JPH1032966A - 誘導電動機の回転子 - Google Patents

誘導電動機の回転子

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JPH1032966A
JPH1032966A JP18366896A JP18366896A JPH1032966A JP H1032966 A JPH1032966 A JP H1032966A JP 18366896 A JP18366896 A JP 18366896A JP 18366896 A JP18366896 A JP 18366896A JP H1032966 A JPH1032966 A JP H1032966A
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JP
Japan
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cage
rotor
coil winding
induction motor
shaped member
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JP18366896A
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English (en)
Inventor
Takashi Yasuhara
隆 安原
Akiji Yamada
旭司 山田
Hiromitsu Fuku
裕光 富久
Tsugio Sekine
次雄 関根
Izumi Shimizu
泉 清水
Matsutoshi Ihara
松利 井原
Yukiro Endo
幸郎 遠藤
Kaoru Ogawa
薫 小川
Shigeaki Kanai
重明 金井
Kanji Mizutani
完治 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Extrusion Of Metal (AREA)
  • Induction Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】銅材を用いているにも拘わらず、簡単かつ確実
にかご形巻線の形成が可能で、これにより充分に二次抵
抗損失が抑えられ、高トルクで高効率の電動機を容易に
得ることができる誘導電動機の回転子を提供すること。 【解決手段】 回転子のかご形巻線を構成する導体バー
となる棒状の部材7Aaと、同じく回転子のかご形巻線
を構成する一方のエンドリングとなるリング状の部材7
Abとを、銅材の冷間押出しによって一体に形成したか
ご形巻線成形体7Aを用い、これを積層電磁鋼板からな
る回転子鉄心に組み合わせた上で、他方のエンドリング
となるリング状の部材7cを取付け、かご形巻線型誘導
電動機の回転子としたもの。 【効果】 かご形巻線成形体7Aを用いたので、銅材か
らなるかご形巻線を容易に作成できる。また、アルミニ
ウムより約40%も固有抵抗が小さい銅を用いたので、
それだけ温度上昇を防止でき、電動機の効率を向上でき
る。さらに、二次抵抗が小さくできることから、最大出
力、最大トルクを向上できるので、滑りを確実に低減す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、かご形誘導電動機
の回転子に係り、特に比較的小容量の誘導電動機に好適
な回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的小容量の汎用誘導電動機として
は、従来からかご形誘導電動機が広く使用されている。
ところで、当初、このような汎用小型誘導電動機の回転
子としては、電磁鋼板を積層して形成した回転子鉄心の
スロット(溝)に、所定の断面形状の銅製の導体バーを1
本づつ挿入し、この挿入した複数本の導体バーの両端部
にエンドリングをロー付け溶接してかご型巻線を形成さ
せたものが、主として用いられていた。
【0003】しかしながら、このような回転子では、か
ご形巻線の製作に手間が掛るのでコストアップになり易
い上、電磁鋼板の積層体からなる回転子鉄心のスロット
に、後からかご形巻線用の導体バーを挿入しなければな
らないので、そのスロットの大きさよりかなり小さい断
面積の導体バーでないと挿入することができず、従っ
て、所望の充分に低い抵抗値のかご形巻線が得られず、
電動機としての電気特性が低下してしまうという不具合
があった。
【0004】一方、このような隘路の打開策として、か
ご形巻線の鋳造化が考えられるが、この場合には、銅の
融点がかなり高い点が新たな隘路となってしまう。すな
わち、銅の融点は約1100℃とかなり高温(例えばア
ルミニウムの融点は約660℃)なので、これによるダ
イキャスト鋳造では成形金型が高くつき、しかも耐久性
に乏しいと云う不具合があり、かつその保守点検が煩雑
となる不具合も生じてしまうのである。
【0005】そこで、汎用小型誘導電動機としては、従
来から、導体バー及びエンドリングからなるかご形巻線
をアルミニウム材のダイカスト鋳造で形成した、いわゆ
るキャストロータが広く使用されている。
