JP3639095B2 - 塵埃防止型シリンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者に薬液あるいは造影剤等を的確かつ円滑に注入するのに用いられ、常に滅菌状態を維持する必要があるシリンジの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の技術の例を示すもので、1段のピストンのみを有するシリンジの軸方向断面図である。すなわち従来のシリンジは、図4に示すようにシリンジケース51内に1つのピストン53がピストンロッド55によってシリンジケースの軸方向に摺動自在に配設されており、ピストン53の吸引・注入側56の反対側は大気に流通自在になっていいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのためピストン53が一定のストローク(St1)で繰り返し往復運動を行う際に、その都度大気側からシリンジケース51とピストン53の反吸引・注入側の面とで形成された空間内に外気が流入し、シリンジケース51の内周面に塵埃等が付着する虞れが生じ、本来滅菌状態を維持しなければならない箇所が不衛生になる可能性があるという不具合を有するものであった。
【0004】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたもので、簡潔な構成と低廉な製作費とによってシリンジケース内を常に清潔な状態に維持し得る塵埃防止型シリンジを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は前記特許請求の範囲に記載された塵埃防止型シリンジによって達成される。すなわち、
シリンジケースとピストンとピストンロッドとストッパとによって構成され、シリンジケース内にピストンロッドによって軸方向に摺動自在に挿通されるピストンを2段構造とし、1段目のピストンは注入完了時はシリンジケースの吸引・注入側端部に当接し、吸引時は所定の注入量を吸引するのに必要なストロークを有して反吸引・注入側に移動し、2段目のピストンは上記1段目のピストンよりもシリンジケースの反吸引・注入側に配設されて、上記1段目のピストンのピストンロッドと一体化して製作されたピストンロッドによって駆動され、上記2段目のピストンと一体的に移動する上記1段目のピストンが所定の注入量を吸引するのに必要なストロークだけ反吸引・注入側に移動した時に、上記2段目のピストンの反吸引・注入側の面に当接する位置にストッパを取り付け、上記1段目のピストンの外周部にシリンジケースの内周面に当接して気密および水密を保持させるシール機構を設け、上記2段目のピストンの外周部にシリンジケースの内周面に当接して外気中の塵埃がシリンジケース内の吸引・注入側に進入するのを防止させるOリングを設け、上記シール機構と上記Oリングとの距離を、およそ上記1段目のピストンが所定の注入量を吸引するのに必要なストロークに等しい距離とした塵埃防止型シリンジである。
以下本発明の作用等について実施の形態に基づいて説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態を説明する図で、図1の(a) ,(b) は本発明に基づくシリンジケース内の薬液あるいは造影剤等が流入する領域が外気に接触することなく常に清浄な状態を保持し得ることを説明する図、図2は本発明のシリンジの構成を説明する図、図3は本発明に基づくシリンジを使用した輸液設備のシリンジ周辺図である。
【0007】
図1〜3において、1はシリンジケース、2はストッパ、3は吸引・注入する薬液あるいは造影剤等と接触する側のピストン、4は反吸引・注入側のピストン、5はピストン3のシール、6はピストン4のOリング、7はピストンロッドである。
【0008】
組立手順としては、まず図2(b) に示すピストン3にシール5を装着する。ピストン3の先端部は、シリンジケース1内部の反吸引・注入側端部に密着して当接するように形成し、シール5にはピストン3をシリンジケース1内に挿入してセットした際にシリンジケース1の内周面に当接して気密および水密を保持させる機能を保持させる。
【0009】
次いでピストン4にOリング6を装着して駆動部を完成させる。Oリング6は、ピストン4をピストン3と一体的シリンジケース1内に挿入してセットした際にシリンジケース1の内周面に当接して、外気中の塵埃等の不衛生なものがシリンジケース1内のOリング6よりも吸引・注入側に進入するのを防止させる機能を保持させる。
【0010】
ピストン3とピストン4のピストンロッド7は、一体のものを用いてよいし、また独立したものを軸方向に連結して一体化したものを使用してもよい。
【0011】
次いで図2(a) に示すストッパ2を取り付ける前の状態のシリンジケース1内に上記のピストン3、ピストン4およびピストンロッド7からなる駆動部を挿入し、シリンジケース1の反吸引・注入側端部にストッパ2を被せて溶着等によって強固に固定する。
【0012】
その際ストッパ2の位置は、ピストン3が所定の注入量を吸引するのに必要なストロークだけ反吸引・注入側に移動した際に、ピストン4の反吸引・注入側の面が当接するようにして定める。
【0013】
