜部53b、53cに沿って導体バー36は移動し、プレート51の傾斜部53b、53c、軸方向端面53a、更にはプレート52の傾斜部54b、54cにより、スロット32内の径方向の任意の位置に導体バー36は厳密に位置決めされる。図14は回転子の端部を示す部分斜視図である。図14においては、実施の形態2により成型した回転子30の短絡環34が示されている。
図14において、短絡環34は円盤状に構成されると共に、外周部の勾配部34bと内周部の勾配部34cと、短絡環端面34aにより構成されている。そして外周部の勾配部34bと短絡環端面34aの間の角部、及び内周部の勾配部34cと短絡環端面34aの間の角部が導体バー36の両側の角部に接触している。即ち図13において、導体バー36の上下端部が角部に当たっている。
又図15に示すように、軸方向端面53a、54a(短絡環端面34aに対応)を省略し、傾斜部54b、54cのみにより導体バー36を位置決めするようにしても良い(傾斜部53b、53cも同様)。又図13においてはプレート51、52の両方に傾斜部53b、53c、54b、54cを設けた場合を示したが、下側に位置するプレート51にのみ傾斜部53b、53cを設けるようにしても良い。
実施の形態3.
図16は実施の形態3におけるダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図、図17は回転子の端部を示す部分斜視図である。図16に示すように、短絡環34の断面積を増やすため、実施の形態1におけるダイカスト金型40とは異なり、ダイカスト金型60のプレート61、62の空洞63、64に設けられた傾斜部63b、64b(第4傾斜部)は、短絡環34の外周側端部に至るまで全て傾斜する構造とはなっていない。このように短絡環34の断面積を増やすことにより短絡環34部分の抵抗値が小さくなるので、かご形誘導回転電機の効率が向上する。図16において、軸方向端面63a、64a(第3軸方向端面)と、軸方向端面63c、64c(第4軸方向端面)と、これらをつなぐ傾斜部63b、64bが設けられている。そして導体バー36の幅は、軸方向端面63aと傾斜部63bとの境目から底部32aに至る距離D3とほぼ一致する。
図17において、短絡環34の短絡環端面34aと、短絡環34の外周部に成型された軸方向に垂直な平面部34dが、ダイカスト金型60のプレート61、62の空洞63、64に設けられた傾斜部63b、64bによって成型された勾配部34bにより接続された形状となっている。
なお図16の左側は回転子鉄心31のスロット32に導体バー36を入れた状態、右側は入れていない状態をそれぞれ示している。図17においては、実施の形態3により成型した回転子30の短絡環34が示されている。図17において、短絡環端面34aと勾配部34bとの間の角部に導体バー36の角が当たることとなる。
又図16においてはプレート61、62の両方に傾斜部63b、64bを設けた場合を示したが、下側に位置するプレート61にのみ傾斜部63bを設けるようにしても良い。
実施の形態4.
図18は実施の形態4におけるダイカスト成型に用いられるダイカスト金型を示す断面側面図、図19は回転子の端部を示す部分斜視図である。図18に示すように、短絡環34の断面積を増やすため、実施の形態2におけるダイカスト金型50とは異なり、ダイカスト金型70のプレート71、72に形成される傾斜部73b、74b、73c、74cは短絡環34の外周側端部及び内周側端部に至るまで全て傾斜するような構造となっていない。即ち短絡環34の短絡環端面34aにおいて一部に傾斜部を設けるような段付き形状に形成することができる。詳しく説明すると、空洞73、74の軸方向端面73a、74a(第5軸方向端面)における径方向外側に傾斜部73b、74b(第5傾斜部)を設けると共に軸方向端面73a、74aにおける径方向内側に傾斜部73c、74c(第6傾斜部)を設け、更に傾斜部73b、74bの外径側に軸方向端面73d、74d(第6軸方向端面)を設けると共に傾斜部73c、74cの内径側に軸方向端面73e、74e(第7軸方向端面)を設けたものである。
図18、図19において、短絡環34の短絡環端面34aが空洞73、74の軸方向端面73a、74aにより形成され、勾配部34b、34cが空洞73、74の傾斜部73b、73c、74b、74cにより形成され、平面部34dが軸方向端面73d、74dにより形成され、平面部34eが軸方向端面73e、74eにより形成される。なお図18の左側は回転子鉄心31のスロット32に導体バー36を入れた状態、右側は入れていない状態をそれぞれ示している。図18において、軸方向端面73a、74aの幅D4は導体バー36の幅とほぼ一致する。
図19においては実施の形態4により成型した回転子30の短絡環34が示されている。勾配部(径方向外側)34bは平面部34dと短絡環端面34aをつないでおり、勾配部(径方向内側)34cは短絡環端面34aと平面部34eをつないでいる。