【0006】図9は、このようなキャストロータを用い
たかご形誘導電動機の従来例を示したもので、この図に
おいて、1はハウジングで、鋳鉄など鉄系材料やアルミ
ニウムなどの軽金属材料の鋳造によりほぼ筒状に形成さ
れ、電動機の外被を構成している。1aは放熱フィン
で、軸方向に沿って並んだ複数の条片として、ハウジン
グ1の外周に放射状に配列され、ハウジング1と一体的
に形成されている。2A、2Bはエンドブラケットで、
ハウジング1の両側の開口部にそれぞれインロー嵌合し
て取付けられている。
【0007】3は固定子で、ケイ素鋼板などの電磁鋼板
を複数枚積層して形成された固定子鉄心3Aと、この固
定子鉄心3Aの内周部に複数形成されているスロットに
巻回された固定子コイル3Bとで構成され、ハウジング
1内に挿入した上で、その内周部に嵌合し、固定されて
いる。
【0008】5は回転子で、回転軸6を備え、その両端
面に配置されているエンドリング7と、図示してない導
体バーとからなるかご形巻線を有している。そして、こ
のエンドリング7と、図示してない導体バーとからなる
かご形巻線がアルミニウムのダイキャスト鋳造により形
成され、さらに、このエンドリング7に内部冷却用の内
ファン8が一体的に形成されている。
【0009】回転軸6は、エンドブラケット2A、2B
に対して、軸受4A、4Bにより回転自在に保持されて
いる。そして、この回転軸6の一方の端部(図では右端
部)はエンドブラケット2Bを挿通して外部に突出し、
出力軸をなしており、その他端部(図では左端部)はエン
ドブラケット2Aを挿通して外部に突出した部分には、
外部冷却用の外ファン9が装着されている。
【0010】10は外ファン9を覆うエンドカバーで、
一方が開放された皿状の短い円筒形に形成され、その底
面に相当する一方の端面には外気を取り込むための開孔
10aが設けられ、その開放端は、このエンドカバー1
0がエンドブラケット2Aに組み付けられたとき、エン
ドブラケット2A及びハウジング1の外径部との間に径
方向の隙間部10bが形成されるように、形成されてい
る。
【0011】この誘導電動機は、予め固定子3をハウジ
ング1の内周壁に嵌合して固定しておき、その後、この
固定子3内に回転軸6を有する回転子5を挿入し、かつ
回転軸6にエンドブラケット2A、2B内の軸受4A、
4Bが嵌合するよう、エンドブラケット4A、4Bをハ
ウジング1の両端にそれぞれインロー嵌合させ、これら
を複数本のボルト(図示せず)により取付けることにより
組立られている。
【0012】そして、回転子5により外ファン9が回転
すると、エンドカバー10の開孔10aから、矢印イで
示すように外気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、隙
間部10bからエンドカバー10の他端側の外部に吹き
出され、エンドブラケット2A、ハウジング1の放熱フ
ィン1a、エンドブラケット2Bの表面を通風すること
により、冷却作用が得られるようになっている。
【0013】一方、電動機の内部では、回転子5が回転
すると、それに伴い内ファン8が回転して内部の空気に
流れを発生させ、発生した空気流が回転子5、エンドリ
ング7、固定子コイル3B及び固定子鉄心3Aを冷却し
ながら通過した後、ハウジング1に比べ、比較的温度上
昇の低いエンドブラケット2A、2Bの内側を通過する
ことにより冷却されるようにしている。
【0014】なお、この種の技術として、関連する公知
例としては、特開昭61−251440号公報等が挙げ
られる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、かご
形巻線に適用した際でのアルミニウムの導電材料として
の適格性について、充分な配慮がされているとは言え
ず、かご形誘導電動機の高性能化促進の点に問題があっ
た。
【0016】すなわち、かご形誘導電動機の高性能化の
一方途として、かご形巻線の低抵抗化があるが、アルミ
ニウムの導電率(約3.4μΩcm、75℃)は、銅の導
電率(約2.1μΩcm、75℃)よりもかなり低く、従
って、二次抵抗(かご形巻線の抵抗)を充分に低減するこ
とができない。そして、この結果、従来技術では、二次
抵抗損失が増し、効率を向上させることができないの
で、高性能化が得られないのである。
【0017】また、二次抵抗損失が大きくなると、回転
子の温度上昇が著しくなるという問題が生じる上、この
回転子の温度上昇が二次抵抗値の増加をもたらし、更に
二次抵抗損失を増加させることになり、この結果、従来
技術では、電動機の滑りが増加して更なる性能の低下を
きたしてしまう。
【0018】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的は、銅材を用いているにも拘
わらず、簡単かつ確実にかご形巻線の形成が可能で、こ
れにより充分に二次抵抗損失が抑えられ、高トルクで高
効率の電動機を容易に得ることができる誘導電動機の回
転子を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は、かご形巻線
の導体バーとなるように配置された複数本の棒状部材