ピストン3とピストン4との間隔は、ピストン3が所定の注入量を吸引するのに必要なストロークだけ反吸引・注入側に移動した際に、シリンジケース1内の吸引・注入側端部とピストン3のシール5部とで形成される空間内、換言すれば吸引された薬液あるいは造影剤等の液が接触するシリンジケース1の内周壁が、吸引した薬液あるいは造影剤等の液を全量注入(吐出)した際に決して外気に接触して汚染された虞れのあるシリンジケース1の内周壁に接触することのないように、ピストン3のシール5とピストン4のOリング6との距離をおよそピストン3が所定の注入量を吸引するのに必要なストロークと等しい距離を保持させて取り付けることが重要である。
【0014】
図1はこのようにして構成した塵埃防止型シリンジの機能を説明する図で、図1(a) は注入完了時の各ピストンの位置を示し、図1(a) においてピストン4のOリング6よりも右側、すなわち、反吸引・注入側のシリンジケース1の内周面は外気に接触していることを示している。
【0015】
図1(b) は吸引完了時の各ピストンの位置を示し、ピストン4の反吸引・注入側の面はストッパ2に当接しており、その時のピストン3のシール5の位置は、図1(a) におけるピストン4のOリング6の位置よりも吸引・注入側にあることから、薬液あるいは造影剤が流入して接触するシリンジケース1の内周面が外気によって汚染されることがない。
【0016】
図4は本発明に基づくシリンジを用いて連続的に薬液あるいは造影剤等を吸引/注入(排出)する輸液設備のシリンジ周辺図であり、図4に示すように滅菌状態を維持して液の注入(排出)を行い得ることを示している。
【0017】
【発明の効果】
このように本発明によれば下記に示す効果を奏する。
(1) シリンジによって薬液あるいは造影剤等を、外気に接触して汚染され虞れのある面に接触させることなく、連続的にかつ的確に吸引・注入(排出)させることにより、滅菌状態を高い精度で維持することが可能になる。
【0018】
(2) シリンジケースの反吸引・注入側端部にストッパを設けたことにより、シリンジケース内の駆動部が誤ってシリンジケースから抜け出す等の不具合を防止し得る。
【0019】
(3) ストッパを、所定の注入量を吸引するのに必要なストロークだけ移動した反吸引・注入側のピストンの外気面側に当接させて設けることにより、シリンジ組立品を輸液ポンプ本体にセットする際の位置決めが容易になる。
【0020】
(4) 構造が極めて簡潔であることにより、低廉な価格で製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明する、シリンジケース内が外気に接触することなく常に清浄な状態を保持し得ることを説明する図である。
【図2】本発明のシリンジの構成を説明する図である。
【図3】本発明に基づくシリンジを使用した輸液設備のシリンジ周辺図である。
【図4】従来の技術の例を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンジケース
2 ストッパ
3、4 ピストン
5 シール
6 Oリング
7 ピストンロッド
51 シリンジケース
53 ピストン
55 ピストンロッド
56 吸引・注入側
Claims (1)
- シリンジケースとピストンとピストンロッドとストッパとによって構成され、
シリンジケース内にピストンロッドによって軸方向に摺動自在に挿通されるピストンを2段構造とし、
1段目のピストンは注入完了時はシリンジケースの吸引・注入側端部に当接し、吸引時は所定の注入量を吸引するのに必要なストロークを有して反吸引・注入側に移動し、
2段目のピストンは上記1段目のピストンよりもシリンジケースの反吸引・注入側に配設されて、上記1段目のピストンのピストンロッドと一体化して製作されたピストンロッドによって駆動され、
上記2段目のピストンと一体的に移動する上記1段目のピストンが所定の注入量を吸引するのに必要なストロークだけ反吸引・注入側に移動した時に、上記2段目のピストンの反吸引・注入側の面に当接する位置にストッパを取り付け、
上記1段目のピストンの外周部にシリンジケースの内周面に当接して気密および水密を保持させるシール機構を設け、
上記2段目のピストンの外周部にシリンジケースの内周面に当接して外気中の塵埃がシリンジケース内の吸引・注入側に進入するのを防止させるOリングを設け、
上記シール機構と上記Oリングとの距離を、およそ上記1段目のピストンが所定の注入量を吸引するのに必要なストロークに等しい距離とした、
ことを特徴とする塵埃防止型シリンジ。
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JP24509497A JP3639095B2 (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 塵埃防止型シリンジ |
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1997
- 1997-09-10 JP JP24509497A patent/JP3639095B2/ja not_active Expired - Lifetime
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