更に図20〜図22に示すように、短絡環34の外周部が軸に垂直な2つの面を持つように構成することもできる。即ち図20に示すように、短絡環端面34aを省略し、軸に垂直な2つの平面部34d、34eのみで構成することもできる。又図21に示すように、平面部34dを省略し、軸に垂直な2つの短絡環端面34a、平面部34eのみで構成することもできる。更に図22に示すように、平面部34eを省略し、軸に垂直な2つの平面部34d、短絡環端面34aのみで構成することもできる。
更に図18においてはプレート71、72の両方に傾斜部73b、74b、73c、74cを設けた場合を示したが、下側に位置するプレート71にのみ傾斜部73b、73cを設けるようにしても良い。
その他上記した構成部品の数、寸法及び材料等について適宜変更することができる。
更に本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10,10a かご形誘導回転電機、30 回転子、32 スロット、32a 底部、34 短絡環、36 導体バー、37 ダイカスト材、38 ダイカスト材バー、
40,50,60,70 金型、
43,44,53,54,63,64,73,74 空洞、
43a,44a,53a,54a,63a,64a,63c,64c,73a,74a,73d,74d,73e,74e 軸方向端面、
43b,44b,53b,54b,53c,54c,63b,64b,73b,74b,73c,74c 傾斜部。

Claims (4)

  1. 外周部に周方向に並んで配置された複数のスロットと、
    前記スロット内の内径側に配置された導体バーと、
    前記スロット内であって前記導体バーが存在しない部分に充填されると共に前記導体バーよりも融点が低いダイカスト材バーと、
    軸方向端部に設けられると共にダイカスト材により形成された短絡環を備えたかご形誘導回転電機の回転子製造装置であって、
    前記回転子を収容することのできる空間を有した金型を備え、
    前記金型には前記短絡環を成型するための空洞を設けると共に、前記空洞の第1軸方向端面における径方向外側に前記導体バーの位置決めをするための第1傾斜部を設け、
    前記導体バーの幅は、前記第1軸方向端面と前記第1傾斜部との境目から前記スロットの底部に至る距離と同じであることを特徴とするかご形誘導回転電機の回転子製造装置。
  2. 外周部に周方向に並んで配置された複数のスロットと、
    前記スロット内の内径側に配置された導体バーと、
    前記スロット内であって前記導体バーが存在しない部分に充填されると共に前記導体バーよりも融点が低いダイカスト材バーと、
    軸方向端部に設けられると共にダイカスト材により形成された短絡環を備えたかご形誘導回転電機の回転子製造装置であって、
    前記回転子を収容することのできる空間を有した金型を備え、
    前記金型には前記短絡環を成型するための空洞を設け、前記空洞の第2軸方向端面における径方向外側に前記導体バーの位置決めをするための第2傾斜部を設けるとともに径方向内側に前記導体バーの位置決めをするための第3傾斜部を設け、
    前記導体バーの幅は、前記第2軸方向端面の幅と同じであることを特徴とするかご形誘導回転電機の回転子製造装置。
  3. 外周部に周方向に並んで配置された複数のスロットと、
    前記スロット内の内径側に配置された導体バーと、
    前記スロット内であって前記導体バーが存在しない部分に充填されると共に前記導体バーよりも融点が低いダイカスト材バーと、
    軸方向端部に設けられると共にダイカスト材により形成された短絡環を備えたかご形誘導回転電機の回転子製造装置であって、
    前記回転子を収容することのできる空間を有した金型を備え、
    前記金型には前記短絡環を成型するための空洞を設け、前記空洞には第3軸方向端面と第4軸方向端面を設けるとともに前記第3軸方向端面と前記第4軸方向端面をつなぐ前記導体バーの位置決めをするための第4傾斜部を設け、
    前記導体バーの幅は、前記第3軸方向端面と前記第4傾斜部との境目から前記スロットの底部に至る距離と同じであることを特徴とするかご形誘導回転電機の回転子製造装置。
  4. 外周部に周方向に並んで配置された複数のスロットと、
    前記スロット内の内径側に配置された導体バーと、
    前記スロット内であって前記導体バーが存在しない部分に充填されると共に前記導体バーよりも融点が低いダイカスト材バーと、
    軸方向端部に設けられると共にダイカスト材により形成された短絡環を備えたかご形誘導回転電機の回転子製造装置であって、
    前記回転子を収容することのできる空間を有した金型を備え、
    前記金型には前記短絡環を成型するための空洞を設け、前記空洞の第5軸方向端面における径方向外側に前記導体バーの位置決めをするための第5傾斜部を設けると共に前記第5軸方向端面における径方向内側に前記導体バーの位置決めをするための第6傾斜部を設け、更に前記第5傾斜部の外径側に第6軸方向端面を設けると共に前記第6傾斜部の内径側に第7軸方向端面を設け、
    前記導体バーの幅は、前記第5軸方向端面の幅と同じであることを特徴とするかご形誘導回転電機の回転子製造装置。
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