と、この棒状部材の一方の端部に係合してエンドリング
となる環状部材とを、予め回転子鉄心のスロットの位置
と形状に合わせて一体に銅材の冷間押出しにより形成し
たかご形成形体を用い、該かご形成形体の前記棒状部材
を回転子鉄心のスロット内に挿通させ、その端部に銅材
からなる環状部材を溶接してかご形巻線とした回転子を
用いることにより達成される。
【0020】銅材で形成されたかご形巻線は、アルミニ
ウム材のかご形巻線より40%程度二次抵抗を小さくす
ることができるので、その分、温度上昇を抑えることが
できる。
【0021】そして、この結果、二次抵抗損失も約40
%に抑えられ、その分、電動機の効率を向上させること
ができ、最大出力で約10%、最大トルクでも約2%、
それぞれ向上できるので、滑りを充分に少なく抑えるこ
とができる。
【0022】また、銅材の冷間押出しにより形成したか
ご形成形体を用いることにより、銅の溶融成形が不要に
なり、従って、金型が高価になるのを抑えることができ
るばかりではなく、金型が耐久性に富むものとなり、か
つ成形加工精度が充分に高く得られるので、成形後の加
工が不要になり、コストアップを少なく抑えることがで
きる。
【0023】さらに、1本1本独立した導体バーを用い
た場合と比較すると、積層された回転子鉄心のかご形巻
線用の孔、つまりスロットに一本ずつ導体バーを挿通さ
せる手間が省けると共に、エンドリングの溶接加工が一
方のエンドリングだけで済むので、製作が極めて容易に
なり、コストアップをさらに抑えることができる。
【0024】しかも冷間押出しによるかご形成形体は、
寸法精度が大きく向上できるので、導体バー部材の断面
をスロットとほぼ同程度にまで大きくしても、スロット
に挿入することができ、この結果、導体断面積の低下に
よる抵抗増加の虞れがなく、従って、二次抵抗損失が少
なくて、高トルクで高効率の誘導電動機を容易に得るこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による誘導電動機の
回転子について、実施の形態を用いて詳細に説明する。
図5は、本発明による回転子の一実施例を用いた誘導電
動機を示したもので、図示のように、ハウジング1、エ
ンドブラケット2A、2B、固定子3、軸受4A、4
B、回転子5、回転軸6、外ファン9、エンドカバー1
0で構成されている点は、図9で説明した従来技術と同
じである。そして、この図5の誘導電動機が、図9の従
来技術と異なる点は、回転子5に施されているかご形巻
線の構成にある。
【0026】まず、この本発明の実施例による回転子5
は、電磁鋼板を所定枚積層して形成した回転子鉄心5A
と、この回転子鉄心5Aに設けてあるかご形巻線用のス
ロット孔5cに、軸方向に沿って挿入された導体バー部
材7aと、該導体バー部材7aの両端に設けられるエン
ドリング7からなるかご形巻線とを有しているが、この
点は、まだ従来技術と同様である。
【0027】しかして、この実施例による回転子5が、
従来技術と異なる点は、回転子鉄心5Aに設けてある導
体バー部材7aとエンドリング7からなるかご形巻線の
主要部が、図1に示すかご形巻線成形体7Aで構成され
ている点にある。
【0028】ここで、まず、回転子鉄心5Aは、図3
(a)に示すように、軸孔を有する円板状の電磁鋼板5a
を、同図(b)に示すように所定枚数積層して形成したも
のであり、次に、かご形巻線成形体7Aは、図1の斜視
図と図2の側断面図に示すように、かご形巻線の導体バ
ー部材7aとなる棒状の部材7Aaと、一方のエンドリ
ングとなるリング状の部材7Abとを、銅材の冷間押出
しにより一体に形成したものである。
【0029】そして、このかご形巻線成形体7Aを、回
転子鉄心5Aの一方の側から、棒状の部材7Aaがスロ
ット孔5cに軸方向に沿って挿通されるようにして装着
し、回転子鉄心5Aの他方の側から突出した棒状の部材
7Aaの先端部72に、図4に示すように、他端のエン
ドリングとなるリング状の部材7cに形成してある穴7
1を嵌合させ、棒状の部材7Aaとリング状の部材7c
を溶接して接合することにより、かご形巻線を形成させ
るのである。
【0030】以下、これらの図を参照して、さらに詳細
に説明する。まず、回転子鉄心5Aを構成する円板状の
電磁鋼板5aは、図3(a)に示すように、中心に軸孔5
bが、そして周辺部には複数個のスロット孔5cが形成
してある。
【0031】そして、軸孔5bには回転軸6が挿入固着
され、スロット孔5cには、かご形巻線成形体7Aの棒
状の部材7aが挿入される。次に、かご形巻線成形体7
Aは、図1と図2に示すように、棒状の部材7Aaとリ
ング状の部材7Abとを、両者が一体になるようにして
銅材の冷間押出しにより成形される。
【0032】また、他端のエンドリングとなるリング状
の部材7cも、同様に銅材で成形されるが、このとき、
これらの図1及び図2に示すように、リング状の部材7
cには、かご形巻線成形体7Aの棒状の部材7Aaの先
端部72に合わせて、同じ数の挿入穴71が形成してあ
る。
【0033】そして、まず、回転子鉄心5Aの一方の側
から、かご形巻線成形体7Aの棒状の部材7Aaがスロ
ット孔5cに軸方向に沿って挿通されるようにして、こ
のかご形巻線成形体7Aを回転子鉄心5Aに装着させ、
次いで回転子鉄心5Aの他方の側から突出した棒状の部
材7Aaの先端部72に、図4に示すように、他端のエ
ンドリングとなるリング状の部材7cに形成してある挿
入穴71を嵌合させ、棒状の部材7Aaとリング状の部
材7cを溶接して接合することにより、回転子5を得る
のである。
【0034】なお、この図4は、回転子鉄心5Aを、回
転軸6の中心線を含む垂直平面で、かご形巻線成形体7
Aとリング状の部材7cも含めて、切断して示した断面
図であり、回転軸6は省略してある。
【0035】次に、かご形巻線成形体7Aの冷間押出し
成形について説明する。冷間押出し成形は、周知のよう
に、金型を用い、素材を固体のまま塑性変形させ、金型
の形を写し取るようにして成形する技法であり、かご形
巻線成形体7Aの冷間押出し成形には、図6に示すよう
な、上型70Aと下型70Bとからなる金型を使用す
る。
【0036】ここで、まず上型70Aの形状は図7に示
すようになっている。この図7で、同図(a)は側面から
見た図で、同図(b)は、(a)図を下から見た図であり、こ
こで、円板状の突起部701により、かご形巻線成形体
7Aのリング状の部材7Abの中央の孔が形成されるよ
うに作られている。
【0037】次に、下型77bは、図8に示すようにな
っている。この図8で、同図(a)は上から見た図で、同
図(b)は、(a)図のA−A’線による側断面図であり、こ
こで、円板状のくぼみ部702により、かご形巻線成形
体7Aのリング状の部材7Abの外形部分が形成され、
このくぼみ部702の底部に形成してある複数本の細長
い穴703により、かご形巻線成形体7Aの棒状の部材
7Aaが形成されるように作られている。
【0038】そして、図6に示す上型70Aと下型70
Bの間の空間Sに所定量の銅の素材をセットし、上型7
0Aと下型70Bに強い圧力を加えて両者を押し付ける
ことにより、一回の操作で素材を塑性変形させて金型の
形状を写し取り、かご形巻線成形体7Aを得るのであ
る。
【0039】上記実施例のように、回転子5のかご形巻
線を形成する棒状の部材7Aaとリング状部材7Ab、
7cの全てを銅材で形成すると、上記したように、銅
は、その固有抵抗が約2.1μΩcm(75℃)であり、
アルミニウムのそれが3.4μΩcm(75℃)であるの
で、本発明の実施例によるかご形巻線の方が、アルミニ
ウムによる従来技術の場合より約40%程度二次抵抗を
小さくすることができ、それだけ温度上昇を防止でき
る。
【0040】また、この結果、本発明の実施例による銅
製のかご形巻線を備えた回転子5を用いた電動機によれ
ば、アルミニウムのかご形巻線を有する回転子を用いた
従来技術に比較して、例えば3.7kWの4極汎用誘導
電動機の場合、二次抵抗を計算上で約40%小さくする
ことができ、従って、二次抵抗損失が40%少なくな
り、電動機の効率として確実に1%向上させることがで
きる。
【0041】この数値は、単純に考えると小さい値に見
えるかも知れないが、アルミニウムをダイカスト成形し
た誘導電動機との比較においては顕著な効果となる。ま
た、上述の如く、二次抵抗を40%少なくできることか
ら、最大出力として10%、最大トルクとして2%、そ
れぞれ向上させることができるので、滑りを確実に低減
させることができる。
【0042】更に、本発明の実施例によれば、銅材を用
いているにも拘わらず、銅の溶融温度(約1100℃)よ
りも充分に低い温度で成形できる。このため、銅を溶融
して成形する必要が無くなり、従って、金型を廉価に得
ることができるばかりでなく、金型の耐久性が増し、か
つ、高精度で、成形後、仕上げ加工処理を必要としない
程度の品質のものが直ちに得られるので、成形後の加工
が不要になり、コストアップを充分に抑えることができ
る。
【0043】これに加え、銅製の導体バーを個々に用い
た従来技術の場合に比較すると、回転子鉄心のスロット
孔に一本ずつ導体バーを挿通させる手間が省けることに
なると共に、エンドリング溶接作業が一度だけで済むの
で、製作が容易になり、しかも導体バーの断面積を、回
転子のスロット孔の面積とほぼ同程度の大きさにしても
挿入できるので、かご形巻線の抵抗を充分に小さくする
ことができ、この点からも高精度化を充分に得ることが
でき、従って、本発明の実施例によれば、二次抵抗損失
が少なく、高トルクで高効率の電動機を容易に得ること
ができる。
【0044】ところで、このようなかご形巻線を有する
回転子では、導体バーに斜めスキューを設ける場合があ
るが、この場合には、上記実施例におけるかご形巻線成
形体7Aにおいて、成形後、その棒状の部材7Aaに外
力を加えるなどして、軸方向に所定角度が与えられるよ
うに成形加工することで対応することができる。
【0045】この場合、回転子鉄心のスロット孔を、棒
状の部材7Aaの太さよりも若干大きめに形成してやる
ことにより容易に挿通でき、支障なくスキュー付き回転
子を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、回
転子のかご形巻線を、銅材の冷間押出しによって形成し
たので、アルミニウム材のかご形巻線を用いた場合より
約40%も固有抵抗が小さいことから、それだけ温度上
昇が抑えられ、二次抵抗損失の低減と共に、滑りを確実
に低減することができることになり、この結果、電動機
の効率を充分に向上させることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おけるかご形巻線成形体を示す斜視図である。
【図2】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おけるかご形巻線成形体を示す側面図である。
【図3】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おける回転子鉄心の説明図である。
【図4】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おける組立状態の説明図である。
【図5】本発明による回転子を用いた誘導電動機の説明
図である。
【図6】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おけるかご形巻線成形体の形成に使用する金型の説明図
である。
【図7】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おけるかご形巻線成形体の形成に使用する金型の内の上
型の説明図である。
【図8】本発明による誘導電動機の回転子の一実施例に
おけるかご形巻線成形体の形成に使用する金型の内の下
型の説明図である。
【図9】かご形誘導電動機の従来例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
5 回転子 5A 回転子鉄心 7A かご形巻線成形体 7Aa 棒状の部材(かご形巻線の導体バーとなる部分) 7Ab リング状の部材(かご形巻線の一方のエンドリ
ングとなる部分) 7c リング状の部材(かご形巻線の他方のエンドリン
グとなる部分) 70A かご形巻線成形体成形用の上金型 70B かご形巻線成形体成形用の下金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 次雄 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 清水 泉 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 井原 松利 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 遠藤 幸郎 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 小川 薫 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 金井 重明 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 水谷 完治 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子鉄心のスロット孔に挿通させた導
    体バーと、この導体バーの両端部に設けられたエンドリ
    ングがなるかご形巻線を備えた誘導電動機の回転子にお
    いて、 前記導体バーと前記エンドリングの一方とが、銅材の冷
    間押出しにより一体に成形されたかご形巻線成形体で構
    成されていることを特徴とする誘導電動機の回転子。
JP18366896A 1996-07-12 1996-07-12 誘導電動機の回転子 Pending JPH1032966A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18366896A JPH1032966A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 誘導電動機の回転子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18366896A JPH1032966A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 誘導電動機の回転子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1032966A true JPH1032966A (ja) 1998-02-03

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ID=16139846

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JP18366896A Pending JPH1032966A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 誘導電動機の回転子

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